行政書士の平均年収は、求人広告やデータを調査した結果、300万〜600万ということがわかりました。
「日本の給与所得者の平均給与とあまり変わらないの?」と驚く人も少なくないでしょう。
これは苦労して行政書士の資格を取っても、なかなか稼げる人がいないということを示しています。
しかし、中には数千万から億単位まで稼ぐ行政書士もいます。
これから行政書士を目指す人、目指している人。
行政書士は実際いくら稼げるのか、本音と現実はどうなのか、せっかく時間やお金をかけて勉強するなら気になりますよね。
この記事では行政書士の年収の本音と現実、行政書士として年収を上げる方法や、AIが盛んな今なぜ行政書士はやめとけと言われるのかを詳しく解説します。
行政書士試験は、通信講座を利用するのもおすすめの勉強方法です。
詳しくはこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
行政書士の年収の現実、中央値っていくらくらい?
平成30年行政書士4,338件の売上のアンケート結果を表にしました。
年間の売上 | 割合 |
500万円未満 | 78.7% |
1000万円未満 | 11.3% |
2000万円未満 | 5.3% |
3000万円未満 | 1.8% |
4000万円未満 | 0.8% |
5000万円未満 | 0.5% |
1億円以上 | 0,8% |
1億円以上 | 0.3% |
未回答 | 0.4% |
(引用元:フォーサイト行政書士通信講座HP)
この結果を見ると年商500万円未満が80%を占めることがわかります。
年商が500万円だとした時の年収は、誤差はありますが経費を差し引いて、7割〜8割というのが一般的です。
つまりこの場合は年収が350万円〜400万円ということになります。
8割の方が400万円以下の年収だとすると、中央値はおよそ250万円から350万円といったところでしょう。
これでは苦労して勉強した割りに金額が合わない、と感じる方もいると思いますが、1000万円以上の方が10%なので、10人に1人は1000万以上を売り上げていることになります。
こうして見ると努力次第で1000万円プレイヤーも夢ではないですね。
雇われ行政書士の平均年収
平均300万円〜500万円
(引用元:行政書士試験ラボHP)
年齢や業務スキルによって前後しますが、苦労して資格をとった割りには決して高い収入とはいえませんね。
下の写真は実際に求人サイトで載せてある求人の一部です。
こちらの求人広告の提示された金額をみると、入社一年目の年収は200万〜250万程度。
”未経験でも歓迎”など有資格者以外の人も募集しているようで、なかなか安く記載されています。
しかしながら、せっかく資格を取得したの中もっと上を目指したいですね。
こんな求人広告もありますのでがっかりしないでください。
こちらの求人広告では雇われ行政書士でも年収800万円を超えることが可能です。
そして上の写真にある求人広告の業務内容と必須条件をひとつご紹介します。
【業務内容】
デスクワーク
【必須条件】
・高卒以上
・実務経験または行政書士資格者
・普通自動車運転免許
・ワード・エクセルの基本操作
次に高収入が狙える下の写真の業務内容と必須条件をご紹介します。
【業務内容】
法制度の説明 コンサルティング 契約締結 申請書類の作成 出入国在留管理局への代理申請 アフターフォローなど
【必須条件】
・行政書士の試験の合格者
・大学卒業
・英語力があればなお可
【入社後にも求められる能力】
・英語力(TOEIC 700点以上)
下の写真の広告は、国際業務が中心ということで英語力が重視されていて、業務内容も上の写真の広告より幅が広く、専門的な分野であり、専門的なスキルが必要な業務ということで、年収が高く設定されていることがわかります。
このように経験を重ねスキルを磨けば、年収250万円〜350万円で落ち着くのではなく、努力次第で年収800万円以上も目指すことが可能となります。
行政書士の仕事は業務が幅広く、事務所によって専門の業務を絞って営業しているところがほとんどです。
そして業務の報酬単価もそれぞれ違うので、今後開業を目指している方は、自分の目指す業務を専門にしている事務所を選び、そこでさらにスキルを磨くのもひとつの手です。
女性行政書士の平均年収
女性の行政書士は数少ないですが男性より稼げないということはありません。
女性行政書士の求人広告の一部はこちらです。
こちらに記載された数字ですと、女性も男性も金額が変わらないことがわかります。
ということで、女性行政書士が稼ぐ平均年収は、300万円〜500万円。
行政書士は事務作業や、コミニュケーション能力が必要とされる職業なので、男女問わず活躍できる職業です。
女性の方でも1000万円プレイヤーや独立開業されている方もいます。
開業の場合
200万円〜2000万円以上
行政書士の平均年収は、求人広告やデータを調査した結果、300万〜600万と言えます。
独立している人の中には資格を取り、行政書士名簿に登録しただけで行政書士としてほとんど稼いでない人や、上述のアンケート結果の表より、年商2000万円以上の人が4%以上、1億円以上の人が1%以上いるため平均年収の幅が広くなっています。
開業した場合の年収は仕事が取れるかどうかは自分の腕次第ですので、正直ピンキリです。
独立開業したはじめのうちは、経験や信頼もまだ浅く、顧客も安定せず思うような収入が得られないため覚悟が必要です。
しかし、実際年収1000万円以上の人が10%、年収3000万円以上の人は2%いるので、軌道にのれば夢のような高収入を得られます。
副業の場合
行政書士は副業も可能な業務です。
副業ですのでそれぞれのペースがありますが、年収100万円以上となると本業のお休みはほぼ行政書士業に専念することになるので、精神力に体力も共に必要になります。
「キャリアガーデン公式HP」によると、ほぼ全ての休日を行政書士業務にあてるとして、月額5万円〜10万円程度が相場であるようです。
ですので、平均年収はおよそ60万円〜120万円と言ったところでしょうか。
その金額から行政書士入会金などの初期費用の回収、行政書士会の年間登録料や、業務活動の経費、が引かれた金額が手取りになります。
行政書士は雇われたままでは稼げない?
雇われの行政書士は稼げない、というのは語弊があります。
行政書士は下の表のように年齢を重ねるたび年収も増えていきます。
行政書士の年齢別平均年収(概算) | |
20歳代 | 380万円 |
30歳代 | 490万円 |
40歳代 | 630万円 |
50歳代 | 700万円 |
60歳代 | 460万円 |
70歳以上 | 400万円 |
引用元:資格スクエア
実際にこのような求人サイトがあります。
こちらの2つの求人広告のように、入社年数で経験とスキルを磨いていき年収アップも可能ということです。
しかし、独立開業に比べると最初のうちから大きな年収アップを狙うのは難しくなってきます。
とはいっても、独立開業の年収は本人次第なので、開業したからといって大きく稼げるともいいきれません。
行政書士の需要と将来性
ここまで読んでいると、行政書士に需要と将来性はあるのか?と心配になってきますよね。
安心してください。
需要と将来性はあります。
ここでは「需要」と「将来性」にわけてご説明いたします。
需要ってあるの?
需要はあります。
行政書士には独占業務があり、官公庁への書類申請という仕事がなくならない限り、需要がなくなることはありません。
以前は、行政書士の業務は7000種類程度でしたが、現在の業務は法改正のため1万種類を超えています。
その背景には外国人の受け入れやドローンの許認可申請などを行えるようになったことが大きな要因です。
そして、AIにはできないコミニュケーションが必要な業務も多数ありますので、まだまだ行政書士の需要はあると言えます。
将来性は?
行政書士には将来性があり、自分の得意分野に磨きをかければ長く生き残ることが可能です。
近年は官公署へ提出する書類の内容が複雑化・専門化している状況です。
さらに、コンサルティングのように人と人とのコミニュケーションが必要な業務は、AIの技術が進んでも失われることはありません。
企業の財務状況などを把握した上でのアドバイスや、法的知識を活かして顧客の悩みにアドバイスするなど、行政書士の業務内容は確実に広がっています。
このように専門知識をしっかり固めつつ、顧客にコンサルタントとしてのサポートも行えれば行政書士としての付加価値が高まり、将来的に長く生き残れるといえます。
なぜ行政書士はやめとけと言われるのか?
”行政書士の資格はやめとけ”なんて言葉を聞いたことがありますが、なぜこのようなことが言われてしまうのかには理由があります。
- 給料が上がりにくい
- 現実、年商500万円以下の行政書士が8割を占めている
- 収入を上げるには行政書士の資格以外にスキルが必要
- 行政書士になるのは大変な割には年収が低い
上述でも記載してきたように、このような理由から”やめとけ”などと言われることがあります。
しかし、行政書士の資格取得にあたって、メリットもあります。
- 受験資格がなく誰でも取得できるので挑戦しやすい
- 他の士業に比べると合格率が低いので合格しやすい(後ほど合格率と難易度についてご紹介します。)
- 開業の際、初期費用が少ない
- 時間の自由がある
- 人のために働くのでやりがいを感じやすい
行政書士は、年齢、性別関係なく誰でも資格取得が可能です。
そして、困っている人の手助けをする仕事なのでやりがいを感じやすい仕事です。
さらに、独立開業の際は自宅を事務所にすれば、初期費用が少なく始められ、仕事のペースや内容も自分で決められるので、時間に自由があり、社内の人間関係で悩むリスクもなく、努力次第では高収入が得られます。
このようなメリットも多々あるので”やめとけ”という言葉は鵜呑みにしてはいけませんね。
行政書士として年収アップさせるためには
行政書士として年収アップさせるためには、行政書士の業務をこなしているだけでは年収は伸びません。
大切なのは得意業務に磨きをかけて、あなたにしかできない”唯一無二の行政書士”になること”。
行政書士の年収アップのために必要なスキルは下記の3つです。
・得意分野を作る
・ダブルライセンスの取得
・積極的な営業
ダブルライセンスの取得であなたの専門分野を特化させ、積極的な営業で顧客の心をつかみ、信用を得ることで唯一無二の価値がつき、年収1000万〜3000万を目指せます。
得意分野を作る
行政書士は「書類作成のプロ」です。
しかし、それ以外にも各分野の知識を身につけ、”その道のプロ”になることで年収を引き上げられます。
例えば、あなたが外国人でビザ申請がしたいとします。
「外国人ビザ申請専門の行政書士事務所」と、普通の「行政書士事務所」のどちらかに依頼をするとしたら、きっと前者を選ぶことでしょう。
自分のしたいことがはっきり記されている事務所なら、信頼性がグっと増しますよね。
このように特徴を明確にして、他の事務所との差別化を図る上でも得意分野を作ることが顧客獲得につながるひとつの手段といえます。
自分の興味のある分野を追求するのも一つの手です。
ダブルライセンスの取得
ダブルライセンスを取ることで業務範囲が広がり、他に取られてしまう業務までも請け負えます。
例えば、不動産売却に関する案件には、宅建士として各種契約書の手続きが必要になります。
しかし、あなたが宅建士の資格も持っている場合、行政書士としての手続きと、宅建士としての手続きを両方こなせてしますということです。
行政書士としての開業と、宅建士としての開業をすることで、様々な業務を行えるメリットがあるので、そうすると単純に単価が上がるので年収アップに繋がります。
積極的な営業
行政書士にとって営業力はとても重要です。
頼まれた書類作成だけこなす行政書士と、自分の足で営業して顧客との信頼関係を作る行政書士、どちらの行政書士に相談したいと思いますか?
明らかに後者の方ですよね。
見込み顧客のところに訪問し、自分の顔を売り込み信頼を高めるのも大事な仕事です。
営業活動が得意な行政書士は仕事が得やすく年収アップが見込めます。
業務によって収入が変わる?低単価と高単価の業務内容を一部紹介
行政書士の業務は1万種類以上に及ぶ業務があります。
その中でもそれぞれ報酬単価が違うので下記の一部を紹介します。
(いくつかの行政書士事務所の業務を独自調査した金額です。)
・相談業務
・帰化許可申請
・飲食店の営業許可
・一般的な書類の作成
事務所によって料金が異なりますので、参考までに。
相談業務
1時間5,000円程度
事務所 | 料金 | 備考 |
行政書士 みのり事務所 | 5,000円/時間 | |
桂行政書士事務所 | 11,000円/時間 | ご依頼された場合は報酬に充当 |
みつおか行政書士事務所 | 初回のメール・電話相談は無料 | 1時間超えの場合は5,000円/h |
事務所によっては無料相談を行っております。
帰化許可申請
10万円〜20万円程
事務所 | 料金 |
行政書士法人タッチ | 135,000円〜 |
コモンズ行政書士事務所 | 176,000円〜 |
西村法務事務所 | 131,780円〜 |
外国籍の方が自分の国籍を手放し、日本国籍を取得する際に必要な申請の代行をします。
申請の際に法務局との交渉など必要でノウハウが必要となり、簡単な業務ではありませんが、報酬単価が高い業務です。
飲食店の営業許可
4万円〜10万円程
事務所 | 料金 | |
行政書士 山中事務所 | 88,000円〜 | 法廷手数料として+16,040円 |
行政書士法人 アネクト法務事務所 | 38,500円〜 | 別途申請手数料が必要 |
桂行政書士事務所 | 55,000円〜 |
レストランなど、食品を調理して客に提供する営業をに必要な飲食店営業許可の取得の代行をします。
さらに0時以降にお酒を提供する飲食店を開業する際は、深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要となり、5万円前後の料金が加算されます。
一般的な契約書の作成
一般的な契約書であれば、概ね1万円〜
事務所 | 料金 |
行政書士 みのり事務所 | 12,000円〜 |
int行政書士事務所 | 10,000円〜 |
三谷行政書士事務所 | 11,000円〜 |
さらに、個別案件の書類で2万円〜、専門性が高く複雑な書類の場合は+5万円〜などと加算される場合があります。
雇われ行政書士の本音、メリット・デメリット
上述でも記してきた通り、実際のところ行政書士4,338人のアンケートの中で年収400万円以下の人が8割を占めており、頑張って資格を取っても現実は高収入を得られていないのが現実です。
その年収の行政書士の方々の満足度はどのようなものでしょう。
ここでは行政書士の本音のメリット・デメリットを解説します。
メリット
・法律に詳しくなれる
・開業を目指しやすい
・収入が安定している
法律の知識の専門性をアピールして転職につなげやすいです。
そして、行政書士はほとんどの人が開業をメインとして考えているので、年収が安くても収入が安定しているため、働きながら経験を積みスキルを身につけ、開業に向けての準備がしやすいところは大きなメリットになります。
デメリット
・年収が安い
・行政書士だけの知識では仕事が取りづらい
せっかく行政書士の資格を取って就職しても、最初のうちは年収が低いのが難点です。
独立開業に比べると大きく収入を伸ばすこと、行政書士だけの知識で収入を伸ばして行くことは難しいのが現状です。
開業の本音、メリット・デメリット
行政書士は受験資格がないので誰でも資格が取れて、行政書士会名簿の登録と手数料を払えば、開業に至るまではそんなに難しいことはありません。
しかし、残念ながら独立開業したからといって先が明るいわけではありません。
独立開業するということは、自分の腕一本で食べていくわけですから、事務所を生かすも殺すも自分次第ということになります。
開業した最初のうちは顧客からの信頼もうすく、収入が安定しないので、覚悟が必要ですが、軌道にのれば年収1000万円以上、さらには数千万円の収入を得ている人がいます。
収入を安定させるためには、どれだけ顧客w獲得できるか、顧客に愛されつづけてもらうにはどうしたらいいか、という圧倒的営業力とマーケティング力が重要になってきます。
この辺りはどのサービス業も同じですね。
ここでは開業した人のメリット・デメリットの本音を「行政書士独立開業の本音」を参考に紹介します。
メリット
・軌道にのれば年収1000万円上から億単位まで目指せる
・時間に自由がある
・様々なビジネスを展開させやすい
・他士業との人脈が広がる
・開業するのに低コストですむ
開業してから軌道に乗るまでは大変ですが、調子良く仕事が取れるようになれば、年収2000万や3000万のような夢のような年収を狙えるのが独立開業の魅力です。
年収が1000万円以上の行政書士は、一人で行う業務に限界があるため、他に使用人行政書士などを雇ってさらに年商を上げていく方が多いです。
そして、他士業との交流も盛んになり、人脈も増える中で出会ったビジネスの種や、以前からやってみたかった商売などを手掛けて収益を伸ばせます。
さらに、自分で仕事のペースで決めれらるので、時間を自由に使うことが最大のメリットといえます。
開業の際は自宅を事務所にすれば月々のコストが抑えられます。
デメリット
・開業した場合は自分の腕一本で稼ぐことになるので、しばらくは収入が安定しない
・廃業のリスクがある
行政書士は開業するにあたって、飲食店の店舗のように立派な店舗を構えたり、在庫を抱えたりする必要がないので、初期費用が少なく開業しやすい業種です。
しかし、最初は顧客が安定しないことや、思うように仕事が取れないことから、収入が安定するまで精神的にも体力的にも辛い思いをする方が多いです。
そのため、比較的開業しやすいですが、廃業にいたってしまうリスクもあります。
ですので、開業して生き残っていくためには、圧倒的な営業力とマーケティング能力も必要とされています。
女性でも行政書士として男性と同じくらい稼げる?
前述の女性行政書士の求人広告でもあるように、女性の行政書士であっても男性と同じくらい稼ぐことが可能です。
書類作成やデスクワークも多く、顧客に寄り添う相談業務にはコミニュケーション能力も必要なため、男女問わず稼げるでしょう。
行政書士というと何となく男性のイメージが強いかもしれませんが、行政書士にも女性が増えてきています。
「Yahoo!ニュース」によると、2020年12月の行政書士登録者人数は、49,708人であり、男性が42,376人、女性7,332人で、男女比は、男性85.2%、女性14.8%です。
合格者の男女比は、男性73.5%、女性26.5%となっていることから、今後は女性登録者占有率もアップすることが予想されます。
そして、行政書士は、自宅兼事務所でも開業できること、業務時間や仕事量を自分で調節できること、という点では主婦や副業を目的とされる方には向いている職業といえます。
さらに主婦の方は、家庭の事業などで廃業となっても、一人で行っている業務でしたら廃業リスクは少なく抑えられるのも、この士業のいいところです。
女性にも1000万プレイヤーや、開業している人もいます。
行政書士で開業して年収を上げていくためには?
開業した行政書士の年収は200万円代〜億単位。
せっかく夢をみて開業したなら高収入をめざしたいですよね。
行政書士で開業して年収を上げるポイントをまとめました。
・専門分野を身につける
・マーケティング能力を身につける
・他士業との協力も必要
専門分野を身につける
行政書士として年収をあげていくためには専門分野に縛り、そこに特化させることが大切です。
例えば「法人設立」の分野の専門知識があれば、会社を設立するお手伝いだけではなく、会社の継続や収益の伸ばし方などのアドバイスができ、これから会社を経営していく顧客にとってはとても有力な情報になります。
そうなることによって、顧客との信頼関係がうまれ、今後も必要なことがあればあなたに仕事を依頼するという素晴らしいサイクルができるのです。
自分が情熱を持てる分野、興味のある分野に縛って”その道のプロ”になることで、他の行政書士との差別化ができ、「この分野ならこの事務所にお願いすれば絶対間違いない。」
などと言われるような”唯一無二”の行政書士になれます。
そうすれば、顧客獲得につながり年収1000万の壁も簡単に越えられます。
マーケティング能力を身につける
ビジネス界ではよく聞く”マーケティング”
マーケティングとは
価値ある商品を提供するための活動・仕組みである。
すなわち「顧客・クライアント・パートナー・会社にとって価値のあるものを創り伝え届け交換するための、様々な活動。仕組み」がマーケティングと呼ばれる。
引用元:ウィキペディア
開業ともなれば、事業計画から集客まで全て自分の仕事です。
いくら専門知識が豊富でもマーケティング能力がないと顧客獲得、ましてや会社継続すら難しくなってきてしまいます。
どんなビジネスでも開業して年収を伸ばしていくためには、マーケティング能力は一番大事といっても過言ではないのです。
他士業との協力も必要
行政書士として開業すると、一つの依頼を行政書士だけではこなせない業務もあるため、他士業の協力が必要になることがよくあります。
他士業の方との信頼関係ができると仕事を紹介し合える仲になり、お互いに相乗効果がうまれるのです。
そして他士業の専門家と連携して仕事を受注していけたら、報酬単価のいい大きな仕事を受け持つことや、自分の足で営業する手間も少なくなり、時間短縮も可能といえます。
他士業と行政書士の年収と合格率の比較
行政書士の平均年収と他士業との年収はそれぞれの資格をとる難易度と関係があるのでしょうか。
行政書士の合格率は10%と、決して簡単ではありませんが、他の士業に比べると難易度は低いことが下の表でわかります。
ここでは他士業との年収と合格率を表で比較し、難易度を分析してみました。
年収
職種 | 平均年収 |
弁護士 | 354万円〜1,144万円 |
税理士 | 329万円〜995万円 |
司法書士 | 314万円〜922万円 |
行政書士 | 288万円〜832万円 |
(引用元:求人ボックス 給料ナビ)
これらの士業は独占業務があるので、比較的開業しやすいといえます。
ただし、弁護士や税理士は、学歴等の所定の条件をクリアしていないと受験資格がないため、そもそものハードルが高いため、この中では1、2位を争う年収になっていますね。
そして、弁護士資格を取得すると自動的に税理士資格も持てるので、弁護士の方が税理士よりも難易度が高く、年収も高いのがわかります。
では、合格率はどうでしょうか。
合格率
◎行政書士と他士業の合格率
職種 | 合格率 |
行政書士 | 13.98% |
司法書士 | 4.31% |
税理士 | 21.7% |
弁護士 | 45.3% |
(引用元:フォーサイト行政書士通信講座)
(引用元:WASEDAセミナーHP)
年収の表を見ると行政書士の年収は、他の士業に比べると数値が若干低い分、合格率が高いので、難易度が低い方だとわかります。
行政書士と司法書士は、共通している科目や業務が多い士業です。
ですが司法書士の資格は、行政書士よりも試験範囲が膨大で、行政書士の合格率が10.9%に対して司法書士の合格率が4.3%とかなり難易度が高い士業ですので、年収も行政書士に比べると高いことがわかります。
そして、弁護士の合格率が飛び抜けて高いことに驚く方も多いと思いますが、その理由は、弁護士になるための司法試験を受けるには、厳しい条件があることです。
【司法試験を受けるための条件】
①法科大学院を修了したもの者、もしくは予備事件に合格した者
②①のいずれかの条件を得てから5年間が司法試験に受験可能
さらに、アガルートアカデミーを調べた結果、司法試験に合格するためには、6〜8年の勉強で受かれば普通とされていますが、時間がない社会人、基礎知識がない未修者であれば8〜10年かかることもあります。
よって上に記載されている41.5%という数字は、そもそもの難関をとってきた人たちの率になるので実質はかなりの難易度といえます。
そうなると、弁護士、税理士が数値的には一番合格率か低いですが、弁護士は試験の前にそもそも厳しい条件があるため、実際は弁護士が一番合格率が低く、難易度が高い、そして年収も高い。
ということになります。
そしてこの結果を見ると、合格率に低いことに比例して、年収が高くなるということがわかりますね。
とはいえ、行政書士は決して簡単な試験ではありません。
しかし、他の士業は論述式、口述式などの二次試験があることが多い中、行政書士は1次試験のみ、3時間の択一式中心の構成ですので、比較的対策しやすい試験といえます。
行政書士で年収2000万以上稼いでいる人の特徴と本音
前述の4,338人のアンケート調査によると、行政書士で年商2000万円稼いでいる人の割合は全体の4%です。
つまり25人に1人が年商2000万円以上稼いでいることになります。
通常の小学校であれば、クラスに1人以上はいるということですよね。
それを思うと、夢のまた夢…という感じではないですね。
ここでは年商2000万円以上稼いでいる人の特徴と本音を紹介します。
特徴
前述で説明した年収をあげていく方法と一致しますね。
年収2000万円以上稼いでいる行政書士は開業している方がほとんどです。
これほどの年収になると、補助となる行政書士やスタッフ、事務所も必要になります。
そのため一人の時よりもかなりの経費がかかってくるため、この3つの特徴はマストです。
本音
- 依頼者一人ひとりに寄り添えることにやりがいを大きく感じる。
- お客様に必要な許可・認可を取るお手伝いをする行政書士は素晴らしい仕事だと思う。
- 実業家としてアンテナを張っていれば、経営者仲間とさらなる事業展開を考えることが可能。
- 不動産関係をするなら図面が書けると8万〜30万は違ってきます。そういったスキルを磨くと仕事は尽きない。
- 今後のAI化に向けて書類作成の行政書士では太刀打ちできないため、顧客コンサルに大きく伸ばしていくべき。
(引用元:仕事のプロが明かすhonne.biz)
驚くことに年収2000万円以上稼いでる行政書士にはネガティブな意見が見つかりませんでした。
しかし年収1000万円代の方々の本音として、
・軌道にのると死ぬほど忙しい
・専門を絞っていかないと地獄に日々、金はあっても時間はない。
・土日も働かないと追いつかない
(引用元:仕事のプロが明かすhonne.biz)
などというお声がありました。
年収1000万円の壁を超えても年収2000万円の壁もあるということですね。
行政書士を副業に年収アップを狙う
行政書士を副業として年収を引き上げている方は少なくないです。
会社員で雇用させている方や主婦の方でも、行政書士会に登録すれば個人で行政書士として副業ができます。
そして、行政書士は独占業務があり独立開業がしやすい資格なので、暇な時間など自分のペースでできるということから副業もしやすいと言われています。
副業で行政書士をしつつ開業を目指す方もいます。
それぞれの本業とのペースが異なりますが、行政書士を副業にするのにあたって向いている業務や、注意点がありますのでご紹介します。
行政書士の副業として向いている業務
・飲食店営業許可の申請:行政書士が、顧客の元へ行って対応することが多いので、自分のスケジュールに合わせて決められます。
・車庫証明書業務:必要な書類を郵送やネットで提出できます。
・補助金等の申請業務:書類提出時に所定の窓口に出向かなくてはならないケースが多いのですが、比較的短い稼働時間で業務が行えます。
・相続遺言:普段会所に勤めている方からの依頼が多く、土日に相談したいという方が多いので土日に副業を考えている方にはオススメです。
行政書士は独占業務があり、独立開業がしやすい資格なので、自分のペースでできるということから、副業もしやすいと言われています。
本業との兼ね合いが難しいかと思いますが、行政書士の業務は1万種類もの業務があり幅広いので、自分の副業をする時間帯にあった業務を選べます。
副業にする際の注意点
・依頼者のスケジュールに合わせて調整しなければならないケースがある。
・副業に専念しすぎて休む暇がなく体調を壊したり、本業に差し支えたりする可能性もある。
・今の本業が副業OKか確認が必要。
中には副業NGの会社もあるので、副業をしながら行政書士の独立を狙うかたは、副業OKの会社に転職もありですね。
行政書士になるためにはどうしたらいいの?
行政書士になるためには方法が3つあります。
①年に一回の行政書士試験(国家試験)に合格する。
②行政事務を一定年数経験すると無試験で行政書士資格を得られます。
③弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有できます。
②の制度を行政書士の特任制度といい、高卒なら17年、中卒なら20年以上の経験が条件となります。
行政書士になる方法で最も一般的なのが、行政書士の国家試験を受験して合格することです。
そして、行政書士試験には受験資格がありません。
弁護士や他の士業だと試験に受験資格が設けられていることがありますが、行政書士は年齢や性別、学歴に問わず受験手数料を払えば、誰でも試験を受けられます。
行政書士の合格率は前述の記載にもありますが、10%です。
10人に1人しか合格者がいないとなると、試験対策をしっかりと行うことが必要です。
勉強時間はどれくらい必要か
行政書士試験に必要な時間は、法律の知識の有無によって異なりますが、通常通信講座などを利用すると約600時間程度が目安といえます。
専門知識がなく独学で勉強する場合は800〜1000時間程の勉強時間を要すると考えていいでしょう。
行政書士通信講座に記載されている時間はこちらです。
ユーキャン | フォーサイト行政書士通信講座 | アガルートアカデミー | |
法律の知識がある場合 | 500〜600時間 | 300〜500時間 | 800〜1000時間 |
独学 | 800〜1000時間 | 800〜1000時間 | 800〜1000時間 |
講座 | 500時間程度 | 600時間程度 | 600時間程度 |
具体的なトータルの勉強時間でいうと、法律の知識がある方でも、計500~600時間、勉強経験のない方がゼロから挑戦した場合で計800~1,000時間ほど必要とされています。
独学ですと、勉強法をみつけたり、より良いテキストをみつけたりするのにも時間が取られるため、余計な時間が増えてしまうのが難点です。
働きながら資格の取得を考えている方は通信講座をオススメします。
行政書士試験の難易度
行政書士試験の合格率はおよそ10%、合格者は10人に1人の割合です。
そして合格に必要な勉強時間は通信講座を利用して約600時間、独学で800〜1000時間を要します。
ですので、決して難易度が低い試験ではありません。
しかし、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有でき、これらの士業は行政書士よりも難易度が高い資格です。
このように、他の法律系の資格に比べると難易度は低い方ですが、数ある国家資格の中では取得するのが難しい部類の資格です。
下の表は過去の行政書士試験の合格率を表したものです。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成26年度 | 48,869人 | 4,043人 | 8.27% |
平成27年度 | 44,366人 | 5,820人 | 13.12% |
平成28年度 | 41,053人 | 4,084人 | 9.95% |
平成29年度 | 40,449人 | 6,360人 | 15.7% |
平成30年度 | 39,105人 | 4,968人 | 12.7% |
令和元年度 | 39,821人 | 4,571人 | 11.5% |
令和2年度 | 41,681人 | 4,470人 | 10.7% |
令和3年度 | 47,870人 | 5,353人 | 11.2% |
令和4年度 | 47,850人 | 5,802人 | 12.1% |
令和5年度 | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
(引用元:行政書士試験センター)
年度によって差はありますが、この表ですと合格率の平均は11.64%となりの、やはり10人に1人の合格率ですね。
一発合格や確実に行政書士資格を目指すなら、十分な試験対策をし、効率的に学習することが必要です。
行政書士や年収についてよくある筆問
ここでは行政書士のよく疑問に思われる事柄を5つ紹介しています。
・行政書士の年収は地域による?
・行政書士の10年目の年収はいくらくらい?
・行政書士を廃業してしまう人ってどんな人?
・行政書士で1億円稼ぐ人ってどんな人?
・行政書士の就職先って困らない?
行政書士の年収は地域による?
写真は、行政書士の年収を地域別に表したものです。
国税庁による日本の給与所得の平均年収は441万円、そして、「賃金構造統計調査」による東京の平均年収は619万円ですので、全国的に東京の水準が高い傾向にあります。
しかし、行政書士の地域別の平均年収は、このデータを見るとさほど数字に変わりがありません。
その理由は、東京は行政書士以外にも他の法律家がたくさんいるため競合が多くなり、仕事を獲得するのが難しく、かなりの激戦区だからです。
ですので、行政書士の年収は必ずしも東京が高いわけでもなく、地域によるということはないようです。
行政書士の10年目の年収はいくらくらい?
行政書士の10年目の年収は、前述での「年齢別平均年収」を見る限りでは468万円です。
しかし、10年間どのくらいのスキルを磨き努力したか、独立しているかしてないかによっても変わってきます。
というのは、あなたか行政書士になってからの10年間、何をするか、どのような努力をするかによって大きく変わってくるということです。
10年後の目標をしっかり持つことが大切です。
行政書士を廃業してしまう人ってどんな人?
行政書士は普通の飲食店の店舗に比べれば、開業しやすい業種であり、資格をとってすぐに経営のノウハウもわからず、経験不足のまま開業する人もいます。
そして、前述でもあったように弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を保有でき、これらの士業の人は行政書士の業務が可能です。
よって、非常に面倒くさい許認可などの行政書士の業務を、素人では書けないという理由から行政書士に依頼する人もいますが、少し面倒くさいのを我慢すれば、自分たちでこなせてしまうということになります。
このような厳しい競合の中、経営能力のない人、接客的な営業活動をしていない人、顧客獲得のためのしっかりした対策をとっていない人は、瞬く間に廃業へと追いやられてしまいます。
さらにインターネットで簡単に情報が収集できる時代ですので、相談者の知識も豊富であり、それを上回る専門的な知識がないと相談者から仕事をお願いされることはありません。
そのような人たちを踏まえ、9割の行政書士の方が開業してから3年以内に廃業してしまっているのが現状です。
しかし、それ以上経営することのできた行政書士は、その後もうまく経営していける方が多く見受けられ、それは、実務を積まなければ得られない「経験値」が高まっているからです。
やはり前述での2000万円稼ぐ人の特徴である下記の3つが欠けてしまう人は廃業リスクも上がってしまいます。
・得意の分野がある
・経営センスがある
・マーケティング能力がある
しかしながら、中には、定年後に暇だから行政書士を開業したけれど、そんなに活動していなく、年金で食べていけるので、行政書士の年間手数料を払うのが勿体無いから廃業する人。
そして、行政書士の業務はあらゆる職業に携われる業種なので、行政書士より儲かる仕事を見つけて廃業する人、など様々な理由で廃業に至る人はいます。
行政書士で1億円稼ぐ人ってどんな人?
実際に行政書士開業3年目で年収を1億円にした金森重樹氏はこう言っています。
「自分の成功は、お金でも人材でも専門的な技術でもなく顧客だと考えている。
どんな業界であっても顧客を集めて魅了し続けることが生命線となり、集客持続力こそが売り上げとなる。」
25歳の頃にある事情から借金1億2000万円を抱えた東大フリーターだった金森重樹氏。
その後彼は、行政書士の資格を取り負債を返済して、今では何社もの会社を経営し年商40億円にもなってるといいます。
行政書士から出発したこの方は、その後ビジネスを広げておよそ十数億という資産を短期間で形成していったそうです。
行政書士で年収1億円というのも決して不可能だとは言い切れませんね。
行政書士の就職先って困らない?
行政書士の就職先が少ないというのが現実です。
なぜなら、行政書士のほとんどが1人ないしは2〜3人の小さな事務所なのでそもそもそんなに行政書士を募集していません。
そして、前述でもあったように、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合は自動的に行政書士の資格を持てるので、行政書士の監修であれば資格の持っていない補助者でも業務を行えます。
ですので、わざわざお金を払って行政書士を雇うより、資格のない補助者をアルバイトで雇った方が効率的なのです。
ただ、もちろん世の中に全く行政書士が募集されていないわけではなく、大規模経営をしている士業事務所では募集されていることもあります。
しかし、少なからず大規模経営の士業事務所では行政書士の求人は出ています。
行政書士資格取得者の就職先として考えられるのは以下の2通りです。
・一般企業に就職する:この場合行政書士としてではなく、営業や総務、法務部の一員として就職することになります。
行政書士の資格は採用の判断材料になるので有利となります。
・事務所に就職する:この場合は行政書士事務所、弁護士事務所、司法書士事務所などの士業事務所で行政書士として働きます。
一般企業に就職する場合と違って、行政書士として働くことになるので有資格者は有利になります。
就職をお考えの方は、これまで解説してきた通り、行政書士+αのスキルがあると就職にも有利になります。
まとめ
行政書士の平均値は200万円代〜600万円です。
しかしその中で、年収500万円以下の方が8割を占め、1000万円未満が約5%、1000万円以上稼いでいる人が15%ですので、行政書士の10人に1人以上の方が年収1000万円を稼いでいることになります。
ということは、努力次第で高収入を目指せる士業ということがわかりますね。
行政書士で高収入を狙うポイントは、ダブルライセンスの取得などで得意分野に磨きをかけ、経営スキル、マーケティング能力も身につけること。
それができる人は行政書士として高収入を稼ぐことが可能で、長く生き延びられる士業です。
しかしその努力を怠ってしまうと、年収がなかなか伸びない、開業しても悔しくも廃業してしまう、という事態になってしまいます。
これから行政書士を目指す方、行政書士で開業をお考えの方々の参考になれば幸いです。
行政書士の資格取得を目指す方場合は、通信講座で学習するのもおすすめです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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