通関士は、国際貿易の際にかかせない国家資格の一つです。
通関士を目指す人の中には「通関士の難易度って高い?」「どう勉強したらいいの?」といった、通関士試験に関する疑問や悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、通関士の仕事内容や年収をはじめ、通関士試験の内容や合格率・勉強方法についても解説しています。
また、通関士試験は独学できるのか・通信講座を利用する場合どこがおすすめなのかも紹介しています。
お読みいただければ、通関士の仕事内容をより理解し、通関士試験に向けた勉強方法・通信講座を押さえられるでしょう。
なお、通関士の通信講座の中ではアガルートの講座がおすすめです。
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通関士とは?
通関士とは、日本が外国と貿易する際の通関業務にかかせない存在です。
日本の企業が外国と貿易取引し、商品の輸出入を行うときは税関に申告・許可を得らなければいけません。
輸出入手続きは高度な知識を要するため、専門企業に代行を依頼している企業が多くあります。
そして、企業の依頼を代行するのが「通関業者」であり、書類審査を行うのが「通関士」です。
通関士は通関業者以外にも、海外取引を行う商社や航空会社・旅行会社など、さまざまな場所で活躍できる場所が豊富です。
また、日本と海外の貿易を繋ぐ役割があるため、国際的な職に興味がある人にもおすすめできます。
年1回実施されている「通関士試験」に合格すれば、さまざまな場所で知識を発揮できるでしょう。
輸出入のときに手続きを行う貿易のスペシャリスト
通関士は、日本と海外で商品を輸出入する際の手続きを行う人材です。
例えば、物流業者から輸出入手続きの委託を受けたら、通関士は業者に代わって税関へ提出する書類の作成・通関手続きを行います。
通関士とは、国家試験である通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者をいいます。
通関業務に関する専門的知識、経験を有する専門家として、原則として通関業務を行う営業所ごとに通関士を置き、税関官署に提出する申告書類等の内容を審査させなければならないこととされています。(一部抜粋)
(引用元:財務省公式サイト)
財務省公式サイトには、上記のように「通関士は国家試験に合格したのち、通関業務に関する専門家として税関に提出する書類を審査する」と記載されています。
さらに「通関書類の審査」「通関書類への記名・押印」は、通関士の独占業務です。
通関書類の審査・記名などは、通関士の資格を保有している方しか行えません。
また、貿易業界の中で唯一独占業務を持っている国家資格でもあり、国際貿易を行う物流業者や航空会社では通関士の存在は必須といえます。
「財務省に認められた国家資格」「通関書類審査・作成の独占業務を持っている」といった観点から、通関士は貿易に関するスペシャリストといえるでしょう。
就職先は運送業や物流業者・航空会社など様々
通関士の就職先は通関業者だけでなく、以下のような企業もあげられます。
- 商社
- 航空会社
- 船舶会社
- 物流関連
- メーカー
- 旅行会社
例えば、海外取引を行う商社の場合、通関手続きに詳しい人材が求めている企業もあります。
また、国際貨物を扱う航空会社や船舶会社も通関業務を行う企業です。
「通関業務を行う企業は原則通関士を置き、書類審査させなければならない」と財務省に定められているため、通関士の資格保有者は航空・船舶会社でも就職できます。
求人ボックスでは、2023年6月時点で以下のような求人が出されており、通関士がさまざまな場所で活躍できる資格だとわかります。
勤務先 | 年収 | 雇用形態 | 仕事内容 |
通関士 物流大手(静岡県) | 350万円~500万円 | 正社員 | 通関士として税関に対する輸出入などの許可手続き業務 |
通関士 ANAグループ(東京都・大阪府) | 400万円~600万円 | 正社員 | ANAグループでの通関業務 |
(参考:求人ボックス)
同じ通関業務でも航空会社や物流関係などの企業も求人を出しており、通関士を求めている企業はさまざまあるといえます。
通関業者だけではなく、商社や航空関係などで勤務してみたい人にもおすすめできる資格です。
国際的な職に興味のある人におすすめ
通関士の仕事は、主に輸出入に関する手続きや書類作成などが多く、国際取引や海外情勢に関する知識も求められます。
そのため、以下のような方に通関士はおすすめできます。
- 国際的な職に興味がある
- 最新の世界情報を知りたい
- 細かい作業を続けられる
通関士は、貿易の世界情勢を把握し、知識を広げていくことが欠かせないため最新の世界情報を知りたい人にはおすすめできるでしょう。
また、就職する企業によっては日本と海外に拠点を置いている場合もあり、将来的に海外勤務の道も考えられます。
例えば、求人ボックスに公開されている「ANAグループ」の求人には、以下のように記載されています。
海外にも拠点があり、将来的には海外勤務の道もあります。
(引用元:求人ボックス内求人情報)
上記の内容から、英語を活用したり将来的に海外でも勤務できる職に興味のある人は、通関士の仕事をおすすめできるといえるでしょう。
通関士試験は年1回実施
通関士になるには、年1回実施されている「通関士試験」に合格しなければいけません。
通関士試験は、毎年10月の第一日曜日もしくは第二日曜日に行われる場合がほとんどです。
なお試験会場は、税関のある全国13都道府県で行われており、例えば以下表の県で実施しています。
試験実施地 | 受験願書の提出先 |
北海道 | 函館税関通関業監督官 |
東京都 | 東京税関通関業監督官 |
宮城県 | 横浜税関通関業監督官 |
大阪府 | 大阪税関通関業監督官 |
福岡県 | 門司税関通関業監督官 |
(参考:財務省公式サイト)
通関士試験の試験問題は、財務大臣が決定し、試験は各税関長により実施されています。
通関士の平均年収は408万円から580万円程度
通関士平均年収を調査したところ、2023年5月時点で求人ボックスに掲載されている求人情報では408万円程度であるとわかりました。
月給換算するとおよそ34万円であり、初任給は21万円程度が相場です。
通関士の仕事の平均年収は約408万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。
月給で換算すると34万円、初任給は21万円程度が相場のようで、派遣社員では平均時給が1,596円となっています。
(引用元:求人ボックス)
また、厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagでは、通関士の年収に関して以下の通り記載されていました。
賃金(年収) | |
全国(42歳) | 579.8万円 |
東京都(40.5歳) | 650.7万円 |
(参考:職業情報提供サイトjobtag)
求人ボックスで得た情報と比べると、年収に100万円以上の差があります。
しかし、職業情報提供サイトjobtagの場合、40代通関士の平均年収となっているため年齢による年収差があると考えられるでしょう。
そして、通関士の就業形態を見てみると、以下のように正社員の割合が多くありますが、パートや派遣社員・契約社員など雇用形態はさまざまです。
一般的な就業形態 | |
正規の職員・従業員 | 90.7% |
パートタイマー | 5.6% |
派遣社員 | 7.4% |
契約社員・期間従業員 | 9.3% |
自営・フリーランス | 1.9% |
アルバイト・学生 | 1.9% |
(参考:職業情報提供サイトjobtag)
パートタイムや派遣社員の場合、時給によって給与が決まるため、年収も人それぞれだと考えられます。
通関士の年収は平均408万円程度ですが、年齢や雇用形態などで年収580万円程度も見込める仕事であるといえるでしょう。
通関士試験はどんな試験?
通関士試験は、通関士になるために必要な法律の知識・能力があるか問われる国家試験です。
「通関業法」「関税に関する法律等」「通関実務」の3科目をマークシート方式で行われます。
試験形式はマークシート方式であるものの、問題に対して答えがひとつとは限らない・答えがない場合もあるなど、曖昧に解答できない仕組みです。
なお、通関士試験は例年10月の第一日曜日もしくは第二日曜日に実施しています。
したがって2024年の試験も、何らかの事由がない限り10月第一日曜日・第二日曜日に行われると考えられるでしょう。
試験科目
通関士試験の試験科目は以下の通りです。
試験科目 | 試験時間 |
①通関業法 | 9:30~10:30 |
②関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る) | 11:00~12:40 |
③通関書類の作成要領その他通関手続の実務 | 13:50~15:30 |
(参考:財務省公式サイト)
通関士試験の試験科目は「通関業法」「関税に関する法律等」「通関実務」の3種類あります。
「通関業法」は、通関業務を行う上で規定を定め、業務の適正化を図るために制定された法律です。
通関士になるために必要な知識の基礎といえる科目になるため、しっかりと覚えておく必要があります。
「関税に関する法律等」は、関税法や関税定率法などさまざまな法律の範囲が含まれている科目です。
通関業法に比べると範囲が広いため、試験対策が大変な科目でもあります。
「通関実務」は、3科目の中で一番難易度が高い科目です。
実際に輸出入する際に必要な書類作成ができるか判断される科目なため、通関業法・関税法などで学んだ知識をどう応用できるかが難易度を高くしていると考えられます。
科目数は少ないですが、法律に関する内容であるため基礎をしっかりと理解し、応用できるかが肝になってくるでしょう。
試験形式
通関士試験の試験形式・配点は以下の通りです。
試験科目 | 出題形式、配点及び出題数 | |||
選択式 | 択一式 | 計算式 | 選択式・計算式 | |
1.通関業法 | 35点(10問) | 10点(10問) | – | – |
2.関税法等 | 45点(15問) | 15点(15問) | ||
3.通関書類の作成要領その他通関手続の実務 | ||||
|
– | 20点(2問) | ||
|
10点(5問) | 5点(5問) | – | – |
(参考:財務省公式サイト)
通関士試験は、3科目とも筆記(マークシート方式)で行い、出題方式には以下のものがあります。
- 択一式(五肢択一で該当するものがない場合は0をマークする)
- 選択式(語群選択式と複数選択式の2種類ある)
- 計算式(貨物の価格・税額を計算後、正しい額をマークする)
- 申告書作成(資料から貨物を分類、価格なども計算し正しい額をマークする)
通関士試験はマークシート方式ではあるものの、すべての問題ひとつに答えがひとつ与えられているわけではありません。
答えが試験用紙内に存在していない場合は0をマークする、複数答えを選択するなど、勘で解答できない形式です。
受験資格
通関士試験に受験資格はありません。
学歴や年齢・国籍などに制限がないため、通関士に興味のある方ならだれでも挑戦できる試験です。
受験費用
通関士試験の受験費用は2,900円(税込)です。
書面またはNACCS(オンライン)のどちらかで願書を提出したあとに、受験費用を納付します。
オンラインで申し込みする場合は、以下の流れで行います。
- 受験地を決める
- NACCSの利用申し込み手続きを済ませる
- 受験願書をNACSSへ提出する
- NACSSからの連絡に従い、受験費用(2,900円)を電子納付する
- 受験地を管轄している税関へ受験票を提出する
受験費用の納付・受験票の提出ができるまでは受理されないため、事前に受付期間を確認し、余裕をもって申し込みを行いましょう。
2024年の通関士試験日は?
2024年の通関士試験日は、2024年10月6日(日)です。
通関士試験は毎年10月の第一日曜日もしくは第二日曜日に実施しています。
何らかの事由がない限り、次回の試験も例年同様10月上旬実施になるでしょう。
通関士試験を受験したい方は、税関・財務省公式サイトをチェックしておきましょう。
通関士試験の難易度が高い理由は?
通関士試験の難易度が高い理由は「貿易・法律専門用語が多い」「応用力が必要」などが考えられます。
通関士試験をはじめて受験する方にとって、専門用語の理解は大きな壁になりやすいでしょう。
日常的に使わない法律用語や輸出入に関する専門用語は、理解しにくい、かつイメージしづらい点があります。
さらに、最初の段階で専門用語を理解していないと後の勉強が順調に進まなくなるため、法律関係の勉強に触れていない方にとっては、難易度が高い勉強といえます。
貿易や法律の専門用語が多い
通関士は、日本と海外の輸出入手続きを行うために書類作成や審査を行う業種です。
そのため、貿易や法律に関する専門用語をしっかり理解しておかなければいけません。
貿易・法律の知識が少ない方にとって、日常で使用しない専門用語は覚えにくく、イメージもしづらい点があります。
通信講座のユーキャンやフォーサイトでは、通関士試験の難易度について以下の通り記載されていました。
通関士試験の問題には、一度も聞いたことがないような法律用語、税関や輸出入に関する専門用語が出てくるので、一般にはなじみにくい内容といえます。
(引用元:ユーキャン公式サイト)
そもそも法律問題は、どんな資格試験の問題であっても対応が難しいと言われています。法律の文章には、非常に分かりにくい言い回しや、あまり見慣れない専門用語や単語が登場します。
大学等で法律の勉強をした方や、普段から法律に関する仕事をしている方以外には、なかなかとっつきにくい問題が多くなります。
(引用元:フォーサイト公式サイト)
上記の内容から、法律や貿易の専門用語は「一般的に馴染みにくい・言い回しがわかりにくいものである」とわかります。
最初の学習段階で貿易や法律の専門用語を理解していなければ、後の通関実務の勉強が進みづらくなるため、初めて通関士試験に挑戦する方にとっては難易度が高いでしょう。
覚えた知識の応用力が必要
通関士試験の試験科目の中には「通関実務」があります。
通関実務は、覚えた知識・専門用語を使って実際の現場で書類を作成できるか判断される科目です。
そのため、単純に貿易や法律に関する知識を習得すればよいわけではなく、覚えた知識を応用できる力を身に付けなければいけません。
新しい知識を単純に暗記するだけであれば、ある程度誰でも挑戦できますが、通関に関する法律や専門用語など、新たに覚えた知識に関してその内容をしっかり理解し、実務の中で活用していけるレベルまでにするには、やはり時間と根気が必要になります。
(引用元:フォーサイト公式サイト)
覚えた知識を実務で活かせるようになるためには、時間・根気が必要であると、フォーサイト公式サイトにも記載されています。
通関士に必要な知識・専門用語をしっかりと理解し、実務で応用できるように根気よく学習を継続させましょう。
法改正するたびに対応が必要
通関士試験は、試験が実施される7月1日現在で施行されている法律・政令・省令などが出題範囲です。
そのため、その年の法律や政令などが改正または更新されるたびに、学習内容も臨機応変に対応しなければいけません。
通関士試験の出題範囲になるのは、その年の7月1日現在で施行されている法律とその関係政令、省例、告示・通達です。これらが改正・更新されるたびに、勉強する内容も変わることになります。
自分で最新情報をチェックするのは手間がかかるうえ、法改正のタイミングによっては試験範囲に含まれるかどうかの判断も必要です。独学で資格取得を目指す人にとっては、出題範囲を把握するだけでも負担になるでしょう。
(引用元:ユーキャン公式サイト)
上記ユーキャンの引用文から読み取れるように、法改正のタイミングによって試験範囲に含まれるかの判断は必須です。
通信講座や予備校に通っている場合は、法改正の情報も入ってきやすいですが、独学の方はすべて自分でチェックしなければいけません。
法改正しているのに気づかず学習を続けてしまうと、本試験の際に解答できない問題が出てくる可能性も考えられます。
学習しながら常に最新情報を気にしなければいけないのも、通関士試験の難易度が高い理由のひとつといえるでしょう。
通関士試験の合格率は平均15%前後
通関士試験2023年から2016年まで、過去7年間の平均合格率は15.8%でした。
年度によって多少合格率の変動はあるものの、平均15.8%と考えると通関士試験の難易度は高めと考えられます。
合格率が低めの理由としては、法律関係の専門用語の多さ・知識の応用力が必要な点に加えて、合格基準点も関係しているでしょう。
通関士試験の合格基準点は、3科目それぞれ満点の60%以上です。
ひとつでも60%以下の科目があれば合格とみなされないため、3科目とも点数を獲得できる力を身に付けておかなければいけない点も、合格率の低さにつながっていると考えられるでしょう。
合格率
2023年(令和5年)から2016年(平成28年)までの、通関士試験合格率は以下の通りです。
開催年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
2023年 | 6,332人 | 1,534人 | 24.2% |
2022年 | 6,336人 | 1,212人 | 19.1% |
2021年 | 6,961人 | 1,097人 | 15.8% |
2020年 | 6,745人 | 1,140人 | 16.9% |
2019年 | 6,388人 | 878人 | 13.7% |
2018年 | 6,218人 | 905人 | 14.6% |
2017年 | 6,535人 | 1,392人 | 21.3% |
2016年 | 6,997人 | 688人 | 9.8% |
(参考:税関公式サイト)
過去7年間の通関士試験合格率を比較すると、9.8%から24.2%と差があるものの、およそ15%前後の年が多めとわかります。
なお、7年間の平均合格率は15.8%です。
年度によって合格率の変動はあるものの、平均15.8%と考えると通関士試験の難易度は高めと考えられるでしょう。
通関士試験の合格率が低い理由
通関士試験の合格率が低い理由として、法律や貿易の専門用語の多さ・応用力が必要のほかに「合格基準点」にも注目しましょう。
通関士試験の試験科目は、それぞれに合格基準点が設定されています。
合格基準:通関業法、関税法等、通関書類の作成要領その他通関手続の実務のいずれも満点の60%以上。
(引用元:税関公式サイト)
試験科目 | 配点 | 合格基準点 |
通関業法 | 45点 | 60%(27点) |
関税法等 | 60点 | 60%(36点) |
通関実務 | 45点 | 60%(27点) |
通関士試験は、3科目それぞれ60%が合格基準です。
3科目とも60%以上正解しなければいけないため、1科目でも60%以下があれば合格とみなされません。
通関士に必要な基礎から応用までをしっかりと身に付けておく必要がある点も、通関士試験の合格率が低い理由のひとつとして考えられるでしょう。
通関士と他資格の難易度比較ランキング
通関士と他資格の難易度を比較した表を作成しました。
資格名 | 合格率 | 平均勉強時間 |
社労士 | 6%~7% | 1,000時間程度 |
行政書士 | 11%~15% | 600時間~1,000時間程度 |
通関士 | 10%~15% | 500時間程度 |
宅建士 | 15%~17% | 300時間~400時間程度 |
海事代理士 | 30%~50% | 500時間程度 |
貿易実務検定 | A級:40% B級:50% C級:50%~60% |
100時間~250時間 |
(参考:アガルート公式サイト)
表を見ると、通関士よりも難易度が高めな資格は「社労士」「行政書士」であり、合格率は6%から15%と低いとわかります。
社労士や行政書士は、法律に関する内容に加え一般常識など広く出題される資格試験で、勉強時間も通関士の2倍程度は必要です。
中でも住民基本台帳法に基づいて戸籍や住民票などについて、職務上必要な場合において請求を行う権限が認められている職業8種を8士業といいます。
具体的には弁護士・司法書士・弁理士・税理士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・海事代理士の8つです。
(引用元:アガルート公式サイト)
加えて、アガルート公式サイトからの引用文からわかるように、取得すると独立開業を目指せる「八士業」の中にも入っており、将来性が高い分難易度も高めであると考えられるでしょう。
通関士よりも難易度が低いのは「宅建士」「海事代理士」「貿易実務検定」でした。
宅建士の合格率は15%から17%、勉強時間も300時間から400時間な点から、難易度は同等と考えられます。
しかし、ユーキャン公式サイトでは通関士試験の方が「税関や輸出入」といった専門知識が必要な分、宅建よりも難しいと感じる方が多いと記載されています。
通関士試験と宅建士試験を比較した場合、通関士試験のほうがやや難易度が高めです。通関士試験の合格に必要な時間が400時間程度なのに対し、宅建士試験は300時間程度といわれています。同じ法律系の資格でも、税関や輸出入といった一般にはなじみのない知識が必要な分、通関士試験のほうが難しいと感じる人は多いです。
(引用元:ユーキャン公式サイト)
したがって、必要勉強時間は近いものの、税関や輸出入といった馴染みにくい知識が必要な通関士試験は、宅建士よりも少し難易度は高めであると考えられるでしょう。
そして海事代理士と貿易実務検定は、通関士と同じ貿易関係の資格試験ですが、合格率30%から60%と高めです。
海事代理士は取得すると、船舶登記や船舶登録など開示に関する業務を行い、社労士同様「八士業」のひとつでもあります。
八士業でも海事代理士の合格率が高めなのは、行政書士や税理士の資格取得者が受験者層に多い傾向があるためです。
そのため、法律関係の勉強が初めての方には難易度は高めでしょう。
通関士試験の勉強方法
通関士試験の勉強方法には、以下のものがあります。
- 通信講座を受講する
- 通関士のテキストや本で学習する
- 通関士の勉強サイトを利用する
- 通関士ポータルを利用する
通関士試験の勉強をする際には、通信講座の受講や市販テキスト・勉強サイトを使用する方法があります。
通信講座を受講する場合は、ユーキャンやアガルート・フォーサイトなどで通関士講座を開講しており、自分のライフスタイルに合わせて学習可能です。
市販のテキストで勉強したい方は、日本関税協会やヒューマンアカデミーから出版されているものがおすすめです。
例えばヒューマンアカデミーのテキストは、過去の通関士試験の中から重点を押さえた内容や、単元ごとに復習できる内容になっており、Amazon売れ筋ランキングでも上位に入っています。
Amazonの商品掲載ページでも、以下のように記載されています。
2色刷りで読みやすく、赤い文字が見えなくなる赤シートが付いているので、暗記学習にも便利です。
最新の法令・条文にもしっかりと対応しているので、安心して学習することができます。
姉妹本の『通関士教科書 通関士 過去問題集 2023年版』との併用がオススメです。同じ章構成なので、効率よく学習できます。
(引用元:Amazon.co.jp)
また、日本関税協会が運営している「通関士ポータル」やWEBで公開されている「勉強サイト」でも学習可能です。
通関士ポータルでは、通信講座の受講ができたり合格者の体験記を見られたりと、試験勉強をする上で参考にできる内容が豊富です。
通信講座を受講する
仕事や家庭と両立しながら自分のペースで学習したい方は「通信講座」の利用がおすすめです。
通関士講座は、通信講座大手のユーキャンやフォーサイトなど、さまざまな会社から受講できます。
会社名 | 講座名 | 受講費用 | 受講期間 |
ユーキャン | 通関士講座 | 43,780円(税込) | 6ヶ月 |
アガルート | 通関士試験対策講座 | 43,780円(税込) | – |
フォーサイト | 通関士スピード合格講座 | 52,800円(税込) | 3ヶ月 |
資格の学校TAC | 通関士講座 | 253,000円(税込) | 7ヶ月 |
(参考:各通信講座公式サイト)
上記の表から、講座費用は43,780円(税込)から253,000円(税込)と差があり、受講期間も3ヶ月から7ヶ月など、通信講座各社ごとに異なるとわかります。
例えば、フォーサイトの「通関士スピード合格講座」は、最短3ヶ月で通関士試験合格を目指せる講座です。
フォーサイトの教材は、フルカラーの紙テキストとeラーニングシステム「ManaBun」がセットになっており、自宅でも外出先でも学習できます。
自分の持っているスマホやタブレットでいつでも学習ができるため、通勤時間に少し問題を解答する・復習するなど、隙間時間を有効活用できます。
さらに、自分のライフスタイルに合わせて「学習プラン」を自動で立ててくれる機能もあり、学習の進め方に対する不安を減らした上で取り組めるでしょう。
通信講座であれば、通関士試験の学習はもちろん法改正情報も把握できるので、情報収集に悩むことなく学習に専念できます。
通関士のテキストや本で学習する
通関士試験を勉強するために、専用の攻略本や過去問集を利用するのがおすすめです。
通関士のテキストは、ヒューマンアカデミーや日本税関協会から出版されているものなど様々あります。
上記画像のテキスト「通関士完全攻略ガイド」は、Amazonの売れ筋ランキング1位(2023年6月時点)でもあり「辞典のようでわかりやすい」「過去問と併用している」など口コミも好評です。
前年度の本試験の中で出題されたもので、これまでに記載が無かったものは、翌年分には補足がされるという、細部の情報まで揃っている一冊。
単元ごとにチェック問題、巻末には練習問題もあるので都度、理解ができているか確認をすることができます。
(引用元:アガルート公式サイト)
また、アガルートの通関士テキストに関する記事でも「通関士完全攻略ガイド」は、単元ごとにチェック問題や練習問題が収録されており、都度理解しているか確認できると記載されていました。
同シリーズの過去問集は、以下のテキストです。
通関士試験第1回から現在までの試験の中から、重要な点をピックアップしており、繰り返し学習すれば重要な個所をしっかり押さえられます。
過去問集も単元ごとに問題が用意されているため、試験までに苦手科目を克服するのにも活用できます。
通関士の勉強サイトを利用する
通関士の勉強法を公開しているサイトもあります。
2024年4月時点では「独学ステーション」「過去問ドットコム」などが見つかりました。
独学で合格した方の勉強方法も記載しているサイトもあるため、テキストと併用して学びたい方はチェックしてみるのもよいでしょう。
通関士ポータルもおすすめ
日本関税協会が運営している「通関士ポータル」では、通信講座の受講・無料オンラインガイダンス・全国模試などが受けられます。
問題・解説集などを含んだ計5冊で学習できるほか、苦手科目を克服できる「特別答練」なども実施しています。
通関士ポータルでは、合格者の体験記も閲覧できるため、勉強の流れや勉強法を参考にしたりもおすすめです。
通関士試験におすすめの勉強方法については、こちらの記事でも紹介しています。
→【2024年最新】通関士合格のための勉強時間は?独学は無理?合格率や勉強方法も解説!
通関士試験科目別の対策方法
通関士試験は「通関業法」「関税法等」「通関実務」3つの科目があります。
- 通関業法→暗記量は多くないが、通関士の基礎となる重要な科目
- 関税法等→関税法や関税定率法などが含まれており、範囲が広め
- 通関実務→実際に書類を作成する内容であり、3科目の中で一番難易度が高め
通関士試験に合格するためには、通関業法・関税法などの科目をしっかりと押さえられるかが重要です。
通関業法・関税法の対策ができていなければ、通関実務で点数の獲得がむずかしくなり、合格までの道が遠ざかってしまいます。
そのため、早い段階で法律に関する知識を理解し、通関実務の学習時間を多めに確保できるようにしましょう。
通関業法
通関業法は、理解しておくべき科目であるものの、3科目の中で取り組みやすい内容です。
この法律は、通関業を営む者についてその業務の規制、通関士の設置等必要な事項を定め、その業務の適正な運営を図ることにより、関税の申告納付その他貨物の通関に関する手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とする。
(引用元:e-GOV)
引用元の内容より、通関業法は営業の範囲や義務などを定めているものであり、関税の納付や通関手続きをスムーズに行うのを目的としている科目です。
科目としての暗記量はそこまで多くないものの、通関士試験の基礎となる部分であるためしっかりと理解を深めておきましょう。
関税法で学習する用語が出てくる箇所もあるため、最初に通関業法のみじっくり行うよりも、関税法と並行して学習するのもおすすめです。
関税法等
関税法等の科目には「関税法」「関税定率法」「関税暫定措置法」「為替法」など、さまざまな法律が含まれている科目です。
関税法は、以下のように関税の確定・納付および貨物の輸出入での手続きで正しい処理を図るために定められている法律です。
関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出及び輸入についての税関手続の適正な処理を図るため必要な事項を定める。
(引用元:内閣府公式サイト)
通関士試験の中でも、一番範囲が広く出題数も多くあるため、しっかりと対策を行いましょう。
一度に理解しようとせず最初の学習時は、問題の輪郭を掴むよう意識し、2回目の学習以降に各条文の内容を深く理解していくようにするとよいでしょう。
関税法などの内容は、3科目目の「通関実務」を解答するための基盤です。
そのため、学習の回数を重ね条文の内容や専門用語を正しく覚えていきましょう。
通関実務
通関実務は、3科目の中で一番難易度が高い科目です。
難易度が高いといわれる理由は、実際に貨物をする際に必要な書類の作成を行う科目であるためです。
事例問題においてどのようなに書類を作成したらよいか問われる試験になるので、関税法・通関業法で覚えた知識を応用できるよう学習しましょう。
申告書作成・計算問題は、過去問で繰り返し学習し、慣れておくと本試験の際に効率よく解答でき、得点源につながります。
3科目それぞれ60%以上獲得しなければ通関士試験は合格できないため、全体で十分に点数を獲得できるよう学習しましょう。
通関士試験の勉強時間や勉強スケジュール
通関士試験で必要な勉強時間は、およそ400時間から500時間であり、1日3時間程度の勉強時間を半年ほど継続すると達成できます。
法律関係の知識がある方は400時間よりも短い勉強時間になる場合もありますが、初めて法律・貿易の学習を行う方は最低でも400時間以上は必要だと考えておきましょう。
通関士試験の勉強スケジュールは、最初に通関業法や関税法などに触れてから通関実務に移るのもよいですし、同時進行に進めていくスケジュールもおすすめです。
例えば、アガルートの通関士講座では3科目をほぼ同時進行で学習していき、関連性を持たせていく勉強スケジュールをおすすめしています。
関連性を早いうちに持たせておけば、学習回数を重ねるほど条文のつながりや専門用語の理解を深めやすくなり、効率的に学習可能です。
必要勉強時間は500時間程度
通関士試験で必要な勉強時間を各通信講座から調査しました。
通信講座名 | 必要勉強時間 |
ユーキャン | 400時間 |
フォーサイト | 400~500時間 |
アガルート | 500時間 |
(参考:各通信講座公式サイト)
ユーキャン・フォーサイト・アガルートそれぞれが考える通関士の勉強時間は、400時間から500時間程度でした。
通関士試験の合格には、400時間程度の勉強時間が必要です。300時間程度で合格する人もいますが、その場合は、すでに法律や貿易に関する知識があるケースが多いです。法律、貿易分野の勉強が初めての場合は、最低でも400時間は必要だと考えましょう。
(引用元:ユーキャン公式サイト)
500時間勉強するには、平日2時間、休日4時間勉強すると190日(約6.3ヶ月)必要になります。通関士の試験日は、例年10月の第1または第2日曜日のため3月~4月から試験勉強を始めましょう。
(引用元:アガルート公式サイト)
400時間から500時間は、1日3時間学習を半年ほど続けると達成できる勉強時間です。
また、フォーサイトは通関士の勉強時間について、以下のように述べています。
試験問題で求められる知識が専門的であることが、最大500時間も勉強に要する背景でしょう。
(引用元:フォーサイト公式サイト)
法律や貿易に関する知識がある程度ある方の場合、少ない勉強時間で済む可能性もありますが、平均でも400時間以上は必要と考えておきましょう。
勉強スケジュール
ここでは、アガルートの通関士講座で記載されていた画像をもとに、勉強スケジュール例を紹介します。
アガルートの通関士試験講座では、通関士試験3科目を上記画像のようにほぼ同時進行で進めながら、回数を重ね理解を深める学習スケジュールをおすすめしています。
画像のスケジュールを表で表すと、以下の通りです。
段階 | 行う学習 |
STEP1 |
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STEP2 |
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STEP3 |
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STEP4 |
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はじめに、関税法・通関業法・実務の第1章から2章に触れていき、関税法はSTEP2の段階で一度復習を行います。
上記に記載の通り、複数の法律から出題され、3科目の中で最も範囲の広い科目です。通関士試験の学習で最も時間を費やす部分だと思います。配点も➀通関業法③通関実務は45点満点に対し、この科目は60点満点です。③通関実務と非常に結びつきの強いのも特徴です。
(引用元:アガルート公式サイト)
アガルートの引用文にもあるように、関税法は最も範囲が広く、通関実務との結びつきが強い科目です。
そのため、学習の途中で一度復習し、インプットした知識をさらに定着できるよう確認していきましょう。
また、最初に通関業法に少し触れ、関税法や通関実務も学習を始めると関連性を持たせながら学習でき、効率的に理解を深められます。
- 通関業法・通関実務・関税法の3科目を同時進行に近い形で学習し、関連性を持たせる
- 早期に過去問に着手し、早い段階から難しい言葉の表現に慣れる
- 回数を重ね、見たことのない問題を1つずつ減らしていく
- できる限り毎日継続して学習を継続していく
なお、アガルートでは3科目同時進行で行う勉強スケジュールですが、人によって合う合わないは出てきます。
勉強スケジュールを固定しすぎずに、進めながら自分に合った方法を探していくのもよいでしょう。
通関士試験は独学できる?
通関士試験は、法律や貿易の学習経験がある方なら独学は可能です。
通関士試験は法律に関する問題が多く出題されるため、ある程度法律知識がある方なら学習もそこまで苦になりません。
法律や貿易の学習を初めてする方の場合、独学だと慣れない専門用語や条文に苦戦し、学習継続が難しい可能性もあるでしょう。
しかし、通関士試験に合格した方の中には独学で一発合格を果たした方もいます。
自分から意欲的に学習を進めるかつ十分な時間確保はできるか、情報収集も同時進行でできるかなど、独学できる環境か判断してみるとよいでしょう。
法律・貿易関係の知識がある方なら可能
通関士試験の独学は、法律や貿易の知識がある方なら可能でしょう。
通信講座のフォーサイトやTACでは、以下のように記載されていました。
主に法律に詳しかったり、学ぶことへの意欲が強い人は独学向きです。自分で考えて、創意工夫のもと学習を進められるなら、一人で学んだ方がよいでしょう。情報のリサーチが得意という人も、独学で結果を出す可能性があります。
(引用元:フォーサイト公式サイト)
通関士試験は法律系科目(通関業法、関税法等)2科目と通関実務1科目の計3科目出題されますが、3科目とも 基準点(例年、原則60%以上)得点する必要があります。
法律系の資格の勉強をされたことがあれば、法律系科目の勉強をスムーズに進めることができますし、通関実務経験者は 通関実務の勉強を進める際、有利です。
(引用元:資格の学校TAC公式サイト)
フォーサイト・TACでは「法律系の学習経験があり一人で勉強をスムーズに進められるなら、独学でも結果を出せる可能性がある」と記載されています。
法律関係の知識がある程度ある場合、勉強の際でてくる専門用語や条文に対して、あまり抵抗感なく学習を進められるでしょう。
独学は通信講座とは違い、自分から意欲的に学習を進め情報収集もしなくてはいけません。
そのため、初めて法律・貿易関係の学習を進める方の場合、独学学習に加え情報収集も行っていくのはかなり難易度が高いと考えられます。
独学で一発合格した人もいる
通関士試験を受験した方の中には、独学で一発合格を果たした方もいます。
「通関士試験一発合格!社会人短期独学勉強の基礎知識」というサイトを運営している筆者の「スギモト」さんは、仕事をしながら独学で一発合格しています。
記事内には、以下のような独学合格できた勉強方法の詳細を紹介しています。
- 勉強時間は平日1時間、休日は6時間程度
- 演習できる勉強時間を確保(隙間時間)
- 市販テキスト・問題集
さらに、サイト内にはおすすめ教材や勉強方法・ケアレスミス対策など、独学学習の情報をさまざま発信しているため、非常に参考になるサイトです。
通関士の独学について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→通関士の独学の記事はこちら
通信講座の利用もおすすめ
通関士講座を開講している通信講座の中から、4つ紹介します。
- ユーキャンの「通関士講座」
- アガルートの「通関士試験対策講座」
- フォーサイトの「通関士スピード合格講座」
- TACの「通関士講座」
通信講座によって、学習内容や費用・サポートは異なります。
例えば、ユーキャンの通関士講座は、受講生の66.9%が仕事や家事と両立しながら学習しているため、隙間時間を効率的に活かした学習が可能です。
科目ごとのメインテキストで知識をしっかりと理解し、重点を押さえた過去問題集で演習し、合格に必要な力を養成できます。
フォーサイトの場合、最短3ヶ月で合格を目指せる合格主義を意識した学習内容です。
一般的に、通関士の学習期間は6ヶ月程度必要とされているものの、半分の期間で実力を養成できるため、短期合格を目指している方におすすめできます。
このように、通信講座によって学習内容に違いがあるので、自分に合った通信講座を見つけましょう。
ユーキャンの「通関士講座」
講座名 | 通関士講座 |
受講費用 | 【一括】59,000円(税込) 【分割】3,980円(税込)×15回 |
教材内容 |
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サポート内容 |
|
サイトURL | https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/52/ |
(参考:ユーキャン公式サイト)
ユーキャンの通関士講座は、社会人や主婦の方でも隙間時間を活かして効率的に学べる講座です。
ユーキャン公式サイトの情報によると、受講生の66.9%が仕事と学習を両立させているとわかりました。
効率よく理解を深められるよう、メインテキストは科目別6冊に分かれており、最初に関税法等を学び、その後通関業法・通関実務を学ぶ学習の流れです。
さらに、副教材の過去問題集は「一門一答編」「計算・申告書編」の2部用意しています。
通関士試験に精通したプロが、毎年の出題傾向を細かく分析しているので、通関士の勉強が初めての方でもスムーズに重点を押さえられるでしょう。
アガルートの「通関士試験対策講座」
講座名 | 通関士試験対策講座 |
受講費用 | 43,780円(税込) |
教材内容 |
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サポート内容 |
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サイトURL | https://www.agaroot.jp/tsukanshi/ |
(参考:アガルート公式サイト)
アガルートの「通関士試験対策講座」は、短期間で効率的な学習ができるよう、アウトプット中心の学習内容です。
総合講義で知識のインプットを軽く済ませたら、すぐにチェック問題で単元ごとに確認し、その後過去問形式の問題を解答します。
インプット後すぐに知識が定着しているか確認すると、過去問ではどう問われるのか・自分の知識は定着しているかが把握可能です。
そして、アガルートでは講義動画を10分程度にしているため隙間時間を活用して視聴できたり、音声ダウンロードして繰り返し講義を確認したりもできます。
オンラインの質問サポートは、講師に直接質問できるため、わからないとことはすぐに解決できるでしょう。
→アガルートの通関士試験講座の評判・口コミは?おすすめの通信講座・予備校とも比較!
フォーサイトの「通関士スピード合格講座」
講座名 | 通関士スピード合格講座 |
受講費用 | 【通常セット】52,800円(税込) 【通常+DVDオプション】58,800円(税込) |
教材内容 |
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サポート内容 |
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サイトURL | https://www.foresight.jp/tsukanshi/ |
(参考:フォーサイト公式サイト)
フォーサイトの「通関士スピード合格講座」は、最短3ヶ月で合格を目指せる講座です。
通関士試験の必要勉強時間は400時間から500時間と、6ヶ月程度学習を継続する必要があります。
しかし、フォーサイトでは必要学習期間のおよそ半分の期間で合格を目指せるため、短期合格を目指している方におすすめです。
短期間の学習プランでありながらも、フォーサイトの2023年度合格率は、全国平均合格率の2.85倍です。
通関士試験の合格率は平均15%前後と決して易しい試験ではありません。
通信講座を探す上で、実績を重視したい方はぜひフォーサイトスピード合格講座をチェックしてみてください。
TACの「通関士講座」
講座名 | 通関士講座 |
受講費用 | 【総合本科生】253,000円(税込) 【総合本科生S】264,000円(税込) 【チャレンジ本科生】187,000円(税込) |
教材内容 |
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サポート内容 |
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サイトURL | https://www.tac-school.co.jp/kouza_tukan.html |
(参考:資格の学校TAC公式サイト)
資格の学校TAC「通関士講座」は、用意された受講コースから好きな内容のものを選べます。
初めて通関士の学習をする方は「総合本科生」「総合本科生S」「チャレンジ本科生」がおすすめです。
総合本科生コースは、一番スタンダードなコースであり、合格を急いでいないならこちらのコースがよいでしょう。
短期間で合格を目指したい方は、チャレンジ本科生コースがおすすめです。
そして、資格の学校TACではインプットとアウトプットを繰り返し行う学習スタイルです。
インプットした後に、アウトプット(問題演習)で間違えた個所は、理解が足りていない・弱点と考えもう一度インプットを行います。
繰り返し続けていくことで、理解を深めながら弱点も克服できるため、効率よく学習を進めたい方におすすめです。
通関士の仕事はなくなるといわれている理由
近年ではどんどんAI導入企業が増えており、なおかつキャッシュレスにより書類の簡素化も進みつつあります。
AI化が進むごとに、人が対応するシーンも減少している傾向があるため「通関士の仕事も無くなるのでは?」と懸念されています。
しかし、調査してみると通関士の仕事がなくなる可能性はないとわかりました。
書類の簡素化が進んでいる
キャッシュレス決済がどんどん普及している中で、書類の簡素化も進んでいます。
さまざまな企業で書類をデータ化していたり、押印がなくても書類提出可能になっていたりと変化してきています。
「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日閣議決定)等の政府方針を踏まえ、税関においても、行政のデジタル化、新たな働き方の支援といった観点から、一部の例外を除き、税関へ提出いただく書類への押印及び署名(以下「押印等」という。)を廃止することとしております。
(引用元:税関公式サイト)
税関でも、上記のように「税関手続きに係る押印等の廃止」を決定している点から、通関士の仕事が減るのではないかと危惧されていました。
AI導入企業が増えている
近年では、AIを導入する企業が増え、人が対応するシーンも少なくなりつつあります。
そのため、書類の作成業務がある通関士もなくなるのでは?といわれていますが、調査してみるとその可能性は低いと分かりました。
AI化が進み、人がいなくても進む業務もあれば、人が対応しなければ進まない作業もあるからです。
例えば、通関士は関税率を算定する業務で書類情報だけでは判断できない場合があります。
その場合、輸入者に対して問い合わせが必要になるため、AIでは対応できない業務です。
また、アガルートでは通関士とAIについて、以下のように考えています。
AIによって対応しきれいないイレギュラー業務や、人間ならではのコミュニケーションが求められる業務は少なからず残るでしょう。
(参考:アガルート公式サイト)
AIに任せられる業務もあれば、人と人が関わりながら行う業務もでてくるため、通関士がなくなるとは言い切れないでしょう。
通関士の将来性や仕事内容については、こちらの記事でも解説しているので、チェックしてみてください。
→通関士の仕事はなくなる?後悔しないポイントやきつい仕事という噂についても調査
通関士試験を受験するメリット3つ
通関士には以下3つのメリットがあります。
- 通関士は貿易関係の転職に強い
- 通関士の仕事は将来性が高い
- 資格手当が付く可能性も
通関士は日本と海外の貨物貿易の際手続きを行う職種です。
通関業者はもちろん、海外取引を行う商社や航空会社などさまざまな職場で資格を役立てられます。
そして、日本と海外の輸出入は現在でも多く行われており、今後輸出入がなくなるのは考えにくいでしょう。
通関士資格は国が認めた国家資格でもあるため、関税法や通関業法の知識がある人材として将来性も高いと考えられます。
通関士は貿易関係の転職に強い
通関士は、海外との貿易手続きの際に書類作成や審査を行います。
すなわち、「通関士の資格を保有している=通関に関する知識が身に付いている人材」として、海外取引を行う企業では重宝されるでしょう。
通関業者はもちろん、海外取引を行うメーカーや航空・船舶会社など、さまざまな企業の転職が考えられ、就職・転職の幅も広がります。
通関士の仕事は将来性が高い
現在、日本と海外は多くの輸出入取引を行っており、今後輸出入が急になくなるとは考えにくいでしょう。
アガルートの記事では、以下の内容が記載されていました。
輸出入には必ず関税等に関する業務が必要となるため、貿易がなくならない限りは必要とされ続ける仕事と言えます。
(参考:アガルート公式サイト)
海外との貿易がなくならない限りは、通関士の業務が必要になるため、将来性も高いと考えられるでしょう。
資格手当が付く場合も
通関士の資格保有している場合、就職先によっては資格手当が付く場合があります。
資格の学校TAC法律資格合格応援サイトやスタディサプリでは、以下のように記載されていました。
そして、通関士を取得していると、給料に加えて、資格手当がもらえます。
私の場合、資格手当は月に7,000円でした。日系企業だと月に5,000円~10,000円の間ぐらいが多いようです。
(引用元:法律資格合格応援サイト資格の学校TAC Wセミナー)
通関士の資格を取得すると、多くの会社で1ヵ月あたり3000円~1万5000円の資格手当を支給しています(日本関税協会 通関士Potal運営委員会)。年間の支給額は3万6000円~18万円となり、この金額を上記の「民間企業に勤めた場合の平均年収」に上乗せすると、通関士の平均年収は424万円~438万4000円と考えることができます。
(引用元:スタディサプリ)
上記の内容を見ると、勤務先によって金額は異なるものの3,000円から10,000円ほどの資格手当がもらえる可能性が高いとわかります。
専門性が高い資格なだけあり、給与とは別に資格手当をもらえるのはメリットといえるでしょう。
→【2024年最新】通関士の通信講座と予備校のおすすめランキング・主要7社を徹底比較
通関士の難易度に関するよくある質問
通関士の難易度に関する質問を下記にまとめました。
通関士の難易度に関するよくある質問 |
|
似たような疑問がある場合は、ぜひ参考にしてください。
通関士の年収は高いですか?
通関士の平均年収は408万円から580万円程度と幅広いです。
ただし、年収580万円は40代通関士の平均であり、勤務歴が短ければ400万円台と考えておくとよいでしょう。
通関士の仕事の平均年収は約408万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。
月給で換算すると34万円、初任給は21万円程度が相場のようで、派遣社員では平均時給が1,596円となっています。
(引用元:求人ボックス)
なお、求人ボックスの求人情報によると、月給34万円・初任給は21万円程度が相場であるとわかりました。
通関士の男女別平均年収については、こちらの記事でも紹介していますので、チェックしてみてください。
→通関士の年収の記事はこちら
通関士の仕事がなくなるって本当ですか?
書類の簡素化やAI導入企業が増えている点から、通関士の仕事がなくなるのでは?といわれています。
しかし、調査してみると2020年に書面での押印は廃止すると決定していますが、通関士の仕事が減るわけではありません。
日本と海外の輸出入取引が急になくなるとは考えにくく、AIにすべて任せられる業務もないからです。
取引先と何らかのトラブルが発生した際、AIに詳しい状況確認はできません。
したがって、今後も輸出入が続く限り通関士の仕事はあり続けるといえます。
また、通関士の将来性については、こちらの記事でも解説しています。
→通関士の仕事はなくなる?後悔しないポイントやきつい仕事という噂についても調査
通関士は独学で合格できますか?
法律や貿易に関する学習経験がある方なら、可能でしょう。
通関士の試験範囲は、法律・貿易に関するものであり、学習始めは慣れない専門用語や条文に苦戦しやすくもあります。
法律関係の学習経験がある方の場合、専門用語や条文なども比較的早めに理解できる可能性があるでしょう。
通関士試験の独学について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
→通関士の独学の記事はこちら
→通関士合格の勉強時間の記事はこちら
通関士試験の勉強ができるサイトはありますか?
通関士試験の勉強には、WEB上にあるサイトもよいですが日本税関協会が運営している「通関ポータル」がおすすめです。
通関ポータルでは、試験3科目それぞれの対策方法や学習ポイントなどが掲載されており、講座の受講も可能です。
さらに、通関士試験に合格した方の体験記も紹介しているため、学習時の参考にもでき非常に便利なサイトといえます。
通関士はどんな仕事をしますか?
通関士は、日本と海外で輸出入する際に、書類の作成や手続きを進める職業です。
通関業者や航空会社、商社などさまざまな企業で活躍の場を広げられる業種でもあります。
国際的な仕事に興味のある方や最新の国際情報を知りたい方などに、おすすめの仕事です。
なお、通関士の年収については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
→【2024年最新】通関士の年収ってどのくらい?平均年収や男性・女性の比較なども徹底解説!
通関士の難易度に関するまとめ
通関士は、日本と海外で貨物の輸出入を行う際、書類の作成や手続きを行う職業です。
貿易関係の資格の中で唯一の国家試験であり、合格率は平均15%程度と難易度も高めです。
そして、通関士試験の科目は、貿易や法律に関するものが多く、初めて学習する方にとっては法律の専門用語や条文を理解するのが最初の大きな壁になるでしょう。
試験科目のうち「関税法等」は関税法や関税定率法など、さまざまな法律が含まれている科目であり、学習範囲も広めです。
また「通関実務」も、覚えた知識を応用して実際の書類を作成する内容であるため、通関士試験の中でも一番難易度が高い科目といえます。
法律や貿易に関する学習経験がある場合は独学も可能ですが、抜け目なく対策したい方は通信講座の利用をおすすめします。
通関士の通信講座と予備校のおすすめランキング記事もあわせてご覧ください。
例えば、通信講座のアガルートは、通関士試験3科目をほぼ同時進行で進める学習方法です。
同時進行に近い形で進めるため「通関業法」「関税法」「通関実務」の関連性を持たせながら学習でき、過去問演習するたびに理解を深められます。
疑問点はオンラインで質問でき、月に1度講師による動画講座も配信されます。
なお、アガルート公式サイトから無料体験として、サンプル講義・テキストデータを閲覧できるので、気になる方はチェックしてみてください。
アガルートの通関士講座 | |
価格 | 43,780円(税込) |
教材の特徴 | 2段階の問題演習
徹底した過去問分析による問題演習 |
サポート内容 | オンラインで講師に直接質問可能
ホームルーム制度 |
返金制度 | 特典1:お支払金額全額返金
特典2:合格お祝い金1万円贈呈 |
キャンペーン | 【受講料20%OFF】
・アガルートの講座で指定された資格講座を受講し合格した人 ・通関士の通信講座を他校から乗り換えた人 【受講料10%OFF】 ・他社の講座で指定された資格講座を受講し合格した人 ・通関士試験を再受験した人 ・家族がアガルートの講座を受講している人 |
教育訓練給付制度 | なし |
サイトURL | https://www.agaroot.jp/tsukanshi/ |
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