太極拳の呼吸法である八段錦とは
八段錦は太極拳の中でも気功の一種であり、名前の八段錦とは絹織物でも最も美しいという意味からつけられています。つまり、選りすぐられた運動という意味であり、8つのスタイルから同じ動きを8回繰り返します。一つの動きに1呼吸します。それぞれについて動作を解説しましょう。
■1.一段錦
足は肩幅に開き、ひざを軽く曲げます。両手を下腹部で組んで息を吐きます。上向きに両手を組んだまま息を吸い、肩の高さに上げていきます。
組んだ手を下向きにして息を吐きながら丹田(おへその下あたり)に下げます。吸いながら組んだ手をそのまま上に上げて、顔のあたりで手を返して伸びをします。最後に息を吐きながら両手を左右に分けていきます。
■2.二段錦
足を肩幅より広めに取り、腰を落として騎馬立ちします。腕は前にたらして息を吐き、息を吸いながら両手をゆっくり胸の前に上げます。左手はVサイン、右手は握りこぶしを作り、息を吐きながら左手は弓を引くように左に押し出します。右拳は右後方に引きます。
上半身は前向きですが、首を左手の動きに合わせ90度回して目は左手を見るようにしましょう。左右に開いた手を静かに戻します。息を吐きながら両手を下に下ろします。
■3.三段錦
足は肩幅に広げ、息を吐いてから両手のひらを上向きにし、息を吸いながら両手を肩の高さまで上げます。両手のひらを下向きに返して息を吐きながら、みぞおちのあたりに下ろします。息を吸いながら左手を顔のところで返して上に精一杯伸ばします。
息を吐きながら上に伸ばした左手を、大きく円をかきながら下ろしていきます。(右も左と逆の動きをします。)
■4.四段錦
足を肩幅に開き、息を吸いながら両手のひらを上向きにして両手を肩の高さまで上げます。息を吐きながら手のひらを返してゆっくり下に下ろします。
首を左にゆっくり回して、両手を上向きにして、息を吸いながら両手を肩の高さにゆっくり上げていきます。このとき首を正面に戻しましょう。
■5.五段錦
両足を広く開いて、騎馬立ちします。両手は足を逆手に持つようにして足の付け根に置きます。頭と背骨の一体感を感じながら右前方に30度倒し、息を吐きながらそのまま上半身を左に回して膝頭で止めます。息を吸いながら右足を見て気を通します。
軽く息を吐いて首を戻して、息を吸いながら右前方にゆっくり上半身を戻します。この動作は左右一緒なので右も同じようにしていきます。
■6.六段錦
両足を肩幅に開き、息を吸いながら手のひらを下向きにしてゆっくり肩まで上げ、吐きながら両手を下ろします。息を吸いながら両手を上げて、天に向かって両手を左右交互に突き上げます。5回程度突き上げたら、腰を中心に上半身を右から左に3回、回します。左右交互に回したら、下から上に腕を伸ばし3回程度交互に突き上げ、手を伸ばしたまま息を吐きながら腰をひねります。そのとき頭と両手はゆっくり下ろします。
■7.七段錦
両足を広く開いて、騎馬立ちします。両手で少し固めに拳を握り、胸の前まで上げます。息を吐きながら左の拳を左前方に45度突き出して、同時に右拳は後ろに引きます。
左右の拳は息を吸いながら胸の前に戻し、息を吐きながらゆっくり下に戻します。右拳も左と同様に行ってください。
■8.八段錦
拳一つ程度足の間を開けて立ちます。両手のひらは下向きで、息を吸いながら両手を肩の高さまで上げます。息を吐きながらゆっくり両手を下ろします。この姿勢のままで、息を吸いながらゆっくり踵を上げ、つま先立ちのような形を取ります。
このときお尻の筋肉を絞めます。3秒程度維持したら、息を吐きながら踵を下ろしていきます。
まとめ
どの動作もスタイルも、太極拳の基礎であり、実際にやってみると太極拳を習ったことがなくても非常に気持ちがいいことがわかります。ポイントとして、呼吸は細く長くするようにしてください。日々のストレス解消や血行不良を解消するのにもってこいです。ぜひ実践してみましょう。
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