簿記とは、日々の経営活動を記録・計算・整理して、企業の財政状態を明らかにする技能のことです。
簿記の知識は、企業の経理担当者だけでなくすべての社会人の役に立つものであり、現在多くの企業が社員に対して簿記検定の取得を奨励しています。
簿記検定は日商簿記、全商簿記、全経簿記と3種類ありますが、この記事では、社会人向けで就職・転職にも有利となる日商簿記の3級試験について紹介します。
簿記3級の資格に挑戦したいけど「簿記3級の難易度はどれくらいなの?」「簿記初心者でも合格できる資格なの?」など、不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、簿記3級試験の難易度やおすすめの勉強方法などを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
簿記3級は通信講座での学習もおすすめです。
詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。
簿記3級はどのような資格なの?
日商簿記検定は、ビジネス関連資格の中でも登竜門的な資格とされており、その中でも「日商簿記3級」は日商簿記検定の中でも入門的な位置づけとなっています。
ここでは、日商簿記3級(通称:簿記3級)の概要を解説していきます。
簿記3級は経理や会計についての入門的な資格
簿記3級は、簿記のうち基本的な事項を対象とした試験であり、主に卸売業や小売業で使用される商業簿記を扱います。
商業簿記とは、商品の仕入れから販売までのお金の動きを記録し、会社の帳簿を作成するための技術のことです。
日商簿記検定を主催する日本商工会議所の公式HPによると、簿記3級のレベルは次のように説明されています。
簿記3級のレベル
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
(日本商工会議所公式HPより引用)
簿記3級は会計系のメジャーな資格であり、取得することで企業における経済活動の流れを把握できるようになるため、様々な職種・業界で活用できます。
更に、簿記3級を取得することで経理の基礎知識が身についていると判断されるため、就職・転職の際には高く評価されるポイントとなるのです。
また、簿記の知識は税理士や公認会計士などを目指す場合に必ず必要となるため、簿記検定はこれらの資格を目指す人にとっても入門的な位置づけであるといえるでしょう。
簿記3級はどんな人が受験する?
日商簿記検定は、毎年50~60万人が受験する人気資格であり、中でも簿記3級は最も受験者数が多く、経理・会計に初めて触れる人が挑戦する資格です。
簿記3級は、主に次のような人々が受験しています。
・経理や会計にかかわる仕事をしている人(または目指している人)
・高校生、大学生、専門学校生など(主に商業・経済を学んでいる学生)
・キャリアアップを目指している社会人
最も多いのは、経理や会計にかかわる仕事をしている、あるいは目指している人です。
経理の仕事をしながら、自分が日常で行っている業務を円滑に進めるために資格取得を目指す人や、経理職への就職を目指して資格を取得する人が多いようです。
また、簿記3級は高校生や大学生、専門学校生などにも人気の資格であり、特に経営・商業などを学んでいる学生にとっては就職に有利になることから、多くの人が受験しています。
簿記3級の難易度はどれくらい?
では、簿記3級試験の難易度はどれくらいなのでしょうか?
調査したところ、簿記3級の合格率はおおむね50%前後であり、他の資格試験と比較すると難易度が低めであることがわかりました。
ここでは、簿記3級の難易度について、合格率と試験の合格点、必要な勉強時間などの面から解説していきます。
簿記3級の合格率は?
では、簿記3級の統一試験(ペーパー方式)とネット試験の実際の受験者データをみてしてみましょう。
まず、統一試験(ペーパー方式)の受験者データは以下の表のとおりです。
実施回(実施日) | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
167回(2024.6.9) | 24,497名 | 20,927名 | 8,520名 | 40.7% |
166回(2024.2.25) | 28,565名 | 23,977名 | 8,706名 | 36.3% |
165回(2023.11.19) | 30,387名 | 25,727名 | 8,653名 | 33.6% |
164回(2023.6.11) | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
163回(2023.2.26) | 37,493名 | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162回(2022.11.20) | 39,055名 | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161回(2022.6.12) | 43,723名 | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
160回(2022.2.27) | 52,649名 | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
159回(2021.11.21) | 58,025名 | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
158回(2021.6.13) | 58,070名 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157回(2021.2.28) | 70,748名 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156回(2020.11.15) | 77,064名 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
(日本商工会議所公式サイトより引用)
次に、簿記3級のネット試験の受験者データは以下の通りです。
実施期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年4月~2024年3月 | 238,155名 | 88,264名 | 37.1% |
2022年4月~2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
2021年4月~2022年3月 | 206,149名 | 84,504名 | 41.0% |
2020年12月~2021年3月 | 58,700名 | 24,043名 | 41.0% |
(日本商工会議所公式サイトより引用)
簿記3級試験を主催する商工会議所の公式サイトの情報によると、簿記3級の合格率はおおむね40~50%となっています。
簿記2級の合格率(25%前後)、簿記1級の合格率(8~10%)と比較すると、受験者の約2人に1人は合格できる簿記3級の合格率は比較的高いといえるでしょう。
しかし、実施回によっては合格率が30%を下回ることもあり、油断せずしっかりと試験対策を行う必要があります。
簿記3級の合格ラインは?
簿記検定は絶対評価であり、簿記3級の合格点は100満点中70点です。
基本的な知識が問われる問題が多く、計算問題には電卓やそろばん等を持ち込み使用できるため、正しく対策すれば十分に合格を目指せる資格であるといえます。
簿記3級に合格するために必要な勉強時間は?
簿記通信講座を開講しているスタディング、フォーサイト、ユーキャンの公式サイトでは、一般的に簿記3級に合格するために必要な勉強時間の目安を以下のように解説しています。
会社名 | 必要な勉強時間 |
ユーキャン | 約100時間 |
スタディング | 50~100時間 |
フォーサイト | 100~120時間 |
簿記講座を開講している各社によると、簿記3級に合格するためには、おおむね100時間程度の勉強時間が必要となります。
1日3~4時間の勉強時間が確保できるのであれば1か月程度で合格を目指せますが、毎日勉強時間を確保するのが難しい場合は、休日や仕事の合間などに時間を作り学習を進めるとよいでしょう。
簿記3級の難易度は?
簿記3級は簿記資格の中でも入門資格といえる位置づけであり、合格率は約40~50%で、25%前後の簿記2級、8~10%の簿記1級と比べると合格率が高くなっています。
また、簿記3級試験は、ペーパー方式の統一試験とネット試験の2種類の方法で行われていますが、試験の出題範囲や問題の難易度は同じなため、試験方法による難易度に差はありません。
初めて受験する人が多い中で2人に1人は合格するということからも、簿記3級は比較的難易度が低い資格であるといえるでしょう。
簿記3級は難易度が上がった?簡単すぎる?
簿記3級について調べてみると、「簿記3級は簡単すぎる」「簿記3級は簡単に取得できる資格」という意見を見かけますが、果たして本当に簡単に取得できる資格なのでしょうか?
簿記3級は経理・会計に関する資格の中で入門資格といえる位置づけにあり、初めて簿記に触れる初心者がまず最初に取得しようとする資格ですが、誰でも簡単に取得できるというわけではありません。
簿記3級の合格率は約40~50%で受験者の2人に1人は合格しており、比較的難易度が低い資格であると解説してきましたが、一方で受験者の2人に1人は不合格となっている現実があります。
理由としては、簿記に初めて触れる初心者や、企業のお金の流れに馴染みがない人にとっては、簿記の仕組みを理解するのが思ったよりも難しく、簿記3級の学習に苦戦してしまうことが挙げられます。
簿記3級の受験者は、簿記に触れるのが初めてな初心者から簿記の知識に触れたことがある経験者まで様々であり、「簿記3級は簡単すぎる」というのは、すでに簿記の知識に触れたことがある人や実務経験者の意見であると考えてよいでしょう。
また、近年「簿記3級の難易度が上がった」という声が聞かれるようになりましたが、これには簿記3級の試験形式の改定が関係していると考えられます。
簿記3級は、2021年度より試験の出題範囲や試験時間が一新され、試験形式に大幅な改定がありましたが、新しい試験制度となって初めて行われた第158回統一試験(ペーパー試験)では、試験後にSNS等で様々な反響がありました。
日商簿記3級受けに行きました。
大問2の(1)は見た事ない内容で
ほぼ空白。
大問3はテンパりすぎてケアレスミス。
やっぱり本番に弱いなぁ。
しばらく立ち直れないかも。
(引用元:X)
簿記3級受けてきました!
いやー難しかったというか、特に第2問の傾向が明らかに変わってて焦りました。「これはもうダメか…」と途中心折れ掛けましたが何とか自分を奮い立たせて笑
最後は時間もない中とりあえず空欄がないように埋めて提出しました~。受験された皆さんおつかれさまでした。
(引用元:X)
試験形式が変更されてから初めて実施された試験だったこともあり、出題形式が従来と変わったこと、試験時間が大幅に短くなったことなどから、「試験が難しくなった」「難易度が上がった」と感じた人が多かったようです。
実際の試験結果についても、158回、159回はそれぞれ20%台と低い合格率となっていますが、これは、試験時間の変更や出題傾向の変化に対応できていない受験生が多かったことが原因ではないかと考えられます。
160回以降の統一試験では合格率が40~50%台に戻っていることから、新試験への改定により難易度が上がったということはなく、従来の試験と同様、最新の試験形式に対応して試験対策をすれば合格につながると考えてよいでしょう。
独学でも合格できるの?
ここまで、試験の合格率や合格に必要な勉強時間などの面から簿記3級の難易度についてみてきました。
では、簿記3級は独学でも合格が目指せる資格なのでしょうか?
結論から言うと、簿記3級は独学でも十分に合格が目指せる資格です。
しかし、初めて簿記に触れる人にとっては難しいと感じるであろう点があり、しっかりと試験対策を取る必要があります。
では、簿記3級は独学でも合格できるのか、詳しく解説していきます。
簿記3級は独学でも十分合格が目指せる資格
簿記3級は独学で受験している方が多く、独学でも十分合格が目指せる資格であるといわれています。
簿記3級が独学で合格が目指せる資格である理由は、次の3つです。
・資格試験の中では比較的難易度が低め
・簿記3級は数学が苦手でも合格が可能
・ネット試験導入により受験機会が増えた
まず、先述の通り、簿記3級は簿記検定を初めて受ける人が多く受験していますが、その中でも合格率は50%程度であり、受験者の約2人に1人は合格できているため、比較的難易度は低めといえます。
また、簿記3級の試験で使うのは小学生で習った足し算や引き算がメインであり、更に試験当日は電卓の使用が認められているため、もし数学が苦手な場合でも合格は十分可能です。
更に、従来のペーパー試験(現行の統一試験)では試験日が決まっており、受験機会は年3回だけでしたが、2020年12月から簿記3級ではネット試験が導入されました。
ネット試験は、各試験会場が設定する任意の日に受験でき、受験できる回数にも制限がないため、従来に比べ簿記3級試験に挑戦できるチャンスが格段に増えています。
もし試験に不合格になってしまった場合、従来なら次の試験まで4ヶ月間が空いてしまい学習のモチベーションを保つのが難しいですが、ネット試験が導入されたことにより、試験で間違えた箇所を復習して知識を蓄え、すぐ試験に再チャレンジできるのです。
資格試験の中で比較的難易度が低く、試験にチャレンジする機会も格段に増えていることから、簿記3級は独学でも十分合格が目指せるといえます。
簿記3級が難しいと感じるポイントは?
簿記3級は簿記を初めて学ぶ初心者向けの資格であり、難易度は比較的低めですが、初めて簿記に触れる人にとっては難しく感じるポイントもあります。
簿記に初めて触れる人がどのようなポイントが難しく感じるのかを知り、対策を取っていきましょう。
暗記するだけでは合格できない
簿記3級は初心者向けと言われていますが、暗記だけでは合格するのは難しい資格です。
語句をただ覚えるだけではなく、簿記の仕組みを理解していなければ解答を導くのは難しいでしょう。
特に難しいポイントは、「仕訳のルールを覚えること」と、「勘定科目を暗記すること」です。
仕訳とは、取引が生じたら、その取引内容を勘定科目を使って金額とともに左と右に仕分けて記入することをいいます。
この、「左と右、どちらに振り分けるか?」という仕訳のルールを覚えるのが簿記初心者にはとても難しいのです。
また、勘定科目とは、お金や取引内容を示すラベルのことであり、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」に大きく分類されます。
また、勘定科目の「資産」には多数の科目があり、それぞれの名称と意味を理解する必要があります。
過去問や問題集と異なる問題が出題されても、簿記の仕組みを理解していれば問題なく回答できるため、テキストの内容を理解しておくことが大変重要となってきます。
慣れない専門用語を理解しなければならない
簿記に関する知識がゼロの状態で学習を始めると、参考書を開いたときに初めて見る用語ばかりで不安に感じることがあるかもしれません。
「仕訳」「勘定科目」「貸借対照表」「損益計算書」など、不慣れな用語を覚えるところから始めなければいけないため、最初からつまづいてしまい、簿記に苦手意識を持ってしまうこともあるのです。
問題を読み解くうえで、会計用語を覚えることは必要不可欠なため、少しでも苦手意識をなくせるよう、初心者用の解説本などを用意して対策を取ることがおすすめです。
試験の合格ラインを超えるのが難しい
簿記3級は絶対評価のため、必ず70点を超えないと試験に合格できません。
簿記3級試験の講評によると、単純な集計ミスや、計算ミス、仕訳ミスなどで点を落としてしまい、合格を逃してしまう人が例年多くみられるようです。
また、2021年4月から新試験へ改定されたため、新試験の出題形式や制限時間に対応できないと合格が難しくなっています。
試験改定があり過去問での対策がしづらくなった
2021年4月に新試験への改定があり、実務重視の問題が増えたため、「過去問を解けば合格できる」という勉強方法だけでは試験対策が難しくなっています。
旧試験から新試験への改定により試験範囲は大きく変わりませんが、「試験範囲のすべての学習を求める」という新試験のコンセプトの通り出題数や出題形式が変わり、すべての学習範囲からまんべんなく出題されるようになりました。
しかし、前述のとおり試験範囲は旧試験と大きく変わってはいないため、新試験形式に対応したテキスト・問題集でしっかり勉強すれば合格点を狙うことは十分可能でしょう。
独学が不安な場合は通信講座を利用する方法も
簿記の学習が初めての方や、独学での学習が不安な場合は、通信講座を活用する方法もあります。
ここでは、簿記3級の資格取得におすすめな、スタディングとフォーサイトの簿記講座をについて紹介します。
会社名 | 講座名 | 受講料金 | 備考 |
スタディング | 簿記3級合格コース | 3850円(税込) | 簿記の基礎を効率的に学び合格を目指すコース |
簿記3級・2級セットコース | 21,800円(税込) | 基礎から学び、3級から2級へステップアップしたい方向けのコース | |
フォーサイト | 簿記3級スピード合格講座 | 16,800円(税込) | 簿記3級合格に必要なものが詰まった講座 |
バリューセット2(2級+3級+過去問解き方講座) | 41,800円(税込) | 簿記3級から2級へステップアップしながら学習を進めたい方 |
では、スタディングの簿記講座とフォーサイトの簿記通信講座について、どのような特色があるのかを詳しく見ていきましょう。
スタディングの簿記講座
スタディングは、スマホ1台あればすべての教材が利用可能な、スマホ・タブレットでの学習に特化した通信講座です。
スマホ・タブレット1台あればいつでもどこでも勉強できるため、仕事の休憩時間や移動中、家事の合間など、忙しい人もスキマ時間で効率よく学習をすすめられます。
また、スタディングの通信講座は他社に比べ圧倒的に低価格であり、経済的な理由から通信講座の利用を悩んでいた方にもおすすめです。
特に簿記の基礎を効率的に学んで3級合格を目指す、初心者向けの「簿記3級合格コース」は、3,850円という割安な価格で受講することが可能です。
また、簿記3級から2級へのステップアップを考えている方は、「簿記3級・2級セットコース」を受講するとよいでしょう。
スタディングの簿記講座について詳しい情報を知りたい方は、公式サイトの情報をご確認ください。
フォーサイトの簿記通信講座
フォーサイトの簿記通信講座は、受講者の試験合格率が高く、効率よく合格が目指せるハイクオリティな講座です。
フォーサイト簿記通信講座の受講者の簿記3級試験の合格率は、全国平均の1.97倍にあたる90.2%であり、他社の簿記講座と比較しても圧倒的に高くなっています。
フォーサイト簿記講座の圧倒的な合格率の理由は、こだわりのフルカラーテキストや高品質な講義、いつでもどこでも学習できるeラーニングシステムにあります。
フォーサイトの教材は「合格点主義」で製作されており、合格点に達するために必要な内容のみをテキストに掲載しているため、試験に出るところだけを効率よく勉強できるのです。
フォーサイトの簿記通信講座で簿記3級合格を目指す場合は、「簿記3級スピード合格講座」または簿記3級・2級の学習ができる「バリューセット2」を受講するのがおすすめです。
フォーサイトの簿記通信講座について詳細を知りたい方は、公式サイトの情報をご確認ください。
また、簿記の通信講座について比較した記事がありますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
簿記3級の資格を取得するメリットは?
簿記3級の資格を取得するメリット |
・受験や就職・転職活動の際に評価されやすくなる ・資格勉強で得た知識を実務で役立てられる ・税理士や社労士などの資格取得に簿記3級の知識が役に立つ |
では、簿記3級の資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
簿記3級を取得すると、得た知識を実務に役立てられるだけではなく、他資格の試験勉強に簿記の知識を活かせたり、就職・転職活動の際に評価されやすくなるというメリットがあることがわかりました。
ここでは、簿記3級の資格を取得するメリットについて、解説していきます。
受験や就職活動の際に評価されやすくなる
まず、簿記3級の資格を持っていると、受験や就職・転職活動の際に評価されやすくなるというメリットがあります。
簿記資格を持っているということが「経営についての基本知識・基礎的な能力を持っている」という証明となるため、簿記3級を取得していると受験や就職・転職ではアピールポイントになるのです。
特に学生の就職活動の場合、資格だけ持っていて実務経験がなくても、簿記3級の資格を持っていることで他の就活生との差別化ができ、書類選考で有利に働く可能性があります。
資格勉強で得た知識を実務で役立てられる
次に、簿記3級の資格勉強で得た知識を実務で役立てられるという点も大きなメリットです。
簿記検定は、企業の会計業務や経理業務に活かせる資格であり、簿記3級の出題内容は企業の経理部門の業務内容に基づき出題されているため、簿記3級は得た知識がすぐに実務で活用できる実用的な資格といえます。
さらに、簿記の知識があれば確定申告や決算書作成などの作業をスムーズに行えるため、企業からの独立・開業を目指すときにも簿記3級の資格が役立ちます。
簿記3級の資格は、主に以下のような仕事に役立てられます。
経理
経理は企業の経営状態を把握する専門職であり、帳簿記入、決算書作成等の業務を行います。
簿記3級の資格を取得していると、経理の基礎知識についてはすでに習得できているため、経理の実務をスムーズに進める上で資格勉強で得た知識を活かせるでしょう。
会計事務所の事務
会計事務所の事務員は、クライアントに代わり、記帳代行や決算業務、税務申告などを行います。
会計事務所の事務員として働くには簿記の知識が必要不可欠ですが、一般事務を兼任する場合もあります。
会計事務所では、税理士や公認会計士の資格取得を目指し勉強中の方が多く働いている。
税理士の補助
税理士の業務の補助的な作業を行います。
税理士の業務自体を行うことはできませんが、簿記3級の知識を活かしながら税理士の様々な業務を補助できます。
また、税理士補助として働きながら、いずれは税理士の資格取得を目指す人もいます。
税理士や社労士などの資格取得に簿記3級の知識が役に立つ
税理士や社労士、中小企業診断士などの資格取得を目指す人にとっても、簿記3級の資格はとても有用な資格です。
簿記3級で学ぶ知識は、税理士などの上位資格の基礎知識となるため、簿記の勉強で得た知識がこれらの資格取得に役立つ可能性があります。
簿記3級の資格を取得した後、上記のような資格を取得することで、幅広い業務に携われるようになります。
簿記3級に独学で合格するために必要なものは?
簿記3級に独学で合格するために必要なもの |
・試験当日までの学習スケジュールを立てる ・最新の出題範囲に対応したテキスト・参考書 ・簿記3級の過去問題集、試験予想問題集 |
簿記3級が独学で十分合格を狙える資格であることがわかりましたが、独学で資格取得を目指す場合に何が必要か、あらかじめ知っておきたいですよね。
ここでは、独学で簿記3級に合格するために必要なものは何か、解説していきます。
試験当日までの学習スケジュール
独学で試験合格を目指す場合は、まず自分で試験当日までの学習スケジュールを立てて勉強を進める必要がある。
大手通信講座のユーキャンによると、簿記3級合格に必要な勉強時間は100時間程度と言われています。
1日当たり約4時間の学習時間を確保できれば、最短で1か月程度あれば合格が見込めます。
実務経験があったり、経理や会計についての知識がある場合には短期間での合格も狙えますが、簿記を初めて学習する場合には、3ヶ月程度の学習時間を目安にじっくり学習を進めるとよいでしょう。
自分の生活スタイルに合わせて、無理のないように学習スケジュールを立てて試験勉強に臨みましょう。
最新の出題範囲に対応したテキスト・参考書
次に、独学で試験勉強を進めるためには、最新の出題範囲に対応したテキストや参考書を用意して学習を進める必要があります。
簿記検定のテキストについては、試験を主催する日本商工会議所公認のテキストが出版されています。
こちらのテキストは最新の出題範囲に対応しており、日本商工会議所の公式サイトで購入できます。
また、市販の参考書を購入して学習する方法もありますが、市販の参考書を選ぶ際には最新の出題範囲に対応したものを選びましょう。
特に、簿記検定は2020年12月から試験形式が改定されており、学習範囲は旧試験と変わりありませんが、本番の試験形式に慣れておくためにも、最新のテキストを用意するのがおすすめです。
簿記3級の過去問題集・試験予想問題集
更に、参考書でインプットした知識を定着させるため、過去問題集を1冊用意するとよいでしょう。
1冊の過去問題集を何回も繰り返し解くことにより、自分が苦手な箇所を把握できるなどのメリットがあります。
簿記3級の問題集についても、日本商工会議所公認の問題集を公式サイトにて購入できるため、試験形式の確認や自分のレベル確認などに活用するとよいでしょう。
また、問題集についても市販の過去問題集を購入して学習する方法がありますが、こちらもテキストと同様、最新版の問題集を用意することをおすすめします。
初心者が簿記3級に合格するためにおすすめの勉強方法は?
初心者が簿記3級に合格するためにおすすめの勉強方法 |
・参考書で知識をインプットする ・過去問題集を何回も繰り返し解いて知識を定着させる ・試験予想問題集で本試験の実践練習をする |
では、簿記に初めて触れる初心者が簿記3級に合格するために、効果的な勉強方法はあるのでしょうか?
簿記の勉強が始めての場合は、まず参考書で知識をインプットしてから、過去問題集を繰り返し解くことで知識を定着させ、予想問題集で実践練習をするという流れで学習を進めるのが良いようです。
ここでは、初心者が簿記3級に合格するためにおすすめの勉強方法を解説していきます。
参考書で知識をインプットする
まずは用意した参考書を読み込み、基礎知識をしっかりインプットします。
参考書は自分に合ったもので、最新の出題範囲に対応したものを1冊選びましょう。
基本的には参考書は1冊のみを使うようにして、最初は全体的な流れをつかみ、2週目でわからなかった箇所を集中的に読み込む…など、何回も反復して読み直すのがおすすめです。
ドイツの心理学者エビングハウスによると、人間の脳は一度記憶した内容を時間後には56%、1日後に74%忘れてしまうため、記憶を定着させるには、復習をして忘れかけた記憶を思い出す必要があるそうです。
そのため、簿記に関する情報をインプットするためには、参考書を一通り読んだ後も、繰り返し読み込んで知識を定着させることが重要となってきます。
また、新試験への改定により仕訳問題の配点が増加しているため、簿記初心者の場合は、インプットの段階で特に「仕訳」の概念をしっかり理解しておくことが大切です。
仕訳の種類・量は膨大であり、この「仕訳」という概念を理解しておかなければ試験で正解にたどり着くのは難しいため、何よりもまず仕訳の勉強に集中する必要があるでしょう。
過去問題集を何回も繰り返し解いて知識を定着させる
参考書で知識をインプットしたら、次は過去問題集を繰り返し解いてインプットした知識を定着させましょう。
先述の通り、人間の脳は記憶した内容を1時間後には56%を忘れてしまうことから、参考書でインプットした情報も、すぐに反復して学習しなければそのほとんどを忘れてしまうのです。
そのため、知識をインプットしたら、テキストを読んだ後はできるだけ早く問題集に取り掛かると、知識が定着しやすく実力アップにつながりやすいと考えられます。
間違った問題は正解を確かめて終わりにするのではなく、参考書へ戻り解説をしっかり確認するなど、間違った箇所の復習をして確実に理解することが重要です。
実際の試験では過去の問題と似たような問題が出されることもあるため、問題集を繰り返し解き、試験前までに過去問題を完璧に解けるようにしておくと安心ですね。
試験予想問題集で本試験の実践練習をする
試験前の1週間程度は、本番の試験を想定したトレーニングを行いましょう。
まず、模擬試験や予想問題集を使い、実際に時間を計りながら問題を解いて、本試験の形式に慣れておくとよいでしょう。
実際に試験で問題を解く際の時間配分を考えるなど、本番の試験と同じように問題に臨むことで、試験当日は落ち着いて問題に解答できます。
また、模擬試験や予想問題集を解く中で、しっかり勉強できていない部分やケアレスミスで間違えた問題が見つかった場合、それらを徹底的に復習して本番での失点を防ぐようにしましょう。
間違えやすい問題やケアレスミスで点を落とした問題などを把握し、自分が間違えた箇所を意識しながら復習していくと、本番当日の解答ミスを防止できます。
簿記3級に独学で合格するためにおすすめの参考書・問題集3選
簿記3級に独学で合格するためにおすすめの参考書・問題集3選 |
・スッキリわかる 日商簿記3級 第13版 テキスト&問題集 (スッキリわかるシリーズ) ・合格テキスト 日商簿記3級 Ver.12.0 (よくわかる簿記シリーズ) ・合格するための本試験問題集 日商簿記3級 20234年AW(秋冬)対策 |
ここまで、簿記3級に独学で合格するために必要なものや、おすすめの勉強法などについて解説してきましたが、自分で参考書や問題集を選ぶ場合、何を買うべきか悩んでしまいますよね。
ここでは、簿記3級のに独学で合格するためにおすすめな市販の参考書や問題集を紹介します。
スッキリわかる 日商簿記3級 第13版 テキスト&問題集 (スッキリわかるシリーズ)
テキストと問題集がセットになっている参考書で、新試験形式にも対応しています。
初めて簿記の学習をする人がゼロから知識を習得するのにおすすめな、大人気の「スッキリわかる日商簿記」シリーズの参考書で、簡潔でわかりやすい説明と、豊富なイラスト・図表でサクサク読み進められます。
また、問題集は基本編と応用編にわけて掲載されており、テキストと問題集が1冊にまとまっているため、テキストを読んだ後にすぐに実際の問題を解答できます。
合格テキスト 日商簿記3級 Ver.12.0 (よくわかる簿記シリーズ)
簿記3級だけでなく、その先の2級・1級の学習の学習にも活かせる参考書です。
簿記3級合格に必要な情報が網羅的に収録されており、簿記をとことんしっかり学びたい人向けに、合格するためのノウハウを集約した教材です。
大手予備校TACの簿記検定講座の公式教材であり、最新の法改正・新試験方式にも対応しています。
合格するための本試験問題集 日商簿記3級 2024年SS(春夏)対策
こちらも大手予備校TACによる簿記検定講座の公式教材で、簿記3級対策用の本試験タイプの問題集です。
過去問をベースに、現行の試験制度・試験範囲に準拠するよう、過去出題された中から重要性の高い問題や出題の可能性が高い問題を厳選しリメイクしています。
本試験と同じ構成の問題が12回分(うち4回は予想問題)収録されているのに加え、本試験と同じ環境でできる「模擬試験プログラム」10回分が無料で利用可能であり、試験直前期の学習に役立てられるでしょう。
簿記3級の試験概要
日商簿記3級試験は日本商工会議所が主催しており、年3回実施されています。
ここでは、簿記3級の試験日程や申し込み方法などを紹介します。
簿記3級試験の試験概要
簿記3級の試験概要は以下の通りです。
統一試験(ペーパー方式) | ネット試験 | |
試験日時 | 年3回(6月、11月、翌年2月) | 各試験会場が設定する任意の日(毎週、毎月、随時実施など、試験会場により異なる) |
試験会場 | 全国500か所以上に設置されている (住所や勤務地にかかわらず、どこでも受験可能) |
・商工会議所ネット試験施行機関リストに記載された会場 ・日本商工会議所ネット試験会場 ・日商リカレントスクール ・商工会議所パソコン教室 ほか |
受験料 | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) ※事務手数料が別途必要となる |
受験申込方法 | 試験日約3か月前に受験希望地の商工会議所に問い合わせる | インターネットで申し込み 又は 受験を希望する各ネット試験会場へ問い合わせる |
簿記3級の資格試験は、ペーパー方式で行う従来の「統一試験」と、パソコンで解答をしていく「ネット試験」の2種類の方法で実施されています。
統一試験とは従来の紙を用いた簿記試験のことであり、鉛筆と電卓を使って解答していきます。
統一試験は年に3回、毎年6月、11月、2月に実施されており、2022年度の簿記3級の試験日は以下の通りです。
簿記3級(統一試験)の試験日
168回試験…2024年11月17日(日)
169回試験…2025年2月23日(日)
また、ネット試験は、日商簿記検定試験の2級・3級で2020年12月から開始された新しい試験方式です。
試験時間や出題範囲はペーパー方式の統一試験と変わりませんが、大きく異なるのは、ネット試験の場合パソコン上で入力を行い問題に回答する点、試験が終わるとすぐに回答が自動採点されるため、試験終了後にすぐ試験の合否がわかるという点です。
また、統一試験は年3回と試験日が決まっているのに対し、ネット試験は各試験会場が定める日程で随時受験できます。
統一試験とネット試験のどちらで受験しても、合格すれば履歴書に資格を記載できるという点は変わらないため、受験する方が受けやすい方法で受験するとよいでしょう。
簿記3級試験の申し込み方法と受験料
簿記3級の受験料は、統一試験・ネット試験ともに3,300円(税込)です。
簿記3級試験の申し込み方法については、受験方法によりそれぞれ異なります。
ここでは、統一試験とネット試験の申し込み方法について解説していきます。
統一試験の申し込み方法
ペーパー方式の統一試験を受験したい場合は、試験日の約3か月前に受験希望地の商工会議所に問い合わせをして、受験の申し込みをする必要があります。
申し込みの受付開始日時や受付方法は各商工会議所によって異なるため、簿記3級の受験を希望する方は、まず受験希望地の商工会議所へ問い合わせをしてみましょう。
ネット試験の申し込み方法
ネット試験の申し込み方法は、「インターネット申込方式」「会場問い合わせ方式」の2種類があります。
「インターネット申込方式」で受験申込できる会場は140か所以上あり、申し込みをする場合は、日本商工会議所の公式HPから申込専用ページへ飛び、申し込みを行いましょう。
また、「インターネット申込方式」で受験申し込みをする場合には、受験料のほかに事務手数料として550円(税込)がかかるため注意が必要です。
「会場問い合わせ方式」で申し込みを行う場合は、商工会議所ネット試験施行機関リストから受験希望地の試験会場を探し、受験申し込みをする必要があります。
電話や窓口、インターネットなど、各ネット試験会場により申し込み方法が異なるため、「会場問い合わせ方式」で申し込みをする場合は、受験を希望する各ネット会場に申し込み方法を確認しましょう。
「会場問い合わせ式」で申し込みをする場合にも、受験するネット試験会場によっては事務手数料が必要となる場合があります。
簿記3級の試験科目と試験時間、合格基準
簿記3級試験の試験科目と試験時間は、以下の通りです。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
商業簿記(3題以内) | 60分 | 70%以上 |
「商業簿記」とは、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算する技能のことで、簿記3級はこの商業簿記から3題出題されます。
統一試験、ネット試験共に、試験時間は60分で、合格基準は正答率70%です。
簿記3級を受験する上での注意点
簿記3級を受験する上で、気を付けなければならない点について解説していきます。
当日の持ち物を確認する
簿記3級を受験する場合、試験に持ち込んでよいものと持ち込み不可なものがあるため、当日の持ち物は事前に必ず確認しましょう。
まず、試験当日の持ち物は以下の通りです。
・氏名・生年月日・顔写真のいずれも確認できる身分証明書(運転免許証、社員証、学生証など。小学生以下の方は不要)
・筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆、シャープペン、消しゴムに限る。ラインマーカーや色鉛筆、定規等の使用は不可)
・計算機器を持ち込み使用しても良い。(そろばん、電卓のどちらか一つ)
※電卓は計算機能(四則演算)のみのものに限る
ただし、ネット試験を受験する場合には以下の点に注意してください。
・筆記用具は当日試験会場にて配布されるため持参不要(計算用のA4用紙2枚、ボールペンが配布される)
・そろばんは持ち込み不可
ネット試験の場合は受験票が発行されない
統一試験を受験する場合、事前に受験票が発行されますが、ネット試験を受験する場合には受験票の発行はありません。
ネット試験の予約を完了した際に届く確認メールに、試験日程や会場、注意事項などが明記されているため、必ず確認しておく必要があります。
万が一に備えて、あらかじめ予約確認メールを印刷して当日持参するとよいでしょう。
簿記3級の難易度に関するよくある質問
簿記3級の難易度に関するよくある質問 |
・簿記3級のネット試験の日程は? ・簿記3級の勉強ができるアプリやサイトはある? ・簿記3級に合格した後はどうする? ・高校生が簿記3級を取得するメリットは? ・簿記3級の難易度は上がったのか? ・簿記3級は簡単すぎる? |
簿記3級の難易度に関して、よくある質問をまとめました。
簿記3級のネット試験の日程は?
簿記3級のネット試験の日程は、各ネット試験会場によって異なります。
ネット試験は、各ネット試験会場が設定する任意の日に実施されており、毎週・毎月定期的に行っていたり、受験者の希望に応じて随時実施していたりなど、試験日程は会場によって様々です。
ネット試験の試験日程に関しては、各試験会場に問い合わせるか、商工会議所の公式HPにある受験申込専用ページにてご確認ください。
簿記3級の勉強ができるアプリやサイトはある?
簿記3級の学習に活用できるアプリ・サイトは数多くあります。
中でも簿記3級受験者に人気の簿記勉強アプリが、「パブロフ簿記3級lite」というアプリです。
「パブロフ簿記3級lite」は、簿記3級で出題される仕訳問題をメインで収録しており、簿記の勉強アプリの中でも評価の高いアプリです。
「パブロフ簿記lite」は無料のアプリですが、毎年最新版に更新されるため、出題される問題は最新の出題範囲に合った問題となっています。
また、オフラインで利用することが可能なため、忙しく勉強の時間が取れない方でもスキマ時間に学習できるなど、アプリを活用することで効率よく学習を進められるでしょう。
簿記3級に合格した後はどうする?
簿記3級に合格した後は、上位資格にあたる簿記2級など、他の会計資格などに挑戦するとよいでしょう。
簿記3級を取得すると基本的な経理・会計の知識を身に着けられますが、会計事務所への転職など、簿記資格を業務に活かしたいと考えている方は、経理や財務の実務に役立つ知識が得られる簿記2級に挑戦するのがおすすめです。
また、ファイナンシャルプランナー(FP)や中小企業判断士など、簿記3級で得た会計知識を活かせる資格の取得を目指すのも良いでしょう。
高校生が簿記3級を取得するメリットは?
高校生のうちに簿記3級を取得することで、進学や就職に有利になるというメリットがあります。
簿記3級の資格を高校生で取得しておくことにより、会計系の学校への進学の際有利になったり、学校によっては単位認定が認められたりすることもあります。
簿記検定を取得していることで入試で優遇される大学については、日本商工会議所の公式サイトで確認できます。
また、事務職などへの就職を目指す場合にも、簿記3級の資格を持っていることで、書類選考の段階で経理や会計に関する知識があることをアピールできます。
実務未経験であっても就職活動の際に評価される可能性が高いことから、高校生のうちに簿記3級のを取得するのはメリットが大きいといえます。
簿記3級の難易度は上がったのか?
簿記3級の難易度は上がった訳ではありませんが、新試験形式への改定により出題数や出題形式が変わり、試験時間も大幅に短縮されたため、新しい試験形式に対応した学習を行わないと合格が難しくなっています。
2021年4月に簿記3級は試験形式の改定が行われており、実務重視の問題が増え、すべての学習範囲からまんべんなく出題されるようになりました。
また、従来は120分あった試験時間が60分に変更となりましたが、設問数は半分にはなっておらず、新試験ではスピードと正確性を要求される出題内容になったことがわかります。
従来の簿記3級試験は、過去問での試験対策が合格への近道とされていましたが、新試験では試験範囲すべての理解度を問われるようになり、更に出題範囲からランダムに出題されるようになったため、過去問だけに頼った試験対策では対応できなくなっているのです。
新試験方式に改定された簿記3級試験に合格するためには、最新のテキストを使った対策を行い、試験の詳細についても最新情報を常に確認しておく必要があるでしょう。
簿記3級は簡単すぎる?
簿記3級は他の資格試験と比べると比較的難易度が低い資格ですが、簡単に合格できる資格というわけではありません。
簿記3級の合格率は平均で40~50%であり、受験者の2人に1人が合格できるということで比較的難易度が低いといわれていますが、一方で受験者の2人に1人は不合格となっています。
簿記3級は初めて簿記に触れる初心者がまず最初に取得を目指す資格であり、誰でも合格を狙える資格だといわれていますが、簿記初心者や、企業のお金の流れに馴染みがない人は、簿記の仕組みを理解するのに時間がかかる場合があります。
簿記3級の受験者は、簿記初心者からすでに経理などの実務を経験している人まで様々であり、「簿記3級は簡単すぎる」というのは、すでに簿記の知識に触れたことがある人や実務経験者の口コミであると考えてよいでしょう。
まとめ:簿記3級は初心者でも合格できる?試験の難易度は?
簿記3級は、簿記資格の中でも経理・会計の入門資格といえる位置づけであり、取得することで就職・転職の際に評価されやすくなるなどメリットの大きい資格です。
簿記を初めて勉強する人が多く受験する資格であり、合格率も40~50%で2人に1人は合格していることから、簿記3級の難易度は比較的低い資格といえるでしょう。
簿記検定は市販の参考書・問題集も充実しており、簿記3級は独学でも十分合格が狙えますが、独学が不安な方には通信講座を利用して資格取得を目指すこともできます。
簿記3級の資格を取りたい!と考えている方は、ぜひこの記事を参考にして、簿記3級の資格取得に向けて勉強を始めてみてはいかがでしょうか?
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