ベビーマッサージに国家資格はない|民間資格ごとに講師の役割が違う
ベビーマッサージそのものを名称とする国家資格はなく、この記事で紹介する資格はいずれも民間資格です。ただ、取得後に担う役割は団体によって違います。日本ベビー&チャイルドケア協会(JABC)が養成するのは、保護者にマッサージの方法を教える指導者。日本アタッチメント育児協会は、アタッチメント(愛着)を伝えるためのベビーマッサージのインストラクターを養成しています。日本能力開発推進協会(JADP)は、ベビーマッサージセラピストの育成教室を開くための知識まで学ぶ範囲に含めています。
法律で確認できるのは、あん摩・マッサージ・指圧を業として行うには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要だという点です(厚生労働省)。JABCはこれを踏まえ、ベビーマッサージは「お母さんにそのマッサージ方法を教えるもの」として、協会の講師が赤ちゃんに直接手を施すことを禁止しています。保護者が自分の赤ちゃんに行うのに、資格を取る義務はありません。
協会ごとの費用|講師を目指す講座は7万円台から40万円台まで
主な協会の公表料金は次のとおりです。
※表は左右にスクロールできます。
| 協会 | 講座・資格 | 費用(税込) | 学び方 | 取得後の年会費・更新 |
|---|---|---|---|---|
| 日本ベビー&チャイルドケア協会 (JABC) | ベビーマッサージ2級講座 | 22,000円 | 4時間。 わが子とのふれあい向けで、 協会認定の講師名称は使えない | — |
| 同 | ベビーマッサージ資格取得講座 (認定講師) | 通学176,000円/ 通信77,000円 (テキスト・認定料など込み) | 通学:講座最終日に デモクラスの試験/ 通信:3名以上のお母さんに デモクラスを行い、 撮影して提出 (参加者は自分で集める) | 年会費・更新料なし |
| 日本アタッチメント育児協会 | アタッチメント・ ベビーマッサージ インストラクター | 受講料223,025円 (認定試験料10,000円、 教材費22,750円、 育児セラピスト前期課程の 登録申請料10,000円を含む) +合格後の資格認定申請料 11,000円 | 土日2日間の講座と認定試験 | 年会費・更新料なし |
| ロイヤルセラピスト協会 (RTA) | ベビーマッサージ ベーシック | 受講料429,000円 +認定試験33,000円 | 指定スクールで19時間 | RTA認定講師として活動するには RTAへの加入と ライセンス申請が必要。 ライセンスの有効期限は インストラクター・グリーンが2年、 ゴールドが3年 |
| 日本能力開発推進協会 (JADP) | ベビーマッサージ インストラクター | 受験料5,600円 +認定教育機関の受講料 | 認定教育機関の カリキュラム修了後、 在宅で受験 | — |
※2026年11月時点の各団体の公表内容です。日本アタッチメント育児協会の資格認定申請料は、公表額10,000円(税別)を税込で表示しています。RTAの受講料は指定スクールに支払う料金で、アドバンス講座(286,000円+試験33,000円)は別です。JADPは教育機関ごとに受講料が違います。
表の金額に出ない負担もあり、たとえばJABCの通信講座は通学より10万円近く安い一方、最終試験のデモクラスの参加者(3名以上のお母さん)を自分で集めます。RTAは、RTA認定講師として教室を開くのに協会への加入とライセンス申請が要り、ライセンスの種類によって、RTAの一般教室だけか、RTAの認定講座まで開けるかが分かれます。
■わが子のためか、教室を開くためか
講師として活動しないなら、講師養成ではなく、JABCの2級講座のような短い講座も候補になります。
仕事で親子に関わる人の受講が目立つのが、土日2日間で取れる日本アタッチメント育児協会の講座。協会は、受講生でもっとも多いのは保育士、看護師、助産師、子育て支援事業の職員だと案内しています。
自宅などで教室を開くなら、取得後に協会の名称を使って教えられるか、開ける教室の範囲、年会費や更新の有無まで確かめましょう。
赤ちゃんに使うオイル|3歳未満の肌には精油を使わない
ベビーマッサージでは、肌のすべりをよくするためにオイルを使うことがあります。ここで混同しやすいのが、アロマテラピーの精油です。
日本アロマ環境協会(AEAJ)は、精油を安全に使うための注意として、3歳未満の乳児・幼児には芳香浴法以外を行わないよう呼びかけています。精油を混ぜたオイルで赤ちゃんをマッサージするのは、この注意から外れます。
講座を選ぶときは、どのオイルを使うよう教えるか、肌に赤みや湿疹がある日など、ベビーマッサージを控えたほうがよい場面まで扱うかを見ておきましょう。
講座を申し込む前に確かめたいこと
申し込む前に聞いておきたいのは、次の4つです。
- 取得後にできること:協会の名称を使って教室を開けるか。わが子向けの講座と講師養成の講座の違い
- 費用の内訳:受講料に、認定料・試験料・教材(練習用の人形やオイル)が含まれるか
- 年会費・更新:資格を持ち続けるのに費用や更新の手続きがあるか
- 練習の相手と安全の説明:人形での練習か、親子クラスの見学や模擬クラスがあるか。オイルや体調の注意を教えるか
よくある質問
Q. ベビーマッサージをするのに資格は必要ですか?
A. 保護者が自分の赤ちゃんに行うのに、資格を取る義務はありません。教室で親に教えるための国家資格もなく、講師の資格はどれも協会の民間資格です。ただし、あん摩・マッサージ・指圧を業として行うには国家資格が必要です。JABCはこの点を踏まえ、講師が赤ちゃんに直接手を施さず、保護者に方法を教える形としています。
Q. ベビーマッサージの資格は1日で取れますか?
A. わが子向けの講座なら、JABCの2級講座のように4時間で終わるものがあります。ただし、この講座では協会認定の講師名称は使えません。講師を目指す講座は、日本アタッチメント育児協会が土日2日間、RTAのベーシックが19時間です。
Q. いちばん安く講師の資格を取る方法は?
A. 公表料金で比べると、JABCの通信講座(77,000円)が低めです。ただし最終試験では、3名以上のお母さんを自分で集めてデモクラスを行い、撮影して提出します。JADPは受験料5,600円ですが、認定教育機関の受講料が別にかかります。教室を開くつもりなら、受講料だけでなく、取得後に開ける教室の範囲と、年会費・更新の有無まで含めて比べてください。
Q. アロマオイルを使ってもいいですか?
A. 3歳未満の赤ちゃんの肌に精油を使う方法は避けてください。AEAJは、3歳未満の乳児・幼児には芳香浴法以外を行わないよう呼びかけています。オイルは講座で指定されたものを使い、肌に合うかを確かめながら進めましょう。
Q. 保育士や助産師の仕事に役立ちますか?
A. 親子に関わる仕事なら、活かせる場面があります。日本アタッチメント育児協会は、受講生には保育士、看護師、助産師、子育て支援事業の職員が多いと案内しています。
まとめ|何に使うかを決めて、取得後にできることと維持費まで比べる
ベビーマッサージの資格は協会の民間資格で、取得後の役割や、講師として活動するまでの手続きは協会ごとに違います。
- わが子のために学ぶ:JABCの2級講座(4時間・22,000円)のような短い講座も候補
- 講師を目指す:JABC通信77,000円・通学176,000円、日本アタッチメント育児協会は受講料223,025円+認定申請料11,000円、RTAベーシック462,000円(受講料と試験料)など。JABCの通信は最終試験の参加者を自分で集める。JADPは受験料5,600円に教育機関の受講料が加わる
- 取得後:JABCと日本アタッチメント育児協会は年会費・更新料なし。RTAは、RTA認定講師として活動するには協会への加入とライセンス申請が必要で、ライセンスに有効期限がある
講座を選ぶときは、3歳未満の赤ちゃんの肌に精油を使わないこと(AEAJ)まで教えてくれるかも見ておきましょう。候補を2〜3講座に絞ったら、説明会や体験で講師の教え方と取得後にできることを聞いたうえで申し込んでください。

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