社会福祉士は、福祉のエキスパート
社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に定められた、高齢者や障害者といった、福祉サービスを必要とする人々に相談・助言・援助を行うための国家資格です。
福祉サービスを利用しようと思っても、今まで福祉分野と縁遠い日常生活を送ってきた人にとっては、行政や自治体にどんなサービスがあるのかわからず、困ってしまいます。介護福祉サービスの利用者としては、社会福祉士に相談することで、どういったサービスが今の生活にマッチしていて、活用できるのかといったことを相談できます。頼もしい福祉のエキスパートなのです。
支援センターなどで働く社会福祉士は、他の行政機関との連携の調整役も担います。社会福祉士が働く場所は、行政関連の施設である「地域包括支援センター(介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、介護予防マネジメントなどを行う機関)」や、老人ホーム、介護ホームなどです。
社会福祉士という名称で雇用されることはあまりなく、「ソーシャルワーカー」という名前で雇用されていることが多いです。
以前は、社会福祉士の資格がなくても相談業務を担当できましたが、2006年の介護保険法改正 により、市町村の地域包括支援センターで相談業務に当たるためには、社会福祉士資格が必須になりました。
現状は、社会福祉士資格なしで「ソーシャルワーカー」を名乗ることは可能ですが、社会福祉士の資格があれば、より専門性の高い勉強をしてきたことを証明できます。また、資格に合格することなく、社会福祉士の名称を使うことはできません。
社会福祉士国家試験の概要
社会福祉士の国家試験は、年1回、1月に実施されます。願書の受付は9月上旬から10月上旬に設定されています。全国24会場で行われるので、もし最寄りの会場が遠い場合には、宿泊も考えておいたほうがいいかもしれません。出題範囲は、人体の構造や疾病、心理学、社会理論、相談援助業務など19分野にものぼります。
社会福祉士の受験資格(福祉系大学・短大を卒業した場合)
社会福祉士になるためには、社会福祉士の国家試験を受けて、合格する必要があります。社会福祉士の国家試験を受験するためには、いくつか方法があります。まずは、大学や短大で、福祉を勉強してきた方向けのルートをご紹介します。
■福祉系の4年生大学を卒業した場合
最初は、福祉系の4年制大学において、厚生労働大臣の指定する福祉に関係する科目(「指定科目」といいます)を履修、単位取得し、卒業したというパターンです。相談業務の経験なしで、国家試験を受験できます。
■福祉系の3年生短期大学を卒業した場合
次に、3年制の福祉系の短期大学で指定科目を履修し、相談業務を1年以上している場合と、2年制の福祉系短大を卒業し、相談業務を2年以上行っている場合です。福祉系の短大を卒業している場合は、それぞれ相談業務が必要な点に注意しましょう。
「指定科目」は18科目あり、福祉行政や、高齢者、障害者、児童、低所得者といった、福祉が必要なすべての立場の人々と、それぞれに向けた福祉制度・サービスについて勉強します。実習もあるので、詳しく福祉について勉強していくことになります。
一方で、「基礎科目」は12科目です。勉強する内容は似ていますが、実習がありません。同じ福祉系大学・短大を卒業していても、基礎科目を履修している場合には、「一般養成施設等」に通うか、通信教育で勉強して、受験資格を得ます。
4年制福祉系大学で基礎科目を履修している場合、6ヶ月以上の短期養成施設を卒業した後、受験資格を得られます。この場合、相談業務の経験がなくても大丈夫です。
3年制の短大の場合は、基礎科目の履修、相談業務の経験1年、短期養成施設6ヶ月を経て、受験資格を得られます。2年制の短大の場合は、基礎科目の履修、相談業務の経験2年、短期養成施設6ヶ月が必要です。
■社会福祉士の受験資格(一般の大学・短大を卒業した場合)
一般の大学の場合、基礎科目の履修と、一般養成施設等で1年以上の課程を修めれば、受験資格を得られます。加えて、3年制短大の場合は相談業務1年、2年制短大の場合は相談業務2年が必要です。
大学・短大を卒業している場合は、自分の履修した科目が「指定科目」に当たるのか、「基礎科目」に当たるのか、大学・短大の事務室に問い合わせてみてください。単位数が足りない場合は、科目履修生として他の大学で単位を取ることもできます。
また、大学や短大を卒業していない場合、相談業務4年と、一般養成施設で1年以上の課程を修めると、受験資格を得られます。これまで相談実務に就いていた、あるいは就いた経験が4年以上ある場合、一般養成施設を卒業する方法が一番近道でしょう。
これから大学、短大に進学する場合は、指定科目や基礎科目が揃っているか、履修モデルを確認すると安心です。
社会福祉士に合格するための勉強
社会福祉士に合格するためには、大学や短大、養成コースのテキストと、用語辞典、過去問集を使う人が多いです。2015年度の受験数は45,187人、合格者数が12,181人で、合格率は約27パーセント。 合格率は年々低下していることから、試験が難化していることが伺われます。過去問を解くことで、傾向と対策を考えておきましょう。
自宅ではなかなか集中できない人は、学校で勉強すると捗るかもしれません。出題範囲は広いので、勉強にくじけそうになったら、どうしてこの資格を取りたいと思ったのか、初心を思い出してモチベーションをアップさせてください。
社会福祉士の就職先
社会福祉士の国家試験に合格した場合の就職先は、大きく分けて三つの分野があります。介護、医療、その他の分野です。介護分野では、介護を必要とする人や、その家族からの相談に乗ることが主な仕事です。
高齢者福祉施設、ケアハウス、グループホームなど、公営・民営を問わず、幅広く介護分野で活躍できます。一方で、病院で勤務する場合は、主に退院後の生活についての様々な不安への相談業務を担当します。退院後に必要となるサービスや、家族を支援するための行政の制度などを紹介することもあります。
その他の分野では、児童相談所や、精神障害者福祉施設、母子保護施設などといった、介護以外の福祉分野があります。いずれにしても、サービスの利用者の立場に立った、きめ細やかな対応が求められています。
社会福祉士は、相談を通じて、利用者との意思疎通が上手にできること、利用者の本当に必要としているサービスを提供できるかどうかが重要な職業です。 その適正と熱意をお持ちであれば、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
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