国家公務員の志望動機は何を書けばいい?例文や高卒、大学生向け情報も!

国家公務員の筆記試験に合格した方は、面接について考え始めるでしょう。

「国家公務員の面接で失敗したくないけれど、志望理由がまったく思い浮かばない。」

「周りのみんなは実際に何を書いているのかな?」

この記事では、国家公務員の志望動機の例文や、国家公務員の志望動機で書くべきポイント、さらには国家総合職・一般職や、高卒・社会人などの試験区分ごとの書き分けなどについて解説します。

面接の場で志望動機を伝えるポイント、情報収集の大切さなどもお伝えします。

記事を読めば、自分の熱意と強みをアピールできる志望動機を考えられるようになるでしょう。

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目次

国家公務員の志望動機でよくある理由:調査結果をもとに紹介

(引用元:国家公務員Career Guide)

国家試験の面接カードを書く、面接を受ける際には、実際にまわりの人が何を書いているのか、気になりますよね。

平成31年に国家公務員に合格した職員へのアンケートによると、志望動機では以下の理由が多く挙がりました。

・公共のために仕事ができる…7割
・仕事にやりがいがある…7割
・スケールの大きい仕事ができる…5割

(参考:人事院「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート調査の結果について」)

公務員の志望動機で多い、人のためになりたいという理由がやはり上位にきています。

また、国家公務員ならではのスケールの大きい仕事など、仕事へのやりがいを求めて志望する人も多いとわかります。

とはいえ、これだけだと1行で終わってしまい、そのまま記載するのでは簡単過ぎるでしょう。

次の章では志望動機として書くべきポイントについて詳しく説明します。

国家公務員の志望動機で書くべきポイント4選

国家公務員の志望動機で書くべきポイント
  • 民間企業ではなく国家公務員を志望する理由
  • その省庁を希望した理由
  • 国家公務員に興味をもったきっかけ
  • 自己PR:仕事に活かせる自分の強み

国家公務員の志望動機で書くべきポイントを、4つ紹介します。

国家公務員やその省庁を志望した理由と、国家公務員に興味をもったきっかけ、自分の強みを仕事にどう活かせるか、などを盛り込んで書くことで、国家公務員の、その省庁を志望する熱意と、自分を採用するメリットを感じてもらえる志望動機になるでしょう。

それぞれのポイントを説明します。

民間企業ではなく国家公務員を志望する理由

国家公務員の志望動機を書くときには、民間の仕事や地方公務員ではなく、国家公務員でなければいけない理由を入れましょう。

「人のためになりたい」などの理由は、民間の企業や地方公務員でも叶えられます。

キャリアや転職に関する匿名相談サービスJOBQ(ジョブキュー)では、国家公務員の志望動機で意識して書くポイントについて、以下のように説明しています。

国家公務員でしかできないことを志望動機に盛り込みましょう。

 

仮に「誰かの役に立ちたい」という軸で志望動機を考える場合を想定します。

 

そうした場合には、自分自身がどういった場面でどのように、そして誰のために役に立ちたいのかを志望動機に盛り込む必要があります。

 

なぜなら、NPO法人でも「誰かの役に立つ」ということはできますし、また公共のために仕事ができるのは地方公務員も同じだからです。

 

民間企業であっても、より良いサービスを提供することを通じて人の役に立つことが出来ます。

 

それらと差別化するために、志望動機には、民間企業や地方公務員ではなく、なぜ国家公務員を目指しているのかを盛り込む必要があるのです。

 

国家公務員は、他の地方公務員やNPO法人に比べ、スケールの大きな仕事をすることがき、民間企業にはない、利益を考えずに公共に尽くすことができるという特徴があります。

 

そのような特徴を踏まえながら、自分なりの経験を交えながら志望動機を考えることが重要です。

(引用元:JOBQ)

民間の企業や地方公務員などとの差別化のために、「国家公務員でなくてはならない理由を入れる」重要性が書かれています。

どの職業にも当てはまる漠然とした理由ではなく、差別化したいほかの職業と比較して志望する必要があるわけです。

国家公務員でなくてはならない理由は、国家レベルのスケールの大きい仕事ができる、利益を考えずに公共に尽くせるなどの特徴があります。

マイナビWEB公務研究セミナーでは、国家公務員ならではの志望動機を考える際に、以下の2点を考えるようにすすめています。

  • 志望する仕事を理解すること
  • 民間企業などで同様の仕事をしているならば、実際の業務内容の違いと自分はなぜ国家公務員を志望するのか

(参考:マイナビ2023WEB公務研究セミナー)

つまり、国家公務員にこだわらず、自分のやりたい分野や仕事が、国家公務員・民間企業それぞれでどのように実現できるのかを、よく調べておくのが大切だということです。

例えば、「教育に携わりたい」のであれば、民間の教育企業や教師など、あらゆる職業が関係します。

しかし教育システムを作りたい、すべての子どもに等しく教育機会を提供したいなどは、国家公務員でこそ実現できる仕事といえます。

まずは、携わりたい仕事に関して多方面から調べてみましょう。

国家公務員ならではの志望動機はまわりの人は何をあげているのだろう?と疑問に思う方のために、内定者の声からいくつか例を示します。

  • 学生時代に航空宇宙工学に関わる研究をしていたのですが、就職を視野に入れるに当たって「一企業ではなく、航空宇宙産業全体を強くしたい」という想いが芽生えたこと
  • 社会の仕組みの“なか”ではなく、社会の仕組みの“そと”で仕組みづくりそのものに携われること
  • 自分が関わった施策によって、家の前の公園が変わっていくような実感が伴った仕事ができるという手応えの大きさ
  • 最先端技術に触れながら自分の世界を広げられること、政策を通して新たな技術の芽を伸ばしていけること

(引用元:国家公務員Career Guide

健康、教育、福祉、観光、環境どんなサービスも実は途中で止めてしまってよいサービスはひとつもなく、こうしたサービスを継続していけるという点

(引用元:LEC東京リーガルマインド

具体的な政策立案や、国家間関係の構築に携わりたいと思っていたため

    (引用元:資格の学校TAC)

    国家公務員でなくてはならない志望動機のキーワードとしては、「政策立案」や「永続するサービス」、「社会のしくみ自体を変える」、「国家間関係の構築」、「産業自体を伸ばしたり強くしたりする」、などがあり、国の政策そのものとも考えられます。

    これらのキーワードを意識しながら、志望する仕事への理解と国家公務員を志望する理由について、自分自身の志望動機と組み合せて説明できるようにしましょう。

    JOBQでも述べていたように、上記の言葉を丸写しして書くのではなく、「自分なりの経験を交えながら」オリジナルの志望動機を考えるのが大切です。

    その省庁を希望した理由

    (引用元:人事院国家公務員採用NAVI)

    次に、その省庁を希望した理由を書きましょう。

    数ある省庁の中から、なぜその省庁を受験し、目指しているのかを志望動機に盛り込みましょう。

    民間企業では、同じ業界の中で「なぜ○○会社なのか」を考えなければならないように、国家公務員でも「なぜ○○庁」なのかを考えなければなりません。

    他の省庁にはできない◯◯という仕事をしたいから

    □□というきっかけがあり、△△の分野に興味を持ち、この省庁で△△に関わる仕事をしたいから

    例えば、上記のように自分のオリジナルの経験や知見を基に志望動機を考えてみると良いでしょう。

    当然、その省庁でなくてはならない理由を考えるためには、その省庁への理解も必要となるため、詳しい説明をすることができれば、そこもアピールポイントになります。

    (引用元:JOBQ)

    志望動機に説得力をもたせるためには、国家公務員の中の、その省庁を希望した理由を、わかりやすく伝える必要があります。

    人事院の官庁訪問ガイドでは、採用面接で確認するポイントの中に、省庁の業務に対する考え方や、意欲を持って業務を遂行できるか、などがあると書かれています。

    省庁を志望した理由を詳しく説明できれば、仕事の理解度だけでなく、業務への興味や意欲も合わせて伝えられ、面接官にアピールできます。

    いくつかの省庁に希望を出す方がいるかもしれませんが、その省庁ごとに合わせて希望する理由を考えましょう。

    とはいえ、省庁ごとの仕事内容が詳しくはわからない方もいるのではないでしょうか。

    そのようなときは、各省庁の採用情報ページなどを読んでみましょう。

    省庁ごとの仕事内容や求める人物像、若手職員の各省庁を志望した理由などが載っており、志望動機を考えるのにあたって参考になります。

    省庁ごとの志望理由のイメージがつきにくい方のために、いくつか例を紹介します。

    大学院で「雨」に関わる研究をしていたので、これを活かせる公務員の仕事といえば、「河川」かなって(国土交通省)

    (引用元:人事院「各府省職員インタビュー」)

    説明会の時に農政局だけが、「若手を大切にします!絶対に見捨てたりしません!」と言っていて、ここなら長く続けられるかなと思った(農林水産省農政局)

    (引用元:人事院「各府省職員インタビュー」)

    世界の中の日本のプレゼンスを向上したいという想いがあり、それを実現するためのツールが多種多様であった(外務省)

    (引用元:資格の学校TAC)

    説明会への参加や、その省庁でやりたい業務を具体的に伝えられていて、その省庁でなければいけない理由がよく伝わる内容ではないでしょうか。

    業務への理解を伝えるためにも、希望する省庁については徹底的に調べておきましょう。

    国家公務員に興味をもったきっかけ

    次に、志望動機には、国家公務員に興味をもったきっかけの具体的なエピソードをうまく盛り込めると説得力が増します。

    就職支援サイトunistyleでは、志望動機できっかけとなる経験を書くことについて、以下のように書かれています。

    志望動機で最も重要なのは、ここで説明する「きっかけとなる経験」です。

    いくら立派な「成し遂げたいこと」を語ったとしても、経験に基づくものでなければ何の説得力もありません。(中略)

    「成し遂げたいこと」と「きっかけとなる経験」はセットで語るべき内容です。この「成し遂げたいこと」と「きっかけとなる経験」の一貫性が志望動機の評価の多くを占めることになります。

    (引用元:unistyle)

    志望した理由を伝えるだけでは、多くの人と同じ理由になり、説得力が足りません。

    自分オリジナルのきっかけとなる経験を盛り込み、それをもとに成し遂げたいことと結びつけて伝えられたら、志望理由の説得力が増すでしょう。

    国家公務員のインタビューには、国家公務員を志望したきっかけについて以下のような声がありました。

    • 小さい頃から空を見上げるのが好きだったため、中学生のとき富士山測候所をはじめとする測候所の存在を知ったことが、気象庁を目指したきっかけ(気象庁)
    • ADSLが満足にカバーされていない地域に住んでいた際、市が実施する光回線敷設事業に総務省が協力していたと知ったこと(総務省)
    • 大学院の時に、研究成果を仲間と一緒に特許出願をしたことで、知財に関心を持つようになりました(特許庁)

    (参考:人事院「技術系分野で輝く先輩たち」)

    3人とも、めったにできない特別なきっかけを入れているわけではありませんが、自分だけの経験に基づいて伝えられていて、志望理由の説得力があります。

    皆さんも自分の人生の中で、国家公務員を目指すきっかけになった出来事を思い出してみましょう。

    また、国家公務員を志望するきっかけとなる出来事と、国家公務員になって成し遂げたい内容を結びつけて書きましょう。

    特別な理由ではなくても、自分ならではの要素があれば、オリジナルの説得力のある志望動機になります。

    自己PR:仕事に活かせる自分の強み

    面接カード

    (引用元:人事院国家公務員採用試験)

    志望動機には、自分の強みをどのように業務に活かせるのかを書くのが大切です。

    特に、総合職の面接カードには、国家一般職のように自己PRの欄がなく、志望動機の欄に「これまでの体験や自分の長所などを踏まえ,国家公務員としてどのような貢献ができるのか,具体的に記入してください。 」という一文があります。 

    つまり、志望動機と自分の強み、強みをどのように仕事に活かせるのかまでを志望動機に書くよう求められています。

    まずは自分の長所を分析して、仕事に活かせる部分について考えてみましょう。

    「マイナビ2023WEB公務研究セミナー」では、以下の表を利用して、仕事内容を具体的に理解し、自己分析とすり合わせるように勧めています。

    自己分析と仕事研究のすり合わせ

    (引用元:マイナビ2023WEB公務研究セミナー)

    上図を参考に、まずは自己分析をして、自分の長所や、長所につながる具体的なエピソードを書き出してみましょう。

    エピソードは、成功したものばかりではなく、長く続けたもの、失敗したけれど工夫したものなどもよいでしょう。

    自己分析と並行して、志望する省庁の仕事を調べてわかったことも挙げていき、最終的に自分の強みの中で業務に活かせる部分を見つけていきます。

    自分の強みと仕事内容をすり合わせ、どのように自分が貢献できるかを伝えられれば、その省庁を志望する熱意と、採用するメリットを感じてもらえるでしょう。

    ただし、あくまでも伝えるのは志望動機ですので、自己PRばかり強調して書くのではなく、志望動機とからめて書くのがポイントです。

    国家公務員の志望動機:まとめ

    国家公務員の志望動機:まとめ
    • 国家公務員を志す理由
    • その省庁でどのような仕事をしたいのか
    • 自分の強みのアピールと、強みを活かして希望する仕事にどのように貢献できるか

      国家公務員の志望動機で書くべきポイントについてお話しました。

      国家公務員やその省庁を志望する理由を、自分の経験などからくるきっかけと結び付けて書くこと、自分の強みを業務にどのように貢献できるかを書くことが重要です。

      意識して盛り込めば、希望する省庁への熱意と、自分を採用するメリットを伝えられるでしょう。

      次の章では、国家公務員の志望動機に書かない方がよい内容についてもお伝えします。

      誤って記載しないように、確認しておきましょう。

      国家公務員の志望動機に書かない方がよい内容

      国家公務員の志望動機として書かないほうが無難な内容は、以下の3つです。

      • 公務員になりたかった
      • 収入・待遇の良さ
      • 安定性

      就職支援サービスのJAIC(ジェイック)では、志望動機に書くべきではない項目について、以下のように書かれています。

      公務員は、民間企業が抱えている経営不振によるリストラがありませんので、長期的に働ける職場という意味で安定しているのは言うまでもありません。

      そのため、安定しているから公務員を目指し始めたという人も多いとは思いますが、志望動機で記載することは絶対にやめましょう。

      選考官の立場としては「一緒にこの自治体の安心安全と発展に貢献してくれる人物」を求めているのであって、安定して働きたい人を採用したいとは考えていません。

      つまり、安定しているから公務員を志望していることを志望動機として伝えてしまえば、非常に高い確率で見送りになってしまうことが考えられるのです。

      公務員を目指すに当たって、きっかけはどんなものでも構いません。

      しかし、どんな情報や思いを選考官に伝えるかは、慎重に選ぶ必要があります。

      (引用元:JAIC)

      正直なところ、安定や収入・待遇の良さは、多くの方の志望動機としてあげられるのではないでしょうか。

      心の中で志望理由として考えるのはまったく問題ありませんが、志望動機として書く、面接の場で言うのは控えましょう。

      国家公務員の採用では、国民のために貢献する人材を求めています。

      安定や収入・待遇の良さを志望動機としてあげた場合、「国民のために働く」よりは、自分本位の人物だと受け取られる可能性が高いです。

      上記の理由を出すのではなく、国民のために貢献したい強い気持ちをアピールするほうがよいでしょう。

      国家公務員の志望動機は総合職・一般職でどう変える?

      国家公務員の志望動機は総合職・一般職でどう変える?
      • 国家公務員の職種
      • 国家総合職・一般職それぞれの、仕事内容や特徴、志望動機に入れるべき視点

      国家公務員の総合職と一般職は、たとえ働く場所が同じでも、仕事内容・求められる仕事は同じではありません。

      志望動機を書くのにあたり、総合職・一般職での仕事内容の違いを意識して、盛り込むように書けると、説得力が増します。

      1つずつ見ていきましょう。

      国家公務員の職種

      国家公務員の総合職・一般職を考える前に、国家公務員の種類を確認しておきましょう。

      国家公務員は、以下の3つの府で働く職員です。

      • 行政府…府省庁
      • 司法府…裁判所
      • 立法府…国会

      行政組織を示します。

      府省庁

      (引用元:人事院公式HP)

      大まかな仕事内容を表にまとめました。

      省庁 役割
      内閣府 経済財政等の国の重要政策に関する企画立案・総合調整、栄典や政府広報等
      デジタル庁 デジタル社会形成の司令塔。国や地方の行政分野、教育、医療などのデジタル化をすすめる
      復興庁 東日本大震災後にできた、震災復興の司令塔
      総務省 国の行政制度、地方行財政、情報通信等、国家の基本的仕組に関わる諸制度を担う
      法務省 法秩序の維持、国民の権利擁護を実現するため、基本法制の立案、再犯防止、出入国管理、登記制度等を担う
      外務省 日本や国民の利益(国益)を最大化する
      財務省 国の予算・税制等の財政政策、為替・金融市場など関連政策、経済外交・関税交渉等の国際関連政策に関する企画・立案
      文部科学省 教育、科学技術・学術、スポーツ、文化を復興する
      厚生労働省 公衆衛生、社会福祉、社会保障、労働条件や労働環境の整備、職業の確保等を担う
      農林水産省 食料の安定供給の確保、農林水産業・農山漁村の振興、森林の整備・保全、水産資源の保存・管理等を担う
      経済産業省 日本の経済活力の向上、通商・貿易の発展、資源・エネルギーの安定的な供給の確保等により、国富の拡大を担う
      国土交通省 国土の総合的・体系的な利用・開発・保全、社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進等を担う
      環境省 温暖化などの地球環境、大気などの生活環境、自然環境、 廃棄物、放射性物質を含めた化学物質等、環境の保全を担う
      防衛省 総合的な防衛力を構築し、各種事態の抑止・対処を行うと共に、日米同盟強化、各国との安全保障協力を担う
      人事院 中立・第三者機関として、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務を行う
      内閣法制局 法制的な面から内閣を直接補佐する機関として置かれており、閣議に付される法律案、政令案及び条約案の審査や法令の解釈などの任務を担う
      内閣官房 官邸直属の情報機関として「内閣の重要政策に関する情報」の収集、分析、報告を行い、官邸の政策決定、遂行を支援
      会計検査院 内閣から独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理の監督を行う

      (引用元:国家公務員Career Guide)

      その機関ごとに国家総合職・一般職・専門職が働いています。

      省庁にはそれぞれ別の役割があり、国民の生活を支えています。

      それぞれの省庁の中の、国家総合職と一般職の特徴、特徴に合わせた志望動機はどうすればよいのか、見てみましょう。

      国家総合職

      国家総合職の特徴
      • 国家公務員の総合職は、各省庁の幹部候補で、国が進む道を決めるリーダーたちで、以前は「キャリア官僚」とも呼ばれていた
      • 出先機関や省を超えての異動が多い
      • 国家総合職は、国民の生活を良くするための政策を考えたり、法案を作ったりする
      • 若手職員でも、責任のある仕事を任される傾向がある
      • 国会議員やあらゆる業界の人への根回しなども必要で、知識だけでなく、コミュニケーション能力、発想力などが欠かせない
      • 国家間の問題を考えるために、国際的な視点も重要なため、留学などの研修制度が受けられる

      (参考:伊藤塾「公務員とは」)

      つまり、国家総合職は、府省庁の枠組みを超えて国の先頭に立って、国家レベルの問題を解決するリーダーたちであり、責任感、国際的な視点、コミュニケーション能力など、あらゆる能力が必要とされているということです。

      国家総合職の場合は志望した省庁で働き続けるわけではない可能性があるため、志望省庁への志望動機を伝えるだけではなく、国の政策に対しての意見も伝える必要があります。

      国家総合職の特徴をふまえて、志望動機には、以下の点を意識して盛り込みましょう。

      • 国レベルや国家間の問題に対しての長期的なビジョン
      • 責任をもって、率先して国レベルの問題を解決したいという姿勢
      • 組織のリーダーとしての責任感や人格

      LEC東京リーガルマインドでは、総合職の官庁訪問で見られる点について、以下のように書かれています。

      入省後は各省庁で日本の将来を担う幹部職員候補として活躍することになるので、長期的なビジョンを有しているか、責任を背負う覚悟はあるか、組織を束ねる者として適切な人物か、を慎重に見極めて採否を決定します。

      (引用元:LEC東京リーガルマインド「国家総合職の仕事やなり方は?一般職・専門職の違いも」)

      つまり、国家総合職の志望動機には、国の問題を率先して、責任もって解決したい意欲を伝えるのが大切です。

      また、希望する省庁への志望理由を伝えるだけではなく、国家における問題や、解決するためのビジョンなどについて、自分なりの意見を盛り込みましょう。

      国家一般職

      国家一般職の特徴
      • リーダーたちが決めた道すじ通りに国が進むように、政策などを実行する仕事
      • 総合職と違って、省を超えての異動はないとされているため、内定した省庁の仕事を続けることが多い
      • 現場の最前線で、目の前の問題解決などにおいて活躍する

      (参考:資格の学校TAC公務員総合サイト)

      つまり国家一般職は、政策などがスムーズに実行できるように支える仕事で、その省庁で仕事を続けるため、スペシャリストになれます。

      上記のような国家一般職の特徴をふまえて、国家一般職の面接カードの志望動機では、志望官庁への志望動機を中心に書きましょう。

      個別指導講座のASK公務員では、国家一般職の志望動機について、以下のように書かれています。

      国家一般職の面接カードでは、「志望動機・受験動機」の欄が2行弱。さらに、「志望官庁等」を2つまで書けるようになっています。
      たった2行弱しか書けませんので、以下のように抽象的でもやむをえません~中略~
      志望官庁の志望動機と絡めて回答すると,具体性が増してきます。

      (引用元:ASK公務員)

      面接カードでは志望官庁の志望動機の要点を書き、詳細は面接で伝えられるように準備をしておきましょう

      国家一般職の面接では、基本的には希望した省庁での仕事にずっと携わることになるので、「国家公務員の志望動機で書くべきポイント4選!」の章で説明した、国家公務員やその省庁を志望する理由、国家公務員に興味をもったきっかけ、自分の強みとそれをどのように仕事に貢献できるか、などを伝えましょう。

      LEC東京リーガルマインドでも、一般職の場合は、以下の記載があります。

      与えられた職務に自分の強みでどう貢献できるかをいえれば良い

      (引用元:LEC東京リーガルマインド「公務員の志望動機で重要なポイントを紹介!」)

      やはり、国家公務員や志望省庁の仕事内容を押さえ、その省庁を志望した理由や、どのように働きたいのか、自分の強みを活かしてどのように貢献できるのかを伝えるのが大切だといえます。

      自分の強みを活かしてどう貢献できるかに関しては、先ほどご説明した、自己分析と仕事内容のすり合わせを利用するのがよいでしょう。

      自分の強みを具体的に上げていき、仕事に活かせる点を探し、盛り込むと採用するメリットを伝えられます。

      国家公務員の志望動機は社会経験の有無・学歴の違いでどう変える?

      国家公務員の志望動機は社会経験の有無・学歴の違いでどう変える?
      • 高卒
      • 社会人

      次に、国家公務員の志望動機を、高卒・社会経験の有無でどのように変えたらよいのかを説明します。

      高卒者の場合は、学業経験が短いため、志望動機に書きにくいと感じることがあるかもしれませんが、ご自身の人生経験の中から志望理由や活かせる自分の強みをアピールできれば大丈夫です。

      経験者の場合は、前職を辞めた理由と国家公務員を志望する理由とを結びつけて書くのが大切です。

      それぞれについて説明していきます。

      高卒者

      高卒者の採用は国家一般職で、面接カードの志望動機には「公務を志す理由」と書かれています。

      国家一般職の志望動機の章で説明したように、志望官庁の志望動機を中心に書きましょう。

      面接になった場合に伝える内容としては、高校卒業してからすぐに公務員を目指す場合と、空白期間がある場合とで異なります。

      キャリア・転職に特化した匿名相談サービスのJOBQでは、高卒者で国家公務員の志望動機について以下のように書かれています。

      高校卒業からストレートで公務員になる際には、「仕事内容への深い理解」と「明確な志望動機」をわかりやすく伝えることが大事です。

      では最終学歴が高卒であって、ストレートで公務員に就職するわけではない人はどうすればいいのでしょうか。

      その場合は、「空白期間に何をしていたのか」を重点的に話せば問題ありません

      なぜなら、公務員の採用担当者は「この人は良識のある人間なのか」を確認したいだけだからです。

      (引用元:JOBQ「【公務員の志望動機】市役所や県庁で使える例文・ポイントをご紹介!」)

      高校卒業後にすぐに国家公務員を目指す場合は、国家公務員やその省庁を志望した理由を詳しく伝えましょう。

      そうすれば、省庁の仕事を理解していることが伝えられます。

      国家一般職の志望理由でお伝えしたように、志望する仕事と、自分の強みをどのように活かして貢献できるかも伝えられるとよいでしょう。

      「国家公務員の志望動機で書くべきポイント4選」で説明した、「自己分析と仕事研究とのすり合わせ」を見ながら、まずは、子どもの頃からの経験、高校生活や部活動、アルバイト経験など、ご自身の人生経験の中で強みにつながる具体的なエピソードを挙げてみましょう。

      強みにつながる能力を見つけたら、業務にどのように活かせるのかアピールできるとよいでしょう。

      高校卒業後に間があいてから国家公務員を目指した場合は、その間に行っていたことを質問される可能性が高いので、説明できるようにしておきましょう。

      社会人

      社会人経験があってから国家公務員になる場合、以下の点を盛り込みましょう。

      • 前職を退職した理由と、国家公務員を志望する理由をつなげる
      • 前職での経験で得た能力を、業務にどのように活かせるのか

      アガルートアカデミーでは、公務員への転職者の志望動機について、以下の点を意識するようにと書かれています。

      説得力を出すポイントは、

      • 前職を辞める理由が、転職によって解消する
      • 前職には無かったものが、ここにはあるです。

      (引用元:アガルートアカデミー「公務員から公務員への転職はアリ?成功例や志望動機作成の注意点を紹介」)

      採用担当者に、また辞めるのではないか、という疑問を持たれないためには、前職を否定せずに、前向きな理由で国家公務員を志望した理由につなげられるとよいでしょう。

      さらに、マナラボでは民間企業での経験をどう活かせるか、アピールするのも重要だと書かれています。

      公務員への転職は難しいこともありますが、採用側としては民間で身につけた仕事のノウハウや経験を地域のために役立たせてくれる人材は大歓迎です。

      (引用元:マナラボ「公務員の志望動機の書き方と民間企業から公務員を志望する際の注意点」)

      上記の内容から、経験者として国家公務員を志望する場合は、前職を退職した理由と、国家公務員を志望する理由を結びつけて説明し、前職での経験で得た能力を、業務にどのように活かせるのかも伝えられるようにしましょう。

      実際に経験者として採用された職員の話では、面接の場で、「なぜ民間の会社をやめて、国家公務員になりたいのか」についてくり返し聞かれたそうです。

      いざ聞かれても慌てないように、事前に考えておきましょう。

      国家公務員の志望動機の例文4選を紹介!

      国家公務員の志望動機の例文4選を紹介!
      • 国家総合職
      • 国家一般職
      • 高卒
      • 社会人(経験者)

      ここからは、国家公務員の志望動機の例文を、4パターンに分けて紹介します。

      国家公務員に内定した方の声から引用している文もあります。ぜひご覧ください。

      国家総合職

      国家総合職の志望動機の例文を示します。

      内定者へのインタビューなので、正式な例文ではないのですが、どのような思いで、何を実現したくて国家公務員になったのか、参考になります。

      (国土交通省)

      小さい頃から地元に貢献したいという思いがあったため、最初は地方公務員を考えていました。しかし、大学での経験から国家公務員を目指しました。

      まず、大学で地元を離れてみたことや、旅行で様々な地域を訪れたことで、地元以外の地域の魅力を知るとともに、人口減少・高齢化といった課題はどの地域にも存在していていると知りました。

      また、大学2年次に参加した東日本大震災復興ボランティアで、被災地を訪れた経験から、人々の安全安心な生活を支えることに貢献するとともに、その上に成り立つ人々の生業を支えることで、地方を元気にしたいと考えるようになりました。

      以上の経験から、地元だけではなく、日本全体で防災・減災や脱炭素、地域活性化などに取り組むことで社会課題を解決したいと考えました。

      その中でも、人のためになることを最優先できること、分野横断的に社会課題にアプローチできること、政策立案や制度設計によってより根本的な課題の解決に取り組めること、という3つの観点から国家公務員総合職を目指しました。

      (引用元:伊藤塾)

      その省庁を志望して、採用されたら取り組みたい内容についてを自分の人生経験とからめて詳しく説明していて、非常に意欲が感じられます。

      「人のためになる」、「社会課題を解決したい」など、総合職に必要な率先力、責任感も感じられます。

      地方公務員と迷ったけれど、国家公務員を志望した理由や、国家総合職ならではの「政策立案や制度設計によってより根本的な課題の解決に取り組める」点についても盛り込んでいて、「国家公務員の国土交通省の総合職」を志望する理由が、より説得力を増しています。

      実際の志望動機として書く場合には、自分の強みや能力と、それを国土交通省の仕事にどう活かせるのかを加えると、さらによいでしょう。

      国家一般職

      次に、国家一般職の志望動機の例文を見てみましょう。

      (法務省入国管理局希望)
      高校生のときにシリア難民の問題をニュースで見てから、日本という国の独自性に興味を持ちました。

      グローバル化していていく世界の中では、今後外国人や難民をより積極的に受け入れることを求められる可能性もあります。

      大学時代には難民問題について学習し、難民受け入れで起こる税金や言語・コミュニケーション問題の解決法について学びました。

      その経験を活かし、ドイツなどのように自国に合った受け入れ方法を実施し、お互いが幸せに生きられる環境を作りたいと考え、志望させていただきました。

      (引用:マイナビ「【例文つき】公務員の志望動機の書き方とは? 公務員試験合格を目指す人必見!」)

      国家公務員に興味をもったきっかけと、今後自分が取り組みたい政策「外国人・難民受け入れ問題」について結びつけて説明できており、仕事内容をしっかり理解した上で志望する熱意が伝わります。

      「国家公務員の法務省入国管理局」でなくてはいけない理由がくわしく説明されており、説得力があります。

      さらに、自分の強みとそれをどのように活かすかまで盛り込めると、自分を採用するメリットまで伝えられてよいでしょう。

      高卒者

      国家公務員の高卒者の志望動機の例文を示します。

      令和4年度高卒者で環境省に内定がでた職員の声から引用しました。

      (環境省)
      学校の授業で自然環境について調べる機会があり、調べていく中で生物が速いスピードで絶滅している事を知りました。

      私は、今置かれている現状を変えていきたいと思ったことがきっかけで環境省の仕事に興味を持つようになりました。

      今後さらに便利で快適な生活になり多様化する社会の中でも、自然を愛する人々の気持ちを大切にし、現在の環境について知らない方へ自然を知ってもらえるよう取り組んでいきたいです。

      そして、自然と触れ合う機会を絶やさないような環境の保全や形成に携わっていきたいと思い志望しました。

      (引用元:環境省「内定者の声~令和4年度入省予定 一般職事務系(高卒者試験)」)

      「環境の保全や形成」など、省庁の仕事を理解した上で、意欲をもって志望しているのが伝わります。

      国家公務員に興味をもったきっかけ、人生や学校で学んだ知識・経験をどのように省庁の仕事に活かしたいのかも盛り込んでおり、説得力があります。

      志望動機として書く場合は、自分の強みや能力、それを環境省の仕事にどのように活かせるかを加えると、採用するメリットまで説得できる文章になるでしょう。

      社会人

      次は、国家公務員の社会人(経験者)の志望動機を、内定者の声から紹介します。

      (経済産業省)
      前職では重電メーカーで、火力・原子力発電用タービン発電機の設計に約4年間従事しました。

      働いていく中で、自身の関心が機械の設計という技術的事項から、原子力発電の将来性や再生可能なエネルギーの推進などエネルギー政策全体に移っていき、国の方針を決める仕事に携わりたいと感じたため、公務員への転職を考え始めました。

      (引用元:人事院「経験者採用試験の受験を考えている方へのメッセージ~採用者の座談会~」)

      前職で経験した内容を中心に、なぜ国家公務員になりたいのか、その省庁なのかをわかりやすく表現されています。

      また、前職をやめた理由と国家公務員を志望する理由がしっかりと結びついていて、前向きに国家公務員を志望したことが伝わります。

      実際に志望動機として書く場合は、もう少し前職での経験をもとに、自分にある強み・能力と、それを経済産業省での業務にどのように貢献できるかを加えるとよいでしょう。

      国家公務員の志望動機の面接での伝え方

      国家公務員の志望動機の面接での伝え方
      • 面接官が志望動機で知りたいこと
      • 表現のポイント

      こちらでは、国家公務員の志望動機を、面接の場でどのように伝えればよいのか説明します。

      国家公務員の志望動機は、面接カードと実際の面接とで、大きく変える必要はありません。

      とはいえ、面接カードは書くスペースが限られていて、面接ではより掘り下げて話せます。

      面接官が志望動機で知りたいことを紹介しますので、含めながら説明できるようにしましょう。

      また、面接では表現の仕方にもポイントがありますので、併せて紹介します。

      面接官が志望動機で知りたいこと

      アガルートアカデミーによると、志望動機で面接官が受験生について見たいのは、主に3点です。

      ・受験生の本気度

      志望先をどこまで理解した上で志望しているのか

      志望省庁との相性の良さ

      (参考:アガルートアカデミー)

      志望動機について聞かれたら、上記が伝わるように答えるのが大切です。

      せっかく採用してもすぐにやめられてしまっては意味がありません。

      受験生にとっても国家にとっても、相性が良い人が入り、活躍してくれるのが最適です。

      相性の良し悪しを事前に判断するためには、省庁の仕事を理解している必要があります。

      仕事内容について詳しく理解した上で、志望省庁に活かせる自分の強みを伝え、相性の良さを示しましょう。

      人事院の官庁訪問に関するQ&Aでは、官庁訪問の面接について以下のように書かれています。

      各官庁は、官庁訪問において、その官庁の行政を推進するに当たり、訪問した受験者が、求める人材として適しているか、自官庁の業務に対する考え方はどうか、意欲を持って業務を遂行することができるか、コミュニケーション能力は十分かなど、様々な観点から確認を行います。

      (参考:人事院「官庁訪問ガイド」)

      相性の良さや意欲、省庁への理解、能力だけでなく、コミュニケーション態度も見られるということがわかります。

      面接でつまる場面もあると思いますが、誠意をもって受け答えし、コミュニケーション能力を示し、一緒に働きたい人物だと感じてもらいましょう。

      以上を踏まえて、面接で見られる点と、志望動機で伝えるポイントを、表にまとめました。

      一部重なっている内容もあります。

      面接で見られる点 志望動機で伝える内容
      • 志望先をどこまで理解した上で志望しているのか
      • 本気度=意欲をもって業務を遂行できるか
      • 国家公務員やその省庁を志望する理由
      • 国家公務員を目指したきっかけ
      • 自分の強みと、強みを業務にどのように活かせるのか
      • 求める人材として適しているか=志望省庁との相性の良さ
      • 省庁の業務に対する考え方

       

      • 国家公務員やその省庁を志望する理由
      • 自分の強みと、強みを業務にどのように活かせるのか
      • コミュニケーション能力
      • 面接全般

      国家公務員や省庁を志望した理由を、自身のきっかけなどを盛り込んで詳しく伝えたり、自分の強みを業務にどのように活かせるのかを説明したりすることで、志望省庁への理解と意欲だけでなく、求める人材としての適性も納得してもらえるでしょう。

      コミュニケーション能力については、面接全般を通して見られますので、誠実に受け答えするようにしましょう。

      さらに、国家総合職では、国の政策への長期的ビジョンや責任感、社会人経験者は前職での経験をどのように活かすかなどについても見られますので、志望動機に盛り込んで答えられるとよいでしょう。

      端的に表現できるような言い方を考えておく

      志望動機をたずねられたら、端的にわかりやすく返答しましょう。

      質問には、「結論、理由、具体例」を意識して話すと、説得力が増します。

      求人転職サイトのdodaでは、面接での答え方について以下のように書かれています。

      分かりやすく話をするためには、論理的な構成でなくてはいけません。そのために有効なのが、最初に結論を述べるという方法です。結論が見えないまま話が続くと、話がまわりくどくなり、面接官に「結局、何が言いたいのかはっきりしない」と思われてしまうこともあります。「志望動機を教えてください」などと言われたときには、まずは「○○だから御社を志望いたしました」などと話のゴールを示すことが大切です。結論のあとに、そう考えるに至った根拠や背景を具体的に説明しましょう。

      (引用元:doda「面接で志望動機・志望理由を質問されたときの正しい答え方と回答例文」)

      質問に対して長い説明を返すと、言いたいことが伝わりません。

      結論を最初に述べて、論理的に返答しましょう。

      面接でよく聞かれる質問には、次のような定番の項目に始まり、様々あります。

      • 国家公務員の志望理由
      • そこの省庁でしたいこと
      • 最近話題の政策についての考え
      • 自己PR

      すべてに対して完璧な返答を考えておくわけにはいきませんが、当日慌てないためにも事前の準備はしておきたいものです。

      国家公務員に採用された方は、面接対策で以下を重点的にされていたようです。

      • 自己分析
      • 希望する省庁の情報収集
      • 面接練習(質問への応答をまわりの人に聞いてもらって練習・修正を重ねるなど)

      (参考:国家公務員Career Guide Channel「モチベーションの上がる『志望動機・志望府省』の考え方」)

      面接は緊張します。あらゆる質問を想定し、余裕をもって自己分析や情報収集をして、落ち着いて自分の言葉で、論理的に答えられるように、シミュレーションしておきましょう。

      国家公務員の志望動機を考える際には、事前の情報収集が大切

      国家公務員の志望動機を考えるには、事前の情報収集が欠かせません

      「マイナビ2023WEB公務研究セミナー」でも、事前の情報収集を行うのは大前提だと説明しています。

      情報収集ができていないと、なぜ国家公務員やその省庁を志望するのか、説得力をもって伝えるのは難しいでしょう。

      できれば国家公務員を目指し始めた頃から、情報をたびたびチェックするようにしましょう。

      情報収集の方法はいろいろあります。

      • 人事院のサイトやSNS
      • 国家公務員の説明会やインターン
      • 政策情報

      どれか一つではなく、すべてを組み合わせて行うと効果的です。

      くわしく見ていきましょう。

      人事院のサイトで希望する省庁の仕事内容を押さえる

      人事院のサイト

      (引用元:「国家公務員試験採用情報NAVI」)

      国家公務員を目指すなら、人事院のホームページ(国家公務員試験採用情報NAVI)には一通り目を通しましょう。

      試験や採用情報、説明会やインターン情報、各省庁の仕事内容など、必要な情報がつまっています。

      また、メールマガジン、facebook、instagram、Twitterもフォローしておくと、採用情報ページの更新のお知らせなどが届きます。

      期限が決まっている情報もありますので、登録しておくと、遅れることなく情報を入手できてよいでしょう。

      国家公務員の説明会やインターンに参加する

      時間が許す方は、各省庁の説明会やインターンに参加しましょう

      説明会では、各省庁が求める人材や、省庁の仕事内容などが紹介される場合が多く、各省庁の職員から直接話が聞けます

      職員の雰囲気などもつかめるよい機会になるでしょう。

      説明会に参加して、自分の目指す仕事が希望した省庁以外でもできるとわかり、希望省庁が変わった方もいます。

      オンラインの説明会もたくさんありますので、自分の可能性を広げるためにも、のぞいてみましょう。

      なお、インターンは期間が決まっていて、採用人数も少ないです。

      希望する場合には早めにチェックして申し込みましょう。

      政策情報を調べる

      政策情報

      (引用元:首相官邸「国の政策」)

      面接の場では、政策情報について、質問される場面があります。

      常に政策情報を確認し、自分の意見を言えるようにしておきましょう。

      国家公務員Career Guide Channel「モチベーションの上がる『志望動機・志望府省』の考え方」では、面接の際に政策情報について聞かれたり、意見を言い合ったりする場面が多数あったとの意見がありました。

      政策情報は、自分の関係する省庁はもちろん、ほかの省庁の政策がからむ場合もあります。

      政府全体の内容に関して、把握しておくとよいでしょう。

      国家公務員の志望動機に関するQ&A

      国家公務員の志望動機に関する質問
      質問1:地方公務員の志望動機の例文はありますか?
      質問2:会計年度任用職員のための志望動機の例文はありますか?
      質問3:国家公務員試験には面接がありますか?
      質問4:国家公務員のインターンの志望動機は何を書いたらよいのでしょうか?

      次は、国家公務員の志望動機に関するよくある質問にお答えします。

      質問1:地方公務員の志望動機の例文はありますか?

      地方公務員を志望する場合は、以下の点を意識して書きましょう。

      • なぜ公務員を志望するのか
      • なぜその自治体を志望するのか
      • 仕事に活かせる自分の強み

      (参考:LEC東京リーガルマインド)

      地方公務員の志望動機は、基本的には国家公務員と大きく変わりません。

      民間企業ではなく地方公務員を志望する理由と、その自治体でなければいけない理由、自分の能力で仕事に活かせる強みを伝えるのが大切です。

      志望する仕事への理解と意欲、採用するメリットを感じてもらえるでしょう。

      例文を紹介します。

      私は住民の皆さんが将来も安心して暮らせるように、長期的な視点でまちづくりをすることに魅力を感じています。

      ○○市は市民協働を行政運営の柱とし、早くから取り組み、住民の参加意欲も高い市です。

      住民の皆さんが「住んでよかった」と思うように貢献したいと考えています。

      (引用元:LEC東京リーガルマインド「市役所の志望動機は…?例文に学ぶ書き方」)

      市の取り組みについて触れており、自治体について理解した上で、志望しているのが伝わります。

      採用された際に行いたい「長期的な視点でのまちづくり」についても説明し、意欲が感じられます。

      面接の場や、志望動機を書く欄が大きい場合には、自分の強みや、強みを活かして業務に貢献できることを盛り込めると、自分を採用するメリットも伝えられてよいでしょう。

      質問2:会計年度任用職員のための志望動機の例文はありますか?

      会計年度任用職員は非常勤の地方公務員なので、地方公務員と同じで大丈夫です。

      質問1を参考に、仕事への理解や意欲、自分を採用するメリットを伝えられるとよいでしょう。

      質問3:国家公務員試験には面接がありますか?

      国家公務員試験の筆記試験は職種ごとに異なりますが、どの職種でも面接があります

      情報収集や自己分析など、面接に対しての準備を、筆記試験と並行して進めましょう。

      質問4:国家公務員のインターンの志望動機は何を書いたらよいのでしょうか?

      国家公務員のインターンは、各省庁採用人数が限られており、「受からなかった」との話も耳にします。志望動機は以下の点を意識して書きましょう。

      • インターンを志望する理由
      • インターンで学んだことをどのように活かしたいか

      応募先の省庁の政策や仕事内容をよく調べた上で、インターンで学びたいこと、それをどのように活かすのかを書けるとよいでしょう。インターンの志望動機例を見てみましょう。

      私は(志望先)が行った(政策名)によって、(志望先)の仕事に興味をもつようになりました。

      特に(志望先)の仕事は○○や△△の観点からも社会に貢献していると知り、私が大学で学んでいる□□とも大きく影響していると感じています。

      そのため、実際に仕事の現場や取組みを理解し、自分の考えを深めたいと思い(志望先)のインターンシップを志望しました。

      (引用元:アガルートアカデミー「公務員のインターンに参加すべき?メリット・注意点・申込方法を紹介」)

      国家公務員を目指す人はインターンへの参加を希望することが多く、狭き門です。

      国家公務員を志望している理由や、その省庁でインターンを志望する理由、学んだことをどのように活かすのかを伝え、志望する意欲を感じてもらいましょう。

      まとめ:国家公務員の志望動機は何を書く?

      ここまで国家公務員の志望動機についてお話してきました。

      国家公務員の採用面接では、以下のような項目をしっかり考え、省庁での仕事の熱意と、自分を採用するメリットを伝えましょう。

      • 国家公務員やその省庁を志望した理由を、志望するきっかけなどと結び付ける
      • 自分の経験に基づく強みと、強みを活かして仕事にどのように貢献できるか

      面接カードでは短めに書いても、実際の面接では詳しく伝えるのが大切です。

      そのためには、日頃から国家公務員に関する情報収集を行い、自己分析を深めておけるとよいのではないでしょうか。

      この記事を参考にして、自分が納得できる、魅力的な志望動機を考えられるように願っています。

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      詳しくは以下の記事をご覧ください。

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      監修者情報

      徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

      WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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