サックス等の管楽器における移調の実践方法

サックス等の管楽器における移調の実践方法

サックスなどの管楽器が移調楽器であることをご存じでしょうか。今回はサックスなどの管楽器における移調についての解説と実践方法を紹介します。


移調楽器とは何か

サックスを始めとした管楽器の演奏をされた方ならわかると思いますが、サクソフォーンの中でもアルトサックスやテナーサックスといった楽器はそれぞれ楽譜が異なります。その理由は、それぞれの楽器における音の高さ(キー)が異なるからです。

「ド」と考えている音が楽器によっては「ド」ではないという意味です。そのため、あらかじめ移調(楽曲の調の主音を移行すること)して楽譜が書かれています。

先ほどアルトサックスとテナーサックスの楽譜が違うとお伝えしましたが、この場合主音となるのはピアノのドだと考えてください。サックスなどが鳴らす音はドではありません。これはほかの管楽器のクラリネットやトランペット、ホルンなども同様です。

アルトサックスの楽譜の音符をドだと思って出すと、ピアノでは違う音になります。これが移調楽器です。ピアノの楽譜しかなければ、サックスに合わせて移調した楽譜が必要です。

サックスの移調の方法と考え方

先ほど、サックスは移調楽器であることを説明しました。ピアノの「ド」がサックスでは違う音になっています。ピアノの楽譜を考えると全部の音がサックス演奏において、ずれていると考えてください。考え方はシンプルで、1オクターブの音(ドからドまでの12音、半音も含む)がどの程度ずれているかを考えるだけです。

たとえば、ピアノのドをソの音に移動させます。レならラ、ミならシということです。同じだけ主音となる音からずらして考えればいいだけです。サックス用の楽譜はすでに移調されています。ちなみに、どの程度音程の幅がずれているかを参考に記します。

(A)ピアノ主音→アルトサックス 3音低い(ド→ラ)
(B)ピアノ主音→テナーサックス 2音高い(ド→レ)


ピアノ楽譜しかない場合に全部移調するのが面倒な場合は、調号を変更して音符の位置を移動させます。ここで先ほどの3音と2音の話が出てくるのですが、ピアノの楽譜でシャープが2つなら3音低いアルトサックスはシャープ5つ、テナーサックスはシャープ4つになります。「調号」が不明な場合は調号の表がありますので確認してください。

アルトサックスはすべての音を2つ(3音低いから)下げて書き直します(例外はピアノの調号が♯でサックスの調号が♭の場合だけ音符は1つ分下げます)。

テナーサックスはすべて1つ分下げます。また臨時記号(♯など)があった場合、アルトサックスでも同様に半音を上げるようにします。ただしピアノで♯がついていても、アルトサックスでは♯でないということもありますので注意してください。

まとめ

サックスなどの管楽器の楽譜がピアノなどと違う場合、楽譜を購入すれば解決しますが、楽譜自体がないものもあります。仲間とのセッションやコンサートで1つの楽譜を使う場合、移調の考え方は非常に便利です。考え方とやり方を知っておけば便利なので、ぜひ理解しておきましょう。

本記事は2016年06月26日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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