バイオリンは幼児(子供)の脳に良い効果を与えるって本当?

バイオリンは幼児(子供)の脳に良い効果を与えるって本当?

子供の脳に良い影響をもたらすと科学的に立証されている楽器がバイオリンです。小さい子供がいる家庭の場合、習い事を考えている方は多いのではないでしょうか? 小さい頃から脳の発達を活性化させることで、将来どのような大人になるのかが変わってきます。ここでは、「バイオリンが子供の脳へどのような効果・影響をもたらすのか」や「習わせるタイミング」について見ていきましょう。


脳の発達と科学的根拠は ?

バイオリンは古くから英才教育に使われてきた楽器で、脳の発達を促進すると言われています。バイオリンを演奏することで、具体的には脳へどのような刺激があるのでしょうか?

バイオリン演奏時は、以下の5つの動作を瞬間的に行っています。
・楽譜を見る
・脳が理解し体の部位に指令を出す
・指を思い通りに動かしてバイオリンを弾く
・理想通りの音が響いているか耳で確認する
・目で次の音符を追っていく

バイオリン演奏時に行われるこの動作は、作業記憶(ワーキングメモリー)と呼ばれる能力を発達させ、脳全体の活性化に繋がると言われています。

また、バイオリン演奏は音を奏でるだけでなく、右脳と左脳を交互に使うことで脳の衰えを防止するので、高齢者のバイオリニストはボケにくいという結果が出ています。
子供の成長においては、記憶力の向上だけでなく、算数などの計算処理能力の向上、視空間処理能力の向上、IQの向上など、音楽以外のシーンにおいても様々な研究結果があるようです。

科学的根拠には賛否両論ありますが、実際に脳の活性化やそれに基づくデータを取得している方も多く、近年、子供の習い事にバイオリンを選ぶ方が増えています。

聴かせるだけのバイオリンと弾くのではどっちがいいの ?

子育ての一環としてバイオリンを取り入れるとき、「バイオリンは聴かせるだけでいいのか?」「レッスンを受けさせた方がいいのか?」と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか?

子供の脳の発達を目的とする場合、近年では音楽教室でバイオリンを習わせる(弾かせる)ことが主流となっているようです。
ただし、楽譜そのものを読むことや細かな指使いが必要とされることから、ある程度年齢を重ねてからでないと難しいのも事実です。
そこで、多くの音楽教室では乳幼児からでも音楽と触れられるリトミックなどを通じて、子供にバイオリンやその他クラシック音楽を慣れさせるコースを設けています。

また、子供に音楽を聴かせるのに「早過ぎること」はありません。早いと0歳からクラシックを聴かせ、中には胎教として取り入れる方も大勢います。
様々な脳の研究では、早くから音楽に触れさせることで聴覚の発達を促し、聞き分けられる音の数が増えることを立証しています。
幼い頃から多くの音を聞き分けられるようになると、音楽を通じて感性を養えるでしょう。

子供がまだまだ小さくスクールへ通わせるのに不安がある方は、家庭でできる以下のような音楽教育を実践してみましょう。

・CDなどの音楽を聴かせる
・コンサートなどの映像を見せる
・実際に弾いている姿を見せる

バイオリンを習わせるベストタイミングはいつ?楽器の選び方は ?

ご家庭での音楽教育を継続し、いざ習わせるとなると、「何歳ごろからレッスンを受けさせればいいのか」と悩んでしまいますよね。

習い始めるのにおすすめの年齢は、各スクール、レッスンによって異なります。一般的には「先生の言葉を理解できる年齢になったタイミング」がおすすめとされ、早ければ3歳、遅くても4~5歳ごろから習い始めるのが最適です。(3歳以下の乳幼児へ向けたレッスンは親同伴のスクーリングが一般的)
また、バイオリンを楽器として認識し、興味を持ち始めたら購入を検討してみましょう。子供が小さなうちはおもちゃのバイオリンなどで慣らさせてあげるのが大切です。

身長に合わせたバイオリン選びを

バイオリンは、ただ聴くことよりも、視覚・聴覚・触覚・記憶力など脳に大きな働きかけができるよう「弾くこと」が大切です。実際に楽器に触れて弾くことで聴くこと以上に脳の発達をサポートできるかもしれません。そこで、子供の成長に合わせて、サイズの合ったバイオリンの購入を検討してみましょう。

バイオリンは、子供の身長に合わせて細かくサイズが分かれています。お子様に合ったものを選べるよう、以下を参考にしてみましょう。

【各バイオリンのおすすめ身長】
・1/16サイズ・・・105cm以下
・1/10サイズ・・・105cm~110cm
・1/8サイズ・・・110cm~115cm
・1/4サイズ・・・115cm~125cm
・1/2サイズ・・・125cm~130cm
・3/4サイズ・・・130cm~145cm
・4/4サイズ・・・145cm以上(フルサイズ)

上記からも分かるように、バイオリンは身長5cm~10cm単位でサイズが異なります。成長が早い子供の身長に合わせて買い替えるのはコストパフォーマンスが低いようにも感じられますが、安価なものなら1万円代から購入可能なので、弾きやすさを重視して選ぶことが何より大切です。

サイズが合わないバイオリンでの練習を強いってしまうと、技術の習得が遅れてしまうだけでなく、子供自身のやる気を失わせてしまう可能性があるので注意してください。
バイオリンに対する興味関心や「上手くなりたい」という気持ちを失ってしまっては、脳の発達においても良い結果を得づらくなってしまうでしょう。

まとめ

バイオリンが脳へ与える影響には、様々な意見があります。否定的な方、肯定的な方など意見は様々ですが、スクールでバイオリンを1年間弾いてきた子供とそうでない子供との「記憶力の差」は、実際の検査・研究でも大きな差が出たことが認められました。幼いころから音楽やバイオリンに触れさせ、この機会に音楽教育を検討してみてはいかがでしょうか?

本記事は2017年09月15日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもとに安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

関連する投稿


バイオリンで伸びる6つの能力とは

バイオリンで伸びる6つの能力とは

バイオリンは、数ある楽器の中でも特に美しい音色と高い表現力が魅力の楽器です。弦楽器の中心とも言われるバイオリンは、クラシック音楽だけでなく、ジャズやポピュラー音楽にも活躍する幅広いジャンルで愛されています。 今回はバイオリンの魅力を紹介し、バイオリンを始めることで伸びる能力とバイオリンを始めるあなたにおすすめスクールをご紹介します。


バイオリンの弓の持ち方と自分に合ったバイオリンの選び方

バイオリンの弓の持ち方と自分に合ったバイオリンの選び方

バイオリンを始めたい!と思ったら、まずは弓の持ちかたや基本姿勢を知り、自分にあったバイオリンを選ぶところからスタートしましょう。また、バイオリンが、自分の体格に合っているかどうか調べる方法もご紹介します。


バイオリンが生まれた歴史と、バイオリンの名称を紹介

バイオリンが生まれた歴史と、バイオリンの名称を紹介

バイオリンは美しい音色が印象的で、見た目もエレガントな楽器ですが、そもそもどんな歴史をたどってあの形になったのかご存知でしたか? また、すでに作曲されてから100年以上経っていても、名曲として演奏され続けている曲があります。バイオリンを始めたい、習っている方ならぜひ知っておきたい、バイオリンの歴史と有名曲をご紹介します。


バイオリンを自宅で練習する際の騒音対策について

バイオリンを自宅で練習する際の騒音対策について

自宅でのバイオリン練習は、周辺住民の方に気を遣ってなかなか集中できないですよね。スクールが終わった夕方から夜にかけての時間帯は、特に気を使うべき時間帯です。 ここでは、「夜の時間じゃないと練習ができない!」、「どうしてもこの時間に練習がしたい」という方に向けて、スクール以外でできる練習方法についてご紹介します。


バイオリンの絃は何種類?またそれらのメンテナンス方法とは

バイオリンの絃は何種類?またそれらのメンテナンス方法とは

バイオリンを練習していると、どのように弓の毛や絃などを替えていけばいいのか不安になってしまいますよね。楽器を演奏するうえで、定期的なメンテナンスは基礎練習以上に欠かせません。 そこで、ここでは「絃の種類や替え方」、「おすすめの素材」について詳しくご説明します。これからバイオリンを始めようと思っている方や、バイオリン初心者の方は必見です!


最新の投稿


初めてのウクレレ教室の料金相場と失敗しない教室の選び方

初めてのウクレレ教室の料金相場と失敗しない教室の選び方

ウクレレのやわらかく心地良い音色に魅了され、「自分も弾けるようになりたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。ウクレレはコンパクトでギターよりも弦の数が少ないため、より簡単に演奏できる楽器として人気があります。しかし、独学で始めると「どんなウクレレを選べばいいの?」「コードの押さえ方が分からない」といった壁にぶつかることも少なくありません。そんなときに役立つのがウクレレ教室です。講師から直接学ぶことで、効率よく上達できるだけでなく、正しい演奏方法やリズム感も身につけられます。この記事では、ウクレレ教室の料金相場やレッスンの種類、費用を抑えるコツについて詳しく解説します。


テニススクールの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

テニススクールの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

テニスは、運動不足解消やストレス発散に最適なスポーツです。特に初心者にとっては、正しいフォームやルールを学ぶことが上達への近道となります。そのため、多くの人がテニススクールの受講を検討します。しかし、いざテニススクールを探してみると「料金がどれくらいかかるのか?」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、テニススクールを検討している初心者の方に向けて、料金相場や、費用を抑えるポイント、スクールの選び方まで詳しく解説します。


ピラティスの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

ピラティスの料金相場はどれぐらい?月謝を安く抑えるためのポイントや失敗しない選び方を徹底解説

ピラティスは、姿勢改善や体幹強化、柔軟性向上を目的としたエクササイズで、健康志向の高まりとともに人気が急上昇しています。特に、デスクワークが多い方や運動不足を感じている方の間で注目されており、ダイエット効果やストレス解消にもつながるため、幅広い世代に支持されています。本記事では、初めてピラティス教室に通おうと検討している方に向けて、料金相場や、月謝以外にかかる費用の内訳、費用を抑えるためのコツなどを詳しく解説します。


社交ダンスのレッスン料金(月謝)の相場は?費用を安く抑えるためのポイントなど解説

社交ダンスのレッスン料金(月謝)の相場は?費用を安く抑えるためのポイントなど解説

社交ダンスを始めてみたいけれど、料金が気になる方も多いのではないでしょうか。社交ダンスの料金は教室やレッスン形態によって実にさまざまで、予算に合わせて選択できます。社交ダンスは、音楽に合わせて優雅に踊るだけでなく、姿勢が良くなったり、運動不足の解消になったりと、たくさんの魅力があります。また、パートナーとのコミュニケーションを通じて、新しい出会いも期待できます。この記事では、社交ダンス教室の料金相場やレッスン形態、さらに料金を抑えるコツまで、分かりやすく解説します。