社労士の難易度は?他の資格とのランキング比較や独学・勉強時間についても解説!

労働や雇用に関する知識を学べる社会保険労務士の資格は、企業内で活かしやすいので人気があります。

  • 難易度は高い?
  • 受験者の合格率や勉強時間はどれくらい?
  • 合格のためにどんな勉強をしたらいいの?

社会保険労務士の試験をいざ受験しようと思っても、難易度や勉強法など気になることが多くて中々一歩を踏み出せない方も多いはず。

社会保険労務士試験は国家資格の中でも難易度が高く、傾向をつかんで効率よく勉強することが大切です。

本記事では、社会保険労務士試験の難易度に加えて、受験者の実態から合格のために必要な勉強時間や勉強法も紹介します。

本記事を読むことで社会保険労務士試験を突破するための知識を身につけられます。

また、以下記事では社労士の通信講座おすすめランキングを紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてください。

社労士の通信講座おすすめランキングを見る

サイト監修者情報

徳永浩光

キャリアコンサルタント Webメディア監修

キャリアコンサルタントの視点から情報発信

国家資格キャリアコンサルタント所持。キャリアコンサルタントの視点からWebメディアを監修。キャリア形成、資格取得に関しての情報を発信。

マイベストプロ掲載

キャリコンサーチ掲載
目次

社会保険労務士試験の難易度は高い

社会保険労務士試験の概要
受験資格
  • 学歴要件
  • 実務経験
  • 国家試験合格者

上記のいずれかの条件を満たした者

試験内容
  • 労働関係科目6科目
  • 社会保険関係科目4科目

それぞれ選択式・択一式で全110問

合格ライン 年によって異なる
(例)

  • 選択式:合計28点以上で各科目3点以上
  • 択一式:合計49点以上で各科目4点以上
合格率 平均7.5%
必要な勉強時間 1000時間

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト、ユーキャン公式HP)

社会保険労務士試験の受験資格は、高卒だと実務経験がないと受けられないなど細かく決まっています。

労働関係と社会保険関係の科目が用意されており、10科目すべてに合格基準点が設けられているのですべての科目で点数を取らなければいけません。

10年間平均合格率は7.5%と非常に低く、1000時間以上の勉強時間が必要といわれているため、難易度が高い試験です。

社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、目安として1,000時間以上といわれています。しかし難関資格のため、1回目で合格する割合は少なく、何度も受験している人も大勢います。つまり、1,000時間勉強すれば必ず合格できるとは限りませんので、目安として考えるとよいでしょう。

(引用元:ユーキャン公式HP)

ユーキャンの公式サイトで社会保険労務士試験に合格するために必要な勉強時間は、1000時間とされています。

毎日1~2時間勉強しても1年以上かかるため非常に難しい試験です。

年収や資格内容は?社会保険労務士とは

社会保険労務士とは、企業の労働や保険に関する手続きや相談に対応する仕事です。

人事に深く関わることも多く、企業の中では非常に重要なポジションといえます。

社会保険労務士の仕事概要
主な就職先
  • 社労士事務所
  • 企業の人事総務部門
  • 法律事務所
業務内容
  • 労働社会保険手続
  • 労務管理の指導
  • 年金相談
  • 紛争解決手続代理
  • 補佐人の業務
年収 平均500万円
資格取得に必要なもの
  • 社会保険労務士試験の合格
  • 社会保険労務士名簿に登録

(参考:全国社会保険労務士連合会、ユーキャン公式HP)

社会保険加入や年金手続きの代行をしたり補佐人として弁護士と一緒に訴訟に対応したりと、人事労務管理を幅広くサポートします。

また、労務管理全般や年金制度に関しての相談に乗ることもあり、企業に勤める従業員が安心して働ける環境づくりをするのが使命です。

ユーキャンの調査では平均年収は500万円で、独立して事務所を開業することで1000万円以上も目指せるという結果でした。

社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、目安として1,000時間以上といわれています。しかし難関資格のため、1回目で合格する割合は少なく、何度も受験している人も大勢います。つまり、1,000時間勉強すれば必ず合格できるとは限りませんので、目安として考えるとよいでしょう。

(引用元:ユーキャン公式HP)

男女で給料の格差が出にくいとの実態もあるようです。

厚生労働省が実施した賃金構造基本統計調査によると、社労士の平均年収はおよそ500万円ほどという結果が出ています。これはあくまで平均であり、もちろんもっと稼いでいる人や、少ない人もいます。

会社勤務の社労士の場合、昇給やボーナス、役職などにより個人の年収が変わります。しかし、社労士の年収は男女による大きな差が出ないのも特徴で、女性でも500万円以上の年収を目指せます。

(引用元:ユーキャン公式HP)

年収が性別によって左右されない職業なので、高収入を目指したい女性にもおすすめといえます。

難しすぎ?社会保険労務士の難易度が高いといわれる理由

社会保険労務士の難易度が高いといわれる理由は、主に次の4つが挙げられます。

  • 受験資格が細かく設定されている
  • 合格基準点が各科目に設けられている
  • 合格率が低い
  • 合格に必要な勉強時間が1000時間と多い

全国社会保険労務士連合会が公開している受験資格では、学歴や実務経験の有無などが細かく決められています。

そのため、高卒で実務経験がない人だと他の国家資格を取得しなければ受験できません。

合格基準点は科目ごとにその年の難易度によって決められ、合格発表時に公開されます。

得意な科目だけ勉強したり特定の科目を捨てたりできないのも難易度が高いといわれるポイントです。

また、社会保険労務士試験オフィシャルサイトがまとめた合格者数の推移から計算したところ、合格率は10年間平均で7.5%でした。

100人受験しても7人程度しか受からない点からも難易度の高さがうかがえます。

ユーキャン公式サイトには勉強時間の目安は1000時間と記載されており、1日2時間勉強したとしても1年4ヶ月かかる高難易度の試験です。

社会保険労務士の受験資格

社会保険労務士の受験資格で難易度が高いポイント

高卒や中卒だと国家資格か3年以上の実務経験がないと受けられない

社会保険労務士の受験資格は次の項目ごとに規定されています。

  • 学歴
  • 実務経験
  • 試験合格

3つの項目のいずれかを満たしていれば受験することが可能です。

学歴

学校 受験できる条件
大学
  • 卒業
  • 62単位以上の卒業要件単位を修得
  • 一般教養科目36単位以上+合計48単位以上の卒業要件単位を修得

(専門教育科目等の単位を含む)

短期大学 卒業
専門職大学 卒業
専門職短期大学 卒業
5年制高等専門学校 卒業
専門学校 修業年限2年以上+課程の修了に必要な総授業時間数62単位以上の専修学校の専門課程を修了
その他
  • 厚生労働大臣が認めた学校を卒業
  • 全国社会保険労務士会連合会の受験資格審査で短大卒と同等以上の学力があると認められる
  • 旧高等学校令による高等学校高等科、旧大学令による大学予科、または旧専門学校令による専門学校を卒業か修了

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

基本的には大学・短期大学・専門職大学・専門職短期大学・5年制の高等専門学校のいずれかを卒業している方であれば受験資格を得られます。

大学生は受験資格を満たす単位を取得していれば在学中でも受験可能です。

専門学生は就業2年以上など決められた条件をクリアしなければいけません。

また、上記の大学に該当しなくても受験資格を認めた学校を卒業していれば試験を受けられます

厚生労働大臣が認めた学校は社会保険労務士試験の公式サイトに掲載されているので、自分が該当しているか気になる方はご確認ください。

実務経験

実務経験 受験できる条件
労働社会保険諸法令の規定に基づき設立された法人の役員又は従業者 同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上
国又は地方公共団体の公務員等 行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上
日本郵政公社の役員又は職員 行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上
全国健康保険協会又は日本年金機構の役員又は従業員 社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上
社会保険労務士又は弁護士の補助者 (社労士法人、弁護士法人を含む)
それぞれの事務に従事した期間が通算して3年以上
労働組合の専従役員 専従した期間が通算して3年以上
会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含む)の労務担当役員 労務を担当した期間が通算して3年以上
労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者 労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して3年以上

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

受験資格を得るためにはすべて通算3年以上の実務経験が必要で、業種の多くは社会保険労務士の業務に似ています。

学歴の条件を満たせなくても上記の実務経験があれば社会保険労務士試験の受験が可能です。

自分の実務経験が受験資格を満たしているかわからない方は、全国社会保険労務士連合会に実務経歴証明書と送付状を送って回答をもらいましょう。

試験合格

試験 受験できる条件
社労士試験以外の国家試験 厚生労働大臣が認めた国家試験に合格
司法試験予備試験等 司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験又は高等試験予備試験に合格
行政書士試験 行政書士試験に合格

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

学歴や実務経験で受験資格を得られない場合は他の国家試験に合格しなければいけません

司法試験予備試験や行政書士試験のほか、厚生労働大臣が認めた国家試験も対象です。

社会保険労務士試験の受験ができる国家試験については、社会保険労務士試験オフィシャルサイトで確認できます。

社会保険労務士の合格率は?合格したらすごい?

社会保険労務士の合格率で難易度が高いポイント
  • 過去10年間の平均合格率7.5%
  • ほかの資格と比べても合格率が低い
  • 過去10年間で一度も合格率が10%を超えたことがない

社会保険労務士試験の合格率は平均7.5%で、2023年最新だと6.4%と非常に低い数字です。

合格率は過去10年間一度も10%を超えたことがなく、最も高い年でも9.3%にとどまっています。

社会保険労務士試験の合格率は10〜15%程度の行政書士や宅建の試験と比べても低く、難易度が高い試験です。

2023年は6.4%!10年間の社会保険労務士試験の合格率

社会保険労務士試験オフィシャルサイトで公表されている受験者数・合格者数推移は以下のとおりです。

(引用元:社会保険労務士試験公式HP)

受験者数は10年前と比べると10,000人弱減っていますがその分合格者数も減っています。

推移表から合格率を計算すると以下のようになりました。

年度 合格率
平成25年度(2013) 5.4%
平成26年度(2014) 9.3%
平成27年度(2015) 2.6%
平成28年度(2016) 4.4%
平成29年度(2017) 6.8%
平成30年度(2018) 6.3%
令和元年度(2019) 6.6%
令和2年度(2020) 6.4%
令和3年度(2021) 7.9%
令和4年度(2022) 5.3%
令和5年度(2023) 6.4%

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

過去10年間の合格率は2.6〜9.6%の中で推移しており、平均すると7.5%です。

令和4年度の合格率は5.3%(昨年は7.9%)となりました。直近の過去5年間の合格率は6〜7%台を推移していたため、約6年ぶりに6%台を下回ることとなり、厳しい結果となりました。

(引用元:スタディング公式HP)

2023年度は受験者42,741人に対して合格者は2,720人という結果で、合格率6.4%と平年に比べて低い数値でした。

他の国家資格の合格率と比較

社会保険労務士試験と他の国家試験の合格率を比較しました。

国家資格の種類 平均合格率 最新年合格率
社会保険労務士 7.5% 6.4%
行政書士 11.2% 11.18%
宅地建物取引士 16% 17%
司法書士 4.6% 5.19%
公認会計士 10% 7.7%
薬剤師 84% 88.89%

(参考:行政書士試験研究センター、不動産適正取引推進機構、法務省、公認会計士・監査審査会、厚生労働省)

社会保険労務士の合格率は今回比較した5つの国家試験の中でも非常に低いことがわかります。

合格に必要な目安の勉強時間1000時間の社労士に対し、目安勉強時間が3000時間以上必要な司法書士は、平均合格率も4.6%と非常に低い試験です。

司法書士試験の合格に必要となる勉強時間は、一般的に法律初学者の場合には3000時間と言われています。ただし、これはあくまでも最短合格者の場合であり、かなり少なく見積もった数字です。

(引用元:アガルート公式HP)

ただし、平均合格率10%を切る社労士試験は、司法書士以外の国家資格と比べると合格率が低いことがわかります。

社会保険労務士の合格率は今回比較した5つの国家試験の中で、難易度が高いとされる司法書士試験の次に低い結果となりました。

社会保険労務士試験は国家資格の中でも合格率が低いので、非常に難しい試験といえます。

社会保険労務士試験の合格ライン

社会保険労務士の合格ラインで難易度が高いポイント
  • 総得点と科目ごとの基準点を越えなければいけない
  • どの科目も6~7割はとる必要がある
  • 年によって合格ラインが異なる

社会保険労務士試験の合格基準点は「選択式と択一式の総得点」「科目ごとの得点」でそれぞれ決められており、苦手科目であっても6〜7割は取らなければいけません

また、基準点はその年の難易度や前年度の合格基準点によって決まり、合格発表時までわからないので対策しづらいのも難しいポイントです。

社会保険労務士試験の合格ライン

年によって異なりますが、2023年度の合格基準点は次のとおりです。

試験の方式 配点 合格基準
選択式試験
  • 各問1点
  • 1科目5点満点
  • 合計40点満点
総得点26点以上かつ各科目3点以上
択一式試験
  • 各問1点
  • 1科目10点満点
  • 合計70点満点
総得点45点以上かつ各科目4点以上

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

社会保険労務士試験の合格ラインは各科目に合格基準点が設けられています。

2023年を例にとった場合、選択式試験の総得点30点でも2点の科目があれば不合格です。

合格基準点は合格発表時まで公表されませんが、基本的に択一式4割・選択式6割の点数を取らなければいけないことがユーキャンの調査でわかっています。

社労士試験の合格ラインは、全体の7割の点数を獲得する必要があると考えられます。なおかつ、「択一式」は科目ごとに満点の40%以上、「選択式」では60%以上の点数を獲得しなければなりません。1科目でも合格基準点に満たない場合は、総合点数が合格ラインにあっても不合格となりますので注意しましょう。

(引用元:ユーキャン公式HP)

社会保険労務士試験に受かるためには捨て科目を作らず満遍なく勉強する必要があり、難易度が高い試験です。

ほか国家資格の合格ラインと比較

合格基準をほかの国家資格と比べました。

国家資格の種類 全体の基準点 科目ごとの基準点 基準点の決め方
社会保険労務士 あり あり 相対評価方式
行政書士 あり 一部あり 基本的に絶対評価方式
宅地建物取引士 あり なし 相対評価方式
司法書士 あり 一部あり 相対評価方式
公認会計士 あり 一部あり 絶対評価方式
薬剤師 あり あり 相対評価方式

(参考:行政書士試験研究センター、不動産適正取引推進機構、法務省、公認会計士・監査審査会、厚生労働省)

社会保険労務士試験のように相対評価方式を取り入れている国家試験は宅建、司法書士、薬剤師とありますが、全科目に基準点が設けられているのは薬剤師国家試験のみでした。

しかし、薬剤師の合格率は80%と高いので試験自体の難易度は高くないといえます。

その他の国家試験はいずれも全体のみ、または一部科目のみ基準点が決められているため得意科目に力を入れるなどの対策が可能です。

また、絶対評価を取り入れている行政書士や公認会計士は合格ラインが明確で対策しやすいといえます。

社会保険労務士試験は他の国家資格と比べても、合格基準点が厳しい試験です。

社会保険労務士試験の勉強時間

社会保険労務士の勉強時間で難易度が高いポイント
  • 1日2時間勉強するとしても1年程度かかる
  • 暗記系が苦手だとさらに勉強時間が必要になる可能性あり
  • 各科目を網羅する勉強しなければさらに時間がかかる

スタディングの情報では社会保険労務士試験に合格するために必要な勉強時間は500〜1,000時間といわれています。

司法書士や公認会計士に比べると少ないのですが、毎日2〜3時間勉強しても1年以上かかるのである程度の時間を確保しなければいけません。

暗記科目があるほか、全科目で基準点を満たさなければならず、傾向にあった対策をする必要があるので難易度が高い試験です。

社会保険労務士試験の勉強時間

資格講座を行うスタディングでは、社会保険労務士試験の勉強時間が500〜1,000時間とされています。

社労士の合格に必要な勉強時間は500〜1,000時間程度といわれています。通信講座や資格スクールを利用すれば、独学に比べ短い時間で効率的に勉強できます。しかしその場合でも、500時間は確保する必要があるでしょう。

(引用元:スタディング公式HP)

勉強時間は個人差が大きく断定できるものではありませんが、スタディングで紹介している勉強時間は受験者の経験をもとにした結果なので、確保すべき時間の目安を決めるのに役立つでしょう。

毎日2時間勉強する場合は8ヶ月〜1年4ヶ月程度かかります

しかし、試験科目には暗記が必要なものがあり、各科目を満遍なく勉強する必要があるので、1年半以上かかると考えて対策を始めなければいけません。

他の国家資格の勉強時間と比較

他の国家資格の勉強時間と比べると次のような結果になりました。

国家資格の種類 勉強時間の目安
社会保険労務士 500~1,000時間
行政書士 500~1,000時間
宅建 100~500時間
司法書士 3,000時間前後
公認会計士 2,000~5,000時間

(参考:ユーキャン公式サイト、TAC公式HP)

資格の学校TACがまとめた司法書士試験の特徴では、全35問中20問を占める民法の難易度が非常に高いことがわかっています。

また、公認会計士の試験は出題範囲が広い上に相対評価で合格ラインが厳しいため高難易度です。

司法書士や公認会計士のように、問題や評価方式に癖がある国家資格は社会保険労務士より多くの勉強時間が必要です。

しかし、社会保険労務士試験も12科目の対策が必要な行政書士とほぼ同程度の勉強時間となっており、宅建の2倍以上の時間がかかる可能性もあるので難易度が高いといえます。

【ランキング】社会保険労務士試験の難易度比較まとめ

平均合格率や合格ライン、勉強時間の目安から独自にランキングを作成しました。

あらゆる項目から比較することで、社労士の本当の難易度が見えてきます。

今回は司法書士や行政書士など5つの国家資格と比較しました。

社会保険労務士試験と他国家資格の比較一覧表は以下のとおりです。

順位 国家資格の種類 平均合格率 科目ごとの基準点 基準点の決め方 勉強時間の目安
1位 司法書士 4.6% 全体・一部科目あり 相対評価方式 3,000時間前後
2位 社会保険労務士 7.5% 全体・科目ともにあり 相対評価方式 500~1,000時間
3位 公認会計士 10% 全体・一部科目あり 絶対評価方式 2,000~5,000時間
4位 行政書士 11.2% 全体・一部科目あり 基本的に絶対評価方式 500~1,000時間
5位 宅地建物取引士 16% なし 相対評価方式 100~500時間
6位 薬剤師 84% 全体・科目ともにあり 相対評価方式

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト、ユーキャン公式サイト、行政書士試験研究センター、不動産適正取引推進機構、法務省、公認会計士・監査審査会、厚生労働省、TAC公式サイト、スタディング公式サイト)

平均合格率が5%を切っており、3,000時間前後の勉強時間が必要になる司法書士に比べると社会保険労務士は難易度が低いでしょう。

しかし、その他の国家資格と比較すると、合格率が低く合格ラインが厳しく設定されていることがわかります。

公認会計士・行政書士・宅地建物取引士・薬剤師は合格率10%以上ですが、社労士は7.5%と低い数字です。

ただし、合格率は例年変わるので、必ずしもこの通りではありません。

また、社労士は勉強時間1000時間と行政書士の3000時間ほど多くありませんが、暗記系科目が多く対策範囲が広いことを考えると非常にレベルが高い試験といえます。

社会保険労務士試験は科目ごとの基準点や評価方式が厳しいため、効率よく勉強しなければ膨大な時間がかかってしまいます。

他の国家資格と比べても難易度が高い社労士試験に受かるためには、傾向を掴みながら対策を行うことが大切です。

公務員は一部免除!社会保険労務士試験の試験内容と科目別難易度

社会保険労務士試験の試験科目と配点を次の表にまとめました。

試験科目 選択式計8科目(配点) 択一式計7科目(配点)
労働基準法
労働安全衛生法
1問(5点) 10問(10点)
労働者災害補償保険法
労働保険徴収法
1問(5点) 10問(10点)
雇用保険法
労働保険徴収法
1問(5点) 10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 1問(5点) 10問(10点)
社会保険に関する一般常識 1問(5点)
健康保険法 1問(5点) 10問(10点)
厚生年金保険法 1問(5点) 10問(10点)
国民年金法 1問(5点) 10問(10点)
合計 8問(40点) 70問(70点)

(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)

それぞれの労働保険徴収法や労働安全衛生法を含む10科目が試験科目で、択一式のほうが配点が高いのが特徴です。

また、公務員として10~15年以上の勤務経験があれば、従事した業務内容に合わせて一部科目が免除されます。

各科目の試験内容や難易度は次のとおりです。

【労働基準法】難易度★★☆☆☆

労働時間や給料など企業が定める労働条件に関する問題が出題されます。

傾向としては、条文以外にも「通達」と呼ばれる行政の内部文書や「判例」から出題されるケースもあるため、単純な条文の暗記ではなく、理解中心の学習が望まれます。

(引用元:スタディング公式HP)

このように、労働基準法は判例を使った問題もあり、難しい問題が多い傾向にあります。

有給や残業など聞きなれた単語が多く、取り組みやすい科目ですが、試験範囲の多くを占める保険との関わりは薄いので時間を取りすぎないようにしましょう。

【労働安全衛生法】難易度★★★★☆

職場の安全や衛生に関わる内容や災害防止対策が範囲です。

なじみのない規定や語句が多く、全体のイメージをつかみにくい。

(引用元:TAC公式HP)

聞きなじみのない言葉が多い科目で、覚えづらいので暗記が苦手な方は早めに取り掛かるのがおすすめです

しかし、配点は労働基準法と合わせて15点と少ないため時間をかけすぎないようにしましょう。

【労働者災害補償保険法】難易度★★★☆☆

職場や通勤中のケガ・病気・死亡にかかる費用やあらゆる補償について定めた法律に関する問題が出されます。

業務災害や通勤災害など具体的なケースに関する内容は、問題を解きながら理解を深める学習方法がおすすめです。

(引用元:TAC公式HP)

業務災害や通勤災害は具体例を使った問題が多いのが特徴です。

保険給付の支給要件と、その支給額を各保険給付ごとに整理することが難しい。

(引用元:TAC公式HP)

保険給付に関する問題は整理に時間がかかりやすく、難易度が高いので早めに取り組む必要があります。

【労働保険徴収法】難易度★☆☆☆☆

労働保険徴収法は労災保険や雇用保険の法律に関する問題です。

内容はそこまで多くないのですが配点は6点と高いので得点源になりやすく、難易度は高くありません。

労災保険と雇用保険(あわせて労働保険と呼ばれます)の保険料の徴収方法や、加入手続きなど、事務手続きについて定められている法律です。保険関係の成立、労働保険料の申告・納付、保険料額の計算問題等が出題されます。

(引用元:TAC公式HP)

ただし、保険料に関する計算問題が出されることがあるため、数学に苦手意識がある方は時間を長めにとって勉強するのがおすすめです。

【雇用保険法】難易度★★☆☆☆

失業に関する問題で、失業期間中の手当や失業防止の対策に関するものが多い科目です。

労働者が失業した場合などに、必要な給付を行うことによって労働者の生活と、雇用の安定を図るとともに就職を促進し、さらに失業の予防等労働者の福祉の増進を図ることを目的した法律です。労働基準法と並ぶ重要度の高い法律です。

(引用元:スタディング公式HP)

労働基準法と同程度の難易度で、難しい科目のため過去問を繰り返し解きながら時間をかけて学習しなければいけません。

理解とともに、暗記をしなければならない数字が多い。

(引用元:TAC公式HP)

また、覚える単語が多く、暗記系科目が苦手だとさらに難しいと感じる可能性があります。

【労務管理その他の労働に関する一般常識】難易度★★★★★

従業員の効率的な管理に関する労務管理や労働時間・給料の統計数値が出題範囲です。

①労働組合法・労働契約法等の労働関係法規、②労働統計や雇用動向等の労働経済、③労務管理の3分野からなります。諸法令・労働経済・労務管理を通して広く出題されています。

(引用元:TAC公式HP)

法令や労務管理など出題範囲が非常に広いほか、傾向が掴みづらく全科目の中でも高難易度なので十分な対策を行いましょう

法的知識ではなく、労働問題に関する情勢分析力が必要となるため、過去問対策では習得が困難です。ですが、まずは過去の試験問題から出題頻度の高い分野を把握し、厚生労働白書や労働経済白書などから情報収集に努めましょう。

(引用元:スタディング公式HP)

情勢が関わる分野で過去問だけでは対策しきれません。しかし、時間をかけすぎると他の科目に手が回らなくなるため、合格ラインを目指して効率よく勉強しましょう。

【社会保険に関する一般常識】難易度★★★☆☆

法律科目の法令で社会保険にかかわるものが出題されます。

社会保険の歴史的沿革や、社会保険の管理運営・最近の動向、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、介護保険法などの社会保険関係の諸法規からなります。諸法令、医療と年金の各制度の関連、社会保険の実態や数字等が出題されている。

(引用元:TAC公式HP)

医療費や年金に関する問題も多く、数字を暗記しなければ解けないようなものもあります。

しかし、基本的に法令から出されるため出題範囲は広くありません

出題範囲が広い労働の一般常識に比べて難易度は下がりますが、後回しにすると対策が十分にできないので計画的に勉強を進めることが大切です。

【健康保険法】難易度★★★☆☆

労働とは関係なくケガをしたり病気になったりしたときの医療の提供や生活保障について出題されます。

1科目で10点と配点が高く、総得点に貢献してくれる科目です

一般人にはなじみ深い法律であり、仕組みもさほど複雑ではありません。全体像をしっかり捉えることができれば、問題も解きやすくなります。

(引用元:スタディング公式HP)

頭に入りやすい法律なので、難易度はそこまで高くありません。得点源になるように、しっかり基本を抑えておきましょう。

【厚生年金保険法】難易度★★☆☆☆

サラリーマンなどの保障について定めた法律から出題されます。

会社員や公務員の老齢や生涯、死亡についての給付を規程している法律です。前提として、国民年金法と健康保険法の理解が欠かせません。裏を返せば、このふたつをマスターしていれば厚生年金法もスムーズに理解できるということです。

(引用元:スタディング公式HP)

健康保険法や国民年金法と組み合わせて勉強していれば点が取れる科目で難易度は高くありません。

配点も10点と高めですが、内容は難しいので油断せずに勉強しましょう。

年金制度の仕組みが複雑で理解しにくく、国民年金法の知識があることを前提にした問題も出題されるため、学習上のボリュームが非常に多い。

(引用元:TAC公式HP)

受験生の中にはイメージの掴みづらさから苦手意識を覚える人もいます。ボリュームが多い科目のため、他の科目との関連を見つけながら効率よく対策を行いましょう。

【国民年金法】難易度★★★☆☆

勤務体系などにかかわらずすべての国民が対象になる生活保障が出題範囲です。

自営業者や被扶養配偶者(例えば会社員の妻など)を主たる対象者としながらも、全国民共通の「基礎年金」としての役割も担っている年金を規定している法律です。老齢や障害、死亡についての給付を規定しています。保険給付、被保険者、費用等の出題が多いです。

(引用元:TAC公式HP)

保険給付や費用についての出題が多く、年金に苦手意識を持ちやすいですが繰り返し学習してマスターすれば大きな得点源になる科目です。

年金額の計算は、頭のなかで計算式を理解するだけでなく、実際に計算するほうが知識も定着します。

(引用元:スタディング公式HP)

計算問題も出題されるので、事前に何度も過去問で解いてしっかりと対策を行っておきましょう。

MARCHレベル?社会保険労務士試験の難易度を大学で例えると?【他資格の例もあり】

国家資格は大学の偏差値で完璧に表すことはできませんが、目安として例えることは可能です。

大学受験は多くの人が経験しているため、偏差値に例えることでより難易度が把握しやすくなります。

社会保険労務士試験の難易度を大学で表すと次のように例えられます。

大学名 偏差値 試験
東京大学、京都大学 68~ 司法試験、予備試験
慶応大学、早稲田大学、上智大学 65~67 不動産鑑定士、司法書士、弁理士
MARCH 60~64 社労士、土地家屋調査士、中小企業診断士、行政書士、技術士二次試験、通関士マンション管理士、ケアマネジャー
日本大学、東洋大学、駒澤大学専修大学 55~56 技術士一次試験、宅建、測量士、管理業務主任者社会福祉士、インテリアコーディネーター

(引用元:アガルート公式HP)

アガルートが大学の偏差値と資格試験の難易度を調査した結果、社会保険労務士はMARCHレベルということがわかりました。

明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学をまとめた呼び名がMARCHで、首都圏の中でも難易度が高い大学として有名です。

社会保険労務士試験は早稲田大学や慶応大学に次ぐ難関大学に例えられるレベルなので、難しい試験といえるでしょう。

行政書士は平均合格率11.2%で社労士よりも合格率は高いようですが、大学の偏差値で例えるとMARCHレベルです。

また、平均合格率が4.5%を切る司法書士は偏差値65以上の慶応、早稲田、上智と同等でした。

勉強時間100〜500時間で平均合格率16%の宅建は社労士より下の偏差値55〜56程度です。

社労士試験はもちろん難しい試験ですが、同等レベルの試験も多くありました。

絶対に合格できない試験ではないので、難易度を理解した上で試験に挑戦すれば受かる可能性も十分にあります。

簡単だった?社会保険労務士試験を受けた人の感想から難易度調査

合格率や勉強時間だけでなく試験を受けた人の意見から難易度を知ることで、試験の実情がよりリアルにわかります。

そこで、実際に社会保険労務士試験を受けた人の感想を調査しました。

社労士試験は他の資格を受けた人でも難易度が高いと感じていたり特定の科目が難しかったりと、難易度の高さに関する意見が多くありました。

https://twitter.com/neko_wanko1/status/1601087668544475136 https://twitter.com/52xzu8Pk5tnmZTU/status/1601890276196290560

やはり他の試験に比べて難易度が高いことがわかり、試験内容も癖が強いということがわかりました。

社労士の仕事をする上でここまで難しい試験は必要ないという声も多く、難易度調整を求める意見もありました。

実際社労士試験に受からなかった人も多く、何度も落ちている人も多い印象です。

https://twitter.com/ganbarikyokorin/status/1601571491073884160

今回の調査では、社労士試験に1度で受かったという声は少なく、多くの人が2~3回程度受験しているようでした。

また、5回以上受けているという方もいたので傾向が掴みにくい試験といえます。

社労士試験が簡単だという声は非常に少なかったですが、時間と体力さえさえあれば受かるという意見もありました。

https://twitter.com/automatico625sr/status/1599247584237084674

落ちた人の勉強時間はわかありませんが、合格者は多くの勉強時間を確保できた方が多くいました。

何度も受験して受かったという人もいるため、対策に時間をかけることで受かる可能性は十分にあるといえます。

働きながらたくさん勉強することは難しく感じますが、仕事をしながら社労士試験に合格した方もいるのでスキマ時間を見つけながら学習するようにしましょう。

社会保険労務士試験の合格者・不合格者の特徴は?

アガルートの調査を参考に社会保険労務士試験に受かる人と落ちる人の特徴を解説します。

合格者は不合格者に比べて勉強時間が多く、2〜3回で受かっている傾向にあるため、なるべく社労士試験にかける時間を増やすことが大切です。

合格者・不合格者の勉強時間

合格者と不合格者の勉強時間を比較すると、合格者のほうが時間が長いことがわかりました。

順位 合格者の勉強時間 不合格者の勉強時間
1位 平日:3時間
(32.2%)
平日:2時間
(31.4%)
休日:5時間、6時間以上
(30.5%)
休日:6時間以上
(21.5%)
2位 平日:2時間
(23.7%)
平日:1時間
(16.2%)
休日:4時間
(16.9%)
休日:3時間
(16.2%)
3位 平日:1時間半
(10.2%)
平日:1時間半
(12.6%)
休日:3時間
(6.8%)
休日:4時間、5時間
(14.7%)
4位 平日:2時間30分、4時間
(6.8%)
平日:3時間
(12.0%)
休日:5時間半
(3.4%)
休日:2時間
(12.6%)
5位 平日:30分、1時間
(5.1%)
平日:30分、2時間半
(6.8%)
休日:30分、1時間、1時間半、4時間半
(1.7%)
休日:1時間
(7.9%)

(参考:アガルート公式HP)

合格者の約半分は平日2〜3時間、休日4時間以上勉強をしていることがわかりました。

1位と2位を比べると、合格者の方が不合格者より1時間ずつ勉強時間が多い結果です。

実際、ツイッターでは1日3時間以上勉強して受かっている人が多くいました。

たった1時間ですが1週間で7時間、1年で365時間の差が出るので大きな違いがあるといえるでしょう。

合格者・不合格者の講座受講期間

アガルートの講座を利用した期間では次のような違いがありました。

順位 合格者の受講期間 不合格者の受講期間
1位 10ヶ月
(35.6%)
10ヶ月
(16.2%)
2位 12ヶ月
(11.9%)
8ヶ月
(11.5%)
3位 13ヶ月以上
(10.2%)
6ヶ月
(10.5%)
4位 11ヶ月
(8.5%)
3ヶ月、5ヶ月
(9.9%)
5位 8ヶ月、9ヶ月
(6.8%)
12ヶ月
(8.9%)

(参考:アガルート公式HP)

合否に関係なくアガルートの講座受講は10ヶ月が最も多い結果です。

ツイッターでも10ヶ月以上講座に通って合格した方が多く、9ヶ月以下で合格したという声は今回の調査では見つけられませんでした。

https://twitter.com/mii71590835/status/1577995710686908416

合格者は12ヶ月以上受講した人が全体の20%に及びましたが不合格者の20%は6ヶ月と8ヶ月で、学習期間に関しても全体的に合格者の方が長い結果になりました。

合格者・不合格者の受験回数

合格者と不合格者の受験回数は次のとおりです。

順位 合格者の受験回数 不合格者の受験回数
1位 2回
(27.1%)
1回
(52.4%)
2位 3回
(20.3%)
2回
(19.4%)
3位 5回以上
(18.6%)
3回
(13.1%)
4位 1回目、4回目
(16.9%)
5回以上
(8.9%)
5位 4回
(6.3%)

(参考:アガルート公式HP)

合格者は2回目で受かった人が27.1%と最も多く、3回目、5回以上と続く結果です。

また、キャリカレの調査では合格までの平均受験回数は3~4回でした。

社労士試験に合格するまでの受験回数は、平均して3回から4回だといわれています。
これは、1、2回の受験での合格者数と、7回から8回受けてようやく合格できる合格者数がほぼ同じであるためです。

業務上すぐ必要となることが少ないため、長い時間をかけて勉強する方も多いことから、社労士試験を複数回受験するケースが多いのです。

(引用元:資格のキャリカレ公式HP)

一方、不合格者は1回目で落ちた人が全体の半分以上を占めており、受験回数が少ないと落ちやすい傾向にあります。

しかし、1回目で受かった人も16.9%いるので、目安程度に考えておきましょう。

高難易度の社会保険労務士試験に合格するための勉強法

合格率が低く、1,000時間程度の勉強時間が必要な社会保険労務士試験ですが、毎年2,000人以上の合格者が出ているのも事実です。

合格するためには試験範囲を十分に理解した上で勉強スケジュールを決め、効率的な対策をすることが大切です。

おすすめの勉強法を独学と講座受講にわけて解説するので、無理なく続けられる方法を選びましょう。

独学

社労士試験の勉強を独学で行うメリットとデメリットを解説します。

独学がおすすめな人の特徴や勉強のコツも紹介するので、独学で対策したい方は必見です。

メリット デメリット
  • 費用が安い
  • 理解しやすい教材が選べる
  • スキマ時間に勉強できる
  • 効率的に学習できない
  • モチベーションが下がりやすい
独学での勉強がおすすめの人
  • 何度か社労士試験を受験している
  • 通信講座を受けたことがある
  • 周りに社労士試験に詳しい人がいる

独学のメリットは費用を抑えながら好きな教材を使える点です。

通信講座は5〜20万円ほど費用が掛かりますが、独学であれば1冊2,000円程度のテキスト数冊で学習できます。

好きな教材を選べ、内容が入ってきやすいのもメリットの1つです。

また、講座受講の時間をまとめて作る必要がないので、仕事や家事の合間に勉強できます。

一方で、合格のための効率的な学習が難しく、モチベーションを維持しづらいのがデメリットです。

通信講座であれば社労士試験に詳しい講師から定期的に学べるので効率よく対策でき、人から学ぶことでモチベーションも上がります。

そのため、すでに社労士試験を受けたことがある人や通信講座の受講経験がある人だと、独学でも効率的に対策ができるでしょう。

初めて受験する方でも社労士試験に受かった友達や同僚に質問できる環境であれば、勉強法について聞きながら合格を目指せます。

独学で社会保険労務士試験に受かるコツ
綿密なスケジュールを立てて、コツコツと時間をかけて勉強することが大切!

独学で勉強するときは事前の計画をしっかり立て、時間をかけて対策するのがおすすめです。

実際、勉強時間や期間を細かく設定して合格された方がいました。

そうと決まれば8カ月間の勉強計画の作成です。合格目安勉強時間はウソかマコトか1000時間と言われているようです。ということは、残り8カ月×30日で割ると、1日4時間の勉強時間で合格できる計算になります。急な残業や出張で勉強できない日の調整は、休日の勉強時間を8時間にする事で調整はできそうなので、一日の勉強時間の設定を
平日:4時間以上
休日:8時間以上
とすることとしました。

(引用元:なつきの資格ラボ)

また、独学だと非効率的になりやすく、短い期間だと十分に対策できない可能性があります。

合格者に多い勉強時間を参考にして、平日2〜3時間、休日5時間以上を目安に勉強しましょう。

この生活を3ヶ月続けると社労士試験合格の目安である1,000時間に到達しますが、働いている方にとっては現実的ではありません。

10ヶ月〜1年程度かけてじっくり学習する計画を立てることで、無理なく勉強できます。

予備校や通信講座

次に予備校や通信講座を使った勉強の特徴を解説します。

効率やモチベーションの面では独学よりも上ですが、費用が高くなりやすいので注意しましょう。

メリット デメリット
  • 効率よく勉強できる
  • モチベーションが上がりやすい
  • 合格のためのサポートを受けられる
  • 費用が高くなりやすい
  • 時間を確保する必要がある
  • 教材がわかりにくいことがある
予備校や通信講座での勉強がおすすめの人
  • お金や時間に余裕がある
  • 初めて社労士試験を受ける
  • 一発で合格したい

予備校や通信講座は費用がかかりますが、合格に向けた十分なサポート体制が整っているのが魅力です。

点数を取るための効率的な学習に加え、場所によっては質問や添削などのサポートも受けられます。

定期的に講座を受講したり予備校に通ったりするので、モチベーションを維持しやすいのもメリットです。

独学よりも予備校のほうが合格できると感じている人は多いようです。

ただし、受講のために数時間予定を空ける必要があり、理解しにくい教材を使わなければいけないこともあります。

予備校や通信講座を受けるときは時間やお金に余裕があるか確認することが大切です。

予備校などは効率よく学習できるので、初めて試験を受ける方や一発で合格したい人におすすめです。

予備校や通信講座で社会保険労務士試験に受かるコツ
ストレスなく通えて効率的な勉強ができるところか事前にしっかりチェックしよう!

予備校や通信講座を使う場合は、使用する教材や各講座の勉強方針を確認して自分に合うところを選びましょう。

予備校も通信講座も会社によって特徴が大きく異なり、ライフスタイルや勉強方法に合ったところでなければ途中で挫折してしまいます。

https://twitter.com/chibimaruko2020/status/1603738092241682434

講師と相性が合わなかったり仕事の両立ができなかったりと、自分に合った講座や予備校を選ばずに後悔している人が多くいます。

無理なく通い続けられるところを選ぶことで試験まで集中して勉強できるので、その分合格率も上がります。

社会保険労務士試験の勉強でおすすめのテキスト3選

独学で勉強するときは教材だけを見て内容を理解し、試験の傾向にあった対策を行わなければいけません。

わかりやすく書かれており、実践的に学べるおすすめのテキストは次の3冊です。

社労士試験におすすめのテキスト
  • ユーキャンの社労士速習レッスン
  • うかる!社労士テキスト&問題集〈2024年度版〉
  • みんなが欲しかった!社労士の教科書2024年度版

また、テキストを選ぶ際は次のポイントを意識して選びましょう。

  • 図やイラストがあって理解しやすいか
  • 覚えるポイントが書かれているか
  • スキマ時間に使えるか

馴染みのない内容を理解するためには、文字だけでなく図やイラストを使って学ぶのがおすすめです。

図やイラストがあれば可視化して理解でき、難しい内容でもスムーズに理解できます。

また、覚えるポイントが明確に書かれている教材であれば、傾向をつかみながら実践力を磨けるでしょう。

さらに、分冊できたり赤シートで隠したりできるテキストは移動中などのスキマ時間を利用できるので、効率よく勉強できます。

ユーキャンの社労士速習レッスン

おすすめポイント
  • ユーキャン社労士講座のノウハウを学べる
  • 主要分野3つにわけて持ち歩きできる
  • 出題実績分析から効率のいい勉強法がわかる
図やイラスト 覚えやすさ スキマ時間に使えるか

ユーキャン講師陣のノウハウが書かれたテキストで、基礎から実践に使える知識まで幅広く学べます。

難解な法律用語の解説やユーキャンオリジナルの樹形図がついており、初心者でも理解しやすいつくりです。

また、過去5年分の出題実績を分析した表と科目ごとの勉強法がまとめて書かれていて、独学でも効率的な勉強ができます。

テキストは3分野で分冊でき、通勤途中の電車やバスで勉強したい方におすすめの1冊です。

うかる!社労士テキスト&問題集〈2024年度版〉

おすすめポイント
  • 一冊で基礎と実践力が身につく
  • 過去5年分の全問題が入っている
  • 付属の赤シートで効率よく覚えられる
図やイラスト 覚えやすさ スキマ時間に使えるか

問題集とテキストが一緒になったうかる!社労士テキスト&問題集は、一冊で基礎力と実践力を身につけたい方におすすめです。

基礎部分ではシンプルかつ要点をつかんだ解説で、試験に必要な知識を学べます。

直近5年分の問題がすべて入っており、学んだ知識を過去問を解いて自分のものにできるテキストです。

持ち歩くのは重くて大変ですが、赤シートが入っているのでスキマ時間を見つけて復習できます。

みんなが欲しかった!社労士の教科書2024年度版

おすすめポイント
  • フルカラーイラストやオリエンテーションつきで初心者にわかりやすい
  • 科目ごとに学習優先度が書かれていて勉強計画を立てやすい
  • 2冊に分解して持ち歩き可能
図やイラスト 覚えやすさ スキマ時間に使えるか

覚えにくい社労士試験の内容をかみ砕いて説明してくれていて、社労士試験に関する知識が一切ない方におすすめの入門テキストです。

フルカラーで全体像がつかめるイラストつきのため、難解な内容も理解しやすいでしょう。

3段階で学習優先順位が記載されており、ひと通り読み終わったあとは優先度が高いものから効率よく勉強できるのも魅力です。

本は労働関係科目と社会保険関係科目にわけて分解でき、持ち歩きしやすいので外出先でも気軽に勉強できます。

高難易度の社会保険労務士試験に関するよくある質問

社会保険労務士試験は難易度が高く出題範囲も広いので、調べているうちに多くの疑問が出てきます。

社会保険労務士試験の難易度に関するよくある質問
  • 無料テキストでも合格できる?
  • 偏差値40や50でも合格できる?
  • 社会保険労務士試験を受けるのにおすすめの大学や学部は?
  • 公務員で一部科目が免除された人の社労士試験合格率は?
  • 2回目や3回目の社労士試験対策ではテキストを買い替えるべき?

3つの疑問について詳しく解説するので、不安を解消して前向きな気持ちで試験勉強に取り組みましょう。

無料テキストでも合格できる?

無料テキストだけで社会保険労務士試験に受かるのは非常に難しいと考えましょう。

(引用元:スタディング公式HP)

スタディングで合格までにかかった費用を調査した結果、10万円以上が40人以上と最も多く、無料テキストのみで合格した人はたった数人でした。

本屋などで教材を買ったり通信講座を受けたりして対策した方が合格しやすいことがわかります。

しかし、無料テキストのみで受かった人もいるので不可能ではありません。

社労士は偏差値40や50でも合格できる?

たしかに社労士試験を大学偏差値で表すと60〜64程度ですが、40や50であっても合格できる可能性は十分にあります

ツイッターで調査したところ、偏差値が50以下で試験に合格している人が多くいました。

社労士試験は受験資格さえ満たしていれば、偏差値が低くても合格できる試験です。

偏差値に囚われずしっかりと対策するようにしましょう。

社会保険労務士試験を受けるのにおすすめの大学や学部は?

社会保険労務士試験を受けるなら法学部がある大学がおすすめです。

試験科目は労働基準法や国民年金法など法律に関するものが多く、法学部で学ぶ内容と似ています。

ただし、法学部での勉強でカバーできる範囲はそこまで多くないので、どこの大学であっても合格することが可能です。

公務員で一部科目が免除された人の社労士試験合格率は?

アガルートの公式サイトでは、一部科目が免除された人の合格率は10〜15%と書かれていました。

例年、免除された人の合格率は、10%〜15%を推移しています。社労士試験における一般受験生の合格率は例年5%前後なため、約2倍です。

(引用元:アガルート公式HP)

やはり、科目数が減るとその分別の科目の対策ができるので合格率が上がっています。

公務員が免除できる科目は1つですが、理解が難しく範囲が広い科目が多いので1科目減るだけでも各科目にかける勉強時間は増えるでしょう。

ただし、合格率は約2倍になっても宅建や行政書士と同程度です。

油断せずに時間をかけて対策を行いましょう。

2回目や3回目の社労士試験対策ではテキストを買い替えるべき?

社労士試験の場合過去に受験したことがあってもテキストは買い替えるのがおすすめです。

なぜなら社労士試験では法改正の問題が例年出題されるからです。

例年、社労士試験には法改正に対応した問題が出題されています。直前期は法改正対策へ向けて、十分な時間を確保しておきましょう。

(引用元:アガルート公式HP)

社会保険労務士試験の出題範囲では法改正が行われている内容が多く、毎年一定数出題されます。

同じテキストのほうが使いやすくお金もかかりませんが、十分な対策ができない可能性があるので毎年買い替えるようにしましょう。

まとめ:難易度の高い社会保険労務士は十分な対策が大切

社会保険労務士は例年5%前後の合格率で、合格ラインも厳しいので他の国家資格と比べても難易度が高い試験です。

試験は全10科目ありますが、それぞれ傾向や対策が異なるので効率よく勉強しましょう。

初受験や一発合格を目指す方であれば予備校や通信講座を利用するのがおすすめですが、理解しやすいテキストを使えば独学で合格できる可能性があります。

本記事で紹介したテキストや選び方のポイントを意識して自分にあった教材を使いましょう。

社会保険労務士試験の難易度や対策法を理解し、ライフスタイルに合った勉強で一発合格を目指しましょう。

通信講座で効率よく勉強したい方は以下記事を参考にしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

コメント

コメントする

目次