法律関係のお仕事をしたい、法律に関する資格を取りたいと思い司法書士に興味を持たれた方も多いでしょう。
しかし司法書士について調べてみると、難しいという言葉が多く不安になってしまうかもしれません。
独学で勉強したいけれど本当に独学で合格を目指せるのかと思う方もいるでしょう。
今回は、司法書士資格の概要、試験の合格率、勉強法などをご紹介し、独学での学習は可能なのかどうか紹介します。
ぜひ、この記事を参考にして、不安を少しでも解消し、自分なりの勉強方法を模索していきましょう。
司法書士試験は、通信講座や予備校を利用して勉強するのもおすすめです。
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司法書士とはどんな資格?
司法書士とは、専門的な法律の知識に基づき、法律の専門家として国民の権利を擁護し、公正な社会の形成に寄与することを使命とする国家資格です。
具体的な業務としては法律関連の書類の作成、手続きの代行です。
例えば、法律関連の書類の作成や登記、相続に関する業務などがあります。
司法書士は業務独占の国家資格のため、就職・転職の際に役立つ資格です。
相続などは誰しもがいつかは直面する場面であるため、身近な法律に関する専門家であるともいえるでしょう。
司法書士試験合格は独学で可能なの?無理なの?
司法書士試験合格は試験の範囲や学習時間、難易度から見ると独学ではかなり難しいです。
しかし絶対に無理というわけではありません。
司法書士試験対策を独学で行うのに向いている人
司法書士試験対策を独学で行うのに向いているのは、
- スケジュール管理が得意な方
- 法律関係の勉強に自信がある方(自力で理解が可能な方)
です。
まず司法書士試験は学習範囲が広く、膨大な学習時間が必要となります。
そのため自分自身で学習スケジュールを調節しながら学習を進めていける方は独学でも司法書士試験対策ができるといえますよ。
また法律に関する知識を学習することになるため、そのような知識を既に持っている方や法律関係の学習が好きで自信があるといった方は独学での学習が向いています。
一方で、法律に関する知識は専門性が高く初学者の方には難しいことも多いため、法律関係の知識に苦手意識があるなど不安な方は独学での学習は難しいかもしれませんね。
司法書士試験の対策方法(勉強時間・スケジュール)
司法書士試験対策に必要な勉強時間
司法書士試験対策に必要な最低学習時間は2000時間程度と言われており、標準学習時間は3000時間程度ともいわれています。
仮に1年間で合格を目指す場合、最低学習時間の2000時間を1年間で確保するとなると一日あたり5~6時間となりますよね。
試験対策のみに集中できる環境であれば一日5~6時間の学習時間を確保することは難しくないかもしれませんが、実際にはお仕事や家事と並行して司法書士試験に挑む方が多いはず。
お仕事や家事をしながら一日5~6時間の学習時間を確保するとなるとかなり難しいのではないかと考えられますよね。
また初学者の方やじっくり取り組みたいという方は、3000時間以上の学習時間を確保する必要があります。
例えば4000時間の学習時間が必要な場合、2年間で計算しても一日5~6時間の学習時間を確保しなければなりません。
いずれにせよ膨大な学習時間が必要ですね。
司法書士試験対策のスケジュール
先ほど司法書士試験対策に必要な学習時間は2000時間~4000時間ほどとお伝えしましたので、学習時間を踏まえたおすすめの学習スケジュールをご紹介しますね。
司法書士試験は、例年筆記試験は7月上旬に行われ、口述試験は10月下旬に行われます。
効率的に学習を進められる方、法律関係の学習に自信がある方など比較的少ない学習時間で合格を目指せる方は2000時間の学習時間を確保すればよいでしょう。
そのため1日5~6時間学習できる方は試験の1年前、つまり試験を受ける前年の7月頃から学習を始めたらよいでしょう。
一方でじっくり学習したい方や法律関係の学習をしたことがない方は4000時間程度の学習時間を確保しなければなりません。
そのため1日5~6時間学習できる方は試験の2年前、つまり試験を受ける2年前の7月頃から学習を始めたらよいでしょう。
ところで、休日にも学習した方がいいのかと疑問を抱く方や、仕事で忙しいため毎日5~6時間は正直難しいという方もいらっしゃるでしょう。
これまでは毎日5~6時間学習することを前提にお話を進めてきましたが、必ずしも毎日5~6時間学習をしなければならないというわけではありません。
休日に学習したくない方は平日に少し多めに学習をしてみる、仕事で忙しく平日に2.3時間しか学習できないという方は休日にまとまった学習時間を確保してみるといった工夫をすればよいでしょう。
これまでお話したように毎日5~6時間学習するとしたら、一週間に35時間~42時間程度の学習が必要であると言えますよね。
そのため休日ゆっくりしたい方は、平日に7~8時間学習し、休日は0~2時間学習するというスケジュールがおすすめです。
反対に休日にまとめて学習する方は、平日に2~3時間学習し、休日10~12時間学習するというスケジュールがおすすめです。
学習時間やスケジュールにきまりはないため、ご自身の生活スタイルに合わせて日々の学習スケジュールを調節していくのが良いですよ。
司法書士試験対策のおすすめ学習方法
司法書士試験対策としておすすめの学習方法は
- 参考書・テキストを中心とした独学
- 通信講座
- 通学講座
- アプリ
の4つです。
まずは参考書・テキストを中心とした独学での学習です。
「山本浩司のautoma system」や「司法書士スタンダード合格テキストシリーズ」など本屋さんで売られている参考書やテキストを購入し、テキストを元に自力で学習を進めていく方法ですよ。
自分のペースで学習でき、費用を抑えられますが、参考書選び~学習スケジュールまですべて自力で考え、実行しなければなりません。
次に主に自宅でテキストや映像講義を受ける通信講座です。
ユーキャンの司法書士通信講座やスタディングの司法書士総合コースなどの各社が行っている通信講座を活用し、学習を進めていく方法ですよ。
独学よりも費用は高いですが、自宅で比較的自分のペースを保ちながら学習でき、かつテキストや映像講義を用いて効率的に学習することが可能です。
3つ目は予備校やスクールに通うことが中心となる通学講座です。
司法書士講座を開講しているスクールや専門学校に通い、授業を受けながら学習を進めていく方法ですよ。
法律系の資格を専門とした資格予備校である伊藤塾や資格予備校の最大手の一つであるLECが開講している司法書士通学講座が有名です。
費用は高く、学校に通う必要があるためある程度学校のスケジュールに合わせながら学習を行う必要がありますが、司法書士を目指す仲間と切磋琢磨しながら学習を進められるため、モチベーションは維持されやすいかもしれませんね。
最後にアプリを活用した学習です。
2024年4月現在、「e六法」「凡例NEWS」「司法書士 過去問 民法総則 司法書士試験」など様々な司法書士試験に対応したアプリがあります。
お手持ちのスマートフォンやiPadにアプリをダウンロードするだけで手軽に学習ができ、無料のアプリがほとんどであるため費用もかかりません。
また通勤時間や家事の合間など隙間時間に電子機器一つあれば学習できることも魅力の一つですよね。
ただアプリでの学習だけでは司法書士試験に合格できるほどの実力をつけることはできないため、さきほど紹介した参考書・テキストでの学習、通信講座、通学講座と併用してアプリを使用するという形がおすすめですよ。
以上のように司法書士試験の学習方法としては様々な方法があります。
自分自身の学習スタイルや予算に合わせて選ぶのが良いかもしれませんね。
司法書士の通信の講座は以下の記事もあわせてご覧ください。
→司法書士 通信はこちら
司法書士試験対策のおすすめ参考書・テキスト
司法書士試験対策として、参考書やテキストを用いた学習方法があるとお伝えしました。
これからは司法書士試験対策におすすめの参考書・テキストをご紹介します。
司法書士スタンダード合格テキストの評判は?
司法書士試験対策のおすすめのテキストの一つは「司法書士スタンダード合格テキスト」ですよ。
早稲田経営出版のテキストで、民法、不動産登記法、商法・会社法など分野に分かれており、全11シリーズあります。
第3版や第4版のテキストが多いことから、法律の改定に合わせてテキストの内容も変化させていることが伺えますよね。
法律は毎年のように改定され、司法書士試験も改定された法律に合わせて毎年変化しています。
法改定及び司法書士試験改定に合わせた学習ができるかどうかという点はテキストを選ぶポイントの一つとなりますよね。
基礎的な知識はもちろん判例や条例などが豊富に掲載されているため、具体的な事例が出題される試験に対応できる力を身に着けられますよ。
また学習の重点ポイントや出題頻度などが掲載されているため、効率的な学習が可能なことも魅力の一つです。
伊藤塾の司法書士のテキストの評判は?
伊藤塾は法律系の資格を専門とした資格予備校であり、司法書士試験対策講座(通学講座・通信講座)も開講されています。
そんな伊藤塾は司法書士試験対策テキストとして14シリーズ以上のテキストを出版しています。
具体的には、短答式問題対策を効率的にできる「伊藤塾 合格セレクション 司法試験・予備試験 短答式過去問題集」や初学者の方におすすめの「伊藤真の入門シリーズ」などがあります。
中でも「うかる!司法書士シリーズ」は人気ですよ。
入門編から実践力養成編まで幅広い学習段階に対応しているため、自分の学習段階に合わせてテキストを選択できますよ。
テキストには表や図が多く採用され、必要な知識がコンパクトにまとめられています。
また一問一答式の問題が掲載されているため、学習した後すぐに問題を解くことで学習の定着を図れますね。
山本浩司のautoma systemシリーズの評判は?
司法書士スタンダード合格テキストと同じく、早稲田経営出版のテキストで記述式対策テキストと合わせると全14シリーズあります。
山本浩司のautoma systemシリーズは講義形式となっており、非常にわかりやすいことで評判のテキストですよ。
司法書士試験は法律に関する知識を扱うため、テキストは無機質で堅苦しいものが多いですよね。
しかし山本浩司のautoma systemシリーズは”すいすい読める→すいすいわかる”を売りにしているだけあり、非常に読みやすく、理解もしやすいよう工夫されています。
ただ知識を覚えるだけでなく、理解した上で活用できる知識になるような学習ができると言われていますよ。
また「不動産登記法 記述式」のテキストや「商業登記法 記述式」のテキストのように記述式に特化したテキストもあります。
記述式問題は午後の試験の一つであり、基準点が設けられている問題でもあるため、しっかりと対策をする必要がありますが、記述式となるとなんだか難しそうなイメージを抱き、なかなか手を付けられないという方も多いですよね。
山本浩司のautoma systemシリーズでは、記述式テキストも分かりやすく試験で記述が出来るような内容になっていますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
過去問はどうやって活用するの?
司法書士試験対策として過去問を解くことは必須であると言われています。
なぜなら過去問を解くことで、出題傾向や出題範囲を掴んで効率的に学習を進められたり、過去問の出来具合から自分の実力を測れたりするためです。
司法書士試験の過去問は法務省のホームページで入手できますよ。
2024年4月現在では、平成28年度~令和5年度が試験問題が公開されていました。
また独学であれば、各社が出版している過去問題集も購入し、学習しておくことをおすすめします。
「東京リーガルマインドLCE総合研究所の司法書士合格ゾーン過去問題集」や「Wセミナーのパーフェクト過去問題集」は定評がありますよ。
中には法務省の過去問や過去問題集のみで合格した方もいますが、過去問だけでなくテキストでの学習も行うことをおすすめします。
過去問だけを解いていても基礎的な知識がなければ、なぜその回答になるのかといったことが分からず、理解が進みません。
そのためテキストで必要な知識を身に着け、その後に過去問を解いて試験に合格できる実量を身に着けるという流れで学習を進めていくことをおすすめします。
司法書士試験のテキストは買い替えの必要があるの?
テキストの買い替えは基本的には必要ありません。
しかし、テキストを1冊購入しただけでは十分ではないということも事実ですよ。
なぜなら司法書士試験は難易度が高く、学習範囲も11科目とかなり広いためです。
そのため1冊で学習初期~試験直前期まで使用でき、かつ試験範囲を網羅しているテキストはありません。
基本的な知識を解説するという内容の基本テキスト、問題演習が中心のテキスト、過去問題を収録しているテキストなど複数のテキストがあり、自分の学習段階や必要な知識に合わせて適切なテキストを選ぶ必要があります。
しかし同じような内容のテキストを複数冊購入したり、買い替えたりする必要はありません。
むしろ同じような内容であれば複数冊に手を付けるのではなく、一冊を完璧に理解するという意気込みで取り組んだ方が良いでしょう。
なぜなら、複数冊に取り組むとそれだけ学習時間がとられ、結局どのテキストも中途半端な状態のまま学習を進めてしまうという可能性があるためです。
つまり、自分の学習段階と理解度にあったテキストを揃える必要はありますが、同じような内容のテキストに買い替える必要はありません。
(例えば、既に民法に関する基本テキストを持っているのに民法について書かれた他社が出版している基本テキストを再度購入する必要はないということです。)
ただ、法律の改正に従い試験問題が変化することを考慮し、数年前のテキストであれば最新のテキストの中身と自分が既に持っているテキストの中身を比べながら買い替えを検討する必要はありますよ。
例えば、親戚が10年前に使用していたテキストであれば、法改正に伴い学習範囲が大幅に変改している可能性があるため、その場合は買い替えた方が良いと言えますよね。
司法書士試験対策を独学で行うメリット3選
司法書士試験対策を独学で行うメリットを3つご紹介していきます。
費用が通信・通学に比べ安い
まず学習費用が、通信講座や通学講座に比べて安いことです。
通学講座及び通信講座は150,000円以下の講座~500,000円以上の講座までと幅広く、費用は受講する通学講座・通信講座によって変化します。
例えば「アガルートアカデミーの入門総合講座」は140,800円と比較的安いですよ。
一方で「辰巳法律研究所のリアリスティック一発合格 松本基礎講座」は502,100円と高いですよね。
一方で独学では参考書やテキストは一冊1,500円~4,000円であり、購入するテキストの数にもよりますが安ければ5,000円~10,000円程度で抑えられそうですね。
以上のことを踏まえると、通信講座や通学講座に比べて独学での学習は費用が抑えられます。
そのため費用が用意できないけれど司法書士の勉強をしてみたい方は、独学での学習がおすすめですよ。
自分のペースで取り組める
独学での学習あれば、仕事や休日の空き時間を活用して自分のペースで学習を進められます。
通学講座や通信講座は、カリキュラムが決まっていることが多いためカリキュラムに一度遅れてしまい、そこからついていけなくなってしまうという場合があるかもしれません。
また通学講座や通信講座では、講義を受けるためにある程度まとまった時間を取らなければなりませんが、独学であれば、5分という隙間時間でも気軽に学習に取り組めます。
独学の場合は、自分の理解度に合わせて学習のスケジュール等を調節できるため、マイペースに進められますよ。
仕事や家事との両立が可能
司法書士試験を受験する方は、お仕事をされている社会人の方、家事で忙しい主婦の方、学校の学習で忙しい学生の方などがいらっしゃいます。
お仕事や家事で忙しく、通学講座や通信講座の受講は難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方にはテキストや参考書を用いた独学がおすすめですよ。
お仕事終わり、家事の合間など隙間時間を活用すれば、お仕事や家事との両立も可能かもしれませんね。
司法書士試験対策を独学で行うデメリット3選
次に司法書士試験対策を独学で行うデメリットを3つご紹介していきます。
スケジュール管理が難しい
司法書士試験の試験範囲は11科目と幅広く、司法書士試験合格のための学習時間も2000時間~4000時間と多いです。
そのため効率的な学習スケジュールを立てることはかなり難しいです。
さらに最初にたてたスケジュール通りに完璧に進むことは少なく、進捗状況に合わせて学習スケジュールを調節する必要がありますよね。
しかし自分自身で膨大な学習範囲を把握して学習スケジュールを組んだり、調節したりすることはとても大変で面倒な作業であり、スケジュール管理が苦手な方は独学以外の通学講座・通信講座の方がよいかもしれませんよ。
モチベーションの維持が大変
司法書士試験対策は最低でも1年は学習する必要がある場合が多く、長丁場となりますよね。
1年間、学習へのモチベーションを維持しながら学習を進めることはかなり大変であると言えます。
学習内容が理解できず行き詰ってしまったり、誘惑に負けて学習が続かなかったりしてしまい挫折してしまう可能性もあります。
通学講座・通信講座では司法書士試験に向けて学習している仲間と切磋琢磨できたり、励ましてくれる講師がいたりなどモチベーションを向上・維持してくれるような環境がある場合があります。
モチベーションをコントロールすることが得意な方は独学での学習が向いているかもしれませんが、モチベーションの維持が難しい方はモチベーションを向上・維持してくれるような環境がある通学講座・通信講座が向いているかもしれませんね。
わからないことを質問できない
司法書士試験は法律に関する専門的な知識について扱っているため、法律について触れたことがある方でも分からないことが出てくる可能性は高いです。
初学者の方であれば、分からない部分がたくさん出てくるかもしれません。
しかし独学では誰かに質問することは出来ず、自分が持っているテキストなどで理解するしかありません。
通学講座・通信講座では講師に質問する環境が整っていることが多いため、疑問点をすぐに解消できますね。
分からないことを解消できるような環境がある(例えば法律に詳しい知り合いがいる等)のであれば、心配はいりませんが、そうでない方は疑問点を解消できる環境が用意されている通学講座・通信講座を検討してみてもよいかもしれません。
司法書士試験対策を独学で行うメリットとデメリットのまとめ
司法書士試験対策を独学で行うメリットとデメリットを以下の表にまとめてみました。
メリット | デメリット |
|
|
司法書士試験対策を独学で行う場合、費用が安く抑えられ、仕事や家事と両立しながら自分のペースで学習を進められるというメリットがありますよ。
しかしスケジュール管理やモチベーションの維持はかなり大変で、疑問点がなかなか解消できないというデメリットがあります。
今回ご紹介した独学のメリットとデメリットを踏まえたうえで、司法書士試験に向けて独学で学習するのかどうかを検討してみてくださいね。
司法書士試験対策の通学・通信・独学の比較
司法書士試験対策として、主に通学講座・通信講座・独学での学習があります。
そこで通学講座・通信講座と独学での学習について以下の表にまとめてみました。
通学講座 | 通信講座 | 独学での学習 | |
費用 | 約500,000円 | 約100,000円~300,000円
(※講座によってかなり値段が変わる) |
5,000円~10,000円
(※テキスト代、4~5冊購入した場合) |
メリット | ・手厚いサポートが受けられる
・カリキュラムに沿って効率よく学習が可能 ・司法書士を目指す仲間と出会え、切磋琢磨しながら学習できる |
・通学講座よりも費用が安い
・自分のペースを保ちながらカリキュラムに合わせて学習可能 |
・費用が安い
・自分のペースで学習ができる |
デメリット | ・費用が高い
・予備校の校舎などに通う必要がある |
・独学に比べると費用が高い
・講座によってサポート体制などが異なる |
・質問ができない
・スケジュール管理やモチベーションの維持が難しい |
費用をとにかく抑えたい、テキストや参考書の学習で十分であるという方には独学での学習がおすすめです。
また学習スケジュールを立てたり、調節したりすることが得意な方や高いモチベーションを維持しながら学習できる方にも独学が向いているでしょう。
しかし、学習スケジュールを管理することに苦手意識を持っている方や初学者の方で法律の学習にそもそも不安がある方は、手厚いサポートが得られたり、カリキュラムに沿って効率的に学習したりできる通学講座・通信講座がおすすめです。
また、通信講座は独学での学習には劣りますが、自宅で講座を受けることが可能であるため通学講座よりも自分のペースを守って学習することが可能ですよ。
費用についても、独学での学習よりも高いですが通学講座よりも費用を抑えられる通信講座が多いですよね。
そのため通学講座と独学での学習で迷っている方は通信講座での学習がおすすめですよ。
司法書士試験対策の通信講座についてはこちらの記事にもまとめています。
司法書士試験の概要
司法書士試験は、毎年1回、法務省の管轄の元で司法書士法第6条の規定に基づいて行われている試験です。
これから司法書士試験の試験日程、試験範囲、受験資格等の概要についてご紹介しますよ。
受験を検討されている方はぜひチェックしてみてくださいね。
司法書士試験の試験日程
出願期間、試験日程、合格発表の日程等を記載(恐らく次回日程は公表されていないため前回の日程を記載し、大体次回も同じ時期に開催されるだろうと記載)
出願期間や試験日程、合格発表日などの司法書士試験の概要を以下の表でまとめてみました。
令和6年度の概要をお伝えしますね。
※以下日程はすべて令和6年のため年号は省いて記載しております。
項目 | 内容 |
受験申請受付期間 | 5月7日(火)~5月17日(金)
※窓口及び郵送で申請可能 |
試験日程 | ・筆記試験…7月7日(日)
・口述試験…10月15日(火) |
結果発表 | ・筆記試験合格者発表…10月3日(木)
・最終合格者発表…11月5日(火) |
会場 | ・筆記試験…東京、横浜、さいたま、千葉、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松
・口述試験…東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松 |
令和4年度の試験日程等は公開されていないものの、例年同じ時期に実施されているため令和3年度の日程を参照してみてくださいね。
受験申請は窓口及び郵送で可能となっていますよ。
窓口や郵便局の受付時間等を事前に確認し、余裕をもって申請すると良いかもしれません。
会場は東京や横浜などの首都圏はもちろん、筆記試験は那覇や札幌などを含む全国15か所、口述試験は全国8か所で開催されています。
全国各地で開催されているため、それほど遠くに行かなくても受験できそうですね。
司法書士試験の試験範囲
司法書士試験の科目は以下の通りです。
- 憲法、民法、商法並びに刑法に関する知識
- 不動産登記及び商業(法人)登記に関する知識
- 供託並びに民事訴訟、民事執行及び民事保全に関する知識
- その他司法書士法第3条第一項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
憲法や刑法などの主要な法律に関する知識はもちろん、民事訴訟や民事執行等に関する知識についても試験範囲となります。
かなり膨大な範囲となるため、効率的に学習する必要がありそうですね。
司法書士試験の内容(午前の試験・午後の試験)
午前の試験と午後の試験があります。
それぞれの試験問題や試験時間について表にまとめてみました。
午前試験 | 午後試験 | |
試験内容 | 1の内容
(憲法、民法、商法、刑法) |
2~4の内容
(不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、民事保全法、供託法、司法書士法) |
試験形態 | 多肢択一式35問 | 多肢択一式35問
記述式2問 |
試験時間 | 120分 | 180分 |
試験範囲は憲法や民法から民事訴訟まで広く、試験形態も多肢択一式と記述式の2種類ありますよ。
一日で午前の試験と午後の試験を行うため、合計300分の試験に集中して取り組まなければなりません。
司法書士試験の受験資格
受験資格は特にありません。
そのため年齢や学歴、職歴に関係なく誰でも受験することが可能ですよ。
司法書士試験の合格率、難易度
試験の難易度はかなり高く、合格率は例年3~4%と言われています。
実際の平成29年度~令和5年度の受験者、合格者、合格率を見てみましょう。
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
令和5年度 | 13,372名 | 695名 | 5.20% |
令和4年度 | 12,727名 | 660名 | 5.19% |
令和3年度 | 11,925名 | 613名 | 5.14% |
令和2年度 | 11,494名 | 593名 | 5.16% |
令和元年度 | 13,683名 | 601名 | 4.39% |
平成30年度 | 14,397名 | 621名 | 4.32% |
平成29年度 | 15,440名 | 660名 | 4.07% |
上記のデータによると毎年4~5%前後の合格率であり、合格率が高いとは言えないですよね。
また司法書士試験が難しいと言われているのは、合格最低点と基準点という二つの指標があり、すべての試験の得点を合わせて合格最低点を上回るだけでなく、それぞれの試験における基準点をすべて上回る必要があります。
基準点は、午前の多肢択一式問題、午後の多肢択一式問題、午後の記述式問題の3つに設けらています。
令和5年度の基準点は以下の通りです。
試験 | 基準点 |
午前の多肢択一式問題 | 105点満点中78点 |
午後の多肢択一式問題 | 105点満点中75点 |
午後の記述式問題 | 70点満点中30.5点 |
多肢択一式問題は60%~70%、記述式問題は約48%とかなり高く、これらすべてに達していなければなりません。
そのため、どれか一つの分野だけを勉強するのではなく試験範囲を網羅した学習が必要となりますよね。
ちなみに令和5年度の筆記試験合格最低点は280点満点中211.0点以上と高く、基準点を上回るだけでなく、合格最低点もクリアしていなければいけませんよ。
試験の合格率や合格基準などの点から、司法書士試験の難易度はかなり高く、しっかりと準備をしてから試験に臨む必要があると言えますね。
司法書士の独学に関するよくある質問
次に、司法書士の独学に関するよくある質問に答えていきますね。
司法書士は独学で1年で合格できるのか?
A.可能です。
一年間独学で学習し、司法書士試験に合格した方はいらっしゃいますよ。
学生の方から、社会人の方、フリーターの方まで様々な方が一年間独学で学習し、合格されていました。
しかしどの方も効率的な学習計画を立て、それを一年間続けたからこそ合格できていましたよ。
司法書士試験の学習スケジュール管理は難しいのか?
A.スケジュール管理は難しいです。
司法書士試験は出題範囲が広く、勉強時間も2000時間~4000時間と長いです。
そのため試験範囲を効率的に学習するスケジュールを立て、管理することはかなり難しいと言えますよ。
司法書士を独学で取得した方のブログはあるのか?
A.あります。
さきほど一年間独学で学習し、合格された方がいらっしゃいましたと記載しましたが、1年に限らず半年で合格された方から5年かけて合格された方など様々な合格者の方のブログがありました。
具体的には、7か月で合格されたOLの方のブログや半年間で合格された学生の方のブログなどがありましたよ。
学生の方は学生の方のブログ、半年で合格を目指す方は半年で合格された方のブログなど自分の状況にあったブログを探してみると良いかもしれませんね。
しかし同じような状況に見えても、その時の状況は人それぞれですよね。
そのため自分と異なる状況の方のブログも読んでみることで、新たな発見が得られるかもしれませんね。
多くのブログを読み、より多くの方の体験を知ることでよりよい学習方法やスケジュールを検討できます。
司法書士は働きながら独学で合格するのは無理なのか?
A.かなり難しいですが、無理ではありません。
司法書士試験はその試験範囲や学習時間などの点から独学での学習は難しいと言えます。
しかし独学で司法書士試験に合格した方もたくさんいらっしゃるため、不可能ではないですよ。
司法書士に社会人で合格した人のブログはあるの?
A.あります。
自分自身の学習方法を紹介しているブログや使用した教材を紹介しているブログなど内容も様々でしたよ。
例えば、独学で合格された方は独学での学習方法を紹介していましたし、予備校に通われた方は予備校を用いた学習方法を紹介していましたよ。
また司法書士試験対策の教材ランキングを紹介しているブログもありました。
そのため自分自身の知りたい情報を取り上げているブログを探して参考にしてみても良いかもしれませんね。
まとめ:司法書士は独学で合格できるのか?
司法書士試験は合格率が3~5%と低く、試験範囲も広いことから最難関資格の一つであると言えます。
そのため長期間の学習が必要であり、学習スケジュール管理やモチベーション維持の観点から独学は難しいと言われています。
しかし、独学で学習を進め合格を掴んだ方も確かにいらっしゃいます。
この記事では独学でのメリットやデメリット、学習スケジュールや勉強時間などについてご紹介してきました。
独学で学習できるのかな?と迷った際にはぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
この記事を参考にして自分に合った学習方法を見つけ、司法書士試験合格を掴むことを願っています!
司法書士の勉強を効率的に進めるのであれば、通信講座の利用もおすすめです。
司法書士の通信講座に関してはこちらの記事でもまとめていますので、あわせてご覧ください。
司法書士試験に関する関連記事
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