クッキーを手作りするときの砂糖と焼き上がりの関係について

クッキーを手作りするときの砂糖と焼き上がりの関係について

お菓子作りに欠かすことのできないものと言えば、「砂糖」です。 現在でこそ砂糖を使わないお菓子のレシピや市販品が出回っていますが、それでも、この材料がとても重要なものであることは間違いありません。 当たり前のようにクッキーなどに入っている「砂糖」。 しかしこの「砂糖」の使い方によって、仕上がりが異なってくることをご存知でしょうか? 今回は、なかなか奥深いこの砂糖についてお話ししていきます。


砂糖の量や種類でお菓子の焼き上がりが違う?

砂糖の量が違うことによって、クッキーがどのような影響を受けるのかを考えていきましょう。

砂糖は古くから「保存料」としての役目を背負ってきました。
今でこそ冷蔵庫が発達し、ほぼすべての家庭に普及していますが、昔は一般的ではありませんでした。
このため、日持ちさせることが前提のおせち料理には、砂糖や塩、しょうゆなどの、「調味料と保存料を兼ねるもの」が大量に入っていたのです。

冷蔵庫が一般化した今でも、砂糖の持つこの防腐効果は失われていません。

砂糖の含有量が高いお菓子というのは、一般的に、品質が安定しており、腐りにくいという特徴があります。
また、常温で保管できるものも多く、安全性の高いものでもあります。

このため、クッキーなどのお菓子も、砂糖の分量が極端に少ないものよりは、砂糖の含有量が多いものの方が長持ちする、と言えるでしょう。

クッキーは「焼き上げる」という手法で作るため、細菌の繁殖の原因の1つである「水気」を減らします。
ここにさらに、多めの砂糖を入れれば、さらに長く保管できるのです。

実はたくさん存在する砂糖の種類

さて、「砂糖とクッキーの関わり方」はこれだけにとどまりません。

私たちが「砂糖」というとき、それは多くの場合、「上白糖」を指しています。
ただし、砂糖の種類は上白糖以外にもたくさんあります。

たとえば、上白糖よりもよく精製されている「グラニュー糖」。
市販のヨーグルトなどにも良く付属されていますね。
グラニュー糖は粒子が非常に細かく、さらさらしているものです。

また、「粉砂糖(粉糖とも言う)」と呼ばれるものもあります。
これがグラニュー糖よりもさらに細かいもので、文字通り、粉のような質感を持っています。

この3つ(上白糖、グラニュー糖、粉砂糖)はしばしばお互いに代用されて使われることがありますが、クッキー作りにおいては、「どの砂糖を使うか」によって仕上がりが大きく異なります。

ほかの材料はまったく同じにして、砂糖の種類だけを変えてクッキーを焼き上げたとき、上白糖の場合は少ししっとりとした落ち着いた食感に仕上がると言われています。

グラニュー糖の場合は心地よい噛みごたえやざっくりとした味わいになります。

粉砂糖を使って仕上げた場合、粉砂糖の風味をそのまま受け継いだかのような、柔らかい味わいに仕上がります。

このように、「砂糖」と一つとっても、お菓子の出来上がりは大いに変わってくるのです!

クッキー作りのコツ

砂糖の種類による違いはクッキーの味わいを大きく変えますが、どれが良い・悪いと言えるものではありません。
好みにもよりますから、いろいろと試してみて、自分好みのものを選ぶとよいでしょう。

また、人に渡すときは、賞味期限を少しでも伸ばすために、味を邪魔しない程度の加減で砂糖の量を増やしてみるのもいいかもしれません。

さて、ここからは、そんなクッキーをおいしく失敗なく作るためのコツをお教えします。

まずはしっかり計量をしましょう。
「砂糖の量を、味を邪魔しない程度の加減で増やす」としましたが、最初の1回目はレシピを忠実に守るのが一番です。
できれば、デジタルスケールを使って、細かい数字までしっかりと出したいものです。

次に、手順をしっかり守ること。
多くのクッキーでは、作り方に「砂糖とバターを合わせて、白っぽくなるまで混ぜる」とあると思われます。

バターは、冷蔵庫から出したての状態だと冷え切ってカチカチになっているはず。
お菓子作りを始める前に冷蔵庫から出しておき、常温に戻しておきましょう。

ただ、冬場などの場合はなかなか柔らかくなりません。
そんなときには、電子レンジの力を借りましょう。電子レンジで10秒程度加熱することをおすすめします。
あまりにも長く加熱しすぎると「液体」になってしまうので加減しながら時間を合わせましょう。

また、ドライヤーで溶かすのも手軽でおすすめです。
ドライヤーの場合は、電子レンジとは異なり、自分の目でバターの状態を見ながら柔らかくできるのがメリットです。

卵を入れる際は、必ず様子を見ながら行います。
お菓子作りでは、一度にすべてのものを入れてしまうと失敗する確率がとても高くなります。

卵は少しずつ加え、その都度混ぜて、様子を見ながら加えていきます。
こうすることで、分離することを防げます。

小麦粉を加えた後は、かき混ぜすぎないようにご注意を。
混ぜすぎると、焼きあがった後の質感が損なわれます。

オーブンは、基本的にはしっかりと予熱した後に使います。(※予熱は必要ない、としているレシピを使って作る場合は、この限りではありません)

オーブンシートを敷いておくと、後で剥がすときに失敗がありません。
同じ温度にしておいても、オーブンごとによって「ベストの焼き時間」は多少異なります。

心配ならば、レシピの「焼き時間」から数分減らした時間で焼いてみて、焼き加減を確認するとよいでしょう。

まとめ

クッキーは、お菓子作り初心者さん向きのお菓子だと言われています。
しかし、砂糖の量や種類によって焼き上がりは大きく異なりますし、またしっかりと手順を守らないと失敗のリスクもあるもの。

今回紹介した注意点と作り方を参考に、美味しいクッキーを焼き上げるようにしましょう!

本記事は2017年12月08日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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