行政書士の収入は、勤務行政書士として働くか、独立開業するか、取り扱う業務や案件数によって大きく異なります。
日本行政書士会連合会が公開している統計には業務別の報酬額はありますが、行政書士全体の「平均年収」や「年収中央値」を示す最新の公式統計は確認できません。
この記事では、行政書士の年間売上に関する既存調査や、最新の報酬額統計、登録者数などの一次情報をもとに、行政書士の収入の実態や年収アップを目指す方法を解説します。
行政書士試験は、通信講座を利用するのもおすすめの勉強方法です。
詳しくは行政書士のおすすめ通信講座の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
行政書士の年収の現実、中央値っていくらくらい?

(引用元:日本行政書士連合会公式HP)
平成30年行政書士4,338件の売上のアンケート結果を表にしました。
近年の同規模・同条件の公開データが確認できないため、現時点で確認できる最新の公開資料として本結果を掲載しています。
| 年間の売上 | 割合 |
| 500万円未満 | 78.7% |
| 1000万円未満 | 11.3% |
| 2000万円未満 | 5.3% |
| 3000万円未満 | 1.8% |
| 4000万円未満 | 0.8% |
| 5000万円未満 | 0.5% |
| 1億円未満 | 0.8% |
| 1億円以上 | 0.3% |
| 未回答 | 0.4% |
(参考:日本行政書士会連合会「行政書士実態調査」)
この調査では、年間売上500万円未満の回答が78.7%と最も多くなっています。
ただし、ここで示されているのは「年収」ではなく年間売上(年商)です。売上から事務所賃料・通信費・人件費などの必要経費を差し引いた金額がそのまま所得になるわけではなく、経費率も事務所によって異なります。
そのため、この調査から「行政書士の8割が年収400万円以下」「中央値は250万~350万円」などと算出することはできません。また、近年の同規模・同条件の年間売上調査は確認できないため、2018年の参考データとして見る必要があります。
雇われ行政書士の年収
行政書士事務所や行政書士法人で働く場合の給与は、勤務先・地域・経験・担当業務によって異なります。
行政書士だけを対象にした最新の公的な平均年収統計は確認できないため、「平均300万円~500万円」など一律の平均年収を示すことはできません。
求人情報を参考にする場合も、掲載時期や勤務地、実務経験の有無によって条件が大きく変わります。現在の転職条件を知りたい場合は、最新の求人票を複数確認するとよいでしょう。
女性行政書士の収入
行政書士の報酬や売上は性別ではなく、勤務形態・専門分野・案件数などによって左右されます。
日本行政書士会連合会「月刊 日本行政」2026年7月号によると、2026年6月初日現在の登録者数は55,299人で、このうち女性は9,617人です。女性の割合は約17.4%となっています。
独立開業した場合
独立開業した行政書士は、案件数や報酬額、経費によって所得が大きく変わります。固定給がある勤務者とは異なり、開業直後は売上が安定しない可能性がある一方、事業を拡大すれば売上を伸ばす余地もあります。
日本行政書士会連合会では5年に1度、全国的な「報酬額統計調査」を実施しており、2026年には令和7年度調査の結果が公表されています。ただし、これは業務ごとの報酬額を示したもので、行政書士個人の平均年収を示す統計ではありません。
副業の場合
行政書士として報酬を得て業務を行うには、行政書士名簿への登録など必要な手続きを行う必要があります。
副業で得られる収入は、稼働時間や受任する業務、案件数によって異なるため、「月5万~10万円」「平均年収60万~120万円」など一律の相場を示すことは困難です。
会社員が副業として行う場合は、勤務先の就業規則や行政書士会への登録・会費なども確認しておきましょう。
行政書士は雇われたままでは稼げない?
雇われ行政書士だから稼げないとは一概にいえません。
給与は勤務先の規模、地域、経験、担当する業務などによって異なります。行政書士事務所・行政書士法人のほか、資格や法律知識を活かして一般企業の法務・総務などで働くケースもあります。
一方、行政書士だけを対象にした公的な平均年収や年齢別年収の最新統計は確認できません。そのため、古い求人情報や民間サイトの推計だけをもとに「○年目なら○万円」と判断するのは避けた方がよいでしょう。
転職を検討する場合は、現在募集されている求人の給与、仕事内容、実務経験の要件などを比較することが大切です。
行政書士の需要と将来性
行政書士は、官公署に提出する許認可等の書類作成や提出手続代理、契約書などの権利義務・事実証明に関する書類作成などを扱う国家資格です。
日本行政書士会連合会によると、2026年4月1日時点の個人会員数は54,186人、法人会員数は1,719です。また、「月刊 日本行政」2026年7月号では2026年6月初日現在の登録者数が55,299人とされています。
デジタル化によって申請方法や業務の進め方が変化する一方、許認可、外国人関連、相続・遺言、法人支援など行政書士が関わる分野は幅広くあります。
ただし、「行政書士なら将来も必ず仕事がある」とは言い切れません。制度改正や電子申請、AIなどの変化に対応しながら、専門分野の知識や相談対応力を高めていくことが重要です。
なぜ行政書士はやめとけと言われるのか?
”行政書士の資格はやめとけ”なんて言葉を聞いたことがありますが、なぜこのようなことが言われてしまうのかには理由があります。
- 給料が上がりにくい
- 現実、年商500万円以下の行政書士が8割を占めている
- 収入を上げるには行政書士の資格以外にスキルが必要
- 行政書士になるのは大変な割には年収が低い
上述でも記載してきたように、このような理由から”やめとけ”などと言われることがあります。
しかし、行政書士の資格取得にあたって、メリットもあります。
- 受験資格がなく誰でも取得できるので挑戦しやすい
- 他の士業に比べると合格率が低いので合格しやすい(後ほど合格率と難易度についてご紹介します。)
- 開業の際、初期費用が少ない
- 時間の自由がある
- 人のために働くのでやりがいを感じやすい
行政書士は、年齢、性別関係なく誰でも資格取得が可能です。
そして、困っている人の手助けをする仕事なのでやりがいを感じやすい仕事です。
さらに、独立開業の際は自宅を事務所にすれば、初期費用が少なく始められ、仕事のペースや内容も自分で決められるので、時間に自由があり、社内の人間関係で悩むリスクもなく、努力次第では高収入が得られます。
このようなメリットも多々あるので”やめとけ”という言葉は鵜呑みにしてはいけませんね。
行政書士として年収アップさせるためには
行政書士として年収アップさせるためには、行政書士の業務をこなしているだけでは年収は伸びません。
大切なのは得意業務に磨きをかけて、あなたにしかできない”唯一無二の行政書士”になること”。
行政書士の年収アップのために必要なスキルは下記の3つです。
・得意分野を作る
・ダブルライセンスの取得
・積極的な営業
ダブルライセンスの取得であなたの専門分野を特化させ、積極的な営業で顧客の心をつかみ、信用を得ることで唯一無二の価値がつき、年収1000万〜3000万を目指せます。
得意分野を作る
行政書士は「書類作成のプロ」です。
しかし、それ以外にも各分野の知識を身につけ、”その道のプロ”になることで年収を引き上げられます。
例えば、あなたが外国人でビザ申請がしたいとします。
「外国人ビザ申請専門の行政書士事務所」と、普通の「行政書士事務所」のどちらかに依頼をするとしたら、きっと前者を選ぶことでしょう。
自分のしたいことがはっきり記されている事務所なら、信頼性がグっと増しますよね。
このように特徴を明確にして、他の事務所との差別化を図る上でも得意分野を作ることが顧客獲得につながるひとつの手段といえます。
自分の興味のある分野を追求するのも一つの手です。
ダブルライセンスの取得
ダブルライセンスを取ることで業務範囲が広がり、他に取られてしまう業務までも請け負えます。
例えば、不動産売却に関する案件には、宅建士として各種契約書の手続きが必要になります。
しかし、あなたが宅建士の資格も持っている場合、行政書士としての手続きと、宅建士としての手続きを両方こなせてしますということです。
行政書士としての開業と、宅建士としての開業をすることで、様々な業務を行えるメリットがあるので、そうすると単純に単価が上がるので年収アップに繋がります。
積極的な営業
行政書士にとって営業力はとても重要です。
頼まれた書類作成だけこなす行政書士と、自分の足で営業して顧客との信頼関係を作る行政書士、どちらの行政書士に相談したいと思いますか?
明らかに後者の方ですよね。
見込み顧客のところに訪問し、自分の顔を売り込み信頼を高めるのも大事な仕事です。
営業活動が得意な行政書士は仕事が得やすく年収アップが見込めます。
業務によって収入が変わる?最新の報酬額統計を確認
行政書士の報酬額は一律ではなく、各行政書士が自由に定めています。
日本行政書士会連合会では、依頼者や行政書士の参考となるよう5年に1度、全国的な報酬額統計調査を実施しています。2026年時点では令和7年度報酬額統計調査が最新です。
同じ種類の業務でも、案件の内容や難易度、必要書類、地域などによって報酬額には大きな差があります。そのため、「相談業務は1時間5,000円」「帰化許可申請は10万~20万円」など特定の金額を一律の相場として考えるのではなく、最新の報酬額統計や各事務所の料金を確認しましょう。
(参考:日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査」)
雇われ行政書士の本音、メリット・デメリット
上述でも記してきた通り、実際のところ行政書士4,338人のアンケートの中で年収400万円以下の人が8割を占めており、頑張って資格を取っても現実は高収入を得られていないのが現実です。
その年収の行政書士の方々の満足度はどのようなものでしょう。
ここでは行政書士の本音のメリット・デメリットを解説します。
メリット
・法律に詳しくなれる
・開業を目指しやすい
・収入が安定している
法律の知識の専門性をアピールして転職につなげやすいです。
そして、行政書士はほとんどの人が開業をメインとして考えているので、年収が安くても収入が安定しているため、働きながら経験を積みスキルを身につけ、開業に向けての準備がしやすいところは大きなメリットになります。
デメリット
・年収が安い
・行政書士だけの知識では仕事が取りづらい
せっかく行政書士の資格を取って就職しても、最初のうちは年収が低いのが難点です。
独立開業に比べると大きく収入を伸ばすこと、行政書士だけの知識で収入を伸ばして行くことは難しいのが現状です。
開業の本音、メリット・デメリット
行政書士は受験資格がないので誰でも資格が取れて、行政書士会名簿の登録と手数料を払えば、開業に至るまではそんなに難しいことはありません。
しかし、残念ながら独立開業したからといって先が明るいわけではありません。
独立開業するということは、自分の腕一本で食べていくわけですから、事務所を生かすも殺すも自分次第ということになります。
開業した最初のうちは顧客からの信頼もうすく、収入が安定しないので、覚悟が必要ですが、軌道にのれば年収1000万円以上、さらには数千万円の収入を得ている人がいます。
収入を安定させるためには、どれだけ顧客を獲得できるか、顧客に愛されつづけてもらうにはどうしたらいいか、という圧倒的営業力とマーケティング力が重要になってきます。
この辺りはどのサービス業も同じですね。
ここでは開業した人のメリット・デメリットの本音を「行政書士独立開業の本音」を参考に紹介します。
メリット
・軌道にのれば年収1000万円上から億単位まで目指せる
・時間に自由がある
・様々なビジネスを展開させやすい
・他士業との人脈が広がる
・開業するのに低コストですむ
開業してから軌道に乗るまでは大変ですが、調子良く仕事が取れるようになれば、年収2000万や3000万のような夢のような年収を狙えるのが独立開業の魅力です。
年収が1000万円以上の行政書士は、一人で行う業務に限界があるため、他に使用人行政書士などを雇ってさらに年商を上げていく方が多いです。
そして、他士業との交流も盛んになり、人脈も増える中で出会ったビジネスの種や、以前からやってみたかった商売などを手掛けて収益を伸ばせます。
さらに、自分で仕事のペースで決めれらるので、時間を自由に使うことが最大のメリットといえます。
開業の際は自宅を事務所にすれば月々のコストが抑えられます。
デメリット
・開業した場合は自分の腕一本で稼ぐことになるので、しばらくは収入が安定しない
・廃業のリスクがある
行政書士は開業するにあたって、飲食店の店舗のように立派な店舗を構えたり、在庫を抱えたりする必要がないので、初期費用が少なく開業しやすい業種です。
しかし、最初は顧客が安定しないことや、思うように仕事が取れないことから、収入が安定するまで精神的にも体力的にも辛い思いをする方が多いです。
そのため、比較的開業しやすいですが、廃業にいたってしまうリスクもあります。
ですので、開業して生き残っていくためには、圧倒的な営業力とマーケティング能力も必要とされています。
女性でも行政書士として活躍できる?
行政書士の登録に性別による制限はなく、報酬額も性別によって決まるものではありません。
日本行政書士会連合会「月刊 日本行政」2026年7月号によると、2026年6月初日現在の行政書士登録者数は55,299人で、男性45,682人、女性9,617人です。女性の割合は約17.4%となります。
2024年時点の記事では52,796人・女性8,759人としていましたが、登録者数・女性登録者数ともに増えています。
独立開業の場合は働く時間や受任する業務を自分で調整しやすい面がありますが、収入は性別ではなく案件数、専門性、営業・経営状況などによって異なります。
行政書士で開業して年収を上げていくためには?
開業した行政書士の年収は200万円代〜億単位。
せっかく夢をみて開業したなら高収入をめざしたいですよね。
行政書士で開業して年収を上げるポイントをまとめました。
・専門分野を身につける
・マーケティング能力を身につける
・他士業との協力も必要
専門分野を身につける
行政書士として年収をあげていくためには専門分野に縛り、そこに特化させることが大切です。
例えば「法人設立」の分野の専門知識があれば、会社を設立するお手伝いだけではなく、会社の継続や収益の伸ばし方などのアドバイスができ、これから会社を経営していく顧客にとってはとても有力な情報になります。
そうなることによって、顧客との信頼関係がうまれ、今後も必要なことがあればあなたに仕事を依頼するという素晴らしいサイクルができるのです。
自分が情熱を持てる分野、興味のある分野に縛って”その道のプロ”になることで、他の行政書士との差別化ができ、「この分野ならこの事務所にお願いすれば絶対間違いない。」
などと言われるような”唯一無二”の行政書士になれます。
そうすれば、顧客獲得につながり年収1000万の壁も簡単に越えられます。
マーケティング能力を身につける
ビジネス界ではよく聞く”マーケティング”
マーケティングとは
価値ある商品を提供するための活動・仕組みである。
すなわち「顧客・クライアント・パートナー・会社にとって価値のあるものを創り伝え届け交換するための、様々な活動。仕組み」がマーケティングと呼ばれる。
引用元:ウィキペディア
開業ともなれば、事業計画から集客まで全て自分の仕事です。
いくら専門知識が豊富でもマーケティング能力がないと顧客獲得、ましてや会社継続すら難しくなってきてしまいます。
どんなビジネスでも開業して年収を伸ばしていくためには、マーケティング能力は一番大事といっても過言ではないのです。
他士業との協力も必要
行政書士として開業すると、一つの依頼を行政書士だけではこなせない業務もあるため、他士業の協力が必要になることがよくあります。
他士業の方との信頼関係ができると仕事を紹介し合える仲になり、お互いに相乗効果がうまれるのです。
そして他士業の専門家と連携して仕事を受注していけたら、報酬単価のいい大きな仕事を受け持つことや、自分の足で営業する手間も少なくなり、時間短縮も可能といえます。
他士業と行政書士の合格率を比較
資格ごとに受験資格や試験制度が異なるため、合格率だけで難易度や年収を単純比較することはできません。ここでは直近の公式結果を参考として紹介します。
| 試験 | 直近結果 | 合格率等 |
| 行政書士 | 令和7年度 | 14.54% |
| 司法書士 | 令和7年度 | 約5.21% 受験者14,418人・合格者751人 |
| 司法試験 | 令和7年 | 41.20% 受験者3,837人・合格者1,581人 |
| 税理士試験 | 令和7年度 | 科目別10.1~31.9% |
(参考:行政書士試験研究センター・法務省・国税庁)
行政書士試験は受験資格に年齢・学歴・国籍などの制限がありません。一方、司法試験は法科大学院ルートや予備試験ルートなどの受験資格があり、税理士試験は科目合格制です。
このように試験の仕組みが大きく異なるため、「合格率が高い=簡単」「合格率が低い資格ほど年収が高い」とは判断できません。
行政書士で高い売上を目指すには
2018年の行政書士実態調査には年間売上2,000万円以上の回答もありますが、これは年収ではなく年商です。また、現在の行政書士に同じ割合が当てはまるとは限りません。
高い売上を目指す場合は、専門分野を持つこと、継続的に顧客を獲得する仕組みを作ること、必要に応じて他士業と連携することなどが重要になります。
売上が増えても、人件費や事務所費などの経費が増えれば所得が同じ割合で増えるとは限りません。売上と年収・所得を区別して考えることが大切です。
行政書士を副業に年収アップを狙う
行政書士を副業として年収を引き上げている方は少なくないです。
会社員で雇用させている方や主婦の方でも、行政書士会に登録すれば個人で行政書士として副業ができます。
そして、行政書士は独占業務があり独立開業がしやすい資格なので、暇な時間など自分のペースでできるということから副業もしやすいと言われています。
副業で行政書士をしつつ開業を目指す方もいます。
それぞれの本業とのペースが異なりますが、行政書士を副業にするのにあたって向いている業務や、注意点がありますのでご紹介します。
行政書士の副業として向いている業務
・飲食店営業許可の申請:行政書士が、顧客の元へ行って対応することが多いので、自分のスケジュールに合わせて決められます。
・車庫証明書業務:必要な書類を郵送やネットで提出できます。
・補助金等の申請業務:書類提出時に所定の窓口に出向かなくてはならないケースが多いのですが、比較的短い稼働時間で業務が行えます。
・相続遺言:普段会所に勤めている方からの依頼が多く、土日に相談したいという方が多いので土日に副業を考えている方にはオススメです。
行政書士は独占業務があり、独立開業がしやすい資格なので、自分のペースでできるということから、副業もしやすいと言われています。
本業との兼ね合いが難しいかと思いますが、行政書士の業務は1万種類もの業務があり幅広いので、自分の副業をする時間帯にあった業務を選べます。
副業にする際の注意点
・依頼者のスケジュールに合わせて調整しなければならないケースがある。
・副業に専念しすぎて休む暇がなく体調を壊したり、本業に差し支えたりする可能性もある。
・今の本業が副業OKか確認が必要。
中には副業NGの会社もあるので、副業をしながら行政書士の独立を狙うかたは、副業OKの会社に転職もありですね。
行政書士になるためにはどうしたらいいの?
行政書士になるためには方法が3つあります。
①年に一回の行政書士試験(国家試験)に合格する。
②行政事務を一定年数経験すると無試験で行政書士資格を得られます。
③弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有できます。
②の制度を行政書士の特任制度といい、高卒なら17年、中卒なら20年以上の経験が条件となります。
行政書士になる方法で最も一般的なのが、行政書士の国家試験を受験して合格することです。
そして、行政書士試験には受験資格がありません。
弁護士や他の士業だと試験に受験資格が設けられていることがありますが、行政書士は年齢や性別、学歴に問わず受験手数料を払えば、誰でも試験を受けられます。
行政書士の令和7年度合格率は14.54%です。
10人に1人しか合格者がいないとなると、試験対策をしっかりと行うことが必要です。
勉強時間はどれくらい必要か
行政書士試験に必要な時間は、法律の知識の有無によって異なりますが、通常通信講座などを利用すると約600時間程度が目安といえます。
専門知識がなく独学で勉強する場合は800〜1000時間程の勉強時間を要すると考えていいでしょう。
行政書士通信講座に記載されている時間はこちらです。
| ユーキャン | フォーサイト行政書士通信講座 | アガルートアカデミー | |
| 法律の知識がある場合 | 500〜600時間 | 300〜500時間 | 800〜1000時間 |
| 独学 | 800〜1000時間 | 800〜1000時間 | 800〜1000時間 |
| 講座 | 500時間程度 | 600時間程度 | 600時間程度 |
具体的なトータルの勉強時間でいうと、法律の知識がある方でも、計500~600時間、勉強経験のない方がゼロから挑戦した場合で計800~1,000時間ほど必要とされています。
独学ですと、勉強法をみつけたり、より良いテキストをみつけたりするのにも時間が取られるため、余計な時間が増えてしまうのが難点です。
働きながら資格の取得を考えている方は通信講座をオススメします。
行政書士試験の難易度
令和7年度の行政書士試験の合格率は14.54%でした。
そして合格に必要な勉強時間は通信講座を利用して約600時間、独学で800〜1000時間を要します。
ですので、決して難易度が低い試験ではありません。
しかし、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有でき、これらの士業は行政書士よりも難易度が高い資格です。
このように、他の法律系の資格に比べると難易度は低い方ですが、数ある国家資格の中では取得するのが難しい部類の資格です。
下の表は過去の行政書士試験の合格率を表したものです。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 平成26年度 | 48,869人 | 4,043人 | 8.27% |
| 平成27年度 | 44,366人 | 5,820人 | 13.12% |
| 平成28年度 | 41,053人 | 4,084人 | 9.95% |
| 平成29年度 | 40,449人 | 6,360人 | 15.7% |
| 平成30年度 | 39,105人 | 4,968人 | 12.7% |
| 令和元年度 | 39,821人 | 4,571人 | 11.5% |
| 令和2年度 | 41,681人 | 4,470人 | 10.7% |
| 令和3年度 | 47,870人 | 5,353人 | 11.2% |
| 令和4年度 | 47,850人 | 5,802人 | 12.1% |
| 令和5年度 | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
| 令和6年度 | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% |
| 令和7年度 | 50,163人 | 7,292人 | 14.54% |
(引用元:行政書士試験センター)
年度によって合格率には差があります。令和7年度は受験者50,163人、合格者7,292人で、合格率は14.54%でした。
一発合格や確実に行政書士資格を目指すなら、十分な試験対策をし、効率的に学習することが必要です。
行政書士や年収についてよくある質問
ここでは行政書士のよく疑問に思われる事柄を5つ紹介しています。
・行政書士の年収は地域による?
・行政書士の10年目の年収はいくらくらい?
・行政書士を廃業してしまう人ってどんな人?
・行政書士で1億円稼ぐ人ってどんな人?
・行政書士の就職先って困らない?
行政書士の年収は地域による?
行政書士だけを対象にした、地域別の最新公的平均年収データは確認できません。
勤務行政書士の場合は地域の賃金水準や勤務先によって給与が異なり、開業行政書士の場合は地域だけでなく専門分野、案件数、顧客層などにも左右されます。そのため「東京なら必ず高い」「地方なら低い」と一概にはいえません。
行政書士の10年目の年収はいくらくらい?
行政書士だけを対象に、経験10年目の平均年収を示す最新の公的統計は確認できません。
同じ10年目でも、勤務者か開業者か、専門分野、役職、案件数などによって収入は大きく異なります。
行政書士を廃業してしまう人ってどんな人?
行政書士は普通の飲食店の店舗に比べれば、開業しやすい業種であり、資格をとってすぐに経営のノウハウもわからず、経験不足のまま開業する人もいます。
そして、前述でもあったように弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有でき、これらの士業の人は行政書士の業務が可能です。
よって、非常に面倒くさい許認可などの行政書士の業務を、素人では書けないという理由から行政書士に依頼する人もいますが、少し面倒くさいのを我慢すれば、自分たちでこなせてしまうということになります。
このような厳しい競合の中、経営能力のない人、接客的な営業活動をしていない人、顧客獲得のためのしっかりした対策をとっていない人は、瞬く間に廃業へと追いやられてしまいます。
さらにインターネットで簡単に情報が収集できる時代ですので、相談者の知識も豊富であり、それを上回る専門的な知識がないと相談者から仕事をお願いされることはありません。
行政書士の廃業理由はさまざまで、開業後3年以内に「9割が廃業する」と裏付ける公的な統計は確認できません。
しかし、それ以上経営することのできた行政書士は、その後もうまく経営していける方が多く見受けられ、それは、実務を積まなければ得られない「経験値」が高まっているからです。
やはり前述での2000万円稼ぐ人の特徴である下記の3つが欠けてしまう人は廃業リスクも上がってしまいます。
・得意の分野がある
・経営センスがある
・マーケティング能力がある
しかしながら、中には、定年後に暇だから行政書士を開業したけれど、そんなに活動していなく、年金で食べていけるので、行政書士の年間手数料を払うのが勿体無いから廃業する人。
そして、行政書士の業務はあらゆる職業に携われる業種なので、行政書士より儲かる仕事を見つけて廃業する人、など様々な理由で廃業に至る人はいます。
行政書士で高収入を得ることは可能?
独立開業では大きな売上を得る事務所もありますが、最新の公式統計から「行政書士として年収1億円を得ている人」の割合や一般的なモデルを示すことはできません。
高い売上を目指す場合も、専門性だけでなく集客、顧客対応、業務効率化、組織化など事業経営の要素が大きく関わります。
行政書士の就職先って困らない?
行政書士の就職先が少ないというのが現実です。
なぜなら、行政書士のほとんどが1人ないしは2〜3人の小さな事務所なのでそもそもそんなに行政書士を募集していません。
そして、前述でもあったように、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を持てるので、行政書士の監修であれば資格の持っていない補助者でも業務を行えます。
ですので、わざわざお金を払って行政書士を雇うより、資格のない補助者をアルバイトで雇った方が効率的なのです。
ただ、もちろん世の中に全く行政書士が募集されていないわけではなく、大規模経営をしている士業事務所では募集されていることもあります。
しかし、少なからず大規模経営の士業事務所では行政書士の求人は出ています。
行政書士資格取得者の就職先として考えられるのは以下の2通りです。
・一般企業に就職する:この場合行政書士としてではなく、営業や総務、法務部の一員として就職することになります。
行政書士の資格は採用の判断材料になるので有利となります。
・事務所に就職する:この場合は行政書士事務所、弁護士事務所、司法書士事務所などの士業事務所で行政書士として働きます。
一般企業に就職する場合と違って、行政書士として働くことになるので有資格者は有利になります。
就職をお考えの方は、これまで解説してきた通り、行政書士+αのスキルがあると就職にも有利になります。
行政書士の年収:まとめ
行政書士全体の平均年収や中央値を示す最新の公式統計は確認できません。
2018年の行政書士実態調査では年間売上500万円未満の回答が78.7%でしたが、これは年収ではなく年商であり、現在の収入水準をそのまま示すものでもありません。
一方、日本行政書士会連合会は令和7年度報酬額統計調査を公表しており、行政書士の業務別報酬の最新状況を確認できます。
行政書士の収入は、勤務・開業といった働き方、専門分野、案件数、経費などによって大きく変わります。独立開業で収入を伸ばすには、専門性に加えて営業・マーケティングや他士業との連携なども重要です。
行政書士の資格取得を目指す場合は、通信講座で学習するのもおすすめです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
