測量士は、現代社会に欠かすことのできない大変重要なお仕事のわりには、その実態をあまり知らないという方が多いのではないでしょうか。
測量の歴史は古く、紀元前のエジプトにまで遡ります。
日本でも古墳時代から測量の技術はありましたが、江戸時代に伊能忠敬が日本全国を17年の年月をかけ測量して、正確な日本地図を作成したのを起源とし、現在では国土交通省国土地理院の管轄する国家資格として定められています。
測量の技術は、地理的な知識の他に数学の高い知識も求められる資格です。
測量士の資格は、以下に当てはまる方におすすめです。
測量学に興味のある方・数学が好きな方
建築系のお仕事でキャリアアップを目指したい方
地図に残る仕事をしてみたい方
この記事では、測量士試験を独学で目指す方におすすめのテキストや勉強法をご紹介します。
測量士とは
測量士は、道路や建物全ての建築を行う前に、土地を測量する職業です。
国土交通省国土地理院が管轄する国家資格で、測量を主体となって行う測量士と、そのサポートを担う測量士補、2つの資格があります。
測量士補の資格を取得した場合、専門の養成施設での研修を受けると、測量士の資格は試験を受けずに取得できます。
測量士の具体的なお仕事の内容と、測量士の向いている人、測量士の年収や求人状況を、以下でお伝えしていきます。
測量士の仕事内容
測量士の仕事は、道路工事や建築物など全ての建築工事を行う前に、緯度経度や土地面積などを正確に測量、計算し、建設工事の前準備を行います。
建設事業を行う事業所には、必ず1人以上の測量士もしくは測量士補の配置が義務付けられています。
測量士は、測量士補の上位資格で、測量計画から全ての測量業務を行えます。
道路工事や建設工事などに、必ず必要となってくる測量の業務は、測量法において測量士の独占業務と定められており、資格がないと測量を行うことはできませんので、仕事がなくなることはなく、安定した職業だといえるでしょう。
測量士の資格はこんな人におすすめ
測量士試験を受けるのにおすすめなのはこのような人です。
・測量士補など関連性のある有資格者・実務経験のある人
測量士補の資格を持っている方なら、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門学校、養成施設において知識と技能学習し、測量士の資格を得られます。
しかし、測量士の試験に合格すれば専門学校や養成施設に通わずに、測量士の資格を得られます。
測量士と関連性の強い土地家屋調査士の資格のある方も、スムーズに学習を進められるでしょう。
・測量を学んでいる学生
大学や短大、専門学校などで測量の科目を履修している場合、卒業後1~3年の実務経験を経て、測量士の資格を取得できます。
しかし、直接試験に合格すれば実務経験不要で、卒業後には測量士として活躍できるでしょう。
測量士の仕事は、山奥や未開の土地まで重い機材を運んでいかなくてはならないこともある重労働です。
女性の測量士の方も一定数いますが、男性の方が人気の職業といえるでしょう。
測量士の求人と収入
測量の求人をハローワークや、他求人・転職サイトでも常に多くの求人情報が寄せられています。
独占業務である測量士は、常に求められる職種であり、安定しているといえるでしょう。
年収は、企業勤めで平均450万前後、起業して個人事務所を開業している方の中には800万を超える方もいます。
企業内勤務の年収は会社によって異なりますが、開業して成功すれば、高い報酬を得られる職業です。
測量士は独学で合格できるのか?
測量士の資格は、独学で合格できる試験なのかをみてみましょう。
測量士は独学で合格できる
測量士試験に合格さえすれば、測量士資格を取得できます。
受験資格や、認定研修もありませんので独学でも合格は可能です。
しかし、測量士補に比べて測量士の試験対策の市販テキストや参考書は、大変少ないという実態があります。
なぜかというと、測量士になる方の多くが、学校で測量科目を修了して実務経験を積み取得する人と、測量士補の資格を取得した後に養成施設や学校での研修を受けて取得する人が多く、あまり需要がないからです。
そのため、独学で勉強するにはあまり恵まれた学習環境とはいえません。
測量士の試験の合格率は、例年10%前後と決して高くない難関試験です。
測量の専門的な知識や、高度な数学の知識が求められる試験内容は、独学で学習するには困難な道のりとなるでしょう。
測量士補からチャレンジして土台を作り、次回測量士試験にまたチャレンジするというのもひとつの手段です。
測量士補を取得した後、養成施設等で研修を受ける場合は基本全日なので、お仕事をしながら取得を目指すことはできません。
仕事をしながらいきなり測量士を目指すのであれば、結局は夜間の学校に通うか、数少ない通信講座を選ぶか、独学かの選択肢となり、独学でチャレンジすることを選ぶ人も多いのが現状です。
測量士に独学で合格するために必要な学習時間
測量士を独学で合格を目指すのであれば、初心者の方や数学が苦手な方であれば、500時間は必要といわれています。
逆に、経験者やもともと数学が得意な方であれば、100時間程度でも十分という情報もあります。
測量士試験に必要な学習時間を概算で出してみました。
測量士試験は9科目から出題されます。
1科目20時間+αとして、全教科の基礎作りに200時間。
2時間半の試験が午前午後で1回5時間、解説まで理解するのに5時間を10年分やりこむとして、100時間。
演習問題や、苦手の総ざらい加味すれば、やはり300〜500時間は見積もっておくと安心です。
測量士の試験は、出題範囲が広く全てを暗記するのは困難である一方、毎年決まって出題される問題や、出題傾向があるので、ポイントを押さえられれば、効率よく学習できます。
測量士補の資格を持っている方であればスムーズに理解できるでしょう。
一方で、三角関数や微分など、高校で数学を選択して学習してきた程度の数学力が最低限求められます。
もともと理系で、数学を得意とする方であれば、計算問題も独学でも問題ありませんが、文系で数学が苦手な方であれば、ハードルの高い試験となるでしょう。
経験値や、基本的数学力で、独学で合格をするために必要な学習時間は、大きく差が出てきます。
測量士を独学で合格するための勉強のポイント
測量士の資格試験に独学で合格した方々のブログなどを拝見すると、共通しているのが過去問をやりこんでいることでした。
測量士の試験は範囲が広いものの出題傾向があり、頻出問題や、計算問題でも数値だけが異なっているような問題も多数出題されています。
基礎を学び土台ができた後は、各科目をまんべんなく学習し、過去問を10年分は解いて解説まで理解することがポイントです。
合格基準である択一式28問中最低16問の正答ができるようになるのが必須となります。
記述式は、必須科目と基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量から2科目選択して解答します。
効率よく学習するのであれば、早い段階で選択科目を絞って学習するのも、ひとつの手段です。
トータルで910点を取るために、まず午前中の択一式で8割の560点、午後の記述式では必須問題を300点8割240点取れれば、選択問題ではあと110点取れれば合格基準を満たせます。
つまり、択一式と記述式の必須問題の正答率を上げることが、合格への最も近道といえるでしょう。
測量士を独学で合格するための勉強スケジュール
測量士を独学で合格するための勉強スケジュールを、初心者、経験者と表にまとめてみました。
必要な勉強時間 | 目安勉強期間 | 勉強開始時期 | |
初心者 | 500時間 | 6ヵ月~1年 | 6月~10月 |
経験者 | 300時間 | 3~6ヵ月 | 12月~2月 |
初心者の方で、いきなり測量士の試験に臨むのであれば、勉強をはじめるのは早いに越したことはありません。
必要な勉強時間でも先述したように、最低500時間は確保しておくべきでしょう。
測量士補の資格を持っている方や、実務経験、学習経験があるなら3ヶ月前の2月から学習すれば、間に合うという方もいらっしゃいます。
願書の受付は、試験開催の年のだいたい1月いっぱいで、5月試験の合格発表か7月にあります。
初心者の方が500時間確保するのであれば、1日2〜3時間ずつ勉強して6〜7ヶ月前の10月、11月頃。
時間があまるようなら、試験直前まで、択一式の正答率をあげられるよう繰り返し取り組むとよいでしょう。
測量士を独学で学習する学習教材・テキスト
測量士を学ぶテキストは、市販では大変少なく毎年最新ものが発行されるわけではありません。
その中でも合格者から複数のおすすめを受けていたテキストをご紹介します。
測量士を独学で学習するおすすめテキスト4選
測量士の合格者の方々から支持の高かったおすすめのテキストを4冊ご紹介します。
マンガでわかる測量
少々古風な絵柄のマンガですが、初心者でも測量についての概要がざっくりと理解できる内容です。
さまざまな測量技術の基礎を取り上げて、マンガで読みやすくまとめられています。
一見すると子供向きのようにも見えますが、現役測量士の方からも支持されている一冊です。
わかりやすい測量の数学―行列と最小二乗法―(電子書籍)
測量の計算を細かく解説された内容で、特に数学力の強化におすすめの一冊です。
測量士試験の過去問題も挿入されており、問題の解答も大変丁寧に解説されています。
2009年発行の書籍で、現在は出版されておらず、電子書籍のみとなっています。
測量入門(First Stageシリーズ)
測量の基礎から応用まで幅広く学べ、写真や図表など大きく見やすい仕様です。
各セクションごとに問題と解説も挿入されていて、インプットアウトプットをしながら学習が進められます。
大学でも採用されている信頼できるテキストです。
測量試験 一問一答
測量士試験のための問題集で、択一式の問題を、各分野150問ずつおさめられています。
隙間時間にも一問一答で手軽にコツコツ学習できる、Kindleで購入する電子書籍です。
知識の整理整頓や、試験前の総復習に役立ちます。
日本測量協会のテキスト
日本測量協会は、測量技術者の公益社団法人の会員団体です。
測量士試験の通信添削講座を手掛けていて、使用しているテキストを購入できます。
2024年令和6年度の日本測量協会のテキストはこちらです。
受験テキスト 3,565円
測量士試験の対策講習会や通信添削講座の教材でもあります。
多くの学校でも採用されていて、測量の専門的な知識が網羅された一冊です。
測量士となった後でも長く活用できる内容となっています。
科目別模範解答集 平成28年~令和4年 2,724円
平成28年~令和2年の試験問題が収録を収録。
試験問題が科目別年度順に編集されていて、模範解答と詳しい解説もついています。
国家試験問題模範解説集 令和5年版 2,410円
令和5年5月に実施された測量士と測量士補の試験問題と解答とその詳しい解説がおさめられています。
独学で合格をしている方々の体験談を見ると、一応購入したもののテキストはあまり使わなかったという声も数件ありました。
測量士を独学で学習するおすすめ勉強サイトと合格者のブログ
測量士と測量士補を学ぶための勉強サイトや、合格した人のブログには、独学で学ぶのに役立つ情報が色々掲載されています。
測量士&測量士補試験対策WEB
測量士、測量士補を目指す方々の試験対策を掲載している合格支援サイトです。
試験の詳細や〇×テストのほか、過去問が平成14年からまとめられていて、解説も掲載されています。
日本測量協会のホームページ
日本測量協会のホームページでは、過去問題の解答解説や、講習会のお知らせも掲示されています。
まず、初心者の方が測量士を目指すのであれば、測量士補からはじめて土台を作るのもいいでしょう。
測量士補の知識を学べる勉強サイトや、動画はたくさんあるのでテキストを用意せずに学習することもできます。
その他様々な最新情報も随時更新されているので、測量士を志すのであれば、日本測量士協会のホームページは確認しておくべきでしょう。
測量士の合格ブログ
測量士試験に合格を果たした方のブログの中には、独学という方も数多くいらっしゃいます。
初心者の方、経験者の方、お仕事をしながらの方など、様々なタイプの方のブログがありました。
学習に行き詰った時などは、勉強方法やリフレッシュ方法など参考にするのもよいでしょう。
測量士を独学・通信・通学で学ぶ場合の比較
測量士を独学・通信・通学で学ぶ場合、勉強時間、費用、メリット、デメリット、それぞれのポイントをまとめて比較してみました。
測量士を独学で勉強する場合
テキストと過去問を100〜500時間しっかり学習します。
過去問はWEBから無料で入手することもでき、費用を抑えて学習できるのが魅力です。
テキストを購入しても10,000円前後で用意できますが、最新のテキストが毎年発行されているわけでなく、市販テキストが充実しているとは言えない環境です。
一人でコツコツ学習を進めるので、自分のペースで学習できますが、質問できる相手がいない、モチベーションを保つのが困難などのデメリットもあります。
測量士を通信で勉強する場合
測量士を学べる通信講座は、アガルートか日本測量協会の2講座があります。
アガルートの通信講座
アガルートの通信講座は測量士補、土地家屋検査士試験も高い合格率を誇る講師によって監修されたオンライン講座です。
総合口座で動画講義約25時間、過去問解説約30時間、オプションで定期カウンセリングもあります。
価格は217,800円~327,800円と高額ですが、オンライン講義とポイントを押さえたテキストで効率よく学習できるとすれば、納得の価格といえるでしょう。
日本測量協会の通信講座
日本測量協会の講座は59,000円で180日の受講期間です。
独学よりは、かなり高額な費用が必要ですが、添削やEラーニングなどの学習サポートあり、学習スタイルは独学と同様自分のペースで進められます。
専門講師により監修されたテキストで、効率よくポイントを押さえた学習ができるのも魅力です。
講習期限が提示されているので、スケジュールも意識して学習を進められるでしょう。
その他、有料で定員少人数ではありますが、科目ごとの講習会も実施されています。
詳細は日本測量協会のホームページをご確認ください。
測量士を通学で勉強する場合
測量士になれる科目を履修できる専門学校はたくさんありますが、全日制より夜間の方が少なめです。
入会金から授業料、教材費を合わせると1年で100万ほど、2年間通う学校なら200〜300万は必要です。
学費は高額ですが、測量士だけでなく一級建築施工管理技士や宅地建物取引士など、他の資格もあわせて学習することもできます。
学習サポートはもちろん万全で、卒業後の就職にも有利となります。
高額な授業料の他、通いたい学校が働きながら通えるカリキュラムがあるか、通学圏内かなどの問題もあります。
卒業後は、2〜3年の実務経験を経て試験なしで資格取得ができるので、時間はかかりますが確実に資格を得られます。
測量士を独学・通信・通学で学ぶ場合の比較
測量士を独学・通信・通学で学ぶ場合の勉強時間、費用、メリット、デメリットを表にまとめました。
独学 | 通信 | 通学 | |
勉強時間 | 100~500時間 | 180日 | 1~2年 |
費用 | 5,000~10,000円 | 59,800~198,000円 | 100~300万円 |
メリット | ・合格後実務経験なしで資格が取得できる ・費用を抑えられる |
・合格後実務経験なしで資格が取得できる ・学習サポートがある |
・学習サポートが整っている 試験を受けずに資格取得できる ・他資格も合わせて学べる |
デメリット | ・学習サポートがない
・市販テキストが少ない |
・独学に比べ高額
・2講座しかない |
・高額な学費がかかる ・合格後験2~3年の実務経が必要 ・働きながらの取得は不可能 |
通学で学習する場合は、は試験を受けなくても確実に取得できますが、費用も時間も大変かかりますし、お仕事をしながら通うのは困難です。
測量士以外の資格も勉強したい、時間も費用もあるという方なら通学もよいでしょう。
独学、通信で学習する場合は、お仕事をしながらでも自分のペースで学習できますし、試験に合格さえすれば、実務経験なしで資格取得できます。
費用が最も抑えられる点では、もちろん独学が一番です。
しかしながら、独学では市販テキストがなかなか揃えられないという大きなデメリットもあります。
効率よくポイントを押さえた学習をしたい、短期合格を目指したいのであれば、通信講座での学習は有効だといえるでしょう。
測量士の試験概要
測量士の試験は年に1回行われています。
詳しい試験概要を紹介します。
測量士試験の合格率・難易度
測量士の過去7年の受験者数と合格率です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2017年 | 2,989人 | 351人 | 11.7% |
2018年 | 3,345人 | 278人 | 8.3% |
2019年 | 3,232人 | 479人 | 14.8% |
2020年 | 2,276人 | 176人 | 7.7% |
2021年 | 2,773人 | 498人 | 18.0% |
2022年 | 3,194人 | 460人 | 14.4% |
2023年 | 3,667人 | 379人 | 10.3% |
測量士試験は、幅広い試験範囲から専門的な知識と、高校レベルの数学力を求められる試験内容である上に、厳しい合格基準が設けられています。
合格率に波がありますが10%を切ることも多く、難関試験といえるでしょう。
測量士の受験資格
測量士の試験には受験資格は年齢や学歴、実務経験、資格など特にありません。
必要なのは測量学の専門的な知識と数学力です。
かなり高度な専門知識が必要となりますので、初心者の方は測量士補からチャレンジして、翌年測量士試験に臨むというのも一つです。
受験料は4,250円です。
測量士試験の日程と試験方式
測量士、測量士補の試験は毎年5月の日曜日に実施されます。
試験は午前10時から午後16時まで(午後0時30分から午後1時30分まで休憩)の1日がかりで行われます。
午前中2時間半はマークシートの択一式で計28問、午後2時間半は記述式で、必須問題1題と選択問題(基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量)各4問ずつ計20問です。
測量士試験の合格基準
測量士試験の範囲は9科目あります。
(1)測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
(2)多角測量
(3)汎地球測位システム測量
(4)水準測量
(5)地形測量
(6)写真測量
(7)地図編集
(8)応用測量
(9)地理情報システム
合格基準は午前の択一式は1問25点で700満点で、法規条約、基準、水準、地形、写真、地図、応用が各3〜4問ずつ出題されます。
午後は必須問題が300点、選択問題が1問200点×2問=400点の合計700点、午前の点数が400点(16問正答)以上で、午前と午後の点数の合計が1400点中910点以上で合格です。
つまり、合計点がクリアしていても、択一式で400点取れていないと不合格となります。
測量士の独学に関するQ&A
測量士を独学で合格を目指す方々に多くあるQ&Aをまとめました。
測量士の合格率・難易度は?
測量士っていきなり受験していいの?受験資格はあるの?
測量士を独学で合格するのにおすすめのテキストは?
測量士について勉強できるテキストや参考書ってあるの?
測量士を勉強するための日本測量協会おすすめテキストは?
測量士試験の過去問はどこで入手できるの?
測量士を独学で合格した人のブログはあるの?
測量士と一緒に取得を目指すといい資格はあるの?
測量士試験の合格率・難易度は?
測量士試験の合格率は例年10%前後です。
幅広い出題範囲から測量の専門的な知識と、高校レベルの数学力が求められます。
午前に択一式、午後に記述式と各700点ずつ合計1400点中、午前中400点以上、かつ合計910点を取ることが求められる厳しい合格基準もあり、難関試験といわれています。
測量士っていきなり受験していいの?受験資格はあるの?
測量士試験に受験資格はありません。
求められる知識量さえ満たしていれば、いきなり受験しても問題ありません。
下位資格である測量士補や、大学専門学校で測量科目を修めた場合は1~3年の実務経験を経て無試験で測量士資格を取得できますが、測量士試験に合格すれば、すぐに測量士の資格を取得できます。
測量士を独学で合格するのにおすすめのテキストは?
本記事でご紹介したテキストはこちらです。
・マンガでわかる測量
・わかりやすい測量の数学―行列と最小二乗法―(電子書籍)
・測量入門(First Stageシリーズ)
・測量試験 一問一答
どれも測量士試験に合格した方々から支持のある良書です。
基本から、専門的な測量の知識、難解な数学の知識も詳しく解説されています。
測量士について勉強できるテキストや参考書ってあるの?
測量士の市販テキストは、ニーズが少ないことからあまり豊富とは言えませんが書籍、電子書籍と探してみるとたくさん出てきます。
「測量士試験対策」という表題ではなく、測量全般を学べる書籍や測量士に求められる数学の知識が詰め込まれた良書もあります。
測量士を勉強するための日本測量協会おすすめテキストは?
公益社団法人、日本測量協会が出版しているテキストがあります。
・受験テキスト
・科目別模範解答集(過去6年分の過去問)
・国家試験問題模範解説集(昨年度の過去問)
日本測量協会が開設している測量士の通信講座でも使用されているテキストです。
購入するには日本測量士協会最寄りの支部に問い合わせが必要です。
測量士試験の過去問はどこで入手できるの?
測量士試験の過去問題は、日本測量協会ホームページにて過去5年分が掲載されています。
またこの記事でも紹介した測量士&測量士補試験対策WEBのサイトでは、平成14年からの過去問が掲載されています。
測量士補の過去問題はたくさん出版されていますが、測量士の過去問は調べる限り恐らく出版されていません。
サイトからなら無料で閲覧できます。
測量士を独学で合格した人のブログはあるの?
測量士試験に独学で合格を果たした方のブログは、数多くあります。
お仕事をしながらの方や、全くの初心の方、昨年度に測量士補の試験に合格した方など様々なブログがありました。
自分と似たタイプの方のブログや、学習に行き詰った時などは参考にするとよいでしょう。
測量士と一緒に取得を目指すといい資格はあるの?
測量士とダブルライセンスで持っているとよい資格を4つご紹介します。
①土地家屋検査士
②第三球陸上特殊無線技士
③地理空間情報専門技術認定
④技術士(建築部門)
①土地家屋調査士
土地家屋調査士は、不動産登記のできる資格です。
不動産登記のために測量を行うことから、測量士とは密接に関係している資格です。
そのため測量士の有資格者は、土地家屋調査士試験の午前の部が免除されます。
個人の事務所や、ご自身が独立開業を目指すのであれば、確実に持つべき資格といえます。
②第三級陸上特殊無線技士
第三級陸上特殊無線技士は、簡単に言えばドローンの免許です。
最近では、測量をドローンを使用して行うことも多く、測量の現場で役立つ資格です。
合格率も7〜8割と比較的難易度は低い資格なので、測量士試験に合格した方なら、ほぼ間違いなく合格できるでしょう。
③地理空間情報専門技術認定
地理空間情報専門技術認定は、測量士の上位資格です。
測量士の資格取得後、実務経験を経て受験資格が得られます。
測量だけでなく、土木下水道など建設現場で幅広く活躍できる資格です。
④技術士(建設部門)
技術士は高度な科学技術の専門的な知識と現場経験もある総合的な技術コンサルタントをする国家資格です。
様々な部門別に21の種類がある中で、建設部門は都市開発や道路、河川、海洋他建設業全般を取り扱うプロフェッショナルです。
技術士補の資格を取得した後、一次、二次試験の他、4年~10年の長い実務経験も必要となります。
測量士と合わせて持つことで、仕事の幅は飛躍的に広がりますが、取得にかかる時間を考えれば、早めに動き出すべきでしょう。
測量士を独学で合格するためのおすすめ勉強法とテキスト・まとめ
測量士を独学で合格するための勉強法とテキストを紹介しました。
測量士の資格試験対策は、他の資格に比べ格段に市販テキストや演習問題などが少ないのが現状です。
過去問に徹底して取り組み頻出問題をチェックする事、苦手分野をなくすこと、択一式試験の点を稼ぐこと、選択問題は点の取れる科目を選ぶこと、が合格への近道です。
効率よくポイントを押さえて学習できれば、十分に独学でも学習できるでしょう。
初心者の方や、数学が苦手な方なら1年前からコツコツ学習を進めていきましょう。
測量士から合格を目指すのは安易な道のりではありません。
独学で学習するのに不安のある方は、ぜひこの記事を参考にして合格に向けて学習していただければ幸いです。
測量士試験に関する関連記事
測量士試験については、以下にも関連記事があるのでご覧ください。
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