小よく大を制するには?? 武術の理想像について

小よく大を制するには?? 武術の理想像について

武道・武術の理想として「小よく大を制する」というのがあります。これは身体の小さい人間が多い人間を制するという事です。それには何が必要なのでしょうか?技術の問題もありますが、身体の使い方にも工夫があります。


武道・武術は東洋人の叡智が詰まっている!?

武道・武術は東洋で発達したものです。日本には空手・剣道・柔道・合気道があり、中国には中国武術、その他フィリピン武術などもあります。昔はルールに基づいた「競技」はなく正に実践の中で技が磨かれてきました。同じ民族同士で争うことも当然ありますが、西洋人と勝負することもありました。体格で劣る東洋人が大柄な西洋人をどう制するのか?
それは武道・武術にとって大きなテーマとなっていたはずです。試行錯誤をしながら身体の使い方も発達し現代まで受け継がれています。

気の養成法によって筋力を越える

東洋独自の鍛錬法として「気の養成」があげられます。歴史の古い中国武術では古来より気を養う「養気」、気を巡らす「行気」、気を練る「練気」などの練習法が存在しています。
筋力では東洋人は西洋人に及びません。それではどうするかというところで気の養成法を武術に活かすという技術が発達してきました。
太極拳に代表される武術は気の養成法を重視しますので、筋力トレーニングは重視していません。
気の養成によって身についた力は腕力とは違います。歴史を通じて名の残る達人と言われる武術家は高齢であっても技は凄く、体格も細身であったという話は沢山あります。それは筋トレではなく気の養成を長年やっていた結果ともいえるでしょう。

気はあるのか無いのか…

「気の力」というと疑問に思う方も多くいます。それは相手に触れないで飛ばすようなパフォーマンスを見ての反応だと思います。誤解を受けるような部分もありますが、気とはエネルギーとも言い換えられます。人間には生体エネルギーがあります。生命力そのものと言っても過言ではないでしょう。
日常的にも「元気」「勇気」「やる気」「根気」など「気」を使った言葉は沢山あります。エネルギーという理解であればあるとか無いの問題ではなく、人に宿っているともいえますね。

正しい技術の習得が大切です

気の養成法は繊細な技術なので正しく学ぶことが大切です。自分でアレンジしてしまったり、色々な技術をミックスしてしまうような練習はオススメしません。また、書籍や映像だけで学ぶのも限界があります。しっかりとした師について教えられた技術を正しく積み重ねるのが一番の近道です。

まとめ

身体が小さくでも武道を諦める必要はありません。また、年齢が高いからといって諦める必要もないのです。こういった気の養成を練習していくことで、体格・年齢を超えた力を身につけることは可能です。これから武道を始めたいと思っている方はそういう観点からも練習内容を吟味されるといいと思います。

本記事は2018年05月28日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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