社会保険労務士はやめとけ?今後の需要や現実の年収、仕事内容なども調査!

「社会保険労務士はやめとけと言われたけどなんで?」

「社労士資格は使えない資格だと言われたけど本当?」

このような疑問をお持ちの人もいらっしゃるのではないでしょうか?

社労士は、士業資格の中でも取得の難易度は高いものですが、ネットでは「価値がない」「儲からない」などというネガティブな意見は少なくありません。

この記事では、

    • 社会保険労務士はやめとけといわれる理由
    • 社会保険労務士の仕事内容就職、年収状況の実態
    • 社会保険労務士の資格取得のメリット
    • 社会保険労務士に向いている人、向いていない人

などについて、詳しく解説しています。

この記事を読めば、社会保険労務士の実態・魅力が理解でき、ご自身が取得すべき資格かどうかがご判断いただけるはずです。

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目次

社会保険労務士はやめとけ?悲惨と言われる5つの理由

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まずは社会保険労務士がやめとけといわれる理由として以下の5つが挙げられます。

社会保険労務士がやめとけと言われる理由
  1. 試験の難易度が高く合格率が低い
  2. 事務作業が多く仕事が地味
  3. 社労士事務所の雰囲気が悪い場合もある
  4. 就職転職で有利にならない
  5. 思ったほど稼げない

つまり、社会保険労務士は資格取得が難しいことや、その割にはそれほど稼げない、就職で有利にならないことから、やめとけと言われているようです。

ここでは、やめとけと言われている理由の背景を含め、詳しく見ていきましょう。

試験の難易度が高く合格率が低い

1つ目の理由は、試験の難易度が高く合格率が低いことが挙げられます。

直近4年間の社会保険労務士試験の合格率は以下の通りとなっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度(第55回) 42,741人 2,720人 6.4%
令和4年度(第54回) 40,633人 2,134人 5.3%
令和3年度(第53回) 37,306人 2,937人 7.9%
令和2年度(第52回) 34,845人 2,237人 6.4%

(引用元:厚生労働省ホームページ 社会保険労務士試験の結果について)

上記の通り、社労士の合格率は5~7%程度と低い難関資格で、合格には一般的に1,000時間以上の勉強時間が必要といわれています。

合格までに何年もかかる人も多い難関資格であることが、やめとけと言われる理由になっているといえます。

事務作業が多く仕事が地味

2つ目の理由は、事務作業が多く仕事が地味なことです。

社会保険労務士は、労働問題や社会保険に関する法令に基づく書類作成代行、勤怠管理簿や給与明細などの帳簿作成が主な業務です。

正確な作業が求められるうえに作業量が多く、地味な事務的作業が多いため、仕事にやりがいが感じられずつまらないと感じる人もいます。

モチベーションが上がらないまま、淡々と事務的作業をこなしていくのは非常に辛いため、やめとけと言われる理由の1つとなっています。

社労士事務所の雰囲気が悪い場合もある

3つ目の理由は社労士事務所の雰囲気が悪い場合もあることです。

社労士の主な就職先となっている社労士事務所には、個人で独立開業しているところが多くあります。

そのため、事務所に勤めるメンバーも少なく所長の意向が強く反映された職場になっていることも少なくありません。

昔勤めてた社労士事務所が超絶ブラックで、退職した月の給与は何故か「手渡し」だった。
会議室に閉じ込められて2~3時間罵声を浴びせられてから手渡しされる給料
それ以外にも、「あなたがすぐ退職したら、うちの採用費用は無駄になる。「〇ヶ月以内に辞めたら私が払う」
と念書かされたりとか

(引用元:X)

全ての事務所が同じではありませんが、上記のような声もありました。

膨大な事務作業を淡々とこなすことが多いため、殺伐とした雰囲気になる事務所も多く、雰囲気が合わずストレスを抱えててしまうことも、やめとけと言われる要因の一つでしょう。

就職転職で有利にならない

4つ目の理由は就職転職で有利にならないことです。

社労士の主な就職先は企業や社労士事務所です。

いずれの求人も、即戦力人材のニーズが高く、実務経験のある人材を積極的に採用する傾向にあります。

そのため、せっかく資格を取得しても実務経験がないため、思うように就職できず、待遇が良くならないというケースも少なくありません。

実際問題今更年齢的に社労士法人に就職は難しいと思うけど、新卒で入れる事務所も少ないのか…
20〜30代経験者優遇なのか…
確かに学生の頃は社労士なんて知らなかったなあ…
会計事務所は簿記一級持ってたら30代経験無しでも雇ってもらえたけども。やめちゃったけど。

#社労士のしゃべり場

(引用元:X)

資格の難易度が就職や待遇の優位性につながらない点が、やめとけと言われる理由の1つになっています。

思ったほど稼げない

5つ目の理由は思ったほど稼げないことです。

社会保険労務士の働き方には「勤務型」「開業型」の2種類があります。

勤務型の給与については厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」にて確認できます。

社労士 年収

(引用元:令和元年賃金構造基本統計調査)

毎月の給与 334.9 ✕ 12ヶ月 + 年間賞与 841.4 = 486万円

同調査によると、令和元年の勤務型社労士の平均年収は約486万円です。

全職種の平均年収は約464万円なので、ほぼ平均値の収入です。

開業型の場合、収入はクライアント数など営業努力に左右され、年収100万円も稼げないという人もいれば、年収3,000万円を超えるという人もいます。

資格取得の難易度が高い割に給与が思ったほど上がらない、開業しても稼げないと感じる人も多いことが、やめとけと言われる理由の1つになっています。

社会保険労務士の仕事内容は?

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社会保険労務士の仕事内容
  • 【1号業務】労働社会保険関係諸法令に基づく提出書類作成・提出代行
  • 【2号業務】帳簿書類作成業務
  • 【3号業務】労務コンサルティング
  • その他

    このうち1号業務と2号業務は、社労士資格がないと依頼を受けられない「独占業務」であり、社労士資格のメリットといえる業務です。

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    【1号業務】労働社会保険関係諸法令に基づく提出書類作成・提出代行

    1つ目の仕事は、1号業務である労働社会保険関係諸法令に基づく提出書類作成・提出代行業務です。

    大まかにいうと、行政機関に提出する書類の作成当事者の代理人となることを指します。

    具体的な業務は以下のようなものです。

    • 労働及び社会保険に関する法令にもとづいて申請書等を作成すること
    • 申請書等の提出に関する手続きを代行すること
    • 労働及び社会保険に関する法令に基づく申請等に係る行政機関等の調査・処分に対する主張・陳述の代行すること
    • 個別労働関係紛争において当事者の代理をすること

    企業は人を雇用すると雇用保険や社会保険の手続きをする必要があります。

    これらの業務には知識が必要ですが、中小企業などでは知識のある人材が揃っているケースはそれほど多くありません。

    一方でこれらの業務は、ミスがあると重大な法令違反に繋がったり、いざというときに労働者を守れなかったりといったことにつながる重要な業務です。

    そのため、これらの業務を企業に成り代わり責任を持って請け負ってよいのは、法律や手続きに精通した専門家である社会保険労務士のみとされています。

    【2号業務】帳簿書類作成業務

    2つ目の仕事は、2号業務と呼ばれる労働及び社会保険に関する法令に基づいた帳簿書類作成業務です。

    簡単にいう企業が作成を義務付けられている書類を作成する業務ということになります。

    例えば、企業は法令で「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の作成が、義務付けられています。

    これらの作成には専門的な知識や経験が不可欠で、毎年のように行われる法改正に対応していかなければなりません。

    また、常時10名以上の従業員を雇用している企業は、就業規則の作成が義務付けられおり、この作成も2号業務にあたります。

    就業規則は労働者が働く上での基本的なルールを定めるもので、労働者と企業との間のトラブルを未然に防止する重要なものです。

    こういった労務に関する法令に基づいた書類の作成を企業の依頼により代行することが、2号業務の主な内容となっており、1号業務同様独占業務となります。

    【3号業務】労務コンサルティング

    3つ目の仕事は、3号業務といわれる労務コンサルティングです。

    近年ではテレワークをはじめとした働き方改革や女性・高齢者の雇用拡大、労働環境の多様化が進んでいます。

    また、セクハラなどのハラスメント問題などが問題視され、企業は労務に関する課題もさまざまです。

    こういった企業が抱える課題の解決を支援するのが、労務コンサルティングの役割です。

    課題の解決には、経営者と労働者の利害をうまく調整しつつ解決に導く必要があります。

    社労士としての知識だけでなく、者視点での見識、企業の社会的責任などを含めてアドバイスできるバランス感覚が必要になる高度な業務といえるでしょう。

    その他

    書類作成や労務コンサルティング以外にも、年金相談業務講演なども、社会保険労務士の業務の1種です。

    具体的には、学校や企業などで社会保険の公演、年金相談会への参加などです。

    また社労士試験予備校の講師や試験監督などもあります。

    社会保険労務士の就業形態と現実の年収

    sharoushi-shuunyuu

    社会保険労務士は資格取得した後の就業形態として以下の3つの方法があります。

    ・開業(独立)社労士

    ・勤務社労士

    ・その他

    どのような働き方をするかで、安定性や収入などが大きく変わります。

    それぞれの就業形態や収入などについて詳しく見ていきましょう。

    開業(独立)社労士

    開業(独立)社労士とは、都道府県の社労士会に「開業社労士」として登録し、事務所を構え業務を行う社労士のことを指します。

    企業と直接顧問契約し業務を行うため、収入は青天井で年収1,000万円を超える人も多い就業形態です。

    2018年に大阪大学大学院法学研究科が社労士会会員に向け行ったアンケートによると開業型社労士の年収分布は以下の通りとなっています。

    引用元:大阪大学大学院法学研究科「専門士業科研」研究プロジェクト事務局 「第2部 社会保険労務士の業務展開についてのアンケート調査」

    年収1,000万円を超える開業社労士の割合は36.6%と努力次第では、十分な収入が得られる働き方であることがわかります。

    2019年に発表された日本学術振興会科学研究費助成事業の研究データによると、アンケートに回答した社労士の就業形態は以下の通りです。

    就業形態 割合
    開業社労士 66.9%
    開業社労士・副業あり 18.3%
    企業官公庁等勤務社労士 9.6%
    社労士事務所・社労士法人勤務社労士 5.2%

    (参照:日本学術振興会科学研究費助成事業の研究データ)

    開業社労士の割合は副業ありも含め、85.2%となっており、社労士資格をとったからには、将来的には開業を目指すという人も多いのではないでしょうか。

    一方で収が100万円以下の人もいる厳しい世界でもあり、社労士としての能力だけでなく、事務所経営や営業力など総合的な力が必要となる就業形態といえます。

    勤務社労士

    勤務社労士とは、企業や官公庁、社労士事務所などに雇用され、業務を行う社労士のことです。

    厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、平均年収は約486万円です。

    社労士 年収

    (引用元:令和元年賃金構造基本統計調査)

    勤務社労士の場合、都道府県社労士会に「勤務社労士」として登録します。

    社労士資格には独占業務があり、企業側から見れば雇用することにより、外部に委託するコストを省くことが出来るため、貴重な人材です。

    労務のプロフェッショナルとして、勤務している会社に貢献する頼られる存在になれるやりがいのある働き方といえます。

    ただし、開業社労士とは異なり、勤務している企業以外からの依頼は受けられません。

    その他

    社労士には、都道府県社労士会に「開業登録」も「勤務登録」もしないという働き方も存在します。

    その他登録とは、厳密にいうと勤務社労士登録で勤務先を指定していない場合に「その他」登録とみなされるもので、その他登録という登録方法があるわけではありません。

    その他登録は、社会保険労務士法に規定された社会保険労務士の業務を社労士として行うことはできず、社会保険労務士を名乗って労働相談を行うこともできません。

    その代わり、社労士会への登録をしていることから、社労士会や支部の集まり、研修への参加は可能で、社労士との人脈形成や情報収集が可能なことがメリットです。

     「その他登録」については、社労士として業務を行うことはできなくても、社労士会の会員として、他の登録区分の会員と同様に連合会や所属する都道府県社労士会等が行う研修等への参加ができ、連合会や都道府県社労士会等から各種情報を得られる、他の社労士との人的ネットワークを形成することができる等のメリットがあります。

    (引用元:茨城県社会保険労務士会HP)

    今後開業を検討しているなど、まずは社会保険労務士としての就業や収入実態を知りたいという方は、その他登録という選択肢もあるでしょう。

    社労士資格を取得するメリット

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    社労士資格の取得にはさまざまなメリットがあります。

    ここでは代表的なメリットを3つご紹介します。

    社会保険労務士資格を取得するメリット
    1. キャリアアップ・収入増に繋げられる
    2. 社会保険労務士は今後の需要が高く将来性がある
    3. 社労士しかできない仕事が出来る

    社労士が扱う労務は、働く人が存在する限り必ず必要なものです。

    働き方改革などが注目されていることから、今後の需要も高く、やりがいのある仕事である点は社労士資格の魅力といえるでしょう。

    キャリアアップ・収入増に繋げられる

    1つ目のメリットは、キャリアアップや収入増に繋げられる点です。

    社労士資格を取得する過程では、社会保険や労務制度について学べ、現職で活かすことが可能です。

    また、資格取得により社労士の独占業務を行えるため、企業側からすると外部に依頼する必要がなくなります。

    労務のプロフェッショナルとして重要な人材となれるので、将来のキャリアアップに繋がりやすいといえるでしょう。

    また、社労士資格の保有者には資格手当を支給している企業も少なくありません。

    実際に現在、大手転職サイトに掲載されている募集企業では以下のような条件が提示されています。

    株式会社ROMU:

    社会保険労務士資格:1万円/月

    社会保険労務士法人ミライズ:

    社会保険労務士資格手当(1~3万円/月)

    (引用元:リクナビNEXT)

    直接的な収入アップにもつながる点もメリットといえます。

    社会保険労務士は今後の需要が高く将来性がある

    2つ目のメリットは、今後の需要が高く将来性があること。

    近年のテレワークなどの働き方改革の推進や、社会保険制度の改正など、労働環境の変化は年々大きくなっています。

    例えばハラスメント問題をはじめとして労働問題への対応に頭を悩ませる企業も少なくありません。

    厚生労働省が公表した「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、総合労働相談件数は124万件を超え、3年連続で100万件を超える高止まりの状況にあります。

    厚生労働省HP

    (引用元:厚生労働省HP「「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」

    またテレワークやフレックスタイムなどのライフワークバランスを重視した労働環境への見直しが進んでおり、中小企業では社会保険労務士の知見が求められています。

    これら労務に関する社会的問題の解決に向けて、社会保険労務士の存在は大きく、今後も需要が高く、将来性のある資格といえるでしょう。

    社労士しかできない仕事が出来る

    3つ目のメリットは社労士しかできない仕事が出来ることです。

    社労士には【1号業務】【2号業務】が独占業務として定められています。

    具体的には労働や保険に関する法令にをベースにした書類作成や就業規則の作成、帳簿書類の作成などです。

    これらの業務は、企業であれば必ず行うべき重要なもののため、需要が安定してあることは間違いありません。

    女性も多く活躍している

    4つ目のメリットは女性も多く活躍している点です。

    令和4年度の社会保険労務士試験合格者の男女別構成は以下のようになっています。

    性別 構成比
    男性 61.9%
    女性 38.1%

    (参照:厚生労働省HP 第54回社会保険労務士試験の合格者発表 [参考4]合格者等の推移(過去10年)・第54回社会保険労務士試験合格者の年齢別・職業別・男女別構成)

    女性の割合が4割近くを占めており、行政書士が3割弱であることから考えても、女性に人気の資格といえます。

    2021年版の社会保険労務士白書より。

    登録者における女性割合は年々高まっていて、2020年は過去最多の31.7%。

    この割合、感覚的には意外に少ないという印象。
    それくらい、社労士業界では女性が活躍しています。
    実際のところ、女性にはよい仕事だと思います。

    #社労士

    (引用元:X)

    年収面で見ると厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、性別別の年収状況は以下の通りです。

    全職種平均年収 社労士年収
    男性 545万円 514万円
    女性 293万円 434万円

    (引用元:令和元年賃金構造基本統計調査)

    全国平均と比べ男女格差が少なく、高収入を目指す女性にとって、社労士は有効な資格といえます。

    業務面で見ても、社労士の業務は細かな計算や書類作成などの事務的なものも多く、細やかな心遣いの得意な女性が活躍しやすい環境です。

    また、女性の社会進出が高まっている現代においては、産休や育休、ハラスメント問題などで、女性に寄り添った対応ができる貴重な存在でもあります。

    今後も女性の社会進出、雇用の多様化が進む中、女性の活躍の場はますます広がっていくでしょう。

    実生活にも役立つ

    5つ目のメリットとして、実生活にも役立てられる点があげられます。

    日本の社会保険制度では、制度を理解して自分で申請しないと助成を受けられないものが多くあります。

    社労士資格の取得により、労務関連の法律や年金、社会保険に関する知識が豊富になるため、自身だけでなく家族や友人のサポートも可能です。

    新しい上司が社労士の資格を持つバリバリの人事畑(産業保健に関してもかなりの知識を持つ)の人なんだけど、勉強になるのはもちろん、社労士の知識って産業保健に役立つよなーって連日思う。

    資格取得はさておき(試験激ムズだから)、少し勉強してみようかなと思う今日この頃。

    (引用元:X)

    子育てや介護、年金などの制度申請によって、資格取得で学んだ知識を生かして生活を充実させることが出来る点もメリットといえるでしょう。

    社労士に向いている人はどんな人?

    次に、社労士に向いている人がどんな人なのかについて、解説していきます。

    社労士の業務内容などから、社労士には以下のような人が向いているといえます。

    社労士に向いている人の特徴
    1. 数字を扱う仕事や地道な作業が好きな人
    2. 正義感・倫理観の高い人
    3. コミュニケーション能力の高い人

    向いていない仕事を続けるのは、どんな仕事でもストレスがたまりますし、成果も望めません。

    自分の性格や傾向にあっているかをしっかりと確認しておいたほうが良いでしょう。

    数字を扱う仕事や地道な作業が好きな人

    数値を扱う仕事や地道な作業が好きな人は、社労士が向いているといえるでしょう。

    社会保険労務士の業務は、書類作成や手続き、帳簿作成などが主体です。

    これらの業務は、企業にとって重要なもので、地道な上に正確さを求められます。

    ミスがあると申請が受理されず制度支援を受けられないなど、クライアントに迷惑をかける重要な業務です。

    数値を扱う仕事や地道な作業が好きな人でないと、勤まらないといえるでしょう。

    正義感・倫理観の高い人

    社会保険労務士として活躍する上で、正義感・倫理観の高さは非常に重要です。

    社会保険労務士は、労働者の権利を守り企業が法律を遵守するために力を発揮しなければならない職業です。

    仮に企業が法律に違反している場合には、勇気をもって指摘し是正させなければなりません。

    とくに近年ではハラスメントやブラックな労働環境が問題視されており、社労士は正義感・倫理観を持って毅然と対応することが求められます。

    正義感・倫理観を強く持ち行動できる人は社労士に向いているといえるでしょう。

    コミュニケーション能力の高い人

    コミュニケーション能力も社労士として成功するための重要な能力です。

    社会保険労務士の業務にはコンサルティング業務が含まれています。

    今後、AIでの業務代替が進む中、労務関係の問題解決などのコンサルティング業務の重要性はますます高まっていくでしょう。

    また、開業社労士ともなれば自ら営業し、クライアントを開拓していく必要もあります。

    いずれの場合も、クライアントの悩みやニーズを聞き出し、アドバイスするコミュニケーション能力は必須です。

    社労士の取得がおすすめできない人

    では逆に、社労士の取得がおすすめできない人はどういう人でしょうか?

    ここでは社労士の取得をおすすめできない人の特徴を3つご紹介します

    社労士資格の取得がおすすめできない人の特徴
    1. 社会保険労務士は実務未経験の人
    2. 地道な努力ができない人
    3. コミュニケーションが苦手な人

    社労士は資格を取得すれば未来があるものではなく、知識を活用してクライアントに貢献していくことが重要です。

    自分の適正に合わない場合は、成果に繋げられずせっかく資格を取っても意味がありません。

    自分が向いていない人の特徴に当てはまっていないかを、事前に確認しておくようにしましょう。

    社会保険労務士は実務未経験の人

    実務未経験の人は、社会保険労務士は向いていないかもしれません。

    社会保険労務士の求人は、企業が実務経験を重視する傾向にあります。

    実務経験が無い場合、求人数が限られてしまい、せっかく難易度の高い資格を取得しても、就職に苦労するということも少なくありません。

    また、社労士として登録するためには2年の実務経験が義務付けられていることから、開業や就業するにしても資格要件を満たせず、思うようなキャリアアップに繋げられません

    資格取得により、いち早くキャリアアップ・収入アップにつなげたいという人には、あまり向いていないといえるでしょう。

    地道な努力ができない人

    地道な努力ができない人も、社労士資格の取得は向いていないでしょう。

    そもそも社労士資格は、合格率10%未満と国家資格の中でも最難関資格の一つです。

    最低でも1,000時間程度の勉強時間が必要ともいわれており、コツコツと地道に努力できる人でないと、資格取得は難しいといえます。

    また、社労士の業務は書類作成や帳簿作成など細かい作業を正確に積み重ねていくものです。

    資格が取得できたとしても、地道な作業や努力が苦手な人ではストレスも多く、活躍するのは難しいかもしれません。

    コミュニケーションが苦手な人

    コミュニケーションが苦手な人も社労士には向いていないといえるでしょう。

    社労士の主たる業務であるコンサルティング業務では、クライアントの課題を聞き出し、的確にアドバイスすることが重要です。

    また、開業社労士となればクライアントを獲得するための営業活動も必要になります。

    いずれの場合は、クライアントとのコミュニケーションが重要なポイントとなるでしょう。

    コミュニケーション能力がない場合は、社労士としての役割を十分に果たせないことにもなりかねず、適正は低いといえるでしょう。

    社労士は取るも地獄、取っても地獄という人も

    社労士は、資格取得も難しく取得したとしても稼げない、就職できないから地獄だという人もいます。

    これまでご説明した通り、社労士資格は合格率10%未満の狭き門です。

    せっかく資格を取得しても、就業できず開業しても仕事がないと嘆いている人もいます。

    確かに資格取得はかなりの努力が必要な厳しいものでしょう。

    また資格を取得したからといって、バラ色の生活が待っているほど甘いものでもありません。

    しかし、資格そのものはこれからも必要とされつづけるものであり、社労士の活躍の場は今後も増えていくと予想されます。

    取るも地獄、取っても地獄といったことをいっている人の多くは、ここでご紹介したあまり社労士の取得に向いていない人が多かったのではないでしょうか。

    社労士に限らず、誰にでも向き・不向きはあります。

    資格そのものがどうかという前に、ご自身に適正があるかどうかをしっかりと見極めておくことが重要だといえるでしょう。

    社会保険労務士と行政書士はどう違う?

    sharoushi-gyouseishoshi-hikaku

    社会保険労務士資格の取得を検討している人の中には、同じく難関資格である行政書士との比較をしている人も多くいます。

    そこでここでは、社会保険労務士と行政書士の違いについて、詳しく見ていきましょう。

    就職面では社会保険労務士のほうが選択肢が多い

    就職面では「勤務型」「開業型」が選択できる社会保険労務士のほうが、選択肢が多いといえます。

    社会保険労務士は、資格取得後の働き方として、企業の会社員として勤める「勤務型」と、自身で事務所を構え独立する「開業型」が選択できます。

    勤務型であれば、会社として雇用が確保されている状態で業務が行えるため、収入を安定させることが可能です。

    開業型の場合、収入は安定しませんが、うまく事務所経営ができれば大きく収入を伸ばすことも可能です。

    一方で行政書士は社労士と異なり、開業しか選択肢はありません。

    また行政書士の業務内容は書類作成代理に限られるため、単価は低異傾向にあり、かつ継続的な契約も取りにくいため、収入を安定させるのは難しいでしょう。

    自分の状況や希望に合わせて働き方を選択できる社会保険労務士のほうが、就職面ではメリットが大きいといえそうです。

    合格率は行政書士のほうが高くなっている

    社会保険労務士、行政書士の過去5年間の合格率は、以下の通りとなっています。

    年度 社会保険労務士 行政書士
    令和5年度 6.4% 13.98%
    令和4年度 5.3% 12.1%
    令和3年度 7.9% 11.2%
    令和2年度 6.4% 10.7%
    令和元年度 6.6% 11.5%

    (参照:厚生労働書公式HP、一般財団法人 行政書士試験研究センター公式HP)

    社会保険労務士が6~8%の合格率となっている一方、行政書士の合格率は10~11%で推移しています。

    合格率から見ると行政書士のほうがやや難易度は低いといえるでしょう。

    ただし、いずれも難関資格であることは変わりなく、自身の適正ややりたいことに合わせて選択すると良いでしょう。

    ダブルライセンスという選択肢も

    社会保険労務士と行政書士のダブルライセンスを目指すのもオススメです。

    行政書士と社労士の両方の資格を保有していれば、それぞれの不足部分を補い合えるメリットがあります。

    たとえば、行政書士は単体の資格では収入を安定させづらいのがデメリットです。

    ダブルライセンスが取得できれば、収入の不安定さを補うため、社労士でクライアントを持ち収入の安定化を図りながら、顧客のニーズに合わせた幅広い業務を請け負うといったことも可能になります。

    もし行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスを目指すのであれば、行政書士を先に取得するのがオススメです。

    行政書士を先に取得すれば、社労士の取得条件の緩和も受けられます。

    また、学習範囲でみても行政書士のほうが法律分野をより広く学ぶ内容になっています。

    ご自身ど資格取得後にどのようなビジネスを展開したいのかを踏まえて、ダブルライセンス取得を検討してみてはいかがでしょうか。

    社会保険労務士はやめとけと言われる理由に関するQ&A

    社会保険労務士はやめとけと言われる理由に関するよくある質問
    ・社会保険労務士はやめとけと言われる理由は?

    ・社会保険労務士はどんな仕事?

    ・社会保険労務士では食べていけない?本音で年収はいくらくらい?

    ・社会保険労務士試験は難しい?頭悪いけど合格できる?

    ・社会保険労務士になったら人生変わる?

    ・社会保険労務士は仕事がない?AIで仕事が奪われる?

     

    最後に社会保険労務士はやめとけと言われる理由に関するよくある質問にお答えします。

    社会保険労務士はやめとけと言われる理由は?

    社会保険労使がやめとけと言われる理由は「試験の難易度の高さ」と「資格取得後の就職の難しさ」が要因になっています。

    しかし、難関資格とはいえ資格取得に向け地道に努力すれば取得は難しくありません。

    また、資格取得後の就職も「勤務型」を選択することで、現職でのキャリア・収入アップにも繋げられますし、独立開業も結局のところは本人の努力次第です。

    将来的な需要もある資格のため、心配することはないでしょう。

    社会保険労務士はどんな仕事?

    社会保険労務士の仕事は主に以下の通りです。

    社会保険労務士の仕事
    ・【1号業務】労働社会保険関係諸法令に基づく提出書類作成・提出代行
    ・【2号業務】帳簿書類作成業務
    ・【3号業務】労務コンサルティング
    ・その他

    1号業務・2号業務は社会保険労務士の独占業務であり、資格取得者しか行えません。

    社会保険労務士では食べていけない?本音で年収はいくらくらい?

    食べていくことは可能です。

    企業の会社員として働く「勤務型」であれば、平均年収は460万円(出典:令和元年令和元年賃金構造基本統計調査)となっています。

    すべての職種の平均年収が464万円となっており、ほぼ同程度の収入が確保できるので、食べていくことは可能です。

    一方で「開業型」は事業主としての経営手腕に左右されます。

    年収1,000万円を超える人もいれば、年収100万円しかないという人もいるのが現実のため、安定して稼ぐには営業活動などの努力が不可欠です。

    社会保険労務士試験は難しい?頭悪いけど合格できる?

    令和4年度の社会労務士試験の合格率は5.3%となっており、国家資格の中でも最難関といえる資格です。

    資格取得に必要な勉強時間も1,000時間以上といわれおり、取得には相応の努力が必要でしょう。

    だからといって、努力してもとれないほど難しいというものではありません。

    社会保険労務士になったら人生変わる?

    社会保険労務士は人生を変えられるポテンシャルのある資格です。

    社会保険労務士が行う業務は、あらゆる企業で義務付けられている重要なものです。

    また、労務問題や働き方改革などが社会的にも注目されているため、今後も社会保険労務士の重要性は高まっていくことが予想されます。

    開業しクライアントを得ていくことで収入面も大きくアップすることも可能です。

    社会保険労務士は仕事がない?AIで仕事が奪われる?

    確かにAIの普及により、これまで社会保険労務士が行っていた一部の書類作成や事務手続きに関する業務は代替されていくでしょう。

    しかし、社会保険労務士の業務はそれだけではなく、企業が抱える労務課題の解決や労働問題の解決など、AIでは代替できない業務も多くあります

    今後はAIで効率化できる業務はどんどん効率化し、AIでは代替できない業務の比重を高めていくことが求められるでしょう。

    まとめ:社会保険労務士はやめておいたほうがいい?

    sharoushi-matome

    この記事では、社会保険労務士はやめとけと言われる理由や、社会保険労務士の業務内容やメリット、向いている人、向いていない人などについてご紹介してきました。

    やめとけと言われる理由は資格取得の難しさや就職状況が厳しいことなどであることがわかりました。

    ただし、これらの理由は社会保険労務士の資格だけにとどまらず、他の資格でも同様のことがいえます。

    むしろ、社会保険労務士は社会にとってこれからも必要とされる将来性のある資格であることがわかって頂けたかと思います。

    重要なのは、ご自身の適正や将来のキャリアなどを踏まえて、資格が役に立つものであるか、努力する価値のあるものかを検討することです。

    この記事を参考し、ご自身にとって社会保険労務士の資格が目指すべきものであるかどうかをご判断いただければと思います。

    とはいえ、社会保険労務士の資格は難関資格であり、取得を目指すのであれば、正しく効率的な学習が欠かせません。

    こちらの記事では、社会保険労務士資格の取得に向けたおすすめの勉強方法やテキストをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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    監修者情報

    徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

    WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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