太極拳の武術性
太極拳は本来、相手を倒す戦闘法として生み出されたものでした。現在の太極拳は健康的な面が意識されますが、これは太極拳の一側面でしかありません。
本場の太極拳ともなると、武術としての完成度が高いものになっています。空手を習っている人も太極拳の使い手には脅威を感じるほどで、実際に空手から太極拳の道に進む人も多くなっているほどです。
護身術としての太極拳
太極拳では「気」という考え方を重視します。「気」は誰もが持っているエネルギーで、気が崩れると病気になるとされています。逆に気を高めれば自然治癒力も高まる、というのが基本的な「気」の考え方です。「気」の循環を高めることができるのが太極拳なのです。また、中国の哲学思想とも密接に関係しています。
例えば、「荘子」や「老子」、そして「孫子」などの影響を太極拳は受けています。ですから、太極拳は「哲学拳」と呼ばれるほどです。太極拳は「柔をもって剛を制す」といった合理主義が貫かれており、動作の一つひとつに無駄がないこともポイントです。
太極拳を行うメリット
太極拳の練習を積んでいけば、自然と体を鍛えることができます。強靭な体があれば、護身術として役立つことは言うまでもありません。
そして、太極拳には護身術として使える技も豊富にあります。具体的には顔面当てや中段突きよけ、肘折などの技がありますが、これらはどれも護身術として使えるものです。ほかにも掩手捶(中段突き)や二起脚(二段蹴り)などの技もあります。
また、地面すれすれで下半身に当身(打撃技のことで、拳や肘、掌底などで相手を打ちます)する七寸靠など、ほかの格闘技にはない技も少なくありません。
このように太極拳の技は独特なものが多くなっており、実戦性の高いものばかりです。しかし、護身術として使うためにはそれ相応の練習も必要になってきます。これは日本の古武術などでも同じですが、護身術として体に定着させるまでには、時間がかかることを覚えておきましょう。
推手について
推手とは太極拳の組手・試合の一つ です。二人一組で練習するもので、護身術として活かすのにも向いています。この推手は攻防一体の技術であり、攻撃をそのまま防御に、防御を攻撃に転じることができます。
加えて、相手の力を感じ取る能力である「聴勁」も訓練します。聴勁を使いこなせればワンランク上の相手すら倒すことが可能です。推手は太極拳の道場によって扱いがさまざまですが、実戦性を重視するなら、推手をしっかり教えてくれるところを選ぶことをおすすめします。
まとめ
太極拳は武術としても優れているものです。太極拳を自分のものにして、護身術として活かしていきましょう。とはいえ、実際に武術として使うためには実戦性の高い流派を選ぶとともに、膨大な時間を稽古に費やして「自分のものにしていく」ことが欠かせません。
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