ネットワークスペシャリスト試験の難易度?他の資格との比較や勉強時間や年収も解説!

「ネットワークスペシャリストの難易度が知りたい!」

「ネットワークスペシャリストは、他のIT系資格と比較してどのくらいの難しさなの?」

ネットワークスペシャリストの資格取得を考えている人で、このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

当記事ではネットワークスペシャリストの難易度、IT系関連資格の難易度ランキングなどを紹介します。

最後まで読めば、今あなたがネットワークスペシャリストを受験するべきなのかがわかります。

またネットワークスペシャリストの勉強法も解説しているので、ぜひ試験対策にお役立てください。

サイト監修者情報

徳永浩光

キャリアコンサルタント Webメディア監修

キャリアコンサルタントの視点から情報発信

国家資格キャリアコンサルタント所持。キャリアコンサルタントの視点からWebメディアを監修。キャリア形成、資格取得に関しての情報を発信。

マイベストプロ掲載

キャリコンサーチ掲載
目次

ネットワークスペシャリストとは?

ネットワークスペシャリストとはネットワーク分野で主導権を持って業務にあたり、指導的立場として活躍するための国家資格です。

資格試験を運営する「独立法人情報処理推進機構」では、能力や役割を考慮して、難しさのレベルを4と設定しています。

レベル4の定義は、以下の通りです。

高度な知識・スキルを有し,プロフェッショナルとして業務を遂行でき,経験や実績に基づいて作業指示ができる。また,プロフェッショナルとして求められる経験を形式知化し,後進育成に応用できる。

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

レベル4はネットワーク社会のリーダーとして認められており、プロフェッショナルとして、高い能力が必要です。

では、どのような人におすすめな資格なのでしょうか?

公式サイトでは、以下のように紹介しています。

ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広く精通し、目的に適合した大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築し運用できるネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す方に最適です。

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

上記からわかるように、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す人におすすめな資格です。

ネットワークエンジニアとインフラ系エンジニアについては「マイナビIT AGENT」で解説されています。

解説を読むとネットワークエンジニアは、インフラ系エンジニアの中に含まれる職種の1つということがわかりました。

インフラエンジニアの仕事内容
クライアントの要望に合わせインフラを設計する「設計」や、設計書に沿いインフラを作り上げる「構築」、構築したインフラが稼働するように作業する「運用」などの業務があり、大きく分けると上流工程(設計・構築)と下流工程(運用・保守)に分類できます。ここではインフラエンジニアの代表的な職種である、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアをご紹介しましょう。

(引用元:マイナビIT AGENT公式HP)

サーバーエンジニアはサーバーに特化しており、ネットワークエンジニアはネットワークに特化したエンジニアです。

他にもインフラ系エンジニアの職種としては、セキュリティエンジニアやクラウドエンジニアなどがあります。

様々な分野の経験や実績が評価されると、インフラ系エンジニア全体の責任者として活躍の場を広げられます。

またIT業界未経験の方でも、ネットワークエンジニアに興味がある方は、ネットワークスペシャリストの資格取得は効果的です。

さらに別分野のエンジニアからステップアップするために、ネットワークスペシャリストの資格を取得する道もあります。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度は?

ネットワークスペシャリスト試験の難易度は?
  • ネットワークスペシャリスト試験は、IT系国家資格で最難関レベル
  • ネットワークスペシャリスト試験の合格率は14%
  • ネットワークスペシャリスト試験の勉強時間は6~12ヶ月

ネットワークスペシャリスト試験が難しい理由は、3つあります。

1つ目は、IT系国家資格で、最もレベルが高いクラスに区分されていることです。

レベルは1~4まであり、ネットワークスペシャリスト試験は最難関の「レベル4」に設定されています。

2つ目は、合格率が約14%と、合格者が少ないことです。

毎年度1回行われる試験で、合格率が大きくずれることはなく、当たり年のような運の要素はほぼありありません。

3つ目は、勉強時間が6~12ヶ月と、多くの時間を確保しなければならないためです。

ネットワークスペシャリスト試験は、IT系国家資格で最難関レベル

ネットワークスペシャリスト試験はIT系国家資格の中で、最も難易度が高い「レベル4」と位置づけされています。

ITスクールの「ネットビジョンアカデミー」ではIT系国家資格を、レベルごとにまとめていました。

(引用元:ネットビジョンアカデミー公式HP)

レベル4はネットワークスペシャリストを含め、9つのスペシャリスト試験から構成されています。

具体的に、どのようなスペシャリスト達なのでしょうか?

それぞれの試験合格者に求められる人物像を一覧にしました。

試験 人物像
ITストラテジスト 経営とITを結びつける戦略家
システム
アーキテクト
業務とITのグランドデザイナー
プロジェクト
マネージャ
ITプロジェクトの成功請負人
ネットワーク
スペシャリスト
ネットワーク社会を担う花形エンジニア
データベース
スペシャリスト
ビッグデータ時代に求められる、データ志向の担い手
エンベデッドシステム
スペシャリスト
IoT時代に欠かせない組込みシステムの腕利きエンジニア
ITサービスマネージャ ITサービスの安定提供を約束する仕事人
システム監査技術者 独立した立場でITを監査する御意見番
情報処理安全確保支援士 ITの安全・安心を支えるセキュリティの番人

(参考:情報処理推進機構公式HP)

どのスペシャリストも専門性が高く、深い知識と卓越した技能が必要です。

花形エンジニアだったり、経営と密接に関わる戦略家だったりと求められる人物像からも、難易度の高さが見て取れます。

このようにネットワークスペシャリスト試験は、難易度が高い試験です。

なりたい人物像と相違がないかを確認し、本腰を入れて試験勉強をする必要があります。

ネットワークスペシャリスト試験の合格率は14%

年度 合格率(%) 平均合格率(%)
令和5 14.3 14.7
令和4 17.4
令和3 12.8
令和元 14.4
平成30 15.4
平成29 13.6

(令和2年度は試験が中止になったため割愛)
(参考:情報処理推進機構公式HP)

上の表では、ネットワークスペシャリスト試験(直近6回)の各合格率と平均合格率をまとめました。

合格率は12.8~17.4%、平均合格率は約14%と、狭き門であることがわかります。

参考までに、国家資格で合格率が近い試験を調査しました。

宅建の合格率は約15%~18%。毎年約3万~4万人が合格しています。合格ラインはマークシート方式50問中、31~38問を正解する必要がある試験です。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

宅建こと「宅地建物取引士試験」は、ネットワークスペシャリストと同じく受験資格が必要ありません。

受験資格がない国家資格で、合格率もほぼ同レベルです。

難易度を測る1つの尺度として、参考にしてください。

ネットワークスペシャリスト試験の勉強時間は6~12ヶ月

ネットワークスペシャリスト試験は、難易度が高いということをお伝えしてきました。

そこで気になるのが、合格に必要な勉強時間です。

ITエンジニアの転職支援エージェント「ProEngineer」では、以下のように解説しています。

4.1 独学で勉強する場合
午前Ⅰ免除、実務経験あり、かつ論述が得意な方の場合、20時間程度で受かるケースもありますが、一般的には半年~1年以上かかることを覚悟する必要があります。午前Ⅰ免除がなければ、さらに20時間程度の勉強時間を確保する必要があります。

4.2 講座を受講する場合
講座によりまちまちですが、通信の場合は受講期間2~6か月、サポート期間12か月を目安としている所が多いようです。

(引用元:ProEngineer公式HP)

独学と通信講座で若干の違いはありますが、おおよそ6~12ヶ月を目安に勉強計画を立てると良さそうです。

具体的に「〇〇時間」という記載はなかったので、6ヶ月勉強した場合、勉強時間が合計でどれくらい必要かを計算しました。

毎日の勉強時間(h) 合計の勉強時間(h)
1 180
2 360
3 540

(1か月を30日として計算)
(参考:ProEngineer公式HP)

上の表では毎日勉強することを想定し、現実的に時間が確保できそうな「1~3時間」を採用しました。

勉強期間を12ヶ月でイメージしている方は、合計時間を2倍にするなど計算してみてください。

後ほど詳しくお伝えしますが、ネットワークスペシャリスト試験は4つに分かれており、それぞれで合格点を取る必要があります。

「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の試験があり、午前Ⅰに関しては独学で20時間程度の確保が必要だと、説明されていました。

6~12ヶ月の勉強期間の中で20時間なので、非常に少ない時間で済むことがわかります。

4つの試験で難易度が異なるため、勉強時間を上手く配分することが必要です。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度が高いのはなぜか?

ネットワークスペシャリスト試験の難易度が高いのはなぜか?
  • 1日に4つの試験!全ての試験で合格点が必要
  • 特に午後の試験が難しい
  • 合格者の平均年齢が34歳

前章ではネットワークスペシャリスト試験の合格率が約14%と、狭き門であると解説してきました。

そこで「なんで難易度がそんなに高いの?理由が知りたい。」と、気になっている方もいるでしょう。

簡単に理由をまとめると、受験者レベルが高く、試験レベルも高いためです。

1日に4つの試験!全ての試験で合格点が必要

ネットワークスペシャリスト試験は、1年に1回です。

4つの試験を1日がかりで行います。

試験は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」に分かれており、全ての試験で合格点が必要です。

公式の試験要綱で確認してみましょう。

応用情報技術者試験,高度試験及び情報処理安全確保支援士試験(以下,支援士試験という) では,各時間区分(次表の午前,午後,午前Ⅰ,午前Ⅱ,午後Ⅰ,午後Ⅱの試験)の得点が全て基準点以上の場合に合格とする。

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

ネットワークスペシャリストは「高度試験」に含まれており、各時間区分は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の4つです。

「午前Ⅰの9:30」からスタートし「午後Ⅱの16:30」まで、長時間の試験を行います。

試験の内容について先にチェックしたい方は、こちらで詳しく説明しているのでご覧ください。

長時間でハードな上に1つの試験も落とせないので、集中力を維持することが大事です。

ネットワークスペシャリスト試験では、気力や体力も必要とします。

特に午後の試験が難しい

ネットワークスペシャリスト試験は特に午後の試験が難しく、合格率低下の原因を作っています

合格率の分析には、以下の内容を把握しておくと便利です。

<高度試験の各試験区分,支援士試験>

・午前Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合には,午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わ ずに不合格とする。

・午前Ⅱ試験の得点が基準点に達しない場合には,午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格とする。

・午後Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合には,午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格とする。

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

採点の順番は「午前Ⅰ→午前Ⅱ→午後Ⅰ→午後Ⅱ」です。

各試験で合格点に達していないと、後の採点をせず問答無用で不合格にされてしまいます。

では、4つの各試験における合格率を確認してみましょう。

「令和3年度のネットワークスペシャリスト試験」についてのレポートがまとめられていました。

調査項目 午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
採点対象者 3,972人 6,671人 5,553人 2,414人
合格者 2,486人
(免除4,448人)
5,621人 2,424人 1,077人
合格率 62.6% 84.3% 43.7% 44.6%

(参考:アイテック公式HP)

午前Ⅰの免除に関しては、こちらをご覧ください。

一見すると午後Ⅱの合格率が44.6%で、実際の合格率12.8%と大きく差が生じています。

「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ」の難関試験をくぐり抜けてきた強者達でも、午後Ⅱの試験で半分以上が合格を逃してしまいます

午後Ⅰの試験も同様で「午前Ⅰ・午前Ⅱ」の試験合格者が、半分以上も不合格という結果です。

各試験の合格率を見ても「午後Ⅰ・午後Ⅱ」の試験が、全体の合格率を大きく引き下げているといえます。

合格者の平均年齢が34歳

ここまでは午後の試験レベルが難易度の高さにつながると、お話ししてきました。

しかしそれだけではなく受験者の偏りからも、ハードルが高い試験ということを見て取ることができます。

結論からいうと、受験者の9割以上が実務経験のある社会人であり、合格者の平均年齢は約34歳です。

上記を裏付けるために、試験運営元の公式データ(令和4年度試験分)をまとめました。

属性 応募者 合格者
社会人 13,391人 1,585人
学生 441人 64人
経験の有無 応募者 合格者
経験あり 9,758人 1,199人
経験なし 8人 1人
応募者 合格者
平均年齢 36.4歳 34.1歳

(参考:情報処理推進機構公式HP)

ネットワークスペシャリスト試験は、受験資格がなくだれでも試験を受けることが可能です。

しかし実際のデータを見てみると、知識のあるエンジニアが、ある程度の経験を積み試験に臨んでいることがわかります。

よって未経験の方が試験にチャレンジする場合は、講師に質問できる通信講座や通学などがおすすめです。

ネットワークスペシャリストと比較!関連資格の難易度ランキング

ネットワークスペシャリストと比較!関連資格の難易度ランキング
  • ITストラテジスト
  • 情報処理安全確保支援士
  • 応用情報技術者
  • CCIE/CCNP

ネットワークスペシャリストは、IT系国家資格の中でも最難関レベルでしたね。

ではネットワーク分野における関連資格の難易度は、どのくらいなのでしょうか?

「ITストラテジスト」「情報処理安全確保支援士」「応用情報技術者」「CCIE/CCNP」を、難易度別に解説します。

下の表は「情報処理推進機構」とIT求人サイト「フリーランススタート」を参考に、難易度が高い順に上から並べました。

レベル 資格名 合格率
国家資格 シスコ認定資格
4 CCIE 10%強程度
ネットワークスペシャリスト 14.5%
ITストラテジスト 14.5%
情報処理安全確保支援士 16.1%
3 CCNP 20%程度
応用情報技術者 22.1%

(参考:情報処理推進機構公式HP・フリーランススタート公式HP)

IT系国家資格の合格率は、情報処理推進機構の「平成21年度~令和4年度累計データ」を使用しています。

一方「CCIE」「CCNP」の合格率は公表されていないので、フリーランススタートで解説されている内容を参考にしました。

CCIE認定試験の受験者数及び合格率は、公式では発表されていません。

CCIE認定試験は、ITSS(ITスキル標準)においてレベル4に位置しており、同等レベルの試験にネットワークスペシャリスト試験があります。

上記より、CCIE認定試験の合格率も10%強程度で、難易度は非常に難しいレベルだと推測できます。

しかし実際のところは、ネットワークスペシャリストは上級国家資格であるものの試験範囲が狭いこと、CCIEは3〜5回ほど挑戦してようやく合格できる人が多いことから、CCIEの方が難易度が高く、レベル4以上だと推測できます。

(引用元:フリーランススタート公式HP)

CCNP認定試験の受験者数及び合格率は、公式では発表されていません。

CCNP認定試験は、ITSS(ITスキル標準)においてレベル3に位置しており、同等レベルの試験に応用情報技術者試験があります。

応用情報技術者試験の合格率は約22.7%(過去5年分の平均値)です。

上記より、CCNP認定試験の合格率も約2割程度で、難易度は難しいレベルだと推測できます。

(引用元:フリーランススタート公式HP)

上記引用によるとシスコ認定資格のCCIEはレベル4以上、CCNPはレベル3に同等だということがわかりました。

対して、ネットワークスペシャリスト・ITストラテジスト・情報処理安全確保支援士はレベル4、応用情報技術者はレベル3です。

シスコ認定資格はシスコシステムズ社、IT系国家資格は情報処理推進機構が運営しています。

それぞれの試験を作成している運営元は異なりますが、どちらの資格もネットワーク領域で活躍する資格です。

運営元は異なりますが「ITSS」として、レベル別に一覧でまとめられています。

ITストラテジスト

レベル 資格名 合格率
4 ITストラテジスト 14.5%
4 ネットワークスペシャリスト 14.5%

(参考:情報処理推進機構公式HP・フリーランススタート公式HP)

ITストラテジストの難易度は、ネットワークスペシャリストと同程度のレベル4です。

合格率も14.5%で、ネットワークスペシャリストと一致しています。

また試験が難しい理由もネットワークスペシャリストと、ほぼ同じ内容です。

難易度を引き上げている項目 ITストラテジスト ネットワークスペシャリスト
合格条件 1日に4つの試験
全ての試験で合格点が必要
特に難しい試験 午後Ⅰ・午後Ⅱ
合格者の平均年齢
(令和4年度)
39.3歳 34.1歳

(参考:情報処理推進機構公式HP)

例えば「合格条件」「特に難しい試験」は、上の表にまとめている通りで、ネットワークスペシャリストと全く同じです。

1日に4つの試験を全て合格しなければならず、記述・論述形式である午後の試験が合格率を大幅に下げています。

また、ネットワークスペシャリストの「合格者の平均年齢」は34歳で、ITストラテジストの平均年齢は39歳です。

若干、ITストラテジストの方が上ですが、近しい年齢だといえます。

つまりどちらの受験層も、実務経験を積んだ社会人がメインです。

求められるレベルも高く、ITストラテジストの合格者には、経営とITを結びつける戦略家として活躍することが想定されています。

ITストラテジストの人物像は、ネットワークスペシャリストと異なるものの、どちらもIT業界の上流工程に有効な資格です。

方向性は違えど、同じ上流工程のスペシャリストになるための試験であり、難易度も同じレベル感に収まっています。

情報処理安全確保支援士

レベル 資格名 合格率
4 情報処理安全確保支援士 16.1%
4 ネットワークスペシャリスト 14.5%

(参考:情報処理推進機構公式HP・フリーランススタート公式HP)

情報処理安全確保支援士の難易度は、ネットワークスペシャリストにくらべ「同程度~少し低め」です。

どちらの資格もレベル4ですが、合格率は情報処理安全確保支援士試験の方が若干上がります。

では、情報処理安全確保支援士試験とネットワークスペシャリスト試験の難易度に、差はあるのでしょうか?

項目として「合格条件・特に難しい試験・合格者の平均年齢」を、比較します。

難易度を引き上げている項目 情報処理安全確保支援士 ネットワークスペシャリスト
合格条件 1日に4つの試験
全ての試験で合格点が必要
特に難しい試験 午後Ⅰ・午後Ⅱ
合格者の平均年齢
(令和4年度)
34.3歳 34.1歳

(参考:情報処理推進機構公式HP)

「合格条件」と「特に難しい試験」が同じで、なんと「合格者の平均年齢」も同じでした。

難易度に差は見られませんでした。

しかし注目すべきは、年度内に2回の試験機会があることです。

情報処理安全確保支援士試験を主催するIPAの発表によると、2022年度春期の合格率は19.2%でした。

しかし難易度は高いものの、ほかの高度試験と違って年に2回チャンスがある試験のため、挑戦しやすいというメリットがあります。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

試験のチャンスがネットワークスペシャリストの2倍あり、合格率も少し高くなっています。

よってレベル4に区分されている関連資格の中で、情報処理安全確保支援士は比較的チャレンジしやすい資格といえるでしょう。

応用情報技術者

レベル 資格名 合格率
3 応用情報技術者 22.1%
4 ネットワークスペシャリスト 14.5%

(参考:情報処理推進機構公式HP・フリーランススタート公式HP)

応用情報技術者の難易度は、ネットワークスペシャリストにくらべ「少し低め」です。

応用情報技術者の合格率は、ネットワークスペシャリストよりも高く、レベルはワンランク下の「3」に位置づけられています。

レベル3とレベル4の差については、経済産業省が出している資料で確認してみましょう。

(引用元:経済産業省公式HP)

表からわかることとして、特に大事な項目は想定される「出題レベル」と「受験対象者」です。

重要な部分を、表にまとめました。

資格 レベル 出題レベル 受験対象者
応用情報技術者 3 独力で業務ができる 大学院卒業程度
ネットワークスペシャリスト 4 専門家として活躍し、下位者を指導できる 社会人
(実務経験要)

(参考:経済産業省公式HP)

まずは、出題レベルについてです。

文章で書いてあるとイメージしにくいですが、簡単な単語に置き換えてみると、差がはっきりとします。

  • 「独力で業務ができる」=「優秀な部下」
  • 「下位者を指導できる」=「リーダー・上司」

応用情報技術者試験の出題は「優秀な部下」に向けられています。

一方、ネットワークスペシャリスト試験の出題レベルは「リーダー・上司」向け、というイメージです。

想定される「受験対象者」を当てはめてみましょう。

  • 「独力で業務ができる」=「優秀な部下」=「大学院卒業程度」
  • 「下位者を指導できる」=「リーダー・上司」=「社会人(実務経験要)」

応用情報技術者は「業務を完結できる能力」が求められます。

ネットワークスペシャリストは加えて「チーム全体をまとめる能力」が必要です。

レベル3とレベル4では、求められる内容に明確な差があります。

合格率の差とレベルの差から、ネットワークスペシャリストよりも応用情報技術者の方が、難易度は低いとわかりました。

CCIE・CCNP

CCIEとCCNPは国家資格ではありませんが、世界で通用する実用性のある資格です。

詳しくは、こちらをご覧ください。

CCIEとCCNPのレベルについて、下の引用を元におさらいしておきましょう。

ネットワークスペシャリストは上級国家資格であるものの試験範囲が狭いこと、CCIEは3〜5回ほど挑戦してようやく合格できる人が多いことから、CCIEの方が難易度が高く、レベル4以上だと推測できます。

CCNP認定試験は、ITSS(ITスキル標準)においてレベル3に位置しており、同等レベルの試験に応用情報技術者試験があります。

(引用元:フリーランススタート公式HP)

CCIEはレベル4以上、CCNPはレベル3相当ということがわかります。

IT系国家資格と比較するために、受験言語受験料の違いを表でまとめました。

資格名 レベル 受験言語 受験料
(税込み)
CCIE 4以上と推測 日本語

英語
合計
約27万円
ネットワーク
スペシャリスト
4 日本語 7,500円
CCNP 3相当 日本語
もしくは
英語
86,240円
応用情報技術者 3 日本語 7,500円

(2023年12月時点)
(参考:情報処理推進機構公式HP・フリーランススタート公式HP)

CCIEの受験言語は日本語と英語であり、英語は必須です。

筆記試験はCBT受験というパソコンを使用した試験であり、日本語と英語から選択できます。

ただしラボ試験という実技試験は、英語のみでの受験です。

ネットワークスペシャリストのようなIT系国家資格は日本語で受験するため、言語面においてCCIEの方が難易度は上がります。

また受験料にも大きな差があり、CCIEはネットワークスペシャリストよりも約26万円高いです。

CCIEは万全な準備を整えて、受験に臨んだ方が良いと考えられます。

次に、CCNPを見てみましょう。

CCNP試験は、日本語と英語から選択することができます。

よって、CCNPはベル3の応用情報技術者と比較しても、受験言語による差は見られませんでした。

しかし受験料の差は、はっきりとあります。

応用情報技術者の受験料が7,500円に対して、CCNPは86,240円と約8万円の差です。

受験料から見ると、CCNPよりも応用情報技術者の方が、チャレンジしやすいという結果でした。

ネットワークスペシャリスト試験の勉強法

ネットワークスペシャリスト試験の勉強法
  • ネットワークスペシャリスト試験を参考書で独学する
  • ネットワークスペシャリスト試験を過去問で勉強する
  • ネットワークスペシャリスト試験を通信講座で勉強する

ネットワークスペシャリスト試験の勉強法は「参考書で独学」「過去問で勉強」「通信講座で勉強」の3パターンです。

ネットワークスペシャリスト試験の勉強について「ProEngineer」に、以下のような記載がありました。

前述のようにネットワークスペシャリスト試験はかなり高難度の試験となっており、独学での合格が難しい方のための講座や通信教育が多数開講されています。しかし仕事をしながら独学で合格することが無理というわけではなく、多くの方が独学で合格しています。現役のNE(ネットワークエンジニア)でなくても、中堅SE(システムエンジニア)として仕事をしつつ半年間独学で勉強して、ネットワークスペシャリストに合格した事例もあります。

(引用元:ProEngineer公式HP)

すでにエンジニアをしている方であれば、独学合格も可能なことがわかります。

もし独学が難しそうでも、通信講座などで合格が目指せるので、自分に合った勉強法を選ぶことが大事です。

ネットワークスペシャリスト試験を参考書で独学する

ネットワークスペシャリスト試験を参考書で独学する
  • 【おすすめの参考書①】マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)
  • 【おすすめの参考書②】徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書 令和4年度
  • 【おすすめの参考書③】ネスペR3 – 本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説

ネットワークスペシャリスト試験を参考書で独学する場合、目的に合った参考書を選び、スケジュールを立てることが大事です。

例えば「難しい午後の試験を重点的に学習したい」「ネットワークの基礎から学びたい」など、人によって選ぶ参考書が異なります。

今回は、目的別におすすめの参考書を調査しました。

「Amazonのレビューが星4つ以上」「Amazonのレビューが30件以上」の条件がそろっている参考書を紹介します。

【おすすめの参考書①】マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)

(引用元:Amazon.co.jp)

価格(税込み)
2,420円
調査日
2023年1月27日

TCP/IP解説書の決定版! 時代の変化によるトピックを加え内容を刷新!
本書は、ベストセラーの『マスタリングTCP/IP 入門編』を時代の変化に即したトピックを加え、内容を刷新した第6版として発行するものです。豊富な脚注と図版・イラストを用いたわかりやすい解説により、TCP/IPの基本をしっかりと学ぶことができます。プロトコル、インターネット、ネットワークについての理解を深める最初の一歩として活用ください。

(引用元:Amazon.co.jp)

ネットワークスペシャリストの入門書として、欠かせない一冊です。

初心者にも読みやすい内容で、イラストや図などが豊富に使用されています。

特に詳しく説明されているのが、TCP/IPの仕組みについてです。

資格試験だけでなくネットワークの仕組みを、基本から勉強したいエンジニアにも読まれています。

ネットワークについて網羅的に書かれているので、資格勉強の辞書としても最適です。

またネットワークスペシャリストは難しい試験で、問題文を理解するにも一苦労します。

本書を手元に置いておけば、理解の手助けをしてくれるでしょう。

【おすすめの参考書②】徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書 令和6年度

(引用元:Amazon.co.jp)

価格(税込み)
3,058円
調査日
2023年1月27日

ネットワークの基礎から午後対策まで一冊で学べるNWテキスト&問題集の決定版!

本書は、情報処理技術者試験全区分を制覇しているベテラン講師の著者が、専用AIを導入して近年の出題傾向を徹底分析し、試験合格に必要な知識をまとめた、ネスペ(NW)対策のテキスト&問題集です。

情報の新しさにこだわり、昔の技術よりも「現在使われている技術」を優先。
特に、近年ネットワークの現場で重要性がますます高まり、出題頻度の高い情報セキュリティ技術についても、重点的に解説しています。

(引用元:Amazon.co.jp)

本書の最大の特徴は「スモールステップ方式」を採用しているところです。

丁寧な解説と例題を繰り返し、知識の定着へとつなげていきます。

「Amazon.co.jp」で本書を検索していただくと、試し読みができるので、気になる方は確認してみてください。

またネットワークスペシャリスト試験に特化した参考書なので、合格するための特典が多いのもポイントです。

例えば「スマホで学べる単語帳ウェブアプリ」が無料で使え、通勤・通学などのスキマ時間に、スマホでサクッと学習が可能です。

短時間でも回数を積み重ね、知識を定着させましょう。

「令和元年度~平成23年度の過去問解説」「令和3年度の過去問解説」を活用して、実力アップを図ることもおすすめです。

【おすすめの参考書③】ネスペR3 – 本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説

(引用元:Amazon.co.jp)

価格(税込み)
2,728円
調査日
2023年1月27日

ネスペ午後I・午後II対策の定番書!
午後対策の定番書『ネスペ』シリーズの令和3年度試験版。ネットワークスペシャリスト試験の「午後I・午後II」に的を絞って徹底的に分析し、取り組み方を解説します。令和3年度の試験では、RSTP、OSPF、BGP、優先制御に関する、これまでにない深いところが問われました。これらの技術の基礎についても解説するとともに、問題文で問われている深い内容についても丁寧に説明し、理解を促します。本書を読み込むことで、答えを導き出す思考プロセスや解答の組み立て方がよくわかり、正答以外がなぜ間違っているかも納得でき、「真の実力」が身に付きます。

(引用元:Amazon.co.jp)

「午後Ⅰ・午後Ⅱ試験対策」で、悩んでいる方におすすめです。

本書を含めた通称「ネスペ」シリーズは、合否を大きく左右する午後の試験に特化しています。

知識を得られるだけではなく、午後の試験で点数を稼ぐための勉強に役立ちます。

例えば午後の試験は記述式のため、いかに部分点を取るかがポイントです。

本書では、実際の合格者による復元解答を使い、1点でも多く部分点を取る方法が学べます

また「正答のみの解説」で終わらせず、誤答についても「なんで間違っているのか」を教えてくれるので理解が深まります。

午後の試験を徹底的に攻略できるのが、本書の特徴です。

ネットワークスペシャリスト試験を過去問で勉強する

ネットワークスペシャリスト試験を受験するにあたって、過去問を解くことはマストです。

自分の実力を測り、問題の傾向をつかんでいきましょう。

公式サイトでも10年以上の過去問を、無料で確認が可能です。

また「出題趣旨」や「採点講評」を確認できます。

試験を作成している側から、直接「こんな意図があって出題してます」と教えてもらえる重要な情報です。

出題者側の狙いがわかり、問題の傾向が掴めてきます。

過去問を解き、メリットを最大限に引き出すには、適切な「過去問サイト」や「参考書」を選ばなければなりません。

問題をより多く、繰り返し解きたい方は、公式サイト「情報処理推進機構」の過去問を利用してみてください。

量ではなく質にこだわりたい方は、紹介した「ネスペ」シリーズがおすすめです。

「1回分の試験」を「1冊の参考書」にまとめているので、より深く理解できるでしょう。

無料の公式サイトで「気になる年度の過去問」をチェックし、それからネスペシリーズを買うと、効率的に勉強することができます。

ネットワークスペシャリスト試験を通信講座で勉強する

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

ネットワークスペシャリスト試験は、IT国家試験の中でも最難関レベルであり、独学では不安だと思っている方もいます。

そのような方には、通信講座がおすすめです。

「資格の学校TAC」では初学者はもちろんのこと、学習経験者を対象にしたコースもあるので、あなたに適した講座を選べます。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

今回は、スタンダードコースである「NW本科生」を参考に紹介します。

ちなみに「NW」は「ネットワークスペシャリスト」の略称です。

まずは、カリキュラムを確認してみましょう。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

4月の試験に向けて、11月に開講します。

学習期間として約6ヶ月を設けてあり、ステップアップしながら学んでいくスケジュールです。

カリキュラムは、以下の内容でした。

カリキュラム 内容
①午前Ⅰ対策 出題されやすいテーマを中心に学びます
②専門知識対策講義 インプット中心
技術的・専門的知識をマスターします
③専門知識対策演習 アウトプット中心
演習問題を繰り返し、実践力の強化を図ります
④公開模試 本試験と同じ形式で模擬試験を行います
⑤公開模試解説 公開模試の解説を行い、専任講師より合格の秘訣が伝授されます

(参考:資格の学校TAC公式HP)

「①午前Ⅰ対策」では、高度試験における基礎を学びます。

ネットワークスペシャリスト試験(レベル4)よりも、ワンランク下の応用情報技術者試験(レベル3)の内容です。

次に「②専門知識対策講義」と「③専門知識対策演習」で、ネットワークスペシャリスト試験に特化した内容を学習します。

試験の区分でいうと、特に難しいとされる「午後の試験」を攻略するためのステップです。

「講義」と「演習」を繰り返し反復することで、実力アップが見込めます。

最後に「④公開模試」と「⑤公開模試解説」で、合格に向けての総仕上げをして終了です。

より実践に近い形で出題されるので、本番の予行演習ができます。

ネットワークスペシャリストの専任講師による、受験年度の試験に合わせた解説付きです。

各回150分で組まれており、講義ごとに専用の教材を使います。

(引用元:資格の学校TAC公式HP)

教材には、DVDが含まれる場合があります。

「DVD通信講座」と「Web通信講座」の2タイプがあるためです。

前者の場合に、DVD教材も送られてきます。

2タイプの違いを見てみましょう。

項目 DVD通信講座 Web通信講座
受講料金(税込み) 85,000円 75,000円
特徴
  • ライブ講義の迫力を再現
  • 何度でも繰り返し学習が可能
  • 講義映像を手元に置いておける
  • スマホやタブレットに対応
  • いつでも、どこでも動画視聴できる
  • 高速再生できる
  • アプリで動画のダウンロードができる

(参考:資格の学校TAC公式HP)

通信講座では動画視聴が何度でも可能なので、理解できるまでとことん学習できます

また通信講座の受講生は生の教室講義に参加できるため、他受験生と切磋琢磨しながらの勉強が可能です。

他にも「質問フォロー」や「音声ダウンロード」など、多くのサポートを準備しています。

詳細が気になる方は、公式HPをご覧ください。

資格の学校TACのHPで講座の詳細を確認する

ネットワークスペシャリスト試験の詳細

ネットワークスペシャリスト試験の詳細
  • ネットワークスペシャリスト試験の概要
  • ネットワークスペシャリスト試験の内容

ネットワークスペシャリスト試験は、年に1回実施されます。

受験資格は設けられておらず、誰でも受験が可能です。

しかし団体での申し込みができないため、個人で申し込むことを忘れないように注意しましょう。

また午後試験の難易度は特に高く、午前試験の突破者が半分以上も合格を逃してしまいます。

午後試験は記述式がメインであるため、万全な対策が求められます。

ネットワークスペシャリスト試験の概要

調査項目 概要
申し込み方法 インターネット申し込みのみ
受験資格 なし
受験料(税込み) 7,500円
受験票の発送 試験日の約2~3週間前
試験会場 受験票で確認
返金対応 なし
合格発表 6月下旬ごろ
合格証書 合格発表から約2週間後に発送
主催 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

(参考:情報処理推進機構公式HP)

2024年4月時点の試験概要です。

申し込みは「インターネットのみ」で、個人のみという条件でした。

団体での申し込みはできないので、会社など複数人で受験する場合にも、必ず個人で申し込むことを忘れないようにしましょう。

申し込みに関しては制限がありましたが、受験資格には制限がありません。

年齢も国籍も関係ありませんので、誰でも受験することができます。

障がい者の方に対しても特別措置があるので、気になる方はこちらからご確認ください。

また気になる試験会場ですが、こちらは選択することができません。

ただし、試験地域は選択可能です。

選択した地域から会場が指定されるので、そちらで受験します。

試験会場は、試験日の約2~3週間前に発送される受験票で確認可能です。

公式の試験概要については、こちらからも確認できます。

ネットワークスペシャリスト試験の内容

ネットワークスペシャリスト試験の内容
  • 【午前Ⅰ】試験内容について
  • 【午前Ⅱ】試験内容について
  • 【午後Ⅰ】試験内容について
  • 【午後Ⅱ】試験内容について
午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式 記述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
出題数:25問
解答数:25問
出題数:3問
解答数:2問
出題数:2問
解答数:1問

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

ネットワークスペシャリスト試験は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の4試験から構成されています。

各試験100点満点中、基準点である60点以上を取ると合格です。

出題形式は「午前が選択式」「午後が記述式」で、午後の試験が特に難しく、合否を大きく左右します。

午後の問題数は少ないですが、問題文の読解に苦労する人もいるようです。

最難関の午後Ⅱ試験では、10ページに渡って問題文が続いたりします。

解答のポイントを押さえ、事前に対策しておくことが大事です。

合格に向け、それぞれの試験について詳しく見てみましょう。

【午前Ⅰ】試験内容について

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

上の表では、試験ごとの「出題範囲」と「レベル」を知ることができます。

午前Ⅰ試験の内容にフォーカスして、以下の表にまとめました。

出題分野 試験区分
基本情報
技術者
応用情報
技術者
午前Ⅰ 午後Ⅱ
テクノロジ系 レベル2 レベル3 レベル3
レベル4
マネジメント系
ストラテジ系

(参考:情報処理推進機構公式HP)

午前Ⅰ試験の勉強は「広く浅く」を意識すると良いでしょう。

もちろん、分からないところは解説を読み、理解に努めた方がいいです。

しかし、1つの問題に時間をかけすぎるのは、得策ではありません。

午前Ⅰ試験範囲は、応用情報技術者試験と全く同じです。

広い範囲から出題されるので、網羅的に学習する必要があります。

出題範囲は広いですが、レベルは3と少しやさしく、専門性を深く追求されることはありません。

「出題範囲の広さ」と「レベルが少しやさしい」ことから、午前Ⅰ試験はバランスよく、網羅的に勉強していくと効率が良いです。

また、午前Ⅰ試験には「免除制度」という大きな特徴があります。

高度試験及び支援士試験の午前Ⅰ試験については,次の(1)~(3)のいずれかを満たすことによって,その後 2 年間受験を免除する。
(1)応用情報技術者試験に合格する。
(2)いずれかの高度試験又は支援士試験に合格する。
(3)いずれかの高度試験又は支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る。

(引用元:情報処理推進機構公式HP)

午前Ⅰ試験の免除対象者は、IT系国家資格の「レベル3の合格者」と「レベル4の午前Ⅰ合格者」です。

「応用情報技術者試験に合格する」か「高度試験及び支援士試験のどれかで午前Ⅰ試験に合格する」と、免除制度が適用されます。

他の試験に不合格でも午前Ⅰ試験に合格していれば、次回の試験は免除制度の適用範囲です。

レベル3とレベル4の資格試験は、以下の表をご覧ください。

レベル 資格
3 応用情報技術者
4 ITストラテジスト
システムアーキテクト
プロジェクトマネージャ
ネットワーク
スペシャリスト
データベース
スペシャリスト
エンベデッドシステム
スペシャリスト
ITサービスマネージャ
システム監査技術者
情報処理安全確保支援士

(参考:情報処理推進機構公式HP)

レベル4の資格は全部で9つあります。

「レベル4の合格者」のメリットは、合格から2年間「レベル4の午前Ⅰ試験」が免除されることです。

例えば「ネットワークスペシャリスト試験」に合格し、2年以内に「ITストラテジスト試験」を受験するとします。

すると「ITストラテジストの午前Ⅰ試験」が免除され、受験の必要がありません。

午前Ⅰ試験が免除されると、他3つの試験に集中できるので、負担を減らして受験したい方にはおすすめです。

【午前Ⅱ】試験内容について

午前Ⅱ試験は、出題分野に大きな偏りがあります。

ネットワークスペシャリストはその試験の名に違わず、午前Ⅱの問題はネットワーク分野が15問前後、セキュリティ分野が6問前後と、全25問の出題のうちネットワークとセキュリティ分野を合わせると80%以上を占めているのが大きな特徴です。

(引用元:ネットビジョンアカデミー公式HP)

出題分野 配点割合
ネットワーク 84%
セキュリティ
その他 16%

(参考:ネットビジョンアカデミー公式HP)

上の表では、午前Ⅱ試験の出題分野と配点割合の関係をまとめました。

なんと「ネットワーク」と「セキュリティ」の分野で80%以上を占めています。

全25問中ネットワークが約15問、セキュリティが約6問、その他が約4問です。

午前Ⅱ試験は、ネットワーク・セキュリティの2分野を中心に勉強すると、効率的な試験対策ができます。

【午後Ⅰ】試験内容について

午後Ⅰの試験は記述式です。

午前の選択式試験にくらべ難しく、多くの人が勉強に苦労しています。

左門至峰さんは自身のブログで、午後Ⅰ試験の注意点として以下の内容を挙げています。

ちなみに左門至峰さんは、ネットワークスペシャリスト試験の参考書「ネスペ」シリーズの作者です。

書き方には最新の注意を払う。
・この試験では、内容を理解すると同時に、それをアウトプットする力が必要です。(SIerとして重要なコミュニケーション能力の一部です。)
・不合格の原因の一つが適切な文章が書けないことです。実際に書いて練習することで、力がつきます。いきなり答えを見てしまうと、この力はつきません。
・模範解答は洗練されています。自分の答案と模範解答がなぜ違うのかを徹底的に理解しましょう。

(引用元:ネットワークスペシャリスト – SE娘の剣 -)

引用文中の「SIer(エスアイヤー)」とは、システム開発を請け負う企業のことを意味します。

SIerとして顧客に説明したり、エンジニアと連携を図る際に「表現力が必要」です。

表現力は、午後Ⅰ試験でも問われます。

問題文の内容が理解できても、文章の書き方に問題があれば、点数を稼ぐことができません。

実際に演習問題や過去問を解く際に、いきなり答えを見るのではなく、自分の力で書き出してみることがポイントです。

公式サイト「情報処理推進機構」の過去問では、出題趣旨を確認することができます。

出題趣旨や模範解答と自身の解答を見比べ、文章の書き方に問題がないかチェックしましょう。

【午後Ⅱ】試験内容について

午後Ⅱ試験も記述式で、ネットワークについての知識が豊富であることはもちろん、長文読解力文章の書き方の能力も必要です。

左門至峰さんのブログでは、午後Ⅱ試験の対策についても記載がありました。

(1)の基礎知識は絶対に重要である。しかし、試験で問われる知識は、「基礎中の基礎」である。さらに、午後Ⅱに限ると「更に基礎」が問われる。それほど大変な勉強ではない。

(2)の解答導出力は、テクニックがあるので、それを伝授したい。私も某社の模擬試験を作成して分かったが、解答は問題文中に埋め込まれている。それを見つければ、おのずと答えは出てくる。後日ゆっくり説明する。

(3)の文章能力は、多少の訓練が必要だ。訓練といっても、過去問を3年分ほど練習すれば十分である。悪い答案と良い答案を比較しながら説明するので、よく読んで欲しい。(詳細は後日)

(引用元:ネットワークスペシャリスト – SE娘の剣 -)

(1)基礎知識・(2)解答導出力・(3)文章能力について解説しています。

全体を通してわかることは、インプットよりアウトプットに力を入れて勉強した方が良いということです。

ある程度のインプットが完了したら、問題演習に取りかかりましょう。

問題文の中に解答のヒントが含まれており、ヒントを上手に見つけることが合格のカギです。

基礎知識と解答導出力を身につけたら、過去問を解いて文章能力を鍛えます。

ご自身の解答と模範解答を見くらべ、約3年分の過去問を答え合わせすると、模範解答のパターンが見えてくるでしょう。

解答パターンを把握し、出題側が求める文章のカタチに当てはめると、点数を獲得しやすいです。

午後Ⅱ試験の攻略ポイントは、以下の順序にまとめられます。

①基礎知識を固め、②文章中からヒントを見つけ出し、③解答パターンに沿って記述する、という流れです。

ネットワークスペシャリストを取得しても意味ない?メリットは?

ネットワークスペシャリストを取得しても意味ない?メリットは?
  • ネットワークスペシャリストは、年収アップにつながる
  • ネットワークスペシャリストは、転職・就職で有利になる
  • ネットワークスペシャリストは、責任感のあるポジションで活躍できる
  • ネットワークスペシャリストは、国家資格の一部免除がある

インフラ系エンジニアとして活躍するために、ネットワークスペシャリストの資格取得を考えている方は多いです。

資格取得をすると、年収アップ・キャリアアップにつながるメリットがあります。

またネットワークスペシャリストは、別の国家資格試験において、一部免除が認められている魅力ある資格です。

ネットワークスペシャリストは、年収アップにつながる

ネットワークスペシャリストの資格保有者は、年収アップが見込めます。

IT系国家資格の中でも最難関レベルであり、資格保有者は貴重な人材です。

では、年収にどのくらいの影響を与えるのでしょうか?

「ネットワークスペシャリスト」「ITエンジニア全体」「日本国民全体」の平均年収をまとめました。

比較対象 平均年収 参考サイト
ネットワーク
スペシャリスト
600~800万円 レバテックキャリア
ITエンジニア全体 493万円 求人ボックス
日本国民全体 443万円 国税庁

ITエンジニア全体の平均年収は、日本国民全体にくらべ50万円高く、年収において優位性が見て取れます。

ITエンジニアの中でも、ネットワークスペシャリストに焦点を当ててみると、さらに年収アップしていることがわかりました。

ITエンジニア全体と比較した場合、ネットワークスペシャリストは、100万円以上も高い年収を得ています。

エンジニアとしてのスキルがある方の中にはエンジニアの副業で収益を上げている方も多いです。

また「マイナビAGENT」では、以下のような記載がありました。

官公庁システムの開発案件の場合、国家資格保有者の数が入札条件になる場合があります。
そのため、企業ではネットワークスペシャリスト試験の合格者数を重視する傾向があるようです。
ネットワークスペシャリスト試験合格者に対して、資格手当や合格時に取得一時金を与えるといった企業もあります。

(引用元:マイナビAGENT公式HP)

官公庁(国や地方公共団体)の案件では、入札の条件となるため、ネットワークスペシャリストの資格が役に立ちます。

なぜなら官公庁の案件は、大きな金額が動くためです。

官公庁の案件は実績としてもわかりやすく、企業側からは「受けたい仕事の1つ」として捉えられています。

よって入札に参加するため、企業はネットワークスペシャリストの確保が必須です。

ネットワークスペシャリストは需要が高いので、資格手当や取得時の一時金を準備している企業もあり年収アップにつながります。

ネットワークスペシャリストは、転職・就職で有利になる

上記で記載した通り、ネットワークスペシャリストは需要が高い資格のため、転職・就職で非常に役立ちます。

需要の高まりに対する供給が追い付かない売り手有利の転職市場が形成されており、ネットワークエンジニアの平均年収はアプリケーションエンジニアよりも高額になる傾向があります。

(引用元:IT求人ナビ公式HP)

ITエンジニアが不足している中、ネットワークスペシャリストのようなインフラ系エンジニアは特に需要が高いです。

よって、ネットワークスペシャリストに有利な転職環境が整っています。

合格率が約14%と低く、年に1度しかない資格試験のため、資格保有者が急増するとは考えにくい現状です。

当分の間、ネットワークスペシャリストの転職市場における優位性は、担保されると考えていいでしょう。

また「マイナビAGENT」にも、転職・就職に関する解説がありました。

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアとしての就職・転職だけでなく、IT系職種全般で有利になるでしょう。
それは、他の応募者よりも深い知識と高い学習意欲を示すことができるためです。
特に、新卒や第二新卒でネットワークスペシャリスト試験に合格している人は非常に少ないため、就職活動にも有利です。

(引用元:マイナビAGENT公式HP)

転職で有利に働くのはもちろん、新卒・第二新卒の方にはさらに大きなメリットがあります。

ネットワークスペシャリストの「合格者の平均年齢」は34歳でした。

つまり新卒や第二新卒の方で、ネットワークスペシャリストの資格保有者は少ないということが分かります。

資格保有者が少ないので無資格のライバル達よりも重宝され、ネットワーク分野の専門的知識を証明することができます。

ネットワークスペシャリストは、責任感のあるポジションで活躍できる

ネットワークスペシャリストはエンジニアの中で、トッププレーヤーであるとともに後進の育成も求められます。

必然的に責任感のあるポジションを、任される機会が多いです。

IT業界の転職エージェント「Geekly」でも、ネットワークスペシャリストは以下のように紹介されていました。

ネットワークを構築していくためには多くの人と関わって仕事をしていく必要があります。

ネットワークスペシャリストはマネージャーやリーダーといった責任ある立場になることも多いです。

そのため一緒に仕事をするメンバーへの分かりやすい指示や、改善点を話し合うなどのマネジメント能力も必要になってきます。

(引用元:ギークリーメディア公式HP)

上記ではマネジメント能力が必要だと、説明されています。

設計や構築などの上流工程を、チームのトップとして指導・指揮していく機会が増えていくためです。

キャリアアップしたいエンジニアが、ネットワークスペシャリストを目指すため、受験するパターンも見受けられます。

また上司や部下・取引先などの人間関係を良好にすることも、大事なポイントです。

責任感のあるポジションを目指すと同時に、コミュニケーション能力も磨いていきましょう。

ネットワークスペシャリストは、国家資格の一部免除がある

ネットワークスペシャリスト資格の専門性は、他の職種でも応用可能です。

実際に、別の国家資格を受験するにあたり、一部免除が認められています。

総合エンジニアリング業の大手「アイテック」では、一部免除について以下のように解説しています。

国家試験等の一部免除、公的制度の応募資格・募集条件など

情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の合格者は、他の国家試験(中小企業診断士試験、弁理士試験、技術士試験)、ITコーディネータ試験の一部免除が受けられます。
※最新の情報、詳細につきましては、各試験のホームページ等でご確認ください。

(引用元:アイテック公式HP)

ネットワークスペシャリストは、情報処理技術者に含まれます。

資格に合格すると「3つの国家資格」「経済産業省推進資格のITコーディネータ」で、試験の一部免除が可能です。

さらに試験ごとにどの科目が、免除対象かを調べました。

一部免除になる試験 免除科目 参考サイト
中小企業診断士試験 経営情報システム 一般社団法人
中小企業診断協会
弁理士試験 理工Ⅴ(情報) 特許庁
技術士試験 情報工学部門 公益社団法人
日本技術士会
ITコーディネータ試験 情報系問題 特定非営利活動法人
ITコーディネータ協会

例えば「ITコーディネータ試験」では、全100問中40問に当たる選択問題部分が免除されます。

(引用元:ITコーディネータ協会公式HP)

(引用元:ITコーディネータ協会公式HP)

通常試験 一部免除の試験
問題数 100問 60問
試験時間 120分 80分
受験料(税込み) 19,800円 9,900円

(参考:ITコーディネータ協会公式HP)

問題数が減るので、試験時間は通常試験が120分に対し、一部免除の試験は80分と40分短縮されていました。

受験料も通常試験が19,800円(税込み)に対し、一部免除の試験は9,900円(税込み)で受験できます。

約1万円のコストカットが可能です。

以上のように、ネットワークスペシャリスト試験に合格すると、他試験の免除メリットが受けられます。

「一部免除になる試験」に興味がある方は、免除制度を是非ご活用ください。

ネットワークスペシャリストと相性がいい資格とは?

ネットワークスペシャリストと相性がいい資格とは?
  • CCIE
  • 応用情報技術者

「CCIE」と「応用情報技術者」は、ネットワークスペシャリストと相性がいい資格です。

ちなみにネットワークスペシャリスト資格は、日本国内のネットワーク分野において、トップクラスの知識を持っていると証明できます。

しかし、世界に目を向けた場合はどうでしょうか?

世界ではCCIEという資格が、国家資格のネットワークスペシャリストよりも注目されています。

ネットワークスペシャリストとCCIEをどちらも取得することで、日本国内でも海外でも活躍することができます。

さらにもう1つ、ネットワークスペシャリストと相性抜群な資格が応用情報技術者です。

応用情報技術者はネットワークスペシャリストの受験前に、取得することをおすすめします。

CCIE

CCIEはシスコシステムズ社が認定しており、外資系企業や海外で活躍するために役立つ資格です。

「マイナビAGENT」が運営する「アンドエンジニア」では、CCIEを以下のように紹介しています。

シスコの資格は世界が認めた資格であり、そのスキル証明は海外や外国企業でも有効です。そうしたことから、シスコ技術者認定資格の最高峰、CCIEの将来性は引き続き高いと断言できます。
CCNAやCCNPの取得を目指すエンジニアの皆さんは、ぜひ将来目標としてCCIE取得を見据えてください。また、CCIE取得には英語力が欠かせないため、英語力を身に付ける事も併せて目標にしましょう。皆さんのご健闘を祈ります。

(引用元:アンドエンジニア公式HP)

CCIEはシスコ技術者認定資格で、最も難しい試験です。

ネットワークスペシャリストと同じレベル4として、位置づけられています。

CCIEもネットワークスペシャリストも、ネットワーク分野で最高峰の資格です。

日本企業でネットワークスペシャリストとして活躍する人が、更なるキャリアアップのために、CCIEを取得するケースもあります。

ネットワークスペシャリストは日本国内で活躍する資格、CCIEは世界の舞台で活躍する資格です。

2つの資格による差は、平均年収からも見て取れます。

各種企業の求人等からCCIE取得者の年収は630万円~990万円となっています。
年齢幅は20代~60代までと、ほぼ全世代にCCIE取得者が分布しており、外資系企業に在籍している20代のCCIE取得者には1,000万円プレイヤーもいます。

(引用元:アンドエンジニア公式HP)

資格 平均年収
CCIE 630~990万円
ネットワークスペシャリスト 600~800万円

(参考:アンドエンジニア公式HP・レバテックキャリア公式HP

参考値ですが最大で190万円も、CCIEの平均年収が高いとわかりました。

ネットワークスペシャリストが英語を駆使し、世界で認めてもらうための資格がCCIEです。

日本から世界へ羽ばたくために、CCIEはネットワークスペシャリストと相性が良い資格といえるでしょう。

応用情報技術者

応用情報技術者はIT系国家資格の中で、レベル3と設定されています。

レベル4であるネットワークスペシャリストより、ワンランク下の資格です。

よって応用情報技術者試験に合格したら、ネットワークスペシャリストなどの高度情報技術者試験に挑戦することをおすすめします。

応用情報技術者試験の合格者は、ネットワークスペシャリスト試験の午前Ⅰ試験を免除されるためです。

試験免除を受け、お得にネットワークスペシャリスト試験を合格すると、より活躍できる仕事の機会が得られます。

応用情報技術者試験も合格率の低い国家資格ですが、応用情報技術者試験と同じ情報処理技術者試験の中には、より難易度の高い高度試験と呼ばれる試験があります。応用情報技術者試験に合格した場合は、難関な高度試験にも挑戦すると良いでしょう。

高度試験である「ネットワークスペシャリスト試験」や「プロジェクトマネージャ試験」などに合格すれば、今よりも更に高い評価を得られるようになります。取得することは簡単ではありませんが、リターンも大きいため挑戦する価値はあるでしょう。

(引用元:Midworks公式HP)

上記は、IT系フリーランスエンジニアを専門にエージェントサービスを行っている「Midworks」で、解説されていた内容です。

応用情報技術者(レベル3)とネットワークスペシャリスト(レベル4)では評価が変わり、役割や年収などにも差が出てきます。

資格 役割 平均年収
応用情報技術者 独力で業務ができる 500~700万円
ネットワーク
スペシャリスト
専門家として活躍し、下位者を指導できる 600~800万円

(参考:Midworks公式HP・レバテックキャリア公式HP・経済産業省公式HP

個人で完結する能力が求められる応用情報技術者に対し、ネットワークスペシャリストはチームのまとめ役を任されます。

平均年収でも約100万円程の差です。

ネットワークスペシャリストを目標としてステップアップするために、応用情報技術者の資格は相性が良いといえるでしょう。

ネットワークスペシャリストの難易度に関するQ&A

ネットワークスペシャリストの難易度に関するよくある質問
  • ネットワークスペシャリストのすごさとは?
  • ネットワークスペシャリストは、希少価値があると聞いたが本当なのか?
  • ネットワークスペシャリストのおすすめ勉強サイトが知りたい
  • ネットワークスペシャリストの求人は、本当にあるのか?
  • ネットワークスペシャリストの参考書地雷ってどういうこと?

では「ネットワークスペシャリストの難易度に関するよくある質問」にお答えします。

ネットワークスペシャリストのすごさとは?

ITのエンジニア求人を行っている「PASONA」では、ネットワークスペシャリストのことを、以下のように紹介しています。

ネットワークスペシャリストはネットワークに関する幅広く深い知識が求められますが、資格取得を通して得た知識や技能は、総合的なマネジメントに応用できます。また、大手SIerは官公庁案件に携わる機会も多く、入札条件に資格所有者が必要であることからも取得する意味があるといえるでしょう。

このような背景から、SIerやマネジメント職・コンサルタント職への就職・転職時にもネットワークスペシャリストは活用でき、役立てられる機会が多く存在します。

(引用元:PASONA公式HP)

上記よりネットワークスペシャリストのすごさを、3点挙げることができます。

1つ目は、マネジメント職で活躍できることです。

ネットワークエンジニアとして、トップレベルの知識と技能があることを資格で証明できます。

そこで期待されているのが、チームのまとめ役です。

部下の育成をしたり、仕事の割り振りを考えたりします。

2つ目は、コンサルタント職で活躍できることです。

ネットワークスペシャリストの立場から、経営課題を見つけ改善のアドバイスをします。

エンジニアの枠を超えた、戦略家としての仕事を行います。

3つ目は、官公庁の案件に関われることです。

官公庁案件の入札では、ネットワークスペシャリスト資格保有者の有無を問うことがあります。

よって一般のネットワークエンジニアにくらべ、官公庁とのお付き合いが増えます。

案件単価が高く、国家資格としての信頼も評価ポイントです。

ネットワークスペシャリストは、希少価値があると聞いたが本当なのか?

IT業界の就職支援をしている「Acro vision」では、以下のように解説しています。

高度な知識と技術を持ったネットワークスペシャリストは、IT関連業界のみならず、あらゆる産業において必要な人材として求められています。また、その試験の難易度から合格する人が少なく、希少価値が高い資格といえます。

そのため、獲得しようとする企業の提示する年収が、高額になっているのではないかと考えられます。

(引用元:Acro vision公式HP)

試験の合格率が低いため難易度が高く、結果的に希少価値が高まっていると考察されています。

本記事でもネットワークスペシャリスト試験の難易度について、解説してきました。

試験の難易度について簡単におさらいして、希少価値との関係性を見てみましょう。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度
  • IT系国家資格で最難関レベル
  • 合格率は約14%
  • 勉強時間は6~12ヶ月
試験の難易度については、こちらで詳しく解説しています。

ネットワークスペシャリストは年に1回の試験で、合格率も14%程度と高いハードル設定です。

IT国家資格でも最難関とされる、レベル4に位置づけされています。

勉強時間はエンジニアをしている方が勉強して、6~12ヶ月と長期間かけて取り組まなければなりません。

以上よりネットワークスペシャリスト試験の難易度は高く、それゆえ希少価値が高まっているといえます。

ネットワークスペシャリストのおすすめ勉強サイトが知りたい

(引用元:3 Minutes Networking)

「3分間ネットワーキング」がおすすめです。

ネットワークに関する全81回の講義を、無料で見ることができます。

サイト名の通り3分間で理解できるように、会話形式で楽しく学習することが可能です。

インター博士とネット助手の2人が、テンポよくわかりやすく解説してくれます。

難しい用語などは解説がついているので、初心者の方も是非ご覧ください。

ネットワークスペシャリストの求人は、本当にあるのか?

ネットワークスペシャリストの求人はあります。

(引用元:レバテック公式HP)

今回はIT求人サイトの「レバテック」より、実際にあった求人を紹介します。

募集項目はインフラエンジニアで、推定年収は900~1,200万円と高水準です。

ちなみにインフラエンジニアには、ネットワークスペシャリストも含まれます。

では実際に、ネットワークスペシャリストの資格は必要なのでしょうか?

(引用元:レバテック公式HP)

必須条件で大事な部分を抜粋し、表にまとめました。

項目 必須条件
経験 大規模企業(1,000人以上)での情報セキュリティマネジメント、ネットワーク管理
資格 ネットワークスペシャリストなどの情報処理関連資格

(参考:レバテック公式HP)

情報処理関連資格が必要になり具体的な資格名として、ネットワークスペシャリストの記載があります。

必須の経験でも、大企業のネットワーク管理を行った実績が必要です。

ITの求人サイトは豊富で、上記以外の求人もたくさんあります。

気になる方は、条件にネットワークスペシャリストインフラエンジニアなどと入力して、探してみてください。

ネットワークスペシャリストの参考書地雷ってどういうこと?

ネットワークスペシャリストの参考書地雷について調べたところ、わくわくスタディワールドで関連記事を見つけました。

わくわくスタディワールドでは、情報処理技術者試験に関する教材の作成・販売を行っています。

「この本をやってもほとんど合格に近づかない」といういわゆる地雷本が多いのも,ネットワークスペシャリスト試験の参考書の特徴です。

(引用元:わくわくスタディワールド公式HP)

ネットワークスペシャリスト試験の参考書は、慎重に選ぶ必要があるという内容です。

ネットワークスペシャリスト試験は専門的知識が必要な上に、出題範囲が広いため、万人におすすめできる教材がありません。

人によって、役に立つ参考書が異なるためです。

例えば午前Ⅰ試験対策がしたい人は、応用情報技術者試験の参考書を使って、網羅的に勉強する。

午前Ⅱ試験対策がしたい人は、ネットワークセキュリティの分野を中心とした参考書で勉強する、などです。

だれでも、これだけで合格できる」といった参考書はありません。

あなたにフィットしていない参考書では、合格に近づくことができず、そのような参考書が地雷扱いされています。

情報収集をしてから、慎重に参考書を選ぶことが大事です。

おすすめの参考書は、こちらをご覧ください。

まとめ:ネットワークスペシャリストの難易度は?

項目 詳細
レベル 4
(IT系国家資格で最高峰)
合格率 14%程度
勉強期間 6~12ヶ月
難しい理由
  • 全4試験の合格が必要
  • 午後の試験が最難関
  • 合格平均年齢が34歳

当記事で調査した難易度を、上の表で簡単にまとめました。

ネットワークスペシャリスト試験は、IT系国家資格で「最も難しいレベル4」です。

よって、レベル1~3の資格に合格してから、最終的に本資格の取得を目指す方もいます。

そこで気になるのが、なぜネットワークスペシャリスト試験が難しいのか?

難しい理由は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の4試験全てに、合格しなければならないためです。

午前の試験は選択式で得点しやすいですが、午後の試験は記述式で問題のレベルが上がります。

特に午後Ⅱ試験が難しく「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ」の合格者が、半分以上も基準点に届きません。

結果的に合格率14%程度で、取得が困難な資格と位置づけられています。

専門的な知識が必要なため、多くの受験者がエンジニア経験者であり、初学者が独学で合格するにはハードルが高い資格です。

もちろん独学で合格する方もいますが、情報収集やスケジューリングなど、面倒な過程を乗り越えなければなりません。

この煩わしさは通信講座を利用し、解決することができます。

ネットワークスペシャリスト試験の通信講座には、資格の学校TACがおすすめです。

詳しくは、こちらをご覧ください。

資格の学校TACのHPで講座の詳細を確認する

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

コメント

コメントする

目次