弁理士試験の難易度は?ランキングで他の資格との比較や勉強時間も解説!

「弁理士試験の難易度はどのくらいなんだろうか?」

「文系でも合格を目指せるの?」

弁理士試験について調べていくと、上記のような疑問が湧いてくるかもしれません。

弁理士試験ルートで弁理士になるには、試験合格後に実務修習と登録が必要ですが、試験の難易度は非常に高く、合格は難しいです。

そこで今回は、弁理士試験の難易度を他の難関国家資格等と比較しながら分析し、弁理士の実際の難易度や合格するためのポイント、勉強法などについて解説していきます。

弁理士を目指している方、これから受験を検討している方の参考となる情報を記載していますので、参考にしてみてください。

また、弁理士試験の対策には通信講座や予備校を活用した方法もおすすめです。

弁理士のおすすめ通信講座は以下の記事にてまとめていますので、あわせてぜひご覧ください。

→弁理士の通信講座や予備校の記事はこちら

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目次

そもそも弁理士ってどんな資格?

まずはじめに、「弁理士とはどんな資格なのか?」ということを解説していきます。

弁理士は知的財産に関する専門家です。

知的財産の創出や、知的財産権の取得、活用のサポートなど、人間の知的活動によって生み出された大切な「知的財産」を取り扱います。

弁理士は、勤務先や専門分野、経験によって高収入も目指せる専門職です。

2025年度は3,183人が受験しており、知的財産に関わる仕事を目指す方が挑戦しています。

そんな弁理士試験の難易度は「理系最高峰」といわれるほどに難しく、弁理士になるハードルは高いです。

そんな弁理士の概要について、詳しく見ていきましょう。

弁理士の資格の概要

日本弁理士会の公式HPでは、弁理士について以下のように記載されています。

弁理士の役割
弁理士は、知的財産の創出や、知的財産権の取得、活用をサポートする専門家です。

(引用元:日本弁理士会公式HP)

弁理士は、知的財産に関する専門家です。

人間の知的活動によって生み出された創作物やアイデアのなかには、財産的な価値を持つものがあり、「知的財産」といいます。

知的財産は、法律で規定された権利や法律上保護される利益に係る権利となり、「知的財産権」と呼ばれています。

弁理士の役割は、知的財産の創出や、知的財産権の取得、活用をサポートすることです。

弁理士の年収

TAC公式では、弁理士の年収の目安として700〜750万円が紹介されています。

一方、国税庁の2025年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した正社員(正職員)の平均給与は559万円です。

弁理士の700〜750万円はTACが紹介する目安で、国税庁の正社員全体の統計とは対象や集計方法が異なります。

弁理士の収入は、企業内勤務か特許事務所勤務か、独立開業しているか、経験や専門分野などによって大きく変わります。

資格を取得すれば、誰でも同じ収入になるわけではありません。

弁理士の資格の需要・人気な理由

弁理士は、特許・実用新案・意匠・商標など、知的財産の権利化や活用を支える専門家です。

専門知識を身に付け、企業の知財部門や特許事務所で働いたり、独立開業を目指したりできることが魅力です。

2025年度の弁理士試験は受験者3,183人、最終合格者205人で、合格率は6.4%でした。

高い専門性が求められる資格であり、取得後も法改正や技術の進歩に合わせて学び続けることが大切です。

AIの普及によって業務の進め方が変わる可能性はありますが、依頼者の目的を理解し、権利化や事業戦略を考える役割があります。

将来の働き方を考える際は、資格だけでなく、技術・語学・実務経験などの強みも意識しましょう。

どうしたら弁理士になれるの?

弁理士の資格の人気が高いということをお話ししてきましたが、ここからは弁理士になる方法について解説していきます。

弁理士になるには

弁理士になるためには、毎年1回行われる弁理士試験に合格し、弁理士登録をする必要があります。
受験資格に制限はありません。

(引用元:日本弁理士会公式HP)

日本弁理士会公式HPでは、弁理士になる方法として、弁理士試験に合格し弁理士登録をすることが必要であると記載されています。

  1. 弁理士試験に合格する
  2. 実務修習
  3. 弁理士登録

弁理士試験に合格したら、経済産業大臣から指定を受けた機関で実務修習を修了し、日本弁理士会の弁理士登録を受ける必要があります。

一見シンプルで簡単なように思えますが、弁理士試験の難易度は「理系最高峰」といわれるほど難しく、弁理士になるハードルは極めて高いです。

弁理士試験の難易度についての詳細は、この後の項目で詳しく解説していきます。

弁理士の難易度は理系最高峰?

弁理士試験は、知的財産に関する幅広い法令の理解と、論文・口述での応用力が求められる難関試験です。

最終合格の結果が公表されている2025年度は、受験者3,183人に対して合格者205人、合格率6.4%でした。

2021〜2025年度の最終合格率は6.0〜6.4%で推移しています。

2025年度の合格者のうち理工系出身者は82.0%ですが、これは合格者の構成比であり、理工系の受験者全体の合格率ではありません。

「理系最高峰」という表現に公的な順位があるわけではなく、受験資格は文系・理系を問いません。

2026年度の最終合格発表は11月9日予定です。

直近の弁理士試験の合格率(2021年度~2025年度)

実施年 受験者数 合格者数 最終合格率
2021年度(令和3年度) 3,248人 199人 6.1%
2022年度(令和4年度) 3,177人 193人 6.1%
2023年度(令和5年度) 3,065人 188人 6.1%
2024年度(令和6年度) 3,160人 191人 6.0%
2025年度(令和7年度) 3,183人 205人 6.4%

(引用元:特許庁公式HP)

直近5年の弁理士試験のデータをまとめてみました。

2021〜2025年度の受験者は各年3,000人以上で、最終合格者は188〜205人、合格率は6.0〜6.4%でした。

実施年 理工系 法文系 その他
令和7年 82.0% 13.2% 4.9%
令和6年 81.7% 14.1% 4.2%
令和5年 76.1% 18.6% 5.3%
令和4年 76.7% 15.0% 8.3%
令和3年 76.4% 18.6% 5.0%

(引用元:スタディング公式HP)

また、スタディング公式で紹介されている統計によると、2021〜2025年度の5年間の弁理士試験の合格者のうち、8割近くが理工系出身者であることが分かりました。

2025年度の法文系出身者は27人(13.2%)でした。

合格者の構成比だけで、文系・理系それぞれの合格しやすさを判断することはできません。

各試験別に見る弁理士の合格率の推移

弁理士試験は、短答式・論文式・口述の各段階を突破する必要があります。

2025年度は短答式12.8%、論文式28.0%、口述91.3%でした。

各段階には免除者が含まれるため、段階別の合格率を単純に掛けても最終合格率にはなりません。

最終合格率

実施年 志願者数 最終合格者数 合格率
令和7年 3,501人 205人 6.4%
令和6年 3,502人 191人 6.0%
令和5年 3,417人 188人 6.1%
令和4年 3,558人 193人 6.1%
令和3年 3,859人 199人 6.1%
令和2年 3,401人 287人 9.7%
令和元年 3,862人 284人 8.1%
平成30年 3,977人 260人 7.2%
平成29年 4,352人 255人 6.5%

(引用元:スタディング公式HP)

スタディング公式HPによると、弁理士試験の最終合格率は直近6年間において6%~10%で推移しています。

2021〜2025年度の最終合格率は6.0〜6.4%で推移しています。

短答式試験の合格率

実施年 受験者数 合格者数 合格率
令和7年 2,775人 355人 12.8%
令和6年 2,813人 361人 12.8%
令和5年 2,714人 337人 12.4%
令和4年 2,754人 284人 10.3%
令和3年 2,686人 304人 11.3%
令和2年 2,259人 411人 18.2%
令和元年 2,895人 531人 18.3%
平成30年 3,078人 620人 20.1%
平成29年 3,213人 287人 8.9%

(引用元:スタディング公式HP)

短答式試験はマークシート方式を採用しており、受験者にとって最初の難関です。

合格率をみてみると、2017〜2025年度は8.9〜20.1%で推移し、2025年度は12.8%でした。

2026年度の短答式は合格者459人、合格率16.5%とスタディング公式で紹介されています。

弁理士試験は最初のハードルから非常に高いということが分かります。

論文式筆記試験の合格率

実施年 受験者数(必須) 受験者数(選択) 合格者数 合格率
令和7年 715人 164人 205人 28.0%
令和6年 654人 143人 185人 27.5%
令和5年 621人 132人 179人 28.0%
令和4年 655人 144人 179人 26.3%
令和3年 805人 180人 211人 25.1%
令和2年 1,039人 231人 265人 25.0%
令和元年 1,070人 224人 279人 25.5%
平成30年 1,070人 213人 261人 23.9%
平成29年 917人 194人 229人 24.2%

(引用元:スタディング公式HP)

論文式筆記試験の合格率は、2017〜2025年度では23.9〜28.0%で、2025年度は28.0%でした。

ここまでの流れをみていると比較的高く思えるかもしれませんが、忘れてはいけないのが、論文式の合格率は、短答式合格者や短答式免除者など、論文式を受験できる人のなかでの割合だということです。

短答式試験に合格したからといって、決して油断できないことが再確認できます。

口述式試験の合格率

実施年 口述受験者数 口述合格者数(免除者を除く) 口述合格率
令和7年 218人 199人 91.3%
令和6年 192人 176人 91.7%
令和5年 194人 183人 94.3%
令和4年 194人 187人 96.4%
令和3年 215人 194人 90.2%
令和2年 282人 278人 98.6%
令和元年 295人 282人 95.6%
平成30年 268人 252人 94.0%
平成29年 254人 250人 98.4%

(引用元:スタディング公式HP)

直近9年間の口述試験の合格率は90%~99%で推移しています。

弁理士試験のなかでも、口述試験の合格率は極めて高い数字です。

また、試験日程をみてみると、短答式試験は5月中旬~下旬に開催され、論文式筆記試験は6月下旬~7月上旬、最終の口述試験の日程は10月中旬~下旬の開催です。

短答試験から論文筆記試験までの間は1ヶ月前後なのに対し、論文筆記試験から口述試験までは3ヶ月前後の期間が設けられています。

つまり3ヶ月間は口述試験の対策に専念できるため、期間の長さが試験の合格率に影響する一つの要因だと考えられます。

偏差値でみる弁理士試験の難易度

弁理士試験には、受験者全体を共通の尺度で比べた公式の「偏差値」はありません。

資格ごとに受験資格・受験者層・出題範囲が異なるため、民間の偏差値ランキングだけで難易度を判断するのは難しいでしょう。

弁理士試験では、合格率に加え、短答・論文・口述それぞれで必要になる学習内容と、自分の学習経験を照らし合わせて考えることが大切です。

弁理士試験の受験者数は減少傾向にある?

ここまで弁理士試験の合格率に着目してきましたが、受験者数をみてみると、弁理士試験を受験する方の数は減少傾向にあることが分かります。

実施年 志願者数 最終合格者数 合格率
令和7年 3,501人 205人 6.4%
令和6年 3,502人 191人 6.0%
令和5年 3,417人 188人 6.1%
令和4年 3,558人 193人 6.1%
令和3年 3,859人 199人 6.1%
令和2年 3,401人 287人 9.7%
令和元年 3,862人 284人 8.1%
平成30年 3,977人 260人 7.2%
平成29年 4,352人 255人 6.5%

(引用元:スタディング公式HP)

直近9年間の志願者数をみていくと、令和2年まで年々減少していたのが令和3年で盛り返したようにも見えますが、それでも以前より少ない数字です。

志願者数の減少はいくつかの複合的な要因があるのではないか。
例えば、以下の①~③(いずれも弁理士等のヒアリングに基づく)。
①2013年まで合格者数が多かったため、受験回数を重ねていた志願者がひととおり合格した(志願者数は下げ止まる)。
②国内出願減及び弁理士数増加等による競争激化により待遇面での魅力低減。
③企業知財部志向の強まり。

(引用元:平成31年3月19日特許庁より発表 「弁理士制度に関する最近の課題について」より引用)

少し古いデータですが、平成31年より出された特許庁の分析では、弁理士試験の志願者数の減少を上記のように捉えていました。

受験回数を重ねていた人たちがひととおり合格しきったことや、弁理士の数が増えたことで競争が激しくなった点などを背景として分析しています。

一方、適正な志願者数(及び合格者数)については議論の余地があるが、志願者数がこのまま減少を続けていくとすると、人材の質や多様性を確保できなくなるおそれがあるのではないか。
この対応のためには、弁理士の魅力をより発信していくことが重要ではないか。
また、志願者数が下げ止まる、または、極端には下がらないとしても、人材の質や多様性を確保するためには、更なる魅力発信が必要ではないか。

(引用元:平成31年3月19日特許庁より発表 「弁理士制度に関する最近の課題について」より引用)

また、同文章では志願者数減少の対策として弁理士の魅力をより発信していき認知度を高めることで、人材の質や多様性を確保する必要があると記述されていました。

志願者数の推移を見てみると、令和3年では減少し続けていた志願者数が一転増加に転じています。

タイミングを考えると、特許庁の弁理士の認知度を高める活動の結果とも推測はできますが、直接的な因果関係は証明されていません。

今後の弁理士試験の統計データでは、弁理士の志願者数にも着目していく必要がありそうです。

他の資格と比較した弁理士の難易度・ランキング

各資格について、公表済みの試験結果を比較しました。

受験資格や科目合格制度、集計対象が異なるため、合格率の低い順がそのまま難易度の順位になるわけではありません。

資格・試験 公表年度 合格率 受験資格
司法書士 2025年度 5.20% なし
弁理士 2025年度 6.4% なし
社会保険労務士 2026年度 9.3% あり
土地家屋調査士 2025年度 10.14% なし
行政書士 2025年度 14.54% なし
税理士 2025年度 21.6%(一部科目合格者を含む) 会計科目は制限なし・税法科目は要件あり
司法試験(弁護士) 2025年 41.20% あり
海事代理士 2025年 筆記52.9%・口述94.0% なし

弁理士と司法書士の難易度の比較

司法書士試験の2025年度の合格率は5.20%でした。

弁理士の6.4%より低いものの、司法書士は登記などに関する法令、弁理士は知的財産法を中心に学ぶため、必要な知識は異なります。

弁理士と社会保険労務士の難易度の比較

社会保険労務士試験の2026年度の合格率は9.3%でした。

受験資格があり、労働・社会保険分野の幅広い知識と科目ごとの基準点への対応が必要です。

弁理士とは分野や試験形式が異なります。

弁理士と土地家屋調査士の難易度の比較

土地家屋調査士試験の2025年度の合格率は10.14%でした。

測量や不動産登記、図面作成などの学習が必要で、知的財産法を扱う弁理士とは異なる専門性が問われます。

弁理士と行政書士の難易度の比較

行政書士試験の2025年度の合格率は14.54%でした。

受験資格の制限はありませんが、法令等・基礎知識・総合点の基準を満たす必要があります。

弁理士はこれに対して、短答・論文・口述という異なる形式への対策が求められます。

弁理士と税理士の難易度の比較

税理士試験の2025年度の合格率21.6%は、5科目到達者と一部科目合格者を合わせた割合です。

この年の受験者36,320人のうち、5科目到達者527人、一部科目合格者7,320人でした。

5科目の合格を目指す科目合格制のため、弁理士の最終合格率と同じ意味ではありません。

会計科目は受験資格の制限がなく、税法科目には所定の受験資格があります。

弁理士と弁護士の難易度の比較

司法試験の2025年の合格率は41.20%でした。

法科大学院の修了・所定の在学要件や予備試験合格など、受験資格を得るまでの過程があるため、受験資格の制限がない弁理士試験と合格率だけで比較することはできません。

弁護士になるには司法試験合格後の司法修習なども必要です。

弁理士と海事代理士の難易度の比較

海事代理士試験の2025年の合格率は、筆記52.9%・口述94.0%でした。

筆記と口述で母集団が異なるため、弁理士の最終合格率と単純に並べて難易度を断定することはできません。

船舶・船員などに関わる法令を学ぶ試験です。

弁理士試験の合格率が低い理由

ここまでは弁理士試験の合格率の各種データを分析し、弁理士試験の難易度の高さを確認してきました。

弁理士は合格率が低い試験の一つですが、受験資格や科目合格制度が異なる他資格と難易度を単純に順位付けすることはできません。

では、なぜこれほどまでに弁理士試験の合格率は低いのでしょうか?

理由として、以下の3つの要因が考えられます。

弁理士試験の合格率が低い理由
  • 合格までに必要な勉強時間が多く、確保が難しい
  • 試験範囲が非常に広い
  • 選択形式と論文形式の試験があり、それぞれの対策が必要

弁理士の試験に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間です。

例えば1年間の勉強機関で弁理士試験に合格しようと思うと、毎日8時間の勉強時間の確保が必要です。

非常に膨大な数字であるため、しっかりと長い準備期間を設けることが必要不可欠といえるでしょう。

合格するために長い勉強時間が必要な要因として、試験範囲が非常に広いことが挙げられます。

弁理士試験は短答式試験・論文式試験・口述試験の3つの試験に合格することが必要です。

短答式では知的財産に関する幅広い法令を学び、論文式では必須科目と選択科目、口述では口頭で説明する力への対策が必要です。

また、選択形式と論文形式の試験はそれぞれ必要な対策が異なります。

合格までに必要な勉強時間が多く、確保が難しい

弁理士試験の難易度が高い要因として、合格までに必要な勉強時間が膨大であることが挙げられます。

資格名 勉強時間の目安
弁護士 3,000~8,000時間
司法書士 3,000時間
弁理士 3,000時間
税理士 2,000~2,500時間
社労士 800時間
海事代理士 500時間
土地家屋調査士 1,000時間
宅建士 300~400時間

(引用元:アガルートアカデミー公式HP)

アガルートアカデミー公式で紹介されている目安では、弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は3,000時間だということが分かりました。

勉強時間は講座各社が紹介する目安であり、学習経験や目標によって大きく変わります。

3,000時間と聞いてもピンとこないかもしれませんが、例えば1年の期間で成し遂げようと思うと毎日8時間以上の勉強時間が必要です。

3,000時間を1年半で確保するなら、1日当たり約5.5時間の学習が必要です。

弁理士を取得した方の約8割が働きながら合格したというデータもあるため、非常に長い勉強期間を経て弁理士試験に挑んでいる方が多いことが推測できます。

試験範囲が非常に広い

弁理士試験は試験範囲が非常に広く、そのことが合格率の低さに影響していると考えられます。

試験 科目・範囲(2026年度)
短答式筆記試験 特許・実用新案、意匠、商標、工業所有権に関する条約、著作権法及び不正競争防止法
論文式筆記試験 必須3科目(特許・実用新案、意匠、商標)と、選択6科目から1科目
口述試験 特許・実用新案、意匠、商標

(引用元:特許庁公式HP)

弁理士試験の試験内容は短答式試験・論文式試験・口述試験の3つから構成されており、最終合格にはすべての試験で合格することが必要です。

短答式では知的財産に関する幅広い法令を学び、論文式では必須科目と選択科目、口述では口頭で説明する力への対策が必要です。

上記のような試験範囲の広さによって、弁理士試験に合格するには膨大な勉強時間が必要となり、合格率の低さに繋がっています。

選択形式と論文形式の試験があり、それぞれの対策が必要

弁理士試験には選択形式と論文形式の試験内容が存在します。

選択形式の試験では択一式のマークシート方式が採用されており、対策にはとにかく知識を詰め込むことが必要です。

一方で論文形式の試験では知識はもちろん、読解力や思考力、表現力など選択形式の試験とは異なる能力が求められます。

試験 2026年度の日程
短答式筆記試験 5月17日
論文式筆記試験(必須) 6月28日
論文式筆記試験(選択) 7月26日
口述試験 10月17〜19日の指定日

(引用元:特許庁公式HP)

それぞれの試験の日程をまとめてみると、選択形式である短答式試験から論文試験までの間はわずか1〜2ヶ月しかありません。

1〜2ヶ月間で論文形式の試験対策を網羅することは難しく、短答式試験の前から選択形式と論文形式の両方の試験対策が必要だということが分かります。

それぞれ異なる形式の試験対策が必要な点も、合格率の低さに繋がる要因であるといえるでしょう。

弁理士に合格する人の特徴

ここまで解説してきたとおり、弁理士試験の合格率は他の資格と比較しても相対的に低く、合格の難易度は高いといえます。

しかし一方で、弁理士試験では毎年100人以上の合格者が誕生しているのも事実です。

ここからは、弁理士試験に合格した人のデータをみていき、どのような人が合格しているのか、特徴を分析していきます。

2025年度の合格者は、20代34.6%・30代43.4%で、合計78.0%を占めています。

男女別の内訳では、男性が6~7割、女性が2~3割で、男性の方が合格者が多いことが分かりました。

また、職業別でみてみると、約8割の方が働きながら資格を取得しています。

2025年度の合格者の出身系統は、理工系82.0%・法文系13.2%・その他4.9%でした。

一方、出身大学別の内訳で最も多いのが東京大学で、全体の1割を占めます。

いずれも上位10校に名を連ねるのは「難関大学」といわれる学校ばかりであることから、弁理士試験の難易度の高さがうかがえます。

2025年度の合格者の平均受験回数は2.93回で、初回合格者は33人(16.1%)でした。

平均受験回数は学習年数と同じではなく、免除の利用状況や学習経験によって合格までの過程は異なります。

上記のように合格者の内訳を細かくみていくと、弁理士試験は最高峰の難易度であることが改めて確認できます。

年齢別・男女別の傾向

年齢別の傾向

実施年 10~20代 30代 40代 50~80代
令和7年 34.6% 43.4% 14.1% 7.8%
令和6年 31.4% 43.5% 20.4% 4.7%
令和5年 31.4% 47.3% 13.3% 7.9%
令和4年 34.2% 36.3% 22.3% 7.2%
令和3年 23.1% 43.7% 23.1% 10.0%
令和2年 21.3% 43.9% 21.3% 13.5%
令和元年 16.9% 49.3% 21.5% 12.4%
平成30年 16.5% 47.7% 26.5% 9.3%

(引用元:スタディング公式HP)

男女別の傾向

実施年 男 女
令和7年 70.7% 29.3%
令和6年 68.1% 31.9%
令和5年 63.3% 36.7%
令和4年 68.9% 31.1%
令和3年 66.8% 33.2%
令和2年 74.9% 25.1%
令和元年 73.6% 26.4%
平成30年 74.2% 25.8%

(引用元:スタディング公式HP)

スタディング公式で紹介されている統計によると、弁理士試験の2025年度の合格者は20代34.6%・30代43.4%で、合わせて78.0%を占めています。

最も構成比が高いのは30代です。

これらは合格者の年齢構成であり、年代別の受験者に対する合格率ではありません。

また、合格者の男女比をみてみると、例年男性が6~7割、女性が2~3割で、男性の合格者の方が多い傾向があります。

2025年度の女性の構成比は29.3%で、2024年度の31.9%から2.6ポイント低下しています。

女性の割合が毎年増えているわけではありません。

職業別・学問(文系・理系)別の傾向

職業別の傾向

実施年 会社員 特許事務所 その他
令和7年 49.3% 29.8% 20.9%
令和6年 46.6% 33.0% 20.4%
令和5年 48.9% 33.5% 17.6%
令和4年 45.6% 33.2% 21.2%
令和3年 48.7% 27.1% 24.2%
令和2年 51.6% 27.9% 20.5%
令和元年 46.1% 34.5% 19.4%
平成30年 52.7% 31.5% 15.8%

(引用元:スタディング公式HP)

学問(文系・理系)別の傾向

実施年 理工系 法文系 その他
令和7年 82.0% 13.2% 4.9%
令和6年 81.7% 14.1% 4.2%
令和5年 76.1% 18.6% 5.3%
令和4年 76.7% 15.0% 8.3%
令和3年 76.4% 18.6% 5.0%
令和2年 79.4% 15.3% 5.2%
令和元年 78.2% 17.3% 4.6%
平成30年 82.3% 12.7% 5.0%

(引用元:スタディング公式HP)

続いて、合格者の職業別・学問別の内訳をみていきましょう。

社会人として仕事をしながら取得した方が全体の5割、特許事務所で働きながら取得した方が全体の3割を占めており、全体の約8割の方が働きながら弁理士試験に合格しています。

また、学問別の内訳では理工系が全体の8割前後、法文系が1~2割で、理工系の合格者が圧倒的に多い結果です。

理工系出身者の合格者が多い一方、法文系出身の合格者もいます。

出身大学別の傾向

順位 学校名 合格者数  合格者全体に占める割合(%) 
1位 東京大学 24 11.7
2位 京都大学 21 10.2
3位 大阪大学 14 6.8
4位 早稲田大学 12 5.8
5位 東京工業大学 11 5.3
6位 東北大学 10 4.9
7位 名古屋大学 6 2.9
7位 慶応義塾大学 6 2.9
9位 東京理科大学 5 2.4
10位 筑波大学 4 2.0

(引用元:特許庁公式HP 令和7年合格者の統計)

令和7年の弁理士試験の出身大学別の合格者の内訳をみてみると、最も多いのが東京大学の24人でした。

令和6年の合格者のなかで最も多かったのも東京大学であり、例年多くの合格者が生まれています。

いずれも合格者数の上位10校に名を連ねているのは難関大学として知られている学校ばかりであり、このことからも弁理士試験の難易度の高さを再確認できます。

合格者の平均受験回数別の傾向

実施年 平均受験回数
令和7年 2.9回
令和6年 2.4回
令和5年 2.8回
令和4年 3.4回
令和3年 3.7回
令和2年 4.02回
令和元年 4.07回
平成30年 3.78回

(引用元:スタディング公式HP)

2025年度の合格者の平均受験回数は約2.9回(2.93回)でした。

2025年度の初回合格者は33人で、全体の16.1%でした。

難易度は高いですが、一発合格も不可能ではないということが分かります。

弁理士に合格するために必要な勉強時間

結論からいうと、弁理士試験に合格するためには2,000〜3,000時間の勉強が必要で、仮に1年で3,000時間もの勉強時間を消化しようと思うと毎日8時間の勉強時間が必要です。

アガルートのHPには以下のように書かれています。

弁理士試験の合格に必要な勉強時間は、3,000時間だといわれています。

3,000時間というと、1日3時間勉強して1,000日、1日10時間勉強して300日かかる計算となります。

(引用元:アガルート公式HP)

3,000時間と考えると、2年かけたとしても、1日当たり約4時間の勉強時間が必要です。

弁理士試験は働きながら合格する人の割合が例年8割程度だということを考えると、相当長い期間勉強を継続する必要があります。

弁理士に合格するために必要な勉強時間の目安

資格名 勉強時間の目安
弁護士 3,000~8,000時間
司法書士 3,000時間
弁理士 3,000時間
税理士 2,000~2,500時間
社労士 800時間
海事代理士 500時間
土地家屋調査士 1,000時間
宅建士 300~400時間

(引用元:アガルートアカデミー公式HP)

アガルート公式アカデミーの調査によると、弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間だということが分かりました。

勉強時間は目安ですが、約3,000時間を想定する場合は、長期的に学習を続けるための計画が必要です。

直近の弁理士試験の合格者の統計をみると、約8割の方が働きながら弁理士試験に合格しています。

2025年度の合格者の平均受験回数は2.93回で、初回合格者は33人(16.1%)でした。

これだけの膨大な勉強時間になるため、必要な学習期間は、学習経験や免除制度の利用状況、確保できる時間によって異なります。

合格から逆算した場合のスケジュール・1日の勉強時間

前の項で解説したように、弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間です。

3,000時間勉強するためにはどのようにスケジュールを立てればよいのか、具体的に考えていきましょう。

仮に弁理士試験に1年で合格しようと思うと、3,000時間勉強するためには毎日8時間の勉強が必要です。

働きながら取得することを想定すると、なかなか厳しいノルマだといえます。

1年半の期間を設けた場合、1日に必要な勉強時間は約5時間です。

もう少し期間を増やし、2年の期間をかけて勉強した場合、必要な勉強時間は1日当たり約4時間です。

このあたりでようやく現実的な数字になってきます。

どれだけ勉強時間を詰め込めるかは個人差があるため、自分の最適なペースを見つける必要がありますが、少なくとも1年以上の長い勉強期間になることを覚悟するべきです。

弁理士に合格するためのポイント

前の項では、弁理士試験に合格するためには3,000時間という膨大な勉強時間が必要であると解説しました。

一方で、勉強の効率や密度を高めることによって、合格までに必要な勉強時間は少なくすることができます。

ここからは、弁理士試験対策のポイントについて詳しく解説していきます。

弁理士に合格するためのポイントは以下の4つです。

弁理士に合格するためのポイント
  • 十分な勉強時間を確保する
  • 丸暗記をしない
  • 免除制度を上手く活用する
  • 無理に独学で挑戦しない

弁理士に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間で、毎日4~5時間程度の勉強時間を確保しても、1年半~2年以上の勉強期間が必要な計算です。

膨大な勉強時間を十分に確保すること自体が困難であり、弁理士試験の難易度の高さの大きな要因です。

そのため、勉強時間をしっかり確保できるようスケジュール管理をすることが重要です。

また、勉強の方法について、解答の「丸暗記」をしないこともポイントの一つです。

弁理士試験の勉強では難しい専門用語や条文等に多く触れることになります。

問題集等の解答を丸暗記してしまうと、本番の論文試験では対応できない場面が出てきてしまいます。

そのため、解答の丸暗記をせず、普段の勉強からなるべく自分の言葉で文章を作成していくことが重要です。

条文など難しくなりがちですが、本番を想定しながら、なるべく普段の自分の言葉に近い形でまとめていくことで記憶の定着が見込めます。

3つ目のポイントは「免除制度」をうまく活用することです。

弁理士試験には一次試験、二次試験それぞれに免除制度というものが存在しています。

免除制度は試験に合格した場合、そこから2年間は同試験を受験する必要がなくなる(合格扱いとなる)という制度です。

仮に1年目で一次試験に合格し二次試験で不合格だった場合、翌年は二次試験から受験することができるため、二次試験以降の対策に専念することができます。

このように、免除制度を活用しながら段階的に合格を目指す方法も作戦の一つだといえます。

4つ目のポイントは、無理に独学で合格を目指さないことです。

独学で勉強する方法は通信講座や通学などの方法に比べると、人によっては勉強の効率面で不利になってしまいます。

自分自身の性格や能力と照らし合わせて、モチベーションの維持やスケジュール管理に自信が無いと感じる方は、割り切って通信講座や通学での方法を選択するのがおすすめです。

十分な勉強時間を確保する

一つ目のポイントは、十分な勉強時間を確保することです。

当たり前のように思えるかもしれませんが、これが最大の難関ともいえます。

資格名 勉強時間の目安
弁護士 3,000~8,000時間
司法書士 3,000時間
弁理士 3,000時間
税理士 2,000~2,500時間
社労士 800時間
海事代理士 500時間
土地家屋調査士 1,000時間
宅建士 300~400時間

(引用元:アガルートアカデミー公式HP)

前の項でも解説したように、弁理士の試験に合格するために必要な勉強時間は約3,000時間です。

働きながら3,000時間もの膨大な勉強時間を確保しようと思うと、最低でも1年半~2年以上の期間設定が必要です。

実施年 平均受験回数
令和7年 2.9回
令和6年 2.4回
令和5年 2.8回
令和4年 3.4回
令和3年 3.7回
令和2年 4.02回
令和元年 4.07回
平成30年 3.78回

(引用元:スタディング公式HP)

2025年度の合格者の平均受験回数は約2.9回でした。

複数回の受験を経て合格する方もいますが、平均受験回数がそのまま学習年数を示すわけではありません。

一発合格している方もなかには存在しますが、例年全体の15%程度の割合です。

いかに勉強時間を確保するかという問題は、最大のポイントであるといえます。

丸暗記をしない

弁理士試験の試験対策として、演習問題などに取り組んだ際に解答の丸暗記をしないことが重要です。

例を挙げると、短答式試験はマークシート形式を採用していますが、「このなかから正しいものはいくつあるか」というような出題がされる場合があります。

趣旨や本質を理解せず丸暗記をしてしまうと、上記のような出題に対し解答することが難しくなってしまいます。

なぜそうなるのか?という背景までしっかりと落とし込むことが重要なポイントです。

論文対策では、条文や判例の趣旨を理解し、設問に合わせて説明する練習が必要です。

模範解答を書き写すだけでなく、時間を計って自分で答案を作り、論点や理由付けを確認しましょう。

免除制度を上手く活用する

弁理士試験には「免除制度」が存在します。

短期合格を狙うのであれば、免除制度を上手く利用していくことも、合格するために重要なポイントです。

まずは弁理士試験のそれぞれの免除制度の概要を解説していきましょう。

短答式試験の免除制度について

一次試験である短答式試験に合格した場合、次の2年度分(試験2回分)までは一次試験の合格結果を受け継ぐことができます。

仮にその後の論文試験や口述試験に不合格であっても、2年間は一次試験を受ける必要がなくなるのです。

論文試験の免除について

二次試験となる論文試験には、必須科目と選択科目の2科目が存在します。

必須科目については一次試験と同様の形で免除制度が採用されており、合格した後2年間は同試験を受ける必要はありません。

また、選択科目については一度合格してしまえば永続的に免除されます。

免除制度の活用は合格するための重要なポイント

ここまで解説したように、弁理士試験には短答式試験、論文試験それぞれに免除制度が存在します。

初年度で短答式試験に合格できれば、翌年の試験までの1年間は論文試験・口述試験の対策に専念することができます。

短期合格を目指すのであれば、免除制度をうまく活用し、段階的に合格をつかみ取ることもおすすめの方法です。

しかし一方で、特許庁のHPでは免除制度が活用できる期間は合格してから2年間と書かれています。

免除を利用できる期間には限りがあるため、免除期間を超えてしまわないよう注意が必要です。

無理に独学で挑戦しない

4つ目のポイントは、無理に独学で合格しようとしないことです。

弁理士試験に独学で合格するために勉強している方はたくさんいらっしゃいますし、もちろん独学自体を否定するものではありません。

しかし、前の項で解説したように弁理士試験に独学するためにはおよそ3,000時間もの膨大な勉強時間が必要であり、働きながら取得を目指すと1年半~2年以上の期間設定が必要です。

それだけ長い勉強期間になると、いかに効率の良い勉強ができるかということが重要です。

一方で、独学で勉強する方法は一般的に通信講座や通学等の方法と比べて効率面で劣ってしまいます。

しっかりと効率も保ったまま長い期間勉強できる方は独学が向いているといえますが、そうでない方は割り切って通信講座や通学等の方法に切り替えるのも作戦の一つです。

独学での勉強が向いている人・向いていない人の特徴

ここまでは弁理士試験の難易度の高さや、合格するためのポイントについて紹介してきました。

経済的な問題から、独学で合格を目指したいという方も多いでしょう。

実際に弁理士試験に独学で勉強し合格した方もいるため、独学での合格は可能です。

しかし一方で、難易度の高さや必要な勉強時間の多さから、他の資格と比べても独学の難易度は高い資格です。

そのため、自分の性格や能力・環境と照らし合わせて、独学が向いているのか、それとも他の方法が向いているのか判断する必要があります。

独学が向いている人の特徴として、学校や実務で既に基礎知識の上積みがあることや、長い期間しっかり勉強できる環境や自己管理能力が備わっていることが挙げられます。

一方で、知識の上積みがない方や、十分な勉強時間が確保できない方、スケジュール管理やそもそも勉強自体が苦手な方は独学の方法は向いていません。

それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。

独学での勉強が向いている人の特徴

独学での勉強が向いているのは、以下のような特徴を持った人です。

独学での勉強が向いている人の特徴
  • 既に基礎知識を持っている人
  • 知財関係の実務に携わった経験がある人
  • 弁理士以外の難関国家資格に独学で合格した経験がある人
  • 勉強時間をしっかりと確保できる人

法学部出身の方など、大学等で法律関係を学んでいた経験がある方であれば、基礎知識があるため独学での勉強は向いています。

市販の参考書や基本書などでも十分理解できるため、自分のペースで勉強を進めていくことができ、むしろメリットが大きいといえます。

また、知財関係の実務に携わった経験がある人、現に携わっている人も独学がおすすめです。

特に特許事務所などで働いている場合は、知財関係の全体像が実務を通じて理解できるため、知識の前積みだけでなく理解度も深まるはずです。

弁理士試験の勉強をするなかで、分からないことがあれば同僚に確認することができるため、疑問がすぐに解消できないという独学のデメリットを打ち消すこともできます。

弁理士試験以外の「難関資格」に独学で合格した経験がある方も、スケジュール管理やモチベーション維持、勉強の効率化などの能力が高いと考えられるため、独学が向いています。

また、最も重要なのは「時間をしっかり確保できる」ことです。

弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は、個人差はありますが大体3,000時間程度必要です。

3,000時間もの膨大な勉強時間を確保できる環境や状況かどうか、しっかりと判断する必要があります。

独学での勉強がおすすめできない人の特徴

一方で、独学での勉強がおすすめできない人の特徴は以下の通りです。

独学での勉強がおすすめできない人の特徴
  • そもそも勉強が苦手な人
  • 十分な勉強時間を確保できない人
  • スケジュール管理が苦手な人
  • 関連実務の経験や知識の上積みが全くない人

前の項でも紹介しましたが、弁理士試験に合格する人の多くは偏差値の高い有名大学出身の人たちです。

順位 学校名 合格者数  合格者全体に占める割合(%) 
1位 東京大学 24 11.7
2位 京都大学 21 10.2
3位 大阪大学 14 6.8
4位 早稲田大学 12 5.8
5位 東京工業大学 11 5.3
6位 東北大学 10 4.9
7位 名古屋大学 6 2.9
7位 慶応義塾大学 6 2.9
9位 東京理科大学 5 2.4
10位 筑波大学 4 2.0

(引用元:特許庁公式HP 令和7年合格者の統計)

直近の令和7年の弁理士試験の合格者の出身校をまとめると、上位10校に入っているのはいずれも難関大学として知られている大学の出身者です。

上位10校で全体の半数近くの割合を占めており、弁理士試験の難易度の高さがうかがえます。

よって、そもそも勉強が苦手という方は尚更勉強の効率や周りのサポートが求められるため、独学での勉強は向いていません。

前の項で、独学で向いている人の特徴として「しっかりと時間が確保できる人」を挙げましたが、反対に十分な勉強時間を確保できない方も独学はおすすめできません。

少ない勉強時間で合格をつかみ取るには効率の良い勉強が必要不可欠であり、効率面では通信講座や通学の方が優れているためです。

また、弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は3,000時間といわれており、長い勉強期間になるためスケジュール管理が苦手な方は独学は向いていません。

関連実務の経験や知識の上積みがない、全くの初心者についても、参考書や過去問など市販の教材だけで弁理士試験の内容を理解するのは難しい場合があります。

市販の教材だけで理解できれば良いのですが、「何を言っているのかさっぱり分からない」という方はサポート体制が充実した通信講座や通学の方がおすすめといえます。

弁理士の通信講座は以下の記事をご覧ください。

→弁理士 通信はこちら

弁理士試験対策の独学・通信・通学の比較

前の項で、独学での勉強が向いている人、向いていない人の特徴をそれぞれ解説してきました。

ここからは、弁理士試験対策の方法別にメリット・デメリットを比較していきます。

弁理士試験対策の方法として、大きく分けて独学・通信講座・通学の3つの方法があります。

それぞれの方法のメリット・デメリットについては以下の通りです。

独学 通信講座 通学
メリット
  • コストが低く抑えられる
  • 自分のペースで勉強を進められる
  • カリキュラムに縛られない
  • 質問や添削などサポート体制が充実
  • 空き時間で効率よく勉強できる
  • 出題傾向などの情報が取得しやすい
  • 疑問点をリアルタイムで解消できる
  • ともに学ぶ仲間が見つかる
  • カリキュラムがしっかりしている
デメリット
  • 疑問点をすぐに解消できない
  • 効率面で他の方法に劣る
  • モチベーションの維持が難しい
  • 自身のスケジュール管理が求められる
  • 独学に比べてコストがかかる
  • 講座によって内容に違いがある
  • 通学に時間がとられる
  • 他の生徒とペースを合わせる必要がある
  • 他の方法に比べてコストが高い

独学のメリットはなんといってもコストが低く抑えられる点にあります。

受講料や学費を払わなくても済むため、お金に余裕がない方にはおすすめの方法です。

また、勉強のスケジュール管理を自分で行う必要があるため、カリキュラム等に縛られず好きな時に勉強できます。

しかし、自分の好きな時に勉強ができるということは裏を返せば好きなだけ勉強をサボれてしまうということです。

独学は自分自身との戦いでもあるため、モチベーションの維持が難しく高いスケジュール管理能力が求められます。

また、勉強を進めていくうちに出てきた疑問点をすぐに質問し解消することができない点も独学のデメリットです。

自分で調べるのに時間がかかってしまえば、効率面でも他の方法に劣ってしまいます。

その点通信講座や通学の方法であれば、出てきた疑問点を質問することで効率よく解消していくことができます。

一方で、サポート体制が充実している分、通信講座であれば受講料、予備校であれば学費が必要になってしまう点が、通信講座や通学のデメリットです。

また、通信講座のもう一つのデメリットとして、どの講座を受講するかによって内容に差があることです。

なかには質問や添削等のサポートが入っていない通信講座もあるため、受講を決める前に内容をしっかり確認しましょう。

通学のメリットはカリキュラムに従って段階的に効率よく学んでいける点や、ともに切磋琢磨できる仲間が見つかることです。

反対にデメリットとしては、通学に時間がとられてしまうことが挙げられます。

通学の場合は通学時間をいかに有効活用できるかという点もポイントです。

また、通信講座は講座によってサポート内容に差があると解説しましたが、おすすめの通信講座や予備校を徹底比較した内容を別の記事でまとめています。

弁理士 通信講座に興味がありましたら、こちらもぜひご覧ください。

→弁理士の通信講座や予備校のおすすめランキングの詳細はこちら

弁理士試験の概要

最後に、弁理士試験の概要について解説していきます。

弁理士試験の日程は例年5月から一次試験がスタートします。

それぞれの試験に合格した方のみ、次の試験に進む権利が与えられるため、試験の都度合格発表が行われるスケジュールです。

短答式では知的財産に関する幅広い法令を学び、論文式では必須科目と選択科目、口述では口頭で説明する力への対策が必要です。

弁理士に合格するために必要な勉強時間は3,000時間とされており、試験範囲の広さも膨大な勉強時間が必要な要因の一つといえます。

また、弁理士は受験するために必要な資格がなく、年齢や経歴問わず誰でも挑戦することが可能です。

試験会場についてみてみると、一次試験は5会場で受験することが可能ですが、試験が進むにつれて会場数はへっていき、最終試験では東京会場のみです。

また、弁理士試験の特徴として科目ごとに合格基準点が設けられており、どれか一つでも下回ると不合格となってしまいます。

そのため、苦手な科目を克服していくことが重要です。

弁理士試験の試験日程

2026年度の日程は以下の通りです。

試験・発表 2026年度の日程
短答式筆記試験 5月17日(日)
論文式筆記試験(必須科目) 6月28日(日)
論文式筆記試験(選択科目) 7月26日(日)
論文式合格発表 9月18日(金)
口述試験 10月17日(土)〜19日(月)の指定日
最終合格発表 11月9日(月)予定

短答式・論文式・口述の順に進みますが、所定の免除資格がある場合は該当する試験を免除できます。

論文式の選択科目は、必須科目より後の7月下旬に実施される点に注意しましょう。

2027年度以降の具体的な日程は、公表される受験案内に合わせて確認する必要があります。

弁理士試験の試験科目

2026年度の試験科目は以下の通りです。

試験 試験科目
短答式筆記試験 特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令、工業所有権に関する条約、著作権法及び不正競争防止法
論文式筆記試験(必須科目) 特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令
論文式筆記試験(選択科目) 理工Ⅰ(機械・応用力学)、理工Ⅱ(数学・物理)、理工Ⅲ(化学)、理工Ⅳ(生物)、理工Ⅴ(情報)、法律(弁理士の業務に関する法律)の6科目から1科目
口述試験 特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令

論文式には必須科目だけでなく選択科目もあり、免除資格がない場合は対策が必要です。

弁理士試験の受験資格

弁理士試験を受験するために必要な受験資格は設けられていません。

年齢や経歴に関わらずだれでも受験することができます。

資格名 受験資格
司法書士 なし
社会保険労務士 あり
弁理士 なし
土地家屋調査士 なし
行政書士 なし
税理士 会計科目は制限なし・税法科目は要件あり
弁護士 あり
海事代理士 なし

弁理士を含めた8士業のなかでみても、受験資格「あり」の資格は半数近くの割合です。

他の士業と比較しても、弁理士試験は目指しやすい資格であるといえます。

弁理士試験の試験会場

2026年度の受験地は、試験の段階によって異なります。

試験 受験地
短答式筆記試験 東京・大阪・仙台・名古屋・福岡
論文式筆記試験(必須科目・選択科目) 東京・大阪
口述試験 東京

具体的な建物や教室は、年度ごとの公告・受験票等で指定されます。

特に口述試験は東京のみで行われるため、移動や宿泊も含めて計画しましょう。

弁理士試験の合格基準点

弁理士試験を開催している特許庁の公式HPでは、弁理士試験の合格基準点をそれぞれ以下のように定めています。

試験内容 合格基準点
短答式試験 総合得点の満点に対して65%の得点を基準として、論文式筆記試験及び口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。
(科目別合格基準は各科目の満点の40%)
 

論文式試験(必須科目)

標準偏差による調整後の各科目の得点の平均(配点比率を勘案して計算)が、54点を基準として口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

47点未満の得点の科目が一つもないこと。

論文式試験(選択科目) 科目の得点(素点)が満点の60%以上であること。
 

口述試験

採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと。

A:答えが良くできている場合
B:答えが普通にできている場合
C:答えが不十分である場合

(引用元:特許庁公式HP)

短答式試験・論文式試験において各科目ごとに基準点が設けられており、どれか一つでも下回れば不合格となってしまうのが弁理士試験の特徴です。

そのため、苦手科目を克服することが試験対策の重要なポイントです。

弁理士の難易度に関するよくある質問

弁理士の難易度に関するよくある質問
  • 弁理士の難易度は理系最高峰って本当?
  • 弁理士は「やめとけ」といわれるのはどうして?
  • 弁理士に合格するために必要な勉強時間は?
  • 弁理士の年収はどれくらい?
  • 弁理士に合格するのは文系出身でも可能?
  • 弁理士の難易度は他の国家資格と比較してどれくらい?ランキングは?

最後に、弁理士の難易度に関するよくある質問について、回答していきます。

弁理士の難易度は理系最高峰って本当?

弁理士試験は2025年度の最終合格率が6.4%の難関試験です。

合格者の82.0%は理工系出身でしたが、法文系出身の合格者も27人(13.2%)います。

「理系最高峰」という呼び方は、公的な難易度順位を示すものではありません。

弁理士は「やめとけ」といわれるのはどうして?

インターネットで弁理士について検索してみると、「やめとけ」というキーワードが出てきます。

弁理士を目指して日々勉強している方や、これから目指そうか悩んでいる方にとっては、不安になる言葉ですよね。

弁理士が「やめとけ」といわれている理由として、以下の6つの要因が挙げられます。

  1. 弁理士は難易度が高く仕事を始めるまでの道のりが長い
  2. 下積みが長い
  3. 年収が実力によって左右される
  4. ブラック特許事務所が存在する
  5. 特許出願件数や業務内容が変化している
  6. 責任が重くプレッシャーがある

ここまで解説してきたように、弁理士試験の難易度の高さや必要な勉強時間が膨大であることから、弁理士は資格取得自体のハードルが高い資格です。

弁理士試験に合格し弁理士になった後も、下積み期間が長かったり、在籍する特許事務所や自身の実力によって労働環境や収入に差が出てきてしまいます。

また、弁理士の主な業務である特許出願や業務内容の変化や、弁理士の担う業務のプレッシャーが大きさなども、ネガティブな要因として挙げられます。

膨大な時間を費やし苦労して弁理士になったからといって、高い収入や快適な労働環境に直結する訳ではなく、仕事内容も適性が求められることを理由に、弁理士は「やめとけ」といわれています。

上記で紹介した弁理士が「やめとけ」といわれる理由6つの理由については、別の記事でより詳しく解説しています。

弁理士 やめとけと言われる理由が気になる方は、以下の記事をご覧ください。

→弁理士はやめとけといわれる資格なのか?求人や年収についても調査!についての詳細はこちら

弁理士に合格するために必要な勉強時間は?

弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は、およそ3,000時間です。

資格名 勉強時間の目安
弁護士 3,000~8,000時間
司法書士 3,000時間
弁理士 3,000時間
税理士 2,000~2,500時間
社労士 800時間
海事代理士 500時間
土地家屋調査士 1,000時間
宅建士 300~400時間

(引用元:アガルートアカデミー公式HP)

勉強時間は講座各社が紹介する目安であり、学習経験や目標によって大きく変わります。

3,000時間という膨大な勉強時間を達成するためには、毎日8時間なら375日、毎日4時間なら750日かかる計算です。

弁理士試験に合格するためには膨大な勉強時間が必要だということが分かります。

弁理士の年収はどれくらい?

TAC公式では、弁理士の年収の目安として700〜750万円が紹介されています。

一方、国税庁の2025年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した正社員(正職員)の平均給与は559万円です。

弁理士の700〜750万円はTACが紹介する目安で、国税庁の正社員全体の統計とは対象や集計方法が異なります。

弁理士の収入は、企業内勤務か特許事務所勤務か、独立開業しているか、経験や専門分野などによって大きく変わります。

資格を取得すれば、誰でも同じ収入になるわけではありません。

弁理士に合格するのは文系出身でも可能?

文系出身でも、弁理士試験に合格するのは可能です。

実施年 理工系 法文系 その他
令和7年 82.0% 13.2% 4.9%
令和6年 81.7% 14.1% 4.2%
令和5年 76.1% 18.6% 5.3%
令和4年 76.7% 15.0% 8.3%
令和3年 76.4% 18.6% 5.0%
令和2年 79.4% 15.3% 5.2%
令和元年 78.2% 17.3% 4.6%
平成30年 82.3% 12.7% 5.0%

(引用元:スタディング公式HP)

スタディング公式で紹介されている統計によると、例年の弁理士試験合格者の約8割が理工系出身でした。

合格者に理工系が多いものの、この構成比だけでは出身系統別の合格率までは分かりません。

しかし、2025年度も27人(13.2%)の法文系出身者が合格していることはポジティブなデータです。

文系出身でも弁理士試験に合格することは不可能ではないということを証明しています。

弁理士の難易度は他の国家資格と比較してどれくらい?ランキングは?

各資格について、公表済みの試験結果を比較しました。

受験資格や科目合格制度、集計対象が異なるため、合格率の低い順がそのまま難易度の順位になるわけではありません。

資格・試験 公表年度 合格率 受験資格
司法書士 2025年度 5.20% なし
弁理士 2025年度 6.4% なし
社会保険労務士 2026年度 9.3% あり
土地家屋調査士 2025年度 10.14% なし
行政書士 2025年度 14.54% なし
税理士 2025年度 21.6%(一部科目合格者を含む) 会計科目は制限なし・税法科目は要件あり
司法試験(弁護士) 2025年 41.20% あり
海事代理士 2025年 筆記52.9%・口述94.0% なし

弁理士は合格率が低い試験ですが、学ぶ分野や受験資格が異なるため、他資格より必ず難しいと断定することはできません。
自分の知識・経験や、目指す仕事内容を踏まえて比較しましょう。

弁理士の難易度:まとめ

今回は、弁理士試験の合格者のデータを様々な角度から分析し、実際の弁理士の難易度や合格するためのポイントなどを解説しました。

弁理士試験の難易度は他の資格と比較しても非常に難しく、合格するためには膨大な勉強時間の確保が必要不可欠です。

2025年度も会社員・特許事務所勤務者や、法文系出身者の合格例があります。

受験資格も必要ないため、どのような方でも適切な努力をすればチャンスがある資格だといえます。

難関である弁理士試験に合格するためには、自分に合った効率の良い勉強方法を見つけることが重要です。

独学での勉強はコストがかからないメリットがありますが、弁理士試験のように難易度が高い資格では勉強の効率が求められます。

勉強の効率面では通信講座や予備校を活用する方法が独学よりも優れているため、独学の方法が難しいと感じたら無理せず通信講座や予備校を活用しましょう。

おすすめの通信講座や予備校を徹底比較した内容を別の記事でまとめています。

気になる方は、こちらもぜひご覧ください。

→弁理士の通信講座や予備校のおすすめランキングの詳細はこちら

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監修者情報

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 国家資格キャリアコンサルタント

国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入や人材教育、個人の相談業務に従事。WEBメディアの管理運営にも精通したキャリアコンサルタント。 「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」を重視し、予期せぬ変化をチャンスに変えるキャリア形成を支援している。

現在は、資格・教育分野を中心とした専門サイトの監修も多数担当。企業内での制度構築や教育現場での実務経験、WEB運営の知見を活かし、転職市場の動向やリスキリング(学び直し)など、ユーザーの「真の願望」実現に役立つ信頼性の高い情報を発信している。

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