【2024年最新】データベーススペシャリストは独学では無理?勉強方法や勉強時間、合格率や過去問を紹介

人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で星野源演じる「津崎平匡」が保有する資格としてデータベーススペシャリストが話題になったことがあります。

ドラマがきっかけで。データベーススペシャリストに興味が湧いた人もいたかもしれません。

ところが、データベーススペシャリストは取得が難しい資格。

実務で日々データベース管理に携わるエンジニアの人なら、資格の存在や難しさはご存じかと思います。

そんなデータベーススペシャリストですが、果たして独学でも合格は可能なのでしょうか。

本記事では、データベーススペシャリストの試験概要や勉強法、独学に役立つ参考書やWebサイトなどを紹介します。

独学でデータベーススペシャリストに挑戦したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

データベーススペシャリストとは?

独学で合格は可能なのか?

独学で勉強する方法とおすすめの参考書について

データベーススペシャリストを取得するとどんなメリットがあるのか

独学で挑むときに気になる疑問

※本記事の価格表示はすべて税込表示です。

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徳永浩光

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目次

独学でいきなり合格するのは無理なのか?

データベーススペシャリストは、IPA(情報処理推進機構)で制定している国家資格です。

IPAではデータベーススペシャリストの対象者像を以下の想定しています。

高度IT人材として確立した専門分野を持ち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

出典:IPA

つまり、データベーススペシャリストとは、データベース管理・運用などに関して高度な知識を持ち、専門家として中心的な役割を果たせる人物のことです。

資格がなくてもデータベース管理は行えますが、高度な知識を有することを国家資格として客観的に証明できるメリットがあります。

データベーススペシャリストに独学でいきなり合格するのは無理なのか?

データベーススペシャリスト試験は難関と言われますが、独学でいきなり合格するのは不可能ではありません。

ただし、受験前にIT知識がある程度必要だったり、独学で行うにも向き不向きがあるのも事実です。

また、独学にはメリットやデメリットも存在します。

データベーススペシャリストは独学可能?
  • 独学でも合格可能
  • 独学で取り組むのに向いている人
  • 独学で取り組む3つのメリット
  • 独学で取り組む3つのデメリット

それぞれ詳しくみていきましょう。

独学でも合格可能

データベーススペシャリスト試験は独学でも合格可能です。

理由としては以下の2つが挙げられます。

独学で合格可能な理由
  1. 過去問からの出題が多い(特に午前試験)
  2. 市販参考書が複数出版されている

難関と言われるデータベーススペシャリストですが、内容は特に午前試験は過去問からの出題が多く、基本的には過去問を繰り返す解く方法で対策可能です。

また、午後は専門的な長文問題が出題されますが、重点的に解説した市販参考書があります。

独学で取り組むのに向いている人

データベーススペシャリスト試験に独学で取り組むにも向き・不向きがあります。

具体的には以下の通りです。

独学に向いている人
  • 事前知識がある人
  • コツコツ勉強するのが好きな人
  • わからないことを調べて解決できる人

それぞれ詳しくみてみましょう。

事前知識がある人

データベーススペシャリストの独学は可能ですが、事前のIT知識や経験がない場合、市販参考書が難しく感じる可能性があります。

仕事でデータベースを取り扱った経験があったり、他の情報処理技術者試験にすでに合格していたりしていたほうが、参考書の理解スムーズで勉強に必要な時間も少なくても済むでしょう。

コツコツ勉強するのが好きな人

データベーススペシャリストに独学で取り組む場合、自分で時間をつくって勉強する必要があります。

元々、勉強する習慣があったり、コツコツ勉強するのが好きな人のほうが、独学には向いているでしょう。

勉強のモチベーションを維持しやすかったり、計画的に取り組めるからです。

わからないことを調べて解決できる人

データベーススペシャリストに独学で取り組む場合、わからないことがあっても誰かに質問できません。

身近にデータベースに詳しい人がいる場合は例外ですが、大抵の場合は自力で解決する必要があります。

わからないことを自分で調べて解決する習慣のある人・解決できる人が独学には向いているでしょう。

独学で取り組む3つのメリット

データベーススペシャリスト試験に独学で取り組むメリットは以下の3つが挙げられます。

独学で取り組むメリット
  1. 費用が抑えられる
  2. 自分のペースで勉強できる
  3. スケジュール管理能力が身につく

それぞれ、詳しくみていきましょう。

費用が抑えられる

独学で取り組むメリットの1つ目は、通信講座に比べて費用が抑えられることです。

具体的には以下のようになります。

独学 通信教育
費用 参考書代

約1万円前後

午前Ⅰ免除対象者:6〜7万円

通常受講:9万円前後

独学ではかかる費用は参考書代のみで、1冊あたり約3,000円×3冊としても約1万円で済みます。

一方の通信講座の場合、通常だと9万円前後。

午前Ⅰ免除対象者の場合、学習する内容が少なくなるので費用が安くなりますが、それでも6〜7万円程度必要です。

費用だけみると圧倒的に独学にメリットがあると言えます。

自分のペースで勉強できる

独学で取り組むメリットの2つ目は、自分のペースで勉強できることです。

通信講座はあらかじめ組まれたカリキュラムに沿って勉強しなくてはなりません。

そのため、例えばプライベートが急に忙しくなった場合、授業に追いつかなくなってしまう可能性があります。

その点、独学は勉強量の調節が自分で可能なので、プライベートの状況に合わせて調節しやすく、メリットと言えるでしょう。

スケジュール管理能力が身につく

独学で取り組むメリットの3つ目は、スケジュール管理能力が身につくことです。

高度で専門的な内容の試験対策を自分で一から計画を立てて、スケジュール管理するのは簡単なことではありません。

自分の得意・不得意や、学習進捗状況を客観的に見極める力が必要になります。

難しいことですが、達成できれば自ずとスケジュール管理能力が身につき、そのスキルは今後の人生で間違いなく役立つことでしょう。

独学で取り組む3つのデメリット

ここまでデータベーススペシャリスト試験に独学で取り組むメリットを紹介しましたが、一方でデメリットも存在することは事実。

具体的には以下の2つが挙げられます。

独学で取り組むデメリット
  1. わからないところを質問できない
  2. スケジュール管理が大変

わからないところを質問できない

独学で取り組むデメリットの1つ目は、わからないところを質問できないことです。

勉強を進めているうちに、「わからない」「疑問に思う」ところが出てくるでしょう。

通信講座の場合は、質問サービスなどを利用して講師に質問が可能です。

ところが、独学は質問する機会がないので、自分で解決する必要があります。

スケジュール管理やモチベーション維持が大変

独学で取り組むデメリットの2つ目は、スケジュール管理やモチベーション維持が大変なことです。

通信講座の場合は、独自に組まれたカリキュラムに沿って勉強に取り組めば、効率的に進められるのでスケジュール管理の心配はありません。

また、目の前の課題をこなさなければならないため、モチベーションが維持できます。

ところが、独学の場合はすべて自己管理で行わなければなりません。

通信教育の利用を検討する

自己管理が大変だと感じる人は、通信教育の利用もおすすめです。

通信講座はTACで開催され、講座の形式は大きくWebとDVDの2種類。

また、受講生の事前知識に応じて午後試験だけに特化した「上級コース」も開講されています。

個人のスタイルやレベルに応じてコースを選択するとよいでしょう。

データベーススペシャリストの勉強方法

データベーススペシャリストの試験に独学で取り組む際の勉強方法について紹介します。

ポイントは以下の通りです。

独学のポイント
  • 勉強時間の目安は?
  • 勉強のおおまかな流れ
  • 午前試験と午後試験の対策方法
  • 過去問の活用方法

それでは、詳しくみていきましょう。

勉強時間の目安は?

データベーススペシャリストの合格に必要な勉強時間の目安は、事前に持っているIT知識によってかなりばらつきがあります。

そのため、試験実施団体であるIPAのホームページ等にも目安となる勉強時間は記載されていません。

そこで、当サイトで独自に、データベーススペシャリストに合格した人のホームページ等から情報を収集したところ、合格に必要な時間は50〜150時間程度ということがわかりました。

難関試験としては、勉強時間が少ない印象を持つ人もいるでしょう。

これは勉強時間の目安が、IT知識はある程度もっていることが前提になっているためです。

IT知識の具体例として「会社でデータベース管理の実務を担当」「応用情報技術者試験やシステムアーキテクトなどをすでに取得」などが挙げられます。

データベーススペシャリストは高度な知識・技能が問われる試験のため、IT知識ゼロから独学で取り組むことケースはほとんどありません。

勉強のおおまかな流れ〜インプットとアウトプット

ここでは、データベーススペシャリスト試験に独学で取り組む場合の勉強のおおまかな流れを紹介。

勉強は大きくわけて以下の2つに分類できます。

  • 参考書で基礎的な知識を固めるインプット
  • 過去問や予想問題を繰り返し解くアウトプット

インプット→アウトプットが基本的な流れですが、午前・午後試験で出題傾向が異なるのでかけるべき時間の割合が異なります。

具体的には以下のような考え方です。

  • 午前試験対策→アウトプット中心
  • 午後試験対策→インプットに時間をかける

午前試験は過去問からの出題が多くなっています。

また、データベースに関する高度な知識よりもIT全般の知識を幅広く問う傾向も。

そのため、午前試験対策は参考書でのインプットに時間をかけるよりも、過去問演習のアウトプットに時間をかけた方がよいでしょう。

一方、午後問題は長文問題で具体的な事例に回答しなければなりません。

過去問がそのまま出題されることは少なく、応用力が必要とされます。

そのため、午後試験対策はインプットに時間をかけ、基礎〜応用まで丁寧に理解してから、問題演習などで出題形式に慣れていったほうがよいでしょう。

具体的な出題傾向と対策方法は次章で紹介します。

午前試験と午後試験の対策方法

データベーススペシャリストの試験は、午前試験Ⅰ・Ⅱ、午後試験Ⅰ・Ⅱの4つに分かれ、それぞれ出題傾向や形式が異なるので、独自に対策する必要があります。

傾向と対策
  • 午前試験Ⅰ
  • 午前試験Ⅱ
  • 午後試験Ⅰ
  • 午後試験Ⅱ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

午前試験Ⅰ

午前試験Ⅰは全30問出題され、4択式のマークシートです。

内容は応用情報技術者試験から抜粋されたものが出題されます。

対策としては、過去問から繰り返し出題されることが多いので、基礎部分を理解したら過去問(少なくとも5年分)を繰り返し解くのが得点アップの早道です。

応用情報技術者試験にすでに合格している人ならそれほど時間をかけなくてもよいでしょう。

また、条件を満たすと午前試験Ⅰは免除されます(免除条件は前述)。

午前試験Ⅱ

午前試験Ⅱは全25問出題され、4択式のマークシートで回答します。

内容はデータベース系の出題が7割にのぼります。

そのため対策はデータベース系を中心に行うと良いでしょう。

午前問題Ⅱも過去問からの出題が多いので過去問の演習を中心に進めると効率的です。

午後試験Ⅰ

午後試験Ⅰは記述式です。

出題される問題は事例問題で、以下の3つのテーマから2つ選択して解答します。

【午後試験Ⅰ・選択問題】

  1. データベース基礎理論
  2. データベース設計
  3. データベース運用、SQL、物理設計、パフォーマンスチューニングなど

内容はエンジニアが実際に遭遇するトラブルを想定して回答するものです。

トラブル内容が長文で記載されているため、読解力を養っておく必要があります。

問題形式に慣れるために過去問で繰り返し演習する必要もありますが、午前と異なり過去問が全く同じ形で出題されることは少ないので、参考書などで基礎をしっかりと理解しておきましょう。

午後試験Ⅱ

午後試験Ⅱも記述式です。

出題される問題は午後試験Ⅰと同様に事例問題で、以下のような2つのテーマのうち1つを選択して回答します。

【午後試験Ⅱ・選択問題】

  1. データベースの物理設計
  2. データベースの概念設計

午後試験Ⅰと比べるとより内容がより膨大になっているのが特徴で、問題文は10〜12ページ、資料の画面は合計10程度というボリュームです。

詳細で難しいトラブル内容を的確に分析して回答する必要があります。

午後試験Ⅰと同様に読解力を養っておくことはもちろんですが、問題自体の難易度が高いので、データベースの基礎を参考書で身につけながら、時間をかけて過去問や予想問題などで繰り返し演習する必要があるでしょう。

過去問の活用方法

過去問は特に午前試験の対策で中心的な役割を担います。

午前問題は過去問からの出題率が高くなっているからです。

過去問によるアウトプットは以下1〜5のサイクルを繰り返し行うと良いでしょう。

【過去問アウトプットのサイクル】

  1. 参考書で理解
  2. 過去問でアウトプット
  3. 解説を読む
  4. 理解できない場所は参考書に戻る
  5. 過去問でアウトプット

一方、午後問題は事例問題のため、過去問がそのまま出題されることは少ないものの、出題形式に慣れるのには役立ちます。

ただ、午後問題に関しては過去問の繰り返しだけに頼るのではなく、長文読解力や事例に対する応用力が身につけられるように意識して参考書で学習を進める必要があるでしょう。

データベーススペシャリストの独学におすすめの本・参考書

    データベーススペシャリストを独学で取り組む際におすすめの本・参考書は以下の通りです。

    参考書名 Amazon販売価格

    (税込)

    特色
    情報処理教科書 うかる!データベーススペシャリスト 2024年度版

    3,278円
    • 累計250万部以上のベストセラー
    • 参考書はこれ一冊で十分という声も
    ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト 2024年度 (情報処理技術者試験)

    3,190円
    • 通信教育で実績のあるTAC
    • 午前Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱを重点的に対策したい人に
    2024 データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集 (総仕上げ問題集シリーズ)

    3,278円
    • 分野別Webテスト
    • 過去問のほか、本試験を想定したオリジナル問題を収録
    • 徹底的に問題演習をしたい人に

    それぞれ詳しく紹介します。

    情報処理教科書 うかる!データベーススペシャリスト 2024年度版

    情報処理教科書 うかる!データベーススペシャリスト 2024年度版

    出典:Amazon

    【おすすめポイント】

    • データベーススペシャリスト参考書のベストセラー(シリーズ売上250万部)
    • 午前対策から午後対策まで学習方法や回答テクニックを詳細に解説
    • 特に午後問題は思考の流れと考え方の手順を詳細に紹介

    「うかる!データベーススペシャリスト」は、シリーズ売り上げ250万部のベストセラー。

    大変多くの受験生の支持を集める参考書で、「この本1冊と過去問演習で合格できた」という人もいるほどです。

    内容としては、午前・午後問題の学習方法や回答テクニックを詳細に解説し、特に難関の午後問題では思考の流れと考え方の手順を詳細に紹介。

    応用力も身につくため、特に午後問題の得点力アップが望めます。

    ぜひ一度手に取っていただきたい本です。

    ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト 2024年度 (情報処理技術者試験)

    ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト 2024年度 (情報処理技術者試験)

    出典:Amazon

    【おすすめポイント】

    • 通信教育TACのオリジナル合格メソッド
    • 午前Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱに的を絞って対策できる

    通信教育で実績のあるTACから出版され、独自の合格メソッドが学べます。

    合格メソッドの例として、長文問題が出題される午後問題。

    TACでは、午後問題の文章を「二段階読解法」と方法で読解し、設問は「設問パターン攻略法」と呼ばれる方法で解いていく方法を紹介。

    また、合格メソッドの紹介だけでなく、問題演習も収録されているので、この本一冊で問題の解き方のポイントから過去問演習まで「ALL IN ONE」で完結できます。

    ただし、午前Ⅰの内容は収録されていないので注意しましょう。

    (午前Ⅰも受験する人は姉妹書のALL IN ONE パーフェクトマスター 共通午前 2024年度がおすすめです)

    出典:Amazon

    データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集 2023 (総仕上げ問題集シリーズ)

    2024 データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集 (総仕上げ問題集シリーズ)

    出典:Amazon

    【おすすめポイント】

    • 分野別Webテストや過去問、本番を想定したオリジナル問題を収録
    • 詳細な解説と徹底的な問題演習で、実力アップが図れる

    問題演習に最適な参考書です。

    内容としては、知識量が確認できる分野別Webテストや直近3年の過去問題、オリジナル問題の「実力診断テスト」を収録。

    また、詳細な解説付きなので問題演習をしながら実力アップが図れます。

    分野別に基礎的な部分を確認したら、「データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集」を使って学習の進捗状況を確認し、出題形式に慣れると良いでしょう。

    データベーススペシャリストの独学におすすめなWebサイト

    データベーススペシャリストに独学で取り組む場合、参考書以外にもWebサイトの活用も効率的。

    おすすめなWebサイトは以下の2つです。

    おすすめWebサイト
    1. 「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ
    2. データベーススペシャリスト過去問道場

    順番に詳しくみてみましょう。

    「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ

    「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメは、もともと書籍になっていたものを連載形式で紹介したものです。

    データベーススペシャリストの試験に取り組む上での学習方法や、必要な知識が詳細に解説されています。

    基礎的〜応用的なものまで幅広く取り扱っているので、参考書の代わりや補足的な使い方をしてもよいでしょう。

    データベーススペシャリスト過去問道場

    データベーススペシャリスト過去問道場は、タイトル通り過去問の演習ができるサイトです。

    平成21年〜令和3年度までの問題が収録されており、出題形式は以下3つから選択できます。

    【過去問道場の出題3形式】

    1. 年度ごとの出題
    2. 分野ごとの出題
    3. 模擬試験形式での出題(過去問からランダムに出題)

      目的に応じて出題形式が選べるので非常に便利です。

      また、パソコンだけでなくスマホ・タブレットにも対応しているので、外出先のスキマ時間を有効活用して学習を進められます。

      ただし、サイトに収録されているのは午前試験Ⅱの内容のみ。

      共通問題の午前試験Ⅰと長文問題の午後試験Ⅰ・Ⅱは収録されていません。

      サイトは主に午前試験の対策として活用し、午後試験は参考書などを中心に対策するなど使い分けると良いでしょう。

      データベーススペシャリストを取得するメリット

      ここまで、データベーススペシャリストの試験概要や独学で取り組むメリット・デメリット、勉強方法などについて紹介してきました。

      IT知識がある方でも独学で合格するのは並大抵のことではないことがわかります。

      努力をしてデータベーススペシャリストを取得すると、どんなメリットが得られるのでしょうか。

      具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

      取得するメリット
      • 転職活動で有利
      • 社内で評価される

      それでは詳しくみていきましょう。

      転職活動で有利

      データベーススペシャリストの資格を保有していると転職時に有利になります。

      理由は以下の2つのことが客観的に示せるためです。

      データベースに関する知識が高い水準であること

      難関資格にチャレンジする学習意欲がある

      仮にデータベース管理で高い知識・経験があったとしても、転職活動時にそれを口頭で伝えることは難しいでしょう。

      ところが、データベーススペシャリストの資格を保有していれば、知識や経験を「国家資格」という形で示せるのです。

      また、難関資格であるデータベーススペシャリストに合格したという実績は、学習意欲が高い人材であるということも示せます。

      ちなみに、データベーススペシャリストを保有して海上自衛隊技術海曹・航空自衛隊技術空曹に応募すると、採用時の階級は「1等海曹・空曹」となり、非常に有利です。

      社内で評価される

      データベーススペシャリストを保有していれば、社内での評価が上がり、昇給・昇進がしやすくなる可能性があります。

      会社によっては資格取得時に報奨金として約8万円、さらに毎月約1万円の資格手当が支給されるケースも。

      また、Twitterでは以下のような声もみられました。

      情報処理技術者の高度試験に合格すると、チャットワークの全社グループで公表されて、社内の若手に「すげぇ」って思われるのは1つのメリットではあるとデータベーススペシャリストに合格したときに思った。あと、親会社は建設コンサルなので、比較的国家資格に対するリスペクトが強い。

      出典:Twitter

      ビジネスチャットツールで有名な「チャットワーク」では、データベーススペシャリスト(=情報処理技術者高度試験)に合格すると社内で公表され、一目置かれるようです。

      データベーススペシャリストの試験概要

      データベーススペシャリスト試験の概要を紹介すると以下の通りです。

      データベーススペシャリスト試験の概要
      • 試験について
      • 難易度は?
      • 午前試験Ⅰの免除について
      • 出願方法

      それでは、順番にみていきましょう。

      データベーススペシャリストの試験について

      データベーススペシャリストの試験概要は以下の通りです。

      試験日 毎年10月・第2日曜日(年1回)

      ※令和6年度:10月13日(日)実施

      試験方法 ペーパー試験(全国主要62都市で開催)
      受験資格 特になし
      試験構成 午前試験Ⅰ

      • 9:30〜10:20(全30問・4択式・50分間)
      • テクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問

      午前試験Ⅱ

      • 10:50〜11:30(全25問・4択式・40分間)
      • データベース7割、その他3割

      午後試験Ⅰ

      • 12:30〜14:00(3問中2問選択・記述式・90分間)
      • データベース設計問題・SQLの問題・物理データベースの設計など

      午後試験Ⅱ

      • 14:30〜16:00(2問中1問選択・記述式・120分間)
      • 物理データベース設計・論理データベース設計 実務能力について問われる
      合格点 正答率60%以上(足切りあり)
      受験料 7,500円(税込)

      データベーススペシャリストの試験は全国主要都市で毎年10月・第2日曜日に開催されます。

      学歴・年齢問わず誰でも受験できますが、難関資格のため実務レベルでデータベースを取り扱っている人、あるいは基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などにすでに合格した人が受験するケースがほとんどです。

      試験は午前試験Ⅰ・Ⅱ、午後試験Ⅰ・Ⅱの4区分に分かれ、合格点は正答率60%以上とされます。

      しかし、注意が必要なのはいわゆる「足切り」の存在です。

      具体的にみてみましょう。

      【足切りとは】

      午前・午後の計4区分の試験のうち、一つでも正答率が60%未満だった場合、それ以降は採点がされずそのまま不合格になってしまうこと

      【具体例】

      • 午前Ⅰ:正答率70%、午前Ⅱ:正答率50%、午後Ⅰ:正答率65%、午後Ⅱ:正答率65%

      →4区分平均で正答率は60%を超えるが、午後Ⅰ・Ⅱは採点されず不合格

      つまり、足切りを避けるには、午前・午後試験の4区分すべてで正答率60%を超える必要があります。

      データベーススペシャリストの難易度は?

      上図のようにデータベーススペシャリストの試験は、IPAが主催する情報処理技術者試験の中で高度な知識・技能が問われる「高度試験」とされ、合格率は例年15%程度で推移しています。

      ちなみに令和3年度試験で17.1%です。

      受験自体はIT知識がなくても可能ですが、データベーススペシャリストの試験に合格した人は、受験前にIT関連の仕事をすでにしていたか、あるいは他の情報処理技術者の資格を保有していたケースがほとんど。

      独学でIT未経験からの合格は難しいと言えるでしょう。

      午前試験Ⅰの免除について

      データベーススペシャリストの午前試験Ⅰは特定の条件を満たすと免除される制度があります。

      制度の適用が受けられれば、試験当日は午前試験Ⅱから受験可能です。

      免除は以下の3つの条件のうち、いずれか一つを満たすと受けられます。

      1. 応用情報技術者試験(AP)に合格
      2. 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
      3. 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる

      引用:IPA

      午前試験Ⅰが免除されれば、範囲の広い午前Ⅰの対策をしなくてもよくなるので負担が軽くなります。

      ただし、免除の有効期限は条件を満たしてから2年間とされているので注意しましょう。

      データベーススペシャリスト試験出願方法

      データベーススペシャリストの試験は、以下の4STEPで出願します。

      STEP 1 受付期間を確認

      • 毎年7月中旬〜8月中旬頃に受付を開始
      • IPAメールニュースに登録しておけば、受付開始日など必要な情報が随時受け取れる

      STEP 2 申し込み

      • IPAホームページにアクセスし、期間内に申し込みを行う
      • 画面にそって、本人情報と支払い情報(クレジットカード・コンビニ払い・Pay-easyのいずれか)を入力する
      • 指定した方法で受験料7,500円(税込)を支払う

      STEP 3 受験票の発送

      • 試験日の1ヶ月前くらいに受験票が送られてくる

      STEP 4 試験当日

      • 令和6年は10月13日(日)に試験が実施される

      データベーススペシャリストの独学でよくある質問

      データベーススペシャリストを独学でよくある質問をまとめました。

      よくある質問
      • Q1:データベーススペシャリストは大学生の就職活動でプラスになりますか?
      • Q2:データベーススペシャリストはIT未経験でも合格できますか?
      • Q3:データベーススペシャリストは意味がないのですか?それとも役立ちますか?
      • Q4:データベーススペシャリストは2ヶ月で取得できますか?

      Q1:データベーススペシャリストは大学生の就職活動でプラスになりますか?

      A:プラスになります。

      基本・応用情報技術者試験に合格している学生は比較的多いものの、データベーススペシャリストなどの高度試験を取得している学生は極めてまれです。

      そのため、他の学生との差別化が図れます。

      また、会社によってはデータベーススペシャリストを取得していることで資格手当(1〜2万円程度)が毎月支給されるので、待遇面でも有利に働くでしょう。

      Q2:データベーススペシャリストはIT未経験でも合格できますか?

      A:独学の場合、IT未経験でデータベーススペシャリストに合格するのは難しいでしょう。

      データベーススペシャリストは学歴・実務経験などの受験資格が特にないため、IT未経験でも受験自体は可能です。

      ところが、試験内容はIPAの情報処理技術者試験の中でも難度の高いレベル4・高度試験と言われるものです。

      特に午後試験はトラブルシューティングなど実務的な内容が問われるため、暗記だけでは通用しません。

      例えば、同じくIPAで実施する基本・応用情報技術者試験に合格してからデータベーススペシャリストを受験すると、段階的に知識がつけられるためスムーズでしょう。

      あるいは、独学・IT未経験で合格を目指すなら通信講座の利用が確実です。

      Q3:データベーススペシャリストは意味がないのですか?それとも役に立ちますか?

      A:考え方によりますが、データベーススペシャリスト取得に意味はあります。

      確かに実務経験を多く積んだ人なら、実績があるので資格対策に膨大な時間を費やすよりも、他のことに時間をかけたほうが良いケースもあるでしょう。

      一方で、実務経験の少ない若手の場合、データベーススペシャリスト取得を一つの実績として示せます。

      また、会社によっては資格取得で報奨金や月々の資格手当がもらえる場合も。

      さらに、資格対策を通じてデータベースに関する体系的な知識が身につくので、その後の仕事や転職で役立つことでしょう。

      Q4:データベーススペシャリストは2ヶ月で取得できますか?

      A:データベーススペシャリストの試験対策に必要な期間は、事前知識や1日あたりにかけられる時間によって個人差が大きいのでなんともいえないのが実情です。

      参考までに合格者の体験記をみてみましょう。

      体験記の中には2ヶ月で合格できたというものも。

      著者の試験前のIT知識や実務経験がどれくらいあったか記載されているものもあるので参考になります。

      タイトル 著者の事前IT知識・経験など 試験までの準備期間
      DBスペシャリストに受かったんで勉強法を書きます
      • 記載なし
      • 3ヶ月以上前
      2ヶ月でデータベーススペシャリスト試験に合格した勉強法
      • 仕事は開発・運用管理でデータベースを扱うことが多い
      • 基本情報技術者試験取得済
      • 応用情報技術者試験取得済
      • 情報セキュリティスペシャリスト取得済
      • 2ヶ月
      データベーススペシャリスト〜4ヶ月で合格!独学勉強法〜
      • 基本情報技術者試験取得済
      • 応用情報技術者試験取得済
      • 4ヶ月
      • 1日1時間程度
      【受験記録】データベーススペシャリスト試験に独学で一発合格した勉強方法
      • 基本情報技術者試験取得済
      • 応用情報技術者試験取得済
      • システムアーキテクト取得済
      • 学習時間:56.3時間

      情報セキュリティスペシャリストやシステムアーキテクトなど、IPAで主催する他の高度試験にすでに合格している人のほうが、試験までに必要な準備期間は短くなっています。

      データベーススペシャリスト独学のまとめ

      今回は、データベーススペシャリストの独学について紹介しました。

      記事の内容をまとめると以下の通りです。

      まとめ
      • データベーススペシャリストとは、膨大な企業のデータベース管理に関する知識を高い水準で身につけていることを証明する国家資格
      • 合格率は15%程度で推移し、難易度は高い
      • 独学での合格は可能だが、IT知識や経験が必要
      • 午前試験の対策は過去問演習中心、午後試験は長文問題なので参考書で基礎を固めてから過去問で出題形式に慣れる
      • データベーススペシャリスト試験対策の参考書やWebサイトも積極的に活用する
      • 資格を取得すると転職活動が有利になったり、社内評価が上がったりする

      データベーススペシャリストの独学は簡単ではありません。

      ですが、難関資格に挑戦することはエンジニアとしても、ビジネスパーソンとしても確実に成長ができるでしょう。

      もちろん、資格取得だけがすべてではありません。

      ですが、仕事やプライベートの合間を縫って努力して勉強した証を「資格」という形で残せるのは素晴らしいことなのではないでしょうか。

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      この記事を書いた人

      徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

      WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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