近年では、健康的な食生活をサポートできる「管理栄養士:の資格が注目を浴びています。
職に就くためだけでなく、自身の健康的な食生活を送るために知識としても生涯役立つ管理栄養士国家試験。
この記事では、管理栄養士国家試験の難易度や勉強のコツなどを解説していきます。
管理栄養士国家試験とはどんな資格?
管理栄養士国家試験とは、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、食事や栄養の専門家です。
栄養指導業務や業務管理といった仕事がメインになりますが、活躍できるフィールドは多岐にわたっています。
例えば、医療機関で患者さんに栄養バランスの取れた食事を提供したり、学校で発育段階の子どもたちに給食を提供したりといった業務があります。
ここでは、試験日程や試験科目、受験資格などを解説していきます。
受験を検討されている方は、ぜひチェックしてみてください。
管理栄養士国家試験の試験日程
管理栄養士の試験日や合格発表などの時期は以下の通りです。
試験日 | 2024年3月3日(日) |
合格発表 | 2024年3月29日(金)14時 |
提出期間 | 2023年11月20日(月)~2023年12月8日(金) |
受験票の交付 | 2024年2月15日(木) |
厚生労働省のHPで日程が公開されるので、詳しくはそちらから確認しましょう。
毎年、3月上旬の日曜日に開催されます。
試験場所は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県が選択できます。
詳しい受験地は、送付されてくる受験票を確認し、当日は余裕を持って試験会場へ行きましょう。
参考までに「第37回管理栄養士国家試験」の概要は以下の通りでした。
夏頃に次回試験概要が公表されるので、受験を検討されている方は、厚生労働省のHPを確認しておきましょう。
管理栄養士国家試験の試験範囲
試験科目は全部で9科目あります。
管理栄養士として必要な知識・技能を評価するため、幅広い範囲を網羅しなければなりません。
出題基準は、法や制度に対応するため、おおよそ4年に一度改定されています。最新の出題基準を確認し、それに則って教材などで対策しましょう。
1.社会・環境と健康(16問)
健康とは何かということや、人間の健康を増進するために社会や環境はどうあるべきかなど、社会や環境の中での健康の関わりについて理解を深める。 ①社会と健康 ②環境と健康 ③健康、疾病、行動に関わる統計資料 ④健康状態・疾病の測定と評価 ⑤生活習慣(ライフスタイル)の現状と対策 ⑥主要疾患の疫学と予防対策 ⑦保健・医療・福祉の制度 2. 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(26問) 人間の体そのものの構造や機能についての理解や主要疾患(生活習慣病や栄養疾患など)の成因、病態及び治療についての知識の理解を深める。 ①人体の構造 ②アミノ酸・タンパク質・糖質・脂質・核酸の構造と機能 ③生体エネルギーと代謝 ④アミノ酸・タンパク質・糖質・脂質の代謝 ⑤個体の恒常性とその調節機構 ⑥加齢・疾患に伴う変化 ⑦疾患診断の概要 ⑧疾患治療の概要 ⑨栄養障害と代謝疾患 ⑩消化器系 ⑪循環器系 ⑫腎・尿路系 ⑬内分泌系 ⑭神経系 ⑮呼吸器系 ⑯運動器系 ⑰生殖器系 ⑱血液・リンパ・凝固系 ⑲免疫、アレルギー ⑳感染症
3.食べ物と健康(25問) 食品の栄養特性や各種成分を理解し、栄養面や安全面での観点から人間の体にどう影響するかなどの理解をする。 ①人間と食品 ②食品の分類、成分及び物性 ③食品の機能 ④食品の安全性 ⑤食品の表示と規格基準 ⑥食品の生産・加工・保存・流通と栄養 ⑦食事設計と栄養・調理
4.基礎栄養学(14問) 栄養とは何か、という根本的概念やその意義について理解する。 エネルギーや栄養素の代謝とその生理的意義についての理解を深める。 ①栄養の概念 ②食物の接種 ③消化・呼吸と栄養素の体内動態 ④炭水化物の栄養 ⑤タンパク質の栄養 ⑥脂質の栄養 ⑦ビタミンの栄養 ⑧ミネラルの栄養 ⑨水・電解質の栄養的意義 ⑩エネルギー代謝
5.応用栄養学(16問) 栄養状態や身体状態に応じた栄養管理、栄養マネジメントについての理解を深める。 妊娠や出産、加齢といった各ライフステージにおける栄養状態や心身機能の特徴に応じたマネジメントの理解を深める。 ①栄養ケア・マネジメント ②食事摂取基準の基礎的理解 ③成長、発達、加齢 ④妊娠期、授乳期 ⑤新生児期、乳児期 ⑥成長期(幼児期、学童期、思春期) ⑦成人期 ⑧高齢期 ⑨運動・スポーツと栄養 ⑩環境と栄養
6.栄養教育論(13問) 対象の社会環境・健康状態、栄養目的に応じた理論と技法についての理解を深める。 ①栄養教育のための理論的基礎 ②栄養教育マネジメント ③理論や技法を応用した栄養教育の展開 7.臨床栄養学(26問) 傷病者や要支援者・要介護者の栄養ケアプランの作成やマネジメントについての理解を深める。 ①臨床栄養の概念 ②傷病者・要介護者の栄養ケア・マネジメント ③疾患・病態別栄養ケア・マネジメント
8.公衆栄養学(16問) 日本全体や地域、職域などの栄養・健康問題に関する動向とそれらに対応した主要な栄養政策についての理解を深める。 ①公衆栄養の概念 ②健康・栄養問題の現状と課題 ③栄養政策 ④栄養疫学 ⑤地域診断と公衆栄養マネジメント ⑥公衆栄養プログラムの展開
9.給食経営管理論(18問) 特定多数に食事を提供する上での栄養面、安全面、経済面全般をマネジメントする能力を身に着ける。 ①給食の概念 ②給食経営管理の概念 ③栄養・食事管理 ④給食経営における品質管理、生産管理、提供管理 ⑤給食の安全・衛星
10.応用力試験(30問) 合計200問。 出題形式は、5者択一のマークシート形式です。 1問1点で200点満点。 合格基準は120点以上になります。 参考:01報告書前文 |
管理栄養士国家試験の受験者数と合格率は?
最新の2024年3月3日(日)に実施された「第38回 管理栄養士国家試験」の結果は以下の通りになります。
◎受験者数:16,329人
◎合格者数:8,056人
◎合格率:49.3%
2024年 | 2023年 | 2022年 | ||
受験者数 | 16,329 | 16,351 | 16,426 | |
合格者数 | 8,056 | 9,254 | 10,692 | |
合格率 | 49.3% | 56.6% | 65.1% |
例年の傾向を見ても、管理栄養士国家試験の合格率は60%前後ということが分かりますね。
公認会計士や司法書士といった他の国家試験と比べて、易しいと言えますが、専門的な知識が問われるので油断は禁物です。
管理栄養士国家試験の受験資格
管理栄養士国家試験は誰でも受けられるわけではありません。
ここで受験資格を確認しましょう。受験資格は大きく分けて2つあります。
1.管理栄養士養成施設を卒業し、栄養士免許を取得している者
2. 栄養士免許を持つ者が、栄養士として一定期間の実務経験をした者
つまり、栄養士免許を取得していないと、管理栄養士国家試験を受験することはできません。
栄養士免許を取得するためのルートはこの後解説していきます。
管理栄養士と栄養士の違いは?
そもそも管理栄養士と栄養士は何が違うのでしょうか。
実をいうと、違いはそんなにありません。
大きく違う点としては、医療機関勤務の際、患者一人一人に栄養指導ができるかどうかです。
栄養士免許のみの場合は、医療機関で栄養指導はできません。
また、栄養士免許を持っていないと管理栄養士にはなれないという点で、管理栄養士は栄養士の上級資格と言うことができます。
それぞれの概要と特徴を見ていきましょう。
栄養士
栄養士は免許制で、厚生労働大臣指定の栄養士養成施設を卒業することで取得することができます。
ちなみに、指定されている養成施設は昼間のみになります。
通信教育・夜間部の学校は指定認可されていなので、注意が必要です。
免許取得までの主な流れは以下の通りになります。
養成施設へ入学
↓
卒業
↓
栄養士免許申請
↓
栄養士資格取得
仕事内容は管理栄養士と、さほど違いはなく、食生活のアドバイスや調理などが挙げられます。
管理栄養士との違いは以下の2点があります。
月収約25万円〜33万円。管理栄養士と比較しやや低い傾向があります。
管理栄養士と同様、給食施設や福祉施設がメインになってきます。
しかし、医療機関での栄養指導は行うことができません。
管理栄養士
◎概要
管理栄養士は、国家試験に合格しなければならないため、栄養士の上級資格になります。
献立作成や調理だけでなく、個人に合わせた食事や栄養サポートといった業務も行います。
また活躍の場も幅広く門戸が開かれます。
管理栄養士になるまでの主な流れは大きく分けて2つのルートに分かれます。
まず、1つ目が管理栄養士養成施設卒業と同時に管理栄養士国家試験の受験資格を取得できるルートです。
管理栄養士養成施設へ入学
↓
栄養士資格取得
↓
実務経験不要
↓
管理栄養士国家試験受験
↓
合格(管理栄養士免許取得)
次に、栄養士養成施設を卒業し、実務経験が必要なルートです。
栄養士養成施設へ入学
↓
栄養士資格取得
↓
実務経験(1~3年以上)
↓
管理栄養士国家試験受験
↓
合格(管理栄養士資格取得)
月収約30万円~38万円。
栄養士と比べ、高収入であるといえますが、就職先によって異なるので、就職の際にはしっかりと確認しましょう。
管理栄養士の詳しい就職先は後述しますが、栄養士よりも幅広いフィールドで活躍することができます。
医療機関での専門的な栄養指導もできるのが、栄養士との主な違いです。
勉強のポイント
先に述べたように、管理栄養士国家試験の合格率は例年60%前後なので、さほど難関ではありません。
栄養士養成施設での授業をしっかりと聞き、国家試験対策を万全に行えば合格の道は開けます。
とはいえ、専門的な知識を要する食や栄養のエキスパートです。
勉強しなくても余裕で合格できるほど甘くはありません。
ここで勉強のポイントを解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
勉強のポイント1:主要試験科目を抑えよう
出題科目の中で特に問題数が多い科目は、「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(26問)」「臨床栄養学(26問)」「食べ物と健康(25問)」の3科目です。
この3科目は、実務でも多く必要とされる知識です。
これらを理解していないと、現場で適切な食事内容を提供することが出来ません。
最も多い科目は「応用力試験(30問)」なのですが、どんな問題が出るのか予想がしにくいため、先の3科目を中心に勉強した方が効率が良いです。
まずは、よく出る科目を徹底的に網羅しましょう。
勉強のポイント2:丸暗記ではなく理解に重点を置こう
丸暗記だけでは限界があります。
丸暗記は、短期記憶(一時的な記憶のみ)で、長期記憶には向かないと言われています。
アメリカの心理学者ジェームズの見解によると、短期記憶は短い時間しか保持されず、自動的に消滅していくと提唱しています。
つまり、一度覚えたつもりでもすぐに忘れてしまうのが丸暗記です。
理解に重点を置き、関連する物事に紐づけて記憶することで、忘れにくくなりますよ。
特に、応用力問題では、実際に管理栄養士として、現場で必要となってくる判断力・予測力・観察力などを要する問題が度々問われています。
論点を重要視しながら、勉強する癖をつけておきましょう。
そのためには、問題集を一冊仕上げることを目標し、何度も繰り返し解くことが大切です。
勉強の流れとしては以下の通りがベストでしょう。
①問題を解く
↓ ↓ |
この繰り返しです。
注意点としては、解きっぱなしではなく、きちんと間違えた問題を理解できるまで解説を読み込むことです。
間違えた問題をチェックしておくことで、自分の弱点を可視化することができます。
ある程度、問題数をこなしたら弱点を重点的に勉強していきましょう。
勉強のポイント3:過去問から出題傾向を把握しよう
過去問は必ず解きましょう。
全く出来なくても大丈夫です。
「どんな問題が出題されるのか」を把握することが重要だからです。
もちろん全く同じ問題が本番に出る可能性は限りなく低いですが、出題傾向は毎年同じです。
また試験時間は、午前の部が2時間25分、午後の部が2時間40分と長丁場です。
過去問を解くことで、実際の時間配分の対策を練ることができます。
過去問は、通販でもすぐに手に入りますが、実際に書店に行き、自分に合ったものを選びましょう。
過去問を解いても自分にとって分かりにくい解説だったら、本末転倒です。
全体的な勉強の流れは以下の通りがおススメです。
①過去問を解く
↓ ↓ |
過去問の一年分は本番直前までとっておきましょう。
模試として時間を図って実力試しに使うことができます。
また、問題集と過去問は一冊ずつで十分です。
いろんなテキストに手を出すのではなく、1冊を徹底的に仕上げましょう。
管理栄養士国家資格は独学で取得可能か?
先述したように、管理栄養士国家試験を受験するためには栄養士免許を取得している必要があります。
ゼロの状態から、管理栄養士を目指す場合には、まず栄養士免許を取得している必要があるため、独学は不可能です。
また、働きながらの資格取得は、栄養士免許を取得していない場合、昼間に栄養士養成施設に通学しなければいけないため難しいと言えます。
例えば、2年制大学の場合、免許取得に必要な単位数は約66単位です。
学校や学年によっても異なりますが、拘束時間が9時から16時までになる場合もあります。
そのため働き方にもよりますが、正社員として働いている場合は難しいでしょう。
働く時間を調整しやすいアルバイト・パートの場合は、両立しながら通学することもできます。
栄養士免許を既に取得している場合、栄養士養成施設で学んだことがベースになっているので、独学での合格は可能です。
栄養士養成施設で学んだことを復習しながら、国家試験対策を十分に行えば管理栄養士国家試験は突破できますよ。
詳しくは先に述べた勉強のポイントを参考にしてみてください。
管理栄養士になるためのルートは?
管理栄養士になるための最初の関門、栄養士免許取得のためのルートを紹介します。
大きく分けて修業年限2年・3年・4年と、3つのルートがあるので、ご自身の都合に合ったルートを選ぶ参考にしてみてください。
修業年限2年
・2年制専門学校栄養士養成課程
・2年制短期大学栄養士専門課程
◎2年制の栄養士養成施設を卒業した場合、管理栄養士国家試験の受験資格を得るためには、3年以上の実務経験が必要となります。
修業年限3年
・3年制専門学校栄養士養成課程
◎3年制の栄養士養成施設を卒業した場合、管理栄養士国家試験の受験資格を得るためには2年以上の実務経験が必要となります。
修業年限4年
・4年制大学栄養士専門課程
・4年制短期大学栄養士専門課程
・4年制専門学校栄養士養成課程
◎4年制大学と同様、一般教養も学べるため、卒業後は一般企業への就職も多いです。
最短ルートは、管理栄養士養成施設(4年制)に入り、在学中に一発で国家試験に合格するルートになります。
管理栄養士養成施設は専門学校が7校、大学が137校指定されています。詳しくは、こちらをご確認ください。
栄養士養成施設を卒業した場合は、一定期間の実務経験を経た上で管理栄養士国家試験の受験資格を取得することができます。
「一定期間」は、「4年制大学の場合は1年以上」「3年制短大・専門学校の場合は2年以上」「2年制短大・専門学校の場合は3年以上」と定められています。
最初から管理栄養士を視野に入れている場合は、管理栄養士養成施設に入る方が最短と言えます。
管理栄養士資格が活かせるフィールドは?
見事管理栄養士国家試験を突破した暁には、どのようなフィールドで活躍できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
管理栄養士資格が活かせるフィールド1:学校や保育園等
成長期の子どもたちにバランスの取れた食事を提供するのが主な仕事内容です。
給食の献立作成や必要な栄養素の計算などを行います。
また、季節のイベントや学校行事などを反映した献立作成も求められます。
直接子どもたちに対して食生活のアドバイスや食のマナー、食品ロスなどの指導も行う場合があるため、子ども好きな方に向いている職場です。
管理栄養士資格が活かせるフィールド2:病院などの医療機関
病院給食の献立作成だけでなく、患者一人一人の症状に合わせたバランスの良い食事を提供するのが主な仕事内容です。
特に、病院患者は病気療養中であるため、医師や看護師といった医療チームと連携しながら、共に患者の健康状態改善に向き合っていきます。
患者一人一人の病状を把握した上で、栄養指導や栄養相談といった役割も担います。
管理栄養士資格が活かせるフィールド3:一般企業
食品メーカーなどで、栄養食品の開発や企画といった勤務内容が考えられます。
さらに、マーケティングや営業の知識などがあればより幅広く活躍することが期待できます。
現場で培った食事や栄養の知識・経験を活かすことができますね。
管理栄養士として幅広く活躍し、キャリアアップしていきたいという方に向いている職場といえます。
管理栄養士資格が活かせるフィールド4:社会福祉施設や介護施設
施設利用者へのバランスのとれた食事の提供が主な仕事内容です。
身体機能低下に伴い、咀嚼が難しく食事を苦と感じる利用者も多いため、「流動食」や「刻み食」といった形状を変える工夫が必要な点で医療機関と異なります。
高齢者や障害のある方が対象となるため、身体機能に合わせた食べやすい食事メニューの作成や、栄養指導を行います。
施設によっては季節に合わせた行事などを行っていることも多いので、そういったイベントに合わせて楽しんで食べてもらう工夫も必要になってきます。
管理栄養士の給料は?
気になる管理栄養士の給与について、働き方や業界別に解説していきます。
業界 | 月収 | 年収 |
病院などの医療機関 | 約25万円~33万円 | 約300万円~400万円 |
一般企業 | 約20万円~27万円 | 約250万円~330万円 |
社会福祉施設や介護施設 | 約21万円~25万円 | 約260万円~310万円 |
働き方 | 月収 | 年収 |
正社員 | 約20万円~30万円 | 約250万円~350万円 |
派遣社員 | 約18万円~25万円 | 約200万円~300万円 |
アルバイト・パート | 時給1000円~1500円 | ー |
あくまでも平均と相場の額になりますが、就職の際の参考にしてみてください。
仕事内容は、調理業務や、栄養指導などがあります。
昨今、介護・福祉現場の低賃金が問題となっていますが、管理栄養士として介護・福祉分野に就職する上でも同等の傾向が見られます。
例として、病院勤務の場合、以下のような求人があります。
仕事内容 | 栄養管理業務、調理業務 |
雇用形態 | 正職員 |
給与 | 21.9万円~
※賞与:年2回 |
諸手当 | 通勤手当、残業手当等 |
地域や職場によって給与額は大きく変わってくるので、募集要項などをよく確認するようにしましょう。
アルバイトやパートであっても専門的な資格を所有しているという点で、高水準の時給を貰えることが多いようです。
給料は職場を選ぶ上で、重要な判断基準の一つですが、「自分自身がどこで活躍したいのか」、「どんな人と関わりたいのか」「どんな時にやりがいを感じるか」といった面も重要になっていきます。
是非、納得のいく職場選択をする際の参考にしてくださいね。
管理栄養士どんな人が向いている?
管理栄養士に向いている人の特徴を3つご紹介します。
1.相手の立場に立って物事を考えられる人
2.責任感があり健康的な人
3.コミュニケーション能力がある人
管理栄養士に向いている人の特徴1:相手の立場に立って物事を考えられる人
管理栄養士の仕事をしていくなかで、子どもからお年寄りまで、幅広い世代の人々と関わることになります。
自分軸で物事を捉えてしまう性格だと、適切な栄養指導ができませんし、対象者との信頼関係を築くことも難しいでしょう。
相手の立場に立って考えることは、栄養士に限らず、多くの職場で必要なスタンスです。
しかし、人の命にも関わる食を仕事とするので、より一層他人軸で物事を捉える視点は求められます。
管理栄養士に向いている人の特徴2:責任感があり健康的な人
いわずもがな栄養指導をする立場である以上、自分自身が健康的でなければなりません。
常に自分自身の食生活や生活習慣にも気を配れる方は向いていると言えます。
また、食事は人間が生きる上で重要な柱です。
特に、高齢者や子どもなどを対象とした栄養指導、食事提供に誤りが生じると命に関わります。
重い責任を背負っているという自覚を理解し、やりがいと捉えられる方にとっては適職といえるでしょう。
管理栄養士に向いている人の特徴3:コミュニケーション能力がある人
管理栄養士は、様々な立場の人とコミュニケーションを取らなければならない仕事です。
例えば、調理業務の際は調理師と、給食現場であれば教師と、医療現場であれば医師や看護師と協力しなければなりません。
また、個人への栄養指導の際は、相手の立場に立って接する必要があります。
チームワークを保つことができ、人と関わることが好きな人に向いている仕事です。
管理栄養士どんな人は向いてない?
管理栄養士に向いていない人の特徴を2つご紹介します。
1.数学的知識や事務作業が苦手な人
2.大雑把な性格の人
管理栄養士に向いていない人の特徴1:数学的知識や事務作業が苦手な人
管理栄養士の仕事は、栄養素の計算や献立作成などで、数学的知識や事務的作業が必要になります。
そのため、事務作業に苦痛を感じる方や、数学や計算に強い苦手意識を持っている方には向いていないと言えます。
管理栄養士に向いていない人の特徴2:大雑把な性格の人
相手の立場に立った栄養指導や、丁寧な調理が求められます。
大雑把な性格から、指導や調理に誤りが生じると大きな事故につながりかねません。
大雑把かつ不器用で、物事一つ一つを大まかに捉えがちな人には向いていないと言えるでしょう。
管理栄養士に関するよくある質問
管理栄養士に関するよくある質問 |
・管理栄養士の受験資格はあるの? ・管理栄養士資格だけで役に立つ? ・ユーキャンなどの通信講座で管理栄養士の資格は取得できる? ・ユーキャンの管理栄養士の講座はなくなったの? ・管理栄養士に近い講座は? |
管理栄養士や管理栄養士国家試験に関して、よくある質問を抜粋しました。
簡潔に、わかりやすく答えていくので、すぐに疑問だけ解消したい方や時間のない方はこちらから参考にしてみてくださいね。
よくある質問1:管理栄養士の受験資格はあるの?
受験資格はあります。
簡潔にまとめると、以下のように規定されています。
1.修行年限が2年である栄養士養成施設を卒業して、3年以上の実務経験を積んだ者。
2.修行年限が3年である栄養士養成施設を卒業して、2年以上の実務経験を積んだ者。
3.修行年限が4年である栄養士養成施設を卒業して、1年以上の実務経験を積んだ者。
4.修行年限が4年である管理栄養士養成施設を卒業した者
いずれも栄養士免許を取得していることが大前提になります。
よくある質問2:管理栄養士資格だけで役に立つ?
管理栄養士は栄養士の上級資格です。
管理栄養士資格を所有していると幅広いフィールドで活躍することができます。
具体的な例を挙げると、栄養士免許のみでは、医療機関勤務の場合患者一人一人に栄養指導をすることはできませんが、管理栄養士になると調理業務から栄養指導業務まで従事することができます。
よくある質問3:ユーキャンなどの通信教育で管理栄養士の資格は取得できる?
ゼロの状態から通信講座のみで、管理栄養士資格を取得することはできません。
まずは、養成施設し、栄養士免許を取得する必要があります。
すでに受験資格を得ている方は、通信講座を活用し国家試験対策をすることができます。
おススメの講座をご紹介します。
◎東京アカデミー:管理栄養士国家試験対策講座
完全に通信で勉強することができます。
✅栄養士免許を持っているけど、養成施設で学んだことを忘れてしまった。
✅働きながら合格を目指したい。
という方におススメです。
オリジナルテキストでは、基礎知識から実践まで網羅されています。
また、学んでいる過程で分からないことがあったらアドバイザーに質問できるシステムもあるため、安心して勉強を進めることができます。
講座名 | 管理栄養士国家試験対策講座 |
価格 | 50,000円(入会金:5000円/受講料:45,000円) |
合格率 | 記載なし |
サポート内容 | ・オリジナルテキスト ・演習課題 ・SOSカード(質問カード) ・特典教材 ・全国公開模試 |
申込締切日 | 2024年12月26日(木) |
よくある質問4:ユーキャンの管理栄養士の講座はなくなったの?
ユーキャンに管理栄養士の講座はありません。
食事や栄養に関する講座だと、食生活アドバイザーや調理師といった講座は開講されています。詳しくはユーキャンの公式サイトをご確認ください。
よくある質問5:管理栄養士に近い資格は?
管理栄養士に近いと言える主な資格は以下の通りです。
ユーキャンで開講されている講座なので、気軽に通信で学ぶことができます。
栄養士同等の知識を身につけたい方にお勧めです。
・食育実践プランナー
食生活に関するスペシャリストです。
食育の大切さや健康的な食生活を送るための知識を学ぶことができます。
食育実践プランナーに受験資格はなく、気軽に自宅で受験できます。
子どもに食の大切さを教えたい親御さんにお勧めです。
・調理師
食や栄養の知識を持ちつつ、安全安心な料理を作れる調理のプロ資格です。
合格率約60%と他資格と比較し、易しいため、人気の国家資格です。
しかし、受験資格は2年以上の実務経験が必要です。
調理関係のフィールドでキャリアアップしたい方、プライベートで活用したい方にお勧めです。
・食生活アドバイザー
食生活アドバイザーを取得した俳優の中島健人さんがCMに起用されたことで、注目を集めている食生活アドバイザー。
食に関する知識を幅広く学ぶことができます。
コロナ禍で健康面や栄養面を気にする方が増加し、需要が高まっています。
食生活アドバイザーも、受験資格はないので誰でもチャレンジすることができます。
仕事もプライベートも健康的に日常を送りたい方にお勧めです。
詳しくはユーキャンのHPをご覧ください。
まとめ:管理栄養士資格取得まとめ
管理栄養士国家試験自体は合格率約60%と、さほど難関ではありません。
しかし、受験資格を得ていなければ挑戦することもできません。
ゼロの状態から取得するには、まずは昼間の学校に通う必要があります。
既に社会人の方は、フルタイムで働きながらの資格取得は難しいということを念頭に置いておきましょう。
とはいえ、少子高齢化社会や昨今のコロナ禍において需要は高まっています。
是非、こちらの記事を自身の状況に合った資格取得や就職先を見つける参考にしてくださいね。
コメント