起源は不明だが、中東から世界に広がっていった
古代エジプトなどの壁画にベリーダンスのような踊りを踊っている姿が描かれており、これらが発祥とされたり、砂漠の民が砂の上をしっかり歩くのに腰から上を振るわせ躍ったのが始まりとされたり、色々と諸説があります。確かなのは西暦610年にイスラームが中東全域に広まった時、ベリーダンスも(この時点ではベリーダンスと言う名前はついていません)王のハレムや親族の結婚式などで踊られていました。
10世紀頃には、踊り、音楽に秀でた民族ジプシー(ロマ)達が、東ヨーロッパ、スペインなどへ移動していきます。それに伴い、色々な民族の踊りと融合しながら、各地に広まっていきました。その後、広大なオスマン帝国が誕生。支配者スルタンの一夫多妻制の王宮の奥に建てられたグランドハレムには、世界中から踊り子が集められ、ベリーダンスもそこでしっかりと受け継がれたのです。
ベリー(お腹)ダンスと名付けたのはアメリカ
18、9世紀には、『千夜一夜物語』を知ったことから、人々はロマンチックなオリエンタルの世界に注目し始めます。1893年、アメリカで行われたコロンビア世界博覧会で、お腹を震わせ、腰をくねらせるこの独特の踊りが披露されました。そして、それはベリーダンス、即ち「お腹ダンス」と名付けられ流行し始めたのです。その後、女性解放運動につながる踊りとしても評価されます。そして現在、ベリーダンスは世界中に教室ができるほど人気になりました。日本でも1980年代に教室が開かれてからスクールは増えましたし、本格的なショーも見られます。
優雅なエジプシャンスタイル、ダイナミックなターキッシュスタイル、生活に根差したジプシースタイル
こういった歴史故、ベリーダンスには様々なジャンルが生まれました。主なジャンルを紹介します。まず、エジプトが発祥のエジプシャンスタイル。このスタイルは、優雅で細かい仕草が多く、あまり激しい動きはありません。衣装も露出が少なめで、基本素足で踊ります。対照的なのが、ターキッシュスタイル。大きな動作が多く、寝転がったり膝をついたりします。大胆な衣装が多く、ハイヒールで踊ることも。ジプシースタイルは、料理を作ったり、子供をあやすなどの生活動作が入るスタイルです。衣装はひらひらの裾や袖で、フリンジなどで飾ります。全てソロで踊ることが多いです。
アメリカ生まれのトライバルスタイル、そして進化形のフュージョンスタイル
アメリカで生まれたトライバルスタイルは、2人以上で踊られ、女性らしさより女性の力強さを表現します。初心者には難しいので、他のスタイルを習得してから始めると良いでしょう。フュージョンスタイルはそこに現代舞踊を取り入たもので、現在もどんどん進化中です。
ベリーダンスは、女性の根源を大切にして、且つ新しいものも取り入れて発展してきました。それは、魅力的な女性の生き方にも重なります。あなたもレッスンを受けて、女性に生まれた喜びを強く感じてみませんか?
参考文献:2007年『はじめてのベリーダンス』 イカロス出版
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