監修:徳永浩光(国家資格キャリアコンサルタント/登録番号:21028809)
※本記事は、キャリア支援の専門家である監修者の視点で、公認会計士試験の学習計画を解説しています。
公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は、一般に3,000〜5,000時間です。
一発合格者の平均は約3,776時間というデータもあり、1〜4年かけて合格を目指すのが標準的です。
ただし、確保できる勉強時間は大学生・社会人・受験専念のどれかで大きく変わります。
この記事では、タイプ別の1日の勉強時間と週間スケジュール例、科目別の配分、勉強時間を効率よく短縮する方法を解説します。
自分の状況に合った現実的な学習計画を立てるための材料として活用してください。
公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間は3,000〜5,000時間
公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は、3,000〜5,000時間が目安です。
大手予備校のTACが730名の合格者から集計したデータでは、一発合格者の平均は約3,776時間でした。
データの詳細は資格の学校TACの勉強時間解説ページで公表されています。
1日に確保できる時間から逆算すると、合格までの期間はおおよそ次のようになります。
| タイプ | 合格までの期間の目安 | 1日の勉強時間の目安 |
|---|---|---|
| 大学生 | 1.5〜2年 | 約5〜7時間 |
| 社会人(働きながら) | 2〜3年 | 平日2〜3時間+休日6〜8時間 |
| 受験専念 | 1〜1.5年 | 約8〜10時間 |
大手予備校が公表している勉強時間の目安は次のとおりです。
| 学校名 | 公表している勉強時間の目安 |
|---|---|
| CPA会計学院 | 3,000〜5,000時間 |
| 資格の学校TAC | 2,500〜3,500時間 |
目安に2,000時間以上の幅があるのは、合格までの受験回数が人によって異なるからです。
公認会計士試験は短答式試験(1次)と論文式試験(2次)の2段階で、どちらも一度で通るとは限りません。
受験回数が増えるほど総勉強時間は積み上がっていきます。
3,776時間を期間別に換算すると、1日あたりの勉強時間は次のようになります。
| 合格までの年数 | 1日あたりの勉強時間 |
|---|---|
| 1年 | 約10時間 |
| 1.5年 | 約6.7時間 |
| 2年 | 約5時間 |
| 3年 | 約3.4時間 |
1年での合格は1日約10時間の勉強を毎日続ける計算になり、現実的には2年前後かけて合格する人が多数派です。
なお、この時間には予備校の講義時間も含まれます。
TACのデータでは、1日の勉強時間は入門・基礎期で平均6.2時間、試験半年前の上級期で平均8.6時間でした。
序盤からフルスロットルで飛ばすのではなく、直前期に向けて徐々にギアを上げていくのが実際の合格者のペース配分です。
毎日休みなく勉強し続ける人ばかりではなく、週1〜2日の休みを入れる人も多くいます。
数字はあくまで目安と捉え、自分が無理なく続けられるペースに落とし込むことが大切です。
勉強時間の中身は、大きく「講義」「自習」「答練・模試」の3つに分かれます。
予備校の講義はおおむね600〜700時間で、残りの大半は自習です。
つまり合否を分けるのは、講義を受けた後に自分で手を動かす時間の量と質だといえます。
答練・模試は実力測定と時間配分の訓練を兼ねるため、直前期ほど比重が高まります。
【タイプ別】大学生・社会人・受験専念の勉強時間とスケジュール実例
必要な勉強時間の総量は同じでも、1日に使える時間はタイプによってまったく違います。
公認会計士・監査審査会の令和7年試験の合格者調によると、合格者1,636人のうち学生などが61.0%(999人)を占めます。
会社員の合格者は89人(5.4%)でした。
合格者の平均年齢は24.6歳で、時間を確保しやすい学生・若手が中心の試験だとわかります。
だからこそ、自分のタイプに合った時間配分の設計が合否を分けます。
プランを立てる前に、まず1週間の可処分時間を棚卸ししてみてください。
授業・仕事・家事・移動を除いて、現実に勉強へ回せる時間が週に何時間あるかを数えます。
その時間で総量3,000〜4,000時間に到達するまでの年数が、あなたの現実的な受験期間です。
一発合格者の平均3,776時間を基準にすると、週の勉強時間と合格までの期間の関係は次のようになります。
| 週の勉強時間 | 3,776時間に到達するまでの期間 |
|---|---|
| 週20時間 | 約3.6年 |
| 週30時間 | 約2.4年 |
| 週40時間 | 約1.8年 |
| 週50時間 | 約1.5年 |
「何年で受かりたいか」ではなく「週に何時間出せるか」から逆算すると、無理のない計画になります。
以下では、タイプ別の標準プランとスケジュール実例を紹介します。

大学生:1.5〜2年プラン(1日5〜7時間)
大学生は授業・サークル・アルバイトと両立しながらも、比較的勉強時間を確保しやすい立場です。
1.5〜2年の受験プランで、在学中の合格を目指すのが定番です。
授業がある時期の1週間のスケジュール例は次のとおりです。
| 曜日 | 勉強時間 | 進め方の例 |
|---|---|---|
| 平日 | 4〜5時間 | 授業の空きコマ2時間+帰宅後2〜3時間 |
| 土日 | 7〜8時間 | 午前に計算科目、午後に理論科目 |
この配分で週30時間前後、長期休暇に上乗せすれば年間1,800〜2,000時間を確保できます。
2年間で3,700〜4,000時間に到達し、一発合格者の平均に届く計算です。
大学生の強みは、春休み・夏休みという長期休暇をまとめて勉強に使えることです。
授業期は週30時間を守りつつ、長期休暇に1日8時間ペースへ引き上げれば、社会人より大幅に速く総時間を積み上げられます。
3年生の試験に間に合わせたい場合は、1年生の秋〜2年生の春までに勉強を始めるのが目安です。
開始学年ごとの現実的な目標は、次のように整理できます。
| 勉強開始の時期 | 現実的な合格目標 |
|---|---|
| 1年生の春〜秋 | 3年生での在学中合格 |
| 2年生の春 | 3〜4年生での在学中合格 |
| 3年生以降 | 4年生〜卒業後1年での合格 |
在学中の合格には、就職活動で監査法人という選択肢を最初から持てるという大きなメリットがあります。
仮に在学中に届かなくても、卒業後1年の専念で仕上げる道もあります。
学業との優先順位を決め、単位取得は計画的に前倒ししておきましょう。
社会人:2〜3年プラン(平日2〜3時間+休日6〜8時間)
働きながら目指す社会人は、1日に使える時間が限られるため2〜3年の長期プランが現実的です。
1週間のスケジュール例は次のとおりです。
| 曜日 | 勉強時間 | 進め方の例 |
|---|---|---|
| 平日 | 2〜3時間 | 出勤前1時間+帰宅後・通勤中に1〜2時間 |
| 土日 | 6〜8時間 | まとまった時間に計算演習と答練 |
この配分で週22〜27時間、年間では約1,200〜1,400時間になります。
3年間続ければ約4,000時間に到達できる計算です。
令和7年の会社員合格者は89人と少数派ですが、毎年一定数が働きながら合格しています。
ポイントは、退勤後の疲れた時間帯に頼らず朝と通勤時間を固定の勉強枠にすることです。
夜は残業や付き合いで計画が崩れやすく、崩れた計画は自己嫌悪とセットで挫折につながります。
出勤前の1時間は誰にも邪魔されない、最も安定した勉強枠です。
また、直前期には有給休暇をまとめて取り、専念に近い環境を作る合格者もいます。
どうしても時間が足りない場合は、貯蓄を確保したうえで退職し専念に切り替えるという選択肢もあります。
ただしリスクが大きいため、短答式に合格してから判断するなど、撤退ラインを先に決めておきましょう。
受験専念:1〜1.5年プラン(1日8〜10時間)
受験に専念できる人は、1日8〜10時間の勉強で1〜1.5年での合格を狙えます。
1日のタイムテーブルの例は次のとおりです。
| 時間帯 | 勉強時間 | 進め方の例 |
|---|---|---|
| 午前(9〜12時) | 3時間 | 頭を使う計算科目(財務・管理会計論) |
| 午後(13〜18時) | 4〜5時間 | 講義の受講と理論科目のインプット |
| 夜(20〜22時) | 1〜2時間 | その日の復習と暗記もの |
専念型は時間の総量では有利な一方、生活のすべてが勉強になるため中だるみが起きやすい点に注意が必要です。
起床・就寝と勉強開始の時刻を固定し、生活リズムを試験本番の時間割に合わせておきましょう。
週1日は予備日にして、遅れの吸収と休息にあてるとペースを維持しやすくなります。
どのタイプでも、計画どおりに進まない時期は必ず来ます。
試験期間・繁忙期・体調不良などで勉強できない週が出たら、失った時間を無理に取り返そうとしないことが重要です。
1日の負荷を急に増やすと反動で崩れます。
予備日と長期休暇で吸収する前提の計画にしておけば、多少の停滞は織り込み済みで進められます。
科目別の勉強時間配分(短答式・論文式)
公認会計士試験は、マークシート択一式の短答式試験(4科目)と、筆記の論文式試験(5科目・実質6科目)の2段階です。
短答式は例年12月と5月の年2回、論文式は8月の年1回実施されるのが基本サイクルです。
当サイトが複数の予備校サイトと合格者のブログを調査して算出した、科目別の勉強時間の目安を紹介します。
配分の考え方はシンプルです。
計算科目(財務会計論・管理会計論)は毎日触れて感覚を鈍らせないこと。
理論科目(監査論・企業法など)は期間を区切って集中的に回すこと。
この2本立てで、限られた時間を最も効率よく使えます。
短答式試験は4科目で約1,530時間
| 科目 | 勉強時間の目安 | 主な試験範囲 |
|---|---|---|
| 財務会計論 | 約750時間 | 簿記・財務諸表論・会計に関する理論 |
| 管理会計論 | 約310時間 | 原価計算・管理会計 |
| 監査論 | 約170時間 | 財務諸表監査・内部統制監査の理論、制度及び実務 |
| 企業法 | 約300時間 | 会社法・商法・金融商品取引法 |
合計は約1,530時間で、財務会計論だけで全体の半分を占めます。
財務会計論は計算と理論の両方があり、どちらも範囲が広いうえに配点も高い最重要科目です。
公認会計士の仕事のベースになる分野でもあるため、最初に腰を据えて取り組み、得意科目に育てましょう。
管理会計論も計算中心の科目で、解答スピードが合否を分けます。
日々の演習で電卓を含めた処理速度を磨いておく必要があります。
監査論は実務経験がない受験生にはイメージしづらい科目ですが、暗記量は比較的少なめです。
企業法は条文知識の暗記が中心で、スキマ時間の学習と相性が良い科目です。
論文式試験は実質6科目で約1,220時間
| 科目 | 勉強時間の目安 | 主な試験範囲 |
|---|---|---|
| 会計学(財務会計論) | 約265時間 | 簿記・財務諸表論・会計に関する理論 |
| 会計学(管理会計論) | 約125時間 | 原価計算・管理会計 |
| 監査論 | 約135時間 | 財務諸表監査・内部統制監査の理論、制度及び実務 |
| 企業法 | 約185時間 | 会社法・商法・金融商品取引法 |
| 租税法 | 約330時間 | 租税法総論・法人税法・所得税法などの租税実体法 |
| 選択科目(経営学) | 約180時間 | 経営管理・財務管理 |
論文式では短答式の知識を土台に、記述で説明する力が問われます。
会計学と監査論・企業法は短答式の学習と重なる部分が多い一方、租税法は論文式で初めて登場する科目です。
租税法は約330時間と選択科目より重く、短答式合格後に慌てて始めると間に合いません。
短答式の学習と並行して、早めに着手しておくのが定石です。
短答式と論文式の合計は約2,750時間となり、復習や答練を含めると3,000時間を超えていく計算です。
選択科目はボリュームの少ない経営学が定番
論文式の選択科目は経営学・民法・経済学・統計学の4つから選びます。
このうち経営学は最もボリュームが少なく、民法や経済学は約2倍の勉強時間がかかるとされます。
TACによれば合格者の9割以上が経営学を選択しており、特別な理由がなければ経営学を選ぶのが合理的です。
法学部で民法を深く学んだなど明確な貯金がある場合を除き、勉強時間の観点では、あえて他の科目を選ぶメリットはほぼありません。
合格までの平均年数は2〜4年が中心
公認会計士試験の合格までにかかる年数は1〜4年で、現実的には2年前後が中心です。
TACは1〜3年、CPA会計学院は早くて1年・長いと3〜4年を目安として示しています。
年数が延びやすいのは、試験の実施回数に理由があります。
短答式試験は年2回ありますが、論文式試験は年1回しか実施されません。
論文式で不合格になると、次のチャンスは1年後です。
標準的な2年プランの流れは、次のようなイメージになります。
1年目は基礎期として簿記・財務会計論から学習を始め、年末までに4科目のインプットを一巡させます。
2年目の12月または5月の短答式に合格し、そのまま8月の論文式に挑む流れです。
短答式合格には有効期限(以後2年間の短答式免除)があるため、論文式に専念できる期間も生まれます。
この構造を知っておくと、どの時期に何を仕上げるべきかが逆算しやすくなります。
短答式・論文式それぞれに合格ラインがあるため、1回の受験で通り切れず年数が延びるケースは珍しくありません。
令和7年試験の合格率は7.4%(合格者1,636人)と、例年7〜10%前後で推移する狭き門です。
年数が延びるほど勉強時間も総額の受講費用も増えていきます。
だからこそ、最初から「2年で合格する」と期間を区切り、届かなかったときにどうするかまで決めて計画を立てることが大切です。
試験制度や日程の詳細は公認会計士・監査審査会の令和8年試験ページで必ず最新情報を確認してください。
公認会計士試験に多くの勉強時間が必要な3つの理由
そもそも、なぜ公認会計士試験には数千時間もの勉強が必要なのでしょうか。
理由は次の3つです。
理由1:試験範囲が膨大だから
短答式4科目・論文式実質6科目のすべてで、出題範囲が広大です。
会計・監査・法律・税務と分野をまたぐため、暗記だけでなく計算と理論の両方を仕上げる必要があります。
1科目を仕上げている間に別の科目を忘れていく、という消耗戦になりやすいのも特徴です。
復習を回し続ける時間まで含めると、単純なインプット時間の何割か増しの時間がかかります。
理由2:競争試験で合格ラインが読めないから
公認会計士試験は上位から合格者が決まる競争試験の性格が強く、「ここまでやれば安全」というラインが読めません。
何点取れば合格という絶対基準の試験なら、そこで勉強を止められます。
しかし競争試験では、周囲の受験生より一歩深く仕上げる必要があり、勉強時間が積み上がりやすいのです。
受験生の多くが予備校でハイレベルな訓練を積んでいることも、競争水準を押し上げています。
理由3:他の難関資格と比べても最上位クラスだから
他の資格と勉強時間の目安を比べると、公認会計士の位置づけがよくわかります。
| 資格 | 勉強時間の目安 |
|---|---|
| 司法試験(予備試験ルート) | 3,000〜8,000時間 |
| 公認会計士 | 3,000〜5,000時間 |
| 司法書士 | 約3,000時間 |
| 税理士(5科目合計) | 2,500〜4,000時間 |
| USCPA(米国公認会計士) | 1,200〜1,500時間 |
| 日商簿記1級 | 500〜1,000時間 |
※各予備校の公表値をもとにした一般的な目安です。

医師・弁護士と並ぶ三大難関資格と呼ばれるだけあり、司法試験に次ぐ水準の勉強時間が必要です。
同じ会計系でも、税理士は科目合格制のため数年に分けて1科目ずつ積み上げられます。
一方、公認会計士は短答式・論文式とも複数科目を同時に仕上げる一括型です。
総時間が同水準でも、短い期間に集中して投下しなければならない分、公認会計士のほうが1日あたりの負荷は重くなります。
この「同時並行の負荷」こそが、この試験の勉強時間の本質的な重さです。
試験全体の難しさは公認会計士試験の難易度と合格率の記事で詳しく解説しています。
勉強時間が約3分の1で済む米国資格が気になる人はUSCPAの予備校比較の記事も参考にしてください。
勉強時間を効率よく確保・短縮する4つの方法
数千時間の勉強は、やみくもに机に向かうだけでは続きません。
時間を確保し、ムダを減らす方法を4つ紹介します。
前提として意識したいのは、勉強時間は目的ではなく手段だということです。
同じ1,000時間でも、テキストを眺めるだけの時間と、答練で間違えた論点を潰す時間では価値がまったく違います。
「今日は何時間やったか」と同時に「テキストと問題集を何周回せたか」を指標にすると、時間の質が上がります。
スケジュールは長期→中期→短期の順に立てる
学習計画は、長期(3ヶ月)→中期(2週間〜1ヶ月)→短期(1日)の順に立てるのが鉄則です。
たとえば「3ヶ月で短答式4科目の基礎を固める」→「今月は財務会計論と管理会計論を回す」→「今日は財務会計論の計算問題」と落とし込みます。
今日やるべきことの位置づけが明確になり、モチベーションを保ちやすくなります。
体調不良などで遅れが出ても、中期の枠内で吸収できるためスケジュールを修正しやすくなります。
数年に及ぶ受験生活では、計画の立て直しやすさがそのまま継続力になります。
簿記からステップアップする
会計の学習が初めての人は、日商簿記から入るのが遠回りに見えて近道です。
簿記で学ぶ内容は財務会計論の土台とそのまま重なるため、初学の負担が大きく減ります。
まず簿記3級・2級で仕訳と決算の型を身につければ、公認会計士の講義の理解速度が変わります。
簿記1級まで進んでいれば、短答式の財務会計論・管理会計論で大きなアドバンテージになります。
適性の確認にもなるため、「いきなり数千時間に踏み出すのが不安」という人の試金石としても有効です。
スキマ時間と朝時間を固定枠にする
理論科目の暗記は、通勤・通学や休み時間などのスキマ時間と相性が良い分野です。
企業法の条文知識や監査論の定義は、スマホの暗記ツールや音声講義で細切れに回せます。
夜の疲れた時間に詰め込むより、朝の30分〜1時間を毎日の固定枠にするほうが継続しやすくなります。
1日30分のスキマ時間でも、2年間で約350時間の上積みになります。
机に向かう時間は計算演習に集中させ、暗記はスキマ時間に逃がすのが効率的な分担です。
最近の通信講座は、スマホでの講義視聴・倍速再生・スキマ時間向けの一問一答機能が充実しています。
忙しい社会人ほど、こうした仕組みを前提に学習環境を組むと総時間を稼ぎやすくなります。
通信講座・予備校で効率化する
独学での合格は不可能ではありませんが、現実には予備校・通信講座の利用者が合格者の大半を占めます。
教材選び・法改正への対応・答練と模試による実力測定を、すべて自力でこなす負担が大きすぎるからです。
数千時間を投じる試験だからこそ、勉強の方向性を誤らないための環境投資は合理的です。
独学を検討している人は公認会計士の独学は無理なのかを検証した記事も参考にしてください。
主要な予備校・通信講座の費用と実績は、公認会計士の通信講座・予備校比較の記事で詳しく比較しています。
監修者・徳永浩光(国家資格キャリアコンサルタント)からのアドバイス
勉強時間の計画は、総量の3,000時間から考えないことをおすすめします。
「いつまでに、どんな働き方をしていたいか」というキャリアの期限から逆算しましょう。
期限が決まれば1日に必要な時間が決まります。
確保できないなら受験プランのほうを見直す、という健全な判断もできます。
特に社会人の方は、勉強時間の確保を根性に頼らず、朝型への切り替えなど生活構造の変更とセットで考えると長続きします。
よくある質問(公認会計士の勉強時間)
公認会計士の勉強時間について、よくある質問をまとめました。
公認会計士になるには何年かかりますか?
試験合格までは1〜4年、現実的には2年前後が中心です。
合格後はさらに実務経験(3年以上)と修了考査を経て、公認会計士として登録できます。
資格取得までの全体では5年前後を見ておくとよいでしょう。
公認会計士に1年で合格できますか?
可能性はありますが、一発合格者の平均3,776時間を1年でこなすには1日約10時間の勉強が毎日必要です。
受験専念でなければ達成は難しく、多くの人は1.5〜2年以上のプランを選んでいます。
社会人が働きながら合格するには1日何時間の勉強が必要ですか?
2〜3年プランなら1日平均3.4〜5時間が目安です。
平日は朝と通勤時間で2〜3時間、休日に6〜8時間を確保する配分が現実的です。
令和7年試験でも89人の会社員が合格しています。
大学生はいつから勉強を始めれば在学中に合格できますか?
1.5〜2年プランが標準のため、3年生での合格を目指すなら1年生の秋〜2年生の春までに始めるのが目安です。
授業やアルバイトと両立しつつ、週30時間前後を確保できるかがカギになります。
短答式試験は1,000時間で合格できますか?
現実的ではありません。
当サイトの調査では、短答式合格に必要な勉強時間は4科目合計で約1,530時間でした。
特に財務会計論だけで約750時間を要するため、1,000時間では仕上がりません。
簿記1級を持っていると勉強時間を短縮できますか?
短縮できます。
簿記1級の学習内容は財務会計論・管理会計論と大きく重なるため、その分の初学負担が減ります。
簿記1級までの勉強時間は合計約1,000時間とされ、公認会計士との差は約2,700時間です。
簿記の貯金がある人は、その分を理論科目や答練に回せます。
公認会計士試験に受験資格は必要ですか?
不要です。
年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験できます。
高卒や主婦の合格者も毎年出ており、問われるのは学歴ではなく、勉強時間を確保して続けられる環境です。
自分のタイプに合った受験プランを立てることから始めましょう。
毎日勉強しないと合格できませんか?
毎日机に向かう必要はありませんが、計算科目には毎日触れるのが理想です。
財務会計論などの計算は数日空けると感覚が鈍り、取り戻す時間のほうが高くつきます。
忙しい日は通勤中の暗記や仕訳数問だけでもよいので、学習ゼロの日を作らない工夫が有効です。
週1日の完全休養日を計画に組み込むのは問題ありません。
勉強時間は記録したほうがよいですか?
記録をおすすめします。
週単位で計画と実績のズレが見えると、早めにスケジュールを修正できます。
学習管理アプリやスマホのメモで、科目別に30分単位の記録を付ける程度で十分です。
時間だけでなく、テキストや問題集を何周したかも併せて記録すると質の管理にもなります。
まとめ:勉強時間は「自分のタイプ」から逆算しよう
公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は3,000〜5,000時間、一発合格者の平均は約3,776時間です。
大学生は1.5〜2年、社会人は2〜3年、受験専念なら1〜1.5年が現実的なプランになります。
総量に圧倒されず、自分が1日に確保できる時間から合格までの期間を逆算することが第一歩です。
科目別では財務会計論に最も時間がかかるため、簿記からのステップアップも有効です。
計画は長期→中期→短期の順に立て、朝とスキマ時間を固定枠にすれば、社会人でも積み上げられます。
数千時間を投じる価値のある資格だからこそ、時間の使い方そのものが最大の戦略です。
長丁場を支える学習環境づくりには予備校・通信講座の活用が現実的ですので、自分に合う講座選びから始めてみてください。
