「IT関連の就職に興味がある」「体系的にパソコンに関連した知識を身につけたい」
近年IT関連の就職志望者が急増したり、リモートワークなど仕事でパソコンを使う機会が増えたりしたことで、上記のように考える人も多いのではないでしょうか。
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門と呼ばれる国家試験の一つで、取得すれば体系的なIT基礎知識を有していることが公的に証明できます。
そのため、これからIT関連の仕事を志望する方や情報処理に関して基礎的な知識を学んでみたい方に最適な資格といえるでしょう。
そんな基本情報技術者試験を、独学で取得することは可能なのでしょうか。
本記事では、基本情報技術者試験の概要や合格率、独学のメリット・デメリット、おすすめ参考書などを紹介し独学での合格は可能かどうか解説します。
基本情報技術者試験については、通信講座や予備校を利用して勉強する方法もおすすめです。
詳しくはこちらの記事でも解説しているので、ぜひご参考になさってください。
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門と言われる国家試験の一つです。
出題範囲はIT知識やプログラミングなどの基礎部分になるため、資格取得に向けて勉強することで自然にアルゴリズムやプログラミング、IT関連の用語などが体系的に身に付きます。
そのため、これからIT関連で働きたい方や、情報処理に関して基礎的な知識を学んでみたいという方にとって最適な試験と言えるでしょう。
- 試験の概要
- 試験の難易度
- 申し込み方法
基本情報技術者試験の概要・難易度・申し込み方法を順番にみていきましょう。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験の概要は以下の通りです。
試験日 | 毎年2回実施 上期:5〜7月/下期:10月〜11月 |
---|---|
試験方法 | CBT方式 |
受験資格 | 特になし |
試験構成 | 【午前試験】150分 100点満点
【午後試験】150分 100点満点
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合格点 | 午前・午後試験ともに60点以上 |
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、年2回実施されます。
全国のCBTテストセンターで受験が可能です。
CBTの場合、試験日が各テストセンターでそれぞれ異なり、また受験地が従来の筆記試験方式より多く設定されています。
そのため、都合のよい日時を選んだり、自宅から近い場所を選んだりできるので受験のスケジュールが組みやすいと言えるでしょう。
試験は午前・午後でそれぞれ150分ずつ、100点満点です。
合格ラインは午前・午後それぞれで60点以上となります。
基本情報技術者試験の難易度
試験を主催するIPAによれば、基本情報技術者試験の難易度は基本的知識・技能を問うものとしています(下表)。
基本情報技術者試験は、他の応用技術者試験やITストラテジスト試験などと比べれば難易度は低いといわれます。
しかし、アルゴリズムやプログラム言語の知識も問われるため、普段からパソコンを使う人でも対策は必須です。
ちなみに、合格率は令和4年度試験(下期)で35.6%となっています。
基本情報技術者試験の申し込み方法
基本情報技術者試験の申し込みは、原則インターネット受付のみです。
以下の4STEPで行います。
STEP 1 公式ホームページ
- 公式サイト:IPAから申し込み画面にアクセス
STEP 2 申し込み
- 画面の手順にそって受験者本人の必要事項を入力
- 決済方法の確認(クレジットカード・ペイジー・コンビニ払い:受験料7,500円)
STEP 3 受験票の発送
- 受験票が発送される
STEP 4 試験日(上期5〜7月、下期10〜11月)
- CBTセンターで受験
基本情報技術者試験は独学でも合格できるのか
基本情報技術者試験は独学で合格可能なのでしょうか。
結論は「独学でも十分に合格可能」です。
理由としては、以下の2つが挙げられます。
理由1:午前問題は過去問で対策可能
理由2:午後問題(プログラミングやアルゴリズム関係)は知識ゼロでも理解しやすい参考書が多数販売
過去問や参考書を活用することで、十分に対策可能と言われています。
特に午後問題はやや専門的な問題が出題されるものの、参考書が充実しているため独学が可能なのです。
次に独学で勉強するメリット・デメリットについて考えていきましょう。
基本情報技術者試験を独学で勉強するメリット・デメリット
基本情報技術者試験を独学で勉強するメリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット | デメリット |
◯費用が安く済む | ×どの教材を選べば良いかわからなくなる |
◯スケジュール管理能力が身に付く | ×スケジュール管理が大変 |
◯自分のペースで取り組める | ×わからないところを質問できない |
独学で勉強するメリットで一番大きいのは「通信講座に比べて費用が圧倒的に安く済む」ところでしょう。
詳しくは次章以降で述べますが、独学は基本的にテキスト代のみしかかからず、通信・通学と比べるとかなり安価です。
デメリットとして、スケジュール管理の大変さなどがあります。
詳しくみていきましょう。
メリット
基本情報技術者試験を独学で取り組むメリットは以下の3つです。
- 費用が安く済む
- スケジュール管理能力が身に付く
- 自分のペースで取り組める
順番に詳しくみていきましょう。
費用が安く済む
費用面のメリットが一番大きいと言えます。
独学と通信講座・通学を比較すると概ね下表の通りです。
独学(参考書代のみ) | 通信講座 | 通学 | |
費用 | 1万円前後 | 2万〜23万円
午前試験免除のコースあり |
10万円前後
午前試験免除のコースあり |
通信講座は内容によって価格差があります。
価格の高いコースを受講すると午前試験免除制度が適用になる場合も。
午前免除試験制度とは、特定の講座を受講した上で午前免除修了試験に合格すると、試験当日は午後試験のみの受験で済む制度です。
一方、通学は講座間の価格差が少なく、午前試験免除制度が含まれる場合がほとんど。
いずれにせよ、独学が最も費用を抑えられます。
スケジュール管理能力が身に付く
独学は試験当日まで仕事や家事などの合間を縫って勉強時間を確保しなければなりません。
自分の得意・不得意を把握しながら、試験当日まで時間を逆算して学習スケジュールを立てる必要があります。
スケジュール管理をする過程で時間を上手く捻出する方法が身につくとも言えるでしょう。
身についたスケジュール管理能力は今後仕事や生活をしていく上で間違いなく役立ちます。
自分のペースで取り組める
通信講座や通学では標準学習期間が定められており、その期間内に勉強を行わなければなりません。
一方、独学の場合は自分でスケジュール管理をするので、マイペースで勉強に取り組めます。
仕事やプライベートが忙しく、準備にとれる1日あたりの時間が少ない場合でも、独学なら学習期間を長めにとることで調整できます。
デメリット
基本情報技術者試験に独学で取り組む場合にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
デメリットは以下3つです。
- どの教材を選べば良いかわからなくなる
- スケジュール管理が大変
- わからないところを質問できない
それぞれ順番に詳しくみていきましょう。
どの教材を選べば良いかわからなくなる
独学の場合、教材選びは市販の参考書やテキストの中から自分で行わなければなりません。
書店や通販サイトをみると多くの教材が販売されており、評価もさまざまなのでどれを選べばよいか迷ってしまいます。
一方、通信講座や通学では配布されるテキストが決まっているでの教材選びに迷うことはありません。
スケジュール管理が大変
メリットの「スケジュール管理能力が身につく」と裏腹な部分です。
一人でスケジュール管理を行い、いかに効率よく学習を進められるかが鍵になる独学では、最も大変な部分と言えます。
その点、通信講座や通学の場合、蓄積されたノウハウをもとに試験当日までのスケジュールが組まれているので、効率よく学習を進められるでしょう。
わからないところを質問できない
勉強を進めていくうち、わからない箇所が出た場合、通学講座の場合は専任講師に質問できます。
通信講座の場合も、質問サービスを利用して講師に質問は可能です。
ところが、独学の場合は誰かに質問ができません。
身近にIT関係に詳しい方がいる場合は例外ですが、気軽に質問できないのは独学のデメリットと言えます。
基本情報技術者試験の独学をおすすめできる人・おすすめできない人
基本情報技術者試験は独学でも合格は可能です。
ですが、すべての人に独学がおすすめできるわけではありません。
独学をおすすめできる人・できない人をまとめると以下の通りです。
独学をおすすめできる人 | 独学をおすすめできない人 |
|
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特にパソコンに日常的に触れる機会があり、IT知識などの事前知識を持っていた方が断然取り組みやすいので独学がおすすめできます。
事前知識があることで、試験当日までの勉強時間が短縮できます。
他にもモチベーション維持ができる方やスケジュール管理が得意な人の方が独学に取り組む上で有利でしょう。
独学をおすすめできる人
独学をおすすめできる人は以下3つの特徴と理由が挙げられます。
- IT知識をある程度もっている人
- モチベーションが維持できる人
- スケジュール管理が得意な人
それぞれ順番にみていきましょう。
IT知識をある程度持っている人
パソコンに日常的に触れる機会が多く、事前のIT知識がある程度あるほうが独学はおすすめできます。
独学の場合、通信講座や通学の場合と異なり、わからないことがあっても質問する機会がありません。
その点、事前知識があったほうがわからない箇所がでてきても自力で解決できる可能性が高く、学習時間の短縮が図れるでしょう。
モチベーションが維持できる人
試験当日までの長い準備期間中モチベーション維持は困難です。
独学の場合は一緒に勉強する仲間がいないのが普通なので、仲間で励ましあうことも、講師から励ましてもらうことも難しいでしょう。
仕事やプライベートが忙しく、時間がなかなか取れない中モチベーションを維持するためには、「資格取得後、得られた知識をどう活かすか」といった具体的な目標を持つことが大切になります。
スケジュール管理が得意な人
独学で最も重要になるのは、試験当日までのスケジュール管理です。
メリット・デメリットでも述べましたが、試験当日まで自分の苦手を把握しながら「いかに効率よくスケジュールを立てられるか」「いかに勉強時間を確保するか」が上手くコントロールできる人は独学をおすすめできます。
独学をおすすめできない人
独学をおすすめできる人がいる一方、おすすめできない人もいます。
おすすめできない人は以下3つの特徴が考えられます。
- IT知識がほとんどない人
- 誘惑に負けやすく、モチベーション維持が難しい人
- スケジュールは管理されたほうが勉強できる人
それぞれ順番にみていきましょう。
IT知識がほとんどない人
仕事やプライベートでこれまでパソコンにほとんど触れる機会がなかった人は、事前のIT知識が少ないため独学はあまりおすすめできません。
馴染みのない用語や普段パソコンに触れていないとあまり実感のわかないような知識が大半になるので、独学で理解しようとすると時間がかかるからです。
この場合は、通信講座や通学のほうが、講師に質問できますし、全く馴染みがない用語でもわかりやすく解説してくれるで独学よりも早く理解できます。
とはいえ、知識ゼロの全くの初学者でも理解できる書籍もあり、独学が全く無理というわけではありません。
誘惑に負けやすく、モチベーション維持が難しい人
独学の場合、一人で勉強することになるので、テレビやスマホ、友人の誘いなどさまざまな誘惑をコントロールしながら勉強をすすめていく必要があります。
高いモチベーションが維持できなければ、誘惑に負けてしまい、勉強がなかなか進まない危険性があるのが独学の難点です。
スケジュールは管理されたほうが勉強できる人
通信講座や通学では、学習計画は蓄積されたノウハウにそって管理されるので、効率よく学習を進めることが可能です。
スケジュールを自分で管理するよりも、管理されたほうがはかどる方は独学よりも通信講座や通学がおすすめでしょう。
基本情報技術者試験に独学で挑む
基本情報技術者試験に独学に挑む場合、必要とされる勉強時間やスケジュールの立て方にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下2つにまとめました。
- 独学で挑んだ場合にかかる勉強時間
- 独学で取り組んだ場合のスケジュールの立て方
次章から順番にみていきましょう。
独学で取り組んだ場合にかかる勉強時間
通信講座大手フォーサイトによると、独学で取り組んだ場合にかかる勉強時間は150〜200時間とされ、プログラミング経験者の場合でも50〜100時間程度必要と言われます。
基礎的な知識を問われる「基本情報技術者試験」ですが、特に初学者の場合はまとまった時間が必要です。
では、具体的なスケジュール例をみてみましょう。
独学で取り組んだ場合のスケジュールの立て方
IT知識がない初学者の場合、独学には200時間程度かかるとされます。
具体例として、1日あたりの勉強時間を以下のように設定すると、200時間を達成するのは約2ヶ月半後です(下表参照)。
1日あたりの勉強時間 | 月〜金曜日:2時間
土・日曜日:5時間 |
---|---|
1週間の勉強時間 | 20時間 |
1ヶ月の勉強時間 | 80時間 |
2.5ヶ月の勉強時間 | 200時間 |
月〜金曜日まで1日2時間、土・日曜日に5時間ずつ勉強すると、1週間あたりの勉強時間はおよそ20時間。
1ヶ月あたりの勉強時間は20時間×4週間で約80時間となり、2.5ヶ月で200時間になります。
必要な勉強時間は個人差や事前知識によって差がつきますが、初学者の場合は少なくとも2ヶ月前には準備をしたほうが良いでしょう。
ちなみにプログラミング経験者の場合は50〜100時間程度と言われます。
基本情報技術者試験の独学勉強法
基本情報技術者試験では、午前問題と午後問題で出題内容が異なります。
そのため、午前・午後問題で分けて傾向と対策を立てると良いでしょう。
- 午前問題の勉強法
- 午後問題の勉強法
次章以降で詳しくみていきます。
午前問題の勉強法
午前問題の出題範囲は以下のようになっています。
分野 | ||
テクノロジ系 | マネジメント系 | ストラテジ系 |
|
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50問前後 | 10問前後 | 20問前後 |
午前問題は大別して「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3種から出題されます。
テクノロジ系からの出題が半数以上。
問題内容は、IT業界やビジネス業界で用いられる用語の意味を問うものが多く、暗記が主体です。
そのため、参考書で用語を覚えながら過去問を繰り返すことで合格に必要な知識は身に付きます。
午前問題対策ポイント
実際におすすめできる参考書や学習サイトはあとで紹介します。
午後問題の勉強法
午後問題の出題範囲は以下のようになっています。
分野 | |||
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必須問題:1問 | 選択問題:2問(4問中) | 必須問題:1問 | 選択問題:1問(5問中) |
午後問題は計11問出題され、うち5問を選択して解答する長文問題が特徴です。
問題の読解力も必要ですが、ただの暗記ではないより実践的な内容が問われます。
そのため過去問を繰り返し解くだけでなく、自分で計算したり、考えたりするなどアウトプット作業が重要です。
特に「データ構造及びアルゴリズム」「ソフトウェア開発」は初学者にとって難易度が高い分野。
データ構造及びアルゴリズムは必須問題なので避けて通れません。
一方、ソフトウエア開発の場合、選択問題で「表計算ソフト」が選択できます。
5つの選択肢で唯一プログラミング言語ではないのがこの表計算ソフト。
独学で確実に合格を目指すなら、ソフトウェア開発は「表計算ソフト」を選択して学習するのがおすすめです。
理由は、特に仕事などで日常的に表計算ソフトを使う場合だと、プログラミング言語を学習するよりも身近な分すぐにマスターできるからです。
とはいえ、資格取得を機にプログラミング言語を学んでみたいという方はPythonやJavaなどを選択してみてもよいでしょう。
特にPythonは他のプログラミング言語に比べ文法が平易で理解しやすいと言われ、Instagram、YouTube、Dropboxなど身近なソフトウェアの開発言語として使用されています。
そのため学習していく上で身近に感じやすいのではないでしょうか。
いずれにしても、午前問題にめどがついたら、早めに手をつけて対策に時間を割きましょう。
午後問題対策のポイント
【午前問題対策】独学で取り組む際におすすめの本・参考書
午前問題対策の参考書は以下のポイントで選ぶと良いでしょう。
【午前問題対策】参考書選びのポイント
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和04年
- 令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
参考書の詳細についてみていきましょう。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和06年
おすすめポイント
- 初学者向け
- イラストを多用、初学者でもイメージを掴みやすい
「キタミ式イラストIT塾」は本のタイトル通りイラストをふんだんに使い、初学者でもイメージで理解しやすく構成されています。
IT用語の知識がゼロでも本書を読めば、午前問題のテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系に必要な知識が自然に身に付くでしょう。
令和06年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
おすすめポイント
- 120万部を超えるベストセラーの実績
- イメージ&クレバー方式で初学者でも取り組みやすい
「栢木(かやのき)先生の基本情報技術者教室」は120万部を超えるベストセラーです。
タイトルにある「イメージ&クレバー方式」で初学者が取り組みやすいよう「文とイメージを同時に頭にいれることで初めて学ぶ知識がわかりやすい」と評判の本書。
猫の漫画や挿絵で理解を深められるので、初学者には特におすすめできます。
また問題集もついているので知識の定着がしやすいです。
【午後問題対策】独学で取り組む際におすすめの本・参考書
基本情報技術者試験の午後問題では、長文問題で専門的な解決能力や論理的思考力が問われます。
特に「アルゴリズム」「ソフトウェア開発(プログラミング言語)」は、初学者にとって壁になる部分なので、理解しやすい参考書選びが重要になります。
選ぶ際のポイントは次のようなものです。
【午後問題対策】参考書選びのポイント
具体的なおすすめ参考書は以下3つです。
- うかる!基本情報技術者 午後・アルゴリズム編
- 改訂4版 基本情報技術者 らくらく突破 表計算 情報処理技術者試験
- 徹底攻略Python編
参考書の詳細をみていきましょう。
うかる!基本情報技術者 午後・アルゴリズム編
おすすめポイント
- 初学者でも身近な例を取り上げ、アルゴリズムが理解しやすい
- 生徒と講師の対話形式でスラスラ読める
本書はアルゴリズムの勉強にはじめて取り組む人におすすめです。
特に文系初学者・プログラミング未経験者でも「アルゴリズム分野が理解しやすいよう」書かれています。
生徒と講師の対話形式で進められ読みやすく、また、身近な例を挙げ解説しているため理解しやすいと評判です(例:「自動販売機を作ろう」)。
改訂4版 基本情報技術者 らくらく突破 表計算 情報処理技術者試験
おすすめポイント
- 表計算ソフトを学習するならコレといわれるくらいの定番書
- 初学者でも理解しやすい
午後問題のソフトウェア開発分野では、C言語、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフトの5つから1つを選択して回答しなければなりません。
初学者が確実に合格を狙うのであれば、プログラミング言語ではない「表計算ソフト」を選択するのが無難と言われます。
その表計算ソフトを学習する場合、本書は「表計算といえばコレ」というくらいロングセラーの定番書です。
「エクセルすらほとんど使ったことがない」という人でも本書を読めば「関数」「マクロ」まで理解でき、初学者でもばっちり試験対策が可能です。
本書で「解説を読む→例題を解く→解説を読む→演習問題を解く」を繰り返しているうち、自然に試験で合格に必要な知識が身につくしょう。
ソフトウェア開発で「表計算ソフト」を選択するなら本書がおすすめです。
徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編
おすすめポイント
- Pythonを初学者でもわかりやすく解説
- 全文PDFも使用可能で出先でも学習可能
基本情報技術者試験の勉強をきっかけにプログラミング言語を学んでみたいという方には「Python」がおすすめ。
Pythonは新しい言語ですが、プログラミング言語の中では文法が平易で初心者には比較的理解しやすいと言われます。
本書はそんなPythonを初学者向けにわかりやすく解説。
丁寧な解説と演習問題で試験対策スキルだけでなく、実用的なスキルが同時に身に付くと評判です。
また、本書購入と同時に全文PDFも使えるので出先のスキマ時間にスマホ・PCなどで勉強がしやすいでしょう。
【問題集】独学で取り組む際におすすめの本・参考書
午前・午後問題の参考書で知識を身につけたら、過去問や予想問題で演習を行い知識の定着を図ったり、出題形式に慣れたりする必要があります。
ここでは、独学で取り組む際におすすめの問題集を紹介します。
問題集選びのポイント
令和06年 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
おすすめポイント
- 過去問題集売上連続第1位の実績
- 設問ごとの解説が詳細で学習に役立つ
「パーフェクトラーニング 過去問題集」は、売上連続第1位の実績(大手書店調べ:平成25年春期〜令和3年下期まで17期連続)で評判の過去問題集。
過去問だけでなく予想問題も含め、合計21回の演習が可能です。
また、設問ごとの解説が詳細で問題演習をしながら知識の定着が図れます。
さらに「おさえておきたい頻出用語(300用語以上)」が購入者ダウンロード特典として付与されるので、頻出用語がスマホ等で確認でき、非常に便利です。
令和04-05年 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午前】【午後】
おすすめポイント
- 【午前】【午後】のテーマ別に分かれており、学習進度に合わせて活用できる
- 問題ごとの解説が詳細で学習に役立つ
「試験によくでる問題集」は【午前】編、【午後】編の2冊にわけて出版されています。
午前・午後問題の内容別に演習が行えるのが特徴で、学習深度に合わせて活用可能。
また、設問ごとに丁寧な解説があり、学習を進めていく上で有益です。
参考書で知識をつけた後は、この「試験によくでる問題集」で問題演習を行い、知識の定着を図ると良いでしょう。
特に【午後】編はテーマごとに厳選された48題に問題を絞り、長文問題の演習をテーマごとに行いやすい構成になっています。
勉強サイトやスマホアプリを活用して基本情報技術者を独学で勉強する
基本情報技術者試験を独学で行う場合、参考書だけでなく、勉強サイトやスマホアプリの活用も有効です。
オンラインで取り組めるので、参考書を持ち歩かずに済むメリットが大きく出先の空き時間を有効活用できるでしょう。
おすすめの勉強サイトやスマホアプリは以下2つです。
- 基本情報技術者試験ドットコム
- スマホアプリ「全問解説付 基本情報技術者 午前 一問一答問題集」
勉強サイト「基本情報技術者試験ドットコム」の活用
おすすめポイント
- 過去問の詳細な解説がみられる
- サイト内「過去問道場」では平成16年〜令和元年秋期分まで演習可能
基本情報技術者試験ドットコムでは、サイトの位置づけを次のように述べています。
基本情報技術者試験.comは、基本情報技術者を受験予定の方への情報の提供や、合格へのサポートを目的としたWebサイトです。
令和4年度上期試験は、4/1〜5/29の期間で実施されます。
引用元:基本情報技術者試験ドットコム
サイト内で利用可能なサービスは以下のようなものです。
- 新着情報の確認
- 過去問題の解説
- 基本情報技術者とは?
- 過去問道場
- 掲示板
- (おすすめ)参考書・問題集の紹介
受験予定者への情報提供も随時更新しており、これから受験を考えている方にとっては有益な情報が得られます。
中でも、特に勉強する上で役立つのが「過去問道場」。
平成16年〜令和元年秋期分までの過去問から「試験回を指定して出題」「分野を指定して出題」「模擬試験形式で出題」の3パターンから選んで演習できるので、学習進度に応じて知識のチェックが可能です。
また、設問ごとの解説も充実しており、問題を解きながら知識の定着が図れます。
スマホアプリ「全問解説付 基本情報技術者 午前 一問一答問題集」
おすすめポイント
- スマホアプリでスキマ時間を有効活用
- 全問題解説付きで苦手克服に役立つ
- 回答履歴機能付きで学習進度の管理がしやすい
「全問解説付 基本情報技術者 午前 一問一答問題集」は、基本情報技術者試験の午前問題に対応。
一問一答形式で回答しながら知識の定着図れます。
また、全問題解説付なので苦手克服に役立つでしょう。
回答履歴機能がついており、どこまで学習を進めたのかが一目瞭然なので達成感があります。
外出先で「少し時間ができた」ときに取り組むとスキマ時間が有効活用できるのでおすすめです。
基本情報技術者試験の独学でよくある質問
基本情報技術者試験の独学でよくある質問をまとめました。
- 基本情報技術者は文系でも独学で合格できますか?
- 基本情報技術者に合格するのに必要な勉強時間はどれくらいですか?
- IT知識ゼロの初心者でも独学で合格できますか?
- 過去問はどのように活用すれば良いですか?
- 社会人でも基本情報技術者に合格できますか?
- 独学で勉強して理解できない場合はどうしますか?
基本情報技術者は文系でも独学で合格できますか?
合格は可能です。
ですが特に文系の方の場合、数式などがいきなり登場すると理解しにくいと思います。
そのため、イラストや漫画が多く使って解説された以下のような参考書を選び、まずは小説でも読むような感覚で読破してみるとよいでしょう。
基本情報技術者に合格するのに必要な勉強時間はどれくらいですか?
プログラミング初学者の場合、200時間くらい必要といわれます。
事前知識によって差が出るため一概にはいえませんが、初めて勉強する場合はある程度まとまった時間を取る必要がありそうです。
ちなみに、プログラミング経験者の場合は50〜100時間程度で十分という説もあります。
IT知識ゼロの初心者でも独学で合格できますか?
合格は可能です。
IT知識ゼロでも理解できるよう、イラストや漫画を使ってわかりやすく解説された参考書※があります。
※「基本情報技術者は文系でも独学で合格できますか?」の項参照
参考書で理解を深める→問題集に取り組んで知識の定着という流れ(インプットとアウトプット)を繰り返すと知識が定着するでしょう。
過去問はどのように活用すれば良いですか?
まずは参考書で理解を深めましょう。
過去問や(予想)問題集は、参考書で理解を深めたあとのアウトプットに活用するとよいでしょう。
アウトプットすることで知識の定着が図れます。
社会人でも基本情報技術者に合格できますか?
合格は可能です。
社会人と学生では合格率にほとんど差がなく、令和元年度試験で社会人25.0%、学生27.1%でした。
社会人だから不利ということはないでしょう。
独学で勉強して理解できない場合はどうしますか?
独学の場合、理解できないところがあっても気軽に質問して解決できる機会がありません。
比較的わかりやすい参考書は記事内で紹介しましたが、人によっては事前知識の関係で、参考書だけでは理解できない場合もあるでしょう。
どうしても独学で理解できない場合は、通信・通学講座の利用も検討をしてみてください。
まとめ:基本情報技術者は独学で合格できるのか
今回の記事をまとめると以下のようになります。
- 基本情報技術者試験とは、IT関連の基本的知識を有することを証明する国家試験
- 独学でも合格は可能だが、IT関連の事前知識を有していたほうが有利
- 人によっては独学よりも通信・通学講座のほうがよい場合も
- 独学で合格するために必要な勉強時間は200時間
- 事前のIT知識がない場合は特にイラスト・漫画を多用して解説した参考書から
例:「イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室」「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」など - 基本情報技術者試験の独学勉強法
参考書で理解→過去問・(予想)問題集で反復して知識を定着
午後問題(特にアルゴリズム・プログラミング言語)対策を重点的に
基本情報技術者試験はIT関連の基本的知識を有することを証明する国家試験のことで、独学でも合格可能です。
合格までの勉強時間はおよそ200時間。
特にIT関連の知識がない場合、午後問題のアルゴリズム・ソフトウェア開発の対策に時間がかかります。
ですが、イラストや漫画を多用して、IT知識ゼロでも理解しやすく工夫された参考書があるので、それらで理解を深めながら、過去問や予想問題集で繰り返し演習することで合格が近づいてくるでしょう。
ぜひ、本記事で紹介した参考書や過去問、サイトなども活用して、基本情報技術者試験にチャレンジしてみてください。
基本情報技術者試験に関する関連記事
基本情報技術者試験については、以下の記事もご覧ください。
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