パティシエになるのはどんな資格が必要?年収(給料)は ?

パティシエになるのはどんな資格が必要?年収(給料)は ?

お菓子は、人の舌だけでなく、心まで幸せにしてくれます。お菓子が持つ甘味、美しい見た目、心が華やぐ香り……。 時にお菓子は、ただの「食べ物」であることを越え、「思い出」「喜び」とも直結するものになり得ます。 こんな素敵なものを作り出す「パティシエ」。 ここでは、パティシエを将来の夢としていたり、パティシエになるために頑張ったりしている人に対して、パティシエという仕事の実態となり方をお教えします。


パティシエってどんなもの? 資格はいるの?

現在では日本でも当たり前に使われるようになった「パティシエ」という言葉は、フランス語がその由来です。「pâtissier」」と書き、「製菓職人」のような意味を持ちます。

この言葉は男女の別なく使える言葉ですし、日本では女性の職人であってもこの名称で呼ばれています。
しかし、女性の場合は「pâtissière(パティシエール)」と表記することもあります。

この言葉が生まれたフランスにおいては、この職業に就くために国家資格は必要です。

また、M.O.F(フランス国家最優秀職人章)という章も制定されており、非常に高い評価が与えられている職業でもあります。

なお、このM.O.Fを受賞したショコラティエが作るチョコレートは、バレンタインデーやホワイトデーの時期に、デパートなどに特別に出店―販売されることもあります。
気になる人は、ちょっと意識して選んでみるとよいでしょう。

「製菓衛生士」「菓子製造技能検定(菓子製造技能士)」とは

日本では、パティシエになるために必須の資格というものはありません。
極端な話、まったく何の知識がなくても「パティシエだ」と名乗ることはできます。

しかしながら、現実問題として、まったく何の資格も知識もなく、パティシエという職務に就くことは難しいでしょう。

そのため、製菓学校に通い、「製菓衛生士」「菓子製造技能検定(菓子製造技能士)」を取得することが一般的です。

前者は、お菓子に対する知識のほかに、衛生に関する勉強や食品全体への広い知識が求められるものです。
これらを勉強し、資格取得を目指します。

この資格をとるためには、一定の条件があります。いずれかのどちらかでなければなりません。

1.製菓学校に1年以上通った者
2.もしくは、お菓子を製造する現場で2年以上学んだ者

一方、「菓子製造技能検定(菓子製造技能士)」は、お菓子を作るために求められる技能レベルをチェックするためのものです。
これには2級と1級が存在しますが、どちらでも受験資格があります。
ここでは、大まかな受験資格をあげていきます。

細かい条件は日本菓子教育センターの公式サイトをご覧ください。
http://www.kashikyoiku-center.jp/shikaku/kashiseizouginoushi/


・2級
実務経験2年以上

・1級
1.専門高校や短大などで学んだ者
2.国が指定した学校で、800時間以上の授業を履修した者
3.現場で2年以上の実務経験を積んだ者

菓子技能検定にしろ、製菓衛生士にしろ、専門的な勉強を履修済みもしくは現場での相応経験が求められます。

ちなみに、菓子製造技能検定は、洋菓子と和菓子の2部門に分けられているので、自分が目指す方を選びましょう。

パティシエの仕事内容と給料

パティシエの仕事の本髄は、やはり「お菓子を作ること」です。
しかしお店ごとによって、行う仕事は異なります。

たった1人ですべてのお菓子を作り、デコレーションや開発までを手掛けることもあるでしょう。
その一方で、何人ものパティシエを雇い、それぞれが特定の工程だけを行う、というスタイルもあります。

また、日持ちのするお菓子を担当する部門と氷菓を扱う部門、チョコレートを扱う部門などに分けられることもあります。

さらに、「お菓子屋さん」で働くだけでなく、「レストランでデザートを担当する」というかたちで働くこともあります。
この場合は、「デザートとして完成度の高い皿を作ること」だけが求められるわけではなく、「コース料理との相性やテーマの統一性」を求められることもあります。

パティシエの年収について

続いて、パティシエの年収について見ていきましょう。
パティシエの給料は、それほど高いわけではありません。

専門学校できちんと勉強し、学んでいた人であっても、初任給は15万円~程度です。

20万円以上になることはそれほどなく、年収も300万円を超えることはあまりないでしょう。
ある程度責任のある立場に昇進した場合でも、年収は500万円程度だと言われています。

ただし、「独立すること」を目指しているのであれば話は別です。

著名なパティシエを見ても分かるように、実力とマーケティングに優れていれば、パティシエはどこまでも駆け上ることのできる職業でもあります。
場合によっては年収数千万円台をマークすることもあり、努力次第ではどこまでも上を目指せる職業であると言えます。

まとめ

パティシエは、「自分がどんなパティシエに将来になりたいのか」を明確にイメージすることで、雇われから独立まで様々な道が存在します。
バレンタインやクリスマス、誕生日などパティシエのお仕事はあらゆる人を笑顔にする仕事でもあります。
もし、将来パティシエを目指すのであれば、今回紹介した「製菓衛生士」や「菓子製造技能検定(菓子製造技能士)」の資格取得も視野に入れて、自分なりの道を見つけましょう!

本記事は2017年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

関連する投稿


クッキーを手作りするときの砂糖と焼き上がりの関係について

クッキーを手作りするときの砂糖と焼き上がりの関係について

お菓子作りに欠かすことのできないものと言えば、「砂糖」です。 現在でこそ砂糖を使わないお菓子のレシピや市販品が出回っていますが、それでも、この材料がとても重要なものであることは間違いありません。 当たり前のようにクッキーなどに入っている「砂糖」。 しかしこの「砂糖」の使い方によって、仕上がりが異なってくることをご存知でしょうか? 今回は、なかなか奥深いこの砂糖についてお話ししていきます。


知らない名前も?一度は食べておきたい世界のお菓子の9種類

知らない名前も?一度は食べておきたい世界のお菓子の9種類

ケーキにプリン、クッキーという定番のお菓子から、ポテトチップスのようなスナック菓子、アイスクリームなどの冷菓、シャーベットなどの氷菓と呼ばれるものまで、お菓子の定義は幅広いです。


お菓子食べたい!でも糖質が…となったときに食べるべき米粉のお菓子とは

お菓子食べたい!でも糖質が…となったときに食べるべき米粉のお菓子とは

ダイエットをしているときには、やはりお菓子は控えるべきです。 しかし疲れが溜まってきたり、夜中まで起きていたりするときはどうしてもお菓子が食べたくなるもの。 こんなときには、いったいどうしたらいいのでしょうか?


お菓子の賞味期限が過ぎた! でもこれって少しなら大丈夫 ?

お菓子の賞味期限が過ぎた! でもこれって少しなら大丈夫 ?

「頂き物のお菓子、特別な日に食べよう!と、思っていたら賞味期限が過ぎてしまった……」 「食後に食べようと思っていたお菓子、その存在を忘れていた……賞味期限切れでも大丈夫?」 「自分が作ったお菓子、これって賞味期限はいったいいつ?」 このような悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。 お菓子は基本的に購入後にすぐ食べてしまうことが多いですが、「高級なお菓子」などだと食べるタイミングを逃してしまい、ふとした時に存在を思い出すこともありますよね。 果たしてお菓子における賞味期限はどのような扱いになっているのでしょうか? 今回は、お菓子と賞味期限の関係について答えていきます。


【初心者必見】簡単にお菓子作りを行うための道具の揃え方

【初心者必見】簡単にお菓子作りを行うための道具の揃え方

「お菓子作りに挑戦するために道具を揃えたい!」と思っても、お菓子作りに必要な道具は非常にたくさんあります。 そのため、「どれから購入したらいいかわからない……」という人も多いはず。 そこでここでは、まず、お菓子作りをするために必要な基本的な道具についてお教えします。


最新の投稿


初めてのウクレレ教室の料金相場と失敗しない教室の選び方

初めてのウクレレ教室の料金相場と失敗しない教室の選び方

ウクレレのやわらかく心地良い音色に魅了され、「自分も弾けるようになりたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。ウクレレはコンパクトでギターよりも弦の数が少ないため、より簡単に演奏できる楽器として人気があります。しかし、独学で始めると「どんなウクレレを選べばいいの?」「コードの押さえ方が分からない」といった壁にぶつかることも少なくありません。そんなときに役立つのがウクレレ教室です。講師から直接学ぶことで、効率よく上達できるだけでなく、正しい演奏方法やリズム感も身につけられます。この記事では、ウクレレ教室の料金相場やレッスンの種類、費用を抑えるコツについて詳しく解説します。


テニススクールの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

テニススクールの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

テニスは、運動不足解消やストレス発散に最適なスポーツです。特に初心者にとっては、正しいフォームやルールを学ぶことが上達への近道となります。そのため、多くの人がテニススクールの受講を検討します。しかし、いざテニススクールを探してみると「料金がどれくらいかかるのか?」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、テニススクールを検討している初心者の方に向けて、料金相場や、費用を抑えるポイント、スクールの選び方まで詳しく解説します。


ピラティスの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

ピラティスの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

ピラティスは、姿勢改善や体幹強化、柔軟性向上を目的としたエクササイズで、健康志向の高まりとともに人気が急上昇しています。特に、デスクワークが多い方や運動不足を感じている方の間で注目されており、ダイエット効果やストレス解消にもつながるため、幅広い世代に支持されています。本記事では、初めてピラティス教室に通おうと検討している方に向けて、料金相場や、月謝以外にかかる費用の内訳、費用を抑えるためのコツなどを詳しく解説します。


社交ダンスのレッスン料金(月謝)の相場は?費用を安く抑えるためのポイントなど解説

社交ダンスのレッスン料金(月謝)の相場は?費用を安く抑えるためのポイントなど解説

社交ダンスを始めてみたいけれど、料金が気になる方も多いのではないでしょうか。社交ダンスの料金は教室やレッスン形態によって実にさまざまで、予算に合わせて選択できます。社交ダンスは、音楽に合わせて優雅に踊るだけでなく、姿勢が良くなったり、運動不足の解消になったりと、たくさんの魅力があります。また、パートナーとのコミュニケーションを通じて、新しい出会いも期待できます。この記事では、社交ダンス教室の料金相場やレッスン形態、さらに料金を抑えるコツまで、分かりやすく解説します。