自宅で始めるパン屋開業(経営)の道。厨房(設備)はどうすれば?

自宅で始めるパン屋開業(経営)の道。厨房(設備)はどうすれば?

「自分で焼いたパンを多くの人に食べてもらいたい。しかも、それがお金になるなら、本当にすてき!」美味しいパンを焼ける人なら、このような気持ちを持つことは不思議ではありません。では、その夢、叶えちゃいましょうよ! 「無理だわ」と思っている方がいるなら、この記事を読みながら検討してみてください。ここでは、パン屋開業のノウハウをお伝えします。


パン屋を開業するのに、必要な資格って何ですか?

ずばり、「食品衛生管理者」の資格と「飲食店営業許可書」「菓子製造業許可書」です。
それぞれについて、詳しく説明しますね。

○「食品衛生責任者」

食べ物を出す各店舗に一人は置かなくてはならないのが、「食品衛生責任者」です。都道府県知事の定めた養成施設の講習会を受けて資格を取るのが、最もスタンダードな方法です。講習は1日で終わります。栄養士や調理師の資格をすでに持っていれば、講習は免除されます。

○「飲食店営業許可書 」

サンドイッチなど調理パンを作る場合、必要になります。ただし、なにをもって「調理パン」とするかや、必要になる許可書は自治体によって違いますので、各自治体の保健所に確認してください。
また、申請は保健所にするのですが、一定の設備が整っていないと許可がおりません。これも各自治体によって、変わってきます。焼いたパンをお店で食べられる「イートイン」スタイルも、この許可書が必要になりますので、覚えておいてください。

○「菓子製造業許可書」

アンパン、ジャムパンなどの「菓子パン」を製造するには、菓子製造業許可書が必要になります。これも各自治体の保健所に申請するのですが、ある一定の設備を設けていないと許可がおりません。

飲食店営業許可書と、菓子製造業許可書の2つの許可を受けるのに必要な設備の例

・耐久性が十分な建物であること
・床が耐水性で、清掃しやすいこと
・換気設備を整えていること
・十分な冷蔵設備があること 
・流水設備があること
・害虫が入りにくい構造であること  など

詳しくはこちら⇒東京都の例
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kyoka/files/shokuhintebiki13.pdf

パン屋の開業に必要な機材ってどんなものがありますか ?

1、 業務用オーブン 10万円~数百万円まで機能によって幅広い
2、 ミキサー    20万円くらいから
3、 発酵機     20万円くらいから(オーブン についている場合もあり)
4、 冷蔵コールドテーブル 10万円くらいから
5、 恒温高湿庫      10万円くらいから
6、 ショーケース     1万円~4万円くらい
7、 天板         1枚5,000円くらい
8、 電気ホットショーケース  10万円くらいから
その他にも、細かい道具を挙げれば(スケール、ボウル、レジなど)たくさんありますが、パン屋さんの厨房はあまり見せることはないです。
ですから、お家にあるもので代用できる場合はそれを使いましょう。節約にもなりますし、使い慣れている道具の方が作りやすいと思います。

それから、インターネットで検索すると、中古のパンの機材を販売している専門店もあります。それらを利用することも一つの節約方法です。

長年、パン作りをしている方の中で、小さなパン屋さんを開業した方がいらっしゃいます。その方が購入したものは、業務用オーブンだけでした。ですから、何が何でも機材を全部購入することはありません。自分のお店の規模や形態、コンセプトに合わせた、本当に必要だと思う機材をセレクトしてくださいね。

開業資金が足りそうもない!何か良い方法はありますか?

パンを作る機材も自宅を改装する資金も、結構な額になりますよね。民間の銀行では、実績のない人には厳しい審査が必要になるようで、ちょっとハードルが高いです。

しかし、パン屋開業の支援策として、国がお金を有利な条件で貸してくれる場合があるのです。
政府は、もっともっと経済が活発になって、新しいお店に頑張ってもらいたいという思いから、国が100パーセント出資した「日本政策金融公庫」を起ち上げました。

新規事業を経ちあげるほとんどの人が対象ですが、女性、若者、シニアに特化した融資もあります。開業資金の融資の限度額7200万円で、返済期間が20年以内と、かなり開業する人には有難い制度です。 利率は担保が不要なら年利1.41パーセントから1.75パーセント(これは基準利率で条件により異なる)となります。(平成29年6月9日現在)

借入申込書、創業計画書、事業計画書、資金証明書などを提出して、融資が可能か総合的に判断されます。

もし、事業計画書などを書くことがご自分では不安でしたら、サポートしてくれる機関に相談するのも良いでしょう。財務局などから認定されている機関もありますよ。

まとめ

いかがだったでしょうか?パン屋を開業するには、様々な許可と届け出、資格、設備が必要なことが分かりましたね。でも、国の支援もあったりと決して夢の実現は不可能ではないのです。
一番大切なのは、パンの美味しさですが、次に大切なのは、自分の身の丈に合ったお店の規模と形態とコンセプトにすること。そうすれば、経済的にも身体的にも無理をすることなく、パン屋を開業できるでしょう。

本記事は2017年07月24日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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