パン職人の一日
生地をこねるところからパン作りを始める場合、レシピによって2~3時間、あるいはそれ以上の時間を要します。複数のパンを焼くことや、開店時間から逆算しなければいけないので、パン職人は午前3時から作業に入ることもあります。
そして捏ね~成形~焼成~品だしまでの一連の作業を、流れ作業でできるようにシミュレーションをしながら仕事をしていきます。
開店準備や品出しが終わり、一息つけるのが午前10時ころ。その後午後の品出し準備を行うというような流れで一日が過ぎるようです。
小規模のパン屋であれば、朝、売り切れる分だけを一度に焼き上げ、売り切れるまで店を開けるという体裁を取ることが多いです。
営業時間を長く取っている規模が大きいパン屋の場合、シフト制で交代勤務を行うお店も見られます。
パン職人の労働時間
パン職人の平均労働時間は8時間~10時間と考えられています。朝の3時から仕事を始め、休憩を経て午後1時退勤というケースや、休憩含む午前5時~午後5時という働き方をされる方も見受けられます。
店に複数のパン職人が在籍しており、シフトが組めるという場合はライフワークバランスも取れるよう休息日や休暇、労働時間が設定されています。
ただし、個人経営のパン屋の場合、毎日早朝勤務・長時間労働では体調面に影響が出やすくなります。
また、力仕事や高温になるオーブン前での仕事が中心となるため、適度な休息は必要です。「週3日のみ営業」「午前中のみ営業」というように営業時間を短縮するなどの工夫によりバランスを取ることがほとんどです。
ここ最近では冷蔵機器の普及によって、パン生地を低温長時間発酵させるなどの工夫もできるようになりました。早朝の捏ね作業を省き、前日に仕込みをした生地を成形~焼成するだけという作業工程で、早朝からの勤務を避けているパン職人も少なくありません。
パンをつくる以外にも仕事があるの?
パン職人は「一日の流れでパンをつくるだけ」の仕事ではありません。
普段使っている焼き型やオーブンのメンテナンス、パンニーダーなどの器具洗浄なども毎日行います。店内の清掃や消毒作業も自分自身で行うパン職人も多く見られます。
パン職人のほとんどが仕入れや原価計算などの経営に関わる仕事も行い、少しでもお店の収益につながるよう努力を行います。
曜日や天候、時間帯の売れ筋を見極めて品出し数を決めるというような作業の他、季節に応じたパンメニューの開発もパン作りに並行して行うのもパン職人ならではの仕事です。
お店の営業終了後には、品出し予定に従って翌日のオーブン使用スケジュールを組むほか、材料の用意といった下準備を行って業務終了という流れが一般的です。営業時間外のところで裏方の仕事を行う場合が多いのもパン職人ならではといったところでしょうか。
お店の規模によっては、パン職人が売り場に立ち、販売活動を行うこともあります。
時間帯によって作業の住み分けを行い、お店を切り盛りするという方も多く見られます。この場合、売り上げの集計作業などもすべて行うため、仕事内容は濃く、作業量は圧倒的に多くなるでしょう。
パン職人は何歳まで働けますか?
パン職人の仕事は力仕事が多いのですが、今では捏ね専用機械や製パン用の成形専用機械などもありますので、それらを併用すれば仕事量を減らすことができます。つまり、工夫次第でいくら歳をとっても作業を行うことができます。
加齢によって一人で仕事が続けられないと感じたら、パン職人候補を雇い、作業を手伝ってもらうことも一案です。
この方法であれば、職人候補に指導をしながらパンを焼き続けることも可能です。
パン職人に定年はなく、年齢を重ねても仕事を続けられるメリットがあります。ただし、食品を取り扱う仕事ですので、体調不良が続けば仕事に影響します。
ほんのわずかなミスがお店の存続に大きく関わる出来事に発展するのは、パン業界だけに言われている事ではありません。健康体で仕事が続けられるよう、ライフワークバランスの重視を心がけて仕事をしていくことが大切です。
まとめ
パン職人の一日は、早朝から始まることが多いのですが、発酵時間や商品展開を工夫することによって早朝仕事を避けることも可能です。仕事内容も多岐にわたるため、単純にパンを焼くだけといった業務量ではありませんが、やりがいを感じられる仕事であると言えます。
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