試験の概要と基本
まず、「家庭料理技能検定とはどんなものか」について考えていきましょう。
家庭料理技能検定は、「食生活に関心を持ち、正しい知識を持って、実際に料理をして、見た目にも栄養価的にも味的にも、バランスのとれたおいしい食事をとれるように」ということを考えて作られた試験です。
この試験は、文部科学省や農林水産省、厚生労働省などの後援を受けて作られているもので、「食事」の研究を行ってきた「香川栄養学園」によってつくられたものです。
「食育」は非常に大切なものであり、「食事」は人生そのものを支えるものです。
そこに着目して作られたこの家庭料理技能検定は、小学生でも受けることができるものであり、どのような年齢、どのような立場であっても、食事の大切さが学べるようになっています。
さて、この家庭料理技能検定ですが、これは難易度別に6段階に分けられています。
5級・4級・3級・2級・準1級・1級であり、そのうちの5級と4級を除く4段階では、筆記試験のほか、実技試験も課せられます(一次試験が筆記試験、第二次試験が実技)。
単純に、「食の知識」を学ぶだけでなく、「食事を作り出す技術」も求められる家庭料理技能検定らしい試験制度だと言えるでしょう。
試験にかかる金額は、以下の通りです 。
基本的には受験資格はありませんが、1級を受ける人のみ、「準1級の合格者であること」が条件として課せられます。
どんな問題が出てくるの?
さて、家庭料理技能検定ではどのような問題が出されるのでしょうか?
これは、家庭料理技能検定の公式サイトでも例題を見ることができます。
問題の難易度に関する感じ方は人それぞれではありますが、もっとも簡単な5級であっても、おせちの食材の由来が問われたり、実際の料理の手順を聞かれたりします。
1級になると、食生活だけでなく、食事そのものの歴史や、ライフステージによって異なる栄養補給の具体的な指針を問われるなど、非常に難易度が高くなっています。
実技試験は、もっとも下位資格である3級でも、「厚さを均一にして、かつ3分以内に食材を切りそろえよ」といった問題が出てきます。
1級になると、来客向けの食事をつくるように言われます。
この場合、課題となる料理が1つ出され、そのうえで、そこに追加して2~3品のメニューを作るように、という問題が出てきます。
1級の場合は、「おいしさ」だけでなく、「盛り付け」なども問われており、食材の焼き具合なども問われます。
ちなみに、「筆記試験は合格したが、実技試験で不合格になってしまった」という場合は、1年以内ならば、筆記試験なしで次の実技試験を受けることができます。
独学でも合格できる? 合格率はどれくらい ?
人によって、簡単・難しい、の感じ方は異なるものです。
ただ、下位資格であるならば十分独学で取得できる、というのが経験者の言葉のようです。
上位資格(2級~)以上になると難易度がアップするため、かなりしっかりした勉強が必要になるでしょう。
合格率に関しては、4級が73.0パーセント、3級が59.5パーセント、2級が29.4パーセント、1級が14.3パーセントだと言われています(2015年のデータによる)。
ここからも、「2級以上になると、いきなり難易度があがる」というのがわかるようですね。
試験のための参考書は、全国の書店生協で売られています。
合格発表に関しては、試験終了後1か月以内に届きます。
どんな人が受けているの?
家庭料理技能検定は、非常に多くの人が受けています。
小学生の場合は、基本の料理を勉強したり、食材に興味を持ったりするために。
中学生は、成長期に相応しい栄養価を学ぶために。
高校生は、これから先の1人暮らしなどに向けて。また、高校生の場合は、栄養士などを未来の夢としている生徒が、家庭料理技能検定の取得に努めることもあります。
大学生や専門学生の場合は、今後の生活に向けて。また、教員や保育士、調理師になるための勉強をしている人にとっても、家庭料理技能検定は相性のよい資格としてよく知られています。
社会人になってからも、「これからの生活を健康的に送ること」を目的として受けたり、食事に関わる仕事をしている人が受けたりしています。
また、食事は「健康」の基本であるため、福祉系の仕事をしている人にも愛されている資格だと言えます。
まとめ
どのような世代、どのような立場の人にとっても、「食べること」「食事をつくること」は非常に大切なもの。
家庭料理技能検定は、そのような「食事」に向き合う資格として非常に有効です。「資格取得」だけを目的とするのではなく、その勉強や試験の過程において、「食べることの意味」「正しい食生活を送ることの意義」に気付かせてくれるものだと言えるでしょう。
試験費用も決して高くはなく、実技試験も受けられるものですから、興味のある人は、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
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