日商簿記とは
「日商簿記検定試験」とは、日本商工会議所および各地方の商工会議所が実施する簿記に関する技能検定試験です。簿記会計に関する技能検定試験の中では、一番ポピュラーなもので、初歩的な4級から公認会計士や税理士受験の力試しなどとも言える1級まで、グレード分けがなされています。
受験資格は特に設定がなく、中学・高校・経理社員が受験する4級~3級、主任級の経理社員、会計士などが主に受検する2級~1級と、レベル分けをすると分かりやすいでしょう。
特に簿記1級を所持していると、税理士試験の受験資格が得られますし、職業訓練指導員の資格試験において免除科目の特典が受けられます。試験は、6月・11月・2月の年に3回実施されます。2月の試験は2級以下の試験の実施となりますので、1級受験希望者は注意が必要です。
また試験当日にはダブル受験 も可能です。地域によっては4級の試験を行わない商工会議所も存在します。
日商簿記の難易度
■4級⇒学習者・初級者レベル
主に中学生や高校生が取得します。
■3級⇒簡単な仕訳処理と会計記帳、決算業務ができるレベル
中小企業の小口現金管理者などが取得します。
■2級以上⇒中小企業の経理主任などが主に取得
商業簿記と工業簿記の二つの分野に試験内容が別れます。これを取得すれば、減価償却などの会計技能が認められます。
■1級⇒税理士などの国家試験受験者向け
大学で学ぶレベルの商業簿記の他、原価計算、会計学、企業会計に関する法規など全般的に出題されます。取得すれば経営管理・経営分析ができることが認められます。
一般的な経理職に携わる方は3級~2級を受験するとよいでしょう。
日商簿記の合格率、ちょっと低め?
試験の合格率ですが、3級~4級レベルは40%台、2級は30%程度、1級は10%台が平均です。
試験はマークシートではなく、すべて記述式の試験ですので、技能・知識・計算技術などが強く求められます。そのため、ゆるぎない勉強が必要となるのです。試験時間は、1級が商業簿記・工業簿記分野それぞれ90分、2級と3級は120分、4級は90分です。 正当70点以上で合格点に達します。1級と2級については、点数を満たしていても各分野最低点数 が設定されているので、バランスよく正解を得ることが求められます。また、分野別の合格制度や科目免除の制度はありません。
日商簿記合格のための対策
日商簿記合格のためには、会計の仕組みを熟知すること、仕訳や原価計算、減価償却などの例題を数多く解き、自信をつけることが有効な対策と言えるでしょう。特にこの試験は技術ありきの問題ばかりです。平たく言えば「法則に則って計算を行い表に数字を当てはめていく作業」が簿記会計ですので、技術は必ず身につけましょう。
日商簿記の場合は、計算機の使用が認められていますので、計算機の関数計算の他、四則計算はきちんと順番を踏まえて行えるよう慣れておく必要があります。
日商簿記は会計の知識さえあれば独学でもクリアできる内容ですが、仕事で初めて経理に携わった、貸方と借方という言葉を初めて聞いたなどという方であれば、資格スクールを利用して通信講座やスクーリング講義を受けることをお勧めします。最近の通信講座では一般的な添削学習の他、DVD学習やCDリスニング学習を盛り込んだカリキュラムが多いので、理解度がさらに高まることでしょう。
簿記を取得するとどんな職業に有利?就職できる?
一般的に簿記を取得するのは、税理士や公認会計士の資格取得を試みている方の他、中小企業で経理事務に携わっている方がほとんどです。
転職のために簿記2級~1級を取得したいと考える方も多く見受けられます。高校新卒者が就職のための武器として取得するケースも見受けられます。3級取得で、小規模の企業において毎日の現預金管理や会計記帳のスキルを発揮することができます。
就職の場合3級取得で、ある程度のビジネススキルが身についていることが証明されます。事務系パート勤務を試みる方であれば、3級レベルのスキルで十分でしょう。大きな企業への転職に有利なのは簿記2級以上です。決算業務ができるスキルが認められ、経理セクションの主任級待遇などが見込めます。
経理事務職以外で待遇される職業
建設業において経理事務社員として働く場合、日商簿記だけでは仕事ができない場合が考えられます。建設業経理事務士(4級・3級)もしくは建設業経理士(2級・1級)の資格を併せて取得することで大きな強みになります。
また、国家資格である行政書士の業務の一つに「会計記帳」と呼ばれる経理事務が一部含まれています。多少でも経理帳簿の記載方法・仕訳を覚えることで、仕事の幅が広がりますから、3級程度のスキルを取得するべきでしょう。それに、税理士や会計士とタッグを組んで顧客が依頼した仕事を進めていくことも可能です。
簿記会計は、簿記に関する理解度を深めるほど、それに比例して合格への道のりは高くなるのです。万全の態勢で資格を取得したい方は、ぜひ通信講座や通学制のスクールを利用して細やかな勉強を進めてください。
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