司法書士の難易度とは?行政書士や税理士などの資格とも比較

司法書士試験は難しすぎる?」など、司法書士の難易度が気になる方もいるのではないでしょうか。

司法書士の試験は、士業の中でも弁護士公認会計士と同様に、難易度はトップクラスです。

そこで、当記事では司法書士の難易度について、合格率や合格点、他の士業との比較などさまざまな視点から解説します。

さらに、司法書士は独学でも合格できるのか、士業の将来性についても触れているため、これから司法書士を目指す方の勉強期間の目安や将来の展望に役立ちます。

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目次

司法書士試験は難しすぎる?

司法書士は合格率が5%程度、試験範囲も広く、試験時間に余裕を持てない方が多い試験のため、簡単に取得できる資格ではありません。

さらに、学ぶ内容は法律であり、独特の言い回しや専門用語が含まれます。

内容を把握することが難しいうえ、理解していなければ解けない問題が出題されるため、学習内容に抵抗を感じる方もいます。

司法書士の合格率は5%程度

司法書士試験の合格率は5%程度であり、難関資格とされています。

司法書士 合格率

(引用元:法務省公式HP)

項目 内容
受験者数 13,372人
合格者数 695人
(男487人・70.1% 女208人・29.9%)
筆記試験合格点 満点280点中211.0点以上
(引用元:法務省公式HP)

令和5年度の試験では、受験者数13,372人のうち、合格者は695人、合格率は5.19%でした。

100名中5人程度しか受からない試験であるため、合格率から見ると難易度が高い資格です。

司法書士は試験範囲が広い

司法書士試験は、民法や不動産登記法、商業登記法、刑法、そして司法書士法と法律に関するものであり、日常的に馴染みのないものです。

日本司法書士連合会

(引用元:日本司法書士連合会公式HP)

試験範囲
  • 憲法
  • 民法
  • 商法
    (会社法やその他の商法分野に関する法令を含む)
  • 刑法
  • 不動産登記や商業登記
    (登記申請書の作成に関するものを含む)
  • 供託や民事訴訟、民事執行、民事保全
  • 司法書士法
    (第3条第1項第1号~第5号まで。業務を行うのに必要な知識)

(引用元:法務省公式HP)

このように、試験範囲も広く、科目によっては得手不得手を感じる方もいます。

実際に学習している方の中には、以下の口コミがありました。

行政書士の資格を取得していても、憲法や登記法など科目によって司法書士は難しいと感じている方もいます。

法律の言い回しや意味をとらえるのが難しい

司法書士の試験は法律に関するものばかりです。

そのため、法律を学ぶ点に壁を感じる方もいました。

初めて法律に触れる方にとって、言い回しや意味をとらえるのが難しいとしています。

以下は、実際に出題された多肢択一式試験の選択肢の一つです。

ア 登録免許税法第 4 条第 1 項により別表第 2 に掲げる非課税法人であるA地方住宅供給公社が当事者となって抵当権の順位の変更の登記を受ける場合において、A地方住宅供給公社の抵当権の順位が他の抵当権に優先するときは、当該抵当権の順位の変更の登記については、登録免許税が課されない。

(引用元:法務省公式HP)

上記のように、法令を理解していなければ正しい選択肢を選べない問題が出題されます。

加えて、言い回しが独特のうえ長文であるため、意味をとらえるのが難しいです。

試験時間が短い

司法書士の筆記試験は午前と午後に分けて行われ、試験時間は、午前の部は2時間、午後の部は3時間です。

試験 内容
午前の部 【多肢択一式問題】35問

憲法・民法・商法・刑法に関する知識

午後の部 【多肢択一式問題・記述問題】35問+記述

不動産登記・商業登記・供託・民事訴訟・民事執行・民事保全・司法書士法

(法務省公式HPを基に独自に作成)

午後は試験時間が1時間増えているものの、次のような口コミがありました。

午後の部の試験時間に無理があると感じています。

さらに、次のような口コミもありました。

この方は、試験時間で全問解けたものの、5分しか時間は余っていません。

このように、試験時間に余裕を持てないのも、司法書士試験の難しい点です。

以下は、令和5年後午後の部の第31問の多肢択一式問題の選択肢の一つです。

イ 監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役を置いている取締役会設置会社において、取締役及び監査役の全員が出席した取締役会の決議によって代表取締役を選定した場合には、代表取締役の就任による変更の登記の申請書には、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役又は監査役の印鑑と変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑とが同一であるときを除き、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役及び監査役の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。

(引用元:法務省公式HP)

上記のように、選択肢は長文であり、複数の解答を理解し正しい答えを選択するだけでも時間がかかると想定できます。

そして、「司法書士に挑戦してみようかな」といった、何かの片手間で挑戦するには難しいとする口コミもありました。

司法書士の資格は魅力的であるものの、実際に学んだことがある方は難しいとしています。

このように、合格率の低さや試験範囲が法律であり内容を理解するのが難しいこと、試験問題を解くことに時間がかかることを考慮すると、司法書士試験は、簡単には受からない試験といえます。

司法書士の難易度と合格率

司法書士試験は、合格率が例年5%程度、合格基準点も毎年変動していることから、難易度が高い試験です。

また、合格基準点も各多肢択一式問題や記述問題ごとに設定されており、一つでも合格基準点に満たなければ、不合格となります。

さらに、LEC東京リーガルマインドの独自アンケートによると、2回以上かけて合格している方が90%以上であることから、長期間の勉強を覚悟しなくてはいけません。

司法書士試験は、合格率が低く、合格基準点が毎年変動し試験のうち一つでもクリアしなければ不合格となること、長期的な勉強を必要とすることから、難関資格といえます。

司法書士試験の合格率

2023年度の司法書士試験合格率は約5.19%でした。

過去5年分の司法書士の合格率は、以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2019年度 13,683人 601人 約4.39%
2020年度 11,494人 595人 約5.17%
2021年度 11,925人 613人 約5.14%
2022年度 12,727人 660人 約5.18%
2023年度 13,372人 695人 約5.19%

(法務省の公式HPを基に独自に作成)

上記の受験者数は、筆記試験の免除を受けずに午前と午後の両方を受験した方の人数です。

例年合格率は5%程度であり、司法書士試験は難易度が高いといえます。

司法書士試験の合格点

令和5年度の総合格点は、211.0点でした。

司法書士の筆記試験は、その年の試験結果(点数)によって合格基準点を決めるため、年度ごとに合格する点数が変動します。

年度別に司法書士試験の合格点基準点をまとめました。

表は左右にスクロールできます。

実施年度 午前の部
多肢択一式問題
満点105点
午後の部
多肢択一式問題
満点105点
午後の部
記述式問題
満点70点
筆記試験合格点
満点280点
2019年度 75点 66点 32.5点 197.0点
2020年度 75点 72点 32.0点 205.5点
2021年度 81点 66点 34.0点 208.5点
2022年度 81点 75点 35.0点 216.5点
2023年度 78点 75点 30.5点 211.0点

(法務省の公式HPを基に独自に作成)

合格基準点は試験後に発表されるため、「この点数をクリアすれば合格」と判断できないことや、明確な目標点数を定められないところがメンタルにも厳しい試験といえます。

さらに、多肢択一式問題や記述問題のそれぞれに合格基準点を設けているため、試験ごとに合格基準点以上の点数が必要です。

午前の部の試験(多肢択一式問題)については満点105点中78点に、午後の部の試験のうち、多肢択一式問題については満点105点中75点に、記述式問題については満点70点中30.5点に、それぞれ達しない場合は、それだけで不合格とされました。

(引用元:法務省公式HP)

上記によると、多肢択一式問題が合格基準点に達し、総合得点が筆記試験合格点を獲得していても、記述問題が合格基準点に満たなければ、合格できません。

このように、司法書士の筆記試験は、すべての試験で合格しなければ口述試験へ挑めないため、得手不得手がなくなるよう学ぶ必要があります。

司法書士試験の受験回数

通信講座を提供するLEC東京リーガルマインドの独自アンケートによると、合格者の40%近くが受験回数3回以内で合格していました。

受験回数

(引用元:LEC東京リーガルマインド公式HP)

受験回数 割合
1回 9.7%
2回 12.6%
3回 15.5%
4回 11.7%
5回以上 50.5%

(LEC東京リーガルマインドを基に独自に作成)

一発合格できたのは9.7%と低く、50.5%は5回以上、つまり半数程度が5年以上かけて合格していることから、長期戦覚悟で挑む必要があります。

実際に受験した方の口コミを見てみましょう。

3回目や5回目など、長期間で合格している声が散見していました。

実際に合格した方の中には、次のような口コミもあります。

実際に合格した方も、一発で取得するのは難しいと感じていることを考慮すると、司法書士は難関資格といえます。

司法書士試験の難易度が高い理由

司法書士試験の難易度が高い理由
  • 試験の範囲が広いから
  • 相対評価で合格点が決まるから
  • 3つの試験をすべてクリアする必要があるから

司法書士試験は、試験範囲が広く学ぶ内容も法律に関するものがほとんどです。

そのため、馴染みのない言葉や言い回しに戸惑うケースもあります。

さらに、司法書士の合格率は例年5%前後と低くく、試験は相対評価で判定されるため、受験年度によって合格基準点が変動するのが特徴です。

目標点数を定めにくい点や、受験者の上位5%しか合格しない点も難易度が高いと判断できます。

また、多肢択一式問題や記述問題それぞれの合格基準点を超えなければ合格できないため、苦手な試験範囲を無くし、総合的に学ばなければいけません。

司法書士の難易度が高いのは、学ぶ内容が難しく上位5%程度しか合格できないこと、3つの筆記試験で合格基準点を超えなければ不合格となることが理由として考えられます。

試験の範囲が広いため

司法書士試験の難易度が高い理由として、試験範囲の広さが考えられます。

法律を扱う士業である、司法試験や行政書士と司法書士の試験範囲を比較してみました。

表は左右にスクロールできます。

試験 司法書士 行政書士 司法試験
試験範囲
  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 民事訴訟法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 基礎法学
  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 選択科目(※)

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

※知的財産法、労働法、租税法、倒産法、経済法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)、環境法 など

司法書士試験は、行政書士よりも試験科目が多くあります。

さらに、司法試験は選択科目のうち1科目を選ぶため計8科

目が試験範囲となり、科目数だけ見れば司法書士の方が多いです。

そこで、実際に司法書士試験に挑んでいる方の口コミを見ていきましょう。

口コミでは、一つの法令で学ぶ内容が重く、試験範囲を学習するだけで辛いとの声もありました。

この方は、次の法令に進む間に、学習したはずの内容を忘れてしまい、知識の定着が難しく感じています。

さらに、次の口コミもありました。

試験範囲が広く終わらないうえ、難しい言葉や言い回しが多く、問われている意味が理解できないことに難易度を感じています。

このように、試験範囲が広いことや学ぶ内容の難しさが、司法書士試験の難易度が高い要因と考えられます。

相対評価で合格点が決まるため

司法書士試験は、合格点があらかじめ決められておらず、相対評価で合否が判定されるため、目標設定やモチベーションの維持が難しい試験といえます。

以下は、司法書士試験講座を開講する伊藤塾の口コミです。

試験の合否は他の受験生との相対評価なので、どれだけやれば合格できるのかを把握するのは難しいです。

(引用元:伊藤塾公式HP)

このように、どれだけやれば合格できるのか把握するのは難しいという声がありました。

さらに、「法務省の司法書士試験結果」によると、司法書士試験は例年5%前後の合格率です。

つまり、受験者数に対し上位5%程度が合格になる点数が合格基準点になります。

では、各年度の合格基準点を見てみましょう。

表は左右にスクロールできます。

実施年度 午前の部
多肢択一式問題
105点満点
午後の部
多肢択一式問題
105点満点
午後の部
記述式問題
70点満点
筆記試験合格点
280点満点
2019年度 75点(71.4%) 66点(62.8%) 32.5点(46.4%) 197.0(70.3%)
2020年度 75点(71.4%) 72点(68.5%) 32.0点(45.7%) 205.5点(73.3%)
2021年度 81点(77.1%) 66点(62.8%) 34.0点(48.5%) 208.5点(74.4%)
2022年度 81点(77.1%) 75点(71.4%) 35.0点(50.0%) 216.5点(77.3%)
2023年度 78点(74.2%) 75点(71.4%) 30.5点(43.5%) 211.0点(75.3%)
平均 78点(約74.2%) 70.8点(67.4%) 32.8点(46.8%) 207.7点(74.1%)

(法務省の公式HPを基に独自に算出)

午前の部の多肢択一式問題は、おおむね80%以上(84点以上)の点数を取得できれば合格基準点を超えると予測可能です。

また、午後の部の多肢択一式問題は約75%以上(78点以上)、記述式問題では50%以上(35点以上)の点数を獲得できれば、上位5%に入ることも期待できます。

ただし、相対評価のため成績優秀者が多ければ多いほど合格基準点は高くなり、難易度が上がることは留意しておきましょう。

そして、目標点数はあくまで目安のため、より多く正解することを目標にすることが大切です。

3つの試験をすべてクリアする必要があるため

司法書士試験は筆記試験(多肢択一式問題・記述式問題)と口述試験があり、筆記問題は合格基準点が設けられています。

すべての筆記試験で合格基準点を超えなくては、口述試験へ進めない点も司法書士が難易度高いとされる理由の一つです。

午前の部の試験の多肢択一式問題又は午後の部の試験の多肢択一式問題の各成績のいずれかがそれぞれ以下に掲げる点数に達しない場合には、それだけで不合格となります。

(引用元:法務省公式HP)

筆記試験はそれぞれ合格基準点が設けられ、2つの多肢択一式問題と記述問題すべて合格基準点を超えなくてはいけません。

さらに、司法書士試験の合格基準点は毎年変わります。

2019~2023年までの平均合格基準点は以下の通りです。

試験 平均合格基準点
午前の部
多肢択一式問題
78点/105点
午後の部
多肢択一式問題
70.8点/105点
午後の部
記述問題
32.8点/70点
筆記試験合格点 207.7点/280点

(法務省の公式HPを基に独自に算出)

あくまで合格基準点は目安であり、受験者の成績によって変動します。

さらに、以下のような口コミがありました。

筆記試験の合格点を取っていても、記述式問題が合格基準点に満たなかったため不合格となっています。

このように、司法書士は得意な試験で不得意な試験をカバーできません。

試験範囲を偏りなく理解する必要があるため、難しい試験といえます。

法令が変わるたびに学習し直す必要があるから

法改正が試験範囲に適用された場合は、新たに学び直す必要があることも司法書士試験の難しい点です。

令和5年度の司法書士試験の対象法令は以下の通りです。

法令等の適用日

筆記試験及び口述試験の解答に当たり適用すべき法令等は、令和5年4月1(土曜日)現在において施行されているもの(同日が施行日とされているものを含む。)とします。

(引用元:法務省公式HP)

令和5年4月1日時点で施行されている法令が対象でした。

令和5年の試験日は7月2日であったため、法令施行からあまり期間がありません。

そのため、以下のような口コミがありました。

司法書士試験は、1年以上かけて学習する方も多く、受験年度に変更、新たな法令が施行されると学習量が増えます。

試験範囲は、受験年度の4月に施行された法令までを対象としているため、いち早く情報をキャッチできるよう確認が必要です。

司法書士の難易度は?士業ランキング

表は左右にスクロールできます。

順位 難易度 生き残る 将来性 年収
1位 司法書士 中小企業診断士 中小企業診断士 弁護士
司法書士
弁理士
2位 弁理士 弁護士 弁護士 中小企業診断士
社会保険労務士
3位 社会保険労務士 司法書士 司法書士 公認会計士
税理士

(各認定機関の公式HPを基に作成)

上記の士業ランキングは、合格率やAIへの代替可能性、平均年収について認定機関や日本経済新聞、jobtagを基に当サイト独自にランキングしました。

ランキングの結果から、士業は難易度=将来性=収入とはならないことがわかります。

合格率から見ると司法書士が難易度1位ですが、受験資格などを考慮した場合、弁護士や公認会計士も難易度が高い資格といえます。

また、将来性があり10~20年後に生き残る士業は、”AIやロボットには対応できない対人業務が多い”とする中小企業診断士や弁護士であると結果が出ています。

とはいえ、司法書士はAIへ代替の可能性は高めであるものの、令和6年4月から相続登記が必要になるなど、相続分野での活躍の場が増えます。

そのため、司法書士も将来性の高い士業です。

さらに、年収は働き方によって大きく変わります。

雇用されるケースが多い士業は、平均求人月収が高いため年収は上がりますが、独立するケースが多い士業は、平均年収としては低めです。

このように、難易度が高い士業であっても収入や将来性は比例しないため、働き方など検討する必要があります。

士業の難易度ランキング

8つの士業の難易度について、2023年度の合格率を比較しました。

順位 士業 合格率
1位 司法書士 5.19%
2位 弁理士 6.1%
3位 社会保険労務士 6.4%
4位 公認会計士 7.6%
5位 行政書士 13.98%
6位 税理士 18.8%
(各科目の平均合格率)
7位 中小企業診断士 29.6%
8位 弁護士(司法試験) 45.3%

(各認定機関の公式HPを基に作成)

8つの士業の中で、最も合格率が低いのは司法書士です。

しかし、司法書士は誰でも受験でき、合格すると新人研修を経て司法書士として活動できます。

一方合格率が一番高い司法試験には受験資格が必要であり、法科大学院で学び司法試験を受ける、もしくは予備試験を経て司法試験を受けるかの2択です。

弁護士のなり方

(引用元:日本弁護士連合会公式HP)

さらに、弁護士になるためには司法試験合格後に司法修習を1年間受けなくてはいけません。

受験までのハードルが高いため、弁護士も難関資格と判断できます。

このように、受験資格の内容によっても難易度が上がるため、「合格率が低い=難易度が高い」とはいえないことは留意してください。

とはいえ、司法書士試験は合格率が約5%ととても低いため、士業の中でも難易度は高いといえます。

生き残る士業ランキング

10~20年後に生き残る士業は、中小企業診断士や弁護士です。

野村総合研究所と英オックスフォード大の共同研究によると、国内601種類の職業のうち、AIやロボットで代替が可能な職業は労働人口の約49%が就いている職業であると公表しました。

国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。

(引用元:野村総合研究所公式HP)

多くの職業がAIやロボットと代替でき、生き残ることが難しいと判断されています。

士業も例外ではありません。

研究の対象となった職業601種類のうち、AIに代替される士業の確率は以下の通りです。

表は左右にスクロールできます。

順位 士業 AI代替可能 主な業務内容
1位 中小企業診断士 0.2% 経営コンサルティング
2位 弁護士 1.4% 訴訟代理・弁護活動
3位 司法書士 78.0% 登記や供託手続き
4位 社会保険労務士 79.7% 労務・社会保険の書類作成
5位 公認会計士 85.9% 財務書類の監査・証明
6位 弁理士 92.1% 特許などの出願・登録
7位 税理士 92.5% 税務書類の作成
8位 行政書士 93.1% 官公署に提出する書類の作成

(日本経済新聞を基に独自に作成)

AIへの代替可能性を見ると、中小企業診断士が一番生き残る可能性が高く司法書士は3位ですが、2位との差から生き残る可能性は低めです。

1・2位と3位以下の差が大きく開いている理由としては、対人業務の必要性の高さが考えられます。

書類の作成や手続きが主な仕事である3位以下の士業に対し、コンサルティングや訴訟代理、弁護活動など対人業務が多い中小企業診断士や弁護士は、AIやロボットでは補えない業務が多くあります。

そのため、中小企業診断士や弁護士はAIへの代替が難しく、代替の可能性も低く算出されていると考えられるのです。

司法書士は、行政書士や税理士に比べAI代替可能性は低いものの、78.0%もの可能性を示しているため、今後はコンサルティングや顧客への対応力を身につける必要があると考えておきましょう。

士業の将来性ランキング

士業の将来性は以下のAI代替可能性を基に見ていきましょう。

順位 士業 AI代替可能
1位 中小企業診断士 0.2%
2位 弁護士 1.4%
3位 司法書士 78.0%
4位 社会保険労務士 79.7%
5位 公認会計士 85.9%
6位 弁理士 92.1%
7位 税理士 92.5%
8位 行政書士 93.1%

(日本経済新聞を基に独自に作成)

AI代替可能性だけを考えると、司法書士は3位78.0%と10~20年後を見越して対策が必要です。

しかし、令和6年4月より相続によって不動産を取得した方は、3年以内に相続登記が必要になります。

令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。

(1)相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
(2)遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。
(1)と(2)のいずれについても、正当な理由(※)なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。

(引用元:東京法務局公式HP)

これにより、不動産の売買だけではなく相続分野でも司法書士の仕事が増えることが見込まれます。

司法書士は、AIやロボットによる代替の可能性はあるものの、将来性の高い士業といえます。

士業の年収ランキング

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、平均年収では、弁護士、司法書士、弁理士が同じであるものの、平均求人月収に差がありました。

以下のデータは、令和4年度賃金構造基本統計調査の結果から作成したものと、ハローワークの令和4年度求人統計データを基に「jobtag」が算出しています。

順位 士業 平均年収 平均求人月収
1位 弁護士 971.4万円 29.5万円
司法書士 971.4万円 30.4万円
弁理士 971.4万円 37.4万円
4位 中小企業診断士 780.9万円 29.0万円
社会保険労務士 780.9万円 26.9万円
6位 公認会計士 746.6万円 39.0万円
税理士 746.6万円 33.1万円
8位 行政書士 579.8万円 26.0万円

(厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」を基に独自に作成)

上記によると、弁護士や司法書士、弁理士の平均年収が971.4万円と多いものの、平均求人月収にはバラつきがあります。

また、平均年収が4位の公認会計士は、平均求人月収が39.0万円と1位の弁護士よりも高いです。

その要因として、司法書士の就業形態が雇用か自営かによると考えられます。

以下は、8つの士業の就業状態をまとめました。

士業 雇用 自営
弁護士 52.5% 67.8%
司法書士 33.3% 66.7%
弁理士 72.1% 27.9%
中小企業診断士 29.8% 66.0%
社会保険労務士 32.8% 55.7%
公認会計士 75.9% 25.9%
税理士 53.4% 39.7%
行政書士 18.0% 77.0%

(厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」を基に独自に作成)

同じ平均年収である弁護士・司法書士・弁理士の中でも、雇用形態で働く方が多い弁理士の方が平均求人月収は高いです。

さらに、比較的平均年収が低い公認会計士は、雇用される方が75.9%と多いため平均求人月収39.0万円と、8つの士業の中でも1位となっています。

平均年収で見れば弁護士や司法書士、弁理士が高いですが、雇用される場合は公認会計士や弁理士の収入が高くなることが予想できます。

そのため、独立したい場合は、ダブルライセンスやトリプルライセンスで業務の幅を広げ、収入UPを狙うのがおすすめです。

例えば、司法書士であれば、行政書士や土地家屋調査士など融和性の高い資格を取得して、業務を自社で完結できるようにする、別分野の案件を受けられるようにすると、仕事の幅も広がります。

司法書士試験に独学で挑んだ合格体験記

司法書士対策の通信講座を提供するアガルートやユーキャンによると、司法書士試験に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間が目安としています。

司法書士試験の合格に必要な勉強時間は、目安として3000時間といわれます。

(引用元:アガルート公式HP)

一般的に、司法書士試験の合格までにかかる勉強時間は3,000時間前後といわれています。

(引用元:ユーキャン公式HP)

仮に、1日8時間の勉強を毎日続けた場合は、1年以上の期間が必要です。

さらに、働きながら司法書士試験に挑む場合は、1日8時間の勉強時間を確保するのは難しいため、より時間がかかる可能性があります。

実際の口コミを見てみましょう。

この方は、2年間かけて学習し合格していました。

さらに、独学の場合は合格するためのノウハウを得るのが難しいため、3,000時間よりも多くの勉強時間を必要とするケースがあります。

実際に、7年かけて司法書士資格を取得している方がいました。

2年かけて試験範囲を習得したものの、合格するまでさらに5年かかった方もいます。

また、独学で始めたものの自分に限界を感じている方もいました。

https://twitter.com/yuz50520986/status/1501848144526512128

この方は、独学に限界を感じ予備校へ学習方法を変更しています。

このように、司法書士試験は難易度が高く学習期間を要するため、独学で始めたものの通信教育や予備校へ勉強方法を変更する方も多いです。

司法書士試験は、独学でも合格は可能ですが勉強期間は長引く可能性があることは留意しておきましょう。

自分に合った勉強法で挑戦することが大切です。

司法書士試験は独学+主婦でも合格できる?

司法書士試験は、主婦でも独学で合格できます。

実際に、主婦で司法書士に合格している方がいました。

この方は育児をしながら、コツコツ学習を積み上げることで合格しています。

さらに次のような口コミもありました。

この方の妻は、3年かけて勉強し見事合格しています。

応援している家族から見ても、多くの勉強量と時間が必要な試験であるとしていました。

このように、主婦であっても独学で司法試験に合格することは可能です。

ただし、簡単な試験ではないため、主婦に限らず勉強期間と量が必要であることは覚悟しておきましょう。

司法書士試験の難易度から独学は難しい

独学で合格するのが難しい理由
  • 記述問題の対策が難しい
  • モチベーションの維持が難しい
  • わからない項目を解決するのが難しい

独学で司法書士に合格するのが難しい理由として、記述問題の対策は多くの演習を解く必要があることが挙げられます。

実際の試験では、過去問と同様の問題が出題されるわけではないため、基本を身につけたあとは演習問題を解くことが大切です。

加えて、添削やアドバイスを受けられるわけではないため、独学では対策が難しいと考えられます。

わからない項目がある場合も、プロに質問し解決できないため理解を深めることが難しいです。

さらに、長期間の勉強を必要とする司法書士試験は、独学で学ぶには孤独を感じやすい面があります。

同じ受験生の状況も把握しにきくく、モチベーションを維持するのが難しい試験です。

司法書士試験は、独学でも合格できますが、硬い意志を大切に根気強い試験対策をしましょう。

独学が難しいと感じた場合は、通信講座や予備校の利用をおすすめします。

記述問題の対策が難しい

司法書士試験は、多肢択一式問題の他に記述問題があり、独学では対策が難しいです。

アガルートは、市販のテキストだけで対策するのは難しいとしています。

市販のテキストだけで独学で身に付けるのはとても大変です。

記述式問題は、過去問をマスターしても同じ問題が出ることはほぼないため、予想問題も含めて十分な演習量が必要です。

(引用元:アガルート公式HP)

記述問題は、過去問と同じ問題が出題されるケースがほぼなく、基本の解き方を身につけたうえで多くの演習をこなすことが必要です。

そのため、実際に試験を受けた方の中には、以下のような口コミがありました。

独学で記述試験対策は、難しいと感じています。

さらに、実際に記述問題の点数が数点足りないばかりに、合格できなかった方がいました。

多肢択一式問題は合格基準点をクリアしていても、記述問題が合格基準点に達しなければ不合格となるため、しっかりとした対策が必要な点も、独学合格が難しい理由です。

そこで、記述試験対策には、通信講座の利用も検討しましょう。

WASEDAセミナーは、司法書士試験講座の他に記述式対策講座も開講しています。

多肢択一式試験は独学で挑戦し、記述問題の対策を取りたい方にも対応しているためおすすめです。

WASEDAセミナーのHPで講座詳細をみる

モチベーションの維持が難しい

司法書士に合格するためには、約3,000時間程度の学習時間が必要です。

1日5時間勉強しても600日、約2年弱の時間が必要なため、常にモチベーション高く学習を続けるのは難しいと感じる方もいました。

実際に、モチベーションが維持できず司法書士試験を諦めています。

このように、司法書士試験は勉強期間が長いため、独学で挑戦するためにはモチベーション維持も課題になります。

わからない項目を解決するのが難しい

司法書士試験は、日常生活では馴染みのない法律や専門用語を主に学ぶため、イメージがわきにくいです。

そのため、テキストの時点で理解できないといった声がありました。

実際に、法律用語が理解できないとしています。

さらに、わからない項目の理解を深めるのが難しく、次のような口コミがありました。

5年間勉強していても、理解できない内容があるとしています。

予備校や通信講座を受けていれば講師に確認するなど解決できますが、独学は理解できない項目があったとしても、自分で調べるしかありません。

そのため、独学は、わからない内容の理解を深めるのが難しいのです。

わからないを残さず学習を進めたい方は、通信講座や予備校の利用をおすすめします。

アガルートは、受講中250回までの質問に対し、講師が直接回答する「質問サービス」を提供しています。

このように、質問サービスを提供する講座は多くあるため、「わからない」を残さず試験に挑戦できます。

アガルートのHPで講座詳細をみる

司法書士に独学で合格する勉強法とテキスト

司法書士に独学で合格するためには、効率の良い勉強法とスケジュールが大切です。

関連する科目を同時進行で学び、インプットとアウトプットを繰り返し知識の定着を目指しましょう。

また、使用するテキストは、試験科目も多く専門用語や難しい言い回しがあるため、入門編をおすすめします。

特に「司法書士 山本浩司のautoma system」は人気があり、内容がわかりやすいと評判です。

また、Amazonでは基礎固めに「ゼロからスタート! 海野禎子の司法書士1冊目の教科書」が人気であり、テキストでは、「うかる! 司法書士 必出3300選」も注目を集めています。

ただし、司法書士の試験範囲は11科目と広く、複数のテキストを購入するケースがあるため、必要冊数も含めて検討しましょう。

司法書士の勉強法【独学】

司法書士の勉強法は、関連する科目を一緒に学び、インプット・アウトプットを繰り返すことが大切です。

特に、独学で勉強する場合は、自分で学習方法やスケジュールを決めなくてはいけないため、計画的に進めましょう。

以下は、実際に合格した方の口コミです。

合格に必要な知識だけに絞るのではなく、全科目を学ぶ必要があったとしていました。

さらに、記憶の定着をはかるため、計画的にスケジュールを管理するなど工夫しています。

司法書士の試験範囲は広く難しい内容が含まれており、他の科目を勉強している間に以前学んだことを忘れてしまうことも珍しくありません。

そのため、効率の良い学習とスケジュールが必要です。

そこで、アガルートが紹介している勉強法と学習の流れを紹介します。

  1. 関連する科目を同時進行で学ぶ
  2. インプットとアウトプットを繰り返す
  3. 学習の定着具合を確認する

(アガルート公式HPを基に独自に作成)

司法書士試験は11科目と多いため、関連する科目ごとにまとめて学習を進めましょう。

アガルートでは、民法と不動産登記法は関連性が高く、まとめて学ぶと流れを理解しやすいとしています。

司法書士試験は科目数が11科目と多いのが特徴です。これをすべて別々に学ぶと、時間もかかり知識の定着も悪く非効率です。

関連する科目は同時進行で学習しましょう。

民法と不動産登記法は、最重要科目であるとともに関連性が高いので、まず初めに学ぶべき科目です。

(引用元:アガルート公式HP)

さらに、司法書士試験では民法と不動産登記法は最も重要な科目のため、最初に手を付けることをおすすめします。

また、インプットした学習内容は、アウトプットすることで定着できます。

学習後は必ず問題演習を行い、定期的にアウトプットしましょう。

特に、過去問や予想問題を解くなど、学んだ内容を定着させつつ実力を確認しながら学ぶのがおすすめです。

アガルートは、次のようなスケジュールで学習を進めています。

アガルート 学習スケジュール
(引用元:アガルート公式HP)

科目ごとに学習期間を設定し、同時に過去問を解きアウトプットするようスケジュールが組まれています。

このように、通信講座の予定を参考にするのも一つの方法です。

司法書士を独学で目指すためのおすすめテキスト

初めて司法書士に取り組む、法律関係を学ぶのであれば、入門編のテキストを選びましょう。

入門編のテキストは、法律の基礎知識や勉強方法などやさしく解説されており、法律用語に慣れていない方も親しみやすいです。

法律用語を理解しないと、学習内容や問題の内容が理解できないといったこともあるため、まずは基礎から入りましょう。

そこで、口コミによるおすすめと、Amazonで人気のテキストを紹介します。

口コミで人気「司法書士 山本浩司のautoma system」

口コミには、司法書士試験のテキストについて独自アンケートを取っている方がいました。

アンケートの結果は、「司法書士 山本浩司のautoma system」が一番人気でした。

司法書士試験通信講座を提供するWセミナーが出版する「司法書士 山本浩司のautoma system」は、初めて司法書士を目指す方向けの基本書です。

オートマシステム

(引用元:Amazon.co.jp)

automa systemは、点を取り短期合格を目標に、基本の理解を目的としており、過去問を混ぜながらインプットとアウトプットができます。

実際に使用した方の口コミは以下の通りです。

法律の勉強を始めて2年4か月が経過。独特の用語、言い回しに苦慮し、具体的なイメージをもてないままとりあえず教材等に取り組んでいましたが、本書と出会い、1年後にやってくる本試験に一筋の光明を見出すことができた思いです。

(引用元:Amazon レビュー)

法律の専門用語や言い回しに苦戦していた方も、automa systemを使用することで希望が見えています。

さらに次のような口コミもありました。

一周目ですが内容がわかりやすくて難しい言葉がなく理解しながら読めました。

(引用元:Amazon レビュー)

このように、「司法書士 山本浩司のautoma system」は、使用される言葉がわかりやすく、初めて法律に触れる方も理解しやすいと定評があるテキストです。

Amazonで基礎固めに人気「ゼロからスタート! 海野禎子の司法書士1冊目の教科書」

Amazon 司法書士テキスト

(引用元:Amazon.co.jp)

「ゼロからスタート!海野禎子の司法書士1冊目の教科書」は、LEC東京リーガルマインドの人気講師が、司法試験合格までの最短ルートを紹介しています。

Amazon売れ筋ランキングでは7位ですが、司法試験の勉強法なども紹介しており、法律の知識ゼロからでもわかりやすい入門テキストとして人気です。(2024年3月26日時点)

法律用語など基本からかみ砕いて解説しているため、実際に使用した方の中には、以下のよな口コミがありました。

初めて、士業の資格について学習を検討している人に概要が分かる内容です。

(引用元:Amazon レビュー)

司法書士試験を大学入試とすれば小学校高学年レベルの基礎固めのための本です。

簡潔で読みやすく、要点の肝だけが書いてある。でもこの土台がなければ家は建ちません。

(引用元:Amazon レビュー)

土台の基礎硬めに最適との声もあります。

「ゼロからスタート!海野禎子の司法書士1冊目の教科書」は、主要4科目に範囲を絞って解説しており、初めて法律に触れる方の入門書としておすすめです。

Amazon.co.jpで書籍の詳細をみる

Amazonで人気のテキスト「うかる! 司法書士 必出3300選」

伊藤塾 司法書士

(引用元:Amazon.co.jp)

「うかる! 司法書士 必出3300選」は、司法書士試験や司法試験などを扱う通信講座「伊藤塾」が編集を手掛けるテキストです。

Amazonの司法書士の資格・検定の売れ筋ランキングでは1位でした。(2024年3月26日時点)

うかる! 司法書士 必出3300選は、一問一答形式のドリルやまとめのテキストがあるため、インプットとアウトプットの流れを取りやすいのが特徴です。

さらに、司法書士合格に必要な学習項目3300を厳選し、4冊にまとめています。

実際の口コミを見てみましょう。

問題形式で難しいですが、条文等の説明もあり勉強しやすい。

(引用元:Amazonレビュー)

ド基礎の完璧な確立にとてもいいです。

よくまとまっています。

忘れないように高速回転で勉強に使っています。

(引用元:Amazon レビュー)

よくまとまっていて、勉強しやすいとの声がありました。

「うかる! 司法書士 必出3300選」のシリーズは累計10万部を突破するほど、人気のあるテキストです。

司法書士試験は出題範囲の広さから、複数冊のテキストを使用して学びます。

中には、民法だけで3冊ものテキストが必要なケースもあるため、テキスト選びは必要冊数も参考にしましょう。

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司法書士と他の士業の難易度を比較

司法書士は、他の士業と比較してもトップクラスに入るほどの難易度です。

8つの士業の合格率などを比較しました。

表は左右にスクロールできます。

士業 司法書士 行政書士 弁護士 税理士 公認会計士 社労士 不動産鑑定士
2021年度
合格率
5.14% 11.18% 予備試験:3.98%
司法試験:41.5%
18.8% 9.6% 7.9% 36.3%
2022年度
合格率
5.18% 12.13% 予備試験:3.62%
司法試験:45.5%
19.5% 7.7% 5.3% 36.3%
2023年度
合格率
5.19% 13.98% 予備試験:3.58%
司法試験:45.3%
21.7% 7.6% 6.4% 33.6%
受験資格 なし なし あり あり なし あり なし
試験が
免除になる士業
なし なし 【司法試験】
公認会計士
(短答式試験と論文式試験の一部)【弁護士】

  • 弁理士
  • 社労士
  • 行政書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 公認会計士
    (短答式試験一部・論文式試験の一部)
  • 行政書士
  • 税理士
なし なし

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

合格率だけでみると、司法書士は2番目に難易度が高い試験です。

しかし、弁護士は試験免除で資格を取得できる士業が多いうえ、受験資格も必要なため、8つの士業の中では弁護士が一番難しいといえます。

続いて公認会計士が高く、合格率を考慮すると、税理士よりも司法書士が難しい試験です。

このように、合格率のほか、受験資格の有無や他の士業の試験が免除になることを考慮すると、8つの士業の中では、弁護士、公認会計士、社労士、税理士、司法書士の順で難易度が高くなります。

司法書士と行政書士の難易度

司法書士と行政書士の合格率を比較すると、司法書士の方が難易度は高いです。

それぞれの合格率を以下にまとめました。

年度 司法書士 行政書士
2019年度 4.39% 11.48%
2020年度 5.17% 10.72%
2021年度 5.14% 11.18%
2022年度 5.18% 12.13%
2023年度 5.19% 13.98%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

司法書士と行政書士は、共に15%以下の合格率であり決して簡単に合格できる資格ではないと伺えます。

さらに、司法書士と行政書士を取得している方の口コミがありました。

行政書士に比べ、司法書士の方が勉強時間は比較にならないほど多いとしていました。

しかし、司法書士資格を持っていても、行政書士試験が難しいと感じる方もいます。

口コミにあるように、司法書士と行政書士では学ぶ科目が異なるため、司法書士を持っているからといって簡単に受かるわけではありません。

以下は、司法書士と行政書士の受験科目です。

試験 司法書士 行政書士
科目
  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 民事訴訟法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 基礎法学
  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

行政書士は司法書士より合格率は高いものの、学ぶ分野が異なるため受験する際にはしっかりと準備が必要です。

司法書士は行政書士試験の免除対象外

士業によって、資格を持っていると他の士業試験で筆記試験などの免除制度が受けられるケースがあります。

免除制度が適用される場合は、試験を受けなくても資格取得が可能です。

しかし、司法書士と行政書士はお互いの試験免除対象外のため、通常通り試験を受けなくてはいけません。

とはいえ、行政書士試験は、以下の士業資格を持っていると試験が免除されます。

  • 弁護士
  • 弁理士
  • 公認会計士
  • 税理士

(特許庁「各士業の試験免除について」を基に作成)

さらに、次に当てはまる公務員や日本郵政公社の役員も、免除制度の対象になります。

国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間、及び特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は、日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上になる者

※一部抜粋

(引用元:特許庁「各士業の試験免除について」)

つまり、国や地方公共団体の公務員もしくは日本郵政公社の役員として行政業務を担当した期間が20年以上になる方は、行政書士試験の免除を受けられます。

そのため、司法書士と行政書士のダブルライセンスを目指す場合は、公認会計士など行政書士の試験免除を受けられる資格を取得し、トリプルライセンスを目指すのも一つの方法です。

司法書士と税理士の難易度

司法書士と税理士の合格率は以下の通りです。

年度 司法書士 税理士
2019年度 4.39% 18.1%
2020年度 5.17% 20.3%
2021年度 5.14% 18.8%
2022年度 5.18% 19.5%
2023年度 5.19% 21.7%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

合格率だけを見ると、税理士に比べ司法書士の方が難易度は高いといえます。

しかし、税理士は次のような受験資格が必要です。

  • 大学や短大、専門学校卒で社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
  • 大学3年生以上で社会科学に属する科目を1科目以上62単位以上取得した者
  • 司法試験合格者
  • 簿記検定1級取得者
  • 法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上担当した者

など

(国税庁の公式HPを基に独自に作成)

税理士は、学歴や保有資格、職歴など厳しい受験資格が必要なため、合格率は司法書士より高いものの、税理士の方が難易度は高いと判断できます。

司法書士は税理士試験の免除対象外

司法書士と税理士は、お互いに資格試験の免除対象外です。

司法書士は、裁判所事務官など職業と勤続年数によって免除を受けられますが、税理士は、弁護士や公認会計士を保有していると免除制度を受けられます。

さらに、税理士資格は、行政書士試験が免除制度対象です。

司法書士と合わせて別の士業を目指すのであれば、税理士もしくは弁護士や公認会計士を取得するとトリプルライセンスも可能なため、資格取得の流れを検討しましょう。

司法書士と公認会計士の難易度

司法書士と公認会計士の難易度は、合格率だけで見ると司法書士の方が難易度は高いものの、実際に受験した方は公認会計士が難しいとしている方がいます。

司法書士と公認会計士の合格率は以下の通りです。

年度 司法書士 公認会計士
2019年度 4.39% 10.7%
2020年度 5.17% 10.1%
2021年度 5.14% 9.6%
2022年度 5.18% 7.7%
2023年度 5.19% 7.6%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

合格率から見ると、司法書士が公認会計士より数%低いため、難易度が高いといえます。

しかし、公認会計士の合格率は10%程度であり、司法書士と共に簡単に取得できる資格ではありません。

実際に東大入試と公認会計士の試験が同じ難易度としている口コミもあります。

公認会計士は、東大の入試と同じレベルに感じる方がいることから、難関資格であることが想定できます。

さらに、個人によって難易度の感じ方は異なるものの、司法試験よりも公認会計士の難易度が高く感じている方もいました。

中には、医師国家資格よりも公認会計士の方が難しいとしている方もいました。

合格率では司法書士が難関に感じますが、学ぶ内容としては公認会計士の方が難易度は高いことが考えられます。

司法書士と社労士の難易度

司法書士と社労士は、社労士の方が難易度は高いです。

以下のように、合格率を比較すると、さほど差がありません。

年度 司法書士 社労士
2019年度 4.39% 6.6%
2020年度 5.17% 6.4%
2021年度 5.14% 7.9%
2022年度 5.18% 5.3%
2023年度 5.19% 6.4%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

両者一桁の合格率であり、あえて差をつけるのであれば合格率5%程度の司法書士の方が難易度は高いといえます。

しかし、実際に試験を受けた方の中には、社労士の方が難しく感じる方がいました。

この方は、社労士に必要な勉強時間は約1,000時間程度と、約3,000時間の勉強時間が必要とされる司法書士にくらべ短いももの、社労士の方が難しいと感じています。

一方では、社労士より司法書士の試験範囲が広く感じた方もがいました。

社労士を取得しているものの、司法書士を断念している口コミを見ると、司法書士の方が難しい高い印象を受けます。

しかし、社労士は学歴や経歴、保有資格など受験資格が必要です。

受験資格がない方は、行政書士や予備試験などに合格しなくてはいけないため、誰でも受験可能な司法書士に比べると社労士の方が狭き門といえます。

司法書士と不動産鑑定士の難易度

司法書士と不動産鑑定士の合格率を比較すると、司法書士の方が難易度は高いです。

以下は、司法書士と不動産鑑定士の合格率をまとめました。

年度 司法書士 不動産鑑定士
2019年度 4.39% 32.4%
2020年度 5.17% 33.1%
2021年度 5.14% 36.3%
2022年度 5.18% 36.3%
2023年度 5.19% 33.6%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

合格率から見ると、司法書士と不動産鑑定士では合格率に大きな差があります。

しかし、不動産鑑定士は、弁護士や公認会計士に並ぶ三大国家試験の一つであるため、難易度の高さから5年かけて合格した方もいました。

不動産鑑定士は、試験に合格したからといってすぐになれるわけではありません。

1年もしくは2年の実務修習が必要であり、カリキュラム修了後は「修了考査」を受験します。

日本不動産鑑定士協会連合会によると、令和6年に実施された修了考査の合格率は67.5%と低くはありませんが、資格試験に加え修了考査があることを考えると、難易度は高いといえます。

司法書士は、資格を取得し3ヶ月間の新人研修を修了すると司法書士として活動が可能です。

しかし、不動産鑑定士は試験合格後さらに実務修習や修了考査があることを踏まえると、難易度が低いとはいえない資格です。

司法書士と司法予備試験・司法試験の難易度

司法書士と司法予備試験の合格率を見ると、司法予備試験の方がわずかに難易度は高いです。

以下に司法書士と司法予備試験、司法試験の合格率をまとめました。

年度 司法書士 司法予備試験 司法試験
2019年度 4.39% 4.04% 33.6%
2020年度 5.17% 4.16% 39.1%
2021年度 5.14% 3.98% 41.5%
2022年度 5.18% 3.62% 45.5%
2023年度 5.19% 3.58% 45.3%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

司法書士・司法予備試験・司法試験の中では、司法予備試験が難しいです。

とはいえ、司法試験は受験資格をクリアしていなければ司法予備試験を通過しなければいけません。

司法予備試験は司法試験の前哨戦であるものの、実際に司法予備試験に合格した方の中には、合格までに複数回チャレンジしている方がいました。

この方は、4回目のチャレンジで司法試験への挑戦権を得ています。

司法予備試験は、短答試験と論文試験を経て最後に口述試験をクリアしなければ合格できないのも、難しい点です。

法務省によると、令和5年の短答式試験は20.0%、そのうち論文試験は19.1%が合格、さらに口述試験は98.3%の方しか合格できませんでした。

その結果、受験者のうち司法予備試験に通過できたのは、わずか3.58%と厳しい結果になっています。

また、司法予備試験は、司法試験と同等レベルと捉えている方もいます。

実際の口コミを見てみましょう。

司法予備試験に受かれば司法試験も受かると口コミがあるほど難しい資格です。

では、司法試験の難易度はどうなのでしょうか。

法学部を出て司法試験に挑戦した方の中には、以下のような口コミがありました。

法学部を出ている方も、5回目で司法試験に合格しているため、司法試験も難易度が高といえます。

司法試験は、取得すると公認会計士の短答式試験が免除になり、弁護士になると税理士や行政書士、社会労務士の資格が免除となり申請すると取得が可能です。

このように、法学部出身者も簡単に取得できないことや、弁護士になると士業試験の免除を受けられることを考慮すると、予備試験や司法試験が司法書士より難易度が高いと判断できます。

司法書士の難易度についてよくある質問

司法書士の難易度についてよくある質問
  • 司法書士試験は独学でも取得できる?
  • 司法書士を目指すのは時間の無駄なの?
  • 司法書士を一年で合格するのは難しいの?
  • 司法書士と司法試験ではどっちが難しいの?
  • 司法書士の試験は司法試験崩れ?
  • 司法書士試験の合格率を大学別に知りたい
  • 司法書士の年収は?
  • 士業のカーストは?

ここからは、司法書士の難易度についてよくある質問を解説します。

司法書士試験は独学でも取得できる?

司法書士試験は独学でも合格は可能です。

司法書士講座を扱う通信講座も公式HPでは、以下のように記しています。

司法書士試験に独学で合格することは、不可能ではありません。

(引用元:伊藤塾公式HP)

独学での合格が不可能というわけではありません。

数は少ないものの、独学で合格する人もいます。

(引用元:アガルート公式HP)

独学で合格することは、不可能ではないとしています。

実際に、次のような口コミがありました。

このように、自分の力で合格している方もいるため、独学で司法書士の資格を取得できます。

しかし、合格者の中には以下のような口コミをしている方がいました。

このように、お金をかけてでも、通信教育などの利用をおすすめする声があります。

その理由として、司法書士試験は学習期間が長く、効率よく学習しなるべく時間をかけずに合格した方がコストをカバーできるとしています。

独学で司法書士を目指した方の中には、長期間の勉強の末、合格している方がいました。

独学で3年間、学習を積み上げて合格しています。

さらに、これから学び始めようとする方は、試験範囲の広さに長期間のスケジュールを検討していました。

この方は、約2年後を合格目標にしています。

司法書士試験は、独学でも合格は可能です。

しかし、学習期間が長期化することや試験範囲の広さから、お金がかかったとしても通信教育などの利用を進める声もあります。

そのため、独学にこだわらず、まずは自分に合った学習方法は何か検討したうえで挑戦しましょう。

司法書士を目指すのは時間の無駄なの?

実際に司法書士になった方の多くは、後悔していないといった声も多くあるため、無駄とはいえません。

では、どうして司法書士を目指すのは無駄という声があるのでしょうか。

アガルートは、司法書士を目指すことが無駄に感じる理由として以下を挙げていました。

合格するのが非常に難しい

資格を取ったけど別の仕事をしており、活かせていない

独立して成功するまでが難しい

(引用元:アガルート公式HP)

司法書士試験の合格率は5%前後と低く、難しい試験です。

さらに、せっかく合格したとしても、全員が司法書士として働いているわけではありません。

日本司法書士会連合会によると、全国の司法書士は2023年4月時点で23,059人です。

日本司法書士会連合会会員

(引用元:日本司法書士会連合会公式HP)

年々司法書士は増えていますが、全員が司法書士として成功しているとは考えにくいです。

さらに、アガルートでも以下のように記されています。

合格したにもかかわらず、現時点では司法書士の業務ができていない人は一定数います。

(引用元:アガルート公式HP)

このように、合格したとしても、司法書士として活動していない方は一定数おり、難関資格を突破した労力を使えていないことにも原因があると考えられます。

さらに、司法書士試験に合格すると、約3ヶ月程度の新人研修受講後、司法書士として活動できます。

しかし、事務処理や顧客対応のノウハウを得るには新人研修だけでは期間が短く、資格取得後にすぐ独立することが難しいです。

そのため、多くの司法書士は実務経験後に独立します。

合格後は大手司法書士法人に就職して数年間の修行を積んでから独立開業するのが一般的です。

(引用元:アガルート公式HP)

司法書士試験合格までに数年、実務経験に数年の期間が必要であることを踏まえると、すぐに稼ぎたい方は効率が悪いと感じる可能性があります。

そのため、収入の面で不満を持つ方がいました。

苦労して司法書士になったものの、収入の面から後悔している声があります。

不満はあっても後悔する声がない

実際に司法書士として活動している方の中には、仲間を含め「後悔した」と聞いたことがないという口コミがありました。

愚痴ることはあっても、後悔した声がないことから、司法書士を目指すことは無駄ではないと判断できます。

さらに、司法書士の仕事に充実感を感じている方もいました。

事務所で実績を積んでいる間も、独立した後も幸せだという声があります。

そして、生まれ変わっても司法書士になりかいかと問われると「NO」であっても、辞めたい方はいなかったとの口コミもありました。

仲間内で話していても、司法書士になったことを後悔している方がいないのは、やりがいがある魅力的な仕事と判断可能です。

長期間勉強し資格を取得しても活かせていなければ無駄と感じる可能性はありますが、司法書士として活動する場合は後悔しないといえます。

司法書士を一年で合格するのは難しいの?

1年で司法書士試験に合格するのは難しいです。

通信講座を利用し司法書士試験に合格した方の口コミでは、1日の平均学習時間が5時間、1,700時間程度の学習時間を設けていました。

【1日平均学習時間】入門・基礎期:約5時間 直前期:約8時間 【総学習時間】約1,700時間

大学在学中に行政書士の資格を取得し、法律事務所で正社員として働きながら、勉強をしていました。働きながらだとどうしても時間が足りず、隙間時間を勉強に充てていたので、主な勉強場所は自宅と通勤電車の中でした。

※一部抜粋

(引用元:WASEDAセミナー公式HP)

行政書士の資格がある方でも、働きながらスキマ時間を学習にあて、1年程度の期間をかけて合格しています。

また、法に触れたことがない場合は、1日5時間程度の学習時間を設け、3,000時間以上学習している方がいました。

【1日平均学習時間】入門・基礎期:約5時間 直前期:約8時間 【総学習時間】約3,300時間

半年間は働きながら勉強をしましたが、勉強に専念するためにアルバイトを辞め、約1年間は仕事はせずに勉強に専念しました。

※一部抜粋

(引用元:WASEDAセミナー公式HP)

この方は、働かず勉強に専念した期間はあるものの、1年半以上かけて合格しています。

さらに、多くの通信講座では、受講期間を1年以上に設定されています。

通信講座 受講期間
WASEDAセミナー 最大18ヶ月
アガルート 最大24ヶ月
クレアール 最大24ヶ月

(各通信講座の公式HPを基に独自に作成)

上記は、初めて司法書士試験を学習する方向けのコースの受講期間です。

司法書士試験対策のプロである通信講座でも受講期間は2年近くに設定されていることから、合格までに1年以上の期間は必要と考えおきましょう。

司法書士と司法試験ではどっちが難しいの?

司法書士と司法試験では、司法試験の方が難しいです。

まずは、合格率を見てみましょう。

年度 司法書士 司法予備試験 司法試験
2021年度 約5.14% 3.98% 41.5%
2022年度 約5.18% 3.62% 45.5%
2023年度 約5.19% 3.58% 45.3%

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

司法試験は法学部修了などの受験資格を満たさない場合は、司法予備試験に合格する必要があります。

司法予備試験の合格率は3%前後であり、司法書士試験より低いです。

また、実際に司法書士を取得後、司法試験に挑戦した方の口コミは以下の通りです。

司法試験の方が難しいと感じ、受験を断念した方がいました。

このように、学ぶ内容は法律であるものの、合格率や受験資格、口コミから司法試験の方が難しいといえます。

司法書士の試験は司法試験崩れ?

司法書士と司法試験は、出題範囲が重複する科目があるものの、別の物と考えましょう。

以下に、司法書士と司法試験の試験科目を簡単にまとまめました。

項目 司法書士 司法試験
試験方法 7月:多肢択一式問題 2回+記述式問題

10月:口述試験

7月:4日間
1日目 論文式試験
2日目 論文式試験
3日目 論文式試験
4日目 短答式試験
科目
  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 民事訴訟法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 選択科目(※)

(各認定機関の公式HPを基に独自に作成)

※知的財産法、労働法、租税法、倒産法、経済法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)、環境法 など

登記や供託が独占業務となる司法書士は、不動産登記や商業登記などが科目にあり、司法試験は刑事事件も扱うケースがあるため刑事訴訟法が試験科目に含まれます。

多くの科目が重複しているため、司法試験に通過していれば司法書士も受かる印象を持ちやすいです。

その理由として、司法書士と司法試験の違いが考えられます。

スタディングでは、司法試験の難しさは3日間の論文式試験にあるとしています。

司法試験でも特にハードなのは、3日間かけて行われる論文試験でしょう。

正確な分析力と、スピーディな論点整理、精緻な論理構成力が求められます。

問題文だけで数ページにも及ぶといわれますので、根気よく文章を読み込んで素早く理解する高度な読解力も欠かせません。

(引用元:スタディング公式HP)

論文試験では、法律をよく理解した上で、数ページもある問題文を分析し理論的に組み立て回答する力が必要です。

さらに、試験科目すべてが試験範囲であり、その範囲は膨大であることが伺えます。

一方、司法書士試験も記述式試験はあるものの、登記申請書作成について詳しく述べるといった内容であり、ある程度ひな形があるため演習を積めば正解を導きやすいです。

そのため、試験科目や試験方法を比べると、司法書士の方が簡単に感じます。

しかし、実際に司法試験に受かったものの、司法書士試験には落ちたという方がいました。

この方は、司法書士の試験は手強いとしています。

司法試験の方が難易度は高いものの、学ぶ範囲は異なるため司法試験に通れば司法書士に受かると思うのは危険です。

司法試験に受かった方も気を引き締めて司法書士に挑みましょう。

司法書士試験の合格率を大学別に知りたい

司法書士試験の合格率は、大学別は公表されていません。

LEC東京リーガルマインドの独自調査によると、司法書士試験の合格者のうち法学部出身が46%、その他の学部出身が54%としています。

LEC東京リーガルマインド2

(引用元:LEC東京リーガルマインド公式HP)

合格者のほぼ半数の方が法学部以外の学部出身者です。これは、勉強を始めるまで法律に縁のない方でも十分合格することができる可能性が有るということを表しています。

(引用元:LEC東京リーガルマインド公式HP)

合格者のうち、半数以上が法学部以外の出身者であることを踏まえると、初めて法律を学ぶ方も合格を狙えます。

司法書士の年収は?

求人ボックスによると、雇用された場合、司法書士の平均年収は459万円です。

求人ボックス

(引用元:求人ボックス給与ナビ)

思ったよりも少ないと感じる方もいるのではないでしょうか。

国税庁によると、給与所得者の平均給与は461万円です。

1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は461万円であり、前年に比べて0.1%減少している。

これを男女別にみると、男性567万円、女性280万円で、前年に比べて、男性は0.2%の減少、女性は横ばいとなっている。

(引用元:国税庁公式HP)

司法書士は、ほぼ給与所得者の平均年収です。

では、独立した司法書士の年収はいくらなのでしょうか。

リーガルジョブマガジン

(引用元:リーガルジョブマガジン公式HP)

リーガルジョブマガジンによると、独立2年目で1,000万円超えを経験している方がいました。

このように、開業と事務所に所属するのでは年収が大きく変わるケースがあることは留意しておきましょう。

士業のカーストは?

司法書士と弁護士は、士業カーストの中でもトップクラスです。

以下は、弁理士や社会保険労務士、公認会計士、行政書士、税理士、中小企業診断士、弁護士(予備試験・司法試験)の計8つの士業を比較し、年収・合格率・必要な勉強時間をランキングにしました。

表は左右にスクロールできます。

順位 平均年収 合格率 勉強時間(目安)
1位 弁護士:974.1万円 弁護士
予備試験:3.58%
司法試験:45.3%
弁護士:2,000~5,000時間
2位 司法書士:974.1万円 司法書士:5.19% 公認会計士:2,500~5,000時間
3位 弁理士:974.1万円 弁理士:6.1% 司法書士:約3,000時間
4位 中小企業診断士:780.9万円 社会保険労務士:6.4% 税理士:2,000~3,000時間
5位 社会保険労務士:780.9万円 公認会計士:7.6% 弁理士:2,000~3,000時間

(各士業の講座を開講す通信講座公式HP、「jobtag」を基に独自に作成)

上記のランキングから、司法書士と弁護士は平均年収、合格率、勉強時間それぞれトップ3に入っています。

年収や勉強時間は目安であり、士業によって受験資格が必要であることを踏まえると一甲斐にはいえませんが、士業の中でも司法書士は士業カーストトップクラスであると判断できます。

世間の士業に対するイメージ

ここまで、データを基に士業カーストを紹介しましたが、実際の世間がもつ士業カーストはどうなのでしょうか。

士業の求人を主に扱う「士業JOB」が独自に調査した士業ランキングは以下の通りです。

表は左右にスクロールできます。

順位 女性が結婚したい士業 女性が結婚したくない士業 年収が高そうな士業 年収が低そうな士業
1位 一級建築士 弁護士 弁護士 土地家屋調査士
2位 弁護士 土地家屋調査士 公認会計士 行政書士
3位 税理士 行政書士・税理士 一級建築士 社会保険労務士
4位 公認会計士 司法書士・税理士 不動産鑑定士
5位 司法書士 弁理士・司法書士 一級建築士

(士業JOB公式HPを基に独自に作成)

上記は、20~39歳の女性をターゲットに調査した結果です。

年収が高そうな印象の士業と実際の平均年収では、差があることがわかります。

さらに、年収が低い印象を持つ士業の理由として、士業JOBでは認知度が低いことを挙げています。

聞いたことがないから仕事も無いのでは?という想像から回答される方が多くいらっしゃいました。

(引用元:士業JOB公式HP)

仕事内容にイメージがわかない=仕事が少ないと判断されています。

そして、結婚したい士業と結婚したくない士業が、同時にランクインしているのもおもしろい点です。

特に弁護士は弁が立つ印象が強く、結婚後の夫婦生活を心配する声がありました。

喧嘩した時に負けそうといったものや理屈ばっかりで面倒くさそうといったイメージを持っている方もいらっしゃいました。

(引用元:士業JOB公式HP)

弁護士は、収入が良いイメージがある反面、夫婦生活を想像した際に悪いイメージを持つ方がいることがわかります。

女性のみにアンケートを実施した結果のため、あくまで参考程度の世間の認識としてください。

まとめ:司法書士は難易度が高く充分な学習期間が必要

司法書士の難易度について、以下にまとめました。

  • 司法書士試験は例年合格率5%程度の難関資格である
  • 相対評価のため成績優秀者が多い年は難易度がさらに上がる
  • 勉強時間は約3,000時間が目安
  • 2年以上かけて合格した方が90%以上と長期間の勉強期間が必要
  • 令和6年度から相続登記が必要になるため司法書士の活躍の場が広がる
  • 司法書士は、士業カーストでも上位

司法書士試験に合格するためには、約3,000時間程度の勉強時間が必要です。

1日5時間、毎日勉強したとしても600日かかります。

そのうえ、合格率は5%程度と低く、合格するまでに何度もチャレンジする方が多いです。

さらに、試験範囲も広く、専門用語や難しい言い回しを理解する必要があるため、受験を断念する方もいました。

司法書士試験に受かるためには、コツコツとした学習の積み上げと、長期間取り組む覚悟が必要です。

2年以上の期間を目安に、計画的に学習スケジュールを立てましょう。

司法書士は難易度が高い資格であるものの、法律を始めて学ぶ場合でも多くの方が取得している国家資格です。

実際に司法書士として働いている方は、厳しい試験を乗り越えて司法書士になったことに後悔はないといった声が多くあります。

また、司法書士は相続登記など活躍の場は広がるため、将来性も見込める資格です。

ぜひ、今後のスキルアップや独立開業に資格取得を検討してみましょう。

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詳しくはアガルートの公式HPにてご確認ください。

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この記事を書いた人

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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