だし(出汁)の取り方と、最適な保存方法について

だし(出汁)の取り方と、最適な保存方法について

「旨味を利用して料理を作ること」を覚えると、料理の幅は急激に広がり、そして料理の味に深みが増します。日本では「だし(出汁)」がありますが、これは料理の基本であるとともに、料理を非常に面白く、深く、個性的なものにしてくれるものです。 今回は、このだし(出汁)の利用方法について見ていきましょう。


世界各国にあるだし(出汁)の考え方

「だし(出汁)の文化は日本の文化である」という意見を時々目にしますが、これは正しくはありません。
海外にも日本にも、だし(出汁)の文化はあります。

海外においては、フォン・ド・ボー(肉の骨からとるもの)やフュメ・ド・ポワソン(魚の骨からとるもの)がありますし、日本では昆布からとるものやカツオブシからとるものがあります。

また現在では、これらの考え方や方法がお互いに影響を及ぼし合い、新しいだし(出汁)を構成しているという事実もあります。

ただ、いずれの場合であっても、食材からとれる旨味を利用して、おいしい料理を作り上げるのだという考え方には変わりがありません。

現在はさまざまなだし(出汁)の元が売っています。これらは大変おいしいものです。

ただ、「自分でとるだし(出汁)」を知っていること、その技術を持っていることは、普段の食事をつくるうえでとても役に立ちます。自分でだし(出汁)をとることを覚えればさまざまな料理に応用できますし、
また「おいしいだし(出汁)、好みに合わないだし(出汁)」を見極めることもできるようになります。

だし(出汁)の基本的な栄養素について

一口に「だし(出汁)」といっても、その種類はさまざまです。
ただ、いずれのだし(出汁)であっても、カロリーはほとんどありません。
塩分の量は質量(g)の3%~5%程度でしょうか。

砂糖やみりんに代表されるように、調味料のなかにはカロリーが高いものが多いですが、だし(出汁)を使って料理することを覚えると、肥満対策ができる料理をつくることも簡単になります。

ただ、塩分量はそれなりにあるので、高血圧を気にしている人は、少し加減をした方がよいでしょう。

だし(出汁)の基本的な取り方について

だし(出汁)のとり方は、どんな材料を使うかによって異なります。

代表的なだし(出汁)である「昆布だし(出汁)」の作り方は以下のとおりです。

1.水に30分ほど昆布をつけておく
2.1を鍋に入れて、中火にかける
3.8分ほど煮込む
これが基本のやり方です。

煮干しの場合はもう少し面倒です。これも少し見ていきましょう。

1.煮干しの頭を撮り、内臓を取り除く
2.水に煮干しを一晩付けおく
3.中火にかける
4.出てきたアクをすくないながら、5分ほど加熱
5.ペーパータオルを濡らし、それを敷いたこし器でこす
6.完成です!

だし(出汁)の保存方法について

「だし(出汁)をとったのはいいけれど、残ってしまった」という人もいるでしょう。
しかし常温でだし(出汁)を放置しておくと、すぐに傷んでしまいます。特に夏場は傷みやすく、半日程度でだめになってしまうことも珍しくありません。
そのため、きちんとした保存方法を知っておく必要があります。

もっとも簡単なのは、冷蔵庫に保管することです。
お茶のポットやタッパー、あるいはペットボトルなどを利用して保管してください。
ただ、この場合でも、だし(出汁)は2日程度しか日持ちしません。
冷蔵庫で保管していても、時間が経ちすぎると、にごりが出て腐ってしまうことも。早めに使い切るようにしてください。

また、冷凍庫で保管するのもよいでしょう。
こちらの方が長く持ちます。しっかり凍らせれば、3週間程度は使うことが可能です。
製氷皿にだし(出汁)を入れて固めれば、それでしっかり固めることができます。

これは大変便利な方法ではありますが、同時に、「冷凍庫の臭いを吸い過ぎる」などの問題点もあります。製氷皿で作っただし(出汁)氷は、ビニールバックなどに入れて保存してください。
また、これもできるだけ早くに使い切ることをおすすめします。

一番良いのはちゃんと習いに行くことです

ここまで「家でだし(出汁)をとることとその保管方法」についてみてきました。
しかし実は、だし(出汁)をとることはすべての料理の基本でありながら、もっとも難しい技術の一つだとも言われています。

「西洋料理の基本であるコンソメスープは、透き通った色に仕上げるのがとても難しく、手間がかかる」と聞いたことのある人もいるかもしれませんね。

もちろんここまで本格的にやりたい、という人はそう多くはないと思われますが、「基本の基本をしっかりと学びたい」「一度お手本を見たい」「自分のやっている手順に間違いがないか、確認したい」ということであれば、料理教室で学んでみることをおすすめします。

料理の基本となるだし(出汁)の正しい出し方、作り方、保存方法、利用方法を知ることで、料理の世界は広がり、もっともっと楽しくなるはずです。

まとめ

だし(出汁)の基本についてお話してきました。

だし(出汁)は、どんなものからとるかによってまったく味わいが異なるものです。
まずは簡単なものから初めて、徐々に「とれるだし(出汁)」を増やしていきましょう。
同じ料理であっても、だし(出汁)を変えるだけで、まったく違う味わいになるという楽しみを知れば、料理がとても楽しくなりますよ!

本記事は2017年10月16日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

関連する投稿


家庭料理技能検定ってどういう検定?難易度は ?

家庭料理技能検定ってどういう検定?難易度は ?

「家庭料理技能検定」は、「料検」とも略されるものです。 古い歴史を持つこの家庭料理技能検定の概要と、そしてその合格率、どんなことをやるのか、難易度はどんなものなのかについて見ていきましょう。


まな板の選び方。まな板は素材でこんなにも変わる !?

まな板の選び方。まな板は素材でこんなにも変わる !?

だれもが当たり前に使っている「まな板」。 しかしこのまな板、実はさまざまな種類があり、そしてさまざまな特徴があるのです。 今回は、材質別に、それぞれのまな板の特徴とメリットデメリット、特徴、お手入れの方法について見ていきましょう。


料理教室初心者が体験をする前に知っておきたいこと

料理教室初心者が体験をする前に知っておきたいこと

「親から『花嫁修業として、料理教室に行け』と言われた」 「今春から一人暮らしをするから、その前に料理を学んでおきたい」 「今までまったく料理をしなかったけれど、パートナーとは共働きをしていく予定。自分も料理を作れるようにならなきゃ」 さまざまな理由で、「料理を学びたい」と考える人がいると思います。 しかしそのときに気になるのは、「まったくの料理初心者だけど、本当に大丈夫?」ということ。 今回はこんな悩みについて回答したいと思います。


料理の盛り付けを学べるテーブルコーディネート教室とは

料理の盛り付けを学べるテーブルコーディネート教室とは

「せっかく料理が作れるようになったのだから、だれかに見てもらいたい」 「きれいに盛り付けて、いかにもおいしそうに見えるようにしたい」 このように思うのは、ごく自然なことです。 だれかに褒めてもらえればモチベーションもあがりますし、ますます料理熱が上がりますよね。 そこでここでは、SNS映えする料理の盛り付けや、テーブルコーディネート技術についてお教えします。


最新の投稿


イタリア語教室の料金相場はどれぐらい?初心者でも失敗しない教室選びのポイントなど徹底解説

イタリア語教室の料金相場はどれぐらい?初心者でも失敗しない教室選びのポイントなど徹底解説

イタリア語は、美しい響きと独特のリズムを持ち、多くの人を魅了する言語です。旅行先で現地の人と会話を楽しみたい、留学して本場の文化を学びたい、あるいは仕事でイタリア語を活用したいなど、学び始める理由はさまざまです。しかし、いざ学びたいと思った時に、まず気になるのは「どのくらいの料金で学べるのか」という点でしょう。この記事では、イタリア語教室の料金相場をはじめ、安く抑えるコツから初心者が失敗しない教室選びのポイントまで詳しく解説します。


押し花教室の月謝はどれぐらい?レッスン別の料金相場や教室選びのポイントを紹介

押し花教室の月謝はどれぐらい?レッスン別の料金相場や教室選びのポイントを紹介

押し花(プレストフラワー)は、草花の美しさをそのまま閉じ込め、額装や小物などにアレンジして楽しむクラフトです。最近では趣味としてはもちろん、インテリアや贈り物としても人気が高まっており、はじめてみたいと思う方が増えています。とはいえ、いざ押し花を始めようと思っても「何から手を付ければいいの?」「独学では限界が…」と迷うことも。そんなときに心強いのが、基礎から丁寧に学べる「押し花教室」です。この記事では、押し花に興味を持ちはじめた初心者の方に向けて、気になる押し花教室の費用の目安をはじめ、受講料以外にかかる費用、料金を抑えるコツ、そして教室選びのポイントまで、詳しく紹介していきます。


【中国語教室 料金相場】初めての中国語学習にはスクール受講がおすすめ!初心者が失敗しない選び方も紹介

【中国語教室 料金相場】初めての中国語学習にはスクール受講がおすすめ!初心者が失敗しない選び方も紹介

「中国語を習ってみたいけど、どれくらいの費用がかかるのか分からない」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。最近では、ビジネスや旅行、趣味など、さまざまな目的で中国語を学ぶ方が増えてきました。それにともなって、中国語教室の種類やレッスンスタイルも多様になり、料金体系も教室ごとにバラバラです。この記事では、中国語教室を初めて受講しようとしている方に向けて、中国語教室の料金相場から、料金を安く抑えるコツ、初心者でも失敗しない教室の選び方について紹介します。


スペイン語教室の料金相場は?料金を安く抑える方法から初心者が失敗しない教室の選び方を徹底解説

スペイン語教室の料金相場は?料金を安く抑える方法から初心者が失敗しない教室の選び方を徹底解説

スペイン語を学びたいけれど、「どれぐらいお金がかかるのか分からない」と迷っている方は多いのではないでしょうか。特に初めて語学教室を探すときは、料金の仕組みやプランの違いが分かりにくく、不安を感じやすいものです。この記事では、初めてスペイン語教室を受講しようと検討している方に向けて、料金相場など費用の目安、料金を抑える方法、そして後悔しない教室の選び方まで、分かりやすく解説していきます。


ボイトレ教室の料金相場と費用を安く抑えるポイントを解説!初心者が失敗しない教室の選び方も紹介

ボイトレ教室の料金相場と費用を安く抑えるポイントを解説!初心者が失敗しない教室の選び方も紹介

「歌がうまくなりたい」「人前で堂々と話せるようになりたい」「自分の声に自信を持ちたい」…そんな思いから、ボイトレ(ボイストレーニング)教室を検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ教室を探し始めると気になる点が次々に出てきます。特に初めての方にとっては、月謝以外の費用や、教室ごとの料金体系の違いがわかりづらく、不安を感じてしまうこともあるでしょう。この記事では、初めてボイトレ教室を検討される方に向けて、レッスン形式ごとの料金相場や、月謝以外にかかる費用、費用を抑えるコツから教室の選び方まで、わかりやすく解説します。