「簿記検定」は、就職活動のために活かせるという情報もあり、大学生の方が簿記検定に挑戦するということも多くなってきています。
しかし、簿記検定には初級~1級があり、どの級を選べばよいのか、独学で合格することが可能なのかと不安に思ってしまう方がいるかもしれません。
この記事では、簿記検定3級・2級・1級の違いやそれぞれの勉強方法、難易度や試験の概要などを紹介します。
この記事を参考にして、簿記検定についてもっとよく知り、自分に会った勉強方法を見つけて合格を目指しましょう。
簿記とはどんな試験?
簿記検定という言葉は、よく聞かれるようになってきましたが、「簿記」という言葉が何を意味するのかよく知らない方も多いでしょうか。
簿記とはお金や商品の営業取引を記録すること、そのスキルのことです。
もう少し詳しく述べると、企業が日々行っている取引などの活動を一定のルールに従って整理し、帳簿に記入することです。
簿記検定の中でもっとも有名なものが、日商簿記検定であり、初級・3級・2級・1級があります。
一般的には、経理職などで役立つ資格であり、就職活動の際にも有利になると言われていますよね。
次に、受験する方が多い簿記検定3級、2級、1級それぞれのレベル感や受験層などを簡単に紹介していきますね。
簿記検定3級ってどんな試験?
簿記検定3級のレベル感としては、
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。(引用:日本商工会議所・各地商工会議所公式HP)
とされています。
つまり、簿記の入門レベルであり基本的な知識を身に着けられると言えますね。
学習範囲としては、小規模企業の簿記を学習するという形です。
これから簿記や会計の勉強を始めてみたいという初学者の方にぴったりの難易度です。
そのため、受験者の中には大学生や高校生の方も多くいらっしゃいます。
簿記検定2級ってどんな試験?
簿記検定2級のレベル感としては、
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。(引用:日本商工会議所・各地商工会議所公式HP)
とされています。
簿記検定3級と比べると少し難易度が上がっているのが分かりますよね。
学習範囲としては、中規模企業の簿記を学習するという形です。
実際に業務に活用していきたいと考えている方は、簿記検定2級までの知識を身に着けておく必要がありそうですね。
簿記検定2級受験者の中には、3級と同様に学生もいらっしゃいますが、働きながら取得を目指す方も多くいらっしゃいます。
簿記検定1級ってどんな試験?
簿記検定1級のレベル感としては、
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。(引用:日本商工会議所・各地商工会議所公式HP)
とされています。
2級よりもさらに難易度が上がり、求められる専門的なレベルも高くなっていることが伺えますよね。
合格すると税理士試験の受験資格が得られることから、公認会計士や税理士などの国家資格の登竜門ともいわれています。
簿記をマスターして公認会計士や税理士といったプロとして働きたいという方はぜひ挑戦したい検定ですね。
学習範囲としては、大規模企業の簿記を学習するという形です。
簿記検定に独学で合格できる?
簿記検定に独学で合格することは可能です。
しかし、先ほど紹介したように簿記検定は初級~1級まであり、それぞれ難易度や求められるレベルが異なるため独学で合格できる割合や可能性も受験する級によって変わってきます。
ここでは受験する方が多い簿記検定3級、2級、1級に独学で合格することは出来るのか、についてお伝え位していきますね。
簿記検定3級に独学で合格した人はいる?
簿記検定3級に独学で合格した方は、多くいらっしゃいます。
実際、Twitterで「簿記3級 独学 合格」で検索すると簿記3級に独学で合格したという声が多く見られました。
さらに調査したところ、簿記3級の合格者のうち独学者は約8割としているサイトもありました。
8割という数字に関しては明確な根拠は示されていないようでしたが、簿記3級の合格率が4割〜5割程度、学習目安時間が50〜70時間ということを考えると、簿記検定3級に独学で合格を目指す方は少なくないでしょう。
ただ、簿記の学習の際には多くの専門用語を扱う必要があるため、難しいと感じられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、簿記検定3級は入門レベルであり、簿記の基礎的な知識を学習していきます。
また簿記検定3級は、認知度も高いためテキストなども多く存在しますよね。
そのため自分に合ったテキストを見つけ、効率よく学習ができれば合格できるでしょう。
簿記検定2級に独学で合格した人はいる?
簿記検定2級に独学で合格した方は、簿記検定3級よりも多くはありませんが、いらっしゃいます。
実際、Twitterで「簿記2級 独学 合格」と検索すると簿記3級ほどではありませんが、独学で簿記2級に合格したという声も見られました。
簿記検定2級では簿記検定3級よりも内容がより専門的になり、応用力も試されます。
そのため基礎的な知識を主に扱う簿記検定3級よりも独学での合格が難しくなることは頷けますよね。
ただ、既に簿記検定3級に挑戦して合格した方や簿記の知識を使用してお仕事をされている方など簿記検定の知識が既に少し身に付いている方であれば独学での合格も十分可能でしょう。
また、効率的な学習をコツコツと継続できれば初学者の方でも合格が可能かもしれません。
テキストなどを用いて自力で専門的な内容が理解可能かどうか、応用力を身に着けられるかどうか、といった点を考えながら学習方法を選ぶ必要がありそうですよね。
簿記検定1級に独学で合格した人はいる?
簿記検定1級の難易度は高く、独学での合格は難しいと言われています。
1級は国家資格の登竜門と言われるだけあり、出題範囲も広く、合格率も10%程度とかなり低いです。
また簿記検定1級にはじめから挑戦される方よりも簿記検定3級、2級と受験してから簿記検定1級を受験するという方の方が多いと言われています。
その上での10%という合格率ですから、かなり難しい試験であると言えますね。
しかし、少数ですが独学で簿記検定1級に合格した方もいらっしゃいます。
Twitterで「簿記1級 独学 合格」で検索してみると、少数ではありますが簿記1級に独学で合格したという声がありました。
ただ、合格した方は簿記2級に既に合格されている、経理部長であるなど、元々簿記の知識がある程度ある方や、TOEIC900点以上取得など他の資格の実績も高い方が多かったです。
そのため、独学で簿記1級に合格を目指すならば、広く高度な知識を身に着けるために効率的な学習を行わなければなりませんね。
簿記検定2級、1級対策を独学で行うのに向いている人
簿記検定2級、1級対策を独学で行うのに向いている人は、
- 簿記検定3級や2級に合格した方
- 効率的な学習ができる方
です。
簿記検定は3級、2級、1級という順に難易度が上がっていきます。
そのためその前の段階の知識を身に着けておくことで、より難易度が高い2級や1級の学習を効率的に行えます。
特に簿記検定3級は簿記の基本を学べますよね。
3級に合格したということは、簿記の基礎をマスターできているということになりますよね。
簿記の基礎を最初にマスターしておくことで、より難易度の高い2級、1級に独学で合格することが可能になりそうですね。
また、効率的な学習ができることも重要です。
特に簿記検定1級は出題範囲が広いですよね。
専門性の高い知識を幅広く身に着けるためには効率の良い学習が不可欠です。
さらに、簿記試験は難易度が高く、受験する方は学生や社会人など忙しい方が多いですよね。
そのため効率的に学習ができないと途中で挫折したり、対策が試験に間に合わず不合格となってしまうかもしれません。
いずれにせよ、効率的な学習は合格のために必須であり、そのためにも基礎的な知識を事前に身に着けておくことが重要ですよね。
簿記検定3級の対策方法(勉強時間・スケジュール)
次に簿記検定3級の対策方法について紹介していきますね。
具体的には以下の3つの観点から説明していきますね。
- 必要な勉強時間
- 学習スケジュール
- おすすめ学習方法
簿記検定3級試験対策に必要な勉強時間
簿記検定3級の試験対策に必要な学習時間について調査をしたところ、ユーキャンやコエテコカレッジの公式HPでは、50~70時間と言われていました。
期間にすると約1~2か月ほどですね。
しかし中には、20時間で合格された方、100時間以上かけてじっくり学習した方など様々いらっしゃるようです。
短期間で効率よく合格できるに越したことはありませんが、学習時間が増えるに従って合格率が上がっていくといったデータもあるため、余裕をもって準備しておくとよさそうですね。
簿記検定3級試験対策のスケジュール
先ほど簿記検定3級合格のためには、50~70時間の学習時間が必要あると述べました
50~70時間を1ヶ月~2か月で確保するためには、1日2時間程度の学習を続ける必要がありそうですよね。
また、より短期間での学習を目指す場合は、1日5時間の学習を続けることで2週間での合格も可能でしょう。
それほど多くの学習時間が必要なわけではないため、ご自身の生活スタイルや目標等に合わせて一日の学習時間を決めていくのが良いかもしれません。
ただ、学習時間がそれほど多く必要ないとは言え、しっかりと対策を行わなければ合格することは出来ません。
そのため最初に学習をスタートさせる際に、明確な学習スケジュールを立て、それに沿って学習を進めていくことが合格に秘訣かもしれません。
簿記検定3級対策のおすすめ学習方法
簿記検定3級対策のおすすめ学習方法は、ずばり参考書などを用いた独学での学習です。
簿記検定3級は入門レベルであり、テキストや参考書も多く存在しますよね。
そのため独学でも十分に合格が狙えます。
独学で学習する際のポイントは以下の通りです。
- テキストや参考書を読み込む
- 問題演習を繰り返す
- 過去問を解いて本番形式の問題に慣れておく
いきなり問題演習に取り組んでも知識がなければ全く解けず、時間を無駄にしてしまいます。
そのためテキストや参考書を1冊(多くても2冊)を読み込み、合格に必要な知識をしっかりと理解しましょう。
その後、電卓などを使った問題演習に取り組みます。
最後に過去問を解いておくことで、本番形式の問題に慣れておきましょう。
過去問に積極的に取り組み、できるだけ多くの問題に触れておくことをおすすめします。
以上の流れを辿ることで合格に必要な力を身に着けられます。
テキストや参考書は、何冊も取り組むのではなく自分に合ったものを1冊、多くても2冊選びましょう。
何冊も手を付けてしまうと、結局どれも中途半端のまま終わってしまいます。
最初のページは何度も学習できたけれど、何冊も手を付けてしまったせいで最後の方のページは全くできなかった…といった経験をお持ちも方もいらっしゃいますよね。
そういったことにならないためにも、テキストは厳選して、そのテキストに最後まで取り組むことをおすすめします。
簿記検定2級の対策方法(勉強時間・スケジュール)
次に簿記検定2級の対策方法について紹介していきますね。
具体的には以下の3つの観点から説明していきますね。
- 必要な勉強時間
- 学習スケジュール
- おすすめ学習方法
簿記検定2級試験対策に必要な勉強時間
簿記検定2級の試験対策に必要な学習時間について調査をしたところ、キャリカレやユーキャンの公式HPでは、200~350時間と言われていました。
期間にすると、3か月~半年ほどですね。
中には、150時間ほどで合格される方や400時間以上かけて学習される方もいらっしゃいます。
簿記検定3級と比べると4倍以上の学習時間が必要なことから3級よりも難易度がぐっと上がった試験であることは間違いなさそうですね。
また、独学では250~350時間、通信・通学講座受講では150~250時間ともいわれています。
独学ではさらなる学習時間が必要ですね。
なお、簿記検定3級保持者(もしくは3級相応の知識が身に付いている方)に必要な学習時間が上記の200~350時間と言われています。
そのため、簿記初心者が簿記検定2級に挑戦する場合、350~500時間ほどの学習時間が必要です。
初学者の方はより一層余裕をもって試験対策をすることをおすすめします。
簿記検定2級試験対策のスケジュール
簿記検定2級の試験対策に必要な学習時間は、200~350時間であると先ほど紹介しました。
例えば、3か月で200時間の学習時間を確保するには1日2時間学習しなければなりませんし、3か月で350時間では1日約4時間学習しなければなりませんよね。
通信講座・通学講座を受講すると少ない方で150時間の学習で合格可能ともいわれていますが、それでも1日1.5~2時間の学習を3か月程度続けなければなりません。
そのため1日2時間程度の学習時間であれば、試験の3か月前には対策を始めていなければなりません。
一方で、1日5~8時間の学習が可能な方であれば、1ヶ月や2か月前からの対策でも間に合いそうですよね。
ただ、簿記検定2級は3級よりも専門性が高くなり、応用力も試されます。
そのため学習をしているうちに想像以上の学習時間が必要になってしまい、試験に間に合わなかったといったケースも考えられますよね。
そのため、やはり余裕をもって試験の半年~3か月前から対策を進めていくのが良いかもしれません。
簿記検定2級対策のおすすめ学習方法
簿記検定2級対策のおすすめ学習方法は、
1.独学での学習
2.通信講座
3.通学講座
の3つです。
- 独学での学習
まず、参考書・教科書を中心とした独学での学習方法です。
簿記検定3級の時と同様、まずはテキストを読み込みましょう。
特に初学者の方で簿記検定2級に挑戦する方は、簿記検定3級の範囲である基礎的な知識も含まれている参考書やテキストがおすすめです。
一方で、簿記検定3級保持者など簿記検定の基礎知識を習得されている方は、簿記検定2級の試験範囲である「商業簿記」と「工業簿記」の両方が網羅されているテキストを選びましょう。
テキストを読み込んだ後、テキストに含まれている問題に挑戦してきます。
テキストに含まれている問題は比較的優しい問題が多いため、その問題をマスターした後、より難易度の高い問題集(過去問題集)に取り組むことをおススメします。
- 通信講座
次に自宅でテキストや講義映像を用いて学習をする通信講座です。
ユーキャンの簿記2級講座やキャリカレの簿記3級・2級資格取得講座などの講座が評判ですよね。
ユーキャンの簿記講座は、オリコン顧客満足度調査で2年連続第1位を獲得しています。
数ある簿記通信講座の中で第1位を取得するということは、かなり満足度の高い通信講座であると言えるでしょう。
ユーキャンの簿記2級講座では、質問サービスや専用スケジュール作成サービスなどサポート体制も充実しているため安心して学習を進められますね。
また、一つの講座で3級と2級の受講・受験が出来るキャリカレの簿記3級・2級資格取得講座は初学者の方におすすめの講座です。
キャリカレ公式HPの評価では、平均☆3.7を獲得しています。
特に「映像講義が分かりやすい」というレビューが多く見受けられました。
”専任講師の質問指導”や”不合格なら全額返金”といったサポート体制も充実しているので、安心して受講できそうですよね。
また短期間で効率よく3級、2級に合格したいという方にもぴったりですよね。
独学よりも費用はかさみますが、確実に合格したいという方や効率的に短期間で合格したいという方は通信講座も考えてみてくださいね。
- 通学講座
最後に、指定された校舎に決まった時間に通い、授業を対面で受けながら学習を進めていく通学講座です。
資格スクール大栄の簿記2級講座やTACの簿記2級講座が有名です。
資格スクール大栄は全体の受講満足度98%と高いことから、1つ1つの講座の満足度も高いことが伺えますね。
資格スクール大栄の簿記2級講座では、1対1の質問サポートなど個別のサポートプランが充実しており、一人での学習が不安な方にもおすすめです。
TACは、通信講座・通学講座を多数開講しており、特に会計やパソコン、経営などのビジネス関連の資格に特化しています。
そのためビジネス関連の資格でも知名度の高い簿記検定の通信講座もまた充実しています。
通学講座としては現在4コース開講されており、入学時期も11~12月、2~4月など複数設定されています。
そのためご自身の学習状況や目標に合わせて最適なコースを選択することが可能です。
通学講座は、自分が受講している講座が開講されている日時に校舎に行き、授業を受けます。
そのため、家事やお仕事で忙しい方は両立が難しいかもしれません。
しかし、簿記試験3級と2級を同時に対策できる講座や、簿記の基礎をもう一度ゆっくり確認しながら簿記検定2級合格を目指す講座など、様々な講座が開講されています。
ご自身の学習状況や目標に合わせた最適な講座が見つかりそうですよね。
簿記検定1級の対策方法(勉強時間・スケジュール)
次に簿記検定1級の対策方法について紹介していきますね。
具体的には以下の3つの観点から説明していきますね。
- 必要な勉強時間
- 学習スケジュール
- おすすめ学習方法
簿記検定1級試験対策に必要な勉強時間
簿記検定1級の試験対策に必要な学習時間は、帳をしたところ複数のブログで1200~2000時間と言われていました。
期間にすると1日平均5時間の学習を続けた場合、1年ほどですね。
ただ、中には500時間ほどの学習で合格してしまう方や2000時間学習を続けても合格できなかった方もいらっしゃいます。
もともと持っている簿記の知識などによって必要な学習時間は変わってきそうですね。
また、独学で学習する場合と通信・通学講座を受講する場合でも必要な学習時間は異なります。
独学で学習する場合は、最低1200時間ほどは必要だと言われています。
一方で、予備校等に通うことで500~600時間での合格を目指せるとも言われています。
簿記検定1級は、かなり難関資格であるため根気強く学習に取り組むことが重要であると言えそうですね。
簿記検定1級試験対策のスケジュール
先ほど、簿記検定1級試験対策として独学で学習する場合には最低1200時間、予備校等に通った場合には500~600時間の学習時間が必要だと紹介しました。
1年間で1200時間の学習時間を確保するためには、1日3~4時間学習する必要がありますよね。
1年間にお盆や年末年始など学習できない期間もあるため、余裕をもって1日5~6時間程度学習をするスケジュールを立てておくことをおススメします。
なお、予備校に通った場合には500~600時間とありますが、通信・通学講座の学習期間は半年~1年に設定されています。
そのため、1日2~5時間の学習時間を確保しなければなりませんね。
また、毎日2~5時間確保しても良いですが、お仕事やご自身の生活スタイルに合わせて、平日は少なめに1~3時間、休日は6~8時間といったように調節してみてくださいね。
いずれにせよ、短期間の合格では難しく、学習をコツコツと継続的に行う必要があります。
簿記検定1級対策のおすすめ学習方法
簿記検定1級対策のおすすめ学習方法は、
1.独学での学習
2.通信講座
3.通学講座
の3つです。
- 独学での学習
1つめは、テキストや参考書を用いて自力で学習を進める独学での学習です。
簿記検定1級は、数ある資格試験の中でも難関資格と呼ばれており、学習時間も最低1200時間と長いですよね。
そのため効率的な学習を1年以上続けなければなりません。
しかし、簿記に関する知識があったり、簿記に関する学習が得意であったりなど自力で学習できる自信がある程度ある方は独学での取得も可能でしょう。
また、簿記検定1級の後に公認会計士や税理士などさらに高度な資格を目指す方は独学で学習しても良いかもしれません。
公認会計士や税理士試験は、簿記検定1級よりもさらに難関であり、応用力もさらに求められます。
そのため「合格までの最短ルート」を自動的に学べる通信・通学講座を用いて簿記1級に合格するのではなく、簿記試験の段階から自分で効率の良い学習方法についても考えながら行うことで、その後の試験でもその経験が活かされます。
独学での学習は難しいですが、不可能ではないため自分に合ったテキストや学習スケジュールなどを確立して合格を目指しましょう。
- 通信講座
次は、通信講座を用いた学習方法です。
クレアールの簿記1級講座やスタディングの簿記1級講座などが有名です。
クレアールの公式HPには、クレアールの簿記1級講座で学習を進め簿記1級に合格できたという方が複数いらっしゃいました。
担任が合格までサポートしてくれる「担任制」を導入しているため、疑問点を解消するだけでなく、学習を進めていく中で生じる不安も解消できそうですね。
スタディングの簿記1級講座は、受講費用が66,600円と安いことで有名です。
簿記検定1級の通信講座の平均価格が、約140,000円であることを考えると費用がかなり抑えられますよね。
また合格に必要なポイントに絞ったテキストを用いて、効率的に学習できるのが魅力です。
スタディングの簿記1級講座のテキストはWebテキストを導入しており、隙間時間にも確認できるのが魅力的ですよね。
独学よりも費用はかさみますが、主に自宅で受講するスタイルのためお仕事や家事との両立も比較的しやすいです。
また、特にクレアールは、「1級講座パック」や「1級ストレートフルパック」など簿記検定1級に関する講座が数多くあるため、ご自身の状況や生活スタイルに合わせて、また予算に合わせて最も自分に合った講座を選ぶこともできます。
- 通学講座
最後に校舎に通い、授業を受ける通学講座です。
資格の大原の1級合格コースや資格スクール大栄の簿記1級講座などが評判ですよね。
資格の大原のHPには、資格の大原の受講生で2022年度(第161・162・163回)の簿記検定1級に合格された方は、158名であると記載されていました。
221名という数値の中には、公開模試のみ受験された方や教材のみ購入された方は含まれていません。
そのため、通信講座や通学講座を活用された方のみの数値となっています。
また、資格スクール大栄は、簿記2級の通信講座の際にも紹介した通り、全体の受講満足度98%と高いです。
資格スクール大栄の簿記1級講座でも簿記2級講座と同様、1対1の質問サポートなど個別のサポートプランが充実しているため、一人で学習することの多い通信講座でも不安を解消しながら学習できそうですね。
通学講座では決められた時間に指定の場所に継続的に通わなければならないため、融通が利かず、お仕事や家事との両立は少し難しいといったことが欠点です。
しかし、実際に対面で授業を受けることで、長期間の学習期間でも中だるみせず学習を続けられそうですよね。
また、同じ簿記1級を目指している受講者同士で情報を共有したり、励ましあったりすることでモチベーションアップにもつながりそうですね。
簿記検定対策のおすすめ参考書・テキスト
ここからは簿記検定3級、2級、1級ごとにおすすめの参考書・テキストを紹介していきますね。
簿記検定3級対策のおすすめ参考書・テキスト
簿記検定3級の参考書・テキストを選ぶポイントは以下の通りです。
・初学者でも分かりやすいような工夫がされているか
・教科書タイプor問題集タイプか
初学者でも分かりやすいように図やイラストが多いなどの工夫がされているかどうかは選ぶ際のポイントの一つです。
また参考書やテキストには教科書タイプと問題集タイプ、その両方の機能があるタイプがあります。
教科書タイプと問題集タイプを一冊ずつ買うか、両方の機能のあるテキストを一冊ずつ買うことがおすすめです。
- はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!
①漫画での解説
②難解な表現を用いず簡潔に説明
「はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!」は、簿記を始めて学習する方にピッタリの参考書です。
漫画で解説されているため、理解しやすいうえに楽しく学習を進められます。
また難解な表現を用いずに簡潔に説明されている点も初学者の方には嬉しい工夫ですよね。
「はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!」は教科書タイプであるため、一通り学習して必要な知識を大まかに捉えた後、問題集タイプのテキストで問題演習に取り組みましょう。
- みんなが欲しかった 簿記の教科書 3級
①よくある疑問を解消してくれる
②教科書タイプで、演習の際にも役立つ
「みんなが欲しかった 簿記の教科書」は、学習者の「なぜ」「どうして」を解消しようという言葉通り、初学者の方が抱きやすい疑問を丁寧に解説してくれます。
独学で学習しているとどうしても分かりにくいポイントが出てきますよね。
「みんなが欲しかった 簿記の教科書」では、その分かりにくいポイントの多くが解説されており、非常に役立つ参考書だと評判です。
こちらも教科書タイプのテキストのため、一通り学習した後に問題演習に取り組むことをおすすめします。
問題演習で疑問点が出てきた場合にも、その疑問点を解消するために役立つでしょう。
- まんがでわかる簿記のツボ 日商簿記3級
①見開き半ページが漫画であるページが多い
②活字が大きく、太く印字されている
③教科書+問題集タイプ
「まんがでわかる簿記のツボ 日商簿記3級」は、見開き半ページが漫画であるページも多く、名前の通りまんがを用いながら学習を進めていきます。
活字も大きく、太く印字されているため、そもそも学習に苦手意識があるといった方や活字を読むのが嫌いであるといった方でも取り組みやすい内容になっています。
わかる・できる・とけるの3ステップで学習を進められるため、初学者でも効率的に必要な知識を身に着けられそうですね。
「まんがでわかる簿記のツボ 日商簿記3級」は、教科書+問題集タイプのため一冊で完結できます。
教科書のページで必要な知識を理解してから、問題集のページで問題演習をしていきましょう。
- スッキリうかる 日商簿記 3級 本試験予想問題集 2024年度版
①過去問6回分+予想問題3回+難関対策と豊富な問題数
②答案用紙ダウンロードサービスを行っている
最後は問題集タイプのテキストを紹介します。
「スッキリうかる 日商簿記 3級 本試験予想問題集 2024年度版」はその名の通り、過去問題集と予想問題集が含まれています。
過去問6回分+予想問題3回+難関対策が収録されており、1周するだけでも十分に問題演習ができそうですよね。
また答案用紙ダウンロードサービスも行っているため、時間に余裕のある方は2.3周することで知識の定着を図りましょう。
簿記検定2級対策のおすすめ参考書・テキスト
簿記検定2級の参考書・テキストを選ぶポイントは以下の通りです。
・改訂版かどうか
・「商業簿記」テキストなのか「工業簿記」テキストなのか
・人気シリーズや同じ出版社で揃える
テキストの内容は検定に合わせて年々変更されているため、テキストや参考書を購入する際には、改訂版であるかどうかを確認しながら購入してくださいね。
簿記検定2級の出題範囲は「商業簿記」と「工業簿記」です。
そのためそれぞれについて解説されているテキストを1冊ずつそろえる必要があり、どのテキストがどちらの分野に対応しているのかをきちんと確認してから購入することをおすすめします。
また、同じシリーズや同じ出版社で揃えることで、内容が重複することなくスムーズに学習を進められますよね。
そのため、自分に合ったテキストを見つけたらそのシリーズや出版社で何冊か揃えることをおすすめします。
- みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記 第8版
- みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第10版
①フルカラーで見やすい
②仕訳集がついてくる
簿記検定3級のおすすめ参考書・テキストでも紹介した「みんなが欲しかった簿記の教科書」シリーズです。
テキストがフルカラーで見やすく、図やイラストが多く含まれているため理解しやすい内容となっています。
仕訳集も別冊になっており、復習もしっかり行えるため一石二鳥のテキストですよね。
また改定が重ねられているため、その点についても安心ですね。
- よくわかる簿記シリーズ
①基本的な知識から実用的な内容まで網羅
②過去~最新までの試験問題を収録
次は、「よくわかる簿記シリーズ」です。
「合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記」や「合格するための過去問題集 日商簿記2級」などがあります。
「よくわかる簿記シリーズ」は、愛用者が多く簿記検定の参考書・テキストの中でも特に知名度の高い参考書の一つですよね。
テキストでは基本的な知識から実用的な内容まで網羅されており、それぞれ詳しく解説されています。
過去問題集では、過去~最新までの試験問題を網羅している問題集となっており、まさに合格するためには欠かせない問題集となっています。
常に最新の試験に合わせて改編が行われているため、安心して取り組めそうですね。
- 日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版
①解き方を解説してくれる
「日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版」では、問題の解き方を段階的に解説してくれています。
問題がなかなか解けない方や解き方が分からない方におすすめです。
独学だと解き方が分からないと、そこでつまずいてしまい学習が進まない可能性もありますよね。
そんな不安を解消してくれる一冊です。
簿記検定1級対策のおすすめ参考書・テキスト
簿記検定1級の参考書・テキストを選ぶポイントは以下の通りです。
・自分が理解しやすい、学習しやすいか
・最新版かどうか
簿記検定1級のテキストを選ぶ際には、自分が学習しやすいかどうかを重視しましょう。
特に解説の部分は一度目を通して自分が理解できる言葉で解説されているかどうかといったことをチェックしてみることをおすすめします。
そのため、できれば購入時にはいくつかのテキストを手に取って一番わかりやすいものを選びましょう。
また簿記検定2級のポイントと同様、最新版であるかどうかも重要ですよね。
- スッキリわかる日商簿記1級 シリーズ
①全8冊で、簿記検定1級の範囲を網羅
②問題集も含まれている
「スッキリわかる日商簿記1級 シリーズ」には、「スッキリわかる日商簿記1級 商業簿記 会計学Ⅰ 損益会計編 第10版」や「スッキリわかる日商簿記1級 商業簿記 会計学Ⅱ 資産・負債・純資産編 第10版」などがあります。
全8冊で、簿記検定1級の範囲を網羅できるようになっています。
テキストだけでなく問題集も付いているため、インプットした知識をすぐにアウトプットし、知識の定着を図れそうですよね。
- 合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ
①同じシリーズの問題集がある
②TAC簿記検定日商簿記1級講座の公式教材としても用いられる
「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」は、「よくわかる簿記シリーズ合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学Ⅰ」や「よくわかる簿記シリーズ合格テキスト 日商簿記1級 工業簿記・原価計算Ⅰ」等の全6巻があります。
また、同じシリーズの問題集を併用することで、知識の定着を図ることもできますよね。
実は「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」は、TAC簿記検定日商簿記1級講座の公式教材です。
TACの通信講座でも使用されているテキストだということは信頼性はかなり高いと言えますね。
簿記検定対策のおすすめ参考書・テキストまとめ
最後に簿記検定対策のおすすめの参考書・テキストを以下の表にまとめてみました。
テキスト | |
簿記検定3級 | ・はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!
・みんなが欲しかった 簿記の教科書 ・まんがでわかる簿記のツボ 日商簿記3級 ・スッキリうかる 日商簿記 3級 本試験予想問題集 2024年度版 |
簿記検定2級 | ・みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記 第8版
・みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第10版 ・よくわかる簿記シリーズ ・日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版 |
簿記検定1級 | ・スッキリわかる日商簿記1級 シリーズ
・合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ |
このように簿記検定3級、2級、1級ではそれぞれおすすめの参考書・テキストが異なります。
ただ、人気で知名度のある参考書やテキストはどの級でも内容が充実しており、分かりやすいと評判です。
例えば、「みんなが欲しかった 簿記の教科書」は簿記3級と2級のおすすめテキストとして紹介しました。
「みんなが欲しかった 簿記の教科書」は、学習者が疑問を持ちやすいポイントを解説してくれているため、他の参考書では解消されなかった疑問点を解消できそうですよね。
また、「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」はTACの通信講座用のテキストとしても使用されています。
そのため信頼性が高く、「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」で学習すれば、合格に必要な知識を身につけられそうですね。
今回紹介したポイントを踏まえながらご自身に最も合ったテキストを選んでみてくださいね。
簿記検定対策の過去問の活用方法
簿記検定対策において過去問の活用は不可欠です。
そのためここからは、過去問の入手方法と活用方法について紹介していきます。
※簿記検定3級、2級、1級の間で入手方法や活用方法にそれほど大きな違いは見られなかったため今回はまとめてお伝えしていきますね。
簿記検定(3級、2級、1級)の過去問の入手方法
過去問題は、インターネット上の複数のサイトに載っています。
例えば、東京リーガリマインドのHPには3級、2級、1級の解答解説(冊子+解説動画)が掲載されていますよね。
2024年4月現在、第157回~第145回までが公開されています。
また日本商工会議所・各地商工会議所のHPには簿記検定3級と2級のサンプル問題が掲載されていたり、第159回の簿記検定1級の問題が公開されていたりしました。
このようにインターネットに多数の過去問題が掲載されているため、それらを活用していきましょう。
また「スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集 2020年度」のように何年分かの過去問題が収録された問題集もあります。
過去問題集を1冊購入し、問題集を繰り返し学習するといった方法もありますよ。
簿記検定(3級、2級、1級)の過去問の活用方法
過去問題集は、問題演習として取り組みます。
そのため、教科書タイプの参考書やテキストで必要な知識をインプットした後に用いることをおすすめします。
また過去問題集は、本番レベルの問題を扱っているため、過去問に取り組む前にもう少し簡単な問題が収録されている問題集に取り組むのも良いかもしれません。
いずれにせよ、本番前に2.3年分は最低限解いておくことをおすすめします。
簿記検定対策を独学で行うメリット2選
簿記検定対策を独学で行うメリットを2つ紹介します。
・費用が通信・通学に比べ安い
・自分のペースで取り組める
費用が通信・通学に比べ安い
独学でかかる費用は、主にテキスト・参考書代のみですよね。
そのため通信・通学講座に比べて独学での学習の方が費用がかからないことが多いです。
簿記試験1級ともなれば、最低4~6冊ほどのテキストが必要にはなりますが、簿記検定3級であれば一冊のテキストでも合格は可能です。
そのためテキストが1冊1,500~3,000円ほどだとすると、以下の通りになりそうですよね。
独学 | 通信・通学講座 | |
3級 | 1,500円~9,000円程度(1~3冊) | 4,000円~15,000円程度 |
2級 | 5,000円~18,000円程度(3~6冊) | 18,000円~37,000円程度 |
1級 | 7,000円~30,000円程度(5~10冊) | 65,000円~200,000円程度 |
以上のことから、どの級においても通信・通学講座よりも独学の方が費用が安いことが分かりますよね。
なるべく安くすませたいという方には独学がおすすめです。
自分のペースで取り組める
通信・通学講座は、決まられた期間内に決められた範囲の学習を進めなければならないため、自分のペースで学習をすることが難しい傾向にありますよね。
簿記検定を受験される方は、大学生や社会人など学業やお仕事で忙しく、簿記検定だけに集中して取り組めない状況にいる方も多いですよね。
そのため、通信・通学講座の受講と学業や仕事の両立は難しいかもしれません。
しかし独学では、主にテキストなどを用いて仕事の合間や休日などの空き時間を有効活用しながら自分のペースで学習を進められます。
そのため学業や仕事、家事と両立しながら学習していきたいという方には独学がよいかもしれません。
簿記検定対策を独学で行うデメリット2選
簿記検定対策を独学で行うデメリットを2つ紹介します。
・モチベーションの維持が大変
・実用的な知識を身に着けることが難しい
モチベーションの維持が大変
簿記検定3級であれば、2週間~1ヶ月と短期間の学習で合格を目指せるためモチベーションを維持することは比較的簡単かもしれません。
しかし、簿記検定1級ともなると難易度も高く、学習時間も独学だと最低1年ほどとかなり長いです。
そのため1年間モチベーションを維持し続けることは難しいですよね。
通信・通学講座であれば、講師の方や同じ検定を受験予定の受講生と切磋琢磨できる環境があるため、モチベーションを維持できそうです。
そのため、モチベーションを自力で維持することが難しいという方は、通信・通学講座を検討してみても良いかもしれませんね。
実用的な知識を身に着けることが難しい
簿記試験対策となると合格のために知識の暗記に必死になってしますよね。
そのため合格は出来るかもしれないが、その後のビジネス場面で活用できる知識とならない可能性があります。
試験対策となると、合格するためにとにかく知識の暗記をしていまい、結局実践的な力は身につかなかったという状況に陥ってしまいがちですよね。
簿記検定の内容は、ビジネスでも活用できるものですが、独学で学習していると試験のための勉強になり勝ちのため実用的な知識を身に着けることが難しいです。
せっかく合格できても、実際のビジネス場面で知識を活用できないとなんだか残念な気分になってしまいますよね。
通信・通学講座では、長年の経験を持つ講師陣が、ただ知識を身に着けるだけでなく実用的なスキルを身に着けられるよう講義をしてくださいますよね。
そのため、試験のための勉強で終わらせたくないという方には通信・通学講座がおすすめです。
簿記検定対策を独学で行うメリットとデメリットのまとめ
簿記検定対策を独学で行うメリットとデメリットを以下の表にまとめてみました。
メリット | デメリット |
・費用が通信・通学に比べ安い
・自分のペースで取り組める |
・モチベーションの維持が大変
・実用的な知識を身に着けることが難しい |
簿記試験対策を独学で行うことで、費用を大幅に抑えられるというメリットがありましたよね。
また自分のペースで学習を進められるため、学業やお仕事、家事などとの両立も可能です。
一方で、モチベーションを維持することが大変だったり、実用的な知識を身に着けることが難しかったりといったデメリットも存在します。
受験する級やご自身の状況(生活スタイルや学習にかけられる費用)によって最適な学習方法は変わってきます。
そのため受験する級や現状を考慮しながら、自分に一番合った学習方法を検討してみてくださいね。
簿記検定の概要
次に簿記検定の概要について紹介してきます。
今回は、簿記試験の中でもっとも有名な日商簿記検定試験についてまとめていきます。
具体的には以下の項目についてお伝えしていきますね。
・簿記検定の試験日程
・簿記検定の試験範囲
・簿記検定の試験時間
・簿記検定の試験時間
・簿記検定の受験料
・簿記検定の受験資格
・簿記検定の申し込み方法
・簿記検定の合格率、難易度
簿記検定の試験日程
2024年度の試験日程が公開されていたため紹介しますね。
※東京都23区内及び横浜市内での試験日程です。
それ以外の地域での受験を検討されている方は最寄の商工会議所まで直接問い合わせてみてくださいね。
試験 | 日程 |
第167回日商簿記検定試験1~3級 | 2024年6月9日(日) |
第168回日商簿記検定試験1~3級 | 2024年11月17日(日) |
第169回日商簿記検定試験2~3級 | 2025年2月23日(日) |
日商簿記検定試験の統一試験(筆記試験)は、2級・3級は6月、11月、2月の毎年3回、1級は6月と11月の毎年2回行われています。
なお、日商簿記検定試験の2級と3級には、団体受験及びネット試験がありますよね。
団体試験の実施日は、各商工会議所が企業や学校と調節し決定されます。
団体受験を考えている場合は、自分が所属している企業や学校で公開される情報をこまめに確認しておきましょう。
ネット試験の実施日は、各ネット試験会場が決定します。
ネット試験を受験希望の方は、自宅や職場から近い試験会場を見つけ、そちらのHPを確認することをおすすめします。
年に数回行われていることから、自分が学習を始めた時期に合わせて柔軟に試験日程を選択できそうですよね。
簿記検定の試験範囲
日商簿記検定試験の試験範囲は以下の通りです。
級 | 試験科目 |
3級 | 商業簿記 |
2級 | 商業簿記・工業簿記 |
1級 | 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算 |
3級から1級になるに従って、出題範囲が増えていますよね。
特に1級は、出題項目は4つとかなり広く、長時間の学習時間が必要なことも頷けますよね。
内容も級が上がるに従ってより専門的なものとなっていきます。
簿記検定の試験時間
日商簿記検定試験の試験時間は以下の通りです。
級 | 試験時間 |
3級 | 2時間 |
2級 | 2時間 |
1級 | 3時間(1時間半+1時間半) |
1級の試験時間は、3時間と記載されていますが、実際の試験は1時間半の試験が2回行われます(異なる内容の試験)。
途中で15分の休憩時間もあるため、少し安心ですね。
なお、原則遅刻は厳禁です。
1分でも遅刻すると受験できない可能性も考えられるため、受験票に記載されている試験開始時間に遅れないようにしましょう。
簿記検定の受験料
日商簿記検定試験の受験料を以下の表にまとめてみました。
※受験料はすべて税込みです。
級 | 受験料(税込) |
3級 | 3,300円 |
2級 | 5,500円 |
1級 | 8,800円 |
上記の受験料の他に事務手数料として550円(税込)が必要です。
受験級ごとに事務手数料が必要なため、もし2級と1級を受けるという方は1100円(税込)を支払わなければなりません。
簿記検定の受験資格
簿記検定の受験資格は、特にありません。
2級や1級から受験することや複数の級の併願受験も可能です。
例えば、2級と3級を併願する、1級と2級を併願すると言ったことも可能です。
簿記検定の申し込み方法(3級、2級、1級)
日商簿記検定試験の申し込み(統一試験)は、2021年度からインターネット受付のみとなりました。
そのため電話や窓口での申し込みはできません。
インターネット申し込みの流れは以下の通りです。
①インターネットで受験の申し込み登録をする
②申込書(払い込み票)が届いたら、普通郵便で発送する
③受験料と事務手数料を支払う
④受験票が届く
第166回日商簿記検定試験(統一試験)の申込スケジュールを以下の表にまとめてみました。
日程 | |
申し込み登録期間 | 2024年1月11日(木)~2024年1月16日(火) |
受験票発送日 | 2024年2月7日(水)頃 |
おおよそ試験の一か月半前に、申し込み登録機関が開始されるため試験の2か月くらい前からこまめにサイトを確認するようにしましょう。
また団体試験は各企業や学校で開催されますし、ネット試験は各地の商工会議所でそれぞれ開催されますよね。
受験の申込期間や申し込み場所は、各地の商工会議所、試験施行機関によって異なります。
そのため、ご自身が受験したい日程に合わせて各企業や学校、商工会議所に問い合わせてみることをおすすめします。
※例えばネット試験は随時行われているため、今から3か月後の試験を受けたいと考えた場合、近くの商工会議所などに問い合わせてみることで、ご自身の希望に近い日程を案内してもらえる可能性がありますよね。
簿記検定の合格率、難易度
まずは日商簿記検定試験の合格基準を以下の表にまとめてみました。
級 | 合格基準 |
3級 | 70%以上 |
2級 | 70%以上 |
1級 | 70%以上(1科目ごとの点数は40%以上) |
簿記検定合格基準は、3級~1級すべて70%以上です。
つまり、7割以上正答していなければなりません。
また、簿記検定1級では全体で70%以上であるだけでなく、1科目ごとのの点数が40%以上でなくてはなりません。
そのため学習範囲を絞ることはできず、すべての科目をまんべんなく学習する必要がありますよね。
次に、2020年度の受験者、合格者、合格率を以下の表にまとめてみました。
※受験者数は、実際に試験を受けた方の人数を記載しています。
※2020年度合計というのは、2020年度に行われた試験2回分を合計した数値となっていますのでご了承ください。
【簿記検定3級】の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第167回(2024年度) | 20,927名 | 8,520名 | 40.7% |
第166回(2024年度) | 23,977名 | 8,706名 | 36.3% |
第165回(2023年度) | 25,727名 | 8,653名 | 33.6% |
第164回(2023年度) | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
第163回(2022年度) | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
第162回(2022年度) | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
第161回(2022年度) | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
第160回(2021年度) | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
第159回(2021年度) | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
第158回(2021年度) | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
簿記検定3級の合格率は、40%~50%と言われています。
2021年度(第158回・第159回)は少し合格率が低めですが、2020年度は6割と比較的高い合格率ですね。
年度や実施階によって合格率は少し変動しますが、おおよそ4割~6割ほどであると言えるでしょう。
受験者数も2級や1級と比べると多く、初学者の方でも挑戦しやすい難易度となっています。
【簿記検定2級】の合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
第167回(2024年度) | 6,310名 | 1,442名 | 22.9% |
第166回(2024年度) | 8,728名 | 1,356名 | 15.5% |
第165回(2023年度) | 9,511名 | 1,133名 | 11.9% |
第164回(2023年度) | 8,454名 | 1,788名 | 21.1% |
第163回(2022年度) | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
第162回(2022年度) | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
第161回(2022年度) | 13,118名 | 3,524名 | 26.9% |
第160回(2021年度) | 17,448名 | 3,057名 | 17.5% |
第159回(2021年度) | 22,626名 | 6,932名 | 30.6% |
第158回(2021年度) | 22,711名 | 5,440名 | 24.0% |
簿記検定2級の合格率は、20%~30%と言われています。
2021年度はおおむね例年通りの合格率であると言えそうですね。
2020年度は合格率は少し低いです。
簿記検定2級も年度や実施階によって変動し、大きな変動も時折あるようですね。
そのため万全の対策を行ったうえで試験に臨み、確実な合格を目指しましょう。
合格率や受験者数は、簿記検定3級と比べると減少傾向にあるため、簿記検定3級よりも難易度の高い試験であると言えそうですね。
【簿記検定1級】の合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
第164回(2023年度) | 9,295名 | 1,164名 | 12.5% |
第162回(2022年度) | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
第161回(2022年度) | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
第159回(2021年度) | 9,194名 | 935名 | 10.2% |
第158回(2021年度) | 7,594名 | 746名 | 9.8% |
簿記検定1級の合格率は10%前後と言われています。
2020年度や2021年度は例年通りであると言えそうですね。
簿記検定1級は、出題範囲も広く合格率も低いことから難易度の高い試験です。
受験者も簿記検定3級や2級と比べるとかなり少なくなり、挑戦する方も限られてきそうですね。
簿記検定のネット試験とは
日商簿記検定は3級と2級のみネット試験を実施しています。
ネット試験では、指定された会場に行きパソコンで試験を受験できます。
ここからは日商簿記試験のネット試験の概要を紹介していきますね。
ネット試験を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
・簿記検定のネット試験の申し込み方法
・簿記検定のネット試験の試験日程
・簿記検定のネット試験の出題範囲・出題形式
簿記検定のネット試験の申し込み方法
簿記検定のネット試験の申し込み方法は、
・インターネット申込方式
・会場問い合わせ方式
の2つの方法があります。
インターネット申込方式は、申込専用ページから試験の申し込みを行います。
まずはマイページ(専用ページ)を作成した後、希望の試験日程や試験会場を選択していきましょう。
パソコンやスマートフォンから手軽に申し込めます。
決済は、クレジットカードやコンビニ・Pay-wasyに対応している点も便利ですよね。
会場問い合わせ方式は、受験を希望するネット試験会場に直接問い合わせる方法です。
会場によって申込方法は異なりますので、試験会場が決まっているようであれば早めに問い合わせてみましょう。
具体的な申込方法としては、窓口や電話、インターネット、郵送などがあります。
簿記検定のネット試験の試験日程
試験日程は、各試験会場によって異なります。
定期的に開催しているネット試験会場や、受験生の希望に応じて随時開催しているネット試験会場など様々ありますので、お近くのネット試験会場に問い合わせてみてくださいね。
※ちなみに、ネット試験会場は全国に140以上あります。
簿記検定のネット試験の出題範囲・出題形式
簿記検定のネット試験の出題範囲は、統一試験の出題範囲と同じです。
簿記検定のネット試験の出題形式は以下の通りです。
級 | 出題様式 |
3級 | CBT多岐選択式+記述式3問以内 |
2級 | CBT多岐選択式+記述式5問以内 |
選択式の問題と記述式の問題があるため、ただ知識を身に着けるだけでなく記述できるほどの理解が必要になってきますね。
簿記検定の独学に関するよくある質問
最後に簿記検定の独学に関するよくある質問をまとめてみました。
・TACが出版している簿記試験対策の本(テキスト)はある?
・簿記検定3級ネット試験の日程は?
・簿記検定3級の勉強時間は?
・簿記検定対策、独学のおすすめの本は?
・簿記検定3級の問題はどんなもの?
TACが出版している簿記試験対策の本(テキスト)はある?
あります。
TACは簿記検定の講座を複数開講しており、テキストも分かりやすいと評判ですよね。
通信講座だけでなく、市販の簿記試験対策テキストも多く出版しています。
今回もTACの簿記検定対策テキストを多く紹介していますが、その中でも特におすすめの参考書・テキストは「みんなが欲しかった 簿記の教科書」です。
今回は簿記検定3級、2級のおすすめテキストとして「みんなが欲しかった簿記の教科書」を紹介しました。
教科書タイプのテキストで、学習が抱きやすいよくある疑問を解決してくれると評判ですよね。
学習の最初の段階で、一通り読んで試験に必要な知識を身に着けるようとしても役に立ちますが、問題演習をしている際にも疑問点を解消するといった方法でも活用できます。
学習の最初から最後まで活用できるテキストはとても便利で使いやすいですよね。
簿記検定3級ネット試験の日程は?
簿記検定3級のネット試験の日程は、試験会場によって異なります。
定期的に開催している会場もあれば、不定期で開催している会場もあるため、お近くのネット試験会場に問い合わせてみてくださいね。
簿記検定3級の勉強時間は?
簿記検定3級の勉強時間は、50~70時間と言われています。
期間としては、1ヶ月~2か月ほどでしょう。
短期間の場合は、1日5時間ほど学習をし、2週間で合格を目指すこともできます。
ただ、学習時間は目安でしかありません。
70時間学習したからと言って必ずしも合格できるわけではありませんよね。
そのためご自分に合った学習方法で必要な知識を身に着けて合格を目指しましょう。
簿記検定対策、独学のおすすめの本は?
簿記試験対策を独学で行う際のおすすめの参考書・テキストを今回紹介してきました。
簿記検定3級で特におすすめの1冊が「はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!」です。
簿記検定3級を受験する方の多くは、初学者の方が多いでしょう。
そんな方には「はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!」です。
難解な表現を用いず、簡単な表現を使って漫画で分かりやすく解説されており、初学者の方でも理解しやすいと評判ですよ。
簿記検定2級で特におすすめの1冊が「日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版」です。
「日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版」は、問題の解き方を丁寧に1から解説してくれています。
問題の解き方が分からず挫折してしまう経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
簿記検定2級は3級よりも難易度が上がり、応用力も試されます。
そのため問題の解き方を丁寧に解説される「日商簿記2級 みんなが欲しかったやさしすぎる解き方の本 第4版」を持っておけば問題演習にも安心して取り組めそうですよね。
簿記検定1級で特におすすめの1冊が「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」です。
「合格テキスト 日商簿記1級 シリーズ」は、TAC簿記検定講座の公式教材としても用いられています。
通信講座で用いられているため信頼性も高そうですよね。
同じシリーズの問題集もあるため、教科書タイプと問題集タイプをTACのシリーズで取り揃えてみるのもいいですね。
簿記検定3級の問題はどんなもの?
簿記検定3級の試験範囲は「商業簿記」です。
具体的には、商業簿記の仕訳問題や、勘定記入・帳簿記入、財務諸表・精算表の作成といったような問題が出題されます。
実際の問題を見てみたい方は、過去問題を一度ご覧になってみてくださいね。
まとめ:簿記検定は独学で合格できるのか?
簿記検定は独学で合格できます。
しかし受験する級によって難易度が異なり、3級から1級になるに従い難しくなっていきます。
そのため簿記検定3級は独学で十分対策可能であり、簿記検定2級は簿記検定3級よりも難しいが対策は可能、簿記検定1級は不可能ではないが難しいと言えるでしょう。
受験する級や、ご自身の状況によって最適な学習方法は異なります。
今回は、簿記検定3級・2級・1級の違いやそれぞれの勉強方法、難易度や試験の概要について紹介してきました。
ぜひこの記事を参考にして、自分に合った学習方法をみつけてみてくださいね。
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