滑舌トレーニングには、さまざまな方法があります。これから紹介する記事では、滑舌が悪くなる原因を明らかにし、その原因に対処するための具体的なトレーニング方法を紹介します。
滑舌が悪くなる原因
滑舌が悪くなる原因はさまざまです。これらの原因を理解し、対処することで滑舌を改善することができます。主な原因について詳しく説明します。
■姿勢が悪い
姿勢が悪いと、呼吸が浅くなりやすく、声を出す力が弱くなってしまいます。
例えば、猫背や肩が前に出ている状態では、肺や横隔膜が十分に広がらず、効果的な発声ができません。その結果、声がこもりやすく、滑舌が悪くなります。
姿勢を正しく保つことは、発声の基本です。立って話すときは、背筋を伸ばし、両足を肩幅に開いて安定した姿勢を保つよう心掛けましょう。座って話す場合も、背もたれに寄りかからず、腰を立てて座ることが大切です。
■うまく舌が動いていない
滑舌が悪い原因の一つに、舌の動きが不十分なことがあります。
発音する際に、舌は非常に重要な役割を果たします。特に日本語の発音では、舌の先端が上あごに触れることが多く、この動きがうまくできていないと、言葉が不明瞭になりやすいです。
舌を柔軟に動かせるようにするためには、舌の筋力を鍛えることが重要です。舌を前後左右に動かす運動や、舌を丸めたり伸ばしたりする運動を取り入れると良いでしょう。
■口の開け方が小さい
口を大きく開けずに話すと、声がこもりやすくなります。これは、特に「ア行」や「カ行」の発音が不明瞭になる原因となります。
口を大きく開けて話すことを意識するだけでも、発音がクリアになります。
例えば、鏡を見ながら自分の口の動きを確認し、大きく開けて話す練習をすることが効果的です。また、「あいうえお」と大きな声で発音する練習も有効です。
■声のトーンが低い
声のトーンが低いと、発音がぼやけやすくなります。特に、低音域の声は振動が少なく、聞き取りにくいことが多いです。
声を高くするためには、喉の力を抜き、リラックスした状態で発声することが大切です。
また、声帯を引き上げるイメージで発声することも効果的です。声のトーンを意識して練習することで、より明瞭な発音を実現できます。
■声がこわばってしまっている
緊張やストレスが原因で声がこわばってしまうことがあります。声がこわばると、滑舌が悪くなりやすいため、リラックスした状態で話すことが大切です。
深呼吸をしてリラックスしたり、軽いストレッチを行ったりすることで、緊張をほぐすことができます。また、声を出す前に、軽く声を出してウォーミングアップすることも効果的です。
■呼吸が浅い状態になっている
呼吸が浅いと、声が弱くなり、滑舌が悪くなりやすいです。深い呼吸を心掛けることで、発声が安定し、滑舌が改善されます。
腹式呼吸を取り入れると、より深い呼吸ができ、声が安定します。腹式呼吸は、横隔膜を使って呼吸する方法で、お腹を膨らませるように息を吸い、ゆっくりと吐くことを意識します。この方法を日常的に練習することで、滑舌が改善されるでしょう。
■早口で話すのが癖になっている
早口で話すと、言葉が詰まりやすく、滑舌が悪くなります。ゆっくりと話すことを意識することで、発音が明瞭になりやすいです。
例えば、意識的にゆっくり話す練習をすることや、一文ごとに一拍おいて話すことで、言葉がはっきりと聞こえるようになります。また、録音して自分の話し方を確認し、改善点を見つけることも有効です。
自宅ですぐにできる滑舌トレーニング
滑舌を改善するためには、日常的なトレーニングが不可欠です。ここからは、自宅でもできる効果的な滑舌トレーニングを紹介します。
■思い切り笑顔で笑う
笑顔を作ることで、顔の筋肉が活性化し、滑舌が改善されます。
毎朝、鏡の前で思い切り笑顔を作る練習をするだけでも、表情筋が鍛えられ、明瞭な発音がしやすくなります。笑顔を作ることで、口角が上がり、声が明るく聞こえる効果もあります。さらに、笑顔はリラックス効果もあり、緊張をほぐして滑舌を改善するのに役立ちます。
■表情筋を鍛える
表情筋を鍛えることで、発音が明瞭になります。具体的なトレーニング方法としては、「イー」「ウー」の口の形を繰り返す運動や、頬を膨らませて空気を移動させる運動などがあります。
これらの運動を毎日続けることで、表情筋が鍛えられ、滑舌が改善されます。また、頬や口周りの筋肉を意識的に動かすことで、表情も豊かになり、コミュニケーションがより円滑になります。
■舌の筋力トレーニング
舌の筋力を鍛えることも重要です。舌を口の中で大きく動かす運動や、舌を出して左右に動かす運動などが効果的です。
例えば、舌を出して上下左右に動かす運動を毎日行うと、舌の筋力が向上し、発音が明瞭になります。また、舌を丸めたり伸ばしたりする運動も効果的です。舌の筋力を鍛えることで、よりスムーズに言葉を発音できるようになります。
■母音だけで発声する
母音だけで発声する練習は、滑舌を改善するために非常に効果的です。例えば、「あいうえお」の五つの母音をはっきりと発音する練習を繰り返すことで、発声が明瞭になりやすくなります。
この練習を通じて、口の開け方や舌の動きを意識的にコントロールできるようになります。また、母音だけで発声することで、言葉の響きを意識しやすくなり、よりクリアな発音が可能になります。
■腹式呼吸をする
腹式呼吸は、深い呼吸を促し、発声を安定させるために非常に重要です。腹式呼吸の練習を通じて、息を長く、深く吐き出すことができるようになります。
具体的な練習方法としては、鼻から息をゆっくり吸い込み、お腹を膨らませるようにします。その後、口からゆっくりと息を吐き出し、お腹を凹ませるようにします。この練習を繰り返すことで、発声が安定し、滑舌が改善されます。
■早口言葉
早口言葉は、滑舌を鍛えるための定番の方法です。難しい早口言葉を繰り返し発声することで、口の動きが鍛えられ、発音が明瞭になります。
例えば、「生麦生米生卵」や「赤巻紙青巻紙黄巻紙」などの早口言葉を繰り返すことで、滑舌が自然と良くなります。早口言葉を練習する際は、まずゆっくりと正確に発音し、その後徐々にスピードを上げていくことがポイントです。
滑舌トレーニングに使える早口言葉・文章一覧
次に、先ほどの滑舌トレーニングの一つとしてあげた早口言葉の具体例を紹介します。
定番の早口言葉
・生麦生米生卵
・赤巻紙青巻紙黄巻紙
・坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
・隣の客はよく柿食う客だ
・この釘は引き抜きにくい釘だ
「サ」行が連続する文章
・シャア少佐主催 新春シャンソンショー
・父がシチュー死守しつつ試食中
・暴走車掌 車窓清掃 修行中
・打者と走者 勝者と敗者
・マサチューセッツ音楽祭で優秀伴奏者賞受賞
「ハ」「バ」行が連続する文章
・最もポピュラーなヨボヨボ病予防病院
・スーパーパパパンダによりパンパシフィック選手権
・プリンセスのプリプリプレミアムプリン
・パパパパラッチ ママパパラッチ パパママパパラッチ
・僕ボブ 僕ボブ 僕ボブ
「ナ」「マ」行が多く続く文章
・耳をモミモミ 腿(もも)をモミモミ 耳も腿(もも)もモミモミ
・脈真逆 脈真逆 脈真逆
・右耳の右2ミリ右にミニ右耳
・折り畳み肩叩き機折り畳まぬままに肩叩く
・謎のナゾナゾの謎はまだ謎のままなのだぞ
通常のスピードや素早く読もうとすると、省略した動きになり、発音が甘くなります。まずはゆっくりと言葉を読み、口の中の動きを意識し、そのうえでしっかりと読めるスピードで練習するのがおすすめです。
また、上記早口言葉・文章以外にもスマホアプリやYouTubeで解説している動画もありますので、自分のトレーニング方法にあわせて探してみてもよいでしょう。
滑舌を良くするにはボイストレーニングもおすすめ!
滑舌を良くするためには、ボイストレーニングも非常に有効です。ボイストレーニングは、発声の基礎を学び、声の出し方を改善するための方法です。具体的には、声帯の使い方や呼吸法、声の響かせ方などを学びます。
ボイストレーニングを受けることで、声が明瞭になり、滑舌が良くなります。また、自分の声に自信が持てるようになり、話すことが楽しくなります。ボイストレーニングは、専門の講師から学ぶことが最も効果的ですが、自宅でできるトレーニングも多くあります。例えば、腹式呼吸やリップロール、発声練習などを日常的に取り入れることで、効果を実感できます。
滑舌トレーニングとあわせてボイストレーニングを行うことで、より効果的に滑舌を改善し、自信を持って話せるようになります。自分に合った方法を見つけて、日々のトレーニングを続けることが大切です。
以上の内容を参考に、滑舌を改善するためのトレーニングを行ってみてください。滑舌が良くなることで、コミュニケーションがスムーズになり、日常生活や仕事の場面で自信を持って話すことができるようになります。
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