保護司とは?報酬やなぜ無給なのか、メリットについても調査

犯罪を犯した人や少年の更生と社会復帰をサポートする保護司。

保護司は社会でも必要とされている職業であり、人々の手助けをする重要な仕事です。

「保護司になるにはどのような資格が必要なの?」

「保護司は報酬がないと聞くけど本当?」

このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、保護司の仕事内容や報酬について、また保護司になるメリット等を徹底解説していきます。

この記事を読むことで、より保護司の知識や理解が深まるでしょう。

保護司を目指している方やこれから先の選択肢を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

保護司はどのような仕事?保護司の業務内容は?

保護司はどのような仕事?業務内容は?

(項目を選択で指定の位置にジャンプします。)

保護司とはどんな仕事?

保護司に年齢制限はある?保護司は高齢化している?

保護司はトラブルや事件に巻き込まれる?保護司は危険な仕事?

保護司は自宅訪問をするって本当?なんのために自宅訪問するの?

保護司になる上で、仕事内容や年齢制限は気になるところでしょう。

また、保護司はトラブルや事件など危険なことに巻き込まれるかもしれない、自宅訪問も必須なのかと不安に思っている方も中にはいるのではないでしょうか?

そのような不安を解消するためにも詳しく解説していきます。

保護司とはどんな仕事?

まず、保護司がどういったものなのか解説していきましょう。

保護司は,犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。保護司法に基づき,法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが,給与は支給されません。

(引用元:法務省公式HP)

つまり、保護司は、犯罪や非行をした人や処分を受けた人が再犯しないための更生と社会復帰を手助けするという仕事をしています。

保護司の主な仕事内容は以下の3つです。

保護観察:犯罪・非行を行なった人物を更生させるために指導や助言を行う。

生活環境調整:少年院や刑務所に収容された人物が釈放された際に、社会復帰のサポートを行う。

犯罪予防活動:犯罪・非行防止のために地域社会での理解を深める活動を行う。

(引用元:保護司法)

保護観察・生活環境調整・犯罪予防活動の中から仕事を振り分けられます。

アドバイスと再犯防止のための指導をする保護観察、社会復帰のサポートとして住居や就業先など生活環境を整える生活環境調整、犯罪・非行予防のために地域の理解を深める犯罪予防活動など、どれも重要な役割です。

このように、保護司の仕事内容は犯罪を防止する、また犯罪を犯した人の社会復帰を手助けするなどのサポートを行うことが中心とされています。

保護司に年齢制限はある?保護司は高齢化している?

保護司になれる年齢は以下の通りです。

保護司は新任の場合、 委嘱予定日現在 66歳以下であることを原則としている。

(引用:参議院常任委員会調査室・特別調査室)

保護司は新任の場合であれば66歳以下であることが定められています。

保護司の任期は2年とされており、再任されることがあるため再任された場合は66歳以上でも問題ありません。

(引用:更生保護ネットワーク)

グラフを見てみると、平成25年から平成30年にかけて徐々に保護司の平均年齢が上がっていることがわかります。

さらに令和3年から令和4年には一気に平均年齢が上がっており、年々高齢化が進み問題視されています。

高齢者の保護司が増えている中で、法務省保護局によると20代の保護司は4万6358人の中で12人のみです。

そのため、若い人材は業界内でも重宝され、非行をしてしまった少年・少女など歳が近いからこそ相談できるという「若さの強み」を活かして仕事ができるでしょう。

保護司はトラブルや事件に巻き込まれる?保護司は危険な仕事?

結論から言うと、Googleで「保護司 トラブル」で検索した結果、具体的なトラブル事例などは見つかりませんでした。

犯罪・非行をした人々をサポートするという仕事のため、何かトラブル・事件が起こらないか不安に思う方も多いでしょう。

確かにリスクが全くないとは言い切れませんが、保護観察を任される前に保護観察官が面接を行い問題がないかをチェックを行ってから仕事を任せられるため、危険な仕事ではありません。

また、万が一不安を感じるような出来事が発生した場合は担当を変えることも可能です。

保護司は自宅訪問をするって本当?何のために自宅訪問をするの?

保護司は保護観察のために必要に応じて自宅訪問を行います。

自宅訪問の目的は、保護司が定めたルールを守れているのか、また通勤・通学をしっかり行なっているか等、生活環境が乱れていないかを確認するためです。

担当者と面接をすることで改めてルールを確認や指導ができるため、生活環境の見直しにも繋がるでしょう。

1回の面接時間は概ね20分-1時間程度です。

また自宅での面接が困難な場合は、サポートセンターなどで面接することもできます。

2021年4月現在、面接は電話で行うことを原則としています)

生活環境調整を担当している場合は、仮釈放後の生活環境が整っているかどうかについて、引受人と年に2回程度面接して結果を報告します。

(引用:杉並区 保護司会公式HP)

自宅訪問が難しい場合でもサポートセンターや電話での面接が可能とされているため、必ず訪問しなければいけないということではないようです。

また、面接は年に2回程度のため頻繁に自宅訪問するわけではありません。

保護司はボランティアで無給?給与は全くない?

保護司は非常勤の国家公務員でありボランティアのため無給です。

しかし、保護司の仕事内容に合わせて給料の代わりとなる費用弁償が支給されます。

そのため、全く給料が無いというわけではなく、業務内容に合わせて実費弁償金が支払われることが定められています。

どういった業務内容にどれくらいの金額が支給されるのかが、保護司を目指す上でも気になる点の一つでしょう。

そして、なぜ保護司は地域の人々や犯罪・非行を行なった人々のために貢献しているのに給料が支払われないのかという点も気になりますよね。

なぜ保護司は仕事をきっちり行なっているのに無給なのか、また保護司の報酬制度について気になる点を詳しく解説していきます。

保護司はなぜ無給なのか

保護司は先ほど述べた通り、国に認められている非常勤の国家公務員です。

保護司は、社会奉仕の精神をもつて、犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もつて地域社会の浄化をはかり、個人及び公共の福祉に寄与することを、その使命とする。

(引用:保護司法)

保護司法でも述べられているように、社会奉仕・犯罪防止のための使命を果たせる慈善活動として位置づけられています。

地域で犯罪・非行が起こらないように、また過去に犯罪・非行を行なってしまった人が再び社会復帰できるように、地域の人々に貢献することが保護司の仕事であり使命です。

また、保護司はこれまで地域貢献を行なってきた方の中から推薦・選出されるため、お金が発生することがないボランティアの延長線なのでしょう。

あくまでもボランティアとして活動することを理解した上で、保護司になる必要があります。

保護司の報酬制度について

保護司には業務に合わせて、予算の範囲内であれば実費弁償金の支給が保護法によって定められています。

  • 補導費
  • 生活環境調整費
  • 特殊事務処理費
  • その他の費用
  • 旅行実費の算出

このように大きく分けて5種類の実費弁償金があり、業務内容に合わせて支給されます。

原則給料は支給されないという決まりですが、予算の範囲内で職務をすると一部費用が発生するため全く給料が支払われないというわけではないようです。

この5種類の実費弁償金はどのような場合に発生するのか、1回につきいくら支給されるかを解説していきます。

補導費

補導費は、犯罪・非行をした人物に対しての補導と助言をする保護観察を行なった際に支払われます。

保護司が保護観察を担当したときは、担当事件一件につき一箇月七千六百六十円以内の費用を支給する。

(引用:保護司実費弁償金支給規則

担当した事件一件につき一律で給与がもらえるようになっています。

生活環境調整費

保護観察所長から生活環境の調節等を行うように依頼され、実行と報告を行なった際に生活環境調節費が支給されます。

保護司が保護観察所長から生活環境の調整又は保護観察に関する調査(以下「生活環境調整等」という。)を命ぜられ、その結果を報告したときは、一件につき三千四百四十円以内の費用を支給する。ただし、生活環境調整等の場所が保護司の居住地から片道八キロメートル以上の場合には、これに要した旅行実費を支給する。

(引用:保護司実費弁償金支給規則

結果報告一件につき3,440円以内の費用を受け取ることが可能です。

また、生活環境調節の場所が自宅から片道8km以上であれば旅行実費も支払われます。

特殊事務処理費

保護観察所長から裁判所などとの連絡や特殊事務処理を行うよう指名され、実行した場合には特殊事務処理費が支払われます。

直接指名を受けた場合にのみ発生する費用なので要注意です。

保護司が保護観察所長から裁判所、検察庁等との連絡その他特殊の事務を処理するものとしてあらかじめ指名を受け、その事務を処理したときは、一日六千六百円以内の費用を支給する。

(引用:保護司実費弁償金支給規則

直接指名を受け、事務作業を行なった場合のみ一日6,600円以内の費用が支払われます。

その他の費用

また上記に挙げた職務以外の業務を要求された場合にはその他の費用が支給されます。

保護司が前三条に掲げる職務以外の職務を行う場合においても、保護観察所長が必要と認めこれを命じたときは、その職務を行うために要する実費を支給することができる。

(引用:保護司実費弁償金支給規則

ただし、保護観察所長が命令・指名した場合、また必要と考えた場合のみに発生するため、必ず支給されるというわけではありません。

旅行実費の算出

上記の職務を行うにあたって発生した旅行実費の算出には、国家公務員の旅費に関する法律が適用された上で支給されます。

第三条及び前条の旅行実費の算出については、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)の規定により行うものとし、職務の級については、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第六条第一項第一号イに規定する行政職俸給表(一)による二級から五級までの間において、各保護司につき、別に法務大臣が定める職務の級にあるものとして計算する。

(引用:保護司実費弁償金支給規則

また、行政職俸給表の2級から5級までの等級までの間に支払われ、等級は保護司によって異なります。

保護司と民生委員は同じ仕事?違いはあるの?

保護司と民生委員では仕事の目的や業務内容が異なります。

ボランティアであり、給与が発生しないまた仕事内容が似ているため同じ仕事だと一見勘違いしてしまう方も多いでしょう。

しかし、保護司と民生委員は別物の仕事であるという3つの理由があります。

以下では保護司と民生委員が違う理由について、職種・対象人物・支援内容を用いて解説していきます。

保護司と民生委員の違いとは?

保護司 民生委員
  • 法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員
  • 犯罪・非行をしてしまった人が対象
  • 罪を犯した人の社会復帰と更生が目的
  • 厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員
  • 地域住民が対象
  • 地域住民の生活上の相談とアドバイス、福祉サービス利用上での情報提供を行うことが目的

保護司は法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員であり、犯罪・非行した人の構成と社会復帰をサポートします。

一方で、民生委員とは厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員で、地域住民の相談を受けたり安全を守る仕事です。

つまり、保護司と民生委員では職種・対象人物・支援内容が異なります。

これらの違いについて詳しく解説していきます。

保護司と民生委員の違い①:職種が異なる

保護司は法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員であり、民生委員は厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。

保護司が割り当てられている非常勤の国家公務員は、国の各機関で一般行政事務を行う専門知識を有する人が雇用されます。

一方で民生委員が割り当てられる非常勤の地方公務員は、地方自治体の組織に勤務する一定期間に専門的な知識を有する人が雇用されます。

どちらも非常勤ではありますが、国の機関と地方自治体で勤務機関が異なることがわかります。

また、非常勤職員は1週間で決まった日時での勤務が多いですが、自治体によって異なっているため事前に確認しておくことが必要です。

保護司と民生委員の違い②:対象人物が異なる

保護司 民生委員
対象人物 犯罪・非行をしてしまった人物 生活上で悩みを抱えている地域住民

保護司と民生委員では支援の対象となる人物が異なります。

保護司は主に犯罪・非行をしてしまった人と限定された人物を対象にしているのに対して、民生委員は生活上で困っている地域住民を対象にしています。

簡潔に言えば、罪を犯した人をサポートするのは保護司で、生活での悩みを相談するのは民生委員ということになります。

また、保護司は主に犯罪・非行をしてしまった人を対象ですが、サポートの一環で地域住民の理解を深める活動も行なっているため、結果的には地域住民にも貢献していると言えるでしょう。

保護司と民生委員の違い③:支援内容が異なる

保護司と民生委員では支援内容が異なります。

保護司の支援内容
  • 犯罪・非行してしまった人に対して、気持ちを尊重しながら指導とアドバイス
  • 再犯防止のためにも、地域住民の理解を深める活動
  • 罪を犯した人が社会復帰できるための徹底的なサポート

保護司の支援内容は、主に犯罪・非行した人に対する更生・社会復帰がメインになります。

少しでも犯罪件数を減らすために常日頃から働きかけることが重要となります。

対して、民生委員の支援内容は以下のとおりです。

民生委員の支援内容
  • 高齢者のための生活上・介護の相談
  • 行政サービスや福祉情報の説明
  • 子どもの安全を見守り、虐待の発見と通告
  • いじめ防止 etc

一方で民生委員は地域住民が安心して暮らせることを目指して、相談や見守りを行うことがメインの支援内容です。

日頃から市民が安全に過ごしているのか、子どもたちに危険がないか、高齢者が問題なく暮らせているかなどを確認することが重要で、万が一問題があれば報告を行う必要があります。

このように、民生委員には地域住民が安全に暮らせるように見守る役目があります。

保護司になるために必要なことは?

保護司になるためには保護司選考会に推薦され、選ばれる必要があります。

そのため保護司を目指している方は、まずは保護司選考会に推薦される必要があります。

また、推薦してもらうだけではなく保護司選考会にて選ばれることで保護司になれます。

また、保護司として働くには地域活動の経験がある方や保護司活動に対する熱意などを持っている方という条件があり、それらに満たしている人のみが選ばれます。

保護司の推薦手続きについて

保護司の選考会のためには推薦される必要があります。

法第三条第三項に規定する保護司の推薦は、別に定めるところにより保護観察所の長が保護司候補者推薦名簿を作成し、地方更生保護委員会を経由して、法務大臣に提出して行うものとする。

(引用:保護司の選考に関する規則

保護観察所長が保護司候補者推薦名簿を製作し、地方更生保護委員会を経由した上で法務大臣に提出することで推薦手続きは完了します。

この工程を終えた上で、保護司選考会に参加し、選ばれるとようやく保護司と名乗れます。

保護司適任者を確保するために,現在最も多く採られている方法は,保護司が自らの人脈を生かして 候補者を探す方法であり,地方自治体に候補者を推薦してもらうという方法がこれに次ぐ結果であった。

(引用:保護司制度に関するアンケート)

保護司制度に関するアンケートによると、地方自治体または保護司自らが候補者を探して推薦を行っているようです。

そのため、保護司を目指している方は保護司や地方自治体に相談してみるのも一つの手段でしょう。

保護司に必要な資格や試験

結論から言うと、保護司になるために必要な資格や試験はありません。

そのため、知識や情熱がある方は保護司を十分に目指すことが可能でしょう。しかし、保護司法によって定められた条件に満たしている必要があります。

条件は以下の通りです。

  1. 人格及び行動について、社会的信望を有すること。
  2. 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
  3. 生活が安定していること。
  4. 健康で活動力を有すること

(引用元:保護司法)

まずは普段の行動や人柄において信用できる人物ということが必要とされています。人のサポートやアドバイスを行う上で信用されている人であることは、対象人物も安心して任せられるでしょう。

次に保護司に対して熱意があり、時間にも余裕がある人が適しています。

保護司だけではなく、何事にも熱意がなければ仕事は上手くいきません。そのためにも、保護司になったらどういう人物になりたいなど理想や目標を持ち、熱意がある人は必要とされる人材でしょう。

時間に余裕があるということも、保護司において重要なポイントです。保護司は徹底的なサポートや面接などを行うため、柔軟に対応でき、担当者と向き合える人が条件とされています。

また、生活が安定していて健康な人であることも必須です。まず、保護司はボランティア活動であるため給料が支給されないため、生活面で余裕がないと保護司になることは難しいでしょう。

また、自宅訪問やアドバイス・指導を行うためにも健康でないとそれらの業務は務まりません。

このように上記の4つの条件に当てはまるという方は、保護司になる素質が充分にあります。

なぜ保護司になる?保護司になるメリット・デメリット

保護司になる上でメリットとデメリットが存在します。

保護司を目指す上では事前にどのようなメリット・デメリットがあるのかは知っておきたいポイントの一つでしょう。

保護司になるメリット 保護司になるデメリット
  • 他ではできない経験できる
  • 人生経験を活かせる
  • 将来性がある
  • 他の仕事と比べるとリスクがある

保護司になるメリットとして「他ではできない経験ができる」「人生経験を活かせる」「将来性がある」ということが挙げられます。

犯罪・非行した人を対象にサポートをするため、貴重な体験となり、自分の人生経験からアドバイスができることも多いでしょう。

さらに、仕事を続けるうちに保護司という職業も人生経験の一つとなり、これから先の人生でも役に立つことが魅力の一つです。

また、デメリットとして考えられるのは、犯罪を犯してしまった人と関わる仕事なので「他の仕事と比べるとリスクがある」ということです。

人によっては犯罪・非行してしまった人と関わることに不安を抱き、デメリットと感じてしまう人もいるでしょう。

以下では表に挙げたメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリット・デメリットを参考に自分が保護司に適しているのかどうか確認してみてください。

保護司になるメリット

保護司になるメリット
  1. 他ではできない経験ができる
  2. 人生経験を生かせる
  3. 将来性がある

保護司になる3つのメリットについてそれぞれ詳しく紹介していきます。

保護司は自分のためにもなり、人のためにもなるやりがいある仕事ですが詳しいメリットについて考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。

保護司を目指したいけどなかなか踏み出せないという方は、以下のメリットを参考にしてみてください。

1. 他ではできない経験ができる

保護司では他の職業にはない、他ではできない経験ができます。

罪を犯してしまった人の更生や社会復帰の援助は普段の仕事では中々できない経験でしょう。

担当者にどういう事情があったのか、今後どうなっていきたいかなどの目標などを一緒に立てていくなどのサポートを行うことは非常に貴重な体験となります。

また、社会復帰を手助けすることで当事者だけではなく地域の人々にも感謝され、やり甲斐がある仕事といえます。

日常生活や他の職業ではできないことなので、自分のためにも相手のためにもなることはメリットの一つでしょう。

2. 人生経験を活かせる

保護司では自分の人生経験を活かしてアドバイスや更生の手助けができます。

担当者がどのような事情があって犯行に至ってしまったのかなどの経緯を聞くこと、またこれから先どうやって更生していくかなどのアドバイスは人生経験が豊富な方であれば相手に寄り添った意見ができるでしょう。

マニュアルや指示通りに行なうだけではなく、今まで自分が経験したことを活かすことで解決に導くことも可能です。

今までの人生経験が役に立つだけではなく、保護司になることでまた一つの人生経験となり、様々な人との触れ合いで考え方も変わるような出来事に出会えるかもしれません。

3. 将来性がある

保護司は将来性がある仕事です。昔は会社に出社することが当たり前とされていましたが、近年ではパソコンの普及により、人と関わることのないテレワークが主流になりつつあります。

しかし、保護司は人との触れ合いが重要となる貴重な仕事です。人との関わりが減っている中でも、関係性を築くことが大切な保護司は将来性に期待できると言えます。

また、保護司の高齢化が進む中、若い保護司は必要とされているため若い人材は重宝されます。非行・犯罪をした人のサポートをすることで自分の成長にもつながるため、充実感があるでしょう。

人と関わることが少なくなっている現代社会において、正面からぶつかり合う保護司の仕事は明るい将来を見込めます。

保護司になるデメリット

保護司になるデメリット
  1. 他の仕事に比べるとリスクがある

保護司だけではなくどの仕事でもデメリットは存在します。

また、デメリットだと感じないという人もいれば、デメリットが大きく感じてしまう人など人によって様々でしょう。

保護司を目指しているという方は、前もってデメリットを知っておくことも大切です。

1. 他の仕事に比べるとリスクがある

保護司は犯罪・非行をしてしまった人物を対象にサポートを行うため、その他の職業に比べるとリスクがあり危険を感じてしまう人もいるでしょう。

しかし、事件やトラブルに巻き込まれることや逆恨みされること極めて少ないと言われています。

理由としては、犯罪・非行をしてしまった人の行動に対する責任を保護司一人で背負うことはなく、地域によっては児童相談所や教育委員会などと情報共有が行われているからです。

寧ろ、更生と社会復帰を徹底サポートし、地域住民にも理解を深める活動を行なっているため監査されることが多い仕事です。

多少のリスクは伴いますが、それ以上にやりがいのある仕事なので心配に思う必要はないでしょう。

保護司になるメリット・デメリットのまとめ

保護司になるメリット 保護司になるデメリット
  • 他ではできない経験できる
  • 人生経験を活かせる
  • 将来性がある
  • 他の仕事と比べるとリスクがある

保護司になるメリットとして「他ではできない経験ができる」「人生経験が活かせる」「将来性がある」というようなメリットがあることがわかりました。

保護司は犯罪・非行してしまった人のサポートを行うため、日常生活ではなかなか味わえない貴重な経験ができ、そこから知識や技術を得られます。

また、人生経験豊富の方であれば、過去の経験から問題解決へと導ける、また相手のためになることもあるでしょう。

近年では人と面と向かって話すことやサポートすることが少なくなっているため将来性も高く、これからの未来に役立つ仕事です。

また、デメリットとしては「他の仕事と比べるとリスクがある」ということですが、実際には事件に巻き込まれるなどの危険性はありません。

社会復帰をすることや地域での犯罪防止活動を行うため、多くの人に感謝される仕事なのでやりがいがある仕事と言えます。

どんな人が保護司になるの?保護司に向いてる人・向いてない人の特徴紹介

保護司は成長に繋がるやりがいある仕事ですが、もちろん向き不向きがあります。

自分はこういう面では得意なことがあるけど、これは苦手、など自分の中でも得意な分野と苦手な分野で分かれているでしょう。

このように自分が得意としていることが仕事に活かせるか、また苦手なことを克服するためにどんな人であるべきかということは前もって知っておきたいですよね。

向いている人の特徴、向いていない人の特徴に自分がどれくらい当てはまっているかを確認してみてください。

それでは保護司に向いている人・向いていない人の特徴を紹介していきます。

保護司に向いてる人の3つの特徴

保護司に向いている人に多い特徴
・精神的に余裕がある人

・人の話をじっくり聞ける人

・人のお世話が好きな人

ミライ科職業などの公式サイトで検索した結果、保護司に向いている人に多いと言われている3つの特徴は上記の通りです。

保護司を目指す上で自分が向いている人に当てはまるかどうかは気になる点の一つでしょう。

万が一当てはまらなかった場合や自分が苦手としていることが向いている人の特徴に入っていたという場合でも心配はありません。

苦手なことを少しずつ克服させていくことも可能なので、まずは挑戦してみるということも大切です。

それでは保護司が向いている人の特徴をそれぞれ解説していきます。

精神的に余裕がある人

 人格及び行動について、社会的信望を有すること。
 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
 生活が安定していること。
 健康で活動力を有すること。
(引用:保護司法)

保護司法の第3条・4項目目で述べられている通り、健康で活動力がある、つまり精神的余裕を有する人が保護司に向いている人の特徴に挙げられます。

犯罪・非行した人のサポートを行う必要があるため、まずは自分の精神状況に余裕がなければ人のサポートやアドバイスは行えません。

保護司の目的として罪を犯してしまった人の心のサポートも必要です。そのため精神的余裕を有する人でなければ、人のことまで手が回らない可能性が極めて高いです。

万が一、保護司を目指しているけれど精神面が不安定だという方は、まずは自分の精神状況を整えてから保護司を目指すといいでしょう。

心の余裕がある、または人の手助けに熱意があることが一番重要です。

人の話をじっくり聞ける人

次にミライ科職業によると、人の話をじっくり聞ける人は保護司に向いている特徴に挙げられます。

保護観察中の人との面接をすることが多い仕事なので、じっくりと話を聴く力のある人、そして冷静に判断し、臨機応変な対応をすることのできる人が向いています。

(引用:ミライ科 職業)

ミライ科 職業で述べられているように、保護司になるにおいて人の話を妨げずに最後まで聞く力がある人は必要とされています。

また、話を聞くだけではなく、犯罪・非行した人と交流する上で相手の性格や特徴、話の内容や悩みを理解し、その理解を深めていく必要があります。

担当者のことを理解できる、また悩みや心情を聞いてあげるなど関係を築いていくことは極めて重要です。

また、その人に寄り添った助言をするには、人の話を真摯に聞けることはもちろん、人と普段から話すことや関わることが好きな人が最適ではないでしょうか。

人の話をじっくり聞ける、人と話すことに楽しさを感じる方に保護司はおすすめです。

人のお世話が好きな人

人のお世話が好きな人も保護司に向いている人の特徴の一つです。

人のために更生を手助けできる、また社会復帰するにあたって最後まで徹底的に援助ができる方が保護司になるためには必要とされています。

自分の利益になることだけではなく相手のためになることをしてあげたい、サポートしてあげたいという心が非常に大切です。

人のために行動できる人、世話好きな人、また昼夜問わず担当者に会うことが可能な方は保護司に向いているでしょう。

保護司に向いていない人の特徴

保護司は誰でもなれる職業ではなく、保護司になれない条件も設けられています。

以下の条件に一つでも当てはまる方は保護司になることは困難です。

  1. 禁錮以上の刑に処せられた者
  2. 日本国憲法の施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
  3. 心身の故障のため職務を適正に行うことができない者として法務省令で定めるもの

(引用:保護司法)

過去に逮捕された経歴があるという方、また政府に反発する組織を結成・加入した方、心身の事情で正常に仕事が行えないという方は保護司になれません。

保護司は人の更生と社会復帰を目的としているため、これらの行為を妨げるような行動を予想する人には務まりません。

このように保護司法によっても定められているため、向いている人の特徴や条件に当てはまっても保護司にはなれない場合があるので要注意です。

保護司を目指す人におすすめしたい資格

保護司になるためには必要な資格はありません。

推薦と選考会で選ばれるということが重要視されているため、これといった資格を持っていなくてもいいということが特徴の一つです。

しかし、保護司を目指すにあたってスキルアップや仕事で役立てるために身につけておきたい資格はあります。

そこで、保護司になりたい人向けのおすすめ資格を紹介していきます。

保護観察官

保護観察官は、全国に8箇所ある「地方更生保護委員会」と全国50箇所にある「保護観察所」が職場の全国でも約1,000人しかいない事務職員です。

保護観察官とは、保護観察所・地方更正保護委員会において、医学、心理学、教育学、社会学その他の更生保護に関する専門的知識に基づき、保護観察、調査、生活環境の調整その他犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護並びに犯罪の予防に関する事務に従事する職員のことです(更生保護法31条)。

(引用:横浜ロード法律事務所)

保護観察官は主に、犯罪・非行した人を対象に社会復帰へと促すために指導や環境調節・保護を行う役割があります。

また、保護観察官になるためには国家公務員資格に合格と法務省保護局・更生保護官署に法務事務官として採用される必要があります。

保護観察官は専門的な技術と知識を身につけられる上、国家公務員のため高収入がを目指せます。

スキルアップと同時に高収入の見込みがある仕事のため、保護司を目指している方には合わせておすすめです。

人権擁護委員

人権擁護委員は、人権相談や人権の理解を深める活動を行う保護司とよく似た役割を持ちます。

人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて、人権相談を受けたり人権の考えを広めたりする活動をしている民間の方々です。 人権擁護委員は無報酬ですが、現在、約14,000人が法務大臣から委嘱され、全国の各市町村(東京都においては区を含む。以下同じ。)に配置されて、積極的な人権擁護活動を行っています。

(引用:法務省)

法務省によると全国に約14,000人の人権擁護委員がおり、現在も活動を広げていっていることがわかります。

法務大臣に認められているボランティアのため、保護司と同じく給料はありません。

しかし、人のために何かしたい、地域の人々の役に立ちたいなど、地域貢献を行いたい熱意ある人には人権擁護委員もおすすめでしょう。

保護司に関するよくある質問

保護司に関するよくある質問
  • 保護司になるには資格が必要?
  • 保護司には試験があるの?
  • 給料はもらえる?
  • 保護司は危険って本当?
  • 知識がなくても大丈夫?

保護司を目指す上でも疑問や不安に思うことはたくさんあるでしょう。

上記のように保護司を目指す前に知っておきたいことをリストアップしました。

多くの人が疑問に思っていることを参考に、保護司に関するよくある質問について紹介していきます。

保護司になるには資格が必要?

保護司になるためには資格や試験は必要ありません。

しかし、保護司法によって以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 人格及び行動について、社会的信望を有すること。
  2. 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
  3. 生活が安定していること。
  4. 健康で活動力を有すること

(引用元:保護司法)

上記の条件を満たしている方は、保護司になる資格があり、保護司になる上で必要である推薦をもらえる可能性が非常に高いです。

保護司には試験がある?

先ほど述べたように、保護司には試験などはありません。

保護司選考会に推薦され、選ばれると保護司になれます。

給料はもらえる?

保護司は法務大臣に認められている非常勤の国家公務員です。

つまり、ボランティアで行われているため給料はもらえません。

しかし、業務に合わせて実費弁償金(補導費・生活環境調整費・特殊事務処理費・その他の費用・旅行実費の算出)が支給されます。

保護司は危険って本当?

保護司は危険な仕事ではありません。

犯罪・非行をしてしまった人々を対象に仕事を行うため、不安に思うひとも多いでしょう。

しかし、保護観察官が面接を行なった上で仕事が割り振られるため、事件やトラブルに巻き込まれることは極めて少ないです。

知識がなくても大丈夫?

保護司では仕事前に研修があり、そこで基礎知識や技術を学べるため、特別知識がなくても問題ありません。

また、研修が終了しても年に3回定例研修を受ける場が設けられており、受講することが義務付けられています。

まとめ:保護司とはどんな人がなるのか?

犯罪・非行をしてしまった人々の更生と社会復帰をサポートする保護司。

本記事で紹介したように、保護司になるために必要な資格や試験を受ける必要などはありません。

そのため、貴重な経験を得たい、人と関わり手助けをしたい、犯罪再発防止を行いたいという方には保護司はおすすめの職業といえます。

また、多くの人が気になる点の一つである給料に関しても、全く給与が出ないというわけではなく、業務に合わせた実費弁償金が支給されることがわかりました。

他では得られない体験ができ、多くの人から感謝されるやりがいある仕事です。

自分のためだけではなく人のために熱意をもって活動できる方は保護司を視野に入れてみるのもいいでしょう。

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監修者情報

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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