「認定心理士って何をする仕事なの?」
「認定心理士は国家資格なの?」
認定心理士の資格に関してこのような疑問をお持ちではないでしょうか。
心理系の資格は非常に数が多く、自分の求めている条件にマッチしたものを探すのは一苦労ですよね。
本記事では、臨床心理士や公認心理士に次いで知名度の高い認定心理士の仕事の内容や取得の方法、他の心理系の資格との違いなども詳しく解説していきます。
心理学は仕事だけでなく、生活の中でも大きく活かせるものです。
この記事を読むと、認定心理士の仕事や資格の特徴について大きく理解を深められます。
認定心理士とはどんな仕事なの?
認定心理士は、心理学の基礎を学んだ証明書のようなもので、実際に認定心理士という職業はありません。
あくまでも基礎を学んだ証明という位置付けの資格名称であり、認定心理士を取ったから専門の職に就けるわけではないのです。
心理系の資格には認定心理士より専門性が高い公認心理士や臨床心理士がありますので、資格単体で心理職としての就職は難しいでしょう。
しかし心の病が多い現代、心理学を学んだ人間はどこの企業や団体にも必要であり、配属されるべきであると考えても相違ありません。
認定心理士の資格所持者は、具体的に以下のような仕事をしています。
認定心理士の資格所持者がしている仕事内容の例 |
・看護師が患者や家族に精神面のケア ・介護現場で利用者や家族の相談受付やアドバイス ・教職員の子どもや保護者へのカウンセリングや面談 ・発達支援などで特性のある子どもへの療育 ・一般企業で社員のメンタルケアやストレスを生まない働きやすい職場づくり |
上記のように認定心理士の資格保持者は、心理の基礎スキルを身に付けている者としてその知識を活かし、医療や介護、教育、一般企業などの多くの現場で活躍しています。
認定心理士の資格をきっかけに、臨床心理士や公認心理士を目指す方も多く、次のステップに進むための重要な資格だといえるでしょう。
認定心理士はどんな資格?国家資格なの?
認定心理士は、大学で心理学の単位を収めたものが得られる日本心理学会が認定した「民間資格」です。
認定を行っている日本心理学会では、認定心理士について以下のように説明しています。
日本心理学会認定心理士とは大学における心理学関係の学科名が学際性を帯びてきて,必ずしも「心理学」という,直接的名称が使われていない場合が多いことから,心理学の専門家として仕事をするために必要な,最小限の標準的基礎学力と技能を修得している,と日本心理学会が認定した人のことです。
(引用元:日本心理学会公式HP)
認定心理士は心理について基礎的な学力が備わっている証明にはなりますが、認定心理士という仕事はないため直接職業に繋がる資格ではありません。
資格単体では専門性が低いと判断されることも多く、心理系の就職や転職には活かしづらい点もあります。
しかし、メンタルケアは今や病院だけでなく多くの企業で必要とされているため、他の職種でも心理学の基礎を学んだという証明は充分アピールできるでしょう。
認定心理士には試験は無く、条件を満たせば申請だけで資格を得られます。
通信制大学でも取得可能で、働きながらでも取得を目指せる社会人にも人気のある資格。
認定心理士を足掛かりとして、公認心理士や臨床心理士といった資格を目指す人も多くいます。
認定心理士の受験資格
認定心理士の取得の条件や、必要な大学での単位数を以下の表にまとめました。
認定心理士の資格取得の条件 |
・4年制大学を卒業 ・所定の単位を基礎科目と選択科目から36単位以上修得している |
必要な科目や単位数は以下の通りです。
認定心理士の取得に必要な大学の単位数 | ||
基礎科目 | ・a領域:心理学概論(基礎) ・b領域:心理学研究法(実証研究の基礎) ・c領域:心理学実験(実験的方法) |
上記から合計12単位以上を取得 ※aとcは最低4単位以上であること |
選択科目 | ・d領域:知的心理学・学習心理学 ・e領域:生理心理学・比較心理学 ・f領域:教育心理学・発達心理学 ・g領域:臨床心理学・人格心理学 ・h領域;社会心理学・産業心理学 |
上記から合計16単位以上を取得 ※5領域から3領域以上、各4単位以上で基礎主題は必須 |
その他の科目 | ・i領域:心理学関連科目 卒業論文・卒業研究 |
必須ではない 卒論は最大4単位 |
(引用元:日本心理学会)
認定心理士の資格を取得するには、4年制の大学を卒業し基礎科目と選択科目から合計36以上の単位を取得する必要があります。
基礎科目はa領域とc領域で最低4単位以上取得していることが必須。
a領域を6単位・b領域を6単位では必要な単位数を満たせません。
決められた単位を取りこぼしの無いように取得します。
選択科目ではd領域・e領域・f領域・g領域・h領域の5つの領域の中から最低3領域以上、各4単位以上で単位を取得しなければなりません。
各領域の単位は、基礎主題の取得必須です。
その他にi領域がありますが、こちらは必須ではないため必要な方のみの取得でOK。
認定心理士に必要な36以上の単位取得には細かな取り決めがあるため、よく考えてスケジュールを組むと良いでしょう。
認定心理士の後に公認心理士や臨床心理士を目指している方は、重複している科目もあるため要確認です。
認定心理士の資格取得に必要な金額(放送大学の場合)
認定心理士の資格を取得するには、以下の金額が必要です。
認定心理士の資格取得は、大学に通い必要単位を修了する必要があります。
今回は放送大学で取得したことを想定し大学費用までを計上しまとめました。
項目 | 費用 |
大学費用(授業料・入学料込) | 706,000円 |
資格審査料 | 11,000円 |
資格認定料 | 33,000円 |
(引用元:放送大学公式HP・交易社団法人日本心理学会)
認定心理士の資格取得に必要な金額は、合計747,000円です。
内訳は、まず大学の費用に入学金24,000円。
その他履修する科目数で若干差がありますが、大学入学から卒業までにおおよそ706,000円の費用が必要です。
以下の条件を満たせば認定心理士の申請資格を得られます。
資格を与えるかの審査料に11,000円、審査に通ると更に認定料に33,000円を支払う必要があり、認定心理士として登録が行われたのちに認定証と認定心理士証のiDカードが発行され、郵送で届きます。
認定心理士の資格が役立つ相性の良い仕事
認定心理士は、心理学の観点から人に適切なアドバイスや支援ができます。
心理系の資格に臨床心理士や公認心理士があるため資格単体で心理職に就けませんが、他の職業と組み合わせて心理の専門知識を活かした活躍が望める資格です。
今回は特に相性の良い職業を上げてご紹介します。
認定心理士の資格所持者と相性のいい仕事 |
・看護・介護職 ・教育職 ・一般企業 ・公務員 |
認定心理士の各企業での役割は以下の通りになります。
企業人事部での採用や人事労務管理、教育・医療・福祉分野の仕事、ボランティア活動など、さまざまな場面で心理学の基礎知識・技能が生かせます。将来、心理学の専門職を目指す際の基礎にもなります。
(引用元:放送大学公式HP)
認定心理士の資格は、上記のような職と組み合わせて心理学の知識や技能を活かせます。
一般企業で社員のメンタルケアや働きやすい職場づくリを行ったり、保育士や教員が子どもや保護者へのカウンセリングや面談を行ったりと幅広い仕事ができるようになります。
基礎知識や技能には、多くの分野が存在しており代表的な分野は大きく分けて8つ。
各分野ごとに得られる学びが異なります。
分野 | 内容 |
心理学概論 | 心理学の基礎・知識を備える科目 |
心理学研究法 | 心理学の実証的基礎・知識を備える科目 |
心理学実験実習 | 心理学の実験的研究の基礎 |
知覚・学習心理学 | ・人間の知覚のあり方を研究する心理学の一分野 ・学習、すなわちヒトを含む動物が経験を通して行動を変容させていく過程を研究する心理学の一領域 |
生理・比較心理学 | ・人間の生理学的な活動と心理学的な現象との関連を科学的に解明する心理学の一分野 ・系統発生の歴史、適応的意義、および行動の発達に関連し、特にヒト以外の動物の行動や、精神的なプロセスの科学的研究 |
教育・発達心理学 | ・教育的な視点から心理学を応用しようとする学問 ・人の加齢に伴う発達的変化を研究する心理学の一分野 |
臨床・人格心理学 | ・精神障害や心身症、心理的な問題や不適応行動などの援助、回復、予防、その研究を目的とする心理学の一分野 ・人のパーソナリティ(性格、または人格と訳される)を研究する心理学の一分野 |
社会・産業心理学 | ・個人に対する社会活動や相互的影響関係を科学的に研究する心理学の領域の一つ ・アメリカ合衆国の心理学会において、1970年に心理学の知見を「産業」場面の問題解決に応用した分野 |
(引用元:Wikipedia公式HP・日本心理学会)
また、発達に特性のある支援学級などでの子どもたちへのサポート業務にも、発達心理学の観点から適切な支援が行えるため相性が良いといえます。
地方公務員なら社会心理学や産業心理学の知識や技能を用いて、コミュニケーションを円滑にとれるため地域の住民もさまざまな想いを打ち明けやすくなり地域支援がスムーズになるでしょう。
以下で一つひとつ詳しく紹介していきます。
看護・介護職と認定心理士
看護や介護職の方が認定心理士を持っていると、病気や身体の不自由などが原因で精神にダメージを受けている患者へ、心理学の観点から精神面のケアを行えます。
また、働くスタッフにも細やかな気配りやメンタルケアを行えるため仕事の幅が広がり、認定心理士の資格を大いに役立てられるでしょう。
求人でも資格所持者を優遇しているところもあり、実際に以下のような募集がありました。
精神科デイケア「きぼう」の認定心理士の募集求人 |
≪仕事内容≫ ◆認定心理士業務 ・精神科デイケア・重度認知症患者デイケア・外来におけるカウンセリング業務等。 ・心理士の知識を備え、重度認知症患者デイケアのお客様の介護業務やレクリエーションの計画・実施。 ・配属部署により、フロアでの見守り、お客様のご家族様とのノートでの連絡、トイレ誘導など。 ・月給 179,000円〜263,060円 ・その他の医療・保健衛生関係資格:必須 |
(引用元:広島求人センター公式HP)
上記では、精神科でのデイケアやカウンセリング業務、患者だけでなくその家族とのやり取りができる介護士かつ認定心理士の資格所持者が求められていました。
実際の看護職や介護職の現場で、心理学的な知識がある認定心理士が必要とされているのが分かります。
特に、精神科や心療内科といった心の病の治療業務に当たっている看護師は、認定心理士を必要としているケースも多く見られます。
資格単体では効力を発揮しづらい認定心理士ですが、看護職もしくは介護職と組み合わせると通常の業務とプラスして、精神面のケアも充分行えるため、需要があるという事ですね。
認定心理士の資格を取得したら、臨床心理士や公認心理士を目指してみるのもおすすめです。
更なる学びを深め知識や技能を身に付けることで心に寄り添った対応ができるようになり、より良い看護や介護につながっていくでしょう。
教育職や支援学級と認定心理士
教育職や支援を行う職に就いている方が認定心理士の資格所持をしていると、子どもへ教育心理学や発達心理学の知識と技能を活かした、適切なサポートが行えます。
具体的な仕事内容は以下、実際の求人を例に見ていきましょう。
児童支援員または保育士の正社員募集 【波の家加古川総合福祉センター】 |
・基本給(月額平均)又は時間額 182,150円〜272,150円・定額的に支払われる手当 資格手当27,900円〜27,900円・仕事の内容 ◇障がい児(発達、知的)の支援をする仕事です。 *保育士、資格取得者 別途手当15,000円 *認定心理士資格取得者 別途手当10,000円 *社会福祉士資格保有者 別途手当10,000円 |
(引用元:ハローワーク求人情報公式HP)
上記の求人では、福祉センターで特性のある子どもの支援を行える人材が求められています。
認定心理士は優遇されており、別途手当も支給されていますね。
発達支援において、心理学を学んでいる人とそうでない人には持っている知識量の差からできる業務に大きく違いがでてくるため、このような求人は多くみられます。
認定心理士の資格所持者が行う特性のある子どもへのサポート |
・心理学の観点から行う療育 ・様子を見ながら集団生活を送る訓練 ・保護者とのやり取りや適切な支援 |
認定心理士は、上記のようなサポートを子どもの気持ちに寄り添って行えます。
また、上記以外にも成長過程の子どもたちはさまざまな悩みや複雑な想いを抱えていることがあります。
そんな子どもたちと接する場面や保護者との面談、各機関との連携を必要とする場合でも教育心理学や発達心理学の基礎知識と技能は活きてくるでしょう。
身体や心に特性のみられる子どもと接する支援学級など、心理学の観点から適切なサポートができる人材は必要です。
認定心理士は、子どもと接する機会の多い職業とも相性が良く役に立つといえるでしょう。
一般企業と認定心理士
認定心理士は、よく気が付き気を配れるという細やかな配慮ができることから、医療や教育の現場に留まらず一般企業に勤めている方とも相性が良く役立つ場面もたくさんあります。
では実際にどのような所で役立てられるのか、具体例を見ていきましょう。
認定心理士の資格が一般企業で役立つ場面 |
・メンタル不調の社員との関わり方 ・新入社員の研修を行う時 ・営業職で多くの方と接する時 ・開発部門で消費者の心理を想像する時 ・社員が働きやすい職場づくりをする時 |
上記のように認定心理士の資格で学んだコミュニケーション力や観察力などの知識は、一般企業でもさまざまな場面で活きてきます。
企業で活躍が期待される場面についてこのような記載もありました。
・企業
仕事を行う現場だからこそ起こるお客様とのトラブルや従業員同士のハラスメントなど、あらゆる問題に対処できます。
(引用元:資格のキャリカレ公式HP)
上記のように、お客様とのトラブルや従業員同士のもめ事などの問題対処にも、心理学は役立てられますね。
特に、管理職の方やグループのリーダーなど社内の統率ができる方が認定心理士の資格所持者だと、社会心理学や産業心理学の基礎を活かしコミュニケーションを円滑にできるため、仕事が上手く回るでしょう。
認定心理士だけで心理職に就くことは難しいですが、他の職と組み合わせて多くのプラスアルファ要素を得られるため、一般の企業でも充分に役立てられる資格だといえます。
公務員と認定心理士
認定心理士は、国民を支え社会を回していく仕事をしている公務員でも役立てられる資格です。
実際には以下のような場面で、学んだ知識が活きてきます。
認定心理士の資格が公務員の仕事で役立つ場面 |
・地域の住民とのコミュニケーション ・困っている人の相談受付や面談 ・児童相談所で専門的なサポート ・お年寄りなどのよき話し相手になれる |
公務員には、地方自治体や警察官、消防士や自衛官などありますが、どれも地域の住民の生活を健やかなものにするべくして、人との関わりを多く持ちます。
その他にもこのような記載を設けているところもありました。
心理相談センター心の悩み相談を専業としている企業、国や市が運営する地域の相談センターなどで、即戦力として活躍できます。
(引用元:資格のキャリカレ公式HP)
認定心理士の資格所持者なら、地域住民との円滑なコミュニケーションを取ったり、困っている人の話を聞き解決へのサポートを行ったりも即戦力として自信を持って行えるでしょう。
また、地域の住民を支える仕事にあたるうち、業務にあたる社員がストレスを抱えてしまうこともあります。
管理職や育成を担当する方など、社員に気を配れる立場にある方が心理を学んでいると、社員のメンタルケアに役立てることもできるでしょう。
認定心理士を第一のステップとして公認心理士を取得すれば、公認心理士として地方公務員の道を目指すこともできます。
地方公務員の公認心理士に就ければ、地域の病院や支援センターなどで検査やカウンセリング業務を担当し、更なる住民の健やかな生活づくりに貢献できます。
認定心理士と公認心理士や臨床心理士の違いは?
認定心理士とよく比較される、公認心理士や臨床心理士との違いをいくつかの項目ごとに比較していきます。
認定心理士と公認心理士や臨床心理士の特徴の違いを比較 |
・国家資格なのか?民間資格なのか? ・資格取得の方法の違い ・主にどんな仕事に就いているのか ・合格率の違い(難易度の違い) ・就職してからの給料の違い |
認定心理士は、公認心理士や臨床心理士とよく比較されますが、国家資格は公認心理士のみで他は民間資格。
資格試験が無いのは認定心理士のみで、公認心理士や臨床心理士ともに資格取得には試験に受かる必要があります。
また、主な仕事内容については認定心理士は専門性が不足していることから他の職と組み合わせて仕事をしているのに対し、公認心理士と臨床心理士は心理学を存分に活かせる心理職に就いています。
給料に関しては公認心理士では平均の給料が360万円、臨床心理士では平均370円というデータがあります。(参照元:求人ボックス公式HP・indeed公式HP)
認定心理士は他の職と組み合わせて仕事に就いていることが多いため、残念ながら測定不能です。
以下で更に詳しくまとめましたので見ていきましょう。
心理士の資格種類別の特徴と比較
認定心理士とよく混同される、または比較される心理士系の資格に、公認心理士や臨床心理士があります。
これらの特徴を比較し以下の表にまとめました。
資格の種類 | 認定心理士の特徴 | 公認心理士の特徴 | 臨床心理士の特徴 |
民間資格or国家資格 | 民間資格 | 国家資格 | 民間資格 |
主な仕事 | 他の職と掛け合わせ多くの現場で心理の基礎を活かす
|
心理の専門家として5領域で活動する (医療/教育/産業/福祉/司法) |
心理の専門家として5領域で活動する (医療/教育/産業/福祉/司法) |
資格の取得方法 | ・4年制大学で必要単位を取得し卒業したのちに申請を行い認定されれば取得 | 1.大学及び大学院で必要な科目を取得し試験に合格 2.大学で必要科目を取得し卒業後、実務経験を2年積み試験に合格 3.1及び2と同等以上の能力の認定後、特別措置を受け試験に合格 |
1.新第一種指定大学院を卒業し試験に合格 2.新第二種指定大学院を卒業し心理臨床経験を1年以上積み、試験に合格 3.専門職大学院を卒業し試験に合格※その他いくつかの特別措置有り ※5年ごとに資格更新有り |
合格率 | 試験なし | 48.3%(令和4年度) 参照:厚生労働省HP |
64.8%(令和4年度) 参照:日本臨床心理士資格認定協会公式HP |
給料の平均 | 職種による | 全国平均360万円 (参照:求人ボックス公式HP) |
全国平均370万円 (参照:indeed公式HP) |
(参照:東京公認心理師協会公式HP・日本臨床心理士資格認定協会公式HP)
認定心理士と他心理系の資格の大きな違いとして、主な仕事や試験の有無が挙げられます。
公認心理士が特定の職業に絞られないのに対して、公認心理士や臨床心理士は心理の専門家として職に就いています。
また、認定心理士は資格の取得に試験がありません。
心理系の職に就きたいのであれば認定心理士の次に、公認心理士や臨床心理士の資格取得を目指すことをおすすめします。
公認心理士と臨床心理士の違いには、公認心理士は大学卒業が最低条件なのに対し臨床心理士は大学院卒業が最低条件という点や専門性の違いにあります。
臨床心理士は日本臨床心理会が発行する資格で国家資格ではありませんが、試験も筆記と面接の2回に分かれより専門性が求められます。
資格取得の合格率はどちらも60%以上と高めですが、決して難易度が低いというわけではありません。
試験に受験資格があり、大学や大学院でみっちり勉強している人々が受験しているからこその高めの合格率となっています。
認定心理士の資格に向いている人
認定心理士は、以下のような方に向いています。
認定心理士に向いている人 |
・心理学に興味があり知識を深めたい人 ・心理学の基礎を学び普段の生活や子育てに役立てたい人 ・他の職と組み合わせて仕事の幅を広げたい人 ・臨床心理士や公認心理士、心理カウセンラーを目指す人 |
認定心理士の資格は、心理学の基礎知識や技能をしっかりと身に付けられる資格です。
人と人とが関わる多くの場面で役に立ち、心理学の基礎を学べるため知識を深めたい人には持ってこいの資格でしょう。
また、資格単体での専門性は高くありませんが、臨床心理士や公認心理士を目指している方の第一ステップとしてもおすすめ。
ではその他にどのように役立てられるのでしょうか?
認定心理士の資格取得をしている人に向けた「知識や技能はどのように役立っているか」のアンケートでは以下のような回答が得られました。
回答 | 割合 |
物の味方や考え方に役立った | 76% |
知識を深めるために役立った | 75% |
人とのコミュニケーションに役立った | 51% |
人生や生活を考えるうえで役立った | 48% |
仕事をするうえで役立った | 41% |
他の資格を取得するうえで役立った | 12% |
グラフから分かる通り、75%以上が物の味方や考え方に役立った、知識を深めるために役立ったと答えています。
また、人とのコミュニケーションや人生や生活を考えるうえで役立ったと答えていることが、約半数いることが分かります。
これらのことから、認定心理士の資格は「物の見方や考え方の幅を広げたい人」や「知識を深めたい人」「人とのコミュニケーションを上手く取りたい人」に向いているといえますね。
仕事をするうえで役立ったと答えている人も41%で、心理学の知識を仕事に活かしたいと考えている人にもオススメできます。
仕事で活かせる場面は以下の通りです。
・看護や介護の患者やその家族の精神ケア
・教育の現場で子どもの心に寄り添う
・一般企業での新人指導や、消費者の気持ちを考える
・発達支援などの療育
看護や介護職の方であれば気付く力の高さやカウンセリングの基礎知識を活かし、適切な方法で患者やその家族の精神ケアを行えます。
看護師や介護職のスキルアップにと取得される方や、転職の際でも優遇されるケースもある非常に相性の良い職業です。
その他にも教育や療育の現場で働く方が認定心理士の資格を取得すると、児童心理学や発達心理学の知識や技能を活かした対応や支援ができるようになり仕事の幅が広がります。
一般企業の営業職なら人との円滑なコミュニケーションを図るために役立てられます。
上司から部下への指導や開発に携わる部署では消費者の心理を考える場面になど、多くのシーンで心理学の知識やスキルを活かせることでしょう。
難しい試験も無く、大学で単位を取得すれば得られる資格なので社会人でも難易度は高くありません。
また、これから他の心理系の資格取得を考えている人の最初のステップとしてもおすすめです。
公認心理士の資格に向いている人
公認心理士の資格は、以下のような人に向いています。
公認心理士の資格に向いている人 |
・カウンセラーや心理の専門家として活躍したい人 ・心に負った傷の痛みが分かる人 ・人の心理に興味があり根気強く学び続けられる人 ・客観性を持ち自身の気持ちを保てる人 |
公認心理士の資格は心理系の国家資格として、2017年に初めて生まれた資格です。
心理の専門家として、病院や学校、福祉施設などで心理職に就けるため、その道を目指したい方には必要な資格でしょう。
しかし、認定心理士は資格取得にかかる時間が長く、国家試験に合格する必要もあるため道のりは簡単ではありません。
上記の通り、多くの人が選択するであろうAルートでは最低でも6年は心理学を学ばなければ資格試験を受験できません。
そのため、根気強く心理学の勉強に打ち込めるタイプの人に向いているといえるでしょう。
実際に公認心理士の資格取った人は、以下のような職に就き心理学の専門家として活躍しています。
5つの分野 | 公認心理士が活躍している職場 |
---|---|
保健医療分野 | 病院・診療所(精神科、心療内科等)、保健所、精神保健福祉センターなど |
福祉分野 | 児童相談所、心身障害者福祉センター、女性相談センター、老人福祉施設、児童自立支援施設など |
教育分野 | 学校内の相談室(スクールカウンセラー)、大学の学生相談室、教育センターなど |
司法・犯罪分野 | 家庭裁判所、少年鑑別所、少年院、保護観察所、刑務所など |
産業・労働分野 | 企業内相談室、企業内健康管理センター、安全保健センター、ハローワークなど |
(引用元:放送大学公式HP)
上記のような職に就きたいと考えている方も公認心理士の資格取得に向いているでしょう。
受験資格が限定的なため、試験の合格率は8割近くあり試験自体は難しくありません。
国家資格として信頼が高く、就職や転職にも非常に優位に働いてくれます。
患者に寄り添う気持ちや思いやる気持ち、手助けをしてあげたいというのも非常に重要な適正です。
プラスして客観性をもち、患者との線引きができる人にも向いているでしょう。
臨床心理士の資格に向いている人
臨床心理士の資格は、以下のような人に向いているでしょう。
認定心理士の資格に向いている人 |
・コミュニケーションを上手く取りながら患者と向き合える人 ・心理に興味があり、勉強熱心で向上心もある人 ・観察力に優れ倫理観を持っている人 ・心理職で活躍していきたい人 |
臨床心理士は、患者と直接コミュニケーションを図りながらカウンセリングを進め、最善策を提案し実証していく必要があります。
大学及び大学院で6年間みっちり学ばなければ取得できないため、公認心理士同様に根気も必要な資格です。
心理への関心が高く心の専門家として多くの人の役に立ちたい、という気持ち以外にも根気よく学び続けられる人に向いています。
また、表情やしぐさから患者の気持ちを察したサポートを行う必要があるため、観察力も必要不可欠です。
患者の人権を尊重し、自分の考えを強制しないなどの高い倫理観を持っていることも必要な適正要素でしょう。
臨床心理士は取得すると以下のような専門の場で活動できるようになります。
臨床心理士の活動の場 |
・福祉 ・教育 ・産業・労働 ・私設心理相談 ・大学・研究所 ・司法・法務・警察 ・医療・保険 |
上記のような場で心理学の専門家として活動をしていきたい人にも向いています。
臨床心理士は、心理職の国家資格公認心理士が活躍しだす前から認知されてきた資格です。
しかし、現在仕事内容を見ても臨床心理士と公認心理士に大きな違いはないといえます。
そういった背景も考えながら、自分により合った資格を考えていくといいでしょう。
心理職を目指すなら公認心理士か臨床心理士の資格が必須
心理系の資格を取得し専門性のある心理職を目指すのなら、認定心理士を第一歩として公認心理士や臨床心理士の資格取得をすることが必要となります。
認定心理士を認定している日本心理学会にも以下の記載があります。
Q1_5: 認定心理士ってどんな仕事ができるのですか?
A1_5: 認定心理士は心理学の基礎資格であり,職能の資格ではありません。大学で心理学を専門科目としているということは証明されますので,そのことを生かした仕事は出来ると思われます。
(引用元:日本心理学会公式HP)
日本心理学会のいうように、認定心理士は職能資格ではなく資格単体で職に就くのは難しいといえるでしょう。
心理カウンセラーには簡単な資格で就けるものもありますが、より専門性の高い職には求人で見ても公認心理士か臨終心理士の資格所持が必須です。
見た目には分からない傷を負った多くの人の心を救う心理職です。
きめ細やかな接し方や対処法を適切に行うには専門知識が不可欠。
心理職を目指す方は、認定心理士の資格を足掛かりとしさらに上位の資格取得を考えてみてはいかがでしょうか。
認定心理士の資格を取るメリット3選
認定心理士の資格を取るメリットを3つご紹介していきます。
・大学で心理学の基礎知識を学んだ証明になる
・あらゆる職と組み合わせて現場で活かせる
・普段の生活にも役立てられる
認定心理士の資格を取るメリットは3つ挙げられます。
まず認定心理士の資格が、大学でしっかりと基礎を学び、その知識や技能が身に付いている証明となることです。
次に、4年間しっかりと学んだ心理の基礎を活かした観点から、多くの仕事と組み合わせて役立てられる点です。
最後に心理の基礎知識には、気付く力や共感する力、精神力の高さを身に付ける学びがありそれらを活かし普段の生活にも役立てられることが挙げられるでしょう。
以下で詳しく見ていきます。
大学で心理学の基礎知識を学んだ証明になる
認定心理士の資格は、大学で4年間に渡り心理学を基礎からしっかりと学び、修了していることの証明書となります。
心理学の基礎を学び修得していることは、修得していない人に比べて大きなアピールポイントとなり、多くの職場で有利に働くことでしょう。
心理とは奥が深く一朝一夕で身に付くものではありません。
それらを根気強く学び続けたことは、どの職を目指す方にもアピールできることであり、心理学の知識はさまざまな職種でも活用できる汎用性を持ちます。
あらゆる職と組み合わせて現場で活かせる
心理学で学んだ基礎知識は、医療の現場だけでなく教育や介護、一般企業のメンタルケアとしても役立てられます。
現代、メンタルケアを必要とするのは医療だけではありません。
お子さんから大人まで、幅広い年代の方が悩みや苦しみを抱えており、多くの人がメンタルケアを必要としています。
心理学の基礎知識や培った技能は、悩みを抱えている人のサポートをする事に役立てられるでしょう。
普段の生活にも役立てられる
認定心理士の資格は気付く力に特化しているため、普段の生活の中での細かな気付きや子育てにも活かせます。
心理学の基礎には、気付く力、共感する力、精神力の高さを鍛えるといった将来カウンセラーへの道も開けるカリキュラムも含まれています。
普段の生活で身近の人に変化に気づく、子育てにおいて細やかな意思疎通が図れる、といった能力を身に付けられます。
心理学の知識や技能は、他人だけでなく身近な人にも活かせることでしょう。
認定心理士の資格を取るデメリット3選
認定心理士の資格を取るデメリットを3つご紹介していきます。
・認定心理士の資格単体では専門性が低い
・資格取得の労力に見合わない
・認定心理カウンセラーや他の心理系民間資格との差別化が難しい
認定心理士の資格を取るデメリットは3点挙げられます。
認定心理士の資格単体では専門性が低いと捉えられてしまう点、資格取得にかかる労力や金額が大きい点、他にも心理系の資格が多数存在しているため差別化が難しいという点です。
以下で詳しく見ていきましょう。
認定心理士の資格単体では専門性が低い
認定心理士は、公認心理士や臨床心理士と比べると専門性が低いと判断され、資格単体では就職に活かせないことがほとんどです。
特に、認定心理士の資格単体で心理職に就くのはかなり難しいといえます。
求人で心理職を探した時、特に必須とされる資格には認定心理士ではなく公認心理士や臨床心理士が挙げられます。
心理系の職種を目指すのなら認定心理士を第一のステップと考えて、公認心理士や臨床心理士を取得し更なるステップに進むことをおすすめします。
資格取得の労力に見合わない可能性がある
認定心理士の資格を取得申請するには大学で4年間学び単位を取得する必要があるため、労力がとても大きくかかります。
金銭的な負担も大きく、大学入学から資格認定料までおよそ75万円。
その見返りとして、認定心理士の資格単体では労力に反してリターンが見合わない可能性があります。
ただし、その後の更なる学びを続け公認心理士や臨床心理士などの他の資格取得をし、心理に関する医療の現場で働いていくなら認定心理士の資格取得は非常に有効であるといえるでしょう。
さらに、今の仕事に活かせる資格を取りたいとして看護職や介護職の方が働きながら資格取得を目指すケースもあります。
目的によってはリターンが少ない可能性がありますが、今の職場で仕事の幅を広げたいなどの場合にもおすすめできます。
何を目的として資格取得を目指すのか、そこが大事なポイントとなるでしょう。
認定心理カウンセラーや他の心理系民間資格との差別化が難しい
認定心理士は、多くある心理系の資格の一つですが、他にも似た名前や意味合いを持つ心理系の資格がありそれらとの差別化が困難です。
認定心理士は、4年大学に通い36以上の必要単位を取得しなければ資格を得られません。
しかし通信教育や通信講座で得られる資格に、基礎を学べて心理カウンセラーとして活躍できる資格があります。
通信教育で取得できる資格 | 認定団体 | 主な仕事 |
メンタルケアカウンセラー | メンタルケア学術学会 | 心理学の入門知識がある証明 |
メンタルケア心理士 | メンタルケア学術学会 | カウンセラー |
メンタルケア心理専門士 | メンタルケア学術学会 | カウンセラー |
こころ検定 (文部科学省後援) |
メンタルケア学術学会 | 心理学の知識・技能を有しているかの証明 |
メンタル心理ヘルスカウンセラー | 日本メディカル心理セラピー協会 | カウンセラー |
メンタル心理インストラクター | 日本インストラクター技術協会 | 講師活動が可能 |
メンタルケア心理士やメンタルケア心理専門士、メンタル心理ヘルスカウンセラーなどは、資格取得後カウンセラーとして仕事に就けます。
認定心理士と似ている点も多く、差別化が困難だといえるでしょう。
もちろん、大学で4年間学ぶ認定心理士とは知識量が違う点は明確ですが、早く心理カウンセラーとして活躍したい、大学に通うお金や時間がないといった方には他の資格の方が良い場合もあるのではないでしょうか。
認定心理士の資格を取るメリットとデメリットまとめ
認定心理士の資格を取るメリットとデメリットを以下の表にまとめました。
認定心理士のメリット3選 | 認定心理士のデメリット3選 |
・大学で4年間、心理学の基礎知識を学んだ証明になる ・あらゆる職と組み合わせて現場で活かせる ・育児や普段の生活にも役立てられる |
・認定心理士の資格単体では専門性が低いと判断される ・資格取得の労力が大きく、その価値に見合わない ・認定心理カウンセラーや、他の心理系の民間資格との差別化が難しい |
認定心理士は、4年間しっかりと心理学を学んだという証明になり、さまざまな職との組み合わせや日常生活で役立てられるメリットがあります。
心理学の基礎で得た学びは、多くの人のメンタルサポートに活用できるでしょう。
しかし、認定心理士の資格単体では公認心理士や臨床心理士に比べ専門性が低いと判断され、就活や転職でも活かすことが難しいというデメリットも。
目的をしっかりと見定めた資格選びが重要となります。
今回ご紹介した認定心理士の資格を取るメリットとデメリットを踏まえて、ぜひ自分に合った資格取得を検討してみてください。
認定心理士の資格は就職に有利か?
認定心理士の資格だけでは、就職や転職には活かせないことがほとんどです。
「就職活動にあたり、認定心理士の資格は有効か」というアンケートが、放送代学で認定心理士の資格所持者に向けて行われました。
結果は以下の通りです。
就職活動にあたり、認定心理士の資格は有効でしたか? | 割合 |
わからない | 63% |
有効だった | 21% |
役に立たなかった | 16% |
(引用元:放送大学公式HP)
全体の8割がわからない、もしくは役に立たなかったと回答しており有効だと答えたのはわずか2割という結果に。
また、認定心理士の資格認定を行っている日本心理学会にも以下の記載があります。
Q1_6: 認定心理士の資格を取得すれば就職できますか?
A1_6: 認定心理士は心理学の基礎資格であり,職能の資格ではありません。大学で心理学を専門科目としているということは証明されますので,そのことを生かした仕事は出来ると思われます。
(引用元:日本心理学会公式HP)
このことからも、認定心理士の資格は就職や転職において有力な武器にはなりえないといえるでしょう。
しかし、認定心理士の資格は4年間大学で心理学を学び、必要な単位を修得しなければ得られません。
心理学への強い関心やそれをやり遂げた忍耐力、そして心理学の基礎知識や技能を認められ認定心理士の資格を得ていることは大きなアピールポイントになります。
心理職への就職は難しいですが、心理学の基礎知識を活かせる他の職種を希望している際には非常に有力となると考えられます。
認定心理士の資格でなれる公務員は?
認定心理士の資格でなれる公務員はありません。
心理職の公務員になりたいのであれば、認定心理士を基礎の知識として他の心理系の資格を取得すれば目指すことは可能です。
また、心理職の公務員でなくとも認定心理士の資格をアピールポイントとして公務員を目指すのも良いでしょう。
認定心理士の資格は、心理学の基礎を学び修得できるものです。
心理学は医療の現場だけでなく、さまざまな仕事を円滑に進めるために活用できます。
人とのコミュニケーション能力や小さな変化への気付き、心理学の基礎知識は地域の住民との関わりにも非常に重要であると考えて良いでしょう。
認定心理士の将来性は?
認定心理士の将来性は、ストレスを溜め込み心の問題が多発している現代、将来は明るいといえるでしょう。
心の病気は年々増加しており、2017年に厚生労働省が行った「心の病気の患者数」の調査では、以下のような結果が出ています。
1996年(平成8年) | 統合失調症・気分障害・神経症性障害など合わせておよそ162万人 |
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2017年(平成29年) | 統合失調症・気分障害・神経症性障害など合わせておよそ290万人 |
グラフや表を見て分かる通り、患者は年を追って増加傾向にあり21年間の間におよそ128万人も心に病気を抱える人が増えています。
近年、AIの発展が目覚ましく人と成り代われる部分に関しては生活に多く取り入れられています。
しかし、心の問題については細やかな気付きや高い人間性、円滑なコミュニケーションをはかれる心理学を学んだ人材が必要不可欠。
心理学の基礎で学んだ気付く力、コミュニケーション能力は多くの人を救う手立てとなるでしょう。
心の病を抱えている人に向けた心理カウンセリングは機械が代われる仕事ではないため、心理学の基礎知識を持ち今後にも大きな可能性を秘めている認定心理士の将来性は、明るいといえます。
認定心理士の資格だけでなく、公認心理士や臨床心理士といった他の資格と合わせると、さらに将来性も明るくキャリアも安泰です。
認定心理士の資格や仕事に関するよくある質問
認定心理士の資格や仕事のよくある質問 |
・認定心理士から公認心理師になるにはどうしたらいい? ・認定心理士の資格申請はめんどくさいの? ・認定心理士の求人は東京や札幌でも少ないって本当? ・認定心理士の年収はどれくらい? ・放送大学で認定心理士の資格が取れるの? |
認定心理士の資格や仕事に関するよくある質問に答えていきます。
認定心理士から公認心理師になるにはどうしたらいい?
認定心理士から公認心理士になるには、大学で必要単位を新たに取得し大学院での必要単位を満たし公認心理士試験に合格する必要があります。
公認心理士の受験資格は以下の通りです。
公認心理士の受験資格 |
1.大学及び大学院で必要な科目を取得し試験に合格 2.大学で必要科目を取得し卒業後、実務経験を2年積み試験に合格 3.1及び2と同等以上の能力の認定後、特別措置を受け試験に合格 |
1の必要な科目は、認定心理士は資格取得条件の大学履修単位が36以上なのに対し、公認心理士は52単位です。
そして、認定心理士の単位と被っているものもありますが、そうでないものもあります。
認定心理士の資格取得の際に取得している単位と照らし合わせて、不足分を補いましょう。
認定心理士の資格申請はめんどくさいの?
認定心理士の資格申請方法は、申請書を書いて郵送する、もしくは電子申請で必要な項目に記入し提出するもので、しっかりと手順を踏めばめんどくさいものではありません。
めんどくさいといわれる由縁には、取得した科目などを細かく書く必要や、不備や不足があった際には都度修正が必要となるためでしょう。
手間はかかりますが、用意する書類や手順や記載例もしっかりと用意されているためスムーズに行えます。
やり方は簡単で、申請書を入手し必要項目を記載、必要な書類と共に郵送するだけ。
必要な書類は以下の通りです。
これらを用意し過不足の無いように記載及び同封郵送し、結果を待ちます。
電子申請の場合は審査料の振り込みまでネット上で完結します。
日本心理学会の公式HPで詳しくやり方を説明しているので、そちらをご覧いただければ迷うことなく申請を行えるでしょう。
認定心理士だけでは東京や札幌でも求人が無いの?
認定心理士は、あくまでも基礎も学んだ証明となる資格のため、認定心理士の資格単体で募集している求人は見つかりにくいでしょう。
相性の良いとされる看護職や介護職、教育支援などの求人では、認定心理士の資格所持者を歓迎して募集している所もあります。
しかし、心理系の資格にはより専門性の高い臨床心理士や公認心理士があり、心理職の求人ではそれらが挙げられることが多くみられます。
そのため、認定心理士の資格で募集をしている求人は極めて少ないでしょう。
認定心理士の年収はどれくらい?
認定心理士の年収は、認定心理士という職がないことや、就いている職により収入が変わるため計測ができません。
認定心理士は大学で4年間基礎を学んだ証明で、資格単体で心理職に就けるような専門性はありません。
認定心理士はいろいろな職と組み合わせて心理学の基礎を活かして働く、更に上の資格を目指す足掛かりとして取得される方がほとんど。
そのため、職業もバラバラなことが多く年収もさまざまです。
放送大学で認定心理士の資格が取れるの?
認定心理士の資格は放送大学で取得できます。
放送大学では、忙しい社会人の学生でも認定心理士の資格を取得しやすく認定心理士単位表作成ツールを配布しており、履修計画が簡単に立てられるようにしています。
また、学習の計画についても以下のようなアドバイスを設けています。
学習計画について
- 実験や実習は、急に履修するのは難しいので、入学当初から計画を立てて勉強することが大切です。
- どの科目を選ぶべきか、説明会などに参加して助言を受けながら、計画的に単位を修得してください。
- たくさんの単位を修得するのは大変ですが、あきらめずにがんばってください。
- 単位修得のためにギリギリの勉強をするだけでなく、幅広い知識を学んでほしいです。
(引用元:放送大学公式HP)
さらに、放送大学では認定心理士だけでなく公認心理士や臨床心理士の資格取得支援にも力を入れており、学部段階カリキュラムなどを行っています。
学費も他の大学の1/3程度であることから、放送大学は非常に認定心理士を取得しやすい方法であるといえるでしょう。
まとめ:認定心理士は何をする仕事?資格取得は難しいのか?
心理系の資格の中でも比較的知名度も高く試験も無い認定心理士。
認定心理士という仕事はありませんが、大学で4年間基礎を学んだ証明となる有効な資格です。
資格取得には以下の条件が必須。
これから心理職を目指す方、今の職と組み合わせて仕事の幅を広げていきたい方、子育てや日頃の人間関係にも活用できる素晴らしい資格です。
ぜひ、本記事の内容を参考に資格取得について考えてみてください。
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