Ayaka Haraguchiさんの作品(研究科生)
洗濯物を干す文鳥の家族とそれを手伝う小鳥たち、それぞれの大きさに変化を付けてシンプルに配置されています。
物干竿に洗濯物と同じようにかけられたいたずらっ子にはオレンジを使い、目を引くように
しています。
周りで手伝う小鳥達には色を使わず、洗濯物には薄めの色を入れることで、主体3羽の存在感がより強調されています。
また、遠くで新聞を読むお父さん文鳥を入れることで、遠近感が出されています。
屋根のブルーを徐々に右へ淡くすることで、手前に干されているタオルも含め、ブルーの量が多くなりすぎないように調整されています。
奥から手前へ伸びる影は、構図や主体の重量感に密かな効果をだしています。
線の部分は水彩色鉛筆に水をつけながら描かれており、水で少し滲んだ感じが、透明水彩に良く馴染んでいます。
Kayo Nakamuraさんの作品(研究科生)
アクリル絵の具を使った作品で、本来の純色を残しあまり重ね塗りはしないでシンプルに仕上げた作品です。
色数がかなり制限され、イエロー系のバリエーションでレンガ模様の部分の配色がバランスよくうまく組み合わさっています。また反対色のブルーのジーンズとの対比がとてもさわやかです。
右端のグレーのポールを少し斜めに入れることで、構図的に微妙なスタイリッシュさを醸し出しています。
このポールにより、本来なら目立ちすぎるレンガ模様が全体の三分の一程度のほどよい分量となり、アクセントとなっているコートの黒の分量とうまく調和しています。
全体的に使用されているグレーは、少しブルーが加えられたブルー系のグレーで、ジーンズのブルーと、マッチしています。
地面やコンクリートの淵、排水溝の蓋、自動車や標識には主体を殺さないように、また周りの質感にも合わせてオイルパステルがいれられています。
まとめ
透明感のある画材、重量感のある画材、それぞれ違った持ち味があります。
どの画材で描きたいかは個人のこのみですが、しばらく同じ画材で描いてみてその画材の
特長をつかみ何度も試してみることで、その画材が使いこなせるようになっていきます。
そして、その画材が本当に自分が使いたいものなのか、また自分の画風に合っているかが
見えてきます。
目標を決めてそれに向かって進んでいくと、有意義で充実した人生が送れます。
悩んだり考えすぎたりしないで、まず始めてみましょう。