ハローワークと民間講座の介護職員初任者研修講座、どっちを選ぶべき?

ハローワークと民間講座の介護職員初任者研修講座、どっちを選ぶべき?

介護職員として働き、その後のキャリアパスの道筋を考えたとき、介護職員初任者研修受講は必要不可欠となります。また、介護業界で働くにはこの研修を修了することが大前提です。ただし、介護職員初任者研修は130時間の必修項目があり、時間も費用もかかります。ここでは、国が提供しているに職業訓練制度を利用することが得策なのか、民間の各種学校で受講することが良いのか、双方のメリット・デメリットを比べてみました。


ハローワークで行う求職者支援制度について

ハローワークでは雇用保険を受給できない方を対象に、早期就職を実現するため国の支援のもとで職業訓練を行う「求職者支援制度」を設けています。
ただし、誰でもこの制度を利用できるわけではなく「特定求職者」であることと、労働の意思があることを大前提としています。また、事前にお住まいの管轄にあるハローワークへの求職申込をしていることも大切です。

特定求職者は基本的に、雇用保険を受給できない求職者を指しています。噛み砕くと、「雇用保険の受給修了者」「雇用保険の受給資格要件を満たさなかった者」「雇用保険の適用がなかった者」「学卒未就職者」「自営廃業者」が当てはまる人です。また、認定基準等も存在しているので、事前にハローワークに確認しましょう。

求職者支援制度には、さまざまな訓練コースが存在しており、今回ここで取り上げる介護職員初任者研修もそのコースの一つです。テキスト代等は自己負担となりますが、受講料はすべて無料となります。

また、職業訓練を受けている間もハローワークの就職支援サービスを受けることができます。さらに、収入限度額を下回る場合や、8割以上の出席率での講習修了など一定の要件を満たせば職業訓練受講給付金を受け取ることも可能です。

デメリットとしては、開講時期が限られていること、国の予算で動く事業ですので、定員が限られていることが挙げられます。時期や地域によっては受講できない場合もあります。

職業訓練で介護福祉士は目指せるのか?

介護福祉士を目指すには、3年間の実務経験と介護職員実務者研修を受講することが必須条件となります。求職者支援制度では、基礎的な介護職員初任者研修のみの提供に留まり、座学ではなく実技要素を含む実務者研修を受講するには、再度同様の制度(公共職業訓練など)を利用する必要があります。

再度、求職者支援制度を利用するには、修了後2年以上の待機期間を越える必要があります。待機期間は、求職者にとっては大きなマイナス要素ですし、現実的な話ではありません。

求職者支援制度を利用し研修修了された方は、更なる高みのために別制度である公共職業訓練を受講することができます。求職者支援制度から公共職業訓練を介して、介護福祉士を目指す事は可能です。
※求職者支援制度(一般的な職業訓練)と、公共職業訓練は別物です。

この場合は、短大や大学などの養成施設へ通学受講となります。公共職業訓練ですので、養成施設への入学金や授業料は不要ですが、諸経費・教材費などは自己負担となります。
自己負担金は20万円前後が目安となります。

費用負担ができない場合は、ハローワークで貸付制度を利用することも可能です。ただし、公共職業訓練による介護福祉士養成科受講を提供するハローワークは限られています。また、だれしもが公共職業訓練として養成施設へ通学できるとは限りません。入学時期や定員も定められていますので、ハローワークへ事前に確認を行うことも大切です。

また、求職者支援制度で介護職員初任者研修を修了し、ハローワークがあっせんしてくれた介護事業所で働きながら、自力で介護職員実務者研修を終え介護福祉士の受験資格を得る道も選べます。

各種学校が提供する介護職員初任者研修講座を受講すること

民間のスクールでは、介護職員初任者研修講座を定期的に開講しています。受講料や教材費はある程度かかりますが、最寄りのスクールへ無理のないスケジュールで通うことができます。また、通信制で受講すること等も選べますし、実習・演習が必要な項目でも実際の介護事業所などに出向いて実習ができるメリットも生まれます。

さらに、学校と提携している介護事業所への就職が決まりやすいという点も、メリットとして挙げることができます。
求職者支援制度を利用することと講習内容等は変わりありませんが、家事や育児、仕事と両立しながら勉強したいという方も多く受講しています。

どちらを選ぶのが得策なのでしょうか

ハローワークの求職者支援制度を利用し、無料で介護職員初任者研修を受けることや、自力で民間の各種学校へ出向き研修を受けること、それぞれにメリットがあります。
ただし、ハローワークでは誰でも利用できる制度ではありませんし、申込者すべてが受講できるとは限りません。

ハローワークの支援では大学や短大へ通うことになりますので、生活のすべてを学習に注ぐ必要が生じます。ご自身の職歴や年齢などを考慮しながらにはなりますが、各種学校で介護職員初任者研修や実務者研修を受講した方が、道のりが近くなり仕事と私生活の両立が望めます。

まとめ

ハローワークの支援制度を利用し職業訓練の一環で介護職員初任者研修を受講することができますが、厳しい条件が課せられており、現在働いている方や雇用保険の受給を受けている方は受講のハードルが厳しい物となっています。
一方費用がかかりますが、自費で民間のスクールにて介護職員初任者研修や実務者研修を受講することで、自分のペースで通学でき細やかな指導を受けることができます。
少しでも早く介護職に就きたいという場合は、民間のスクールに通うことが近道です。ご自身の生活背景を考慮して自分のより良い方法で学習方法を選びましょう。

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本記事は2017年04月17日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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