司法試験や予備試験に挑戦してみたいけど、合格に必要な勉強時間を確保できるのか、そんな不安はありませんか?
できれば勉強時間からスケジュールを組み、計画的に勉強に取り組みたいものです。
結論をいうと、司法試験に合格するには5,000〜10,000時間を勉強にあてる必要があります。
社会人や法律の知識ゼロの人でも司法試験に合格する人はいるため、勉強時間よりも勉強効率を重視すべきです。
さらに令和4年度から予備試験の内容が変更され、令和5年度からは司法試験は例年5月実施から7月実施に、予備試験の口述試験は2ヶ月後倒しなど日程変更があったので、それぞれ把握しておきましょう。
この記事では、司法試験や予備試験の受験に必要な勉強時間の詳細や、科目別の勉強時間配分、効率的な勉強法について紹介します。
また、受験対策には令和5年度の司法試験で合格者占有率36%という実績を誇るアガルートがおすすめです。
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司法試験と予備試験の違い
司法試験と予備試験の違い |
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司法試験予備試験のことを、一般的に「予備試験」と呼びます。
予備試験に受験制限はありません。何回でも受験できます。
ただし、予備試験に合格後、司法試験を受験するには、その合格発表後の最初の4月1日から5年を経過するまでの期間に5回の範囲内で受験できるという受験制限があります(司法試験法4条1項2号)。
(引用元:法務省HP)
予備試験は司法試験の受験資格を得るための試験で、受験資格がないため誰でも受験できます。
予備試験に合格すれば、5年間の有効期限の中で最大5回の司法試験を受験できます。
2014年までは5年の内、受験回数は3回までと制限されていましたが、2015年の法改正によって回数制限は撤廃されました。
一方で、受験資格の有効期限を過ぎた後で司法試験を受験する場合は、再び法科大学院で所定の単位を取得するか、予備試験に合格する必要があります。
法科大学院を卒業して司法試験を受験
法科大学院は、「法曹(弁護士、検察官、裁判官)養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクール」です。多様な問題に対応できる質の高い法律家を養成するために2004年(平成16年)4月に創設されました。現在は全国に43校(2018年4月現在)。
(引用元:法科大学院ガイド公式HP)
法科大学院は、弁護士をはじめ検察官や裁判官のような「法曹」を目指す人のための教育機関です。
法科大学院のコースは2種類あり、大学の法学部に在籍していた人は既修者コースで2年、法学部以外に在籍していた人は未修者コースで3年間学びます。
令和5年度より、法科大学院では所定の単位を満たし、1年以内に修了見込みであれば在学中でも司法試験を受験できます。
法科大学院ルートの特徴は、予備試験を受験しなくても確実に司法試験を受験できる点です。
予備試験に合格して司法試験を受験
司法試験予備試験(以下「予備試験」という。)は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。
(引用元:司法試験法5条)
予備試験は平成23年から実施されており、法科大学院を修了した人と同程度の学力があるか判断する試験です。
予備試験には受験資格がなく、誰でも受験できます。
例えば法科大学院ルートであれば、入学できるのは大卒以上の人に限定されるため、初めて司法試験に臨むのは最短で23〜24才です。
一方で受験資格がない予備試験ルートであれば、例えば中学生や高校生、大学生でも司法試験の受験資格を得られます。
司法試験と予備試験の試験日程
令和6年度試験 | 司法試験 | 予備試験 |
短答式試験 | 7月14日 | 7月14日 |
論文試験 | 7月10日・11日・13日 | 9月7日・8日 |
口述試験 | ー | 令和7年1月25日・26日 |
(参照元:法務省HP)
令和5年度の司法試験と予備試験の試験日程は、上記の通りです。
予備試験は次の試験まで期間がありますが、司法試験は7月中に受験が終わります。
予備試験の試験日程
令和6年度予備試験 | 日程 |
短答式試験 | 7月14日 |
論文試験 | 9月7日・8日 |
口述試験 | 令和7年1月25日・26日 |
(参照元:法務省HP)
予備試験は短答式試験が7月に実施され、合格者のみが9月の論文試験を受験します。
そして論文試験も合格すると、翌年1月に実施される口述試験を受験するという流れです。
変更点 | 令和4年度まで | 令和5年度から |
口述試験 | 11月 | 翌年1月 |
(参照元:法務省HP)
口述試験は例年11月に実施されていましたが、令和5年度から2ヶ月後の翌年1月実施へと変更されました。
試験日程が延長されたので、予備試験の受験者は例年よりも多く勉強時間を確保できます。
司法試験の試験日程
令和6年度司法試験 | 日程 |
論文試験 | 7月10日・11日・13日 |
短答式試験 | 7月14日 |
司法試験は、7月中にすべての試験が実施されます。
予備試験では短答式試験から実施されますが、司法試験は論文試験から先に実施されるという違いがあります。
また、司法試験は試験日程が密集しているため、論文試験の結果を待たずに短答式試験を受験しないといけません。
司法試験と予備試験の合格の勉強時間は?5000時間で足りる?
試験 | 勉強時間の目安 |
予備試験 | 3,000〜8,000時間 |
司法試験 | 2,000時間以下 |
(通信講座各社HPを元に当サイトにて作成)
司法試験と予備試験の勉強時間の目安について、通信講座各社公式HPの情報を調査しました。
一般に予備試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間、中には10,000時間という方もいます。
(引用元:スタディング公式HP)
予備試験合格から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下
(引用元:アガルート公式HP)
その結果、予備試験の勉強時間は3,000〜8,000時間、司法試験の勉強時間は2,000時間以下の勉強時間が必要といわれています。
予備試験の勉強時間だけで最低2,000時間
通信講座 | 予備試験の勉強時間の目安 |
伊藤塾 | 2,000〜5,000時間 |
アガルート | 3,000〜8,000時間 |
スタディング | 3,000〜8,000時間 |
(各社公式HPを参照し当サイトにて作成)
通信講座各社の資料によると、予備試験に必要な勉強時間は伊藤塾の2,000時間が最低でした。
アガルートとスタディングは、どちらも3,000〜8,000時間を目安としています。
目安の勉強時間に幅があるのは、法律知識の有無も関係します。
例えば法科大学院でも、既修者コースは2年、未修者コースは3年で、1年間も差があります。
上の図は、千葉大学法科大学院生のスケジュール例です。
授業と自習を合わせると、1日あたり10時間を勉強時間にあてています。
上記スケジュールをこなす場合、年間で3,000時間以上も勉強しなければなりません。
未修者は既習者よりも1年間多く在籍するため、勉強時間に3,000時間以上の差が生じます。
つまり、法律知識の有無によって勉強時間に幅が生じるのは当然といえます。
平均すると予備試験の勉強時間は約5000時間
予備試験の勉強時間に差はあるものの、平均すると約5,000時間が必要といえます。
5,000時間の勉強時間を確保するのであれば、1年で合格を目指す場合は1日あたり約13.7時間、2年であれば6.8時間、3年であれば4.6時間を継続しなければなりません。
あくまで勉強時間は目安であり、1日6時間の勉強で1年合格した人であれば、合計の勉強時間は約2,200時間です。
予備試験合格を目指す場合は、現状で1日あたり何時間の勉強時間を確保できるかを把握した上で「何年後の予備試験を受験するか」目標を決め、勉強をスタートするのが良いでしょう。
予備試験に合格した後の司法試験の勉強時間は2000時間以下
通信講座 | 予備試験合格後の勉強時間 |
アガルート | 2000時間以下 |
LEC | 約2000時間 |
予備試験に合格後、司法試験までどれくらいの勉強時間を確保すべきなのでしょうか。
調べてみると、およそ2,000時間の勉強時間が必要です。
予備試験から司法試験に向かう場合、新たに何か知識を入れる必要はありません。予備試験合格レベルの知識量で十分司法試験も戦うことができます。
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験と予備試験は、問題の内容が共通しているが多いため、予備試験合格後には司法試験を受験するための十分な実力がついているといえます。
異なるのは、1科目あたりの論文試験の時間が予備試験は70分で、司法試験は120分という点です。
同じ論文試験でも試験時間が長くなる分、予備試験と全く同じ時間配分では解ききれない可能性もあります。
そのため、ひたすら司法試験の過去問を解き、問題に慣れておく必要があります。
司法試験合格までの勉強時間は合計で一万時間が目安
一般に予備試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間、中には10,000時間という方もいます。
(引用元:スタディング公式HP)
予備試験合格から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下
(引用元:アガルート公式HP)
予備試験合格までには3,000〜8,000時間、その後は司法試験まで2,000時間程度の勉強時間が必要です。
つまり、司法試験合格までの勉強時間のほとんどは、予備試験の合格に必要だといえます。
法律の知識ゼロの初心者が司法試験を目指すとすると、予備試験に余裕をもって8000時間+司法試験に2000時間の計1万時間が必要になる場合もあります。
1万時間ときくと「そんなに勉強時間を確保できない」と不安に思う方は多いでしょう。
しかし、勉強時間はあくまで目安です。
社会人合格者の1日 | 勉強スケジュール |
平日 | 通勤中と就寝前の合計2時間 |
休日 | 日中に5〜8時間 |
(参照元:伊藤塾公式HP)
上の表は、予備試験ルートで司法試験に合格した社会人のスケジュールです。
平日は2〜3時間、休日は5〜8時間と、社会人にとっては無理がないスケジュールで勉強しているのが分かります。
多くの方が不安に思っているような睡眠時間を削ったり、休日もすべて勉強に費やす必要などはまったくありません。伊藤塾の講義を受講する時間を含めて、1週間に20時間程度の学習時間を取り、これを3年間続ければ、十分に合格が可能です。
(伊藤塾公式HP)
社会人なら1週間に20時間程度の学習時間で、3年間継続すれば十分に合格を狙えます。
司法試験・予備試験は勉強範囲が広いため、何から手をつけて良いのか分からない時は、しっかりスケジューリングされたカリキュラムがある通信講座を利用するのがおすすめです。
→司法試験 通信講座の記事はこちら
司法試験と予備試験の科目別でみる勉強時間
予備試験の時期 | 勉強科目の割合 |
短答式試験の2〜3ヶ月前まで
(5月くらいまで) |
論文試験対策に8割を割く |
短答式試験前の2・3ヶ月
(5・6月) |
短答式対策の比重を6〜9割に上げる |
論文試験終了後 | 口述試験対策 |
(参照元:アガルート公式HP)
予備試験と司法試験の勉強時間について、科目別にみていきましょう。
まずは予備試験ですが、アガルートによると短答式試験の2〜3ヶ月前までは論文試験対策に8割を割くことをおすすめしています。
論文試験を解くには、法律の基礎知識に加え、論文の書き方のコツを押さえる必要があります。
さらに、覚えた知識を応用して論文を解くには、ただ暗記するのではなく、正しく理解していないといけません。
まずは論文式試験の勉強をして核となる知識及び法的な思考方法を身に着けてから、細かめの短答プロパー知識を勉強するのが効率的です。
(引用元:アガルート公式HP)
特に法律の知識ゼロの人にとっては、インプットした法律知識をアウトプットする場として論文試験を解くのが最適といえます。
短答式試験は例年7月に実施されるため、5月くらいから短答式対策の比重を6〜9割に上げましょう。
その頃には論文試験対策で法律知識については身についているので、ひたすら過去問を解いて出題傾向を掴みます。
短答式試験に合格後は、9月まで論文対策をひたすら行い、論文試験が終われば口述試験まで4ヶ月あるので、じっくり対策を練りましょう。
予備試験を1年合格するスケジュールと1日の勉強時間
予備試験の科目 | 実施時期 |
短答式試験 | 7月 |
論文試験 | 9月 |
口述試験 | 翌年1月 |
令和5年度より、予備試験の短答式試験が7月、論文試験が9月、翌年1月に口述試験が実施されます。
口述試験は例年で11月に実施されていましたが、2ヶ月後倒しになりました。
一方で短答式試験と論文試験は、例年どおりの日程で実施されます。
それぞれの試験の合格者のみが次の試験に挑めるため、まずは短答式試験から取り組む人も多いでしょう。
しかし「1年で予備試験に合格したい」と思う方に向けて、効率よく勉強する方法を紹介します。
例えば2023年7月に勉強をスタートし、2024年7月からの予備試験に臨むとすると、以下のスケジュールで勉強をこなすのが良いでしょう。
スケジュール | 勉強方法 |
2023年7月〜12月 |
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2024年1月〜5月 | 過去問演習(短答式・論文) |
2024年6月〜7月(短答式試験前日) | 短答式試験の模擬試験を受け過去問の総復習 |
2024年7月(短答式試験終了)〜9月(論文試験) |
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(参照元:アガルート公式HP)
予備試験に1年合格するコツは、最初に論文試験も視野に入れることです。
論文試験は基本的な法律知識を使い、書き方の型に当てはめて答案作成します。
そのため、短答式試験のために覚えた法律知識を、論文試験にアウトプットすると効率良く対策ができます。
さらに通信講座各社も、予備試験1年合格コースを設けています。
通信講座 | 講座名 |
伊藤塾 | 予備試験1年合格カリキュラム |
LEC | 予備試験1年合格専用コース |
伊藤塾の「予備試験1年合格カリキュラム」は、2011年に予備試験がスタートして以来、11年連続で1年合格者を輩出した実績があります。
1年という期間で合格できたのは、無闇に手を広げずに基礎マスターと論文マスターのみに集中したこと、また時間内に答案を書く練習をしたことだ思います。
(引用元:伊藤塾公式HP)
伊藤塾公式HPの合格体験記には、1年で予備試験に合格した方の体験談が多く挙がっています。
カリキュラムは先述した勉強法の通り、短答式試験までに基礎と論文を学びます。
<こんな方に特にオススメ!>
・一気に最短での予備試験・司法試験合格を目指したい方
・大学在学中に、予備試験・司法試験合格を目指したい大学1・2・3年生の方
・時間に余裕があり、勉強に費やせる時間がある方
(引用元:伊藤塾公式HP)
伊藤塾の「予備試験1年合格カリキュラム」は主に、時間的な余裕がある方におすすめの講座です。
具体的には、講義時間だけで1回分が合計570時間あるため、1年でカリキュラムを3周するならば、1日あたり約6時間の勉強時間を確保できる人が向いています。
LECの「予備試験1年合格専用コース」では、渋谷駅前本校への通学と、ZoomによるWeb配信講義のいずれかを選んで受講できます。
また、講師歴15年以上の田中講師が、予備試験上位合格の実績を生かして生講義してくれます。
講義時間は790時間なので、3周して知識を定着させたり、添削をこなしたりするのを考慮すると、1日あたり7〜8時間の勉強時間を確保できる人におすすめです。
さらに、アガルートには1年合格を謳っているカリキュラムはないものの、「総合講義300」は初心者でも300時間で予備試験の範囲を網羅できる内容です。
3周することが推奨されているため、1日3時間の勉強で約300日間、つまり1年間で勉強できるスケジュールを組めます。
司法試験を1年合格するスケジュールと1日の勉強時間
司法試験を1年合格するスケジュール |
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司法試験は、予備試験の短答式試験と同じ7月に実施されます。
つまり、予備試験の合格者は、合格発表から約6ヶ月後に1回目の司法試験を受験できます。
試験日までの期間が短いように思いますが、令和4年度予備試験合格者の司法試験合格率は97.5%(395名)と、合格率は圧倒的に高いことが分かります。
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験の短答式試験は、予備試験の内容と同一の問題も出題されます。
つまり、予備試験の時点で短答式試験に合格できた人であれば、司法試験の短答式試験の難易度も下がるといえます。
出身法科大学院名 | 司法試験合格者数(令和4年度) | 司法試験合格率(令和4年度) |
予備試験合格者 | 395人 | 97.5% |
京都大学法科大学院 | 119人 | 68.0% |
東京大学法科大学院 | 117人 | 60.9% |
一橋大学法科大学院 | 66人 | 60.0% |
慶應義塾大学法科大学院 | 104人 | 57.5% |
東北大学法科大学院 | 27人 | 56.3% |
(参照元:スタディングHP)
現に、令和4年度の予備試験合格者の司法試験合格率は97.5%と、圧倒的な高さを誇っています。
司法試験の受験資格には5年で5回の有効期限があるので、予備試験合格者は最短で訪れる司法試験を受験しましょう。
司法試験までの勉強時間について |
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(参照元:TAC公式HP)
予備試験合格者は、司法試験でも短答式試験に合格できるだけの実力がついています。
また、論文試験の時間は1科目あたり、予備試験が70分に対して、司法試験は120分と2倍近くの長さがあります。
論文は、1通書くとなると2時間ほどかかるものですから、私はこの時期、答案構成にとどめる形で対策していました。試験本番では、答案構成に整理したもの以上のことを書けることがほとんどありませんから、答案構成をするだけでも自分がどのような答案を書けるかなんとなくわかります。
(引用元:TAC公式HP)
本番さながら論文試験の過去問を解くのも良いですが、司法試験までの時間が迫っている場合は、答案構成を重点的にこなしましょう。
司法試験と予備試験は独学で合格できる?おすすめ勉強法
予備試験の科目 | おすすめ勉強方法 |
短答式 | 知識のインプットよりも演習でアウトプットが大事 |
論文 | 早めに着手し、知識と書き方を並行して学ぶ |
口述 | 場慣れ対策の模試を受ける |
司法試験の科目 | おすすめ勉強方法 |
短答式 | 苦手分野を克服 |
論文 | 過去問に注力 |
(各通信講座HPを参照し当サイトにて作成)
司法試験や予備試験を独学で合格したい人も多いでしょう。
独学のメリットは、自分のペースで勉強できる上、コストを抑えられる点です。
ここでは、司法試験や予備試験を独学で合格するための勉強について調査しました。
予備試験を独学で合格するための勉強法
試験 | 試験内容 |
短答式 | 憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・一般教養科目 |
論文 | 法律基本科目・倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)のうち受験者のあらかじめ選択する一科目と法律実務基礎科目 |
口述 | 法律実務基礎科目について法的な推論・分析及び構成に基づいて弁論をする能力を有するかどうかの判定をする |
(参照元:法務省HP)
試験 | おすすめ勉強方法 |
短答式 | 知識のインプットよりも演習でアウトプットが大事 |
論文 | 早めに着手し、知識と書き方を並行して学ぶ |
口述 | 場慣れ対策の模試を受ける |
(各通信講座HPを参照し当サイトにて作成)
法科大学院に通わず司法試験を受験するには、予備試験に合格しなければなりません。
予備試験では短答式・論文・口述の3種類の試験が実施されます。
上の問題は令和4年度予備試験の一部です。
短答式試験はマークシート方式で、法律や一般教養について問われます。
選択肢がある分、論文や口述よりも対策しやすいと思う人もいるでしょう。
しかし、予備試験の短答式試験の合格率が20%前後であることを考慮すると、難易度が高い試験だと分かります。
次に、各通信講座がおすすめする短答式試験の勉強法をまとめました。
通信講座 | 短答式試験の勉強法 |
アガルート |
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スタディング |
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伊藤塾 |
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(各通信講座HPを参照し当サイトにて作成)
通信講座ごとの勉強法によると、知識をインプットするよりも、過去問を解いてアウトプットする方の比重を高めることが共通しておすすめされています。
短答式試験は法律基本7科目に一般教養と範囲が広く、一通り覚えてから演習に臨む方もいるでしょう。
しかし、少し覚えたらひたすら問題を解いて知識を定着させる方が、効率よく勉強できます。
通信講座 | 論文試験の勉強法 |
アガルート |
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スタディング |
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伊藤塾 |
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(各通信講座HPを参照し当サイトにて作成)
論文試験も、知識をインプットするより過去問を解いてアウトプットするのが大切です。
各社の主張をまとめると、法律の基礎を覚えるタイミングで論文の書き方も学び、実際に答案を作成するのが、論文試験のおすすめ勉強法です。
短答式試験の合格率は約20%ですが、その後に実施される論文試験で、合格者はさらに20%程に絞られます。
つまり、1,000人が予備試験を受験すると、短答式で200人が合格し、さらに論文試験で40人にまで絞られる計算です。
論文試験を突破するには、早めに対策し、かつ苦手分野を作らないことが重要です。
通信講座 | 口述試験の勉強法 |
アガルート |
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スタディング |
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伊藤塾 |
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(各通信講座HPを参照し当サイトにて作成)
予備試験の最終日程に実施される口述試験は、論文試験合格者のほとんどが合格する試験です。
口述試験は試験管の質問に対して、素早く答えなければなりません。
そのため、試験の場に慣れず緊張することは口述試験の大敵といえます。
また、「口述試験は落ちないだろう」という慢心で勉強を疎かにする受験者もいるでしょう。
通信講座各社は、口述試験に確実に合格するために、場慣れ対策の模試を受けることと、気を緩めず勉強を継続することをおすすめしています。
→予備試験 独学の記事はこちら
司法試験を独学で合格するための勉強法
通信講座 | 司法試験の勉強法 |
アガルート |
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伊藤塾 |
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司法試験に独学で合格するには、予備試験に合格した人であれば過去問に集中すれば十分といえます。
なぜならば、予備試験合格者の司法試験合格率は、例年で80%以上と高いためです。
受験年度 | 全体合格率
(法科大学院修了者+予備試験合格者) |
予備試験合格者の合格率 |
令和5年度 | 45.34% | 92.63% |
令和4年度 | 45.52% | 97.53% |
令和3年度 | 41.5% | 93.5% |
令和2年度 | 39.16% | 89.36% |
令和元年度 | 33.63% | 81.82% |
(参照元:スタディング公式HP)
司法試験の合格率自体は30〜40%代を推移しているものの、予備試験合格者のみに絞ると、司法試験の合格率が2倍以上だと分かります。
伊藤塾では、司法試験対策に過去問は必要なものの、他に新たな教材を買い足す必要はなく、予備試験で使用した教材を復習するのをおすすめしています。
司法試験独学について詳細が知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
→司法試験 独学の記事はこちら
司法試験合格までに最低何年かかる?
司法試験に短期で合格したいと思う人は多いでしょう。
実際、司法試験に合格するまでは最低で何年くらいかかるのでしょうか。
アガルート公式HPによると、司法試験に合格するには最短で3年、長いと8〜10年かかると提言しています。
司法試験合格までの期間に差があるのは、司法試験の受験資格に5年の有効期限があるのが大きな理由です。
予備試験と司法試験で最低3年かかる
6年~8年の勉強で受かれば普通、3~5年の勉強で予備試験を利用して司法試験に合格できれば短期合格といえます。
短期合格と言われる方々は基本的に大学生で、一日中勉強できるくらいの時間的余裕がある場合が多いです。
他方、時間がない社会人、基礎知識がない未修者であれば8~10年かかることもあります。
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験に合格するには、最低で3年は必要です。
司法試験を受験するには「大学法学部4年+法科大学院の既修者コース2年」が基準ルートですが、それでも6年はかかってしまいます。
3〜5年で短期合格を目指す人の多くは、時間的に余裕がある大学生が多くを占めています。
予備試験合格の有効期限は5年間
合格率が約4%という難易度の予備試験に合格すると、司法試験の受験資格が得られます。
しかし受験資格には有効期限があり、5年の中で5回までしか司法試験を受験できません。
もしも5回とも司法試験に落ちてしまうと、また予備試験を受験するか、法科大学院で学び直す必要があります。
司法試験の受験資格に有効期限があるのを考慮すると、10年以上も司法試験を目指して勉強する人がいるのも頷けます。
社会人はいつから司法試験の勉強を始めるべき?おすすめの勉強法は?
社会人が司法試験に合格するには、いつ頃から勉強を始めるべきなのでしょうか。
結論をいうと、社会人は2〜3年後の予備試験を目指して勉強するのがおすすめです。
また、勉強時間の確保が難しい社会人は、スキマ時間を勉強にあてるのが得策といえます。
ここでは、社会人が司法試験の勉強を始める時期を決めるコツや、おすすめの勉強法を紹介します。
2〜3年後の予備試験を目指して勉強する
社会人で司法試験を目指す人の多くは、仕事を辞めて法科大学院に通う方法ではなく、予備試験ルートで臨むでしょう。
一方で、社会人が勉強時間を確保するのであれば、1日あたり3時間が限度ではないでしょうか。
一般に予備試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間、中には10,000時間という方もいます。
(引用元:スタディング公式HP)
予備試験合格から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下
(引用元:アガルート公式HP)
予備試験に合格するには3,000〜8,000時間の勉強時間を確保しなければなりません。
1日3時間を勉強時間にあてても、2〜3年はかかってしまいます。
そのため、社会人は最初から2〜3年後の予備試験を目標にして、勉強スケジュールを組むと良いでしょう。
しかし、あくまで3,000〜8,000時間というのは目安です。
社会人であれば、ある程度の金銭的余裕も出てくるので、通信講座や予備校などをうまく活用し、勉強時間の節約をするのがおすすめです。
社会人は通勤や休憩時間を司法試験の勉強に利用する
社会人は勉強時間の確保が難しいものの、スキマ時間を有効に活用できれば、確保できる勉強時間も長くなります。
例えば、通勤に往復1時間以上かかっている社会人であれば、通勤時間の1時間と仕事の休憩時間の1時間をすべて勉強時間にあてるだけで、1日2時間を確保できます。
すると、出勤日だけで年間400時間以上の勉強時間を捻出できます。
一方で通勤時間や休憩時間は、机に向かってテキストを広げる勉強ができません。
そこで、スマホで動画講義を視聴したり、一問一答アプリを利用したりなど短時間で復習できる教材があると良いでしょう。
例えば資格スクエアの司法試験講座であれば「担当攻略クエスト」という一問一答アプリが教材に含まれています。
学習状況が数値化されるので、苦手分野が一目で分かります。
→資格スクエア 口コミはこちら
司法試験や予備試験の合格実績を公表している通信講座
令和4年度の予備試験受験者に対し、口述試験まで合格した人の割合は3.6%でした。
対して、令和4年度の予備試験合格者の司法試験合格率は97.56%と高い数値を叩き出しています。
つまり、司法試験に合格するには、予備試験の合格率を高めるのが必須です。
通信講座の中には、予備試験の合格実績を公表している所もあります。
通信講座 | 受講料(税込) | 合格実績 |
資格スクエア | 719,400円〜 | 令和5年度の予備試験合格率25.9% |
アガルート | 768,460円〜 | 令和5年度の司法試験の合格者占有率36% |
伊藤塾 | 1,121,900円〜 | 令和5年度の予備試験ルートからの司法試験合格者93.3% |
LEC | 1,160,000円〜 | 1993〜2023年で5,337人の合格者 |
(各社公式HPを参照に当サイトにて作成)
合格実績を公表している通信講座で予備試験対策をする場合、受講料は70万円以上するので割高に感じる人もいるかもしれません。
しかし、法科大学院に通う学費や、司法試験合格後のキャリアアップを考慮すると、受講料は決して高くありません。
例えば司法試験に合格し、弁護士になれたと仮定します。
厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査の令和3年版では、弁護士の平均年収は、945万3,600円となっています。
(引用元:伊藤塾公式HP)
弁護士の平均年収は950万円と高い傾向にあります。
もし今の年収が500万だとすると、弁護士になれた場合は年間450万も収入アップが見込めます。
ひと月あたりでは約40万円アップするので、弁護士になって年収アップできれば、2・3ヶ月で70万〜116万円の受講料を回収できるでしょう。
アガルート「最短合格カリキュラム」
アガルートの司法試験・予備試験対策講座は、令和5年度の司法試験合格者の36%が受講している講座です。
コース名 | 受講料(税込) | 備考 |
最短合格カリキュラム
(ライト) |
822,800円 |
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最短合格カリキュラム | 932,800円 |
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(参照元:アガルート公式HP)
アガルートの司法試験・予備試験対策講座にはいくつか種類がありますが、最短合格カリキュラムでは法律の知識ゼロの人でも短期間で合格できるカリキュラムが組まれています。
サポート期間が2年間もあるので、来年だけでなく再来年の予備試験にも対応しているのは、受講者にとって心強いでしょう。
最短合格カリキュラムに含まれる教材 |
動画講義・製本テキスト・音声ダウンロード・デジタルブック・導入ガイダンス・学習カウンセリングチューター・ホームルーム・オンライン添削・質問制度・論文マンスリーゼミ・短答セルフチェックwebテスト |
(参照元:アガルート公式HP)
最短合格カリキュラムにはライトと標準コースがあります。
教材の内容はほぼ同じですが、ライトには一部の教材が付属していなかったり、デジタルブックも一部の講座で非対応です。
ライトに付属していないもの |
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アガルート公式HPでも、今から予備試験の勉強を始める人には通常の「最短合格カリキュラム」を推奨しています。
さらにマネジメントオプションをつけると、人気のプロ講師の個別指導がオンラインまたは対面で20回も受けられます。
2025年・2026年試験用講座では、月に1度の論文添削や、短答式試験のWebセルフチェックテストが追加され、カリキュラムはさらに充実しています。
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資格スクエア「合格フルパッケージ」
講座名 | 受講料(税込) | 備考 |
合格フルパッケージ | 759,000円 | 初学者に必要な教材が全て含まれている |
合格フルパッケージ(テキスト無し) | 719,400円 | テキスト教材無し(PDFダウンロード有り) |
(参照元:資格スクエア公式HP)
資格スクエアの合格フルパッケージは法律知識ゼロの初心者でも、合格から逆算したカリキュラムで「何をいつまでにこなすべきか」が明確に分かるカリキュラムです。
また、合計205回の添削指導は、資格スクエアも業界最多と謳っています。
令和5年度予備試験の最終合格率は約3.6%でしたが、資格スクエア受講生の合格率は25.9%と、7倍以上の実績を誇っています。
また、合格フルパッケージには「製本されたテキストは必要ない」方に向けて、Web講義のみのプランも用意されているので、好みに合ったものを選びましょう。
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伊藤塾「合格プレミアムコース」
講座名 | 受講料(税込) |
合格プレミアムコース(本科生) | 1,238,500円(通学1,459,000円) ※キャンペーン価格:1,213,500円(通学1,434,000円) 【5月31日まで】 |
合格プレミアムコース(本科生+リーガルトレーニング) | 1,278,500円(通学1,499,000円) ※キャンペーン価格:1,228,500円(通学1,449,000円) 【5月31日まで】 |
2023年の司法試験合格者1,781人の内、1,556人が伊藤塾の講座を受講しています。
伊藤塾で初学者におすすめするのは上記の講座で、Web通信講義または渋谷にある東京校に通学して勉強します。
伊藤塾の司法試験・予備試験講座にはリーガルトレーニングのオプション付き講座もあります。
リーガルトレーンングは、主に問題演習により知識のアウトプットが目的です。
先述しましたが、司法試験や予備試験は知識のインプット以上に、問題演習によるアウトプットが大切です。
伊藤塾の合格体験記を読んでも、ほとんどの受講生がリーガルトレーニングを受けています。
さらに他社では通常2年間のサポートを、伊藤塾では4年間も受けられますのは心強いのではないでしょうか。
じっくり勉強に取り組みたい社会人には、ぴったりの講座です。
→伊藤塾 評判の記事を読む
伊藤塾の司法試験・予備試験講座の詳細が知りたい人は、こちらの記事も読んでみてください。
→伊藤塾 司法試験・予備試験対策講座 評判の記事を読む
LEC「1.5年合格コース」
LECは1979年から司法試験講座を開講しており、1993〜2023年の期間では5,337名の合格者を輩出しています。
初学者におすすめなのは「2年合格コース」です。
5人の講師のレジュメを読んだ上で、受講者自身がパートナー講師を1人選べます。
また、1979年からのノウハウが詰まったテキストは、初学者のために噛み砕いて説明されているので分かりやすいと好評を博しています。
また、1日6時間以上の勉強時間を確保できる人は、予備試験1年合格コースもおすすめです。
→LEC 評判の記事を読む
以上、合格実績を公表している通信講座を紹介してきました。
司法試験や予備試験の通信講座について詳しく知りたい方は、予備校・通信講座を比較した記事も併せてご覧ください。
→司法試験おすすめ予備校の記事を読む
学生が司法試験を受験するにはいつから勉強を始めるべき?
高校生や大学生のような学生が司法試験に合格するには、いつ頃から勉強を始めるべきなのでしょうか。
学生であれば法学部や法科大学院への進学はもちろん、予備試験ルートで司法試験を受験する方法も選べます。
ここでは、学生が司法試験の勉強を始める時期を決めるコツや、おすすめの勉強法を紹介します。
予備試験に合格して司法試験を受験
予備試験であれば年齢などの制限がないため、学生をはじめ誰でも受験できます。
通信講座各社では、学生向けの特典なども用意しているので、うまく活用して予備試験に望みましょう。
通信講座 | 内容 |
アガルート
「キックオフ予備試験講座無料招待」 |
高校生・大学生向けに対象講座を9時間分、無料で受講できる |
LEC
「新入門講座無料ご招待」 |
高校生・大学生向けに入門講座を1回分無料で受講できる |
(参照元:アガルート公式HP・LEC公式HP)
学生の内に司法試験の勉強に触れると、大学の法学部や法科大学院への受験にも有利です。
学生で司法試験を目指す方は、早めに勉強を始めると良いでしょう。
法科大学院に入学して司法試験を受験
大学生であれば、卒業後に法科大学院に入学して司法試験を受験する方法もあります。
また令和5年から、法科大学院を修了する前に所定の単位を取得するなど、一定の条件を満たせば修了前に司法試験を受験できるよう法改正されました。
例年であれば、法科大学院在学中の3年間は司法試験を受験できませんでしたが、より早く受験できるのは、これから司法試験を目指す学生にとってメリットといえます。
弁護士になるには最短で何年かかる?最年少は何歳?
弁護士になるには最短で何年かかる?最年少は何歳? |
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司法試験を受験する方の中には、法曹の中でも弁護士を目指す方が多いでしょう。
司法試験に合格して弁護士を目指す場合、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。
弁護士になるための最短ルートや、司法試験の最年少合格者について調査しました。
弁護士になるための最短ルート
法科大学院は大卒以上でなければ入学できないため、最短ルートで弁護士になるには、予備試験に合格する必要があります。
実際、最年少で司法試験に合格した方は、全て予備試験ルートで司法試験を受験しています。
予備試験と司法試験を受験するだけで1年以上がかかります。
さらに司法修習で1年間を費やすため、弁護士になるには最低でも3年〜4年は必要です。
司法試験の最年少合格者は18歳
現行の司法試験制度に移行してからの最年少合格者は18歳です。
令和4年度についても、最年少合格者は18歳と発表されています。
2021年(令和3年)に満18歳3か月(受験時)で司法試験に合格した最年少合格者の大槻凜(おおつきりん)さんは、伊藤塾の受講生です。
(引用元:伊藤塾公式HP)
司法試験の最年少合格者は、令和4年の時点で18歳です。
最年少合格者の方は伊藤塾の受講生で、高校在学中に予備試験に合格後、大学1年生で司法試験に合格しています。
中学生や高校生から弁護士を目指せる?
予備試験には受験資格がないので、理論上では中学生でも予備試験に合格さえすれば弁護士を目指せます。
弁護士を目指す時期が早いほど司法試験の受験機会も多くなるので、興味が湧いた時点でまずは予備試験の勉強に取り組むと良いでしょう。
また、中学生や高校生が予備試験の勉強を始めると、大学の法学部を受験する際も覚えた知識が役に立ちます。
弁護士になるために必要な勉強時間
弁護士になるために必要な勉強時間は2種類あります。
弁護士になる方法 | 必要な勉強時間 |
予備試験+司法試験+司法修習 | 7,000時間〜(4年〜) |
法科大学院+司法試験+司法修習 | 5,000時間〜(3年〜) |
(参照元:アガルート公式HP)
予備試験と司法試験を合わせると、勉強時間は5,000時間以上が必要といわれます。
また、法科大学院は最短の2年コースで、1日あたり6時間を履修すると合計で3,000時間程度を履修しています。
司法修習生は公務員的な立場として扱われるので、就業時間は裁判所に準じて基本9時~5時です。
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験に合格後は1年間の司法修習が必須です。
司法修習生の終業時間は、基本的に9〜5時の7時間なので、1年間で2,500時間程度を勉強に充てています。
司法修習の最終試験(司法修習生考試)に合格して司法修習を終えることにより,判事補,検事又は弁護士となる資格が与えられます。
(引用元:裁判所HP)
司法修習を1年間受けた後、最終試験に合格して司法修習を終えることで弁護士の資格が与えられます。
つまり、弁護士になるために必要な時間は「司法試験合格までにかかった時間+司法修習の修了期間」といえます。
合計すると、予備試験ルートから弁護士になるには最短でも7,000時間、法科大学院ルートで弁護士になるには最短で5,000時間以上の勉強時間が必要です。
司法試験と予備試験の勉強時間についてよくある質問
司法試験と予備試験の勉強時間についてよくある質問 |
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司法試験と予備試験の概要や勉強時間などについて、ここまで一通り紹介してきました。
次に、司法試験と予備試験の勉強時間について、よくある質問とその回答を紹介します。
司法試験は1日3時間の勉強時間でも合格できる?
一般に予備試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間、中には10,000時間という方もいます。
(引用元:スタディング公式HP)
予備試験合格から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験に合格するには、合計で5,000〜10,000時間が必要とされています。
仮に5,000時間を勉強するとしても、1日3時間では単純計算で4〜5年が必要です。
「本業が忙しく、1日3時間程度しか勉強時間を確保できない」という方は、時間よりも勉強効率が大事です。
独学で闇雲に勉強するよりは、通信講座や予備校を利用した効率的な勉強がおすすめです。
司法試験に5回落ちたら予備試験からやり直し?
予備試験に合格して司法試験の受験を得ると、5年間のうち最大5回まで司法試験を受験できます。
司法試験に5回落ちてしまうと、受験資格を失います。
再び受験資格を得る場合は、翌年以降の予備試験に合格するか、法科大学院の既修者コース(2年)で特定の科目を履修する必要があります。
司法試験直前期の勉強時間はどれくらい?
司法試験直前期の勉強時間について |
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(参照元:アガルート公式HP・加藤ゼミナール公式HP)
司法試験直前期になると、どれくらいの勉強時間で追い込みをかけるべきなのか不安になる受験者は多いでしょう。
直前期(司法試験当日~3か月前)は、平均して1日8時間ほど勉強をしていました。体調が悪かったり、疲れたときはしっかり休んでいましたが、それ以外の日はコンスタントに勉強していたと思います。
(引用元:加藤ゼミナール公式HP)
司法試験合格者の合格体験記では、1日に8時間を継続して勉強しているという情報が見つかりました。
問題演習をこなす際は,答案を実際に書く必要はなく,答案構成レベルで十分でしょう。
(引用元:アガルート公式HP)
司法試験の論文は1回あたり2時間かかるので、答案構成を中心に勉強すると良いでしょう。
司法試験や予備試験の勉強サイトはある?
司法試験や予備試験の勉強サイト |
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司法試験や予備試験の勉強サイトを調査したところ、短答式試験一問一答サイトがありました。
憲法・民法・刑法と科目別でランダムに過去問が出題されており、無料で勉強できます。
また、司法試験や予備試験の対策には過去問演習が有効です。
法務省HPには、司法試験や予備試験の過去問や模擬試験が保存されているので、印刷して解くと良いでしょう。
司法試験や予備試験に独学で合格した人はいる?
法務省HPでは、独学で合格した人についてのデータを公表していません。
大学1回生時は独学で司法試験を目指していましたが、独学に限界を感じ、大学2回生の春に伊藤塾に入塾しました。
(引用元:伊藤塾公式HP)
司法試験講座の合格体験記を調査すると、「独学に限界を感じて受講を決めた」という声が多く見受けられました。
独学だけで合格する人は、確かにいます。
しかし、司法試験は法科大学院という専門の教育機関があるくらい、難解な試験です。
独学で司法試験や予備試験に臨むのは、極めて困難だといえます。
司法試験や予備試験はテキストを読むだけで合格できる?
テキストを読み上げる「素読」は、短答式試験ではある程度役に立ちます。
素読とは条文内容の暗記を促す勉強法です。
したがって、条文知識が直接得点につながる短答式試験で主にその効果を発揮します。
(引用元:アガルート公式HP)
テキストを読み上げて丸暗記することで、例えば短答式試験で条文の穴埋めや条文番号の問題を得点できる可能性はあります。
しかし、司法試験や予備試験の対策には、テキストを読んでインプットするよりも、問題演習によるアウトプットの方がが大事です。
司法試験と公認会計士、勉強時間はどちらが多い?
資格 | 勉強時間の目安 |
公認会計士 | 3,500時間 |
司法試験 |
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(参照元:TAC公式HP・アガルート公式HP)
公認会計士は税務や監査のスペシャリストで、司法試験と同じく難関国家資格の一つです。
公認会計士試験の勉強時間は、3,500時間が一つの目安です。
(引用元:TAC公式HP)
公認会計士には受験資格がなく、勉強時間の目安は3,500時間です。
一般に予備試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間、中には10,000時間という方もいます。
(引用元:スタディング公式HP)
予備試験合格から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下
(引用元:アガルート公式HP)
一方で司法試験には受験資格があり、予備試験合格までの勉強時間を合わせると、合計で5,000〜10,000時間が必要です。
勉強時間や受験資格を考慮すると、司法試験の方がより難関資格であるといえます。
まとめ:司法試験と予備試験の合格に必要な勉強時間
司法試験の合格に必要な勉強時間について通信講座各社の情報を調査すると5,000〜10,000時間と判明しました。
また、勉強時間のほとんどが予備試験の対策に必要です。
社会人や法律の知識ゼロの人でも司法試験に合格する人はいるため、勉強時間よりも勉強効率を重視すべきでしょう。
独学だけで司法試験や予備試験に臨むのは、非常に困難です。
1日に確保できる勉強時間が少ない人ほど、予備校や通信講座を活用して効率的に勉強に取り組みましょう。
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