1.どの音域でも綺麗に歌詞を発音できる
歌詞を丁寧に発音することは、歌が上手く聞こえるために非常に重要なポイントです。歌はリズムや音程、抑揚がつくため、歌詞を無意識に誤魔化してしまうことがあります。歌詞を綺麗に発音できるだけで、歌の上手さは格段に上がります。
上達のコツは、お腹の底からの声だしを意識することと、滑舌を良くすることです。日頃から意識して口を大きく動かし、顔の筋肉を鍛え、早口言葉などで滑舌を練習しましょう。
「タチツテト」や、「パピプペポ」の発音はなかなか聞き取りづらいものです。また発音の仕方が悪いと、ただの破裂音になり耳触りになってしまいます。歌詞を音読し自分でも心地よく聞き取ることができるかを確認しましょう。
高音域で特に歌唱力がある男性歌手は福山雅治さんです。福山雅治さんの曲は、男性であれば誰でも歌いやすい音域なので簡単のように思えます。しかし高音域の歌詞を綺麗に発音するにはかなりのボイストレーニングを必要とするため、完全に歌いこなすには難易度が高いといえます。
2.ビブラートやミックスボイスなどのテクニックが使える
伸びやかな声に艶のあるビブラートは、歌の上手さで特に目立つポイントです。ビブラートを上手く響かせるには、身体で歌うという意識を持つことが大切です。腹筋を鍛え、横隔膜を意識することで、少しずつ習得できます。声を伸ばす時は喉に意識を置いてみましょう。特有のうねりが出せるかもしれません。
また、ミックスボイスは裏声の一種で、地声から自然に高い声を出すテクニックです。口を閉じて鼻歌を歌い、低い音から高い音まで何度か繰り返したあと、鼻歌を口から出してみると、自然にミックスボイスが出ます。裏声を鼻に響かせて出すことで、いきなり声を裏返らせずにスムーズに歌えます。
B’zの稲葉浩志さんのミックスボイスとビブラートは音の伸び幅が非常に広く、低音から高音まで高らかに歌い上げるさまが魅力です。ロック歌手として世界でも高く歌唱力を評価されています。
3.歌声にメリハリがある
歌の表現力を大きく伸ばすのが、声の抑揚です。抑揚のしっかりした歌声は、それだけで上手く聞こえます。歌声にメリハリを付けるためには、ブレスが大切です。たっぷり息を吸うことに意識を持っていくと、歌い出しに勢いが増しますし、長いセンテンスの歌詞も一息で歌いきれます。歌詞をよく読み、歌詞の意味を勉強することも大切です。また、楽譜と歌詞をチェックすることも、抑揚をつけるための良いポイントとなります。
小林幸子さんは抑揚のある歌声に、こぶしを利かせたタメとノビのある歌唱力で知られています。最近ではポップスなどに演歌のテイストを取り入れてどんなジャンルでも果敢に歌いきることで若い世代にも支持されています。
4.リズム感が良い
プロの歌手でもリズムが崩れてしまうことがあり、課題として受けとめる方も多いようです。細かい音符の中にたくさんの言葉を当てはめるラップなどの場合、呼吸のタイミングを失えば一気にテンポが崩れますし、ラップ特有のリズム感に依存する「加速性」を失ってしまいます。リズムに乗るだけではなく、テンポをキープできる力も必要です。ただ歌えるだけでは成り立たないのが「歌」の世界です。
リズムのトレーニングで大切なのは、正確なリズムを刻むメトロノームを用意すること。メトロノームの拍動に合わせ、8分音符・16分音符などの速さ、符点をつけてスイングさせるなどの発声練習を行います。「チチチチチチチチ」や「アエイウエオアオ」などの言葉を当てはめて、発音が遅れないように歌い切る練習も行いましょう。リズム感は天性と思われがちですが、トレーニングすることによってリズム感は磨かれます。
宇多田ヒカルさんのR&Bのリズムに乗った歌声は、キレがあり、歌詞にもテンポを感じることができます。
5.歌が上手いとは=カラオケの点数が高いではない
このところ、カラオケのスコアで優位を争う番組が増えています。このカラオケの点数が高い=歌が上手いとは限りません。カラオケのスコアは便宜上音程やリズムが登録されており、それにどれだけ沿って歌えるかが加点の対象となります。
番組の中ではオリジナルを歌う歌手が素人に負けてしまうといった場面も出てきます。これは、歌手が歌詞の意味の解釈を十分に行い、自分ならではのタメやブレスを行っているからです。
歌手自身の「聴かせどころ」をカラオケマシンは認知することができず、「抑揚が効き過ぎ」であるとみなし減点対象としてしまうからです。カラオケで100点=「マシンのプログラムを攻略できた」ととらえるのが本来の意味合いとして正しいでしょう。
6.滑舌が良い
歌を聴いている時、歌詞がしっかりヒアリングできると、その曲の情景や心情が浮かび上がります。曲を聴いて「共感できた」という方は、言葉として耳に入った歌詞の内容を聴きとれた証拠です。歌が上手いと感じてもらうためには「滑舌(かつぜつ)」を良くすることも大切です。
英語の発音をよりネイティブに聴かせることはもちろん、テンポが早いメロディに多くの言葉を当てはめる時などはより言葉をはっきりと発音できなければいけません。
発声はもちろん、発音に気をつけることで歯切れの良い歌い方に変わります。普段から、早口言葉の練習や、濁音や半濁音の音を「10回続けて発音する」等の練習ではっきりとした発音できるようにしましょう。
7.どのジャンルにも対応できる
最近は「バラード専門」などと自分の能力を限定してしまう方も多いようです。聴いている側としてはバラードだけを延々を聴くのは飽きますし、歌い手側としても「バラードの高みを目指す」だけでは無理が生じることでしょう。
自身の声域にあわせた「ロック」や「ポップス」「演歌」などどんなジャンルでも歌えるように練習してみると、いつもとは違う自分を見つけられるかもしれません。
あらゆるジャンルの曲を歌うことで、リズム感も向上し、歌詞の発音にキレが生まれます。また、どのジャンルでも歌いこなせる人は、歌唱力が二の次でも「歌が上手い人」という見方がされやすい傾向にあります。TPOに合わせた曲選択ができると場の雰囲気も盛り上がり、「歌が上手いオーラ」を周りに与えやすくなりますよ。
8.歌に個性を出せる
プロ歌手を見ていると「雰囲気がある」「声に特徴がある」「パフォーマンス性がある」「カリスマ性を感じる」など何らかの個性があります。一般人に対して、カリスマ性やたたずまいを求めることは難しいのですが、声や歌い方に何らかの「自分らしさ」をプラスすることはできるはずです。
わざとらしく作り上げられた声は嫌われてしまいますが、自分の声質と声域、メロディーラインがしっくり合う曲などは聴いていて落ち着きますし、シャウトがキメの曲で上手に吠えることができればその場が盛り上がります。個性を出すためには「自分の曲」といっても良いほど歌い込むことや、歌詞をたくさん読み込み、自分なりの解釈を持つことが大切です。
9.腹式呼吸が出来る
喉だけで歌っていると、声に震えが生じる、音程が取りにくい、曲の出だしがうまくキマらないというような場面に必ず当たります。「腹から声を出せ」と言われる方は、腹式呼吸をマスターすべきでしょう。
腹筋を鍛えることで、肺にたっぷりと空気を取り込むことができるようになります。息をたっぷり吸い込めるようになると、曲の出だしの一声も格好良く決まりますし、腹筋で支える力がプラスされるので、音程をぶれずに支えられるようになります。
腹式呼吸は、お腹に息を溜めこむ感覚を持って一瞬で吸い、吐く時は10秒程度の時間を掛けて細く長く、最後まで吐き切る練習を行います。吐き切るまでお腹をしっかりへこませることもポイントです。毎日練習することで声量も上がります。
10.ロングトーンが出来る
曲のラストに、8拍以上伸ばす音が出てくることがあります。息切れせずにしっかり伸ばし切ることができたら、自分の声を響かせることができます。ロングトーンは腹式呼吸がマスターできたら、難なく伸ばせるようになります。
音程を保ったまま長く声を伸ばし続けるためには歌い込みを重ね、ブレスのタイミングを合わせることも必要となりますが、たっぷり息を吸いしっかり吐くという腹式呼吸を使うと、初めて歌う曲でもしっかりロングトーンができるようになります。
ロングトーンと合わせてビブラートをプラスするなど喉の使い方もマスターすると、更に「歌が上手い人」のポイントが上がります。まずは腹式呼吸法を使った歌唱法を何度も繰り返していきましょう。
まとめ
第三者から「歌が上手い」と思ってもらえるポイントを実践すると、確実に歌唱力が上がります。ここであげた10の事柄は、ボイストレーニング講師が指導する内容でもあり、自宅でも簡単にできるトレーニング方法です。これらのトレーニングを重ねることで、今よりもさらに「歌が上手いひと」として認識されるようになります。積み重ねはとても大事です。目標に向けて頑張って行きましょう。
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