【2024年最新】一級建築士試験に独学で合格は無理?おすすめのテキストや勉強法を徹底解説!

「一級建築士は独学で合格できる?」

「一級建築士を独学で勉強するためにはどうしたら良い?」

一級建築士の資格を目指している方の中には、こんな疑問を持っている方も多いでしょう。

合格率約10%といわれる一級建築士は、難関資格とされており、本当に独学で合格できるのか不安になってしまいます。

そんな方のために、この記事では一級建築士は独学でも合格できるのか、合格するためのおすすめテキストや勉強法、試験の概要や試験対策に関するよくある質問まで徹底的に解説していきます。

一級建築士試験を勉強する方法として通信講座もおすすめです。

こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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目次

建築士とは?

建築士とは?
・建築士の資格の種類
・一級建築士を取得する3つのメリット

建築士とは、建築士法に定められた資格を持ち、家やビル、病院や公共施設などの設計を行う人のことです。

設計だけでなく、建物工事の指導監督や建築物の鑑定を行うのも建築士の仕事です。

建築士には一級建築士・二級建築士・木造建築士の3種類があり、設計や工事監理できる範囲がそれぞれ違います。

ここでは、よく比較される一級建築士と二級建築士の違いと一級建築士の資格を取得するメリットをご紹介します。

一級建築士と二級建築士の違い

一級建築士と二級建築士では、設計や工事監理できる建物の規模や構造が違います。

二級建築士が設計・工事監理できるもの

二級建築士が設計や工事監理できる建物は、以下のように法律で定められています。

建物の構造 木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造(学校や病院などの公共施設は、延べ面積500㎡以下のもの)
木工建築物の規模 高さ13m以下かつ軒の高さが9m以下、2・3階では延べ面積1,000㎡以下
木造以外の建物の規模 高さ13m以下かつ軒の高さが9m以下、延べ面積30~300㎡以内
その他の構造の建築物 延べ面積1,000㎡以下

(引用元:公益財団法人建物技術教育普及センター)

簡単にいうと、二級建築士が設計や工事監理できるものは、戸建住宅ほどの規模の建物になります。

戸建住宅の設計以外何もできないかというとそうでもなく、不動産会社で企画や調査などを行ったり、ゼネコンに就職し企画・設計部門で働いたり、工事管理の仕事をしたりと、二級建築士の仕事は多岐に渡ります。

一級建築士が設計・工事監理できるもの

二級建築士の上位資格にあたるのが、一級建築士の資格です。

二級建築士が設計・工事監理できるものには制限があるのに対し、一級建築士には制限がありません。

住宅やビルなど以外にも、大規模な商業施設や病院、モニュメントや競技場など、多くの人が利用する施設を設計することができます。

一級建築士を取得する3つのメリット

それでは、一級建築士を取得するメリットを3つご紹介していきます。

昇進や昇給が望める

一級建築士を取得することにより、資格手当がついたり、昇進できる可能性があり、収入をアップさせることができます。

求人情報サイトを見ると、一級建築士の資格保有者は全体的に給与が高い傾向がありました。

給与以外にも資格手当がついたり、新たに一級建築士を取得した人に対し200万円のお祝い金を出す会社もありましたよ。

S社 T社 R社 A工務店
月給30〜50万円 月給25〜60万円 資格手当5万円 一級建築士資格取得者に200万円のお祝い金

さらに経験を積んでいけば、より高いレベルの企業に転職したり、独立することできるので、一級建築士は自分の努力次第でどんどん収入を上げていける資格と言えます。

施工主の信頼を得やすい

建築の知識がない人でも一級建築士という肩書には信頼を寄せます。

一級建築士の資格を持っているというだけで、社内外の人からの評価も自ずと上がります。

評価や信頼は、仕事の受注時に大きな影響を与えるため、一級建築士のメリットと言えるでしょう。

設計できる幅が広い

一級建築士には、設計できる建物の制限がありません。

住居やビルだけでなく、商業施設や競技場など、多くの人が訪れ記憶に残るような建物を設計するのも夢ではありません。

「建築に携わって大きな仕事をしたい」という目標を持っている方にとって、一級建築士の資格は必須です。

一級建築士は独学で合格できる?無理?

難関資格と言われる一級建築士ですが、独学で合格できます。

「一級建築士独学ブログ」というブログを運営されているいっきゅうさんという方は、独学3ヶ月で合格されていますし、macoさんという方も育児をしながら独学で合格されています。

しかし、試験範囲も広く、求められる知識も多いため、かなりの勉強量になることは覚悟しておきましょう。

また、製図に関しては、独学だと何が正解で、何が間違いなのかが分かりにくいため、知識がある人に指導してもらったほうが有利になることは間違いありません。

自分でスケジュールを立て、その通りに勉強を進めることができ、周りに指導してくれる人がいるという環境であれば、独学で合格を目指せるかもしれませんが、そうでない方は難しいでしょう。

一級建築士を独学で合格するために必要な勉強時間

一級建築士を独学で合格するのに必要な勉強時間を調査してみました。

調査したサイト 初学者 建築の知識がある方
オンライン資格講座スタディング 1000〜1500時間 700〜1000時間
資格の学校TAC 記載なし 学科500時間+製図200時間=計700時間

調査結果を見ると、最低でも700時間、初学者の場合だと1000〜1500時間も勉強時間が必要なことがわかりました。

建築についての知識の有無によって違いがありますが、どちらにしてもかなりの時間を勉強に費やさなければ、一級建築士に合格するのが難しいのがよく分かりますね。

例えば、1年で1000時間の勉強時間を確保するとなると、1日約3時間勉強しなくてはなりません。

仕事をされている場合だと、平日2時間、休日は5時間勉強にあてると、約1年で1000時間に到達する計算になります。

一級建築士の勉強はいつから始めればいい?

一級建築士の資格試験は、毎年1回、7月の第4日曜日に学科試験、10月の第2日曜日に設計製図試験が行われます。

それを踏まえ、初学者と建築の知識がある方に分けて、勉強開始時期について表にまとめていました。

初学者の方 建築の知識がある方
学科試験対策スタート 受験年度前年の4月頃 受験年度前年の8月頃
学科試験日 毎年7月の第4日曜日
製図試験対策スタート 学科試験が終わったら、すぐに開始
製図試験日 毎年10月の第2日曜日

大手予備校の総合資格学院の初学者向けコースは、受験年度の前年の4月から開講されるので、初めて受験するという方は、同じように春から勉強を始めて翌年の合格を目指すというスケジュールを立てると良いでしょう。

ある程度知識があり、学習期間を1年とした方は、夏休みなど時間がある時にスケジュールを立てたり、参考書を選んだりしながら勉強を開始し、翌年の合格を目指すというイメージを持つと良いかもしれません。

製図試験対策は、学科試験が終わってからの2ヶ月半が勝負になります。

一級建築士に独学で合格するための勉強方法

一級建築士は試験範囲が広いので、何から、どう勉強すればよいのか分からない方も多いですよね。

ここでは、効率的に勉強できる勉強方法を学科と製図に分けてご紹介します。

一級建築士に独学で合格するための学科試験の勉強方法

一級建築士に独学で合格するための学科試験の勉強方法
・スケジュールを立てる
・過去問を解く
・苦手科目をなくす

一級建築士の学科試験に独学で合格するための勉強方法をご紹介します。

スケジュールを立てる

一級建築士試験は、とにかく範囲が広いので、配点が多い科目から勉強していくのが鉄則です。

勉強する順番とその理由は、以下の表を参考にしてみてください。

科目 配点 理由
法規 30点 配点が高い。
法規集が持ち込めるので、満点も狙える。
構造 30点 配点が高い。
過去問からの出題が多い。
施工 25点 配点が2番目に高い。
法規と被る部分がある。
環境・設備 20点 過去問からの出題も多め。
計画 20点 暗記するものが多いので、試験前に覚えるのがベスト。

勉強する順番がわかったら、勉強開始から試験日までどのくらい時間があるのかを計算し、「いつからいつまでは法規」という形でスケジュールを立ててみましょう。

過去問を解く

難関資格と言われる一級建築士ですが、他の資格試験と同じく、過去問から出題されることも珍しくありません

大手予備校の総合資格学院がこんなデータを出しています。

【正答肢が初出題の出題数】

計画 環境・設備 法規 構造 施工 合計
令和3年 14問/20問中 8問/20問中 9問/30問中 6問/30問中 13問/25問中 50問/125問中
令和2年 8問/20問中 10問/20問中 5問/30問中 7問/30問中 11問/25問中 41問/125問中

(引用元:総合資格学院HP)

こちらの表は、初出題された問題を集計した表なので、上記以外は過去問から出題されてたことになります。

そう考えると、令和3年であれば75問が、令和2年度であれば84問が過去問から出題されたことになり、約6〜7割の問題が過去問から出題された計算になります。

ですので、テキストの内容をサラッと理解したら、どんどん過去問を解いていきましょう。

ただ、過去問さえ解けば合格できるということではありません。

間違えたところはテキストで確認し、理解した上で再度過去問を解くということを繰り返していくことで、知識の定着を図りましょう。

苦手科目をなくす

一級建築士の学科試験では、科目ごとに基準点が設けられており、1科目でも基準点に満たない科目があると不合格になります。

例えば、法規でいくら得点を取ろうと、計画の点数が基準点を下回ってしまうと、不合格になってしまいます。

そのため、苦手な科目は底上げしていくことが必要です。

一級建築士に独学で合格するための製図の勉強方法

次に、一級建築士の製図試験に独学で合格するための勉強方法をご紹介します。

一級建築士の製図試験に独学で合格するための勉強方法
・製図スピードを上げる
・課題文を正確に読む練習をする
・添削サービスを利用する

製図スピードを上げる

製図試験時間は6時間半ありますが、筆記やエスキスにも時間を割く必要があるため、製図にかけられる時間はあまり多くありません。

「一級建築士 製図試験 独習合格テキスト」というテキストでは、製図3時間・エスキス2時間・要点記述1時間・見直し30分という時間配分を推奨しています。

つまり、製図にかけられる時間は3時間しかなく、製図スピードを上げることが必須になります。

製図スピードを上げるためには、練習量を増やすしかありません。

予備校では筆記試験から製図試験までの期間に30枚は製図することを目標にしているので、3時間以内に描き上げることを心がけて、コツコツ練習していきましょう。

課題文を正確に読む練習をする

製図試験の課題文だけ読み込んでいくと課題文のパターンがわかってくるので、課題文を読む練習をしてみましょう。

課題文を正確に読み取れるようになると、各項目の重要度が判断できるようになってきます。

さらに、課題文の重要度が判断できると、エスキスに落とし込む際に、何を取り入れ、何を捨てるのかを判断できるようになります。

これがわからない限り、製図試験の合格は難しいと言えるでしょう。

添削サービスを利用する

いくら製図の練習をしても、そもそもそれが間違っていれば元も子もありません。

製図の自己採点は難しく、間違っていれば一生合格へは辿り着けません。

一級とるぞ.Netを使えば、無料で問題をダウンロードできるだけでなく、4,400円(税込)で添削をしてもらえます。

こういったサービスをうまく利用し、何が合格のポイントなのかを理解していくことが、合格への近道となります。

一級建築士に独学で合格を目指す方におすすめテキスト5選

一級建築士に独学で合格する勉強方法の他にも、テキスト選びで悩む方も多いと思います。

ここでは、学科試験に独学で合格された方が薦めていて、なおかつ、Amazonのレビューが高かったテキストをご紹介していきます。

一級建築士に独学で合格を目指す方におすすめテキスト5選
・一級建築士試験学科過去問スーパー7
・ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳
・一級建築士合格戦略 法規のウラ指導
・解き方を覚えて弱点克服! 一級建築士合格 構造力学
・一級建築士 製図試験 独習合格テキスト

1級建築士試験学科過去問スーパー7

(引用元:amazon)

建築・宅建専門資格スクール総合資格から出版されている過去問集です。

価格は3,850円(税込)です。

過去問7年分、875問を掲載していることに加え、オリジナルの解説も充実しており、正解だけでなく、なぜその他の選択肢が間違っているのかもしっかりと理解できる構成になっています。

また、他の過去問集に比べてサイズがコンパクトになっているため、持ち運びしやすいのも嬉しいポイントです。

ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳

一級建築士 テキスト

(引用元:amazon)

表紙に「独学の強い味方、学科試験はこれ1冊」と書いてある通り、独学者のために試験に出やすいポイントを絞った内容で効率よく学べるようになっています。

要点解説と問題がセットで1項目となっており、覚える・解く・確認する・解き直すの繰り返し学習できるようになっていて、知識が確実に定着します。

価格は3,520円(税込)です。

一級建築士合格戦略 法規のウラ指導

(引用元:amazon)

学科・製図試験対策の講習会などが人気のウラ指導ですが、こちらのテキストも高い評価を受けています。

価格は3,520円(税込)です。

一番配点が高い法規で得点を伸ばすことを主旨として編集されており、過去問20年分、約500問の知識を1問1答形式+計算問題図説+条文解説に分けて解説しています。

解き方を覚えて弱点克服! 一級建築士合格 構造力学

一級建築士 テキスト

(引用元:amazon)

構造力学の計算問題の解き方を機械的に覚えて合格点を狙うことを目的としているため、計算問題が苦手な人におすすめのテキストです。

価格は2,530円(税込)です。

一級建築士 製図試験 独習合格テキスト

(引用元:amazon)

課題文の読み込み」から「製図の完成」まで正解へのたどり着き方までの順番が丁寧に解説されていて、製図試験の全体像が掴めるこちらのテキストがおすすめです。

価格は4,950円(税込)です。

一級建築士に独学で合格を目指す方におすすめサイト3選

おすすめテキストの次に、一級建築士を独学で目指す方におすすめのサイトを3つご紹介します。

・建築士.com

建築士.com HP

(引用元:建築士.com)

こちらのサイトでは、過去問を実際に解くことができます。

パソコンだけでなく、スマホにも対応しているので、通勤時間などの隙間時間に活用するとよい勉強になるでしょう。

・井澤講師の勉強部屋

TAC ブログ

(引用元:TAC建築士講師ブログ)

資格の学校TACの講師である井澤講師が運営するブログですが、一見関係のない項目を関連づけて暗記する井澤式暗記法が暗記しやすいと評判です。

・ura410(ウラシドウ)物語

ウラ指導 ブログ

(引用元:ura410(ウラシドウ)物語)

学科・製図試験対策の講習会などをされている荘司さんのサイトです。

荘司さんの投稿以外にも、合格者の勉強法が多数掲載されているので、他の人がどんな勉強方法で合格したか気になる方はチェックしてみてください。

一級建築士試験を独学・通信・通学で勉強する場合の比較

ここまでは独学に関して勉強法などをご紹介してきましたが、一級建築士の試験対策には独学以外に、通信講座や予備校への通学などの選択肢もあります。

ここでは、独学・通信講座・予備校への通学、それぞれのメリット・デメリットを検証していきます。

一級建築士を独学で勉強するメリット・デメリット

一級建築士試験対策を独学でする1番のメリットは、費用を安いことです。

大手予備校へ通学する場合だと数十万円の費用がかかりますが、独学の場合、テキスト購入費だけで済むので費用を最小限に抑えることができます。

その他にも、自分のペースで学習できるので、仕事や家事と両立できるのもメリットと言えるでしょう。

しかし、試験までの長い道のりの中で、モチベーションを維持するのが難しかったり、スケジュール管理がうまくできなかったり、誰にも相談や質問ができないといったデメリットもあります。

高度な建築の知識を持った方が周りにいるのであれば独学でも問題ないかもしれませんが、そうでない場合は、通信講座や通学も検討してみるのも良いかもしれません。

一級建築士を通信で勉強するメリット・デメリット

一級建築士試験対策を通信講座で学ぶメリットは、自宅で予備校と同等のテキストを使って学習できることです。

大手予備校の通信講座では、予備校ならではの経験を活かし、試験範囲を合理的にまとめたオリジナル教材やWEB講義を提供しているため、予備校に通っているような感覚で勉強することができます。

また、隙間時間を利用しながら、スマホやPCだけで学習することもできますし、コースによってはサポート付きの場合もあるので、わからないところを質問したり、添削を受けたりできるのも通信講座の良いところです。

一方で、独学よりかは費用がかかってしまうことと、通学に比べるとサポートが薄いことがデメリットとなります。

費用がかかるといっても、スタディングや日建学院の通信講座の中には10万円前後で受講できるものあるので、独学では難しいと思っている方は検討する価値があるでしょう。

一級建築士を通学で勉強するメリット・デメリット

一級建築士試験対策を通学で学ぶメリットは、熟練講師の講義に参加できることと手厚いサポートを受けられることです。

難関と言われる一級建築士を学習していく上でわからないところが出てくるのは当たり前のことで、わからないところを講師に直接質問できるというのは、通学の最大のメリットです。

一緒に勉強する仲間やライバルがいることでモチベーションを維持できたり、お金を払ったのだからと半ば強制的に自分を勉強に向かわせられるのもメリットと言えるでしょう。

デメリットといえば、高額な授業料です。

一級建築士を目指すコースは、他の資格獲得コースより価格が高いものが多く、高いものだと100万円以上するコースもあります。

また、実際に講義に出席しなくてはいけないので、仕事や家事育児がある方には通学での学習は難しいかもしれません。

一級建築士を独学・通信・通学で勉強するメリット・デメリットまとめ

独学・通信講座・通学、それぞれのメリット・デメリットを表にまとめました。

独学 通信講座 通学
費用 15,000〜50,000円程度 100,000〜400,000円程度 700,000〜1,500,000円程度
メリット ・費用が安い
・自分のペースで学習できる
・仕事や家事と両立できる
・予備校に通っている感覚で勉強できる
・スマホやPCで自分が好きな時に勉強できる
・サポートが付くコースもある
・熟練講師の講義が受けられる
・質問や添削などのサポートが手厚い
・仲間やライバルと一緒に学習できる
デメリット ・スケジュール管理やモチベーション維持が難しい
・質問できない
・多少費用がかかる
・サポートの種類が少ない
・費用が高額
・授業を受ける時間の確保が難しい

少しでも費用をおさえたい、スケジュールやモチベーションを自己管理できるという方は、独学が向いています。

さらに、仕事場に一級建築士の資格を持っている、もしくは、建築の知識が豊富な方がいれば、独学者の強い味方になってくれるでしょう。

逆に多額の費用をかけてでも絶対に合格したい、通学する時間があるという方は、大手予備校への通学をおすすめします。

通学であれば、熟練の講師からの直接が指導ある、仲間やライバルから刺激をもらえる、サポートが手厚いなど様々なメリットがあります。

費用はあまりかけたくない、周りに相談や質問できる人がいない、スケジュールやモチベーションを自己管理できるか不安という方には、通信講座があっているでしょう。

通信講座の中には、テキストにかかる費用と同じくらい低価格のものも増えていますし、何より独学で失敗し来年受け直すより、通信講座を利用し合格の可能性を高める方が、最終的な費用をおさえることにつながります。

自分は通信講座の方が向いているかもと思った方のために、他の記事で一級建築士試験対策の通信講座をまとめていますので、参考にしてみてください。

一級建築士の試験概要

一級建築士の試験概要
・一級建築士の受験資格
・一級建築士の日程と試験方式
・一級建築士の試験科目と配点
・一級建築士の合格率や難易度

一級建築士試験の受験資格

一級建築士の受験資格は以下の通りです。

平成21年度以降に大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等に入学し、指定科目を修めて卒業した者
・平成20年度以前に大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等に入学し、
建築または土木の課程を修めて卒業した者
・二級建築士
・建築整備士
国土交通大臣が特に認める者

一級建築士の受験資格については、令和2年の改正により、実務経験が必要なくなりました。

一級建築士の免許登録には、所定の実務経験が必要になります。

一級建築士試験の日程と試験方式

一級建築士試験の日程と試験方式は以下の通りです。

試験日 試験方式
学科試験 7月の第4日曜日 四肢択一式
設計製図試験 10月の第2日曜日 あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成

一級建築士試験の試験科目と配点

一級建築士試験の試験科目と配点を以下の表にまとめました。

試験科目 配点 試験時間
学科試験




計画 20点 2時間
環境・設備 20点
法規 30点 1時間45分
構造 30点 2時間45分
施工 25点
設計製図試験 設計製図 1課題 6時間30分

筆記試験では、科目ごとに基準点が設けられており、各科目の基準点上回り、かつ総得点の基準点もクリアすることが合格の条件となっています。

他の科目でどんなに良い点数を取ったとしても、1科目でも基準点に届かない科目があれば不合格となるので、苦手科目をなくす努力も大切です。

一級建築士試験の合格率や難易度

一級建築士試験の合格率を過去5年分まとめてみました。

年度 学科試験 設計作図試験 総合
令和5年度 16.2% 33.2% 9.9%
令和4年度 21.0% 33.0% 9.9%
令和3年度 15.2% 35.9% 9.9%
令和2年度 20.7% 34.4% 10.6%
令和元年度 22.8% 35.2% 12.0%

(引用元:公益財団法人建物技術教育普及センター)

学科試験の合格率は15〜22%、設計製図試験の合格率は34%〜41%、総合的な合格率は9%〜12%となっています。

何百時間も勉強して試験を受けた人のうち、たった10%程度しか合格しないと考えると、一級建築士は難易度の高い資格試験と言えるでしょう。

しっかりと準備をして試験に望むようにしましょう。

一級建築士試験の独学に関するQ&A

ここでは、一級建築士の試験対策に関するよくある質問をまとめています。

Q1.一級建築士の年収はどのくらい?
Q2.中古の一級建築士試験対策用テキストはどこで買える?
Q3.予備校の一級建築士試験対策用テキストは入手できる?
Q4.一級建築士試験の過去問20年分を無料で手に入れる方法は?
Q5.一級建築士試験はアプリだけで合格できる?
Q6.一級建築士試験を独学で勉強した人の合格率は?
Q7.一級建築士試験に独学で合格した人のブログはある?
Q8.一級建築士試験対策の合格ロケット(旧:合格物語)の評判は?
Q9.一級建築士試験対策の独学組の評判は?
Q10.一級建築士試験用学習支援ツール速学の評判は?

一級建築士の年収はどのくらい?

国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、一級建築士の年収は約700万円となっています。

同調査では、日本全体の平均年収が436万円なので、一級建築士の年収はかなり高い水準であると言えるでしょう。

一級建築士として経験を積み独立すれば、さらなる高収入も期待できるので、一級建築士は夢のある資格です。

中古の一級建築士試験対策用テキストはどこで買える?

中古の一級建築士試験対策用テキストは、メルカリやヤフオクで買えます

ほぼ未使用品など、程度の良いものも出品されているので、お探しの方は一度メルカリやヤフオクを覗いてみることをおすすめします。

予備校の一級建築士試験対策用テキストは入手できる?

予備校の一級建築士試験対策用テキストもメルカリやヤフオクで入手することができます。

また、通学には何十万もかかる予備校ですが、日建学院ではWEBコースがあり、通学生と同じテキストを10万円で手にすることができます。

しかも、テキストだけでなく、学科WEB問題や設計製図当年度課題対策集などもセットになっているのでお得です。

一級建築士試験の過去問20年分を無料で手に入れる方法は?

残念ながら、一級建築士試験の過去問を20年分無料配布している企業やサイトはみつかりませんでした。

しかし、過去問.comでは6年分、建築センター公認の建築士試験過去問無料解説サイトでは13年分が、解説付きで無料掲載されています。

過去問集を持っていない、買うのをためらっているという方は、これらのサイトを有効活用すると良いでしょう。

一級建築士試験はアプリだけで合格できる?

一級建築士試験の過去問や暗記に特化したアプリはいくつもありますが、アプリ学習だけで合格するのは難しいでしょう。

なぜなら、アプリで過去問の問題文を覚えてしてしまうと、言い回しの違いによるひっかけ問題にひっかかってしまう可能性があるからです。

学科試験対策としては、しっかりとテキストで理解を深め、法令集を使って答えを導き出せるようになることが大切です。

アプリは隙間時間に使うなどサブ的に利用すると良いでしょう。

一級建築士試験を独学で勉強した人の合格率は?

一級建築士試験を独学で勉強した人の合格率を調べてみましたが、残念ながら正確な数字は発表されていませんでした。

しかし、総合資格学院のHPには、令和3年度の試験において、全国のストレート合格者のうち6割は総合資格学院生だったという結果が出ています。

同じく大手予備校の日建学院には、過去33年間で合格した人の半数は日建学院の受講生だったというデータがあるそうです。

集計方法や年度は違いますが、総合的に判断すると、一級建築士試験に合格した人の大半は予備校に通っているということがわかりました。

予備校ほどお金をかけたくないけど、独学には不安があるという方には、通信講座がおすすめです。

通信講座を受講すると、独学よりかは費用がかかりますが、一級建築士の資格を取得すれば資格手当や昇給も見込めるので、講座費用は早い段階で取り戻せるでしょう。

通信講座を検討してみたいという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

一級建築士試験に独学で合格した人のブログはある?

一級建築士を独学で合格された方のブログを2つご紹介します。

・一級建築士独学ブログ

一級建築士 ブログ

(引用元:一級建築士独学ブログ)

このブログは一級建築士の資格を3か月の独学で合格された方のブログです。

勉強の記録だけでなく、勉強のコツ・ノート術・暗記法・おすすめ文具まで、余すことなく情報を載せてくれているので、独学で合格を目指す方にはとても参考になるブログです。

・有象無象の家建て人の日常

一級建築士 ブログ

(引用元:有象無象の家建て人の日常)

このブログを書かれている方は、参考書購入費16,000円だけで一級建築士試験に合格されています。

独自に過去問をまとめていたり、過去問は何年分解くべきかなどを数値化して検証されていて、興味深い記事が多いです。

一級建築士試験対策の合格ロケット(旧:合格物語)の評判は?

合格ロケットとは、一問一答形式で過去問20年分を学ぶ学習アプリとライブ講義を提供しているサービスです。

合格ロケットを使って合格した方の口コミをいくつかご紹介します。

合格ロケットでは単元ごとやキーワード検索で問題抽出ができるので、苦手な問題を繰り返し解くことで克服できます。

合格ロケットは紙の過去問集と違い、キーワード検索できるので、苦手科目克服に役立ちそうですね。

全ての科目に毎日少しでもいいから触れることが効果的だと思います。私は2巡目から年度別に切替えて、1日1年度分を解くようにしました。あとは勉強の習慣をつけることです。週2回のライブ講義参加はかなり効果的です。

合格ロケットはスマホでも会社のパソコンでも、どこでも勉強出来る革新的なサービスだと思います。動画ライブラリーは会員登録して繰り返し見たほうが良いです。他の合格者の合格ロケットの活用方法を把握して、3月までに日常の勉強をルーティンに組み込めれば確実に道が見えてくると思います。

合格ロケットは、過去問集だけでなく、ライブ講義も配信されており、それが役に立ったという意見がありました。

ライブ講義は、年間44,000円の動画ライブラリー会員になるとライブ講義を録画したものが見れるようになるので、通信講座のような使い方もできます。

一級建築士試験対策の独学組の評判は?

独学組とは、過去問20年分を各科目・各分野ごとに頻出問題順に並べられているPDF形式の過去問集です。

独学組を使った方の評判を見てみましょう。

合格物語でも問題文を虫食い状態に加工することができるので、
暗記用の教材を自分で作ることも可能ですが、
それを作っている時間がもったいないです。
独学組の場合は暗記用に虫食い問題や数値問題を
最初から作ってくれてあるので、便利です。

暗記用に自分で問題集を作るのは手間も時間もかかりますよね。

独学組の教材には、あらかじめ虫食い問題などが用意されているので、自作する手間が省けます。

正直ほかの普通の過去問だと、どれが大事でどれが超難問の問題かわからないから、集中できなかったり苦手な問題は勝手に捨て問にしてしまう。
でも独学組だと何回、何年に出たって書いてあるから、「あ、これ捨てれない問いだ」ってモチベーション上がる。
計画の実例なんか特にそう。もう全部捨ててしまおうかとさえ思ってたけど、独学組ならどの建物が出やすいか分かるから、いいと思う。
頻出問題順を効率よく解いていけるというのも独学組の特徴です。

一級建築士試験対策の速学の評判は?

速学は、過去問12年分をPCやスマホなどで解ける学習支援ツールです。

速学を使って独学した方の評判を見てみましょう。

去年s校と速学を併用していた知り合いに、速学のみで十分合格できるとアドバイスをもらい独学で受験しました。
無料講義、webテキスト、追加問題も活用させていただきましたが大変満足しています。

過去問以外に、無料講義・WEBテキスト・追加問題もあるのが速学の特徴です。

実際に使ってみて、一問一答、穴埋め問題、厳選問題、無料講座と内容は本当に納得いくものでした。
解説もわかりやすいし、重要ワードに色がついており繰り返し学習に最適と感じました。
また建物事例がトップ画面でランダムにでてくる上に、写真と解説がついていることに驚きました。
苦手だった法規、構造、環境設備がいつの間にか点数が安定するようになりました。

速学では、30年分の建築作品を収録しており、毎日トップ画面に違う作品が表示されるようになっており、毎日建築作品に触れることで、知らない間に知識が蓄積されて点数がアップしたという声もありました。

一級建築士は独学で合格できる?まとめ

一級建築士は、合格率10%と難関資格ではありますが、独学で合格することができます。

独学で合格するためには、約1,000時間の勉強時間が必要と言われており、勉強量以外にも長期間に及びスケジュール管理していく力やモチベーションを保つ力も求められます。

学科試験は、配点が高いものから勉強していき、テキストや過去問を繰り返し解くことで、苦手科目をなくすようにしましょう。

製図試験は、問題を数多くこなすこと、問題文やエスキスを十分理解することを重点的に学習し、時には添削サービスを利用して、知識がある人にチェックしてもらうようにしましょう。

独学は費用が抑えられるというメリットがありますが、モチベーションが保てない、質問できないなどのデメリットもあります。

通学の場合、直接講師に質問できますが、費用が100万円前後と高額なのがネックとなります。

通信講座であれば、費用は抑えつつ、質問や添削サポートを受けながら学習していくことが可能です。

通信講座の中には安価なものもあり、独学で失敗して次年度受け直すより、安く済む可能性もあります。

独学に不安がある方、合格の可能性を少しでも高めたい方には、通信講座を検討してみるも良いでしょう。

こちらの記事では、一級建築士を受験される方向けにおすすめの通信講座をランキング形式で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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監修者情報

徳永 浩光のアバター 徳永 浩光 キャリアコンサルタント

WEBメディアの監修や300社以上のキャリア相談を通じて、働く人の悩みに寄り添い、気付きを与えるキャリアコンサルタント。「偶然を生かす」という考え方を大切にし、真の願望を明らかにするアプローチを採用。

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