社労士(社会保険労務士)とは、労働や社会保険に関する問題のスペシャリストとして有用な資格です。
労働や社会保険は私たちの生活と切り離せないものであり、人びとの関心が高い分野といえるでしょう。
社労士試験が取り扱う試験範囲は労基法をはじめ、労災や厚生年金、国民年金や健康保険など多岐にわたります。
この記事では、社労士試験に合格するのに必要な勉強時間、学習スケジュールやおすすめの勉強方法について紹介していきます。
他にも、当記事を最後まで読めば、社労士試験に合格された方の実際の勉強時間もわかるようになっています。
また、独学で社労士試験に合格された方のブログもいくつか紹介していますので、これから社労士試験の受験を考えている方は参考にしてみてください。
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社労士試験に合格するのに必要な勉強時間
まず、社労士試験に合格するのに必要な勉強時間から考えてみましょう。
ユーキャンやアガルートなど複数の資格サイトを調査したところ、社労士試験に合格するのに必要な勉強時間は800~1,000時間程度であることがわかりました。
勉強時間に差がありますが、これは予備知識の有無によるもの。
また、独学するのか、通学や通信講座を利用するのかによっても、必要な勉強時間は違ってきます。
以下では、
・各資格サイトで発表されている勉強時間
・独学での勉強時間
・通学での勉強時間
・通信教育での勉強時間
・社労士の勉強時間を行政書士・宅建士と比較
の5つについて紹介していきます。
それぞれの長所を比較検討して、自分に合ったスタイルで勉強を進めていきましょう。
各資格サイトで発表されている勉強時間
ユーキャン、アガルートなどの各資格サイトで発表されている勉強時間について下記に掲載します。
資格サイト名 | 勉強時間 |
ユーキャン | 1,000時間以上 |
アガルート | 800時間程度 |
TAC | 800~1,000時間程度 |
フォーサイト | 800~1,000時間程度 |
800~1,000時間程度としている資格サイトが多いようですね。
どの資格サイトでも書かれていることですが、これらの勉強時間はあくまで目安であり、個人のライフスタイルなどで実際の勉強時間は大きく異なってきます。
勉強時間にばかり気を取られて肝心の勉強そのものが疎かになってしまうことがないよう、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
独学での勉強時間
社労士試験を独学する場合の勉強時間は、前述の通り約800~1,000時間程度必要です。
1日3時間の勉強時間がとれるとして1,000時間の勉強を目指すなら、3時間✕365日=1,095時間となります。
約1年間の長期戦になることがわかりますね。
現実には仕事や家事、育児など、忙しい合間をぬっての勉強ですから、3時間も勉強時間を捻出するのは難しい方もいらっしゃいます。
そうなると、さらに長いスパンでの勉強が必要です
膨大な試験範囲をいかに効率よく勉強するか、テキストからのインプットと問題集をこなすアウトプットの時間をどう組み合わせるか。
自分の裁量で決められるのが独学のメリットであるからこそ、きちんと計画を立てることが大切といえるでしょう。
通学での勉強時間
社労士試験を通学で勉強する場合の勉強時間についてはどうでしょうか。
調べたところ、通学で社労士試験を勉強する場合には500~700時間程度で合格を目指すパターンが多いことがわかりました。
このうち300~400時間を講義などのインプットの時間、200~300時間を演習などのアウトプットの時間に充てることが多いようです。
勉強時間そのものは独学より少なくても、通学では膨大な試験範囲の中から的確にポイントを絞って講義してくれるため、効率的に学べるところにメリットがあります。
また、通学の場合は社労士試験に精通したプロの方が講義を進めていくため、不明点があった場合にすぐ対応してもらえるのも嬉しいですね。
ただし、通学は決まった時間を空ける必要があるため、スケジュール調整が難しい点はデメリットといえそうです。
通信教育での勉強時間
社労士試験を通信教育で勉強する場合の勉強時間についても確認したところ、通学と同様に500~700時間程度の勉強時間で合格を目指すパターンが多いことがわかりました。
こちらも300~400時間をテキストから知識を吸収するインプットの時間、200~300時間を過去問などのアウトプットの時間に充てることが多いようです。
通信講座は自分の都合で勉強できるというメリットがあり、この点では通学よりも融通が利きやすいといえるでしょう。
また、通信講座は膨大な試験範囲を独自に凝縮したテキストを使用しているところもあり、ポイントを絞って効率的に勉強できます。
独学だけでは不安な方は、通信講座もうまく利用すると良いでしょう。
社労士の勉強時間を行政書士・宅建士と比較
社労士とともによく受験を検討される国家資格として、行政書士と宅建士が挙げられます。
行政書士は市民に代わって複雑な提出書類を作成する専門家、宅建士は不動産取引におけるプロフェッショナルです。
行政書士、宅建士ともに私たちの生活とも深い関わりのある資格のため、社労士とともに人気のある資格となっています。
そんな社労士、行政書士、宅建士の勉強時間をそれぞれ比較しました。
「各資格サイトで発表されている勉強時間」のところでも書いたように、以下に記載する勉強時間は、あくまで目安です。
個人のライフスタイルや学力によっては記載した時間通りにはいかない場合もあるので、情報を鵜呑みにしないようご注意くださいね。
社労士試験に必要な勉強時間
社労士試験は、800~1,000時間程度の勉強時間が必要であることは先に述べました。
労働と関係する内容を学ぶため、普段から年金や社会保険に関心のある方にとっては比較的勉強しやすい分野といえるのではないでしょうか。
また、昨今の働き方改革により、労働に従事する全ての人間にとって欠かせない労基法についても学べます。
自分が働く上ではもちろんのこと、会社で働く従業員を守るためにも、労基法に精通している人間が1人いると安心できますよね。
じっくり時間をかけて内容を頭に叩き込むことが大切といえるでしょう。
行政書士試験に必要な勉強時間
資格サイト名 | 勉強時間 |
ユーキャン | 500~1,000時間程度 |
アガルート | 600~1000時間程度 |
TAC | 800~1,000時間程度 |
フォーサイト | 600~800時間程度 |
行政書士試験を受験するのに必要な勉強時間を調査すると、500~1,000時間程度であることがわかりました。
行政書士は民法、憲法、行政法など、あらゆる法律に精通した資格であり、人びとの生活を支える上で欠かせない資格です。
やはり法律に関する勉強が中心になるため、あらゆる場面に対応できるようになるためには、それだけ勉強時間を多く取り、頭に叩き込む必要があります。
また、法律の勉強は、特に初学者にとっては文章の意味を理解するだけでも大変なもの。
条文の理解に十分な時間を割き、きちんと自分の中で条文の意味をかみ砕いておくことが重要といえるでしょう。
宅建士試験に必要な勉強時間
資格サイト名 | 勉強時間 |
ユーキャン | 300~350時間程度 |
アガルート | 300~400時間程度 |
フォーサイト | 200~300時間程度 |
宅建士試験を受験するのに必要な勉強時間も確認し、200~400時間程度であることがわかりました。
宅建士は不動産に関する法律の専門家として人気があり、文字通り不動産業界においては重宝される資格です。
不動産業界での実務経験があれば、その経験や知識を活かした勉強ができるので、その意味で200時間程度の勉強でも合格された方はいるようです。
未経験者や初学者の場合、法律と聞くとそれだけで難解なイメージを抱いてしまうもの。
条文理解には十分時間を割き、きちんと自分の中に落とし込んでおきましょう。
社労士試験はいつから勉強を開始すべきか
社労士試験はいつから勉強を開始すべきなのでしょうか。
そもそも社労士試験がいつ実施されているのかというと、例年8月の第4日曜日に行われています。
挑戦できるチャンスは年に1回だけと考えると、できれば一発合格したいところですよね。
以下では、試験に合わせた勉強開始時期を紹介していきます。
1つずつ解説していきますね。
1月・2月・3月から約1年6ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合
1月・2月・3月から約1年6ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合、どのように勉強するのがよいのでしょうか。
社労士試験に合格するために必要といわれる800~1,000時間の勉強時間をもとに計算してみましょう。
仮に1年6ヶ月を540日と換算し、1,000時間の勉強を目指すとすると、1日2時間の勉強で1,080時間になります。
1年6ヶ月と聞くとスケジュールに余裕があるように感じるかもしれませんが、「時間がある」と思うとなかなかやらないのが人間というもの。
また、長期スパンだと集中力も続かず、途中でだらけてしまう日も出てくるでしょう。
人間ずっと高いモチベーションを維持し続けるのは疲れてしまいますから、週のうちたとえば水曜日は何もしない日を作るなど、勉強にメリハリをつけるといいかもしれません。
また、最初に勉強したことは間が空くと忘れてしまうものです。
知識を確実にものにしていくためにも、週の終わりになったら最初に勉強したことを復習するなど、定期的にアウトプットの機会を持つといいでしょう。
4月・5月・6月から約1年3ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合
4月・5月・6月から約1年3ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合は、どのように勉強するのがいいのでしょうか。
800~1,000時間の勉強時間をもとに計算しましょう。
1年3ヶ月を450日とし、1日2時間半の勉強で1,125時間となります。
仕事が多忙な中で受験される方も多いですから、実際にはこれだけのまとまった勉強時間をとれない可能性もありますよね。
こういった場合に1日の勉強時間に囚われてしまうと、却って精神的に苦しくなってしまいます。
そうならないためにも、たとえば忙しくて1時間しか勉強できない日があったなら、別の日で普段より多めに勉強するなど、臨機応変にすることが大切といえるでしょう。
7月・8月・9月から約1年で社労士試験の合格を目指す場合
7月・8月・9月から約1年で社労士試験の合格を目指す場合の勉強についてはどうでしょうか。
1年は365日なので、1,000時間勉強しようと思ったら約1日あたり3時間の勉強が必要なことになります。
現実にはそれだけの勉強時間を確保するのがなかなか難しい場合もありますから、1日あたり、1週間あたり、1ヶ月あたりでどの程度勉強するのかきちんと目標を立てるとよいでしょう。
勉強の進捗に合わせて臨機応変に対応することが大切です。
また、試験まで1年もあると捉えるか、あと1年しかないと捉えるかで精神面にも大きく影響してきます。
時間がなくて焦ってしまう気持ちもわかりますが、あまり追い詰めすぎずに自分のペースを保って勉強を進めるようにしましょう。
10月・11月・12月から約9ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合
次に、10月・11月・12月から約9ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合の勉強について。
9ヶ月を270日として1,000時間勉強するとなると1日約4時間の勉強が必要な計算になりますが、ライフスタイルを考慮するならば現実的な数字ではありません。
試験まで1年を切っている場合は、いかに効率よくインプットとアウトプットするかが鍵になってきます。
特に初学者の場合、初めて目にする言葉や知識に触れて、そこでつまずいてしまうことが考えられますが、テキストは立ち止まらずに通読しましょう。
通読して全体像を掴んでおくことで、再度テキストを読んでいくときに理解しやすくなります。
アウトプットは問題演習に多めに時間を取り、どんな問題形式があるのか、実際の時間配分も意識しながら解くようにしましょう。
社労士試験に限ったことではなく、問題形式や時間配分に慣れておくことは、当日になって慌てないためにも重要です。
試験まであまり余裕がないからこそ、問題を多めに解いて慣れておくようにしましょう。
1月・2月・3月から約6ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合
1月・2月・3月から約6ヶ月で社労士試験の合格を目指す場合についてはどうでしょうか。
6ヶ月を180日として1,000時間勉強するとなると、1日約5時間半の勉強が必要な計算になりますが、やはりこれも現実的ではありませんよね。
800時間の勉強を目指すにしても、1日約4時間半の勉強が必要です。
こう考えると、6ヶ月で合格を目指す場合には勉強時間にあまり囚われないほうがいいといえるでしょう。
大切なことは、いかに無駄を省いて勉強するかです。
ここでいう「無駄」とは、たとえばテキストを何冊も買い換える、知識が定着するまでは問題演習をしない、ことなどが挙げられるでしょう。
「これ」と決めたテキストがあるならば、他に買い足したりせず徹底的にその1冊を読むようにしましょう。
また、知識の定着にはアウトプットが大切なため、テキストから吸収した知識は間を空けずにすぐ問題演習に取り組むようにします。
インプットとアウトプットの間を短縮することで、すぐに知識を定着させることが狙いです。
社労士試験合格のための必要勉強時間まとめ
社労士試験に合格するために必要な勉強時間を表にまとめました。
試験までに必要な勉強時間は1,000時間としています。
試験までの期間 | 1日あたりの勉強時間 | 試験までに必要な勉強時間 |
1年6ヶ月(約540日) | 2時間 | 1,080時間 |
1年3ヶ月(約450日) | 2時間30分 | 1,125時間 |
1年(365日) | 3時間 | 1,095時間 |
9ヶ月(約270日) | 4時間 | 1,080時間 |
6ヶ月(約180日) | 5時間30分 | 990時間 |
改めて比較してみると、長いスパンで勉強したとしても最低1日2時間は勉強しなければならないことがわかりますね。
1年6ヶ月という期間は一見すると長いかもしれませんが、「まだ時間があるから大丈夫」と思っていると、あっという間に試験当日を迎えてしまいます。
繰り返しになりますが、個人のライフスタイルや学力によっても捻出できる勉強時間は違ってきますから、あまりこの表に掲載している時間に囚われず、自分のペースを保っていきましょう。
社労士試験の学習スケジュール
では、実際に社労士試験を勉強する際の学習スケジュールは、どのように立てるべきなのでしょうか。
社労士試験の試験範囲から確認してみましょう。
下記の表をご覧ください。
試験科目 | 択一式問題数(配点) | 選択式問題数(配点) |
労働基準法及び労働安全衛生法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労働者災害補償保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
雇用保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労務管理その他の労働に 関する一般常識 |
10問(10点) | 1問(5点) |
社会保険に関する一般常識 | 1問(5点) | |
健康保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
国民年金法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
合計 | 70問(70点) | 8問(40点) |
この表を見ると「○○法」と名前の付く科目が多いことから、社労士試験は法律を中心にした勉強が必要であることがわかりますね。
このうちどこから手をつければいいのか、特に初学者の方にとっては悩ましいところかもしれません。
結論から申し上げて、社労士試験の勉強は労働基準法から始めるのがおすすめです。
私たちが労基法と普段いっている労働基準法は全ての労働の基本であり、他の科目の基礎になるものであるためです。
何事も、基礎を身に付けた上で応用につなげていくのは大切なことですよね。
また、その内容は割増賃金や年次有給休暇など、労働者にとって関心の高いものが多いので、比較的取り組みやすいのではないでしょうか。
労働基準法の理解が進んだら、労働安全衛生法などの応用編に広げていきましょう。
学習スケジュールとしては、勉強期間を「勉強始め」「インプット期」「アウトプット期」「まとめ」の4つの時期に分けるとわかりやすいでしょう。
「勉強始め」では、まずテキストの通読を何度か繰り返し、基礎知識を吸収しつつ社労士試験の全体像を掴むようにします。
「インプット期」は、科目ごとに1つ1つ項目を勉強していきます。
テキストに問題が載っているのであれば、それも解きながら進めると良いでしょう。
「アウトプット期」は、問題演習を中心に行います。
とはいえ、テキストもまったく活用しないわけではなく、特に最初の頃に勉強した知識は間が空くと忘れがちのため、過去に習ったことも定期的に再度目を通すようにしましょう。
「まとめ」は、それぞれの法律が混同しないよう自分なりに表にしてまとめるなど、整理する期間です。
先述した学習開始時期と比較しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
社労士試験合格者の実際の勉強時間
これまで社労士試験の勉強時間について解説してきましたが、社労士試験の合格者の実際の勉強時間について知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、複数のサイトを調査しました。
その結果、実際には1,500時間~2,100時間程度の時間をかけて社労士試験に合格した方が多いようです。
800~1,000時間どころの話ではありません。
なぜこんなに実際の勉強時間と差があるのかというと、その理由は社労士試験の特性にありました。
社労士試験には択一式試験と選択式試験があり、このうち選択式試験では、どんな問題が出るか運にも左右されるということです。
運次第と聞くと、勉強しても無駄と思うかもしれません。
しかし、どんな問題が出るかが運次第ということは、逆にいうなら、どんな問題が出ても対応できるよう勉強しておかなければならないということでもあります。
そうなると、どれだけ勉強しても勉強し足りないということになりますよね。
また、社労士試験は法律に関する知識が問われるものではありますが、法律をきちんと理解しようと思ったら暗記だけでは不十分ですよね。
自分なりにまとめの時間を取る、過去問の論点を整理するなど、法律を理解するための時間を取る必要があります。
・選択式試験の出題内容は運次第のため、どんなに勉強してもし足りない
・暗記だけではなく、きちんと理解するために努力が必要
この2点が、合格者の勉強時間を多くしている理由といえるでしょう。
社労士試験に合格するためのポイント
社労士試験に合格するためのポイントは、どこにあるのでしょうか。
結論から申し上げるなら、いかに効率的に勉強するかという点が挙げられます。
社労士試験の試験範囲は多岐にわたり、法律の細かい条文などをきちんと理解しなければなりません。
単純に全ての試験範囲の項目を一つずつ潰していっていたのでは、どんなに時間があっても足りません。
インプットとアウトプットを効率よく織り交ぜ、無駄を省くことが、合格への近道といえるでしょう。
また、選択式試験ではどんな問題かが運次第であることから、選択式試験の勉強については捨てるという方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
実際、選択式試験は現役の社労士でさえも間違えてしまうような奇問・難問が出題されるため、これに苦しめられて惜しくも不合格になった方も少なくありません。
どんな問題が出るかわからないからこそきちんと勉強を重ね、対応できるようにしておく必要があります。
たとえ試験当日、思っていたような奇問・難問が出題されなかったとしても、いざ社労士として活躍することになった際に、その勉強で得た知識が役に立つかもしれません。
どうせ無駄だからと諦めるのではなく、「すべては自分の糧になる」と前向きに捉えて勉強を進めていくことが、合格へのポイントといえるでしょう。
社労士試験は独学でも合格できる?
社労士試験は独学でも合格できる資格なのかどうか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げて、社労士試験は独学でも合格は可能です。
社労士試験の試験範囲の中には労働基準法をはじめ、年金や保険など、国民の関心が高い分野が含まれており、これらに興味のある方なら比較的取り組みやすいといえるでしょう。
ただし、試験そのものは労働に関する法律を主とした勉強が中心になります。
法律は単に暗記するだけでは通用せず、なぜそうなるのかをきちんと条文を読み解き、自分の頭で理解することが大切です。
法律の勉強をしたことがない方にとっては、条文を読むだけでも難解なもの。
きちんと計画を立てて、無理のないスケジュールで勉強を進めていきましょう。
実際に独学で合格された方のブログもたくさんありますので、代表的なものを以下に3つご紹介します。
お気に入りのサイトが見つかるといいですね。
なつきの資格ラボ
2020年1月から社労士試験の勉強を開始し、約8ヶ月間の勉強期間を経て2020年度の社労士試験に合格されたなつきさんのブログです。
できる限りかかるコストを抑えたかったとのことから独学にこだわり、使用テキストを厳選されています。
主に勉強方法についてまとめられていますが、1日のスケジュールについても紹介されているのは嬉しいですね。
また、テキストの読み進め方についても、管理人なりの実践方法が紹介されています。
中期的なスパンで社労士試験の勉強を考えている方にとっては参考になるブログではないでしょうか。
社労士独学プロジェクト~難関資格に完全独学で挑戦~
完全独学での挑戦にこだわり、2017年に社労士試験に合格されたかなきんさんのブログ。
社労士試験だけではなく、行政書士試験にも合格されています。
勉強方法や使用テキストなどについて紹介されている他、独学で合格を勝ち取るために必要な条件、勉強に集中するための秘訣、独学で合格するための裏技なども紹介されています。
どれも管理人の実体験に基づくものなので、かなり参考になるのではないでしょうか。
2016年度の受験では不合格で、その体験記についても紹介されているので、一発合格を目指したい方には教訓になることもありそうですね。
ゆづすけブログ
知識がまったく無い状態から社労士試験の勉強を開始し、一発合格を勝ち取ったゆづすけさんのブログ。
他、中小企業診断士試験にも合格されています。
勉強方法や使用テキストはもちろん、おすすめの勉強場所についてもメリット・デメリットとともに紹介されており、ユニークな内容になっています。
また、独学で合格するために必要な手順についても、1記事分を使って紹介されています。
合格までの勉強期間が半年間と短めなので、短期決戦で合格したい方に最適のブログといえるのではないでしょうか。
社労士試験のおすすめ勉強方法
社労士試験のおすすめ勉強方法には、どういったものがあるのでしょうか。
社労士試験を勉強する上で意識すべきは、下記の8つのポイントです。
1つずつ解説していきますね。
スケジュールを立てる
約800~1,000時間の勉強時間が必要といわれる社労士試験。
1日2時間勉強時間を取れるとして、1,000時間の勉強を目指すのであれば、約1年半にわたる期間が必要なことになります。
この時間数からわかることは、単にダラダラ勉強していたのではダメだということ。
社労士試験は労働基準法を始め、労働安全衛生法、雇用保険法、国民年金法など、労働に関するあらゆる法律の知識が問われます。
誰もが関心のある事柄ですが、だからこそ不正確な情報が飛び交っていることも多く、実は誤った認識のまま覚えてしまっていた、ということも少なくありません。
労働は私たちの生活と切り離せないものだからこそ、正確な知識をもって試験に臨みたいですよね。
いつ何を勉強すべきか、スケジュールを明確にし、無理なく勉強を進めていきましょう。
答えの暗記よりも理解度を優先
法律の知識が問われる社労士試験では、答えを暗記することよりも理解度が優先されます。
どういうことか。
実際の労働現場を考えてみてください。
厚生年金や社会保険に関するトラブル、有給休暇や労働時間に関する問題は後を絶ちませんよね。
そしてこれらの問題は、テキストに事例として紹介されているような内容だけでは対応しきれない場合がほとんどではないでしょうか。
つまり、社労士試験で問われる知識を現実のものとして使いこなすには、単にテキストに載っている事例や問題を暗記するだけでは通用しません。
現実にその問題が起こった際に、法律に絡めて対応できる能力が必要ということです。
そのためには、法律の中身をきちんと自分の頭で理解できていなければなりません。
「社労士試験は暗記だけでなんとかなる」と思っていた方、残念ながらそれだけで通用する試験ではないことを肝に銘じておいてくださいね。
テキストなどからのインプット
社労士試験を勉強する上では、テキストなどから知識をインプットすることはやはり欠かせません。
特に法律に関する勉強は難解な法律用語に出会うことも多いですから、初学者の方にとっては見慣れない言葉に苦労しそうですね。
どんな試験にもいえることですが、知識というものは一度や二度その言葉を見ただけで定着するものではありません。
何度も繰り返しテキストを通読し、用語の意味を自分の言葉で説明できるようになっておきましょう。
問題集、過去問などのアウトプット
知識のインプットが終わったら、知識を本当に定着させるために問題集や過去問のアウトプットが欠かせません。
最初は間違えることもあるかもしれませんが、この「間違える」という行為は重要です。
間違えたら、その問題のどこを間違えたのか調べるはずですから、その過程で正しい知識を取得できます。
最初から正解した知識よりも、いったん間違えた知識の方が後々までずっと記憶に残っているもの。
間違えることを恐れずに、どんどん問題演習にチャレンジしていきましょう。
本番の試験スピードを意識
問題演習にある程度慣れてきたら、本番の試験スピードも意識していきましょう。
結論からいうと、社労士試験は時間との勝負といえるからです。
その理由については社労士試験の試験時間と関係しており、選択式が8問80分、択一式が70問210分です。
選択式が8問80分ということで、時間だけ見ると1問10分もあると考えてしまいますよね。
ところが、選択式の問題は文中の空欄に入る回答を選ぶ形式になっており、空欄の数は1つや2つだけではありません。
つまり、1問の中で選択しなければらならない答えが複数あるため、空欄が5つあるとすると実際に使える時間は1空欄あたり2分間のみということになります。
また、択一式試験についても、70問210分ですから、単純計算すると1問あたり3分しか時間が使えません。
見直しの時間も取りたいことを考えると、3分まるまる時間を使っている余裕はないでしょう。
答えを悩んでいるうちにあっという間に時間が経ってしまったということにもなりかねないため、本番の時間を意識した問題演習で少しでも本番のスピードに慣れておきましょう。
全体を覚える工夫
試験が近付いてきたら、全体を覚える工夫も大切です。
勉強を開始したばかりの頃に覚えた知識を何ヶ月も経ってから思い出そうとすると、なかなかすぐには思い出せないのではないでしょうか。
人間は忘れるようにできている生き物ですから、なかなか1つのことを覚え続けることはできません。
もちろん、実務と直結する資格である以上、いざ社労士として一歩を踏み出した時に「その法律については覚えていない」とをいうわけにはいかないでしょう。
覚えたことをきちんと身に付けるようにするためにも、全体を復習する時間を取るようにしましょう。
たとえば、週に1回は最初から復習するなど、過去に勉強した内容にも定期的に触れられるタイミングを作ると良いでしょう。
不明点を徹底的に潰す
不明点を徹底的に潰すことも、社労士試験を勉強する上では大切なことです。
特に初学者の場合、ただでさえ難解な法律の勉強は、理解する上で様々な不明点が出てくるかと思います。
これをわからないまま放置する癖が付いてしまうと、誤った理解のまま勉強を進めてしまうことにもなりかねません。
社労士として実務を重ねる場合、労働者から質問を受けることもあるかと思いますが、そんな時、社労士自身が「分からない」とは言っていられませんよね。
国民の生活に直結する資格だからこそ、正しい知識をもって人びとを守れるようになりたいものです。
不明点が出てきたら、面倒でも1つ1つ徹底的に潰すようにしましょう。
まとめは横断学習で効率的に
一通り知識が身に付いたら、横断学習で効率的にまとめることも重要です。
社労士試験の試験範囲で取り扱う法律は似たようなものが多く、勉強が進めば進むほど用語や知識を混同してしまったり、似たような条文に混乱してしまうということも考えられますよね。
そこで、類似したものを比較した上で違いを確認する「横断学習」という方法があります。
たとえば、自分なりに表を作ってまとめるなどでしょうか。
面倒に感じるかもしれませんが、ひと手間をかけた分、その知識は自分のものとしてきちんと定着してくれるはずです。
時間がないからと諦めるのではなく、時間がないからこそ効率的に覚えられるよう工夫しましょう。
社労士資格の人気・将来性や社労士資格を取得するメリット
社労士資格の人気・将来性や、資格を取得するメリットについて知りたい方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、
・社労士資格の人気・将来性
・社労士資格を取得するメリット
の2点について、これから以下に解説していきます。
社労士資格の人気・将来性
社労士は労務に関するエキスパートであり、労働問題に対する需要がますます高まっていることからも、人気のある資格といえます。
労働は日本国民としての義務であり、生きていくためには働かなければなりません。
現代は働き方ひとつとっても様々な労働形態があり、会社に行かなくても在宅で仕事ができる環境が整ってきました。
働き方改革が叫ばれて久しい昨今ですが、それでも労働時間や有給休暇、保険や年金などを巡るトラブルは後を絶ちません。
人間が働き続ける限りこういった労務問題は付いて回りますから、社労士の存在はどこの企業でも求められています。
その意味で、社労士資格の将来性は安定しているといえるのではないでしょうか。
社労士資格を取得するメリット
社労士資格を取得するメリットとしては、やはり労務関係のスペシャリストとして人の役に立つことが挙げられるでしょう。
働き方改革によって企業側も労務管理にはシビアになっている昨今ですから、そこに社労士の資格を持った人が1人いれば、その知識をもとに労務管理に活かせるでしょう。
また、労働者側の視点に立つならば、長時間労働に対して残業代が支払われない、あるいはパワハラ・セクハラに悩まされるなど、業務について苦しんでいる労働者もたくさんいます。
そんな人びとにとって、労務の専門家である社労士は非常に心強い存在であり、トラブルに打ち勝つための一条の光ともいえるでしょう。
もちろん、企業側にとっても、たとえば社員からの理不尽な要求に苦しめられている場合もあるでしょうから、そんな時には心強い味方になってくれます。
社労士は労働者側・企業側、双方にとって存在感のある資格で、苦しんでいる誰かの役に立てる資格といえるでしょう。
社労士試験の概要
社労士試験の概要については下記の通り。
なお、受験要項は例年4月に公表されるため、ここでは2024年4月時点の情報について記載しました。
試験日 | 2023年8月27日(日) 例年8月の第4日曜日(年1回実施) |
試験時間 | ・選択式:10:30~11:50(80分) ・択一式:13:20~16:50(210分) |
試験地 | 北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県 |
受験資格 | あり |
合格発表 | 2023年10月4日(水) |
選択式試験は80分、択一式試験は210分となっています。
どちらの試験問題も1問あたりに使える時間は2~3分のみ。
見直しの時間なども考慮すると、実際には1問に1分もかけていられないかもしれません。
時間配分を間違えたばかりに焦って誤答するのはもったいないので、本番のスピードを意識した過去問対策を徹底して行い、時間配分が上手にできるようにしておきましょう。
社労士試験の受験資格
社労士試験には受験資格が定められています。
下記3つのうち、どれか1つでも満たしていれば受験資格が得られます。
いずれも証明書が必要になりますから、受験申し込みの際は忘れずに準備しましょう。
1つずつ解説していきますね。
学歴によるもの
社労士試験を受験するための学歴要件としては、大学、短大、専門職大学、専門職短期大学、5年生の高等専門学校を卒業していることが求められます。
この他、短大を除く大学で62単位以上の卒業要件単位を修了した方も受験資格を得られます。
修業年限が2年以上かつ総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了された方についても、社労士試験の受験が可能。
公式HPで詳細は確認できるので、学歴要件について不安な方は調べてみてください。
実務経験によるもの
社労士試験を受験するためには、3年以上の実務経験が必要です。
実務の内容は多岐にわたり、代表的なものを挙げると公務員として3年以上の実務、社労士や弁護士の補助として3年以上の実務などでしょうか。
全国健康保険協会、日本年金機構の職員として3年以上の実務経験がある場合も対象です。
この場合、社労士試験の試験範囲の知識もある程度付いていると思われるので、試験勉強も比較的スムーズに進められるのではないでしょうか。
なお、自分の実務経験が受験資格を満たしているか判断しづらいこともあるかもしれません。
その場合は、必要事項を記入した「実務経験証明書」と「送付状」を全国社会保険労務士会連合会にFAXすると、受験資格について回答してくれます。
国家資格によるもの
社労士試験は、他の国家資格を取得していることで受験資格が得られます。
まず、社労士試験以外で厚生労働大臣が認めた国家試験の合格者について。
厚生労働大臣が認めた国家試験とひと口にいってもその種類は様々であり、2021年度は79個の国家資格について受験資格がありました。
代表的なものを挙げるとするならば、弁理士試験、税理士試験、土地家屋調査士試験、気象予報士試験、通訳案内士試験などでしょうか。
一見すると労務とは関係ないようなものが受験資格として認められているのは意外ですよね。
他、司法試験予備試験や行政書士試験に合格した方も受験資格があります。
自分の取得している国家資格が社労士試験の受験資格を満たしているか、気になる方は公式HPで確認してみましょう。
社労士試験の難易度と合格率
社労士試験の難易度と合格率について解説します。
社労士試験の合格率について、過去10年分を表にしました。
年度 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
2014年度 | 44,546 | 4,156 | 9.3 |
2015年度 | 40,712 | 1,051 | 2.6 |
2016年度 | 39,972 | 1,770 | 4.4 |
2017年度 | 38,685 | 2,613 | 6.8 |
2018年度 | 38,427 | 2,413 | 6.3 |
2019年度 | 38,428 | 2,525 | 6.6 |
2020年度 | 34,845 | 2,237 | 6.4 |
2021年度 | 37,306 | 2,937 | 7.9 |
2022年度 | 40,633 | 2,134 | 5.3 |
2023年度 | 42,741 | 2,720 | 6.4 |
(引用元:社会保険労務士試験公式HP)
過去10年、合格率が10%に達していません。
2015年度に至っては3%以下の合格率になっており、その難易度の高さがうかがえます。
社労士試験は簡単に合格できる試験ではないことがわかりますね。
社労士試験の難易度の高さを示すこととして、社労士試験の試験様式の1つである選択式試験が挙げられます。
選択肢から言葉を選んで文中の空欄を穴埋めする形式になっており、どんな問題が出るかは運によるところが大きいでしょう。
現役の社労士でも間違えてしまうような奇問・難問が出題されることもあり、この選択式試験に苦しめられて何度も試験にチャレンジする羽目になったという方も。
運にも左右されると聞くとなんだか真面目に試験勉強する気持ちが失せてしまうような気もしますが、勉強しないことには知識を身に付けることもできません。
難易度の高さに惑わされず、信念を持って勉強を進めていきましょう。
社労士試験に関するよくある質問
社労士試験に関するよくある質問についてまとめました。
社労士試験に関するよくある質問 |
・社労士試験は難しすぎる? ・社会保険労務士試験の本当の難易度は? ・社労士試験に合格するのはすごいことなの? ・社労士試験が「無理ゲー」といわれる理由は? ・社労士試験の勉強/タイムスケジュールは? ・社労士試験の難易度を大学入試で例えるとどれくらい? ・社会保険労務士の年収はどの程度? ・社労士のすごさを知りたい ・社労士試験の勉強時間の平均はどれくらい? ・社労士試験の勉強時間は最短でどの程度あればいい? ・社労士試験の難易度ランキングはどのあたり? |
1つずつ解説していきますね。
社労士試験は難しすぎる?
社労士試験は難しすぎるという声があるようです。
合格率は例年10%を切っていますから、その数字だけで見るなら難しい試験であることには違いありません。
ただし、「難しすぎる」と捉えるとなると、これは一概にはいえないというのが正直なところでしょうか。
世の中には、もっと合格率が低い国家試験もあります。
たとえば、司法書士や気象予報士の合格率は例年4~5%ですから、社労士試験よりももっと難易度が高いことになります。
社労士試験の受験を考えていても「難しすぎる」という理由だけで受験をためらってしまうのはもったいないでしょう。
社会保険労務士試験の本当の難易度は?
社労士試験の本当の難易度について知りたいという声が挙がっているようです。
社労士試験の難易度は、合格率が例年10%を切っていることから想像できる通り、決して簡単に合格できる試験ではありません。
その合格率の低さの裏に隠されているのが、社労士試験の試験形式の1つである選択式試験です。
選択式試験は、文中の空欄に入る適切な語句をリストから選択するというもの。
なんだそんなの簡単じゃないかと思うかもしれませんが、現役の社労士でも間違えるような奇問・難問が出題されることもあるのが選択式試験の恐ろしいところ。
どんな問題が出るかは運次第ということもあり、自分の実力だけではどうにもならないという点において、社労士試験の難易度をグッと上げている要因と思われます。
また、社労士試験は受験資格として学歴などの要件が問われる国家資格です。
誰でも受験できるわけではないことを考えると、そもそものハードルが高いことから、難易度が高いと感じている方もいらっしゃるようですね。
社労士試験に合格するのはすごいことなの?
社労士試験に合格するのは、すごいことなのでしょうか。
結論から申し上げると、すごいことだといっていいのではないでしょうか。
社労士試験は労基法や労働安全衛生法など、労働に関する法律のエキスパートです。
長時間労働や残業代未払い、有給休暇の消化などに関するトラブルは後を絶ちませんから、そこに労務の専門家である社労士がいれば、それだけで気持ちも安心するものですよね。
膨大な試験範囲を勉強し、合格率10%以下という狭き門をくぐってきているわけですから、その努力や忍耐力も認められて然るべきことです。
社労士試験が「無理ゲー」といわれる理由は?
社労士試験が「無理ゲー」といわれているようですが、その理由について考えていきます。
そもそも、「無理ゲー」とは何なのでしょうか。
これは実現不可能なことや乗り越えるのが困難なことをゲームにたとえた言葉で、SNS上でよく使われています。
社労士試験が「無理ゲー」といわれる理由は、やはりその膨大な試験範囲を勉強しなければならないことによるでしょう。
しかも社労士試験は法律の内容や仕組みをきちんと自分の頭で理解しなければならず、単なる暗記だけでどうにかなる試験ではありません。
法律の勉強に馴染みのない初学者にとってはそれだけでつまずきそうな内容であり、実際に難解な法律用語がたくさん出てくることからも、覚えきれない=無理ゲーといわれている理由のようです。
社労士試験の勉強/タイムスケジュールは?
社労士試験の勉強/タイムスケジュールは、「勉強始め」「インプット期」「アウトプット期」「まとめ」の4つの時期に分けて進めていくのがいいでしょう。
「勉強始め」では、まずテキストの通読を何度か繰り返し、基礎知識を吸収しつつ社労士試験の全体像を掴むようにします。
「インプット期」は、科目ごとに1つ1つ項目を勉強していきます。
テキストに問題が載っているのであれば、それも解きながら進めると良いでしょう。
「アウトプット期」は、問題演習を中心に行います。
この時、テキストもまったく活用しないわけではなく、特に最初の頃に勉強した知識は間が空くと忘れがちのため、過去に習ったことも定期的に再度目を通すようにしましょう。
「まとめ」は、それぞれの法律が混同しないよう自分なりに表にしてまとめるなど、整理する期間です。
試験日までにどのタイミングで勉強を開始するかにもよりますが、長期スパンだと集中力も切れがち。
1週間に1回はリフレッシュ日を作るなどして、メリハリをつけて取り組むといいでしょう。
社労士試験の難易度を大学入試で例えるとどれくらい?
社労士試験の合格率は例年10%以下と低いことから、その難易度を大学入試で例えるとどのくらいなのか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
複数のサイトを調査した結果、社労士試験を偏差値にするとだいたい60~64といわれていることがわかりました。
これを大学に例えるなら、国公立大学だと北海道大学、神戸大学、名古屋大学、私立大学だと青山学院大学、中央大学、同志社大学、立命館大学などでしょうか。
確かに名だたる大学ばかりですが、当然のことながら社労士試験と大学入試は全く別物であり、こういった比較にあまり意味はありません。
そもそも社労士試験の受験者の中には様々な経歴を持った方がいますし、偏差値の高い大学を出ているから一発合格しているというわけでもありません。
多くの方は忙しい仕事の合間をぬって勉強を重ね、人知れぬ努力をしています。
社労士試験は学歴や実務経験が受験資格として問われる試験ではありますが、その合格を左右するのは、全ては本人の努力次第です。
偏差値に例えるとどうなのかといった情報にばかり目を向けるのではなく、自分自身の努力で合格を勝ち取るという強い意志を持っていきましょう。
社会保険労務士の年収はどの程度?
社労士の資格を取得したはいいけど、実際にこの資格を持っていることで年収がどの程度になるのか、これも気になるところですよね。
ユーキャン、アガルートなどの資格サイトを確認すると、社労士の平均年収は約400万~約500万円といわれていることがわかりました。
もちろん、実際の年収は年齢や経験、地方在住なのか首都圏在住なのかによっても大きく異なってきます。
また、勤務先の中で社労士になるのか、自分で独立開業する道を選択するかによっても変わります。
社労士としてガッツリ稼ぎたいのか、今いる職場の中でプラスアルファとして稼ぎたいのか。
自分のライフスタイルに合った選択ができると良いですね。
社労士のすごさを知りたい
社労士が実際どのくらいすごいのか、そのすごさについて知りたいという声があります。
社労士は雇用問題や社会保険、公的年金などに関わるスペシャリストであり、これらの分野では唯一の国家資格です。
試験範囲の膨大さもさることながら、試験の合格率は例年10%以下という低さですから、この試験に合格することは簡単ではないことがわかりますね。
また、社労士試験は試験勉強の中で産休や育休についても学ぶことから、女性ならではの目線が活かされる資格ともいえます。
もちろん、男性にとっても大切なことには違いありませんが、実際に妊娠・出産を経験するのは女性であり、産休・育休をめぐる労務トラブルもまた、多くは女性が経験しています。
こういった女性目線での活躍ができることも、社労士のすごさといっていいのではないでしょうか。
社労士試験の勉強時間の平均はどれくらい?
社労士試験の勉強時間の平均がどの程度なのか、気になっている方もいらっしゃるようです。
社労士試験を勉強するのに必要といわれる800~1,000時間程度という数字から算出すると、約900時間程度が平均といえるでしょうか。
とはいえ、従事している仕事内容や子育て、介護など、人によってライフスタイルは大きく異なりますから、この数字だけを参考にして勉強時間を決めることはおすすめしません。
勉強に慣れているかどうかや学力も千差万別ですし、500時間の勉強で合格できる方もいれば、1,000時間以上勉強しても不十分な方もいます。
「どの程度勉強すれば大丈夫」という保証はできないのです。
合格を決めるのは、あくまであなたの努力次第であるということを忘れないでください。
社労士試験の勉強時間は最短でどの程度あればいい?
社労士試験の勉強時間は、最短でどの程度必要なのでしょうか。
結論から申し上げると、最短でどの程度の勉強時間が必要なのかは、人によって異なります。
先ほど「社労士試験の勉強時間の平均はどれくらい?」のところで述べたことの繰り返しになりますが、人それぞれ従事している業務や置かれた状況は違います。
1日3時間勉強できる環境にある方もいれば、1日30分の時間さえも捻出するのが難しい方もいます。
1,000時間以上勉強したのに不合格だったという方もいれば、500時間程度の勉強だったけど合格できたという方もいます。
社労士試験に限らずですが、難関国家資格に合格されている方というのは自分のペースを保って勉強されている方が多いように思います。
最短これだけ勉強したから絶対合格できるというものではなく、たとえ受験までわずかな時間しかなかったとしても、その間で自分がどれだけ努力できたか。
全てはそこに尽きることを忘れないでください。
社労士試験の難易度ランキングはどのあたり?
社労士試験の難易度ランキングは、どのあたりに位置しているのでしょうか。
合格率をもとに解説していきます。
社労士試験の合格率は例年6~7%であり、この数字だけを見るとかなり難しいといえるでしょう。
他の国家資格と比較してみると、行政書士試験の合格率は約10~13%、宅建士試験の合格率は約15%ですから、この2つよりは難易度が高いことがわかります。
気象予報士試験や司法書士試験の合格率は4~5%ですから、社労士試験はこれらの試験よりは少し易しいといえるでしょう。
社労士試験を偏差値に直すとだいたい60~64あたりですから、難関資格に分類されています。
簡単に合格できる試験ではないことは間違いありませんが、難易度に囚われて諦めてしまうのはもったないといえます。
結果はどうあれ、難関資格にチャレンジしたということは自分の財産にもなりますから、まずは挑戦しようと思うことが大切なのではないでしょうか。
まとめ
社労士試験に合格するのに必要な勉強時間、学習スケジュールやおすすめの勉強方法について紹介してきました。
働き方改革が叫ばれて久しい現代、働き方も多様になり、労務トラブルの内容も年々複雑化してきています。
今後もますます社労士試験の需要は高まってくるでしょう。
労務の知識をフルに活かせる社労士試験、あなたもぜひ合格を目指して頑張ってくださいね。
社労士試験の通信講座は、こちらの記事でもまとめています。
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