ヨーロッパ貴族に愛されたバレエ
ルネッサンス期のイタリアで始まったバロ(Ballo)は、貴族たちが地面に円を描いていく遊びでした。そこから合唱の振り付けになり、宮廷貴族の間で楽しまれるようになりました。特に、ルイ14世はバレエが大好きなことで有名で、自ら舞台に出演し、王立舞踏アカデミーまで作ってしまうという、ものすごい熱の入れようでした。
今現在「バレエ」と聞いて連想されるような、ふわふわの衣装と爪先立ちが特徴のバレエは、フランスで発展したロマンティック・バレエが基礎になっており、その後ロシアに伝わってストーリー性のあるクラシック・バレエが完成しました。フランスで発展したため、バレエ用語はほぼフランス語の単語です。
20世紀初頭には、モダン・バレエという独創的なバレエを始める舞踏家が現れました。現在鑑賞できるのは、クラシック・バレエと、モダン・バレエがメインです。バレエは、無言で踊るので、必ずバックミュージックがかかります。バレエのために作曲されたクラシック音楽は、いくつかの代表作が残っており、今でもよく踊られる演目として有名です。
有名作品1:くるみ割り人形
くるみ割り人形は、一番有名といっても過言ではないほどよく踊られる作品です。チャイコフスキー作曲の三大バレエ音楽(あとの二つは「白鳥の湖」と「眠れる森の美女」)の一つです。ストーリーは知らなくても、イントロを聴けば知っているという人も多いでしょう。
クリスマスの夜のファンタジックな世界が人々を魅了してきました。くるみ割り人形をクリスマスの夜にプレゼントされた主人公は、くるみ割り人形(実はお菓子の国の王子)にお菓子の国へ連れて行ってもらいます。様々な人物による舞踏(スペインの踊り、アラビアの踊り、中国の踊りなど)でもてなされる主人公。それぞれ全く曲想の異なった曲であるため、一節だけを発表会で上演することもあります。きらびやかで豪華な演出が特徴です。
日本ではアレンジが加わったバージョンも存在し、バレエ団ごとに味付けが施された独自の「くるみ割り人形」を楽しめます。
有名作品2:海賊
アドルフ・アダン作曲のバレエ音楽「海賊」は、少し特殊な楽曲です。1858年にマリウス・プティバによって上演された時に、チェザーレ・プーニが数曲を追加し、アレンジしました。その後いくつかの曲が追加され、今に至ります。
海賊はギリシャに面するイオニア海を舞台にした、難破した海賊の首領コンラッドと、ギリシャの娘メドゥーラとの恋物語です。途中、いくつもの試練が二人に降りかかりますが、一番の見所は難破船のシーンです。大波に飲まれて船が難破するところは、思わず見入ってしまうほどの迫力があります。音楽は、海を舞台にした壮大な曲想です。冒険とロマンが好き!という人には是非一度観ていただきたい作品です。
まとめ
バレエ音楽は、普段の生活にもそれとなく流れていることがあります。ステップを踏みやすいリズムのある曲が多いので、聴いているだけでも踊りたくなってきます。ご紹介した以外にも、有名曲は多数あります。バレエを鑑賞する前には、公演される曲の大まかなストーリーと、上演作が全体の一節だけの場合は、前後とのつながりを前もって予習しておきましょう!
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