「法科大学院の学費が高すぎる…」
「学費が安い法科大学院は無いの?」
「学費を安く抑える方法、奨学金制度について詳しく知りたい!」
法科大学院入学を目指す方は、このような悩みがあるのではないでしょうか。
というのも、法科大学院は名前の通り司法について学ぶ専門的な大学院ですので、一般的な大学院と比較すると学費がかなり高くなっており、金銭面の不安が大きいのも事実。
今回はそういった悩みや不安を解消するべく、法科大学院の学費や費用を安くするポイント、学費が安い法科大学院のランキングなどをご紹介していきます!
法科大学院に入るための試験勉強は、予備校や通信講座を利用するのもおすすめです。
こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
バイトをして学費を稼ぐことは可能?
学費が高い分、バイトをして稼がなきゃ…と考える方も中にはいるかもしれませんが、法科大学院生が学業とバイトを両立するのは非常に難しいというのが現実です。
授業の予習・復習以外にも、最終的なステップである司法試験合格に向けた勉強も進めていかなければならず、生活に割かれる時間以外はまさに勉強漬けの日々となります。
睡眠時間を削ってバイトをすればいいんじゃない?とお考えの方も中にはいらっしゃるかもしれません。
そういった生活を続けていく内に、睡眠不足の状態が続き授業の内容が頭に入ってこない、勉強を効率的にする事が出来ないといった弊害が必ず出てきます。
将来に向けて様々な知識を吸収できる学びの場を活かせるよう、バイトで学費を稼ぐという考えは一旦保留にしておきましょう。
法科大学院生の1日
勉強漬けの日々を送っている法科大学院生は、1日をどのようなスケジュールで過ごしているのか気になりませんか?
この項目では、法科大学院生が過ごしているスケジュールを授業がある平日と、授業が無い休日とに分けて詳しくご紹介していきます!
平日
元法科大学院生Aさん
7:00-起床 9:00~10:00-自習 10:30~12:00-授業 13:00~14:30-自習 14:30~16:00ー授業 17:30~19:00ー自習 20:00~23:00ー自習 1:30ー就寝 |
元法科大学院生Bさん
6:30-起床 8:50~10:30-予習 10:30~12:00ー授業 12:50~14:20ー予習 14:30~16:00ー授業 16:10~18:00-復習 20:00~1:30ー勉強 2:00ー就寝 |
引用元:千葉大学法科大学院公式HP 院生の一日
平日は授業の予習から始まり、授業を受けた後は復習や司法試験に向けた勉強に費やすというようなスケジュールが多く、1日の大半を大学で過ごしている方も多いようです。
休日
元法科大学院生Aさん
9:00-起床 11:30~13:00-勉強会準備など 13:00~15:30-勉強会 15:30~19:30-勉強 21:00~24:00ー勉強 2:00-就寝 |
引用元:京都大学法科大学院公式HP 在学生の声
元法科大学院生Bさん
8:00-起床 9:00~17:00ー勉強 22:00~23:00ー勉強 |
引用元:法科大学院修了生のキャリアアドバイザーが語る!ロースクール回顧録
司法試験に受かる為の勉強時間は5,000時間~8,000時間とも言われており、1日4~5時間勉強した場合でも最低3年はかかる計算になるので、勉強会や予習などを含めると10時間近く勉強する休日も珍しくないようです。
法科大学院(ロースクール)の学費はいくら?
それでは、本題である法科大学院の学費について詳しくご紹介していきます。
法科大学院卒業までに掛かる学費を私立・国立・公立・夜間のコースごとにまとめてみましたので、是非参考にしてみてください!
区分 | 大学名 | 学費 |
国立 | ※国立の学費は一律となっています | 既修者:1,890,000円 未修者:2,694,000円 |
公立 | 東京都立大学 | 既修者:1,608,000円 (都民:1,467,000円) 未修者:2,271,000円 (都民:2,130,000円) |
大阪公立大学 | 既修者:1,990,000円 (大阪府民及びその子:1,890,000円) 未修者:2,794,000円 (大阪府民及びその子:2,694,000円) |
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私立 | 早稲田大学 | 既修者:2,935,000円 未修者:4,400,000円 |
慶應義塾大学 | 既修者:3,284,380円 未修者:4,876,520円 |
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福岡大学 | 既修者 学部卒業生・大学院修了生:1,501,000円 他学卒業生・他学修了生:1,586,100円 未修者 学部卒業生・大学院修了生:2,224,000円 他学卒業生・他学修了生:2,309,100円 |
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夜間 | 筑波大学 | 既修者:1,890,000円 未修者:2,694,000円 |
日本大学 | 既修者:2,430,000円 未修者:3,520,000円 |
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福岡大学 | 学部卒業生・大学院修了生:2,230,000円 他学卒業生・他学修了生:2,315,100円 |
国立の法科大学院は文部科学省にて学費が一律に定められていますので、大学名は省略しています。
私立の法科大学院は全国各地に多数あるのですが、今回はその中でも特徴のある3校を抜粋して取り上げていますので、残りの法科大学院についてはまた別の機会にご紹介できればと思います!
また、公立の法科大学院は全国に2校のみとなっており、夜間コースを設けている大学は全国に3校のみとなっています。
学費に含まれるもの
学費の詳細な内訳についてご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか?
大学院によって名称に違いはありますが、主に以下のような内訳となっています。
・入学金
・授業料
・施設設備費
・諸会費
・学生健康保険
入学金や授業料以外にも、大学の施設充実を目的とした「施設設備費」、主に学友会や同窓会費等に充てられる「諸会費」、病気やケガによる医療費補助を目的とした「学生健康保険」といった費用が含まれています。
各大学院の学費の内訳については、公式HP内で学費や納入金という項目から確認することも出来ますし、更に詳細な内訳をPDFで開示している大学院もありますので、そちらも併せてチェックしてみてください。
国立の法科大学院(ロースクール)の学費は?
国立の法科大学院の学費は文部科学省により全て一律と定められており、内訳としては下記のような内容になっています。
区分 | 金額 |
入学金 | 282,000円 |
年間授業料 | 804,000円 |
既修者コースの総額 | 1,890,000円 |
未修者コースの総額 | 2,694,000円 |
国立大学は学費が安いというイメージがありますが、国立の法科大学院に関しては公立や私立の法科大学院よりも高額になっている場合があります。
しかしこれは言い換えると国立であれば学費が一律なので、気になる法科大学院が全て国立だった場合に学費で優劣をつける必要がないということになります。
公立の法科大学院(ロースクール)の学費は?
公立の法科大学院は全国合わせても、東京都立大学法科大学院と大阪市立大学法科大学院の2校のみになります。
では、2校の法科大学院の学費についてそれぞれご紹介します。
東京都立大学法科大学院の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 282,000円(都民:141,000円) |
年間授業料 | 663,000円 |
既修者コースの総額 | 1,608,000円(都民:1,467,000円) |
未修者コースの総額 | 2,271,000円(都民:2,130,000円) |
国立大学の学費と比較してみると、公立である東京都立大学法科大学院の授業料は14万円程安く設定されており、大学院所在地である東京都在住の方のみが対象ですが、入学金は半額の141,000円となっています。
減免や奨学金制度以外にもこういったメリットがあるのは嬉しいですね。
大阪公立大学法科大学院の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 382,000円 (大阪府民及びその子:282,000円) |
年間授業料 | 804,000円 |
既修者コースの総額 | 1,990,000円 (大阪府民及びその子:1,890,000円) |
未修者コースの総額 | 2,794,000円 (大阪府民及びその子:2,694,000円) |
大阪市立大学法科大学院も東京都立大学法科大学院と同様に、大学院所在地である大阪府在住の方は入学金が10万円安い282,000円となっています。
2021年度までは入学金免除、授業料も535,800円と法科大学院の中では飛び抜けて学費が安かったのですが、2022年度入学者から上記金額に変更となっていますので注意が必要です。
私立の法科大学院(ロースクール)の学費は?
私立の法科大学院の入学金・授業料にはかなりの幅がありますので、例としておおよその金額からご紹介致します。
区分 | 金額 |
入学金 | 約100,000円〜300,000円 |
年間授業料 | 約600,000~1,400,000円程度 |
既修者コースの総額 | 約1,310,000円~2,320,000円程度 |
未修者コースの総額 | 約1,910,000円~3,480,000円程度 |
国立や公立と比較すると全体的に高額となりますが、施設の充実さやカリキュラムの豊富さといった部分において高額になるのも頷けます。
また先述したように、私立の法科大学院については学費にかなりの幅がありますので、詳細については各大学のHPの入学者向けの新着情報などから確認してください。
学費が高めの私立の法科大学院
入学金・授業料といった学費は各大学院によってかなりの幅がある私立の法科大学院ですが、その中でも司法試験合格率の上位である早稲田大学や慶應義塾大学などは学費が高い傾向にあります。
具体的にどのくらいの金額になっているのか、それぞれご紹介致します。
早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)の学費は?
区分 | 金額 |
入学金 | 200,000円 |
年間授業料 | 1,270,000円(第1年度) 1,465,000円(第2年度、第3年度) |
既修者コースの総額 | 2,935,000円 |
未修者コースの総額 | 4,400,000円 |
別途以下の費用も掛かってきます。
・学会入会金:5,000円(第1年度のみ) ・学会年会費:2,000円 ・実験演習料:100,000円 ・学生健康増進互助会費:1500円 |
昨年2021年度の司法試験合格率でTOP10に入った早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)ですが、更に高いレベルを目指すために施設設備も充実させながら、在校生が勉強しやすい環境を整えてくれているのですね。
慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)の学費は?
区分 | 金額 |
入学金 | 100,000円 |
年間授業料 | 1,100,000円 |
既修者コースの総額 | 2,300,000円 |
未修者コースの総額 | 3,400,000円 |
別途以下の費用も掛かってきます。
・在籍料:300,000円 ・施設設備費:180,000円 ・その他費用:12,240円 |
慶応義塾大学法務研究科(法科大学院)はここ数年、司法試験合格率50%台となっており法科大学院の中でも入試レベルが高いことで知られています。
生徒達が気持ちよく学べる場を提供する目的と、豊富なカリキュラム実現に向けての金額設定と言えるでしょう。
学費が安い私立の法科大学院
私立の中には、実は国立や公立よりも学費が安い学校も存在しますので、具体的な学費内容についてご紹介します。
甲南大学法科大学院の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 150,000円 |
年間授業料 | 550,000円(1年次) 700,000円(2年・3年次) |
既修者コースの総額 | 1,400,000円 |
未修者コースの総額 | 2,100,000円 |
別途以下の費用も掛かってきます。
・施設設備費:200,000円 |
授業料や総額を見ていただくと分かる通り、国立や公立の学校よりも学費をかなり抑えることが出来ます。
さらに、甲南大学法科大学院では在学生全員を対象に年額30万円の奨学金を給付していますので、年間60万円(施設設備費含む)で通う事が出来ることも魅力の一つです。
給付される奨学金を差し引いた学費内訳は以下のようになっています。
区分 | 金額 |
入学金 | 150,000円 |
年間授業料 | 550,000円(1年次)ー300,000円=250,000円 700,000円(2年・3年次)ー300,000円=400,000円 |
年間設備費 | 200,000円 |
既修者コースの総額 | 1,200,000円 |
未修者コースの総額 | 1,800,000円 |
他大学に比べると群を抜いて学費が安くなりますし、こういった大学独自の奨学金制度を上手く活用することにより、学費が高いイメージのある私立大学でも安心して通う事が出来るのです。
夜間部の法科大学院(ロースクール)の学費は?
昼間は社会人として働く方向けに開講している夜間コースですが、夜間だからと言って学費が安くなるわけではありませんし、夜間だからこそ修学年数が長くなる学校もあります。
全国にある3つの法科大学院が夜間コースを開講しており、学費は学校によって異なりますので先ずは平均金額から見ていきましょう。
区分 | 金額 |
入学金 | 約131,000円 |
年間授業料 | 約715,000円 |
既修者コースの総額 | 約2,110,000円 |
未修者コースの総額 | 約2,705,000円 |
金額としては私立の法科大学院と同額程度となっています。
法科大学院の学費をアルバイトで稼ぐのはおすすめしないと書きましたが、社会人の方であれば目標に向かってある程度貯金した上で夜間部を視野に入れているでしょうから、あとは仕事と勉学の両立に向けて努力するのみです。
それでは夜間部を開講している3校の具体的な学費についてご紹介していきましょう!
筑波大学 社会人大学院 法曹専攻(法科大学院)の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 282,000円 |
年間授業料 | 804,000円 |
既修者コースの総額 | 1,890,000円 |
未修者コースの総額 | 2,694,000円 |
筑波大学法科大学院の夜間コースは、昼間社会人として働く方向けに365日24時間使える自習室を設けており、現役弁護士によるチューター制度も導入していることから、在校生に寄り添った教育・施設設備を完備していることがうかがえます。
日本大学大学院法務研究科(法科大学院)の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 250,000円 |
年間授業料 | 980,000円 |
既修者コースの総額 | 2,210,000円 |
未修者コースの総額 | 3,190,000円 |
別途下記の費用も掛かってきます。
・施設設備資金:50,000円 ・校友会費(準会員):10,000円(前期のみ) |
日本大学の法科大学院は、少人数授業に加え実務経験豊富な教員を多く配置していることでも有名ですが、修了後も研修生制度により在学時と同じ環境で学習を継続できることも特徴です。
福岡大学法科大学院の法科大学院の学費
区分 | 金額 |
入学金 | 他大学学部卒業・他大学院修了生:110,000円 学部卒業・大学院修了生:55,000円 |
年間授業料 | 360,000円 |
福岡大学学部卒業・福岡大学大学院修了生コースの総額 | 2,230,000円 |
他大学学部卒業・他大学院修了生コースの総額 | 2,315,100円 |
福岡大学法科大学院の夜間コースは、月~金曜日の6時限・7時限を夜間コースとしており、他大学と違い既修・未修でコースが分かれるのではなく、未修者コースを5年間で履修する長期在学履修制度となっています。
法科大学院の学費を抑えるには?奨学金や学費免除を活用
ここまでご紹介してきた法科大学院の学費ですが、中には学費免除や奨学金制度を導入している法科大学院も多く存在します。
法科大学院全体で主に扱っている制度については以下の通りになります。
例として、法科大学院が取り扱っている奨学金や免除制度について一部ご紹介致します。
大学名 | 制度と内容 |
東京都立大学法科大学院 大阪市立大学法科大学院 |
入学金減免:東京都民、大阪府民であれば入学金が減免される。 |
甲南大学法科大学院 | 給付金:在校生全員を対象に年間300,000円の給付金 |
琉球大学法科大学院 |
奨学金:給付型の奨学金が全4種類と他大学に比べて多い。
鎌倉フェローシップ・沖縄ロースクール奨学金、当山フェローシップ・琉球大学法科大学院奨学金、おきなわサービサー夢応援奨学金、琉球大学後援財団奨学事業「琉球大学学生支援奨学金」 |
これらはほんの一部にしかすぎませんので、志望校や他大学の給付金や奨学金制度については、各学校の公式HPやパンフレットから最新情報をチェックしてみてください。
学費が安い法科大学院(ロースクール)ランキングTOP 5
ではここで、気になる学費が安い法科大学院ランキングTOP5をご紹介致します!
なお、2年目以降の授業料に変動がある大学院もありましたので、今回は既修者コース(2年間)と未修者コース(3年間)それぞれ卒業までに掛かる合計の学費を基に作成しています。
法科大学院名 | 学費 |
1位 甲南大学法科大学院 | 既修者:1,200,000円 未修者:1,800,000円 |
2位 福岡大学法科大学院 | ・既修者 学部卒業生・大学院修了生:1,501,000円 他学卒業生・他学修了生:1,586,100円 ・未修者 学部卒業生・大学院修了生:2,224,000円 他学卒業生・他学修了生:2,309,100円 |
3位 東京都立大学法科大学院 | 既修者:1,608,000円(都民:1,467,000円) 未修者:2,271,000円(都民:2,130,000円) |
4位 国立法科大学院 | 既修者:1,920,000円 未修者:2,724,000円 |
5位 西南学院大学法科大学院 | 既修者:1,900,030円 未修者:2,782,520円 |
学部卒業生・大学院修了生、大学所在地に在住している方を対象に金額が安くなる大学がありましたので、TOP5をそれぞれ具体的にご紹介していきます。
1位:甲南大学法科大学院
1位にランクインした甲南大学法科大学院は、兵庫県にある私立の法科大学院です。
基本となる法律の学習によって法曹への確かな基礎作りを重視しており、甲南大学法科大学院を修了し司法試験に合格した若手弁護士をアカデミックアドバイザーとして起用、法科大学院生の学習相談や質問に個別または集団的に答える制度を設けているのも特徴です。
また、減免・奨学金制度においても在学生全員を対象に年額30万円の奨学金を給付、入学試験の結果に基づき対象者の学費を全額減免するなど、大幅に学費を抑えられる法科大学院となっています。
2位:福岡大学法科大学院
夜間コースも併設している福岡大学法科大学院ですが、学部卒・大学院修了生であれば1位の甲南大学法科大学院と大差ない金額となっています。
福岡大学法科大学院の学費が安い背景には、全学年定員が20名となっているので非常に小規模な法科大学院であるということが挙げられますが、教員との距離が近くコミュニケーションを密に取る事が出来るメリットも備えています。
また、未修者の育成に力を入れているのも特徴で、授業外でのマンツーマン指導や自主ゼミが活発ですので、安心して勉学に臨むことが出来る法科大学院となっています。
3位:東京都立大学法科大学院
数少ない公立校である東京都立大学法科大学院は、国立校を抑えTOP3にランクインしました。
東京都在住者以外にも、入学金の納入が困難な方に対して入学料を減免する制度や、経済的理由等により授業料の納付が困難な場合の授業料減免制度がありますので、金銭面での不安を軽減してくれる学校です。
教育面では少人数教育に力を入れており、加えて同窓会の「晴海会」にて学習相談会や就職活動に関するセミナーも実施しているので、教員とは違った角度で様々な知識を得られるのもメリットですね。
4位:国立法科大学院
国立法科大学院に関しては、文部科学省により学費が一律と定められているので、国立校で何校か迷った場合には学校の特色で選ぶと良いでしょう。
学費が一律とは言え、カリキュラムの内容や学習設備には学校ごとに違いがありますので、各大学のHPや学校説明会などで情報収集するよう心掛けてください。
国立校でも入学料及び授業料免除や奨学金給付制度を導入している学校もありますので、こういった制度を上手く活用し学費を抑えられるようにしましょう。
5位:西南学院大学法科大学院
西南学院大学法科大学院は、福岡県にある法科大学院です。
学費面では、入学試験の成績上位者を対象とした全額もしくは半額給付、2年3年次は前学年の成績上位者向けに全額もしくは半額給付を実施しているので、学費を抑えつつ司法試験へ向けた勉強に励む甲斐がありますね!
教育面では、司法の第一線で活躍している弁護士の方を招き、授業科目のサポートをするTAや各種勉強会のチューター活動を実施しており、学生の要望に応じた内容で開かれる勉強会も魅力の1つです。
法科大学院(ロースクール)の学校選び方
高額な学費を抑えたいという気持ちはもちろん分かりますが、学費が安い、減免・奨学金制度が充実しているといった部分だけを重要視して学校を選ぶことはおすすめできません。
なぜならば、法曹を目指す上で最も重要なのは、司法試験に合格することだからです。
このステップをクリアできなければ法曹を目指す事は出来ませんし、次の司法試験まで更に学費がかさみ精神的にも負担になってくることでしょう。
司法試験合格はあなた自身の努力次第ではありますが、自分に合った特色を持つ学校や勉強する設備が整った学校を選ぶことによって、司法試験合格に向けた緻密な対策を練ることができます。
法科大学院選びで重要とされる3つの内容についてご紹介していきます!
司法試験の合格率
学校の選び方でまず参考にして欲しいのが、司法試験の合格率です。
もちろん、合格率は大学の規模によっても変わってきますので、過去数年間の平均や推移を調べた上で、大学のカリキュラムや特色が自分に合っているなと感じれば候補に入れても良いでしょう。
参考として、2023年度(令和5年)司法試験合格者上位10校を表にまとめてみましたのでご覧ください。
法科大学院名 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
京都大法科大学院 | 157 | 188 | 68.4% |
東京大法科大学院 | 315 | 186 | 59.0% |
一橋大法科大学院 | 180 | 121 | 67.2% |
慶應義塾大法科大学院 | 310 | 186 | 60.0% |
東北大法科大学院 | 82 | 25 | 30.5% |
愛知大法科大学院 | 6 | 2 | 33.3% |
神戸大法科大学院 | 146 | 71 | 48.6% |
大阪大法科大学院 | 182 | 78 | 42.9% |
早稲田大法科大学院 | 389 | 174 | 44.7% |
創価大法科大学院 | 37 | 12 | 32.4% |
(参考:スタディング公式HP)
2023年度(令和5年)司法試験の結果についての詳細はこちらを参考にしてみてください。
自分がどんな法曹になりたいか
自分がどのような法曹になりたいかが明確に決まっているのであれば、全国各地にある法科大学院それぞれがどういった法務に強いのかをカリキュラムなどで確認すると良いでしょう。
もしまだ具体的なビジョンが決まっていないのであれば、オールラウンドな法科大学院を検討することをおすすめします。
大学の規模によるメリット・デメリットを考慮する
大学の規模によるメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
大学の規模が大きい場合のメリットは、同級生が多いので将来法曹となった際に築いた人脈を将来活かせる可能性が高いという点ですが、一方で、同級生が多い=教員とのコミュニケーションが取りにくいというデメリットがあるでしょう。
大学の規模が小さい場合のメリットとして、教員とのコミュニケーションも取りやすく一対一で対話できる機会が多い点が挙げられますが、同級生が少ない分競争率も低いのでモチベーションを維持しにくいという点がデメリットではないでしょうか。
こういった大学の規模によるメリット・デメリットも法科大学院選びの際は考慮した方が良いでしょう。
募集停止をする法科大学院(ロースクール)の増加に注意
近年、法科大学院入学生の募集を停止する学校が増加しています。
募集停止に至って考えられる要因としては、新司法試験の合格率低迷や弁護士業界の深刻な就職難、法科大学院経由では法曹となるまでの時間的・経済的負担が大きすぎるといった点が挙げられます。
直近で募集停止をした大学院は下記になります。
一部の学校で入学者数が1桁台になるなど深刻な定員割れが起こっていますので、志望する法科大学院が募集を停止をしてないか常にチェックが必要です。
法科大学院学費のよくある質問
最後に、法科大学院学費についてよくある質問をまとめてみましたので、併せて参考にしてみてください!
法科大学院学費のよくある質問 |
①行政書士は法科大学院の学費免除になるって本当? ②法科大学院に入るにはどうしたらいいの? ③法科大学院の奨学金に返済免除のものはあるの? ④法科大学院の学費って高いの?安く抑えるポイントは? ⑤法科大学院に夜間部はあるの? ⑥法科大学院の難易度は? ⑦京都大学法科大学院に学費免除はあるの? |
①行政書士は法科大学院の学費免除になるって本当?
調査の結果、学費免除の対象として行政書士の資格所持を記載している大学院は見つかりませんでした。
しかし今後、行政書士の資格が減免・奨学金制度の対象となる可能性もありますし、大学によっては行政書士の資格所持によって入試における評価が加点される場合もあります。
②法科大学院に入るにはどうしたらいいの?
法科大学院の出願資格は、原則として大学を卒業した(または卒業見込み)者となっていますが、大学を卒業していなくとも大学院独自の個別審査(司法書士や行政書士の資格所持など)によって、受験資格を得られる場合もあるようです。
また、法科大学院では法学部出身者向けの既修者コース(2年)と、法学部以外の学部出身者向けの未修者コース(3年)に分けられていますので、法律に関する知識が無くても出願資格をクリアしていれば、入試合格後に入学することができます。
③法科大学院の奨学金に返済免除のものはあるの?
日本学生支援機構の奨学金制度を利用すれば(※第一種奨学金利用者に限る)、在学中に特に優れた業績を挙げた学生に対し全部または一部が免除されることがあります。
その他法科大学院独自の奨学金制度もあるため、返済免除があるかどうかHPや説明会などで確認しましょう。
④法科大学院の学費って高いの?安く抑えるポイントは?
一般的な大学院と比較すると、かなり高額と言えるでしょう。
学費が安いイメージのある国立でさえ、未修者は3年間合計2,694,000円の学費を支払う必要があります。
しかし、在住している自治体によって入学金が半額になる場合や返済免除がある奨学金制度もありますので、志望校の減免・奨学金制度について事前にリサーチし上手く活用しましょう。
⑤法科大学院に夜間部はあるの?
現在夜間コースを開講しているのは、「筑波大学 社会人大学院 法曹専攻(法科大学院)」、「日本大学」、「福岡大学」の全国で3校のみなります。
詳しくは「夜間部の法科大学院(ロースクール)の学費は?」の項目をご確認ください。
⑥法科大学院の難易度は?
法科大学院の難易度を入試倍率で見ていきましょう。
既修者コースでは入試倍率2~3倍程度、合格率としては30~60%、未修コースでは入試倍率4倍程度、合格率としては25%程度となっています。
近年、法科大学院の募集停止も目立ってきており受験者数も減少傾向にあるとはいえ、まだまだ難易度は高い分野であると言えるでしょう。
⑦京都大学法科大学院に学費免除はあるの?
京都大学法科大学院では、経済的理由により入学料・授業料の納付が困難、かつ学業優秀と認められる方を対象に、免除または徴収猶予制度が設けられているようです。
具体的には「入学料免除・徴収猶予」「授業料免除」となっており、全額または半額免除となる可能性があります。
法科大学院学費のまとめ
気になる法科大学院生の1日の過ごし方から始まり、国立・公立・私立の学費の違いや学費を安く抑えるポイントまで様々な項目をご紹介してきましたが、皆さんが抱いていた疑問は少しでも解消できましたでしょうか?
募集停止をする大学院が増えたことにより、数年前から比べると約半数まで減少した法科大学院ですが、在学中に得た知識や友達は大きな糧となり、あなたが目指す法曹へと導いてくれることでしょう。
その為にも、法科大学院選びのポイントを抑えて、今後の入試対策、入学後のプランなどを固め、万全の態勢で臨めるよう準備していきましょう!
そして、これから法科大学院入学に向け勉強する方向けに、通信講座や予備校をまとめたこちらの記事もおすすめですので是非参考にしてみてください!
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