ディープラーニングに関する知識や技術が問われる「E資格」という資格をご存じでしょうか。
「E資格がどんな資格なのか気になる」「難易度や合格率、取得するメリットを知りたい」という方もいると思います。
E資格とは一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する比較的新しい資格となっており、ディープラーニングに関する知識や技術が問われる、エンジニア向けの資格となっています。
今回はE資格の難易度や合格率、受験資格や勉強方法などを詳しくご紹介していきます。
E資格について気になる方は、是非参考にしてみてください。
E資格とはどんな資格?
E資格とはどんな資格? |
・E資格の概要 ・ディープラーニングとは? ・E資格とG検定との違い |
E資格とは比較的新しく出来た資格であり、ディープラーニングに特化した内容となっています。
ですが、そもそもディープラーニングってなに?、どんな資格なのか想像できない、という方もいらっしゃると思います。
この項目では、E資格の概要に加え、ディープラーニングとは何か、など基本的な内容について解説していきます。
E資格の概要
E資格とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するエンジニア向けの資格となっています。
E資格の取得により、機械学習の重要な手法であるディープラーニング(深層学習)分野についての知識とスキルを有していることを証明できます。
似たような資格にG検定がありますが、G検定が基礎的な内容を問われる資格であるのに対して、E資格はすでに基礎的な知識を持つエンジニア向けの上位資格といえます。
その為、受験するためには「認定プログラム」と呼ばれるJDLAの認定講座の受講が必須となります。
JDLAは日本のディープラーニング産業を活性化させることを目的として本資格を定めており、国内のAI関連の資格としては難易度、認知度ともに最高となっています。
ディープラーニングとは?
そもそもディープラーニングって何?と思う方もいらっしゃると思います。
機械学習の一種であるディープラーニングは、大量のデータをもとに自動で特徴量を抽出し、学習していくAI技術です。
この技術によって、今までは難しいといわれていたテキストや画像などの特徴量の指定も、AIに直接判断させられ、人では指定することが難しい複雑な特徴も見つけられます。
ディープラーニングが活躍する分野は「画像認識」「音声認識」「文章認識(自然言語処理)」など、人では指定するのが難しい非構造化データの処理です。
例えば、実用例として、オンライン画像検索や、がん診断などの医療画像診断などが上げられます。
また、自動運転技術などにも応用されるため、今後も発展していく重要な技術であるといえます。
E資格とG検定との違い
E資格、G検定ともに、JDLAが主催するディープラーニングに関する知識を証明する資格です。
ですが、試験の難易度や内容は大きく違い、G検定はビジネス向け、E資格はエンジニア向けの資格となっています。
G検定の正式名称はジェネラリスト検定で、ディープラーニングを事業に活かすための知識を持っているのかを問われる試験となっています。
初めて人工知能やデータサイエンスを学ぶ方に向いている資格といえます。
それに対しE資格はより深い理解や実装についての知識が問われるため、難易度はG検定と比較すると圧倒的に高くなっています。
また、G検定がテストだけで完結するのに対し、E資格は認定プログラムの受講が受験資格として必須になっています。
G検定を合格後、ステップアップとしてE資格を受ける方もいます。
E資格の受験資格と試験内容
E資格の受験資格と試験内容 |
・JDLA認定プログラムとは ・E資格の試験内容 |
E資格には受験資格として「JDLA認定プログラム」を試験日の過去2年以内に修了している必要があります。
JDLA認定プログラムとは、受講者の実装スキルを担保するために作られた講座のことです。
この項目ではE資格の受験資格として必要になるJDLA認定プログラムについての解説と、E資格の試験内容について詳しくご紹介していきます。
JDLA認定プログラムとは
E資格は、すでに基礎的な知識を持つエンジニア向けの上位資格となっている為、受験するためには「認定プログラム」と呼ばれるJDLAの認定講座の受講が必須となります。
認定プログラムはいくつか種類があるため、いずれかの認定プログラムの受講を修了すると、E資格の受験が可能になります。
未経験者向けから一定の実務経験ありの方向けまで様々な種類があるため、自分に合ったプログラムを受講することが出来ます。
また、受講するための価格にも大きな差があり、学生は学生用プロモーションコードを申請すると、学生価格(税込22,000円)で受験できます。
認定プログラムの詳細は公式サイトにて確認することが出来ます。
詳細はピアソンVUEのE資格受験サイトを確認してみてください。
E資格の試験内容
E資格の試験内容、概要はこちらです。
受験資格 | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること |
実施概要 | 試験時間:120分 知識問題(多肢選択式・100問程度) 各地の指定試験会場にて受験 |
試験会場 | 申し込み時に、希望会場を選択 |
出題範囲 | シラバスより、JDLA認定プログラム修了レベルの出題 |
受験費用 | 一般:33,000円(税込) 学生:22,000円(税込) 会員:27,500円(税込) |
試験範囲 | ・応用数学 ・機械学習 ・深層学習 ・開発・運用環境 |
E資格は受験資格として、JDLA認定プログラムの受講を試験日の過去2年以内に修了していることが条件となっています。
内容は多肢選択式で行われる試験で、120分の試験時間の中で、100問の問題数が出題されます。
試験は毎年2月と8月におこなわれており、受験費用は一般が33,000円、学生が22,000円、会員が27,500円となっています。
また、出題範囲のシラバスは、日々進化するAIの分野をカバーするため、1~2年に一度改定されています。
試験範囲は簡単にまとめると、応用数学、機械学習、深層学習、開発・運用環境となっています。
また、公式サイトの情報として、
・予約は先着順で座席数には限りがあるため、希望の会場・時間帯に受験するには、早めの予約が必要
・試験日が近くなると一部の会場は空きがなくなる恐れがあるため、8月第1~2週目頃までの予約がおすすめ
とあります。
上記の受験資格を満たしている場合、ピアソンVUEを通して受験申し込みをすることが可能です。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
E資格の難易度
E資格はAI関連の資格の中で難易度、認知度ともに最高といえます。
難易度が高い理由として、ディープラーニングについて、数式レベルの深い理解と実装できるスキルを問われるためです。
エンジニア向けの資格であるため、初学者ではなく、すでにある程度知識や経験がある方向けに作られた資格といえます。
また、E資格は1~2年に一度、試験範囲となるシラバス改定により、常に最新の知識とスキルを求められます。
さらに、過去問の公開もされていないため、試験内容の予測も大変難しくなっています。
認定プログラムの内容と、参考書等での学習が必須となります。
そのため、難易度は高い資格といえます。
E資格の合格率
E資格の合格率をまとめた表はこちらです。
開催回 | 申込者数(人) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
2018年 | 342 | 337 | 234 | 69.44% |
2019年1回目 | 396 | 387 | 245 | 63.31% |
2019年2回目 | 718 | 696 | 472 | 67.82% |
2020年1回目 | 1,076 | 1,042 | 709 | 68.04% |
2021年1回目 | 1,723 | 1,688 | 1,324 | 78.44% |
2021年2回目 | 1,193 | 1,170 | 872 | 74.53% |
2022年1回目 | 1,357 | 1,327 | 982 | 74.00% |
2022年2回目 | 917 | 897 | 644 | 71.79% |
2023年1回目 | 1,131 | 1,112 | 807 | 72.57% |
2023年2回目 | 1,089 | 1,065 | 729 | 68.45% |
(引用元:日本ディープラーニング協会公式サイト)
E資格の合格率は約70%前後で推移しています。
2022年に行われたE資格の合格率も74%と比較的高くなっています。
合格率が比較的高い理由として、ソフトウェア・情報系業種からの受験が多く、知識レベルの高い受験生が多いためと考えられます。
そのため、一見すると合格率が高く、合格しやすいと思われるかもしれませんが、実際はすでに専門的な知識を持つ方が受験されるため、難易度が高く難しい試験であるといえます。
また、E資格の合格点、合格基準は公開されていません。
E試験の公式サイトでは、毎年の合格者の割合や平均点数のみ公開されており、平均得点率は各教科約65%前後となっています。(引用元:日本ディープラーニング協会公式サイト)
結論として、E資格の合格率が比較的高いのは、すでに専門的な知識を持っている方が受験するためであり、実際は難易度の高い資格であると言えます。
また、合格点、合格基準は公表されていませんが、公式サイトでは受験者の平均得点率が約65%前後となっているため、合格するためには最低でも6割以上は点数を取る必要があると考えられます。
E資格に必要な勉強時間
E資格の取得に必要な目安勉強時間は公表されていません。
ですが、Study-AI株式会社という企業が、受験者を対象に2021年に行った独自のアンケート調査によると、勉強に掛かった時間が100~200時間が45.59%、200~300時間が42.65%という結果が出ています。
E資格はすでに実装経験や知識のある方が受験する資格試験ではありますが、このアンケート結果を見ると、知識や経験がある方でも平均で約200時間は勉強時間が必要になってくると考えられます。
初学者の場合は、さらに多くの時間がかかると考えられます。
E資格の場合、認定プログラムの受講時間も勉強時間として加える必要があるため、そこからさらに個人的な学習時間も含めると、個人で学習時間は大きく異なる可能性があります。
E資格を取得するメリットは?意味ないって本当?
E資格を取得するメリットは?意味ないって本当? |
・E資格は取得する意味がない? ・知識やスキルの証明になる ・試験合格後もスキルアップ出来る ・今後需要が上がり、将来性もある |
E資格は受験するための条件や、合格までに時間がある程度かかるため、そこまでして取得するメリットはない、意味がない、という方もいらっしゃるようです。
ですが、実際には知識やスキルの証明になる、試験合格後もスキルアップ出来る、今後需要が上がり、将来性もある、といったメリットが存在します。
この項目では、このメリットについてより詳しく解説していきます。
E資格は取得する意味がない?
E資格を取得する意味がない、という声は実際にあるようです。
確かにE資格は業務独占資格ではないにも関わらず、認定プログラムの受講も含めて資格取得に時間がかかるため、そこまでして取得する必要があるのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、E資格を取得するメリットはあります。
取得するメリットとして、
・知識やスキルの証明になる
・試験合格後もスキルアップ出来
・今後需要が上がり、将来性もある
といった点が挙げられます。
次に、メリットについてより詳しく解説していきます。
知識やスキルの証明になる
E資格はAI関連資格の中では難易度も高く、最高峰の資格となっています。
そのため、取得することによって高度な知識と実務能力を持っていると証明できます。
近年では、大手企業が高度な知識と実務能力を持った人材を求めて、求人の募集内容にE資格の採用や書類選考の免除などを行う場合もあります。
ディープラーニングのビジネスへの応用は注目が高まっており、E資格を持っていれば今後確実に活躍できる場が増えていくと考えられます。
試験合格後もスキルアップ出来る
E資格は、ただ試験に合格して終わりではなく、合格後もスキルアップのための機会を設けています。
E資格試験に合格すると、日本最大のAIコミュニティであるCDLEのメンバーとして認められ、情報交換会やサークル活動などのイベント企画に参加することで情報収集に活用すできます。
コミュニティに参加することによって、合格後も常に最新の情報を収集し、同じAI関係の人脈と繋がることも可能です。
合格後もスキルアップできる機会が設けられるのは常に進化し続けるAI技術に対応できます。
今後需要が上がり、将来性もある
機械学習の一種であるディープラーニングは、大量のデータをもとに自動で特徴量を抽出し、学習していくAI技術です。
この技術によって、今までは難しいといわれていたテキストや画像などの特徴量の指定も、AIに直接判断させられ、人では指定することが難しい複雑な特徴も見つけられます。
ディープラーニングの技術は実用例として、オンライン画像検索や、がん診断などの医療画像診断などに使われています。
また、自動運転技術などにも応用されるため、今後も発展していく重要な技術です。
そのため、E資格の取得は今後需要があがり、将来背も高いと考えられます。
E資格は転職で役に立つ?
E資格はAI関連資格の中では難易度も高く、最高峰の資格となっており、認定プログラムの受講時間も含めると、取得に時間もかかる資格で簡単に合格することは難しいです。
そのため、取得する労力に対して、資格が転職や就職役に立つのか、と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ディープラーニングに特化した知識と技術を証明できるE資格の取得は、今後どんどん需要が上がり、将来性もある資格といわれています。
近年では、大手企業が高度な知識と実務能力を持った人材を求めて、求人の募集内容にE資格の採用や書類選考の免除などを行う場合もあります。
ディープラーニングのビジネスへの応用は注目が高まっており、E資格を持っていれば今後確実に活躍できる場が増えていくため、転職や就職に役立つ可能性も高いといえます。
E資格が役立つ職業
E資格が役立つ職業 |
・AIエンジニア ・データサイエンティスト ・営業職・企画職 |
今後需要が高まっていくと考えられるE資格ですが、実際にどのような職業で役に立つのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
E資格が役に立つ職業として、
・AIエンジニア
・データサイエンティスト
・営業職
が挙げられます。
次に、なぜE資格が役に立つのか、より詳しく解説していきます。
AIエンジニア
AIエンジニアとは、ビジネス上で求められる課題を、AIの専門知識や技術によって対応する職業となります。
AIエンジニアの分野は大きく分けると、AIのプログラム開発に携わるプログラム分野と、蓄積されたデータの解析・活用を行うアナリティクス分野の二つに分かれます。
どちらの分野もAIを使ってプログラムの開発やビジネスの改善に役立てることを目的としています。
そのため、機械学習の実装に関する知識を学べるE資格は、AIエンジニアに必要な資格といえます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、先ほど紹介したAIエンジニアの分類に含まれ、アナリティクス分野のAIエンジニアです。
大量のビッグデータから必要となるデータを解析し、ビジネスに活かす戦略を考えたり、ビジネスの状況改善に役立てたりすることが業務となります。
ビッグデータは膨大なデータとなっており、人力による解析はほぼ不可能といわれています。
そのため、ビッグデータ解析のためには機械学習やディープラーニングを実装するスキルが必要不可欠であり、E資格はデータサイエンティストに必要な資格といえます。
営業職・企画職
意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、営業職や企画職もE資格を取得していると役に立つことがあります。
AIとは無縁に思われる職種ですが、現代のIT社会化が進むにつれて、今まではAIを導入していなかった企業でも導入することを検討している企業が増えています。
ですが、AIの導入を検討していても、社内にAIに関する知識がある人がいないと、取引先のエンジニアと交渉をする際に不利になってしまう可能性があります。
そのため、E資格を取得することによって、AIに関する専門知識や技術を役立てられます。
今度どんどん進化していくAI技術に対応できると証明できるE資格は、営業職や企業職でも役立つ可能性が大いにあります。
E資格のおすすめの参考書は?
E資格のおすすめの参考書は? |
・ゼロから作るDeep Learningシリーズ ・徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 ・最短コースでわかる ディープラーニングの数学 |
E資格は認定プログラムの受講が必須となっていますが、プログラムの内容だけでは合格には不十分である場合もあります。
そのため、個人的に参考書を用意してある程度学習する必要があります。
この項目では、E資格を取得する際におすすめの参考書をご紹介していきます。
ゼロから作るDeep Learningシリーズ
こちらの参考書のシリーズは、難しいAI関連の知識を初学者でも分かりやすく理解できるようにまとめられており、初めてディープラーニングの学習を行う方にはピッタリの参考書といえます。
ディープラーニングの書籍は専門用語や海外の書籍を翻訳しているため内容が分かりにくい物が多く、初めて学ぶ方には難しい場合が多くあります。
ですが、このゼロから作るDeep Learningシリーズは専門用語が出てくると必ず丁寧な解説で分かりやすく解説してくれます。
そのため、勉強を始めたばかりの方はまずはこの一冊を使用してみるのがおすすめです。
また、この参考書は、E資格を主催しているJDLAが合格者アンケートで募集したおすすめの参考書の中に含まれており、別名「赤本」と呼ばれており、人気も一番です。
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徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集
こちらの参考書は、問題のクオリティの高さが特徴となっており、認定プログラムだけでは学ぶことが出来ない内容にも対応してくれます。
クオリティが高い理由として、JDLA認定プログラム第1号事業者のスキルアップAI講師陣が執筆しているという理由があります。
解説が非常に丁寧で、なぜこのような答えになるのかをしっかりとわかりやすく解説してくれます。
先ほどご紹介した「ゼロから作るDeep Learningシリーズ」と合わせて学習する方も多いようです。
ゼロから作るDeep Learningシリーズが「赤本」と呼ばれているのに対し、こちらの参考書は、「黒本」と呼ばれており、E資格受験者に広く使用されています。
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最短コースでわかる ディープラーニングの数学
こちらの参考書は、ディープラーニングの本質を理解するために必要な数学を最短コースで学べる内容となっています。
ディープラーニングの理解には数学の理解が欠かせないため、必要な数学の知識を高校1年生レベルからやさしく解説してくれます。
そのため、初めて学ぶ初学者の方でも安心して学ぶ事ができます。
内容もディープラーニングに必要な数学の知識だけに絞られているため、本当に必要な内容だけを学ぶことが出来ます。
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E資格のおすすめの勉強法は?
E資格では、受験者は必ず認定プラグラムを受講することが義務づけられているため、独学のみでの学習は難しいでしょう。
また、公式で過去問が公表されていないため、E資格では過去問を使った学習はできません。
そのため、JDLA認定プログラムで公開される問題や、市販の参考書で学習をする必要があり、参考書の問題集を解きながら内容を理解していく必要があります。
さらに、2022年第2回試験からはシラバスが変更になっており、フレームワークの実装(PyTorchまたはTensorFlow)が組み込まれたこと、基礎研究に近い内容も大幅に追加されたことなど変化があります。
認定プログラムの内容や、参考書での学習を念入りに確認し、出題範囲の語句はきちんと理解できるようになっておく必要があるため、注意が必要です。
その他関連する資格
その他関連する資格 |
・G検定 ・Pythonエンジニア基礎認定試験 ・応用情報技術者試験 |
ここまでE資格に関する内容について解説していきました。
次にこの項目では、E資格に関連するその他の資格である、G検定、Pythonエンジニア基礎認定試験、応用情報技術者試験についてご紹介していきます。
G検定
E資格と同じくJDLAが認定している資格で、E資格とは違い、ビジネス向けの内容となっています。
G検定の正式名称はジェネラリスト検定で、ディープラーニングを事業に活かすための知識を持っているのかを問われる試験となっています。
初めて人工知能やデータサイエンスを学ぶ方に向いている資格といえます。
また、ディープラーニングの社会実装の際に必要となる法律の問題や倫理など、E資格では出題されない範囲も含まれているため、E資格を持っている方でも取得して損はない資格です。
Pythonエンジニア基礎認定試験
Pythonエンジニア認定基礎試験とは、Pythonエンジニアに必要となる基礎的な知識を習得していることを証明できる試験となっています。
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催しており、試験内容はPythonの文法に関する基礎的な知識を問われます。
また、学生が取得できれば、就職活動のために活用することも可能です。
勿論社会人の方でも、資格を取得しておけば、他の会社に転職をしたい時に役立つこともあるため、取得するメリットがあります。
→Pythonエンジニア認定基礎試験の情報を公式サイトで見る
応用情報技術者試験
IPAが実施している情報処理技術の国家試験であり、ITエンジニアとして必要となる知識を学べます。
基本情報技術者の上位資格となっており、試験で問われる知識も幅広いものとなっています。
ITエンジニアとしての知識を問われるため、AI技術に関する出題はほとんどありませんが、ITの技術はAIの技術と同じように今後需要が高まることが考えられます。
E資格に関するよくある質問
この項目では、E資格に関するよくある質問について回答していきます。
E資格に関するよくある質問 |
・E資格に必要な勉強時間は? ・E資格の合格率は? ・E資格を取得するメリットはある? ・E資格は転職に役立つ? ・E資格のおすすめの参考書は? ・E資格の問題集のpdfはある? ・E資格は意味ない、使えないって本当? ・E資格の勉強法は? ・E資格の2022年のシラバスに変更はあった? ・E資格の難易度はどれくらい? ・E資格の黒本って? ・E資格は独学でも合格出来る? |
E資格に必要な勉強時間は?
E資格の取得に必要な目安勉強時間は公表されていません。
ですが、Study-AI株式会社という企業が、受験者を対象に2021年に行った独自のアンケート調査によると、勉強に掛かった時間が100~200時間が45.59%、200~300時間が42.65%という結果が出ています。
E資格はすでに実装経験や知識のある方が受験する資格試験ではありますが、このアンケート結果を見ると、知識や経験がある方でも平均で約200時間は勉強時間が必要になってくると考えられます。
E資格の合格率は?
E資格の合格率をまとめた表はこちらです。
開催回 | 申込者数(人) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
2018年 | 342 | 337 | 234 | 69.44% |
2019年1回目 | 396 | 387 | 245 | 63.31% |
2019年2回目 | 718 | 696 | 472 | 67.82% |
2020年1回目 | 1,076 | 1,042 | 709 | 68.04% |
2021年1回目 | 1,723 | 1,688 | 1,324 | 78.44% |
2021年2回目 | 1,193 | 1,170 | 872 | 74.53% |
2022年1回目 | 1,357 | 1,327 | 982 | 74.00% |
2022年2回目 | 917 | 897 | 644 | 71.79% |
2023年1回目 | 1,131 | 1,112 | 807 | 72.57% |
2023年2回目 | 1,089 | 1,065 | 729 | 68.45% |
(引用元:日本ディープラーニング協会公式サイト)
E資格の合格率は約70%前後で推移しており、合格率は比較的高くなっています。
その理由として、ソフトウェア・情報系業種からの受験が多く、知識レベルの高い受験生が多いためと考えられます。
E資格の合格率自体は高い数字となっていますが、実際にはすでに知識のある方々が受験することが理由で高い合格率となっていると考えられるため、難易度の高い資格といえます。
また、E資格の合格点、合格基準は公開されていませんが、E試験の公式サイトでは、毎年の合格者の割合や平均点数のみ公開されており、平均得点率は各教科約65%前後となっています。
そのため、合格するためには最低でも6割以上は点数を取る必要があると考えられます。
E資格を取得するメリットはある?
E資格を取得するメリットとして、知識やスキルの証明になる、試験合格後もスキルアップ出来る、今後需要が上がり、将来性もあるといった点が挙げられます。
E資格はAI関連資格の中では難易度も高く、最高峰の資格となっているため、取得することによって高度な知識と実務能力を持っている証明できます。
近年では、大手企業が高度な知識と実務能力を持った人材を求めて、求人の募集内容にE資格の採用や書類選考の免除などを行う場合もあります。
また、E資格は、ただ試験に合格して終わりではなく、合格後もスキルアップのための機会を設けています。
E資格試験に合格すると、日本最大のAIコミュニティであるCDLEのメンバーとして認められ、情報交換会やサークル活動などのイベント企画に参加することで情報収集に活用できます。
さらに、E資格の内容の中心であるディープラーニングの技術は実用例として、オンライン画像検索や、がん診断などの医療画像診断などに使われています。
また、自動運転技術などにも応用されるため、今後も発展していく重要な技術です。
そのため、E資格の取得は今後需要があがり、将来背も高いため、メリットは大いにあるといえます。
E資格は転職に役立つ?
E資格はAI関連資格の中では難易度も高く、最高峰の資格となっており、認定プログラムの受講時間も含めると、取得に時間もかかる資格で簡単に合格することは難しいです。
そのため、取得する労力に対して、資格が転職や就職役に立つのか、と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ディープラーニングに特化した知識と技術を証明できるE資格の取得は、今後どんどん需要が上がり、将来性もある資格といわれています。
近年では、大手企業が高度な知識と実務能力を持った人材を求めて、求人の募集内容にE資格の採用や書類選考の免除などを行う場合もあります。
ディープラーニングのビジネスへの応用は注目が高まっており、E資格を持っていれば今後確実に活躍できる場が増えていくため、転職や就職に役立つ可能性も高いといえます。
E資格のおすすめの参考書は?
おすすめの参考書はゼロから作るDeep Learningシリーズ、徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集、最短コースでわかる ディープラーニングの数学です。
特に、ゼロから作るDeep Learningシリーズ、徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集は読者からそれぞれ赤本、黒本と呼ばれており、初学者にもわかりやすいのが特徴です。
また、最短コースでわかる ディープラーニングの数学は、ディープラーニングの理解には数学の理解が欠かせないため、必要な数学の知識を高校1年生レベルからやさしく解説してくれます。
ぜひ一度チェックしてみてください。
E資格の問題集のpdfはある?
E資格の問題種のpdfはありません。
過去問等も、公式で過去問が公表されていないため、E資格では過去問を使った学習ができません。
そのため、JDLA認定プログラムで公開される問題や、市販の参考書で学習をする必要があり、参考書の問題集を解きながら内容を理解していく必要があります。
E資格は意味ない、使えないって本当?
E資格を取得する意味がない、という声は実際にあるようです。
確かにE資格は業務独占資格ではないにも関わらず、認定プログラムの受講も含めて資格取得に時間がかかるため、そこまでして取得する必要があるのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、日々進化し続けるディープラーニングの技術と知識の証明になるE資格は、今後どんどん需要が高まると考えられるため、取得する意味は大いにあると考えられます。
E資格の勉強法は?
E資格では、受験者は必ず認定プラグラムを受講することが義務づけられているため、独学のみで学習ということは出来ません。
また、公式で過去問が公表されていないため、E資格では過去問を使った学習ができません。
そのため、JDLA認定プログラムで公開される問題や、市販の参考書で学習をする必要があり、参考書の問題集を解きながら内容を理解していく必要があります。
さらに、2022年第2回試験からはシラバスが変更になっており、フレームワークの実装(PyTorchまたはTensorFlow)が組み込まれたこと、基礎研究に近い内容も大幅に追加されたことなど変化があります。
認定プログラムの内容や、参考書での学習を念入りに確認し、出題範囲の語句はきちんと理解できるようになっておく必要があるため、注意が必要です。
E資格の2022年のシラバスに変更はあった?
E資格は2022年第2回試験からはシラバスが変更になっており、フレームワークの実装(PyTorchまたはTensorFlow)が組み込まれたこと、基礎研究に近い内容も大幅に追加されたことなど変化があります。
そのため、認定プログラムの内容や、参考書での学習を念入りに確認し、出題範囲の語句はきちんと理解できるようになっておく必要があるため、注意が必要です。
E資格の難易度はどれくらい?
E資格はAI関連の資格の中で難易度、認知度ともに最高といえます。
難易度が高い理由として、ディープラーニングについて、数式レベルの深い理解と実装できるスキルを問われるためです。
また、E資格は1~2年に一度、試験範囲となるシラバス改定により、常に最新の知識とスキルを求められます。
さらに、過去問の公開もされていないため、試験内容の予測も大変難しくなっています。
そのため、難易度は高い資格といえます。
E資格の黒本って?
「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集」は「黒本」と呼ばれており、E資格受験者に広く使用されています。
こちらの参考書は、問題のクオリティの高さが特徴となっており、認定プログラムだけでは学ぶことが出来ない内容にも対応してくれます。
クオリティが高い理由として、JDLA認定プログラム第1号事業者のスキルアップAI講師陣が執筆しているという理由があります。
解説が非常に丁寧で、なぜこのような答えになるのかをしっかりとわかりやすく解説してくれます。
→Amazonで「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集」をみる
E資格の過去問、問題集はある?
E資格は公式で過去問が公表されていないため、過去問を使った学習ができません。
そのため、JDLA認定プログラムで公開される問題や、市販の参考書で学習をする必要があり、参考書の問題集を解きながら内容を理解していく必要があります。
また、問題集は市販の参考書等で学習できます。
E資格は独学でも合格出来る?
E資格では、受験者は必ず認定プラグラムを受講することが義務づけられているため、独学のみで学習ということは難しいでしょう。
ですが、認定プログラムだけでは合格が難しい場合もあるため、市販の参考書を自分で用意して学習する必要もでてきます。
認定プログラムの内容と合わせて学習する必要があります。
まとめ:E資格はどんな資格?取得するメリットや難易度、合格率は?
E資格とは、日本のディープラーニング産業を活性化させることを目的としたエンジニア向けの資格で、比較的新しい資格でありながら、AI関連の資格の中では難易度、認知度ともに最高と言われています。
ディープラーニングとはAI技術のひとつであり、医療現場での画像診断や自動運転技術などに活用されるため、今後も発展していく分野となっています。
そのため、E資格を取得することで、ディープラーニングに関する深い知識を有していると証明できるため、就職や転職で大きなメリットとなります。
E資格の受験には認定プログラムの受講などの受験資格が必要になるため、事前に受験方法やおすすめの参考書などを公式サイト等から確認しておくと良いでしょう。
興味のある方は是非、記事を参考にしてチェックしてみてくださいね。
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