税理士は独学で試験合格できる?無理?テキストや勉強時間なども解説

「税理士資格をコストがかからない独学で取得したいけど無理?」

「税理士資格を独学するのにおすすめのテキストは?」

「税理士資格を取得したいけど勉強方法が分からない」

税理士資格の難易度は高く、勉強方法を誤ると何年かけても合格できない可能性があります。

そこでこの記事では、独学で税理士資格を取得するために必要なポイントや、おすすめのテキストを徹底解説します。

完全独学で税理士資格を取得するのは難しいため、試験科目に応じて独学と予備校・通信講座を使い分ける方法がおすすめです。

この記事を読めば、税理士試験に失敗しない勉強方法が分かり、独学でも合格する可能性を高められます。

また、税理士 通信講座や予備校についてはこちらの記事をご覧ください。

税理士の予備校・通信講座おすすめランキングの詳細

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税理士は税に関する専門家

税理士の使命は税理士法によって以下のように規定されています。

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

(引用元:税理士法)

つまり、税理士は税の専門家で、税理士法では、税務の代理・税務書類の作成・税務相談を税理士の独占業務として定めています。

独占業務の他にも、会計業務・税務訴訟に関する補佐人・会計参与などに従事でき、多岐にわたる業務に携われるのが税理士の特徴です。

国家資格である税理士は人気の高い職業で、税理士登録者数は毎年増加傾向にあります。

会計年度 税理士登録者数
2000年度 65,144人
2005年度 69,243人
2010年度 72,039人
2015年度 75,643人
2016年度 76,493人
2017年度 77,327人
2018年度 78,028人
2019年度 78,795人
2020年度 79,404人

(引用元:国税庁公式HP)

税理士の増加に加えてAIの普及も進んでおり、税理士業界の競争は激しくなっています。

そのため、従来の業務に加えて、コンサルティング業務まで手がけて差別化を図る税理士も少なくありません。

まとめると、税金や財務に関して困っている依頼者の手助けをするのが税理士の役目です。

税理士資格を取得するメリット2選

税理士資格を取得するメリット2選
  • 高年収を目指せる
  • 開業税理士になれば自由に働きやすい

税理士は、高年収を目指せるだけなく、自由な働き方が可能な職業であることから、取得価値のある資格といえます。

高年収を目指せる

税理士は日本の平均年収よりも高い年収を稼げる職業です。

厚生労働省の令和3年度調査によると、日本の平均年収が564万円に対して、雇われ税理士の平均年収は659万円と大幅に上回っています。

なお、税理士の平均年収は1,000万円に到達していないものの、人によっては年収1,000万円以上稼げることが分かる年収分布データもあります。

年収 雇われ税理士 開業税理士 補助税理士
〜300万円 9.4% 31.4% 12.0%
301万〜500万円 12.0% 16.7% 28.1%
501万〜700万円 14.8% 12.0% 31.7%
701万〜1,000万円 23.4% 13.5% 18.8%
1,001万〜1,500万円 20.7% 11.0% 6.0%
1,501万〜2,000万円 8.9% 5.0% 0.8%
2,001万〜3,000万円 5.6% 3.4% 0.6%
3,001万〜5,000万円 1.9% 1.5% 0.02%
5,001万円〜 0.7% 0.5% 0.02%
無記入 2.6% 5.0% 2.6%

(参考:日本税理士会連合会の平成26年度第6回税理士実態調査報告書・スタディング公式HP)

補助税理士で年収1,000万円を超えているのは7.4%にとどまりますが、雇われ税理士で37.8%、開業税理士で21.4%を占めており、高所得を期待できる職業です。

税理士の年収についてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

税理士 年収の記事はこちら

税理士 通信講座の記事はこちら

開業税理士になれば自由に働きやすい

定年がない開業税理士になれば、自分の好きなタイミングまで働けます。

転職サービスの運営会社であるMSAgentによると、税理士の平均年齢は60歳を超えており、年齢層の分布は以下の通りです。

(引用元:MSAgent公式HP)

60歳を超えている税理士は54%と過半数を占めている状態です。

さらに、開業税理士は首都圏だけでなく地方でも活躍できるため、住む場所も自由に決めやすい職業といえます。

実際にマイナビ税理士では、開業税理士を目指すなら地方での開業をおすすめしています。

地方で独立開業して経営が軌道に乗れば、地元企業の助けとなりながら、地域社会に貢献することも可能です。そして、経営に成功すれば大都市圏で開業するよりもはるかに高い収入を得られるでしょう。

(引用元:マイナビ税理士公式HP)

地元が地方であったとしても、開業税理士であれば、地元に住みながら高年収を目指せます。

年齢や住まいなどにとらわれることなく、働き方を自由に決められるのは開業税理士の強みです。

税理士になるには税理士試験の合格と実務経験が必要

税理士を目指す場合、税理士試験の合格と実務経験を積むのが一般的です。

ここでは、税理士試験や実務経験について解説します。

税理士資格の取得のために知っておくべきこと
  • 税理士試験の概要と合格率
  • 税理士試験の受験資格
  • 税理士になるには2年以上の実務経験も必要

税理士試験においては、国税庁が定めた受験資格を満たした上で、11科目の中から5科目を選び、数年かけて合格を目指します。

いずれの税理士試験科目においても、合格率が10%〜20%と難易度が高いため、しっかりとした対策が必要です。

税理士試験に加えて、租税や会計に関する実務を2年以上経験しなければいけません。

税理士試験の概要と合格率

税理士試験の概要を表にまとめました。

必要科目数 11科目中5科目
必須科目(会計学) 簿記論・財務諸表論
選択必須(税法) 所得税法または法人税法のいずれか1科目(両方選択も可能)
選択科目(税法) 相続税法・消費税法または酒税法(いずれか1科目のみ)・国税徴収法・住民税または事業税(いずれか1科目のみ)・固定資産税
合格基準 満点の60%
試験日程(令和5年度) 8月8日〜8月10日
受験料 申込科目数が1科目の場合は4,000円(税込)・申込科目が1つ増えるごとに1,500円(税込)追加
受験地 北海道・宮城県・埼玉県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・熊本県・沖縄県

(参考:国税庁公式HP)

11科目中5科目に合格すると税理士資格を取得できますが、必須科目や選択必須科目が設けられているため注意してください。

また、1度の税理士試験で5科目に合格する必要はなく、数年かけて5科目の合格を目指すのが一般的です。

合格基準は60点と公表されていますが、スタディングや資格の学校TACによると、上位10%〜15%が合格する競争試験であるのが実態です。

各科目とも満点の60%が合格基準とされていますが、実際には上位10%から15%が合格する相対評価による競争試験だということが分かります。
毎年、試験問題の難易度・分量は変わるにも関わらず、合格率はほぼ変わっていないからです。

(引用元:スタディング公式HP)

税理士試験の合格基準点は各科目とも満点の60%と定められておりますが、実際には配点は公表されず、平均合格率は15%前後となります。つまり実質的には競争試験となり、合格を目指すためには受験者全体の上位10%を目指す試験対策が必要です。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

競争試験の場合、合格基準である60%の点数を狙う勉強法ではなく、知識を他の受験者よりも深めて高得点を目指していかなければいけません。

実際に過去4年間の税理士試験科目ごとの合格率を調査しました。

科目 令和5年度 令和4年度 令和3年度 令和2年度
簿記論 17.4% 23.0% 16.5% 22.6%
財務諸表論 28.1% 14.8% 23.9% 19.0%
所得税法 13.8% 14.1% 12.6% 12.0%
法人税法 14.0% 12.3% 12.8% 16.1%
相続税法 11.6% 14.2% 12.8% 10.6%
消費税法 11.9% 11.4% 11.9% 12.5%
酒税法 12.7% 13.2% 12.6% 13.9%
国税徴収法 13.9% 13.8% 13.7% 12.2%
住民税 14.7% 17.2% 12.7% 18.1%
事業税 16.4% 14.1% 12.6% 13.1%
固定資産税 17.3% 18.4% 13.8% 13.5%

(引用元:国税庁公式HP)

どの税理士試験科目の合格率も10%〜20%で推移していることが分かります。

税理士試験の受験資格

令和5年度から、会計学に属する簿記論・財務諸表論は誰でも受験できるようになりました。

その他の税法に属する9科目を受験する場合は、学歴・資格・職歴・認定のいずれかの条件を満たさなければいけません。

学識 大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
司法試験合格者
公認会計士試験の短答式試験に合格した者
資格 日商簿記検定1級合格者
全経簿記検定上級合格者
職歴 法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
認定 海外の大学を社会科学に属する科目を履修した上で卒業した者について、日本の大学等の卒業者と同等であると認められる場合
商工会・青色申告会のおける記帳指導事務に2年以上従事した者

(引用元:国税庁公式HP)

なお、上記の受験資格がない場合でも、効率的に受験資格を満たす方法が2つあります。

1つ目は、資格の条件に該当する簿記1級を取得する方法です。

簿記1級は、独学や予備校・通信講座でも取得できる資格で、社会人から勉強を始めても遅くありません。

スタディングによると、簿記1級は、税理士試験科目の簿記論・財務諸表論と同程度のレベルです。

そのため、簿記1級の学習によって、税理士試験の受験資格の取得と勉強を同時進行できます。

簿記1級 通信講座についてさらに知りたい人は以下の記事をご覧ください。

簿記1級の通信講座・予備校おすすめランキング

2つ目は、大学・短大・高等専門学校のいずれかを卒業している場合、科目等履修生となって社会科学を1科目以上履修し、学歴の条件を満たす方法が有効です。

(引用元:明治大学公式HP)

科目等履修生とは、大学に入学しなくても一般の学生と同様に、講義・レポート・試験を受けて単位を取得する人を指します。

科目等履修生は、数年かけて単位を取得して卒業を目指す必要がなく、自分の取得したい講義だけ選択するシステムです。

そのため、時間が取りづらい社会人でも手軽に利用できます。

大学改革支援・学位授与機構の公開データによると、2022年1月時点で科目等履修生制度を開設している大学数は707校と全国各地にあります。

科目等履修生の利用を検討する人は、住まいに近い開設校のHPをチェックしましょう。

税理士になるには2年以上の実務経験も必要

税理士になるには、税理士試験の合格に加えて、2年以上の租税や会計に関する実務経験も必要です。

なお、残業時間や単純な事務作業は実務経験に含まれない点には注意しましょう。

税理士試験の合格有無に関係なく実務経験を積めるため、会計事務所や税理士法人などで働きながら税理士試験の勉強を進める人もいます。

中には、税理士資格取得補助制度の導入によって、受験料負担や、休暇や短時間勤務によって勉強時間を確保しやすい環境整備を実施している会計事務所もあります。

実際の税理士法人のHPにも、税理士資格取得に関する記述がありました。

士業事務所で働いていこうとする皆さんにとって、資格の有無はご自身の人生を大きく左右します。正直なところ、資格がなくとも実力がある方は待遇が引き上げられますが、対外的(お客様)には資格者が有利に映ります。また、税理士になろうと一度お考えになったならば、ぜひ、達成して欲しいです。

(引用元:税理士法人ベリーベスト公式HP)

顧客に対して、形のある実績として税理士資格を提示できれば、資格を取得していない人よりも信頼度を高めやすいでしょう。

「税理士試験の経済負担を減らしたい」「働きながら税理士試験の勉強時間を確保したい」と考えている人は、税理士資格取得補助制度がある就職先を検討しましょう。

完全独学での税理士資格の取得は難易度高め

結論、完全独学での税理士資格の取得は不可能ではないものの難易度が高く、おすすめできません。

完全独学での税理士資格の取得は難易度高め
  • 税理士試験の合格率は低め
  • 税理士試験合格に必要な勉強時間は2,500〜3,000時間が目安
  • 独学でも合格しやすい税理士試験科目は簿記論と財務諸表論
  • 税理士試験の対策には予備校・通信講座もおすすめ

税理士試験の合格率の低さと必要勉強時間の多さから、完全独学による税理士資格の取得は困難といえます。

ただし、市販テキストが充実している簿記論・財務諸表論であれば、独学による合格を目指せます。

独学に不安を感じたり、税法科目を受験したりする場合には、プロ講師からの指導を受けられる予備校・通信講座もおすすめです。

税理士試験の合格率は低め

上記でも紹介した通り、税理士試験の各試験科目の合格率は10〜20%台と低く、難易度が高い試験といえます。

さらに、10〜20%の合格率の試験科目を5個取得しなければいけないため、独学で合格できる人は限られます。

後ほど詳しく解説しますが、自分の得意分野や、必要な勉強時間の少ない試験科目を選択するのも合格するコツです。

税理士試験合格に必要な勉強時間は2,500〜3,000時間が目安

当サイトが調査した予備校・通信講座の情報から、税理士試験合格に必要な勉強時間の目安は2,500〜3,000時間であることが分かりました。

会社名 勉強時間
CPA会計学院 2,500時間
アガルート 2,000〜2,500時間
スタディング 2,500〜3,000時間
資格の学校TAC 2,000時間
LEC東京リーガルマインド 2,250時間

(各予備校・通信講座の情報を基に独自に作成)

なお、試験科目ごとでの目安の勉強時間の違いや、税務の事前知識量や記憶力の個人差によって、必要な勉強時間は変動します。

また、当サイトの以前の調査より、税理士試験の5科目に合格するには6〜7年程度かかるとしていますが、公式なデータはありません。

マイナビ税理士によれば、合格年数には個人差があることが分かります。

公式な統計データは公表されていませんが、試験合格までの年数については3~5年というものから、7年、10年という意見もあります。2~3年で合格するのはかなり早いほうで、5年以上かかるのが一般的といわれています。

(引用元:マイナビ税理士公式HP)

いずれにしても、税理士資格の取得までには数年を要するため、税理士試験の独学に臨む場合、人並み以上の根気強さが求められます。

税理士試験の勉強時間についてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

税理士試験 勉強時間の記事はこちら

独学でも合格しやすい税理士試験科目は簿記論と財務諸表論

税理士試験科目のうち、簿記論・財務諸表論は独学でも合格を目指せますが、税法科目も完全独学で合格するのは難易度が高くておすすめできません。

どの試験科目も合格率が低いものの、市販テキストとして販売されているのは簿記論・財務諸表論がメインで、税法科目は学びづらいのが現状です。

独学による税理士試験の合格体験記ブログを調査したところ、完全独学した人はほとんどおらず、簿記論・財務諸表論に関する内容が大半を占めていました。

税理士試験を独学するか悩んでいる人は、後ほど解説する独学のメリットとデメリットや、独学に向いている人の特徴を把握した上で判断するとよいでしょう。

税理士試験の対策には予備校・通信講座もおすすめ

税理士試験における独学以外の勉強方法は、予備校・通信講座の利用が挙げられます。

税理士試験に精通した講師の指導を受けられる備校・通信講座は、独学よりも効率的に学習を進めやすいのが特徴です。

令和5年度の税理士試験では、5科目に合格した人のうち、半数を超える50.0%が資格の大原の受講者であったというデータもあります。

(引用元:資格の大原公式HP)

1つの通信講座だけで半数を超えていることから、他の予備校・通信講座を含めると、ほとんどの人が予備校・通信講座を利用していると考えられます。

経済的負担から予備校・通信講座の利用に抵抗がある人は、以下に示すいずれかの方法を検討するとよいでしょう。

1つ目は、簿記論・財務諸表論のみ独学して、その他の税法科目については予備校・通信講座で学習する方法です。

独学に向いている簿記論・財務諸表論であれば、市販のテキストの利用でコストを抑えつつ合格を目指せます。

2つ目は、教育訓練給付の利用によって、予備校・通信講座の受講料の一部を給付金として受け取る方法です。

教育訓練給付とは、厚生労働大臣が指定した講座を受講すれば、修了時に受講料の一部が給付される制度です。

教育訓練給付を利用するには、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて利用する場合は1年以上)の被保険者である必要があります。

税理士試験に関する講座も教育訓練給付の対象で、講座によって20%〜70%の給付金を受け取れます。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

(引用元:大原学園公式HP)

「予備校・通信講座で税理士試験の合格を目指したいけど経済面で不安」という人は、いずれかの方法で予備校・通信講座を検討してみてはいかがでしょうか。

税理士 予備校や通信講座についてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

税理士 通信講座の記事はこちら

税理士試験を独学で勉強するメリット3選

税理士試験を独学で勉強するメリット3選
  • テキスト代のみで経済的負担が少ない
  • 分野に特化した学習できる
  • 自分のペースで勉強できる

独学は、テキストを用いて一人で勉強する学習スタイルのため、予備校・通信講座よりもコストを抑えやすく、勉強時間を自由に割り振りしやすいのが特徴です。

テキスト代のみで経済的負担が少ない

テキストさえあれば独学で学習できるため、予備校・通信講座よりも出費を抑えられます。

予備校・通信講座を利用する場合、10万円近くかかるのが一般的ですが、市販テキストの購入だけであれば1科目あたり2〜3万円程度で学習を進められます。

(引用元:資格の大原公式HP)

ただし、コストを追い求めすぎて満足した勉強ができないと、税理士試験に落ちてしまう可能性があるため注意しましょう。

「コストをある程度抑えながらも効率的に勉強したい」という人には、業界最安値のスタディングや、テキスト・問題集とWeb講義のセットで最良の独学合格ルートを提供する税理士独学道場が向いています。

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分野に特化した学習ができる

予備校・通信講座では、カリキュラムに沿って学習を進めていきますが、独学であれば勉強時間の配分を自由に決められます。

そのため独学では、苦手分野に注力した学習によって点数の底上げを狙えます。

会計科目において、苦手を克服することで合格した体験談がTACのHPにも記載されていました。

簿記論の学習方法は、総合問題を繰り返し解くことです。総合問題を解く中で苦手な論点が見つかりますが、その時はテキストや個別問題集を確認し、苦手を克服するように努めます。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

このように、独学と相性のいい苦手分野を克服するプロセスは、難易度が高い税理士試験において欠かせません。

自分のペースで勉強できる

育児・家事・通勤などで忙しくて、1年では試験範囲の勉強を網羅できない人にも独学はおすすめです。

予備校・通信講座には、動画の視聴期間やサポート対応期間が設けられているため、一定期間を過ぎてしまうと利用できなくなります。

一方の独学では、テキストを一度購入すればいつでも勉強できます。

そのため、通常は1年で1科目の合格を目指すのが一般的ですが、数年かけて1科目の勉強を実施して合格を目指すプランでも問題ありません。

ただし、法改正によってテキストの内容は毎年変更されるため、独学で数年かけて合格を目指す場合は、最新のテキストに都度切り替えるようにしましょう。

税理士試験を独学で勉強するデメリット4選

独学による税理士試験の勉強方法には、メリットだけでなくデメリットも存在します。

税理士試験を独学でも勉強するデメリット4選
  • 長期間にわたるモチベーションの維持が困難
  • 相談相手がいないため疑問点を解消しづらい
  • 最新の試験動向や法改正に対応しづらい
  • 税法科目では独学向けの市販テキストが少ない

独学は予備校・通信講座とは異なって、周りからのサポートを受けづらい勉強方法です。

そのため、途中でモチベーションが落ちたり、学習効率が低下したりして合格から遠ざかってしまう可能性があることを理解しておかなければいけません。

長期間にわたるモチベーションの維持が困難

税理士試験は数年かけて5科目に合格する方法が一般的で、年間を通して独学するには忍耐力が必要です。

仮に年間を通して独学で学習できたとしても、10〜20%の合格率である税理士試験に落ちて挫折してしまうケースは少なくありません。

モチベーションを維持するための方法としては、税理士試験の合格を目指す仲間との交流が有効であることがTACのHPで紹介されていました。

「税理士を目指すママ」のオフ会に参加し、そこで知り合った同じ境遇のママ受験生と、年に一度(試験後9月など)くらい会って色々情報交換するのもモチベーションの維持になりました。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

独学する場合は、切磋琢磨できる仲間を見つけるなどして、モチベーションを数年維持する工夫が必要です。

相談相手がいないため疑問点を解消しづらい

一人で学習を進めていかなければならない独学は、分からない箇所が生じると行き詰まってしまう可能性があります。

「税理士試験は暗記すれば合格できる」と考えている人もいるかもしれませんが、記述式であることに加えて試験範囲が膨大なため、暗記だけでなく内容の理解も欠かせません。

内容を理解する重要性については、TACの通信合格者インタビューにも記述されていました。

科目にもよりますが、財務諸表論や法人税法は、試験のときに暗記をしたものがそのまま出るというよりは、自分で文章を考えて解答するという問題が出やすいということなので、暗記よりも理解をして自分でその場で作文をすることを行っていました。
(一部省略)
理論は理解と暗記の両方が必要です。これはどちらかを選べばいい、ということはありえません。理解して暗記する、この両方が絶対必要です。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

予備校・通信講座であれば、疑問点が生じても講師に質問することで効率的に学習を進められますが、独学では理解できるまで時間を割かなければいけません。

税理士試験に詳しい人に尋ねたらすぐに分かる内容の理解に、悩んで時間を消費するのは非効率といえます。

最新の試験動向や法改正に対応しづらい

効率よく点数を伸ばすには、苦手分野をなくすとともに頻出傾向にある問題を確実に解かなければいけませんが、独学ではどの分野に注力すべきか迷ってしまいます。

また、試験前に法改正が実施された場合、購入済みのテキストの記載内容では対応できなくなります。

(引用元:財務省公式HP)

そのため、頻出傾向にある問題をまとめたテキストもありますが、予備校・通信講座の講師から最新の法改正の情報を入手するのが無難です。

TAC出版ナビのHPにも、法改正を把握する重要性について記載されていました。

令和4年4月1日以降に適用される改正が、本年度の税理士試験に影響を及ぼすことは避けられず、合格を目指すためには直前期におけるしっかりとした対策が必要となります。

(引用元:TAC出版ナビ公式HP)

多くの通信講座座では、税理士試験前の法改正に関する理解度を深めるために、最新の法改正の内容を含んだ直前対策講座が開講されるほどです。

一方の独学の場合、税理士試験の勉強の合間にも法改正の情報を収集する必要があり、手間がかかります。

税法科目では独学向けの市販テキストが少ない

簿記論と財務諸表論の市販テキストは充実している一方で、税法科目の市販テキストの種類は少ない傾向にあります。

そのため、税法科目の市販テキストは、簿記論や財務諸表論の市販テキストと比較して質が下がってしまいます。

マイナビ税理士では、市販のテキストで網羅できない分野に関しては、予備校のテキストを利用する学習方法をおすすめしていました。

選択科目や選択必須科目は教材の種類が乏しい傾向があり、市販ではよい教材が見つからない可能性もあります。
税理士試験の予備校でテキストだけの販売もしていますので、探してみるのもよいでしょう。

テキスト購入者の質問に対応してくれる場合がありますので、独学のサポートにもなります。

(引用元:マイナビ税理士公式HP)

独学にも関わらず、質問に対する回答が得られる可能性があるのも、予備校のテキストを購入するメリットです。

なお、出費を抑えたいからといって、法改正に対応していない中古のテキストを購入するのは控えましょう。

税理士試験を独学で勉強するのに向いている人の特徴3選

税理士試験を独学で勉強するか悩んでいる人のために、独学が向いている人の特徴をまとめました。

税理士試験を独学で勉強するのに向いている人の特徴3選
  • 目標に向かってモチベーションを維持できる人
  • 一人で勉強を進めるのが得意な人
  • 税理士資格の取得を支援する税理士事務所に勤務している人

独学には人によって向き不向きがあり、全員が独学で合格できるわけではないため注意が必要です。

目標に向かってモチベーションを維持できる人

数年の学習期間を要する税理士資格の勉強を独学で行うには、モチベーションの維持が欠かせません。

TACの利用で税理士試験に合格した方々のインタビューには、忙しい環境の中でも勉強時間を確保して税理士試験に臨むことが重要であると記載されていました。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

例として、子育てと税理士試験の学習を両立した方のインタビューを紹介します。

昼間はフルタイムで仕事をしていまして尚且つ幼い子供がいたので、平日の昼間から夜までは勉強に全く手をつけることができませんでした。なので、もう諦めて子供が寝た夜の11時から夜中の1時、2時くらいまでを自分の時間として学習時間に充てました。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

フルタイムで働きながら、資格取得を目指す人の中には、夜中に2〜3時間程度の学習時間を設けているという声もありました。

このように、効率的な学習方法を実践できる通信講座の利用者ですら、睡眠時間を削るなどして忙しい日々の中でも勉強時間を捻出していることが分かります。

また、TACの利用者は、以下のような方法でモチベーションの低下を防いでいました。

全部終わったら、終わった都度全部捨てていきました。(一部省略)そうすると目に見えるんですよね、それだけ自分は勉強した、と自分で納得してそれがモチベーション維持になります。見える化とよく言われていますが、それをしていました。

 

税法の勉強とか何でもきついですし、点数も伸びないとかいろいろありますが、基本的にそこからどうしたら脱出できるかというと、結局勉強するしかないですね。試験勉強がしんどくて、しんどいのをやめたいとなると、どうやってもそれは合格するしかないので、その年に受けた科目はその年に必ず受かる、受かってやるという気持ちで挑みます。
勉強したくないから勉強するっていう何か矛盾している感じですが、すぐに合格して税理士試験を卒業するぞっていう気持ちは常にあったので、勉強をやりたくない時や仕事から帰ってきて眠い時、理論暗記がしんどい時も、やるしかない、一発で受かるしかないという気持ちで勉強していました。

 

見える化という話がありましたが、私も見える化はよくやりました。直前期は、やらないといけないものをすべて机の上に並べて、写メを撮ってそれが減っていくのを一人で喜んでいるとか、全部リストに書き出して終わったものを消していくとか、六法を買って、読み終えたところは蛍光ペンで全部塗りつぶしていくなど。自分はここまでやった、あとこれだけやらないといけないっていうのが分かると1つのやる気にもなるので、私は同じように見える化というのはよくやりました。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

「解き終わった問題を捨てて見える化」「試験に落ちて勉強期間が延びないようにサボらない」「やるべきことをリスト化して終わったら消す」という意見が挙げられています。

TACの利用者の意見から、人によって様々な工夫を施して、モチベーションが低下しないよう意識しているのが分かります。

独学する場合でも、モチベーションが低下しない勉強方法を確立して、通信講座の利用者と同等以上の勉強時間を確保し続けなければいけません。

一人で勉強を進めるのが得意な人

分からない箇所があっても、投げ出さずに理解を深められる人は独学に向いています。

独学において、スケジュールや学習方法の効率が悪ければ、税理士試験までに学習が間に合わなくなる可能性があります。

効率の良し悪しは自分では判断しづらいため、独学のコツを押さえている人でなければ合格を目指すのは困難です。

独学で勉強を進められるか分からない人は、学生時代の勉強方法を思い出してみてください。

苦労を感じずに一人で勉強を進められていたようであれば、税理士試験の独学も問題ないでしょう。

税理士資格の取得を支援する税理士事務所に勤務している人

社会人であれば、税理士資格の取得を支援する税理士事務所に就くことで、独学でも税理士試験に合格しやすくなります。

上述したように、税理士資格の取得を支援する税理士事務所では、休暇や短時間勤務によって勉強時間を確保しやすい環境が整備されているためです。

学歴別の合格率において、勉強時間を確保しやすい大学生の合格率が最も高いことからも、税理士試験に臨むにあたって学習環境を整えるのは大切な要素といえます。

令和5年度 令和4年度 令和3年度 令和2年度
大学卒 21.1% 18.6% 17.7% 19.3%
大学在学中 30.5% 29.8% 31.1% 32.6%
短大・旧専卒 13.6% 13.8% 14.3% 17.3%
専門学校卒 16.4% 17.9% 16.1% 16.8%
高校・旧中卒 23.8% 22.1% 22.5% 23.8%
その他 32.7% 42.0% 43.5% 42.2%

(引用元:国税庁公式HP)

独学を検討しているものの残業が多い企業に勤務している人には、残業が少ない企業や、税理士資格の取得を支援する企業への転職をおすすめします。

独学で税理士試験に合格する勉強法2選

独学で税理士試験に合格する勉強法2選
  • テキストで簿記論・財務諸表論を独学する
  • 独学で税理士試験に合格した人のブログを参考にする

独学の場合、テキストで簿記論・財務諸表論の学習を進めるのが基本です。

テキストによる学習に加えて、途中で挫折しないように、実体験に基づいたノウハウや勉強過程を公開している合格体験記のブログを参考にするのもポイントです。

テキストで簿記論・財務諸表論を独学する

独学によって税理士試験の合格を目指す場合、テキストを用いて簿記論・財務諸表論を勉強する方法が一般的です。

実際に独学した人のブログを調査したところ、ほとんどがテキストで勉強して簿記論・財務諸表論に合格した体験記でした。

「本当に予備校に通わなかったんですか?模試も受けず?」
と質問されることがあるので、独学について独り言させてください。
まず、結論からいうと、本当に市販の教材のみで勉強しました。
模試も受けていません。

(引用元:独学で合格!ママ税理士の独り言)

一日の簿記論を勉強する順番は以下です。

  1. 時間を測って1年分の過去問を解く
  2. 採点し、点数をその過去問に書き込んでおく
  3. 間違えたところのテキストを熟読する
  4. 間違えたところの個別問題を解く
  5. なぜ間違えてしまったのか分析する
  6. 次に間違えないためにはどうするかを考える
  7. 試験問題の解く順番や捨てるべき問題などの試験戦略がうまくいったのか検討します

私は税理士試験の簿記論の勉強を始めてから本試験まで3カ月しかありませんでした。それで上記の1から7までをルーティーンとして毎日行ってました。

(引用元:最短で税理士になるためのブログ)

独学経験者のブログから、簿記論・財務諸表論の勉強には、テキスト以外にも、過去問・問題集が用いられていることが分かります。

他の税法科目において、独学による合格体験が少ない理由としては、独学のデメリットで解説したように、テキストの種類が少なくて学びづらい点が挙げられます。

独学で税理士試験に臨みたい人は、税理士科目の中でも独学に向いている簿記論・財務諸表論から取りかかりましょう。

独学で税理士試験に合格した人のブログを参考にする

テキストの他に、独学で税理士試験に合格した体験記を公開しているブログを参考にする方法もあります。

ブログであれば、WordPressの始め方さえ押さえれば、誰でも簡単に情報を発信することができます。

税理士試験に合格した人が情報を発信しているものもあるので、独学で勉強する人ならではの悩みに対して、実体験に基づいた解決策やノウハウが公開されています。

それらを参考すれば、独学のスタイルやマインドを確立するのにも使えます。

年齢・仕事・家庭環境・税に関する前提知識の有無など、ブログ開設者によって独学に取り組んだ状況が異なるため、自身に近い状況で独学した人のブログは特に参考になるでしょう。

実際に、税理士試験に関する記事を上げている方のブログ内容を要約しました。

なお、独学で合格したわけではないものの、勉強方法や勉強過程において参考になるブログもあったため、あわせて紹介します。

ブログ名 ブログ内容
独学で合格!ママ税理士の独り言 育児と仕事をしながら独学をした方で、独学から合格の過程を日記形式で公開
ノマド元税理士 本日もカフェ日和 会計や経理に関する経験がない状態かつ30歳を超えてから、独学4年で税理士試験5科目に合格した経験を基に、独学で合格するためのノウハウを公開
最短で税理士になるためのブログ 2022年から税理士事務所を開業した方で、財務諸表論と簿記論をそれぞれ4ヶ月の独学で合格できたノウハウを公開
星のおじさんの独り言 ブログ開設者自身は独学で税理士試験に合格しているわけではないが、社会人でも資格合格するためのコツを公開
法人税法 大学時代の半年の独学で簿記論と財務諸表論を取得した勉強法を、実際のノートの画像を添付しながら月ごとに解説
ワイ氏と税理士試験とあれこれ 独学ではないが、中卒・アラサーながらも税理士試験合格を目指すプロセスを詳細に公開

ただし、複数のブログに書かれた内容を全て実行しようとすると、時間がなくなって効率が落ちてしまうため、自分に合っているノウハウだけ厳選して実践するのがおすすめです。

独学でも失敗しないテキストの選び方4選

独学で税理士試験の合格を目指すには、テキストの選び方も重要です。

ここでは、失敗しないテキストの選び方を4つ挙げました。

独学でも失敗しないテキストの選び方4選
  • 教科書と問題集のシリーズは統一する
  • テキストの特徴を理解して自分に合うものを選ぶ
  • 大手のTACや大原が出版する税理士試験用テキストを選ぶ
  • 会計学は簿記2級のテキストを活用するのも手

正しくテキストを選定することで、学習の質が向上して合格の可能性を高められます。

なお、税理士試験の会計学用テキストの内容が理解できない場合は、会計学の基礎となる簿記2級のテキストで事前に学習しておくと、独学でも学習を進めやすくなります。

教科書と問題集のシリーズは統一する

教科書と問題集を分けて用いる場合、テキストのシリーズは統一しておきましょう。

同シリーズの教科書と問題集には、リンクする箇所のページが記載されており、互いを参照しながら勉強を進めることで学習の効率化を図れます。

実際に、「税理士試験教科書」の紹介文には、以下のような記述がありました。

本書での理解(=インプット)がある程度進んだら、本書の各Chapterに完全対応した別冊の『税理士試験問題集簿記論・財務諸表論I基礎導入編【2023年度版】』にある各種問題を解く(=アウトプット)ことで、より学習効果が高まります。

(引用元:Amazon.co.jp)

具体的には、問題を解く際に学習内容を忘れてもすぐに復習できたり、教科書を読んだ後にリンク先の問題を解くことで、すぐに理解度をチェックできたりします。

なお今回は、おすすめの教科書として、教科書と問題集の内容が一冊に詰め込まれているテキストを後ほど紹介するため、参考にしてください。

テキストの特徴を理解して自分に合うものを選ぶ

テキストによっても特徴が異なるため、自分が使いやすいと感じるテキストを選びましょう。

自分に合わないテキストを選んでしまった場合、勉強のモチベーションを年間通して保つことが難しく、税理士試験に落ちてしまう原因に繋がります。

長文を読むのが苦手な人は図解が多いテキストが向いているのに対して、文章を読み込んで理解を深めたい人は文章でまとめたテキストが向いています。

人によって使いやすいテキストは異なるため、評価の高いテキストを闇雲に購入するのではなく、試し読みして特徴を理解してから購入すると失敗しません。

大手のTACや大原が出版する税理士試験用テキストを選ぶ

テキストは、実績のある資格大手のTACや大原などが出版するものを選ぶようにしましょう。

資格大手が出版する簿記論・財務諸表論のテキストには、過去の実績が集約されているため、独学でも体系的に学習できます。

実際に、TACや大原が出版しているテキストの紹介文は以下の通りです。

30年を超える長年の受験指導実績にもとづくTAC式の税理士試験完全合格メソッドを、「教科書&問題集」としてお手元にお届けします。

(引用元:Amazon.co.jp

各種テキストから問題集、模擬試験まで、大原が長年にわたって蓄積してきた合格ノウハウを余すことなく詰め込んだ内容となっています。

(引用元:資格の大原公式HP)

資格大手のテキストであれば、通信講座で教わるレベルの合格メソッドを習得できます。

さらに、税法科目に関するテキストも出版されているため、独学でも税理士試験科目を網羅できます。

(引用元:資格の大原公式HP)

ただし、資格取得エクスプレス by スタディングによると、予備校・通信講座のサイトから購入できる税法科目のテキストは、独学向けではありません。

スクールが出版するものであれば、「基本的にはスクールに通っている受講生向けの過去問題集」であるということです。

(引用元:資格取得エクスプレス by スタディング公式HP)

そのため、税法科目においては、予備校・通信講座のテキストであっても独学をおすすめできません。

会計学は簿記2級のテキストを活用するのも手

簿記2級のテキストを用いて、会計学である簿記論・財務諸表論の学習を進める方法もあります。

スタディングによると、簿記2級での学習内容は会計学の基礎として活用できるため、簿記2級に合格してから会計学に臨むパターンも珍しくありません。

また、会計人コースWebのHPにて、簿記2級の学習後に会計学を独学して合格した方のインタビューがあったため紹介します。

――簿記論・財務諸表論に合格した今、簿記2級の学習で「やっておいてよかった」と思うことはありますか?

早起きプログラマーさん 「簿記の5要素」を理解することです。資産・負債・純資産・費用・収益のそれぞれがどのようなもので、これが増えた/減ったとはどういうことなのか。仕訳1つにしても、「資産が増えたから左、負債が増えたから右」というように、常になぜそうなるのかを意識していました。

初歩的なことかもしれませんが、簿記2級で本質を理解したことが税理士試験でも役に立ちました。

税理士試験の場合、問題そのものが難しいというより、問題文の読み取りが難しいという面があると思っています。そんなとき、簿記の原理がわかっていれば、「原則的に考えたら、こういう処理をするしかないよね」と筋道を立てることができます。

はじめて見るような問題があっても、慌てず考えることができたのは、簿記2級で本質的な部分を理解していたからだと思っています。

また、簿記2級も税理士試験も独学だったのですが、専門学校でやり込んでいる方や、簿記1級まで合格した方は、問題を素早く解くパターンやテクニックを身につけていると思っていたので、そういった方と戦って勝つためにも、知識やスキルではなく「基礎を理解する」という観点が必要だと考えていました。

(引用元:会計人コースWeb公式HP)

簿記2級を理解したからといって、会計学に合格できるわけではありませんが、簿記の原理を理解することで効率的に独学を進められます。

簿記2級のテキストについてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

簿記2級 独学の記事はこちら

簿記2級 通信講座の記事はこちら

税理士試験を独学するのにおすすめのテキスト

簿記論・財務諸表論におけるおすすめのテキストを紹介します。

税理士試験を独学するのにおすすめのテキスト
  • 簿記論
  • 財務諸表論
  • 簿記論と財務諸表の同時学習

今回紹介するにあたって、Amazonで星3.5以上のテキストを厳選しました。

なお、最新版である2023年度用の評価数が少なかったことから、2022年度用のテキストの評価数を参考にしています。

独学に向いている簿記論テキスト

独学に向いている簿記論テキスト
  • みんなが欲しかった!税理士 簿記論の教科書&問題集(1)〜(4)
  • 税理士受験シリーズ 1〜3 簿記論
  • 税理士受験対策シリーズ 税理士 簿記論
  • 税理士試験 簿記論 直前予想問題集

教科書・問題集・模擬試験の形式のテキストを各1冊ずつ揃えたら、税理士試験対策は十分です

みんなが欲しかった!税理士 簿記論の教科書&問題集(1)〜(4)

(引用元:Amazon.co.jp)

30年超の受験指導実績を持つTACのメソッドが詰め込まれており、受験生がつまづきやすいポイントを押さえたテキストです。

今回おすすめするテキストの中で唯一の教科書形式で、簿記論を独学するなら持っておいて損はありません。

教科書だけでなく問題集としても利用できるのが特徴で、インプットとアウトプットの学習を効率よく実践できます。

また、アイコン・会話形式を用いながらシンプルな説明文で解説されているため、独学でも挫折しづらい仕様です。

さらに、2ヶ月で基礎学習を完成させるためのスケジュールも付属しており、独学でも計画を立てて進めやすいでしょう。

なお、初学者から学習できるテキストとされていますが、中には簿記の前提知識がないと分かりづらいというレビューもありました。

勉強を始めてみたものの問題集の説明が少しわかりにくかったです。
教科書でここに説明があるなど中略などがあればもっと良かったかなと思います。
なので一度内容を理解してる人はいいかもですがこれから始めるのは少しハードルが高いかもしれません。

(引用元:Amazon.co.jp)

本テキストの内容が理解しづらいと感じた場合は、簿記2級のテキストから勉強することをおすすめします。

税理士受験シリーズ 1〜3 簿記論

(引用元:Amazon.co.jp

TACが出版している問題集で、個別計算問題・総合計算問題(基礎編)・総合計算問題(応用編)の3冊を用いて問題を解いていく形式です。

個別計算問題から順番に取り組むことで、基礎から本試験の問題を解けるレベルまで到達できます。

解答の制限時間とともに過去試験の傾向を踏まえた問題が掲載されており、本シリーズをやり込むことで簿記論の対策が完結します。

内容に応じて重要度・難易度が割り当てられているため、自分の到達レベルを図りながら学習を進められるのもポイントです。

税理士受験対策シリーズ 税理士 簿記論

(引用元:Amazon.co.jp)

大原が出版している問題集で、個別計算問題・総合計算問題集基礎編・総合計算問題集応用編の3冊に分かれています。

総合計算問題集応用編には、本試験を想定した模擬問題が収録されているため、「本試験に慣れておきたい」という人におすすめの問題集です。

問題集のその他の内容や特徴は、TACの税理士受験シリーズとほとんど変わらないため、どちらかの問題集シリーズを用いて学習すれば問題ありません。

税理士試験 簿記論 直前予想問題集

(引用元:Amazon.co.jp

税理士試験模試を受けられなかった人や、コストを抑えて税理士模擬試験を受けたい人におすすめの問題集です。

本テキストは、5回分の模擬試験を解ける問題集で、毎年4月に出版されます。

具体的には、専門学校である大原・CPA・ネットスクール・LECの4校が実施した直近の模試試験と、試験委員と同じ立場の学者・実務家がコラボして作成した模試試験が掲載されています。

上記で紹介した問題集をスムーズに解けるようになった後は、本試験に慣れるために本テキストを活用するとよいでしょう。

独学に向いている財務諸表論のテキスト

独学に向いている財務諸表論テキスト
  • みんなが欲しかった!税理士 財務諸表論の教科書&問題集(1)〜(5)
  • 税理士受験シリーズ 5〜9 財務諸表論
  • 税理士受験対策シリーズ 税理士 財務諸表論
  • 税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集

いずれのテキストも簿記論にておすすめしたテキストと同系列であるため、上記の収録内容と大きく変わることはありません。

みんなが欲しかった!税理士 財務諸表論の教科書&問題集(1)〜(5)

(引用元:Amazon.co.jp)

財務諸表論を独学する際には、本テキストを教科書として利用するのをおすすめします。

合格に必須な暗記事項をまとめた論点集の別冊に加えて、音声ダウンロードサービスが付属しているため、スキマ時間や外出先でも学習しやすいのが特徴です。

シリーズ5の理論編は、本試験の出題問題と重要会計基準の2部構成で編成されており、論点の本質の理解と理論のインプットを効率よく進められます。

また、同系列の「みんなが欲しかった!税理士 簿記論の教科書&問題集」とリンクした箇所もあるため、同時購入によって理解をより深められます。

税理士受験シリーズ 5〜9 財務諸表論

(引用元:Amazon.co.jp

TACが出版している問題集の財務諸表論バージョンです。

シリーズで出版されている5冊の問題集を網羅することで、財務諸表論の基礎から本試験が解けるレベルに到達できます。

本テキストは大原が出版している問題集と異なって、理論問題が基礎編と応用編に分かれています。

そのため、「基礎と応用を問題集ごとで分けて学習を進めたい」という人には、本シリーズがおすすめです。

税理士受験対策シリーズ 税理士 財務諸表論

(引用元:Amazon.co.jp)

大原が出版している問題集の財務諸表論バージョンです。

本シリーズの特徴は、総合計算問題集応用編において解答の優先度が明示されている点です。

解答の優先度を把握できれば、問題の取捨選択の判断能力を身に付けられて、確実に得点が狙える箇所の解き残しがなくなります。

理論問題集においては、会計基準等の穴埋め問題の分野で赤シートを用いて暗記したり、過去20年分の本試験を解いたりできる点が特徴的です。

赤シートで効率よく暗記することで、毎年出題される会計基準等の穴埋め問題の対策ができます。

また、過去20年分の本試験が掲載されていることから、「できる限りの過去問を解きたい」という人でもボリューム十分の問題集です。

税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集

(引用元:Amazon.co.jp

本テキストはAmazonの評価が3.5に達していませんでしたが、簿記論にて紹介した直前予想問題集と同系列であるのに加えて、独学による合格体験記にも掲載されていました。

したがって、独学にも利用できるテキストと考えて問題ありません。

本テキストには計4回分の模擬試験が掲載されています。

内訳は、大原・CPAの2校がそれぞれ作成した模擬試験と、試験委員と同じ立場の学者・実務家がコラボして作成した模擬試験の2回分です。

簿記論と同様に、購入した問題集を複数回解いた後は、本テキストを利用して本試験に慣れましょう。

簿記論と財務諸表論の同時学習におすすめのテキスト

簿記論と財務諸表論の学習内容は約50%が重複しているといわれており、同時学習によって1年で2科目の合格を目指せます。

簿記論と財務諸表論の同時学習に特化したテキストとしては、ネットスクールが出版している「税理士試験教科書」と「税理士試験問題集」がおすすめです。

(引用元:Amazon.co.jp)

(引用元:Amazon.co.jp)

本テキストでは、簿記論と財務諸表論の重複部分がまとめられており、約30%の学習量・時間の削減を実現しています。

図やイラストに加えて、疑問を未然に防ぐための補足説明を適宜掲載しており、独学にも向いているテキストです。

また、万が一独学が難しいと感じた場合は、容易にネットスクールの講座受講へ切り替えられます。

そのため、独学を断念して途中からネットスクールを利用し始めても、テキスト代が無駄になることはありません。

独学でおすすめのテキストまとめ

独学向きとしておすすめしたテキストを試験科目ごとにまとめました。

まずは、簿記論に関するテキストです。

みんなが欲しかった!税理士 簿記論の教科書&問題集(1)〜(4) 税理士受験シリーズ 1~3 簿記論 税理士受験対策シリーズ 税理士 簿記論 税理士 簿記論 直前予想問題集
出版社 TAC出版 TAC出版 資格の大原 中央経済社
価格(税込) 13,860円 6,820円 6,600円 2,640円
冊数 4冊 3冊 3冊 1冊
個別購入の可否 可能 可能 可能
形式 教科書+問題集 問題集 問題集 問題集
問題内容 例題・基礎〜応用 1:個別計算問題
2:総合計算問題(基礎編)
3:総合計算問題(応用編)
  • 個別計算問題
  • 総合計算問題集基礎編
  • 総合計算問題集応用編
模試5回分
特徴
  • 30年超の受験指導実績のメソッド
  • 教科書と問題集が一体化
  • アイコン、会話形式、シンプルな説明で初学者でも分かりやすい
  • 2ヶ月で基礎学習できるタイムマネジメント付き
  • 同シリーズの財務諸表論編とリンク
1:論点ごとの知識定着・重要度を明示

2:基礎的な問題文の読解力や集計力などの定着

3:応用的な知識の確認と答案作成能力の養成

その他:過去試験の傾向を踏まえた問題・解答時間や難易度を設定

個別計算問題:各論点のポイントが分かりやすい・重要度を明示

総合計算問題集基礎編:基本項目、解答手順、解答方法などの定着・第1〜第3問を想定した模擬問題の収録

総合計算問題集応用編:基本的知識の再確認と応用力の養成・本試験を想定した模擬問題の収録

その他:過去試験の傾向を踏まえた問題・解答時間や難易度を設定・解き方のテクニックを掲載

専門学校の誌上模試と学者×実務家による出題
Amazonの評価と評価数(最大5・令和4年度用テキストが評価対象) 1:4.1(18個)
2:4.8(6個)
3:4.7(5個)
4:4.7(5個)
1:5.0(10個)
2:4.0(5個)
3:4.6(3個)
個別計算問題集:3.5(5個)
総合計算問題集基礎編:3.8(4個)
総合計算問題集応用編:4.5(4個)
3.8(12個)

続いては、財務諸表論に関するテキストです。

みんなが欲しかった!税理士 財務諸表論の教科書&問題集(1)〜(5) 税理士受験シリーズ 5~9 財務諸表論 税理士受験対策シリーズ 税理士 財務諸表論 税理士 財務諸表論 直前予想問題集
出版社 TAC出版 TAC出版 資格の大原 中央経済社
価格(税込) 16,940円 14,190円 11,000円 2,640円
冊数 5冊 5冊 4冊 1冊
個別購入の可否 可能 可能 可能
形式 教科書+問題集 問題集 問題集 問題集
問題内容 例題・基礎〜応用 5:個別計算問題
6:総合計算問題(基礎編)
8:理論問題(基礎編)
7:総合計算問題(応用編)
9:理論問題(応用編)
  • 個別計算問題
  • 総合計算問題集基礎編
  • 総合計算問題集応用編
  • 理論問題集
模試4回分
特徴
  • 30年超の受験指導実績のメソッド
  • 教科書と問題集が一体化
  • アイコン、会話形式、シンプルな説明で初学者でも分かりやすい
  • 2ヶ月で基礎学習できるタイムマネジメント付き
  • 同シリーズの簿記論編とリンク
  • 合格に必須な暗記事項をまとめた論点集を別冊付属と音声で学習可能
  • (5)の理論編は本試験の出題問題と重要会計基準の2部構成で、論点の本質の理解と理論のインプットがしやすい
5:各テーマの基本的事項の確認によって合格に必要な知識を網羅・重要度を明示

6:習得した知識を実践問題に活かせるかどうか確認可能

8:解答文書の作成能力を習得可能・重要度を明示

7:本試験に通用する応用力を養成

9:解答文書を作成するための応用力、実践力、対応力を養成・重要度を明示

その他:過去試験の傾向を踏まえた問題・解答時間や難易度を明示

個別計算問題:各論点のポイントが分かりやすい・重要度を明示

総合計算問題集基礎編:基本項目、解答手順、解答方法などの定着

総合計算問題集応用編:目標点数の目安に到達する力を養成・解答の優先度を明示

理論問題集:基本から応用を網羅・問題文章を読み取る力と文章作成能力の養成・会計基準等の穴埋め問題編は赤シートで暗記可能・過去20年分の本試験収録

その他:過去試験の傾向を踏まえた問題・解答時間や難易度を設定・解き方のテクニックを掲載

専門学校の誌上模試と学者×実務家による出題
Amazonの評価と評価数(最大5・令和4年度用テキストが評価対象) 1:4.5(8個)
2:4.6(3個)
3:5.0(3個)
4:4.6(3個)
5:4.2(3個)
5:5.0(1個)
6:ー(0個)
8:3.8(4個)
7:5.0(3個)
9:ー(0個)
個別計算問題集:4.8(6個)
総合計算問題集基礎編:5.0(3個)
総合計算問題集応用編:5.0(2個)
理論問題集:4.1(6個)
3.3(6個)

最後に、簿記論・財務諸表論の同時学習に関するテキストです。

税理士試験教科書簿記論・財務諸表論Ⅰ~Ⅲ 税理士試験教科書財務諸表論理論編 税理士試験問題集簿記論・財務諸表論 Ⅰ~Ⅲ
出版社 ネットスクール ネットスクール ネットスクール
価格(税込) 9,900円 3,300円 8,250円
冊数 3冊 1冊 3冊
個別購入の可否 可能 可能
形式 教科書 教科書 問題集
問題内容 例題 Ⅰ:基礎導入編
Ⅱ:基礎完成編
Ⅲ:応用編
特徴
  • 簿記論と財務諸表論の重複部分をまとめることで通常の学習量・時間を約30%削減
  • 図やイラストを用いた解説
  • 最新の出題傾向と会計基準等に基づく
  • 疑問を未然に防ぐために補足説明を適宜掲載
  • 独学から講座受講への切り替えもスムーズ
  • 基礎編と応用編に分けていて段階的に理解できる
  • 図やイラストを用いた解説
  • 最新の出題傾向と会計基準等に基づく
  • 疑問を未然に防ぐために補足説明を適宜掲載
  • 独学から講座受講への切り替えもスムーズ
  • 2科目分の基礎固めと総仕上げ
  • 解答時間、重要度、難易度の明示
  • 教科書とリンク
  • 最新の出題傾向と会計基準等に基づく
  • 独学から講座受講への切り替えもスムーズ
Amazonの評価と評価数(最大5・令和4年度用テキストが評価対象) Ⅰ:4.1(9個)
Ⅱ:3.7(7個)
Ⅲ:4.3(4個)
3.5(8個) Ⅰ:4.2(8個)
Ⅱ:4.6(3個)
Ⅲ:4.0(1個)

いずれの試験科目においても、「みんなが欲しかった!」シリーズ・TACもしくは資格の大原が出版している問題集・直前問題集の3点をやり込めば、独学での合格を目指せます。

また、「簿記論と財務諸表論を同時学習したい」という人は、「税理士試験教科書」と「税理士試験問題集」を利用しましょう。

税理士試験に独学で合格するためのコツ5選

独学でも税理士試験に合格するために、以下の5つのコツを押さえておきましょう。

税理士試験に独学で合格するためのコツ5選
  • 無理のないスケジュールを立てて学習を進める
  • 必要な勉強時間が少ない科目や興味のある科目を選ぶ
  • 自分に合うテキストを選んだら何度も周回して理解する
  • 税理士事務所に勤務しながら独学を進める
  • 法改正に関する情報は逃さない

忙しい生活の中で、いかに時間を確保して問題をやり込めるかどうかが独学で合格するためのポイントです。

無理のないスケジュールを立てて学習を進める

勉強の予定を詰め込みすぎて、タイトなスケジュールにならないよう注意しましょう。

残業や急用などで予定外のスケジュールが入っても調整しやすいため、計画倒れする可能性が低くなります。

モチベーションが低下しないように、1週間ごとの目標を設定して達成感を味わいやすくしておくのも、長丁場となる税理士試験の勉強にとって効果的です。

また、税理士試験科目に取りかかる順番について、LECでは簿記論・財務諸表論から始めるのが王道と紹介していました。

まずは必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」の2科目から取っていくのが王道です。この2科目は関連性が高く、同時学習すると学習が効率化され負担が軽減されます。

(引用元:LEC東京リーガルマインド公式HP)

まずは、必須科目である簿記論・財務諸表論の合格を目指したスケジュールを立てましょう。

なお、2科目の同時学習に負担を感じる場合は、いずれかの科目から進める方法でも問題ありません。

必要な勉強時間が少ない科目や興味のある科目を選ぶ

選択科目を選ぶ際には、必要勉強時間・興味のある分野の2点に注目するのもおすすめです。

合格率はどの科目においてもほとんど変わらないため、勉強時間が少ないほど合格を目指しやすいといえます。

スタディングのデータを参考にすると、酒税法・国税徴収法・住民税・事業税は、他の税法科目よりも目安勉強時間が短い試験科目です。

なお、将来税理士になることを考えると、就業したい税法分野に関連する学習も欠かせないため、勉強時間だけにとらわれないように注意しましょう。

税理士科目の勉強時間についてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

税理士 勉強時間はこちら

税理士 通信講座はこちら

自分に合うテキストを選んだら何度も周回して理解する

学習内容の理解を深めるには、多くのテキストを網羅するよりも、自分に合うテキストを何度も解き直す勉強方法がおすすめです。

複数のテキストに着手すると、完全に内容を理解する前に新しいテキストに切り替わってしまい、理解度を深められません。

会計人コースWebのHPにおいても、購入したテキストでの学習を繰り返すことで合格した体験記を紹介していました。

私は短時間で同じ範囲を何回転もするために、「必要以上に手を広げない」ということを徹底しました。

受験生のなかには、専門学校のテキストや問題集、答練や模試など、いろいろなツールを使い、さらには専門学校のカリキュラムのほかに、試験委員対策本を読むなど、プラスアルファの勉強をしている人もいると思います。

そんななかで私は、手を広げすぎると必要な部分にかける時間が少なくなり、学習がおろそかになるのではないかと思い、(中略)テキスト・問題集・直前予想問題集の3点セットのみを使い、手を広げる時間があったら同じ問題を周回するという方法をとりました。

(引用元:会計人コースWeb公式HP)

新しい問題を解き続けないと不安に感じるかもしれませんが、同じ問題を周回する方法でも十分合格を目指せることが分かります。

複数のテキストを利用してあらゆる問題を解くよりも、選んだテキストの読み込みを徹底して、基礎問題を確実に解けるようにしましょう。

税理士事務所に勤務しながら独学を進める

税理士資格の取得を支援する税理士事務所に勤務しながら、独学によって税理士試験の合格を目指すのもおすすめです。

実際に税理士業界で働くことで、実践的な知識や経験を身につけられるだけでなく、やりがいを感じられて独学でもモチベーションを継続しやすくなります。

また、業務を通じて先輩との信頼関係を築けたら、税理士試験に関する相談や質問に応じてくれる場合もあるでしょう。

ただし、マイナビ税理士によると、税理士業界の繁忙期である11月〜5月の残業時間は、月数十時間〜数百時間を超える場合もあります。

そのため、税理士資格の取得を支援する税理士事務所でないと、残業によって独学の時間を確保できない可能性があるため、注意が必要です。

法改正に関する情報は逃さない

税理士試験を受験する年の法改正の内容を知っておかないと、合否結果に影響が生じてしまいます。

最新のテキストを購入して独学していたとしても、購入後に法改正が実施された場合は、テキスト内容が正しくないことになります。

マイナビ税理士のHPには、法改正の対策としてインターネットや経済誌の利用が有効であると記載されていました。

また、頻繁に法改正がある税法は、書籍が税制改正に対応できていない場合もあります。試験対策の書籍とインターネットや経済誌などを併用して、最新の情報をチェックするとよいでしょう。

(引用元:マイナビ税理士公式HP)

テキストを勉強するだけでなく、リアルタイムの法改正に関する情報収集も欠かさないようにしましょう。

税理士試験の独学に関するよくある質問

税理士試験の独学に関するよくある質問
  • 独学で税理士試験に合格できるのは天才だけで凡人には無理ゲー?
  • 大学生や社会人は独学での税理士資格の取得は無理?
  • 簿記論や財務諸表論を独学するのにブログは参考になる?
  • 簿記論でも独学が無理と感じた場合は?
  • 税理士になるのはやめたほうがいいと聞くけど本当?
  • 税理士試験に落ち続けてノイローゼになった時の対処法は?
  • 税理士試験に合格しないと人生は終わったことになる?
  • 税理士試験は他の国家資格試験よりも簡単?

最後に、税理士資格の独学に関するよくある質問にお答えします。

独学で税理士試験に合格できるのは天才だけで凡人には無理ゲー?

勉強が得意な人でないと、独学で税理士試験に合格できないのは事実です。

特に、テキストの種類が少ない税法科目は、独学での合格が厳しいでしょう。

ただし、合格者のほとんどが予備校・通信講座を利用しているため、独学では理解できないからといってへこむ必要はありません。

独学では理解に時間がかかるようであれば、早めに通信講座・予備校の利用に切り替えることをおすすめします。

大学生や社会人は独学での税理士資格の取得は無理?

大学生や社会人でも、独学によって税理士資格を取得するチャンスはあります。

むしろ大学生であれば、自由時間が多いため独学による勉強時間を確保しやすい傾向にあります。

モチベーションを維持するために、大学の友達と切磋琢磨しながら税理士試験の合格を目指すのもよいでしょう。

また、社会人においては、スキマ時間を活用したり、時間を浪費する行動を控えたりすることで、働きながら独学で合格した体験記ブログがありました。

社会人が税理士試験に合格するには、時間の確保が最も大事であることがマイナビ税理士のHPにも記載されていました。

仕事をしながらの受験勉強は、時間の確保が最重要課題です。
ですが、時間だけ与えられても知識が定着しなかったり、理解ができなかったりすれば意味がありません。
足りない時間を補うのが、「何が何でも合格する」という気迫と集中力だと言えます。

大事なのは、「専念か仕事しながらか」という勉強スタイルではなく、「どれだけ合格に対して執念を燃やせるか」です。

(引用元:マイナビ税理士公式HP)

当然ですが、単に時間確保しただけでは合格できず、勉強に対する気迫や集中力が欠かせません。

上記で紹介した独学で合格するコツを参考にしつつ、「税理士試験に合格する」という強い気持ちを持って勉強に臨みましょう。

簿記論や財務諸表論を独学するのにブログは参考になる?

独学による合格体験記のブログを利用して勉強するのは困難ですが、独学の進め方や、独学していく中で生じる悩みや不安を解決するのに役立ちます。

税理士試験を独学する上で生じる悩みや不安は、独学経験者も体験している場合が多いため、参考になる解決策をブログで見つけられるでしょう。

例えば、元税理士のチャーリーさんの税理士試験の独学に関する記事では、独学で悩みやすいモチベーションの維持方法などについて、自身の体験談に基づいて解説しています。

独学による勉強の進め方だけでなく、メンタル面に関する悩みも解決できるのはブログ特有のメリットです。

簿記論でも独学が無理と感じた場合は?

比較的合格を目指しやすい簿記論でも独学が無理と感じた場合は、予備校・通信講座か、TACの税理士独学道場の利用を検討しましょう。

(引用元:TAC出版公式HP)

「予備校・通信講座はコストが高い」と感じるかもしれませんが、教育訓練給付や予備校・通信講座独自のキャッシュバックを利用すれば、コース料金よりも安く受講できます。

また、TACの税理士独学道場は市販テキストに沿ったWeb講義を提供しており、独学して分からない箇所だけWeb講義を利用すれば、独学のスタイルを崩さずに学習を進められます。

ただし、TACの税理士独学道場では、簿記論・財務諸表論・消費税法しか取り扱っていない点には注意が必要です。

税理士独学道場の詳細

税理士になるのはやめたほうがいいと聞くけど本当?

結論からいうと、税理士を目指しても問題ありません。

AI化によって税理士の需要低下の懸念や、顧客である中小企業が年々減少していることから、税理士の将来を不安視する声があるのも事実です。

そのためTACでは、機械的な税理士業務をこなすのではなく、AIにはできない顧客へのアドバイスやコンサルを実施し、他の税理士と差別化できる専門性を身につける必要があることを主張しています。

税理士業務のほとんどがAIに代替されるというのは見当違いで、AIによって書類作成業務などの効率化が進むことで、クライアント(依頼主)へのサービス提供の中心は専門的知識に基づいて助言・指導などを行うコンサルティング業務に移行することが考えられます。
言い換えると、AIの実装化により、『税理士の働き方が変わる』ということです。今後、税理士として大きな成功をつかむためには、コンサルティング力を磨くことが重要になってくると思われます。

自由裁量の余地が大きい業務、例えば、法人税に関する税理士業務は、法人税法関連規定のほか、会計学、民法、会社法など、様々な知識に基づく専門的な解釈・判断が必要になるとともに、経営者への助言・指導や税務当局への対応なども必要になることから、こういった税理士業務をAIが完全に代替する可能性は極めて低いと考えられています。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

重要なのは、AIによって税理士業務がなくなるのではなく、働き方がシフトするということです。

今後の税理士には、積極的にスキルを身につける姿勢がより求められるため、黙々と決まった税理士業務をこなす姿に憧れている人は、税理士を目指すべきか考え直してみましょう。

税理士試験に落ち続けてノイローゼになった時の対処法は?

ノイローゼになった時は、勉強を中断した方が良いでしょう。

なお、税理士試験には合格期限がないため、いつでも再挑戦できます。

また勉強できるようになってから、受験科目を変えて税理士試験に臨む以外にも、税理士資格の取得を断念して補助税理士として就職する方法もあります。

補助税理士であれば、税理士資格を取得しなくても就業できることに加えて、税理士試験の勉強で得た知識を活かせます。

「ノイローゼになるくらいしんどい」と感じた場合は、自分の体調が崩れる前に休憩して、回復後に税理士試験の勉強を継続するか決めても遅くありません。

税理士試験に合格しないと人生は終わったことになる?

何年も税理士試験に挑戦し続けて途中で合格を断念しても、人生が終わったり狂ったりすることはありません。

ノイローゼの対処法でも回答した通り、税理士試験の勉強で得た知識が無駄にならない補助税理士を目指したり、他の道を探したりするのもよいでしょう。

「一度断念したけれど、どうしても税理士資格の取得を諦められない」となれば、何歳からでも再チャレンジするのをおすすめします。

実際に、令和5年度の年齢別の受験者数や合格率は以下の通りです。

受験者数 合格率
41歳以上 11,362人 13.1%
36〜40歳 4,619人 20.8%
31〜35歳 4,973人 23.5%
26〜30歳 4,916人 27.1%
25歳以下 7,023人 31.0%

(参考:国税庁公式HP)

41歳以上の受験者数は10,000人を超えており、10%程度の人が合格を達成していることから、税理士試験の勉強を始めるのに年齢は関係ありません。

税理士試験は他の国家資格試験よりも簡単?

当サイトが調査した勉強時間や合格率をもとにランキング化したところ、税理士試験は国家資格の中で8番目に難しい結果となりました。

「税理士試験が難しく感じたため、他の国家資格の取得を目指したい」と考えている人や、国家資格のランキングについてさらに知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

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国家資格 おすすめはこちら

まとめ:独学と予備校・通信講座の利用で税理士試験の合格を目指そう

この記事では、税理士試験の独学について解説しました。

税理士試験は難易度が高いため、多くの受験者が予備校・通信講座を利用していますが、市販テキストが充実している簿記論・財務諸表論であれば、独学による合格を目指せます。

ただし、全員が独学で合格できるわけではないため、「独学による学習が難しい」と感じた場合は、時間を無駄にしないためにも予備校・通信講座への切り替えを検討しましょう。

また、独学向きの市販テキストが少ない税法科目に関しては、予備校・通信講座の利用がおすすめです。

税理士 通信講座はこちら

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この記事を書いた人

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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