【2024年最新】国家公務員試験の難易度は難しすぎる?ランキングと合格率や年収も調査!

国家公務員は安定した職業、という言葉をよく聞く方も多いと思いますが、実際の試験の難易度はどれくらいか気になりませんか。

ここでは国家公務員試験の試験種類から、それぞれの難易度、合格率、倍率などの情報を説明していくので、今後国家公務員試験を受験したいという方はぜひ参考にしてみて下さいね。

また、なぜ無理ゲーといわれているのか、国家公務員総合職、国家公務員一般職の合格率推移や、気になる国家公務員の年収についても説明しているので国家公務員の情報をバッチリ収集できますよ。

国家公務員の試験勉強は、通信講座もおすすめです。

詳しくは、こちらの記事にて解説しています。

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目次

公務員試験の難易度と合格率は?

国家公務員試験は、試験ごとに難易度が異なります。

国家公務員試験は、国家公務員試験、地方公務員試験の2つに分かれており、その中から総合職試験、一般職試験、専門試験などに分類されています。

そして院卒者対象の試験、大卒程度対象の試験、高卒程度対象の試験、社会人を対象としたキャリア試験など数多くの種類に分かれていますよ。

種類の違う試験ですので、試験内容もそれぞれ異なり、難易度・合格率ともにかわってきますが、一般的には院卒者試験が一番難易度は高く、大卒、高卒と順に難易度は下がっていくとされています。

国家公務員試験が無理ゲーと言われる理由は?

国家公務員試験は無理ゲーとよくネットでも書かれていますが、なぜでしょうか。

国家公務員試験は、試験の種類によって受験資格や試験内容、合格した後の就職先なども異なります。

そして国家公務員試験は資格試験ではなく、就職試験になるので試験に合格したから終わりではありませんよ。

公務員試験に合格した後は、官庁訪問を経て、自身が希望する官庁で内定をもらえなければ公務員としての勤務はできないです。

また専門性の高い業種であればあるほど試験レベルも高く、採用枠も限られます。

例えば外務省専門職は、日本と世界中の国々との経済、支援活動を行っていく公務員になります。

世界中の国々との交流となれば、語学力は必須、長期留学組や帰国子女などの経験がある人材を求められることで採用枠も限られ、競争率も高いといえるでしょう。

他にも全体の試験に共通した教養科目も試験範囲が広く、出題問題の傾向も分かりづらいなど様々な面で、国家公務員試験は無理ゲーとされているようです。

ここからは、国家公務員試験全体の合格率や専門試験や地方公務員試験の合格率、倍率など説明していくので、参考にしてみてくださいね。

代表的な国家公務員試験の合格率

まず、代表的な国家公務員試験の合格率を表にしました。

種類 試験名 申込者数 1次試験合格者数 最終合格者数 合格率
国家公務員試験 総合職試験(院卒者試験) 1,486人 1,017人 667人 44.9%
総合職試験(大卒程度) 16,900人 3,400人 1,783人 10.6%
一般職試験(大卒程度) 26,319人 11,558人 8,269人 31.4%
国税専門官採用試験(大卒程度) 14,903人 5,729人 3,274人 22.0%
一般職試験(高卒程度) 9,889人 4,559人 3,407人 34.5%

(参考:国家公務員試験採用情報NAVI公式HP)

国家公務員試験の代表的な試験として、7つの試験を参考にしています。

一番難易度の高いとされている国家公務員採用総合職試験は、財務省、総務省、外務省などのキャリア組と呼ばれています。

総合職試験(院卒者試験)では合格率は40.6%と高いのでは?と思いますが、総合職試験は東大などの難解大学卒業の方たちが多く受けている試験であり、難解大学出身の方たちでも合格率は半数を超えないと考えると難易度は高いといえるでしょう。

国家公務員採用一般職試験は、大卒者の合格率が27.5%、高卒者の合格率は24.0%となっています。

一般職試験(大卒程度試験)では、受験者が27,317人に対して合格者が2,775人と9人に1人の割合で合格したということになりますね。

また公務員志向が高い地域などでは、地元大学生の受験者が多い傾向があるようです。

専門試験がある試験は難易度が高い傾向がある

次に専門試験がある職種の難易度について説明しますね。

試験名 2023年倍率
航空管制官 8.5倍
法務省専門職員(人間化学) 4.2倍
財務専門官 5.3倍
国税専門官 4.3倍
労働基準監督官 7.2倍
皇宮護衛艦(大卒程度試験) 14.5倍
海上保安官 6.5倍
食品衛生監視官 4.5倍

(参考:国家公務員試験採用情報NAVI公式HP)

専門試験のある職種を8つ表にまとめました。

国家公務員試験では、行政府、立法府、司法府の3つの中からそれぞれ採用が行われており、行政府の中で勤務先の官庁を指定し、採用をかけている場合を「国家専門職」と呼びます。

国家総合職や国家一般職では、内定が取れるまで勤務官庁がわかりませんが、国家専門職であれば確実に希望の官庁で勤務ができますよ。

表の中で、倍率が19.9倍と一番高くなっている「航空管制官」は、採用枠が限られ、語学力が必須、試験も教養試験などに加えて外国語試験(ヒアリング、読解、和訳、文法)と難易度が高くなるため倍率も高くなっているといえるでしょう。

2番目に倍率が10.9倍と高い「海上保安官」は、筆記試験に専門科目はありませんが、海上のあらゆる犯罪捜査や災害時の救助、支援活動を行うため、2次試験で身体検査、体力測定があります。

地方公務員試験の倍率

国家公務員の合格率と専門職試験の倍率を説明しましたが、地方公務員試験の倍率はどのようになっているのでしょうか。

関東の都県の代表的な地方公務員試験倍率を、各自治体公式HPを参考に表にまとめてみました。

試験名 採用予定人数 申込者 最終合格者 2022年倍率 2023年倍率
東京都I類A採用試験(事務) 40 人 608人 51人 8.8倍 5.6倍
東京都I類B採用(一般方式) 455人 2,122人 626人 4.6倍 2.4倍
神奈川県1種試験(行政) 125人 1009人 195人 6.2倍 3.2倍
埼玉県上級試験(一般行政) 193人 1,402人 339人 5.4倍 3.1倍
千葉県上級試験(一般行政A) 95人 879人 175人 5.7倍 3.6倍
横浜市大学卒業程度採用試験(事務) 1,829人 180人 7.6倍 8.1倍
名古屋市第1類(行政一般) 1,735人 146人 4.8倍 10.1倍

(参考:各自治体公式HP)

国に携わる仕事を行う国家公務員試験より、地方公務員試験のほうが難易度は低いのではと思われがちですが、実際は反対に地方公務員試験のほうが合格しづらいとされています。

地方公務員の場合、地元で働きたい方や地元貢献を考える人が多く、採用枠よりも受験者数のほうが多くなり合格者の数も狭まっています。

実際に表を見てみると、東京都I類A採用試験(事務)では採用予定人数が20人ですが、受験者数は772人とおよそ40倍ほど多く受験者数がいたことがわかりますね。

各自治体のHPでは、過去の試験実地状況を見ることができるので、過去の採用予定者数から今年度の採用者数を予測することもできるでしょう。

また、地方公務員試験では過去の国家公務員試験で出題した問題を少しアレンジして出題したケースもあるようなので、国家公務員試験の過去問を勉強しておくのも試験対策になるでしょう。

国家公務員試験の合格者の推移

国家公務員試験の合格率はどのようになっているのでしょうか。

国家公務員試験の中から5つの試験の過去5~7年間の合格者の推移を調べ、それぞれ表にまとめました。

国家総合職(法律区分)

始めに、国家公務員試験で一番難易度が高いとされている国家総合職(法律区分)の過去6年間の試験結果になります。

年度 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
倍率 18.1倍 16.9倍 8.6倍 15.7倍 17.0倍 18.1倍
採用予定人数 165人 160人 155人 145人 130人 125人
最終合格者数 471人 449人 401人 406人 380人 352

(参考:LEC東京リーガルマインド公式HP)

国家総合職は国の立案や政策に携わる職種として、キャリア組と言われているほど難易度の高い試験になっています。

2016年から2022年まで合格者は370~500人台を保っており、一番合格者が多かったのは2016年の569人ですね。

国に携わる職種として難易度の高い国家総合職ですので、倍率も7年間の平均が15.9倍と高いものになっています。

国家公務員試験の場合、採用枠が設定されてるためその分合格倍率も高くなっているといえるでしょう。

東大や京大などの難解大学の方でも、合格が難しい試験であり、試験合格後には省庁訪問も行わなければ採用にならない点も難しさの1つです。

国家一般職(行政/関東甲信越)

次に国家一般職の過去7年間の合格者の推移を表にまとめました。

年度 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
倍率 4.9倍 4.0倍 3.4倍 3.4倍 3.4倍 3.4倍
採用予定人数 730人 670人 680人 730人 780人 700人
最終合格人数 1,696人 1,792人 1,572人 1,825人 1,844人 2,098人

(参考:LEC東京リーガルマインド公式HP)

国家一般職(行政/関東甲信越)は、総合職と違い国の一般的な事務に携わる職種になり、採用予定人数も総合職と比べおよそ6倍ほど多くなっていますね。

最終合格人数も過去7年間、1,500人以上排出しており、総合職と比べ安易かと思いますが、国家一般職も試験科目の多さや倍率も4倍程度を保っていることから、難易度は高い試験であることに変わりはありません。

最終合格者数は7年間1,500~1,900人台を左右していますが、採用予定人数はその年度によって増減を繰り返しているため、もし自治体が採用予定人数を公表しているケースの場合、おおよその倍率などの情報も分かるかもしれないのでチェックしておくとよいでしょう。

国税専門官

国税専門官についても表にまとめました。

年度 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
倍率 3.4倍 3.0倍 2.3倍 2.3倍 2.7倍 4.3倍
採用予定人数 1,200人 1,200人 1,350人 1,500人 1,400人 1100人
最終合格人数 3,479人 3,514人 3,903人 4,193人 4,106人 3,274人

(参考:LEC東京リーガルマインド公式HP)

国税専門官は、国税局や税務署において税のスペシャリストと呼ばれている職種です。

法律、経済、会計などの専門知識を使い業務を行っていくため、専門試験も難しくなっています。

過去7年間の倍率は2~4倍を保っており、他の公務員試験と比べると合格者数も3,000人以上と多くなっていますね。

しかし国税専門官は筆記試験も大切ですが、何より面接試験も重要になっています。

国税専門官は確定申告にあたって、税知識のない方に説明したり、企業に適切な課税管理をアドバイスすることもあるため、コミュニケーション能力の有無を面接試験では求められていますよ。

労働基準監督官A(法文系)

労働基準監督官は過去9年間の合格率推移を表にまとめました。

年度 応募者数 合格者数 合格率
2023年 2,957人 413人 14.0%
2022年 2,254人 319人 14.2%
2021年 2,224人 336人 15.1%
2020年 2,699人 358人 13.3%
2019年 2,703人 379人 14.0%
2018年 3,156人 396人 12.5%
2017年 2,835人 339人 12.0%
2016年 2,878人 282人 9.8%
2015年 3,148人 297人 9.4%

(参考:JQOS公式HP)

労働基準監督官は、厚生労働省に属し、国民の労働行政を支える職種です。

試験で出題される問題は大卒以上を対象とした問題ですが、学歴などの受験資格はないため、21歳以上30歳未満であれば誰でも受験することが可能な試験ですよ。

過去5年の合格率は9.4%~14.0%と決して高い合格率ではありませんね。

試験では、労働法や労働情報に関する問題が必須になっており、教養科目以外にも勉強する範囲が増えているのも難易度の高い理由といえるでしょう。

航空管制官

航空管制官についても過去7年間の合格率を表にまとめました。

年度 応募者数 合格者数 合格率
2023年 795人 94人 11.8%
2022年 808人 85人 10.5%
2021年 839人 42人 5%
2020年 767人 41人 5.3%
2019年 912人 105人 11.5%
2018年 1,015人 133人 13.1%
2017年 1,045人 138人 13.2%

(参考:JQOS公式HP)

航空管制官は、国土交通省航空局の国家公務員として勤務しますが、必要な国家資格や学歴はありません。

基礎能力に加え、航空管制官に必要な能力を判断する独自問題や、英語力を求められる英語の聞き取り、英文和訳、和訳英文、英文法など幅広く問題が出題されますよ。

過去6年間では、2021年の応募者数は839人と一番多かった2017年の1,045人から206人も減少していることが分かります。

応募者数の減少から、採用枠も減らし合格人数も減少、2021年には合格率5%と難易度の高い試験になったといえるでしょう。

国家公務員試験の難易度が高い理由は?

国家公務員試験は、総合職試験、一般職試験、地方公務員試験など、どの試験も難易度の高い試験になっていますが、難易度が高い理由はなんだろうと気になる方もいるのではないでしょうか。

通信講座公式HPや資格サイトを調べた結果、大きく2つの理由があることが分かりました。

理由を1つずつ説明していくので、参考にしてみて下さいね。

資格試験ではなく採用試験のため

国家公務員試験は資格試験ではなく、採用試験になります。

一般的な資格試験では合格基準点を超えれば合格者は増えていきますが、公務員試験の場合採用枠に限りがあり、採用枠の数までしか合格者は輩出されません。

そして公務員試験では、試験に合格すれば終わりではなく、合格後に官庁訪問があり、各省庁に行き自分をアピールする必要があります。

そこで各省庁に自分の強みを伝えられ、内定を取れればようやく公務員として勤務することができますよ。

試験合格がゴールではなく、そこからまた自分をアピールし内定を勝ち取らなければならないいわば就職試験のようなものなので、そういった点も国家公務員試験の難易度を上げているといえるでしょう。

試験範囲が広いため

国家公務員試験の試験範囲は、試験の種類や自治体によって異なりますが、大卒程度の試験科目であると「教養科目」と「専門科目」の2つに分かれます。

教養科目では「一般知能」と「一般知識」に分かれており、一般知識の問題は高校までの数学、理科、社会分野を中心に出題されます。

一般知能では、高校までに習う国語、英語、数的理解、資料解釈、実務に繋がる問題を中心に出題されますよ。

高校までに習う範囲とおおまかな試験範囲で、出題傾向も分かりづらい点があるので、こういった点が勉強のスケジュールの組み立てを難しくさせ、難易度を上げている要因の1つといえるでしょう。

教養科目の出題問題は試験の種類によって異なりますが、ほとんどの試験で40題は出題されています。

大卒程度試験では、2012年より一般知能27題、一般知識13題の配分で出題されていますが、地方公務員試験では自治体によって問題数が異なるので注意が必要でしょう。

国家公務員試験の試験内容

国家公務員試験の試験内容は、試験の種類によって異なると説明しましたが、それぞれどんな試験内容になっているのかを表にまとめました。

代表的な国家総合職(院卒者試験・大卒程度試験)と国家一般職(大卒程度試験)の3つをそれぞれ説明していきますね。

国家総合職(院卒者)試験の試験内容

始めに、国家公務員試験で一番難易度が高いとされている国家総合職(院卒者)試験の試験内容について表にまとめました。

試験 試験科目 解答題数 解答時間 配点比率 内容
 

1次試験

基礎能力試験    多肢選択式 30題(30題出題) 2時間20分 2/15 知能分野24題、知識分野6題
専門試験 多肢選択式 40題(49題出題) 3時間30分 3/15 各試験区分に応じた専門的知識
 

 

2次試験

専門試験 記述 3題 4時間 5/15 各試験区分に応じた専門的知識
政策課題  議試験 1時間30分 2/15 プレゼンテーションやコミュニケーション力を求められるグループ討議
人物試験 3/15 人柄、対人的能力などについての個別面接

(参考:伊藤塾公式HP、公務員試験総合ガイド公式HP)

国家総合職(院卒者)試験はまず大学院修了した方か修了予定であることが受験資格です。

そして総合職試験は政策の企画立案、高度な知識や経験を必要とし業務に生かすことができるかを見定める試験になります。

1次試験では基礎能力試験(教養科目)と専門試験が行われ、基礎能力試験では大卒程度試験よりも問題数は30題と少なくなっていますね。

2次試験に進むと政治、国際区分、教養区分などの専門試験とコミュニケーション力能力などについて求められる「政策課題議試験」、人物試験が行われます。

国家総合職(大卒程度)試験の試験内容

次に国家総合職(大卒程度)試験の試験内容について表にまとめました。

試験 試験科目 解答題数 解答時間 配点比率 内容
 

1次試験

基礎能力試験    多肢選択式 40題 3時間 2/15 知能分野27題、知識分野13題
専門試験 多肢選択式 40題 3時間30分 3/15 各試験区分に応じた専門知識
 

 

 

2次試験

専門試験 記述 政治・国際、法律、経済3題、その他2題 政治・国際、法律、経済4時間その他3時間30分 5/15 各試験区分に応じた専門知識
政策課題 議試験 2/15 政策の企画立案に必要な総合的な判断力などについての筆記試験
人物試験 3/15 人柄などの面接試験

(参考:伊藤塾公式HP、公務員試験総合ガイド公式HP)

国家総合職(大卒程度)試験では、受験資格が21歳~30歳未満、大学卒業者か実地年度の3月末に卒業見込みがある方になります。

大卒程度試験では1次試験の基礎能力試験(教養科目)が院卒者試験より10題多い40題出題されますよ。

2次試験に進むと、政治、経済、法律などの科目の専門試験、政策の立案に必要とされる思考力について求められる「政策論文試験」、人物試験が実地されます。

大卒程度試験では、1次試験では院卒者試験と似た試験内容ですが、2次試験に進むと専門試験の科目が異なっていたり、院卒者試験ではグループで討議を行う「政策課題議試験」、大卒程度試験では「政策論文試験」は筆記試験になることが異なる点になりますね。

国家一般職(大卒程度)試験の試験内容

最後に国家一般職(大卒程度)試験の試験内容について表にまとめたので、説明していきますね。

試験 試験科目 解答題数 解答時間 配点比率 内容
 

 

 

 

 

1次試験

基礎能力試験    多肢選択式 40題 2時間20分 2/9 知能分野 27題   知識分野 13題
専門試験 多肢選択式 建築区分 33題    建築以外 40題 建築区分 2時間   建築以外 3時間 4/9   建築区分2.5/9 各試験の区分に応じて必要な専門知識などの筆記試験
一般論文行政 1題 1時間 1/9 文章による表現力、課題に対する短い論文による筆記試験
専門記述 行政以外 建築区分 1題   建築以外 1題 建築区分 2時間   行政・建築以外   1時間 1/9   建築区分2.5/9 人柄などの面接試験
2次試験 人物試験 2/9

(参考:伊藤塾公式HP、公務員試験総合ガイド公式HP)

国家一般職も受験資格は総合職(大卒程度)試験と同様になっていますよ。

そして国家一般職は、主に企画立案などをまとめていく事務を職務とする係員の採用試験です。

1次試験は国家総合職試験と同様な内容ですが、専門試験では行政、技術系、建築のどの区分を選択するかによって問題内容は変わり、上記の表は建築区分を選択した場合の試験内容になります。

2次試験に進むと、文章による表現力や課題に対する理解力を短い文章で求められる「一般論文試験」が実地されますよ。

国家公務員試験の合格基準点

国家公務員試験は試験科目が多いですが、合格基準点はそれぞれどれくらいになっているのかを調べて表にまとめました。

国家公務員総合職(大卒程度)試験の2021年の合格基準点の表になります。

試験科目 区分 満点 基準点 平均点 標準偏差
基礎能力試験 全区分共通 40 12 18.839 4.921
 

 

 

 

 

専門試験

政治・国際 40 12 16.454 5.676
法律 40 12 18.608 5.483
経済 40 12 16.638 6.023
人間科学 40 12 17.527 5.885
工学 40 12 16.213 5.648
数理科学  物理    地球科学 40 12 17.138 6.128
科学    生物    薬学 40 12 16.492 5.378
農業科学  水産 40 12 16.486 4.759
農業農村  工学 40 12 16.734 4.681
森林    自然環境 40 12 20.047 6.037

(参考:公務員試験総合公式HP)

国家総合職(大卒程度)試験では、基礎能力試験、専門試験ともに40点満点中12点が基準点になっていますね。

各科目の平均点も基礎能力試験では18.839点と基準点よりも高くなっており、他の科目も同様に基準点より高いですね。

合格基準点は2つの設定方法があり、設定した合格点を超えた人は全て合格にする「絶対評価」と、受験者の正答率から合格基準点を後から設定する「相対評価」があります。

国家公務員試験では採用枠がもともと決まっているため、合格基準点は「相対評価」で算出していますよ。

合格者の出身大学は?

難易度の高い国家公務員試験を合格した方の出身大学はどこなのか気になる方もいるのではないでしょうか。

そこで、2023年度の国家公務員総合職の試験結果を大学別にまとめてみました。

大学名 人数
東京大学 193人
京都大学 118人
北海道大学 97人
早稲田大学 96人
立命館大学 78人

(参考:人事院、資格講座公式HP提供データより作成)

大学別の受験者数は公表していなかったため表に出せませんでしたが、合格者数では東大出身の方の合格人数が193人と一番多くなってますね。

2番目に多い京都大学では118人、北海道大学でも97人合格者を輩出しています。

表に記載されている大学は有名な難関大学ばかりなことがわかりますね。

国家公務員試験の受験資格は?

国家公務員試験の受験資格は、試験の種類によって異なります。

4つの公務員試験の受験資格を比較した表をまとめたので、参考にしてみてくださいね。

試験種類 対象者 受験資格
国家公務員総合職試験 大卒程度 21歳以上30歳未満
国家公務員一般職試験 高卒程度 受験する年において高校・中学を卒業後2年以内
国家公務員社会人試験 高卒程度 40歳未満かつ高卒者試験の受験資格を持たない者
国家公務員経験者試験 職務経験年数が要件を満たしている者

(参考:LEC東京リーガルマインド公式HP、その他資格サイト)

国家公務員総合職(大卒程度)試験だと、受験資格は21歳以上30歳未満の者になっていますね。

表には記載していませんが、国家一般職(大卒程度)試験も同様の受験資格になりますよ。

そして、国家一般職(高卒程度)試験では、受験資格は受験する年において高校、中学を卒業後2年以内となっています。

卒業後2年以降経過してしまった方は、一般職の高卒程度試験は受けられず、国家公務員社会人試験を受験することになりますよ。

試験合格後の流れ

国家公務員試験を合格した後の流れを説明しますね。

国家公務員試験を合格=公務員採用というわけではありません。

試験を合格した後は、各省庁を訪問し、内定を勝ち取る必要があります。

国家総合職と国家一般職試験に合格すると、3年間官庁訪問ができる期間を設けられます。

しかし、国家総合職と国家一般職で官庁訪問の方法は異なり、総合職の場合は試験合格発表後に実地されますよ。

総合職では官庁訪問は5クール制になっており、官庁訪問開始時には3省庁訪問できるようになっていますが、クールが進むにつれて特定のの省庁に絞り、決めていく流れになります。

一般職の場合、1次試験合格発表後もしくは最終合格発表前に実地されることがあります。

総合職のようにクール制ではなく、人気の高い省庁は1庁しか訪問できないようになっていますよ。

各省庁によって内定基準は異なり、対策がしづらく、人気の省庁は競争率も高いということが難点になります。

自分が勤務したい省庁に、自分が適した人材であることをいかに伝えられるかが肝になりますよ。

地方公務員は国家公務員よりも難しい?市役所の難易度は?

地方公務員の難易度は国家公務員に比べて高いのでしょうか。

下記は市役所の試験日程です。

市役所の試験内容や難易度について説明していきますね。

A日程 概ね6月第4日曜 都府県庁、政令指定都市、県庁所在地などの市役所
B日程 概ね7月第2日曜
C日程 概ね9月第3日曜 全国の多くの市役所がこの日に実地
D日程 概ね10月第3日曜

(参考:アガルート公式HP)

地方公務員試験で合格すれば、市役所勤務が可能になります。

市役所での採用試験内容は、筆記試験、小論文、個人面接、グループディスカッションなどになっていますよ。

上記の表に記載されているA日程では、筆記試験は基礎能力試験(教養科目)と専門科目どちらも出題されますが、他の日程の試験では教養科目のみ実地されることが多いようです。

そして、国家公務員試験、地方公務員の場合倍率は2~3.4倍が目安となっていますが、市役所の試験の場合、倍率は4~20倍と一気に跳ね上がるんですよ。

市役所採用試験では、筆記試験が教養科目のみが多いため難易度は低いのでは?と思われがちですが、実際は違います。

近年は採用人数の減少や地元働きたい方が増加傾向にあり、競争率は高くなってきています。

さらに試験問題は非公開になっており、出題範囲もわかりづらい点も難易度をあげている要因の1つといえるでしょう。

国家公務員試験の難易度のランキングは?

国家公務員試験はさまざまな種類の試験に分類されていますが、それぞれの試験の難易度はどれくらいなのかを、一般的にいわれている偏差値順に分けて表にしてみました。

試験名 偏差値
国家公務員総合職試験 77
外務省専門職 70
国会議員 70
労働基準監督官 61
航空管制官 60
東京都I類・都市圏県庁(上級)・法令指定都市職員(上級)・東京23区職員 60

(参考:マイナビニュース公式HP)

表を見ると、国家公務員総合職試験が一番難易度が高く、偏差値は77程とかなり高いことがわかりますね。

偏差値77がどれくらいなのかというと、国家資格だと司法試験や司法書士と同等レベルの難易度であり、大学であると東大の偏差値と同等といえるでしょう。

国家公務員総合職は試験合格後に、官庁訪問を経て内定を勝ち取らなければならないことも難易度を上げている要因の1つです。

次に難易度の高い外務省専門職も、他国と日本を繋ぐ架け橋としての職務になるため、英語力は必須、コミュニケーション力も求められることも難易度が高い理由の1つです。

国家公務員になるメリット

公務員になるメリット
・年収が高い
・安定した待遇
・やりがいがある

国家公務員試験は試験によって、難易度の高さが異なると説明してきましたが、国家公務員になると一体どんなメリットがあるのでしょうか。

メリットを3つあげましたので、それぞれ説明していきますね。

年収が高い

1つ目のメリットは「年収が高い」ということです。

民間企業の平均年収が400万円台に対して、国家公務員の平均年収は600万円台になってきています。

国家公務員の平均月収は42万、地方公務員の場合平均37万と言われており、年2回のボーナスを換算して年収が国家公務員は630万、地方公務員の場合432万となりますね。

民間企業でも公務員以上の年収がもらえる企業はありますが、国家公務員は年齢や勤続年数に応じて給料は上がり、手当も充実している面から生涯年収で考えた際に民間企業よりも圧倒的に安定しているといえるでしょう。

安定した待遇

2つ目のメリットは「安定した待遇」があるということです。

国家公務員は、民間企業や国民のお手本をみせる立場として、福利厚生が充実しています。

公務員の場合1年目から有給休暇が20日分取得でき、病気休暇も診断書があれば最大90日取得でき、その間の給料も発生します。

他にも介護、子育てにおける特別休暇も付与されるので、自分の将来設計を組み立てやすいという点も魅力的ですよね。

やりがいがある

3つ目のメリットは「やりがいがある」ということです。

国家公務員は、「全体の奉仕者」として社会全体の生活を作り出し、すべての人たち平等な行政サービスを提供するために生活の基盤を支えてくれています。

地方公務員の場合は市役所など市民に直接関われる仕事なので、より近い距離で市民の声を聞き、生活を支えることができます。

国家公務員なら国に携わる大きい仕事に携わることもできますね。

校務員は多種多様な職種があるので、自分の人生設計に合わせ選択が可能ですし、何より誇りをもって働くことのできる素敵な仕事ですよ。

国家公務員の年収は具体的にどれくらいなの?

国家公務員になるメリットとして、「年収が高い」ということを説明しましたが、実際に公務員の年収はどれくらいなのでしょうか。

具体例を表にまとめましたので、参考にしてみて下さい。

国家公務員の年収モデル

国家公務員の年収モデルを調べ、表にまとめました。

職種 年齢 年収 月収
係員 25歳 3,178,000円 193,900円
係長 35歳 4,544,000円 273,600円
地方機関課長 50歳 6,730,000円 413,200円
本府省課長補佐 35歳 7,314,000円 440,600円
本府省課長 50歳 12,659,000円 749,400円
本府省局長 17,804,000円 1,074,000円
事務次官 23,374,000円 1,410,000円

(参考:マイナビニュース公式HP)

現在の公務員年収中央値が大体580万円台と言われていますが、国家公務員で一番年収の高い事務次官では年収2,000万円越えとなっています。

年収2,000万円越えであると、独立コンサルタントなどと同等の年収になります。

通常の月収の他に年2回のボーナスもあるので役職が上がれば上がるほど、生活もより安定していくことが分かりますね。

しかし、年齢や勤続年数、役職が上がればそれに伴い責任も担ってくるので、精神面の負担も大きくなるでしょう。

年齢別の国家公務員の年収は?

次に、年齢別の国家公務員の年収を表にまとめました。

年代 年収 日本の平均年収中央値/男女
20代 約300~450万円 約298~342万円
30代 約500~600万円 約390~431万円
40代 約650~800万円 約349~516万円
50代 約800~900万円 約335~556万円

(参考:マイナビニュース公式HP)

就職したての20代は、年収300~450万円になっており、国家公務員の年収中央値にはまだ届いていませんね。

年収中央値の580万円に近づいてくるのは大体30代頃と言われています。

30代に入ると勤続年数も増え仕事への責任が強くなったり、役職が上がる機会も設けられる可能性が高いです。

国家公務員は年功序列の世界なので、年齢、勤続年数が上がっていくほど、月収・年収共に不自由なく暮らせる額へとなっていきますよ。

国家公務員試験に独学で合格は可能?

公務員独学

難易度の高い国家公務員試験ですが、独学での勉強は可能なのか気になる方もいるのではないでしょうか。

そこで、独学で勉強するのに必要な勉強時間、勉強にあたっての注意事項などをそれぞれ説明していきます。

独学で合格するのに必要な勉強時間

通信講座・資格サイト 勉強時間
アガルート 1,500~1,600時間
LEC東京リーガルマインド 1,000~1,500時間
ユーキャン 少なくとも800時間以上

いくつかの通信講座や資格サイトを調べた結果、国家公務員試験を独学で合格するために必要な勉強時間は800~1,500時間ということが分かりました。

1,500時間だと、1日4時間ほどの勉強を1年半~2年ほど続けて達成する時間になります。

国家公務員試験では、教養科目10科目以上、専門科目は法律、経済系合わせて8科目、他にも小論文や専門記述など試験科目の多さが難易度を上げています。

自分の生活に無理なく勉強時間を取り入れ、科目数の多さを乗り越えるためにも勉強時間は年単位で800~1,500時間を目安に取り組むとよいでしょう。

独学で勉強するのに注意するべきこと

独学で合格するためには、勉強を行う計画性が必要です。

試験科目は教養科目、専門科目だけでも18科目あり、その他に小論文や専門記述が必要な試験もあります。

平日に3~4時間、休日に8時間など自分の生活に無理なく勉強時間を取り入れていく計画をし、計画を継続していきましょう。

そして、独学での勉強ではモチベーションの継続が難しいです。

完全1人の勉強は、自分が思う以上に気が滅入りますしモチベーションも下がります。

身近な人に同じ国家公務員を目指す人がいたら、情報共有や悩みなども共有して、自分のモチベーションを継続させていくとよいでしょう。

不安な方は通信講座や予備校がおすすめ

独学が不安、勉強スケジュールが決めにくい方は通信講座や予備講座がおすすめです。

通信講座や予備講座は、国家公務員試験に適したカリキュラムがあるので。カリキュラムに沿って勉強を進めることができますよ。

予備校のパンフレットに記載されている各科目のコマ数も、勉強配分の参考になるのでおすすめですよ。

また実際に合格した方の合格体験記などをみて、勉強スケジュールを参考にしたり、独学のモチベーションを高めていけるのも通信講座や予備講座の魅力です。

国家公務員試験の勉強を始めるタイミングは?

国家公務員試験の勉強を始めるタイミングはいつぐらいよいのか気になる方もいますよね。

いくつかの通信講座サイトや資格サイトで調べた結果、国家公務員試験の合格者の大半は、大学3年生から始めていることがわかりました。

上記の勉強時間の表でも説明した通り、国家公務員試験の勉強時間は平均800~1,500時間必要とされています。

年単位だと1年半~2年は必要になることから、大学3年生頃から勉強を始めている方が多いことが分かりますね。

高卒、社会人試験を受験しようと考えている方も、自分が受験したい年度から勉強期間を逆算すれば、自分がいつが勉強を始めるタイミングか分かりやすいのではないでしょうか。

国家公務員試験難易度よくある質問

国家公務員試験の難易度についてよくある質問をまとめました。

国家公務員試験についてよくある質問
・公務員市役所の難易度は?
・大学別の公務員試験の合格率は?
・公務員試験は難しすぎる?
・公務員に簡単になれる職種はあるの?
・公務員試験が難しい理由は?
・高卒の公務員試の難易度は?
・国家公務員総合職の過去問が見れるサイトはある?
・大学別の地方公務員試験の合格率は?

質問1つ1つ説明していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

公務員試験市役所の難易度は?

公務員試験、市役所の試験難易度はどれくらいなのでしょうか。

市役所試験では、筆記試験、小論文、個人面接、グループディスカッションなどがありますが、各自治体によって試験内容は異なります。

試験日はA、B、C、D日程に分かれており、A日程の筆記試験では教養科目と専門科目どちらも出題されています。

他の日程では教養科目のみの出題傾向が多いようですが、自身の受験した市役所公式HPで確認しておきましょう。

倍率でいうと市役所は4~20倍が平均的であり、地方公務員の平均倍率2~3.4倍に比べるとかなり難易度の高い試験だということが分かりますね。

筆記試験が教養科目のみの日程もあるため、難易度は低いと思われがちですが、試験問題は非公開、範囲が分かりづらく勉強範囲が難しい点もあります。

そして近年では地元で働きたい方が増加傾向にあり、競争率は高くなってきています。

年齢制限が高めな(定年まで勤務できる)市役所であれば、受験者数はもっと増加し倍率も高くなるといえるでしょう。

大学別の公務員試験の合格率は?

大学別の公務員試験の合格率はそれぞれどれくらいなのでしょうか。

大学別で受験者人数や合格率などのデータがなかったため、大学別の国家公務員合格者人数の表を人事院などのHPから調べ、まとめました。

大学名 人数
東京大学 193人
京都大学 118人
北海道大学 97人
早稲田大学 96人
立命館大学 78人

(参考:人事院、資格講座公式HP提供データより作成)

上記の表は2023年国家公務員総合職試験の結果です。

表を見てみると、難解大学として有名な東京大学が193人、京都大学も118人と多くの合格者を輩出していますね。

東大や京都大学の他にも、偏差値の高い大学が表に入っていますが、国家公務員試験総合職の試験は、偏差値の高い方々でも合格するのが難しいとても難易度の高い試験です。

総合職試験に無事合格しても、そこから官庁訪問を経て内定を獲得しなければいけないことも総合職の難易度の高さですよね。

公務員試験は難しすぎる?難易度は?

国家公務員試験は大きく分けて3つあり、国家公務員試験、国際公務員試験、地方公務員試験に分けられています。

その中から院卒者対象、大卒対象、高卒対象などに分けられており、目指す職種によって試験内容も変わってきますよ。

一般的には、採用されると国に直接関わる各省庁での勤務が可能な、国家総合職院卒者試験が一番難易度が高い試験とされています。

国家総合職の難易度は、東大、司法試験や司法書士など国家資格の偏差値と同等のレベルだと言われていますよ。

試験問題のレベルも高ければ、面接試験では人柄や適性チェックも厳しく、東大出身の方でも、合格するのは難しいほどの試験です。

公務員に簡単になれる職種はあるの?

国家公務員試験は難易度の高い試験ですが、その中でも簡単になれる職種はあるのかいくつかの資格サイトや通信講座サイトから調べてみました。

調べた結果、簡単にとはいきませんが国家一般職(高卒下位省庁)、入国警備官、皇宮護衛官(高卒)、海上保安学校職員、警察事務(高卒、短大卒)、自衛官、高卒警察官などは公務員試験の中でも比較的難易度は優しいレベルということが分かりました。

特に自衛官は人材不足が続いており、採用人数も増やしているため採用されやすくなっているようです。

しかし年齢制限は26~32歳までであり、身体検査、体力検査もありますよ。

公務員試験が難しい理由は?

国家公務員試験が難しいとされているのは、2つの理由があります。

公務員試験が難しい理由
・資格試験ではなく、採用試験のため
・試験範囲が広いため

1つ目は「資格試験ではなく、採用試験のため」です。

国家公務員試験は採用試験であるため、定められた採用枠を目安に合格者が輩出されます。

資格試験では合格基準点を超えれば、合格者は増加していきますが、公務員試験では筆記試験の他に面接試験もあり、面接試験は面接の準備も難しいですし、点数化するのも難しいため難易度を上げている要因にもなっていますよ。

2つ目は「試験範囲が広いため」です。

公務員試験では一般知能と一般知識2つの科目(教養科目)があります。

一般知能、一般知識も高校までに習う数学や理科、数的理解や資料解釈などの問題が幅広く出題されていますよ。

高校までに習う科目はとても範囲が広く、どこを勉強すればよいのか、勉強配分の組み立ても悩まされますね。

過去の試験問題を公開している試験もあえば、市役所などは非公開にしているので問題対策がしづらいという点が難易度を上げているといえるでしょう。

高卒の公務員試験の難易度は?

2023年高卒の国家公務員一般職試験の合格者を表にまとめました。

地域 申込者数 1次試験合格者 2次試験受験者 最終合格者
北海道 560人 248人 195人 172 人
東北 766人 263人 243人 190人
関東甲信越 3,701人 1,895人 1,686人 1,408人
東海北陸 528人 234人 201人 154人
近畿 594人 207人 185人 172人
中国 411人 142人 114人 105人
四国 229人 81人 71人 61人
九州 1,074人 268人 234人 205人
沖縄 387人 154人 142人 71人

(参考:人事院公式HP)

高卒の方が国家公務員になるためには、国家公務員一般職の高卒試験か専門職の高卒試験を受験することになりますよ。

上記の表は、公務員一般職の事務区分の試験結果です。

一番受験者数が3,701人と多かった関東甲信越は、最終合格者数は1,408人と半数以下の方しか合格していないということが分かりますね。

合格者数と受験者数で計算すると、合格率はわずか31%と低いものでした。

国家公務員総合職が一番難易度が高いとされていますが、公務員試験一般職(高卒程度)の試験も十分難易度は高いということがいえるでしょう。

国家公務員総合職の過去問が見れるサイトはある?

国家公務員総合職の過去問を見れるサイトはあるのか調べたところ、「人事院」の公式HPでは、総合職から一般職まで院卒、大卒、高卒、社会人対象の過去問を一部公開していることが分かりました。

教養科目から専門試験まで、幅広く試験問題例と試験概要を記載してくれているので参考になりますよ。

試験問題例を一部知れることで、過去問を解くことはもちろん、出題傾向を予測できるかもしれませんし、模擬演習にもなります。

そして、試験概要を知ると試験時間が分かるので、試験と同じように解答する時間配分を練習できますね。

大学別の地方公務員試験の合格率は?

大学別の地方公務員試験の合格率の情報がなかったため、2018年に東洋経済オンラインが集計した、地方公務員試験に強い大学ランキングを参考に表を作りました。

順位 設置 大学名 所在地 公務員就職者 公務員実就職率 うち国家公務員 うち地方公務員
1 私立 日本大学 東京 975人 7.3% 119人 856人
2 国立 北海道教育大学 北海道 620人 56.7% 10人 610人
3 国立 広島大学 広島 615人 23.0% 130人 485人
4 私立 早稲田大学 東京 604人 5.8% 134人 470人
5 私立 中央大学 東京 596人 10.8% 156人 440人

(参考:東洋経済オンライン公式HP)

表を見てみると、日本大学は公務員就職者が975人のうち856人は地方公務員試験に合格しており、1番の就職率になっていますね。

2番目に地方公務員試験合格者が多かったのは、北海道教育大学でした。

教育大学なだけあって、620人中610人の地方公務員のほとんどが教員のようで、表の公務員実就職率は56.7%、2人に1人は公務員になっている計算になります。

広島大学、早稲田大学、中央大学は地方公務員合格者は400人台となっており、日本大学の856人がダントツで多かったということが分かりますね。

国家公務員試験難易度まとめ

国家公務員試験は、大きく分けて国家公務員試験、国際公務員試験、地方公務員試験の3つの試験に分けられています。

その中から院卒、大卒、高卒、社会人などの対象別に試験が分けられており、試験ごとに試験内容も異なっているのが特徴の1つです。

そして国家公務員試験は資格試験ではなく採用試験となるため、科目範囲が広く、国家総合職、国家一般職ともに難易度は高い試験となっていますよ。

独学で公務員試験の合格を目指したい場合は、勉強時間は800~1,500時間が平均的となっており、試験合格を目指したい年度の1年半~2年前もって学習を始めるようにしましょう。

完全独学での学習に不安がある方は、通信講座や予備校などがおすすめですよ。

通信講座や予備校では、国家公務員試験に沿ったカリキュラムがあり、勉強時間の配分サポートや実際に合格した人からの情報も手に入りやすいので、モチベーション維持にもよいでしょう。

通信講座や予備校が気になる方は、こちらのページも参考にしてみて下さいね。

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