食生活アドバイザーとは?仕事や管理栄養士との違いと独学・合格率について紹介

「食生活アドバイザーってどんな仕事をするの?」

「そもそも食生活アドバイザーってどんな資格?」

食生活アドバイザーについて、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

1999年から始まった食生活アドバイザー検定は、食生活に関する一定の知識を得ているとして、現在食品関連企業や医療・介護関係施設などで注目を集めています。

この記事では、食生活アドバイザー仕事内容や年収、また管理栄養士とはどのような違いがあるのかについても解説します。

食生活アドバイザーについての仕事のイメージが湧くと共に、資格を取るまでの流れもわかりますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

食生活アドバイザーとは?

 

(引用元:ユーキャン公式サイト)

食生活アドバイザーとは、食生活全体をあらゆる角度から捉え、正しい知識のもとに健康的な生活を送るための助言や指導を行うスペシャリストです。

単に「食」だけにフォーカスせず、ときには普段の生活習慣や心の状態などを的確に把握し、アプローチの仕方を提案します。

近年、生活習慣病や過度な痩身志向などにより、健康的な生活がより重要視されています。

令和4年度の食育に関する調査では、「食育に関する関心があるか」という質問に対し以下のような結果となりました。

食育への関心に関するアンケート

(引用元:食育に関する意識調査報告書 農林水産省)

上記の表によると、実に79.6%の方が食育に関して「関心がある」と回答しており、「関心がない」とする19.5%の意見を大幅に上回っているのが分かります。

「食」への意識が高まる中、身近な生活の中から食生活を見直し人生全体をより良くしていこうとする資格である、食生活アドバイザーの活躍の場が広がりつつあります。

食生活アドバイザー資格はなぜ生まれたのか?

流通技術や食品加工技術が発展する一方で、バランスの悪い食生活や手軽さにフォーカスした食事などから生活習慣病などが増える中、食に対する意識が徐々に高まってきています。

これらの背景を受けて、食生活アドバイザーは1999年から資格試験がスタートしました。

2005年7月に制定された「食育基本法」では、ライフスタイルが変化する中でも、食育を総合的かつ計画的に進めていくことを推進しています。

これにより、民間でも食育に関する取り組みが活発になり、食生活アドバイザーの育成の後押しとなっています。

食生活アドバイザーの仕事内容や年収は?

食生活アドバイザーの仕事内容や年収は?
  • 食生活全般に関して、多角的で適切なアドバイスをする
  • 具体的な内容は、就業する場所によって変わる
  • 年収はおおよそ290~400万円程度と予想される

食生活アドバイザーの仕事は、健康的な生活を送るために、食生活という観点からその方にとって最適なアドバイスを行います。

また、どんな職種に就くかで異なりますが、おおよそ290~400万円程度と予想されます。

では、食生活アドバイザーの仕事内容と年収について、詳しく解説しましょう。

食生活アドバイザーの仕事内容

食生活アドバイザーは、健康的な生活を送るために食生活のアドバイスや提案などを行い、基本的な生活習慣から心の健康まで総合的にサポートしていく仕事です。

具体的な仕事内容は勤務する業種や職場によって変わりますが、例えば食品関連会社の営業職やや販売員なら、学んだ知識を使って商品を勧めることで説得力が増すでしょう。

また、ホームヘルパーなら実際に利用者宅に伺って調理を行うので、健康を意識した食事の提供が可能です。

食生活アドバイザーには、この資格を取ることでできるようになる独占業務はありませんが、食生活について人にアドバイスできる知識がつきます。

そのほか、ネットに出回るたくさんの食や健康に関する情報についてもきちんと精査し、正しい情報の提供や発信も大切な仕事です。

食生活アドバイザーの年収

食生活アドバイザーの年収は、仕事内容と同じく、どの職種に就くかによって変わります

販売員や営業職、幼稚園や学校の給食調理、介護職など食生活アドバイザーの知識が求められる職業はさまざまです。

食品メーカーや飲食店、小売業や学校、病院や介護現場など、食生活アドバイザー(R)の資格で身につけた知識は多様な現場で役立ちます。

食に関わる多くの企業で資格取得が推奨され、資格手当がついたり昇進昇級につながることも。

(引用元:ユーキャン公式サイト)

上記のように、食生活アドバイザーは幅広い業界で生かすことができ、食を扱う企業や教育機関、福祉分野などで資格取得を推奨する動きがあるほか、資格手当が付くところもあります。

まずは、食生活アドバイザーの知識を生かせる各業界の年収調査結果を見てみましょう。

業種 平均年収(全体) 平均年収(男女別)
営業-食品/消費財メーカー 404万円
  • 男性:425万円
  • 女性:360万円
店長/販売スタッフ 327万円
  • 男性:361万円
  • 女性:296万円
福祉/介護関連 336万円
  • 男性:365万円
  • 女性:315万円

(引用元:doda 平均年収ランキング)

表について、男女問わず比較すると、最低の平均年収が296万円で最高年収が425万円となっています

職種によって大きな差がありますが、上記を参考に年収を想定しておくといいでしょう。

次に食生活アドバイザーの資格手当がある企業の求人をご紹介します。

(引用元:求人ボックス)

これは、実際の食品関連会社のバイヤー業務スタッフの求人ですが、資格手当の中に「食生活アドバイザー2、3級:6,000円」と記載されています。

このように、資格手当がある企業へ入社ができれば、年収アップが期待できるでしょう。

食生活アドバイザーに必要な能力とやりがい

食生活アドバイザーに必要な能力
  • 食生活や健康について、情報を収集し精査する能力
  • 知識や情報に基づいて、相手に合った提案や助言をおこなう能力
食生活アドバイザーがやりがいを感じるとき
  • 感謝の言葉を聞くことができる
  • 誰かの役に立てているという実感が持てる

食生活アドバイザーに必要な能力は、人間にとって大切な食や生活に関しての正しい知識や情報を収集し、それを基に提案や助言をする力です。

また、やりがいについては、感謝してもらえたり誰かの役に立てているという実感を持てるところでしょう。

求められる能力

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

食生活全般について語ることができる資格と人材がいま、社会で求められています。

  • 生活そのものを丸ごと見つめ直すこと
  • 心身の健康を維持・増進すること
  • 氾濫する情報に流されることなく、的確な情報をセレクト
  • 生活者一人ひとりが問題を発見し、自分で考え、行動できるようにお手伝い

(一部抜粋)

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

食生活アドバイザーは、生活そのものを見つめ直し、心身の健康を維持・増進するために的確な情報を提供すると共に、生活者がそれぞれに自分で考えて行動できるようお手伝いをしていきます。

食生活アドバイザーに求められるのは、食や健康に関しての正しい知識をもとに、その方に合った食生活について誰にでもわかりやすい言葉で伝えられる能力です。

これを前提として、健康な生活を実現するために「食と生活」という観点からアプローチをおこないます。

また、ネット上に溢れる真偽不明の情報や健康法などについても、アンテナを張り情報を精査して正しく伝えられるスキルが求められます。

食生活アドバイザーのやりがい

(引用元:ユーキャン公式サイト)

食生活アドバイザーの知識は、仕事や日常生活のいたるところで生かせるものです。

(引用元:農林水産省)

上記は、農林水産省が行った食育に関する意識調査の結果ですが、75.4%の方が健康な食生活を心掛けていると回答しています。

このように食への関心が高まる中、健康と食生活について一定に知識を有している食生活アドバイザーの資格は食に関わる仕事だけでなく、家庭での調理や家族の健康管理にも役立てることが可能です。

仕事でもプライベートでも、生活スタイルや年齢、食習慣などに応じたその方に合った適切な支援ができると、非常に感謝されます。

誰かの役に立てているという自己有用感は、「やりがい」として仕事を続けていくうえでの原動力となるでしょう。

食生活アドバイザー資格を生かせる仕事

食生活アドバイザー資格を生かせる仕事
  • 食品関連会社にて、販売員や営業職など
  • 保育士や幼稚園教諭、調理員など
  • 介護職員、ホームヘルパーなど
  • 料理教室の講師やライターなど個人での仕事もできる

食生活アドバイザーは、食品関連会社や教育機関、医療や介護分野などさまざまな仕事で生かせます

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

食を扱う仕事や人の健康や生活を支える仕事で、資格取得の際に学んだ知識が役立つでしょう。

どんな仕事で役立つのか、具体的に説明します。

食品関連会社

(引用元:ユーキャン公式サイト)

食生活アドバイザーは、食品を扱う企業で評価されやすい資格です

販売員や営業職など、取り扱う食品について消費者の立場に立ってきちんと説明やアピールができるというスキルが求められます。

資格があれば、実際に商品を勧める際にも説得力が増すでしょう。

企業の中には、食品アドバイザーの資格手当が付くところもありますので、給与のアップにつなげられます。

教育機関

(引用元:ユーキャン公式サイト)

教育機関の仕事の中でも、幼稚園教諭や教員などは保護者からの相談事を受けることもあり、食生活アドバイザーの知識が大いに役立ちます

成長していく子供たちの心身の健康を守るためには、食生活はとても大切なものです。

また食育として、栄養バランスや食事の大切さやマナーなどを伝えていくことも可能です。

そのほか、栄養士や給食調理員として働く場合もプラスになりますし、保育士の方にも役立つことでしょう。

医療・介護分野

(引用元:ユーキャン公式サイト)

医療や介護分野に関わる仕事は、健康と密接に関わっており、その点で食生活アドバイザー知識を生かせます。

看護師や介護職員などは、病気の方や高齢の方との関わりの中で、食事や生活習慣の話題になることも多く、その際に的確なアドバイスができると信頼関係も築きやすくなるでしょう。

特に、ホームヘルパーは家事援助で調理を行うことが良くあります。

食生活アドバイザーの資格を持つことで、個別の悩みや症状に応じた献立を作成することもできるので、広い視点からのサポートが可能です。

独立開業できる可能性も

あまり多い事例ではありませんが、元々持ってる自分の強みと食生活アドバイザーの資格を生かすことで、独立開業できる可能性もあります。

ここでは、2つの例についてご紹介しましょう。

料理教室

食生活アドバイザーを生かして、料理教室や食育やマナーにフォーカスを当てた講座など、食に関するイベントを開催することも可能です。

例えば、スポーツインストラクターの経験があればスポーツをする方に向けての料理教室ができますし、子育て経験などがあれば、子育て世代を対象とした教室などもできます。

食生活アドバイザーは世代を問わず役立てられるので、今あるスキルと合わせることで可能性が大きく広がるでしょう。

在宅ワークも可能!食品関係のライター

「在宅ワークを中心にしたい」という方には、食品関係のライターとして活躍する道もあります

クラウドソーシングサイトでは、献立を考えたり、節約レシピの記事なども募集していることがあります。

そのほか、ダイエットや食に関連したビジネスの記事を募集していることもありますので、文章を書くのが得意な方で在宅ワークを希望する方は挑戦してみるのもいいかもしれません。

食生活アドバイザーと管理栄養士の違い

食生活アドバイザー 管理栄養士
資格グレード 民間資格 国家資格
受験資格 特になし ・4年制の管理栄養士課程を卒業

・栄養士取得後実務経験必要(1~3年)

試験科目 栄養と健康、食品学、衛生管理、食マーケットなど 基礎・応用栄養学、栄養教育論、食べ物と健康など
仕事内容 健康的な生活を送れるように食生活を中心にアドバイスや提案をおこなう 健康な方やさまざまな理由から食事摂取に困難がある方などへの栄養指導や管理などをおこなう

食生活アドバイザーと管理栄養士には、民間資格と国家資格という大きな違いがあります。

また、食生活アドバイザーは受験資格の制限はありませんが、管理栄養士は養成施設を経て国家試験に合格する必要があります。

そのほか、試験科目や仕事内容にも違いがありますので、詳しく見ていきましょう。

民間資格と国家資格という違いがある

食生活アドバイザーは、一般社団法人FLAネットワーク協会が実施している検定で、民間資格です

一方、管理栄養士は厚生労働大臣が認定する資格で、受験資格を満たした上で国家試験に合格する必要があります

食生活アドバイザーと管理栄養士では、資格グレードという点で明確な違いがありますが、食への関心が高まる中で、どちらも人の役に立つことのできる資格です。

受験資格

食生活アドバイザーの受験資格は特に定められておらず、年齢も学歴も関係なくどなたでも受験することが可能です。

一方、管理栄養士は4年制の管理栄養士課程を卒業するか、栄養士の養成校を経て栄養士免許を取り、実務経験を積む必要があります。

(引用元:一般社団法人  全国栄養士養成施設協会)

栄養士としての実務経験は養成校の年数に応じて1~3年となり、栄養士養成課程実務経験を合わせて5年間で受験資格を得られます。

いずれにおいても、受験資格を満たし管理栄養士の国家試験を受け、合格しなければなりません。

受験資格から見ても、管理栄養士は食のプロとして、より実践的な資格であるといえます。

試験科目

食生活アドバイザーと管理栄養士は、試験科目でも違いがあります。

食生活アドバイザーの試験科目は栄養と健康、食文化と食習慣、食品学、衛生管理、食マーケット、社会生活です。

食育を意識し、健康的な生活を送るために食生活からアプローチするための知識を体系的に学び、アドバイザーとして活躍するために設けられた試験内容です

管理栄養士は、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、基礎栄養学、応用栄養学、臨床栄養学、公衆栄養学、栄養教育論などより専門的な分野を問われます。

管理栄養士は病気の方などに合わせた栄養指導や栄養管理なども業務として行うため、栄養学以外にも疾病に関しての理解が必要です。

仕事内容

食生活アドバイザーと管理栄養士は同じく食を扱う資格ですが、情報提供をおこなうアドバイザーとしての役割と、専門家として食の指導や管理をする役割という違いがあります。

食生活アドバイザーは基本的に食に関する情報を提供しながら健康をサポートするため、実際に食事を管理するわけでありません。

あくまでもアドバイザーであり、サポーターという役割に徹します

管理栄養士は、特定給食施設(病院、福祉施設、介護保険施設など)では配置基準が定められている場合があり、それを満たすと必ず配置しなければならないと決まっています。

病気や高齢などのために食を取ることが困難な方のための栄養指導や栄養管理なども重要な業務で、より専門的であり実践的な仕事が多いでしょう。

ダブルライセンスで仕事に関する視野が広がる

ライフサイクルに合わせた食習慣を、広い視点から提案できる食生活アドバイザーは、管理栄養士と組み合わせることで提供できる情報やサービスが広がります

食生活アドバイザーと管理栄養士では、試験範囲でも一部違いがあり、管理栄養士では学ばない分野もあります。

以下は、食生活アドバイザーと管理栄養士の具体的な試験内容です。

食生活アドバイザー 管理栄養士
試験科目 (2級・3級共通)

  • 栄養と健康(栄養、病気予防、ダイエット、運動、休養など)
  • 食文化と食習慣(行事食、旬、マナー、配膳、調理、献立など)
  • 食品学(食材、加工食品、有機食品、食品表示、安全性、環境問題など)
  • 衛生管理(食中毒、衛生管理、予防、食品化学など)
  • 食マーケット(流通、物流、外食、メニューメイキング、食品販売など)
  • 社会生活(消費経済、生活環境、消費者問題、IT社会、関連法規など)
  • 社会・環境と健康
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
  • 食べ物と健康
  • 基礎栄養学
  • 応用栄養学
  • 栄養教育論
  • 臨床栄養学
  • 公衆栄養学
  • 給食経営管理論

上の表を見ると、管理栄養士は主に疾病や給食に関して栄養指導や管理を行う目的で試験科目が構成されています。

一方、食生活アドバイザーは食品に関する基礎知識や流通、食品販売などの知識を学んで、一般の方に幅広く食生活のアドバイスをするための試験内容です。

このことから、食生活アドバイザーと管理栄養士ではできる仕事が異なる部分があることが分かります。

食生活アドバイザーと管理栄養士、それぞれの強みを生かすことで病院や教育関連施設以外にも営業職や販売員としても力を発揮できるなど、視野が広がるでしょう。

食のプロとしていろんな挑戦がしたい方には特に、ダブルライセンスがおすすめです。

食生活アドバイザーは就職に有利?それとも無駄?

食生活アドバイザーは就職に有利か?無駄か?
  • 食に関する職種では評価される資格であり、知識は無駄にならない
  • 就職に生かしたい場合は、ビジネスを視野に入れた学習ができる、2級の取得がおすすめ

食生活アドバイザーは、食に関する職種への就職や転職で、その知識や向上心を評価され有利に働く場合があります

取得に関し「無駄」という声も聞かれますが、そんなことはありません。

就職や転職などでアピールしたい場合は、ビジネスを視野に入れて学ぶ2級を取得することでより印象が良くなるでしょう。

食生活アドバイザーは無駄じゃない!

食生活アドバイザーをインターネット上で検索すると、「無駄な資格」だといわれていることがあります。

確かに、食生活アドバイザーは民間資格であり、取得したからと言っても直接仕事に結びつくものではありません。

しかし、栄養や健康、食品学や衛生管理について学んだことをアピールできれば、自分の自信にもつながりますし、相手にその向上心は伝わるはずです。

食生活アドバイザーを闇雲に取得すると「無駄な資格」として眠ってしまうかもしれませんが、将来に対するビジョンや目標があって取得する場合、決して無駄にはならないでしょう。

食生活アドバイザーは職種によって評価される資格

食生活アドバイザーは、食品関連企業で取得を推奨していたり、資格手当が出る企業もあるなど、職種によってきちんと評価を受けられます

また介護業界では、特にホームヘルパーは高齢者や障害のある方のお宅に伺って、生活援助として調理を行うことも多くあります。

その際に食生活アドバイザーで知識があれば、健康やその方の食習慣などを総合的に判断したメニューの提供ができ、重宝されるでしょう。

食に関する知識はあらゆる分野の仕事で役立ちますので、自ら積極的にアピールすることが大切です。

食生活アドバイザーを仕事で生かすなら2級の取得がおすすめ

食生活アドバイザーには、2級と3級がありますが、履歴書に記載し資格としてアピールする場合、2級の取得がおすすめです。

3級は消費者目線での知識が多く、自分自身で実生活に生かす内容となっています。

一方、2級はビジネスで生かす前提他者に情報を提供をすることも視野に入れられており、アドバイスに関する知識なども学べます

このことから、食生活アドバイザーを生かして仕事がしたい場合は、2級を取得する方がいいでしょう。

食生活アドバイザーは人生全般で生かせる資格

食生活アドバイザーは、食生活を人生という大きな枠で捉え、健康的でクオリティの高い生活を送るために自分やほかの誰かをサポートをしていく資格です。

就職や転職でもアピールすることのできる資格ですが、単に、食に興味があるという場合も大いにプラスになります。

「食べる」ということは「生きる」ということであり、食生活を中心に健康的な生活の仕方を学ぶということは生き方の一つの方法を学ぶのと同じです。

食生活アドバイザー資格の知識は、より良い人生を生きるためのツールとして使うことができるので、生涯を通して役立つ資格といえるでしょう。

食生活アドバイザー試験の概要

食生活アドバイザーは一般社団法人FLAネットワーク協が実施しており、試験は年2回実施されています。

2級と3級で科目は同じですが、2級では選択問題に加えて記述問題が入るので難易度が上がるのが特徴です。

受験するまでの流れは一般的な試験と同様、申し込み後に受験票を受け取り、試験に臨む形です。

試験の概要

実施団体 一般社団法人FLAネットワーク協会
受験資格 年齢・国籍問わずどなたでもOK
出題科目 (2級・3級共通)

  • 栄養と健康(栄養、病気予防、ダイエット、運動、休養など)
  • 食文化と食習慣(行事食、旬、マナー、配膳、調理、献立など)
  • 食品学(食材、加工食品、有機食品、食品表示、安全性、環境問題など)
  • 衛生管理(食中毒、衛生管理、予防、食品化学など)
  • 食マーケット(流通、物流、外食、メニューメイキング、食品販売など)
  • 社会生活(消費経済、生活環境、消費者問題、IT社会、関連法規など)
出題形式 3級理論問題:選択問題(マークシート式)

2級理論問題:選択問題(マークシート式)/記述式問題(筆記形式)

試験日程 毎年6月と11月
試験会場 札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡
試験レベル 3級 60点以上(100点満点)

2級 合計点数74点以上(123点満点)

受験料 2級 8,000円

3級 5,500円

2級・3級併願 13,500円

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会

食生活アドバイザーの試験は、特に受験資格はなく、毎年6月と11月の2回実施されています。

試験科目は2級・3級と同じで、栄養から消費者問題に至るまで幅広く出題されていますが、問われる知識の深さや出題形式が変わります。

そのほかの試験の概要についても、以下で詳しく見ていきましょう。

実施団体

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

食生活アドバイザーの実施団体は、一般社団法人FLAネットワーク協会です。

主に、食や健康に関する検定事業や研修、研究や情報事業を行っています。

FLAネットワーク協会は、ライフスタイルを自ら創造し、実践できる人材を育てることを目的として作られました。

食生活アドバイザーに関しても、これからの時代に必要な「個」を尊重し、食へのそれぞれのこだわりなども取り入れつつ、広い視野で食生活へのアドバイスができる人材を育成しています。

試験日と合格発表日

食生活アドバイザーの試験は、毎年6月の最終日曜日と11月の第4日曜日の年2回開催されています。

また、合格発表はいずれも約1ヶ月後です

2級と3級の違い

2級と3級は科目は同じですが、試験の内容が異なります。

3級は消費者目線での学習が中心ですが、2級ではビジネスよりの踏み込んだ内容になり、他者にアドバイスができるところまで学びます。

また、各受験料は以下の通りです。(いずれも税込み)

  • 3級:5,500円
  • 2級:8,000円
  • 2級・3級併願:13,500円

そのほか、試験時間は3級は10時30分~、2級は13時30分~となっています。

出題形式

食生活アドバイザーの試験は、選択問題になっており、こちらも2級と3級で違いがあります。

3級は5肢択一で、選択問題のみですが、2級は6肢択一の選択問題に加えて記述問題が追加されます。

この記述問題は、テキストに記載されていることはもちろん、ニュースでそのときに取り上げられていた内容も含まれるのが特徴です。

特に自分たちの生活に関わるニュースについてはチェックするなどして、暗記に頼らない学習をするようにしましょう。

合格率

食生活アドバイザーの合格率は、3級で65%程度、2級で35%程度です。

合格ラインは、3級が100点満点中60点以上、2級が123点満点中74点以上(記述問題含む)となっています。

2級では出題形式が変わり、暗記だけでは難しくなるため、十分な試験対策です。

実際に受験するまでの流れ

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

実際に食生活アドバイザーの受験をするためには、一般社団法人FLAネットワーク協会の公式HPから申し込む必要があります。

申込手順は、願書請求→願書が送られてくる→必要事項の記入と受験料の支払い→受験票の受取り→受験です。

食生活アドバイザー試験の申し込みから、受験までの流れと注意点について解説します。

願書請求

一般社団法人FLAネットワーク協会の公式HPから願書を請求すると、食生活アドバイザー検定事務局から願書が送られてきます。

このとき、願書の取り寄せ期間はあらかじめ決まっているので注意して下さい。

また電話での申し込みは受け付けておらず、HPからの請求以外に取り寄せられる方法はないので、間違えないようにしましょう。

必要事項の記入と受験料支払い

願書が届いたら、必要事項を記入し、郵便局またはゆうちょ銀行で受験料を振り込みます。

この願書は、一般的な写真を貼ったりするような願書ではなく、払い込み用紙です。

送られてきた封筒に記載されている自分の登録番号や名前など、記載例に従って書いて払い込みます。

事務局で払い込みの確認が済むと、願書請求の際に登録した自分の情報と登録番号が紐づくので、これで受験申し込みの手続きは完了です。

受験票の受取り

検定試験日の6日前までに、受験票が送られてきます。

こちらの受験票には、試験会場の地図も記載されていますので、きちんと確認しておきましょう。

試験会場で受験する

指定された試験会場で受験します。

受験票を忘れると受験ができなくなってしまいますので、気をつけましょう。

食生活アドバイザーの試験は3級は暗記が中心で、2級は暗記と共に思考力も試されます。

前日は睡眠時間をしっかりとって、試験に臨むようにしてください。

食生活アドバイザーの勉強方法

食生活アドバイザーの勉強方法
  • 3級はテキストの暗記を中心にし、2級はテキストと過去問題集を解く
  • 食生活アドバイザーは独学でも合格できるが、範囲が広いため大変
  • 通信教育だと効率的に学習できる

食生活アドバイザーは、3級と2級で勉強方法が異なります。

3級はひねりがない問題が多いため、テキストをとにかく暗記することが大切です。

2級は問題の難易度が一気に上がるので、テキストのほかに問題集をやる必要があります。

独学でも合格は可能ですが、特に2級は範囲も広く記述問題もあるため、網羅的に学習するといいでしょう。

この点、通信講座では試験範囲を効率的に学習できるので、忙しい中でも的確にポイントを押さえられます。

2級と3級で勉強方法に違いはある?

2級が65%、3級が35%という合格率からも分かる通り、3級と2級では難易度が変わります

3級は基本的な問題が多いため、公式テキストの内容をしっかり暗記しましょう。

2級は難易度が一気に上がることから、公式テキストのほかに過去問も解いておくことで、試験問題への対策がしやすくなり、結果的に合格が近づきやすくなるでしょう。

食生活アドバイザーは独学で合格できる?

食生活アドバイザーは、市販の公式テキストで合格可能です。

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

【改訂版[公式]食生活アドバイザー®テキスト&問題集】

  • 3級:定価 1,980円(税込み)
  • 2級:定価 2,310円(税込み)

 

 

3級は公式テキストの暗記が効果的なので、太字になっている箇所をしっかり暗記するようにし、テキストについている問題も覚えるまで解くようにしてください。

2級は、試験範囲は3級と同じですが問題の傾向が変わり、より深い内容を問われます。

公式テキストにも問題が付いていますが、2級はこれ以外にも過去問題集を解いておくことで出題傾向が分かり、学習のポイントが掴みやすくなるでしょう。

ただし、過去の試験問題に関しては一般的な書店などでは販売されておらず、一般社団法人FLAネットワーク協会の公式サイトで購入できます。

受験の申し込みが完了してから購入可能となりますので、忘れないようにしましょう。

また、記述問題の対策として、日々のニュースや時事問題などの情報もしっかり頭に入れておくようにしてください。

通信講座で効率的に学ぶ

食生活アドバイザーの試験範囲は広く、3級2級で問われる問題の深さが異なるなど、きちんと試験対策をしなければ合格は難しい試験です。

仕事をしながら、家事育児をしながらなど、社会人が忙しい毎日の中で合格するためには、通信講座で学習すると効率的に学べるため、大変便利です

以下に、それぞれ特徴の違う講座をご紹介します。

一般社団法人FLAネットワーク協会 合格講座

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

一般社団法人FLAネットワーク協会の合格講座では、2日間で3級と2級のダブル受験が目指せる完結する通学コースと、1日で2級の試験内容をカバーする速習コースがあります。

講座費用(教材費は別)
通学コース
  • 2級:30,000円(税込み)
速習コース
  • 2級:20,000円(税込み)
  • 3級:13,000円(税込み)

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

受講料は通学コースは2級のみで30,000円(税込み)、速習コースは2級が20,000円(税込み)と3級は13,000円(税込み)です。

いずれも、テキストは事前に別途購入する必要がありますので、気をつけましょう。

また、各コースの合格率は以下の通りです。

通学コース 速習コース
2級 78.4% 69.0%
3級 81.4%

(引用元:一般社団法人FLAネットワーク協会)

こちらの講座で学習することで、通学コースでは2級で78.4%、速習コースは3級で81.4%、2級は69.0%と確かな実績があります。

講座の日数も1~2日で完結し、合格率も高いことから、短期で知識を習得したい方におすすめです。

FLAネットワーク協会の合格講座の詳細を見る

ユーキャン 食生活アドバイザー®講座

(引用元:ユーキャン公式サイト)

ユーキャンの食生活アドバイザー®講座は、4か月でじっくり勉強を進めるタイプの講座で、「毎日忙しく勉強時間がまとまって取れない」という方におすすめです。

女優の仲里依紗さんや佐々木希さんが、ユーキャンで食生活アドバイザー試験に合格したことでも話題になりました。

標準学習期間は4か月で、充実したサポート体制がありスマホを使ってゲーム感覚で勉強を進めることができるので、細切れの時間でも効率的な学習が可能です。

一括払いは、39,000円、分割払いは39,600円で受講可能です。

上記の費用には、1日3回までの質問対応や添削3回(各級模擬試験含む)も含まれています

万が一、4か月で学習が終わらなくても、受講開始から12か月は指導が受けられるようになっていますので、ご安心ください。

ユーキャンの食生活アドバイザー講座の詳細を見る

食生活アドバイザーに関するよくある質問

食生活アドバイザーに関するよくある質問
  • 質問1:食生活アドバイザーを取得するメリットは?
  • 質問2:食生活アドバイザーとトレーナー系の職種との相性は?
  • 質問3:食生活アドバイザーを取得するまでの勉強時間は?
  • 質問4:食生活アドバイザーに1級はある?
  • 質問5:食生活アドバイザーの難易度は?

最後に、食生活アドバイザーについて、よくある質問を見てみましょう。

食生活アドバイザーを取得するメリットは?

食生活アドバイザーを取得するメリットは以下の通りです。

  • 食生活全般に対して知識が付く
  • 資格手当が出る場合があったり、就職転職に有利になる
  • 「栄養」を意識した献立が立てられるようになる
  • 知識を生かしてアドバイスができるようになる
  • 栄養士や管理栄養士、介護関連資格、教育関連資格などとのダブルライセンスでレベルアップが図れる
  • 一度取得すると生涯有効

食生活アドバイザーには受験資格がなく、誰でも受験できるのが魅力であり、取得することでたくさんのメリットがあります。

仕事だけでなく、日常生活でも健康な生活を支えてくれるものなので、取得することで生涯役に立つ資格となるでしょう。

食生活アドバイザーとトレーナー系の職種との相性は?

ダイエットトレーナーやパーソナルトレーナーなど、お客様をトータルでサポートしながらなりたい姿を叶えるお手伝いをするのがトレーナー系の仕事です。

これらは食事と密接なかかわりがあり、運動だけでなく、食事面のサポートやアドバイスが大変重要です。

食生活アドバイザーは受験資格がなく、誰でも食に対する知識を得られる点で、トレーナー系の職種と大変相性の良い資格であるといえます

食生活アドバイザーを取得するまでの勉強時間は?

(引用元:ユーキャン公式サイト)

当講座の1日の学習時間は30分~1時間でOK!

(引用元:ユーキャン公式サイト)

ユーキャン公式サイトでは、1日の学習時間は30分~1時間程度と記載されています。

ユーキャンの食生活アドバイザー通信講座は、標準期間が4ヶ月とされていますので、取得するまでの学習時間は、約60~120時間程度であると予想されます。

ただし、独学の場合はポイントが事前に絞られていない形で学習を行うので、場合によってはもう少し時間がかかる可能性もあるでしょう。

食生活アドバイザーに1級はある?

食生活アドバイザーに1級はありません。

試験は2級と3級のみです。

食生活アドバイザーの難易度は?

食生活アドバイザーの合格率は、2022年1月試験で3級65%、2級で35%ですが、2級の合格率はそのときによって変動し40%台となることもあります。

3級が65%程度、2級でも30~40%程度と考えると、食生活アドバイザー試験の難易度はそれほど高くないといえるでしょう。

まとめ:食生活アドバイザーの仕事とは?

食生活アドバイザーの資格は、食や健康に対する意識が高まる中、今後さらに注目を集めるでしょう。

主な仕事内容は、健康的な生活を送るために食生活という観点から食生活についてアドバイスを行うことです。

この資格を取ってできる独占業務はありませんが、さまざまな職業と相性が良く食品関連会社や教育機関、医療・介護関係などで生かせます。

現在は食生活アドバイザーの資格者を優遇しているところや、資格手当を支給してくれる企業なども出てきています。

この記事では、その他に食生活アドバイザーと管理栄養士の違いや、試験の概要、勉強法なども詳しく解説しました。

独学でも資格取得はできますが、忙しい社会人の方が受験する場合はコツコツと効率的に勉強でき、サポート体制の手厚い通信講座を選ぶとより合格に近づきやすくなるでしょう。

ユーキャンの食生活アドバイザー講座の詳細を見る

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この記事を書いた人

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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