ハロートレーニングなら無料で医療事務を学べるってホント?

ハロートレーニングなら無料で医療事務を学べるってホント?

不景気でも安定的と人気が高い医療系のお仕事。なかでも人気が高いのが、医療機関の顔となる医療事務のお仕事です。医療事務は、受付業務のみならず患者さんと医療をつなぐ大切な役割。ところで、医療事務を学ぶ場合、通常なら民間の資格取得スクールに通ったり、通信教育を受講したりしますが、離職中の方なら、もう1つ、ハロートレーニング(公的職業訓練)を利用するという手があります。そこで、今回はハロートレーニングで医療事務講座を受講する方法と、お勧めの医療事務の資格をご紹介します。


ハロートレーニング ってどういうもの?

ハロートレーニングは仕事を探している人が、必要とされる職業スキルや知識を習得するための制度です。ですから、会社を辞めて求職中の人だけでなく、キャリアが少ない人も、就職が決まらないまま学校を卒業した人も、スキルアップを目指す在職中の人も受講できます。しかも、テキスト代を負担するだけで、無料で受けられます(在職者や学卒者を対象としたハロートレーニングは有料)。

そのハロートレーニングには、雇用保険を受給している求職者が対象の「公共職業訓練(離職者訓練)」と、雇用保険を受給していない方や受給を終了した求職者が対象の「求職者支援訓練」の2つあります。「公共職業訓練(離職者訓練)」は国や都道府県、都道府県から委託を受けた民間教育訓練機関等で、求職者支援訓練は民間教育訓練機関等で受講できます。

・公共職業訓練(離職者訓練) :雇用保険を受給している求職者が対象。訓練は無料で受講できますが、テキスト代は自費となります。訓練期間は3ヵ月~1年。
・求職者支援訓練 :在職中雇用保険に加入できなかった人、加入期間が短いため受給資格がない人、自営業を廃業した人、就職先が決まらなかった新卒者、再就職が決まらないまま雇用保険の受給期間が終了した人、一定額以下の収入のパートタイムで働きつつ正社員へのキャリアアップを目指す人、一定額の収入があるけれどもスキルアップを目指す人などが対象。訓練期間は2~6ヵ月。

訓練コースは、医療事務はもちろんのこと、OA事務、介護サービス、電気設備技術、生産設備メンテナンス、工場管理技術、組み込みソフトウェア、スマート情報システム、ICTエンジニアなど多種多様なコースがあります。

医療事務の訓練期間は、だいたい3~4ヵ月程度です。また、雇用保険を受給している人は、基本手当のほかに日額500円の受講手当や通所手当が支給されます。一方、雇用保険を受給していない人でも、支給要件を満たせば、月額10万円の職業訓練受講給付金や通所手当、寄宿手当が支給されます。なお、要件を満たしていなくても受講は可能です。

ハロートレーニングと民間スクール、どっちを選んだらいいの?

ハロートレーニングの魅力は、何といっても無料なこと。ただし、受講するにはさまざまな要件があり、受講までにもそれなりの時間がかかります。また、開講時期や定員も決まっています。特に、医療事務講座は人気があるので、必ずしも自分の都合で受講できるとは限りません。通常、ハロートレーニングでの受講の流れは次のようになっています。

・求職申し込み・職業相談
・受講申し込み
・面接・筆記試験などを受験
・選考結果通知
・受講あっせん
・受講開始

一方、民間のスクールは費用がかかるものの、自由度が高くなります。医療事務講座は人気ですから、開講しているスクールも豊富ですし、コロナ禍の今は試験まですべてオンラインで完結する講座すらあります。なお、受講料は、一般的に通信講座よりも通学講座のほうが高くなります。

また、要件はあるものの、教育訓練給付金制度を活用すれば受講料の一部が戻ってきます。医療事務講座の場合、受講料の20%(上限年間10万円)に相当する額が、受講修了後に教育訓練給付金として支給されます。

双方のメリット・デメリットを見ると、ある程度の費用をかけても短期間で確実に受講し、資格を取得してキャリアアップを目指したいのならば、選択肢の多い民間のスクールでの受講のほうがいいでしょう。逆に、時間的な余裕があるけれどもコストをかけたくないのでしたら、ハロートレーニングをお勧めします。

取りやすい医療事務の資格3選

医療事務を学んだら、次にチャレンジしたいのが医療事務関連の資格取得です。医療事務のお仕事をするのに資格は不要ですが、医療業界は専門用語を使う場面が多く、診療報酬明細書(レセプト)の作成など、事務であっても医療に関するスキルや知識が求められます。また、就職活動を始めるにあたり、まず資格を取得しておけば、基本的な知識が身についていることの証明になり、就職にも有利になります。

ただ、医療事務関連の資格試験は数多いため、どの資格を取れば就職に有利なのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。そこで、ここではさまざまな医療事務の資格の中から合格率が高く、比較的取得しやすい3つの資格試験をご紹介します。

1.『医療事務検定試験』 日本医療事務協会(JMCA)主催

医療事務全般の基本的な知識と技術を問う資格試験です。

受験資格:日本医療事務協会が認定する医療事務講座の修了者、一般の受験申込者
受験科目:学科試験と実技試験(合計2時間)
 学科試験:2題(正誤問題20問、記述5問)
 実技試験:医療費の計算(会計欄)2題(外来1題、入院1題)
試験日:要問い合わせ
受験方法:会場受験(教材、資料の持ち込み可)
受験料:7,700円(税込)
合格基準:総得点の70%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上
合格率:92.2% (2020年度)

2.『医療事務技能認定試験』 技能認定振興協会(JSMA)主催

受付業務、治療費の計算、診療報酬明細書(レセプト)の作成など、医療事務に関する基本的事項や要件を理解しているかどうかを評価する資格試験です。

受験資格:なし
受験科目:学科試験と実技試験
 学科試験:択一式40問
 実技試験:択一式10問
試験日:在宅試験:年6回(奇数月)、インターネット試験:随時
受験方法:在宅試験、インターネット試験(どちらも教材、資料の持ち込み可)
受験料:5,000円(税込)
合格基準:在宅試験は総得点の約85%以上、インターネット試験は70%以上
合格率:82.6% (2020年7月~2021年5月の6回分の平均)

3.『医療事務技能審査試験(メディカルクラーク医科)』 一般財団法人日本医療教育財団主催

受付業務や診療報酬請求事務業務など医療事務に関する能力を証明する資格試験です。合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられます。

受験資格:なし
受験科目:学科試験と実技試験(学科:60分、実技I:50分、実技II:70分)
 学科試験:医療事務知識(択一式25問)
 実技試験:実技I:患者接遇(記述式)2問、実技II:診療報酬請求事務、診療報酬明細書点検4問
試験日:年12回(毎月)
受験方法:在宅試験
受験料:7,700円(税込)
合格基準:学科試験、実技試験I、IIのすべての得点率が70%以上
合格率:非公開

一般的に、医療事務の資格試験では筆記試験と実技試験があります。試験はテキストを持ち込める場合もありますが、診療報酬請求事務の実技試験は初心者には難関です。市販されている参考書を使えば独学でも合格できるかもしれませんが、独学よりも医療事務講座で基礎的な知識を身につけるほうが近道と言えるでしょう。

医療事務の資格取得でキャリアアップを狙う

ここまで、ハロートレーニングでも人気の高い医療事務講座について、受講の条件やメリット・デメリット、民間のスクールとの比較をご紹介しました。医療事務講座は数多くあるため、ご自身のライフスタイルや希望するキャリアにぴったりくるものが必ず見つかることでしょう。医療業界で活躍し、キャリアアップを狙う人は、就職活動期間中を利用して医療事務の資格取得を目指すことをおすすめします。

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本記事は2021年10月20日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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