バイオリンの歴史
バイオリンは、そもそもなぜあの形になったのでしょうか?
バイオリンのご先祖は、中世のオリエントにあると言われています。
当時、弦を弓で擦って音を出す楽器(擦弦楽器)が誕生し、ヨーロッパに伝わりバイオリンへと進化を遂げたようです。
一方で、アジアにも伝来し、二胡や馬頭琴といったアジアの楽器になりました。1550年頃の絵画には、すでに今の形のバイオリンが描かれていることから、1550年当時には現代に伝わる形のバイオリンとして存在していたということになります。
時代を経るに従って姿が変わっていく楽器は多いですが、バイオリンのように変わらない姿で450年以上も維持されているものもあるのですね。
親戚?ビオラとの違い
ビオラとバイオリンはかなり似ていますが、どこが違うのでしょうか?
基本的な構造は同じ楽器ですが、大きさと音域が違います。具体的には、バイオリンの5度下の音域です。従って、ビオラとバイオリンの役割はそれぞれ別の、同じ種類の楽器、とも言えます。
バイオリンはメインのメロディー、主役といったイメージだとしたら、ビオラは脇役か、縁の下の力持ちです。といっても、バイオリンと構造はほぼ同じなのでバイオリン奏者がビオラを弾くこともあります。
名器と呼ばれるバイオリン
バイオリンの中には、特に優れた音色を持つ名器が存在します。バイオリンという見た目にはあまり違いは見られないかもしれませんが、よく見ると本体に丸みがあったり、膨らみがあるなどの工夫がされています。
バイオリンの中で有名なものというと、アマティ、ストラディバリウス、ガルネリウスあたりではないでしょうか。
アマティは17世紀のイタリアでバイオリンを作っていた一族の名前です。史上に残る、最古のバイオリン職人のアンドレア・アマティの二人の息子がバイオリン作りで成功を収め、多数の弟子を輩出しました。
現代でアマティを入手することは難しくても、アマティをお手本にしたバイオリンは制作されています。アマティ・モデルの音色の特徴は、膨らみの大きい本体が出す柔らかく優しい音色です。
ストラディバリウスは、バイオリンを習っていない人でも名前だけは知っているかもしれません。
17世紀に、アマティの弟子の一人であるアントニオ・ストラディバリが制作したバイオリンはかなりの人気があり、華やかな音色が特徴です。
ストラディバリのバイオリンは、1000~2000本制作されたようですが、現存するのはたったの600本程度のようです。
ストラディバリが全て作ったというよりは、弟子たちとの共同作業で作り上げたといったほうが良さそうです。
当時の王侯貴族たちもストラディバリウスを気に入っており、ストラディバリはかなり経済的に恵まれた生活を送っていたようです。
現代で、世界で600本しかないストラディバリウスに出会う機会はなかなかないかもしれませんが、ストラディバリウス・モデルは制作されています。
ストラディバリウス・モデルは高音に特徴のある華やかな音が魅力なので、演奏会などで使いたい方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。
ガルネリウスは、アントニオ・ガルネリが作ったバイオリンです。ガルネリはストラディバリのライバルとも言われており、二人は似たような時代を生きました。
ガルネリのバイオリンはストラディバリウスのような華やかさよりも、太い感じのする音で渋さがあります。現代で制作されているガルネリ・モデルは他のものと比べて小型で扱いやすいことが特徴です。
名器と呼ばれるバイオリンには、人名が元になった名称がついていることが特徴です。
1700年代に作られたバイオリンが今でも高く評価される理由は、古いバイオリンほど柔らかく良い音色だとされているためです。ネットなどで、聞き比べをしても面白いですね。
バイオリンの有名曲といえば
バイオリンの出てくる有名曲はいろいろありますが、日常生活でおなじみのものもおなじみのものがいくつかあります。
例えば、卒業式の入場の前などに流される、ハッペルベルの「カノン」。あまりにも有名すぎますね。この他、なんとなく留守番電話などで聞いたことのあるようなエルガーの「愛の挨拶」などが有名です。
バイオリンのテクニックがバンバン出てくるのは、サラサーテ作曲の「ツィゴイネルワイゼン」です。バイオリンをこれから習う人、習っている人ならぜひ知っておきたい曲です。様々な奏法がでてくるので、動画をみているだけでも勉強になるかもしれませんね。
まとめ
今回は、バイオリンの歴史についてご紹介しました。これから習う方も、今習っている方も、歴史を知るとさらにバイオリンへの愛着がわくのではないでしょうか。長い歴史を経て、縁あって自分の元にやってきたと考えると、バイオリンを大事にしたくなりますね。
習い事・趣味のスクール・レッスン探しサイト グッドスクールがお届けする、習い事・趣味に関する情報をご紹介いたします。