公認会計士試験は難関国家資格であり、令和6年の公認会計士試験の最終合格率は7.4%と、その難易度の高さを指し示す数値が表れています。
CPA会計学院の発表によると、公認会計士試験の平均合格率は10.7%であり、「公認会計士の独学は無理なのか?」と、気になる方もいるでしょう。
そこで当記事では、公認会計士試験の独学が本当に無理かどうか、その実態を紹介するとともに、独学での合格の目指し方や独学で注意したい点についてご紹介します。
さらに、実際に公認会計士試験を実際に独学で受験した方の体験談や、公認会計士試験の独学におすすめのテキストについても紹介するので、ぜひ最後までご一読ください。
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公認会計士試験は独学では無理?
公認会計士試験は独学では無理? |
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公認会計士試験の合格を独学で目指すのは、不可能ではないものの非常に厳しい、というのが現実だといわざるを得ない状況です。
実際に公認会計士講座を開講しているCPA会計学院の発表によると、2022年の公認会計士試験の合格者の9割以上がCPA会計学院を含めた大手予備校出身者であるというデータが出ています。
事実、各予備校が発表している合格者数を元に計算すると、2022年公認会計士試験における全体合格者数1,456名の内、大手予備校だけで9割以上(CPA会計学院606名、A校410名、B校334名)の合格者を輩出しています。
つまり、合格者のほとんどを予備校出身者が占め、独学での合格者は非常に少ないということです。
(引用元:CPA会計学院公式HP|独学で公認会計士試験に合格するのは無理と言われる理由)
さらに公認会計士の講座を開講しているTACも、「独学で勉強した場合の合格率は1%以下」と発表していることから、やはり独学を考えている方には厳しい現実だといわざるを得ません。
しかし逆にいえば、独学で公認会計士試験に合格した方が0%ではない、つまり独学での合格者が誰一人いないという訳でもないため、絶対に不可能だと言い切ることもまたできないでしょう。
実際にTACやLEC、資格の大原などのように、公認会計士の講座を開講している予備校が、非受講生も購入可能なテキストを販売しているケースもあり、独学が完全に不可能なわけでもありません。
ただし、そもそも公認会計士は合格までに3,500時間、1.5~2年程度の学習期間を要するほどに試験範囲が広く、そのうえで独学の場合は学習計画や教材選び、試験の最新情報の取得を自分で行う必要もあります。
公認会計士の試験科目は、5科目+選択科目の合計6科目と多く、各科目の試験範囲も広いためボリュームがあります。そのため、合格までには1.5~2年程度の学習期間を設定するのが一般的です。トータル学習時間は約3,500時間もの時間が必要となります。
さらに独学では自身で適切な教材を選択し、学習計画を立てることが必要です。はじめて試験を受験する人が、科目や学習論点の優先順位の判断を独自で行うことは簡単ではありません。また、適切な学習計画を立てることも難しいでしょう。会計制度や税制などの法改正についても、自身で調べてキャッチアップしなければ、最新の試験に対応することができません。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
言い換えれば、以上でTACが述べているような学習ができるのであれば、独学による公認会計士試験の合格は可能ですが、以上のことを現実的に「可能」と述べられる方がどれほどいるのか、という話でもあります。
仮に本当に適切な学習計画や教材選びができたとしても、学習期間は1.5~2年にもおよび、その間、ほとんど誰にも頼らずにモチベーションを保ち続けて学習しなければなりません。
それでも独学で公認会計士試験の合格を目指したいのであれば、学習時間が約3,500時間にも及ぶボリュームの試験範囲を的確に学べる学習計画やテキストの選定、情報収集を実施する必要があるでしょう。
公認会計士試験の難易度
CPA会計学院の発表によると、新試験制度が導入されて以降の、過去18年間(2006年~2023年)の公認会計士試験の平均合格率は10.7%です。
特に2021年から2023年にかけての合格率は10%を切っており、公認会計士試験がいかに難易度の高い試験であるかが分かるでしょう。
年度 | 公認会計士試験合格率 |
---|---|
2023年 | 7.6% |
2022年 | 7.7% |
2021年 | 9.6% |
(参考:CPA会計学院公式HP|【最新】公認会計士試験の合格率が低い理由と合格の可能性を上げるコツ)
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験の二段階に分かれており、短答式試験に合格した方が論文式試験に進み、そこで合格すれば晴れて公認会計士試験に合格、という構成をとっています。
CPA会計学院は、短答式試験と論文式試験の直近数年合格率についてもまとめており、それぞれ直近6年(短答式試験)と直近5年(論文式試験)の合格率は以下の通りでした。
試験内容 | 合格率 |
---|---|
短答式試験(2023-2018年) | 13.9% |
論文式試験(2023-2019年) | 35.6% |
(参考:CPA会計学院公式HP|【最新】公認会計士試験の合格率が低い理由と合格の可能性を上げるコツ)
一見、論文式試験の合格率が高く感じられますが、CPA会計学院は論文式試験の合格率が高い要因として、論文式試験の受験者が短答式試験の合格者であり、受験者のレベルが高い点を挙げていました。
短答式試験はマークシート形式ではありますが、出題範囲が広いうえに専門的な知識が求められ、さらには短時間で効率よく解答するだけの集中力や気力が必要とされます。
一日で財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目、試験時間にして300分にもおよぶ試験を集中力をもってこなすのは決して簡単ではなく、まさに「最初の関門」だといえるでしょう。
短答式試験は論文式試験よりも合格率が低く、公認会計士試験の最初の関門だと言われています。
短答式試験の合格率が低い理由としては
- 出題範囲が広いだけでなく専門的な知識が求められる
- 短時間で効率よく解答しなければならないため集中力や気力が必要
という2つが挙げられます。
とくに短答式試験は1日で4科目を実施するハードなスケジュールで、科目によっては計算問題もあります。身につけた知識を活かすには長時間集中して取り組める力も必要となるので、合格率が低くなると考えられます。
(引用元:CPA会計学院公式HP|【最新】公認会計士試験の合格率が低い理由と合格の可能性を上げるコツ)
一方で短答式試験よりも合格率が高い論文式試験についても、短答式試験で問われた基礎的知識を踏まえたうえで、理解と応用力を確認する記述試験の試験であり、難易度は短答式試験よりも上です。
さらに論文式試験は試験期間も長く、3日間に渡って実施されるために短答式試験よりもハードであり、さらなる集中力や気力が求められます。
論文式試験の合格率が比較的高い要因として、論文式試験に挑む方は短答式試験の合格者のみである点、短答式試験合格者は翌年より2年間は短答式試験が免除される点があるのは、踏まえるべきでしょう。
論文式試験は短答式試験範囲の基礎的な知識があることを前提に、理解と応用力を確認するための試験となっており、そもそも論文式試験を受験できるのは合格率約13.9%の難関の短答式を突破した人だけだからです。
論文式試験は記述式であり論理的に解答しなければならないため、マークシート式の短答式試験よりも正確な知識や理解が問われます。
また、論文式試験は3日間に渡り行うため、短答式試験よりもさらに集中力や気力が必要です。そのため、問題の難易度や試験のハードさだけを見ると論文式のほうが難しいと言えるでしょう。
(引用元:CPA会計学院公式HP|【最新】公認会計士試験の合格率が低い理由と合格の可能性を上げるコツ)
以上のように、公認会計士試験は合格率の低さそのものもそうですが、短答式試験と論文式試験、どちらも非常に難易度が高く、知識や論理的思考、そして集中力が求められる内容であるのが分かります。
公認会計士試験に独学で臨もうと考える方は、以上のような難易度の試験に挑むために、教材選定や学習計画、情報収集を万全の体制で行う必要があることを理解する必要があるでしょう。
公認会計士試験の勉強時間
スクール | 必要学習時間(各スクールの見解) |
---|---|
CPA会計学院 | 3,000〜5,000時間 |
TAC | 約3,500時間 |
資格の大原 | 3,000時間~5,000時間程度 |
クレアール | 3,000~5,000時間 |
(参考:各社公式HP)
公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間として、公認会計士の講座を開講しているスクールは、いずれも3,000~5,000時間程度必要だと述べています。
これは短くても1.5~2年、人によっては4年程度に相当する勉強時間であり、公認会計士試験の合格にはその程度の勉強時間が必要だという点も、各スクールの見解として一致しています。
CPA会計学院は、公認会計士試験の論文式試験の合格を1.5年間で目指すと仮定した際に必要な、1日の勉強時間を以下のように分析しました。
▼総勉強時間3,000時間の場合
・勉強日数:約548日(勉強1年目の3月~勉強2年目の8月)
・論文式試験までの勉強時間:3,000~5,000時間
・1日あたりの勉強時間:3,000時間÷548日=約5.4時間▼総勉強時間5,000時間の場合
・勉強日数:約548日(勉強1年目の3月~勉強2年目の8月)
・論文式試験までの勉強時間:5,000時間
・1日あたりの勉強時間:5,000時間÷548日=約9.1時間
(引用元:CPA会計学院公式HP|独学で公認会計士試験に合格するのは無理と言われる理由)
CPA会計学院は公認会計士試験の合格に必要な勉強時間を、3,000~5,000時間と分析していましたが、仮に1.5年でこの勉強時間を満たそうとすれば、1日に約5.4~9.1時間勉強し続ける必要があります。
以上の分析は約548日間もの間、普段の業務や学業をこなしつつも、いわゆるお盆の時期や年末年始、学生の方の場合は夏季休暇のような長期休暇の間も、絶えず勉強し続ける前提のものです。
会社員や学生を続けながら、1日に5時間から9時間程度、それこそ「毎日」公認会計士試験の学習を続けられることこそが合否に直結すると、CAP会計学院の卒業生の方も証言していました。
「公認会計士の勉強は、範囲が膨大であり長丁場となるため、いかに勉強を続けられるかが合格するための大きな鍵になります。」
(引用元:CPA会計学院公式HP|独学で公認会計士試験に合格するのは無理と言われる理由)
もちろん、以上の分析はあくまで、公認会計士試験の合格に3,000~5,000時間必要だというCPA会計学院の分析に基づいたものであり、すべての方に当てはまるというわけではありません。
しかし、公認会計士試験に合格するまでの決して短くない期間中、来る日も来る日も学習を重ね続ける日々の中でモチベーションを保ち続けなければならないのは確かです。
特に独学で公認会計士試験の合格を目指そうとしている方は、合格するまで数年単位で毎日数時間学習し続ける生活を、たったの一人でまっとうできるかを真剣に考える必要があるでしょう。
公認会計士試験はテキストだけで合格できる?
努力を積み上げてみたらタワーが建ちました。
#公認会計士
(引用元:X)
前提として、公認会計士試験のテキストを揃えることそのものは可能です。
実際に公認会計士試験の講座を開講しているTACは、独学のメリットとして「教材や参考書のみで学習が可能」な故に経済的負担が軽減される点を述べていました。
予備校や資格対策スクールに比べ、独学は教材や参考書のみで学習が可能なため、経済的な負担が軽減されます。通信講座の費用は安くても約30万円、通学講座だと70〜80万円ほど必要になります。しかし、独学の場合は教材費だけで済むため、学習費用を抑えることができます。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
しかし、では公認会計士試験の合格をテキストだけで目指せるかといわれると、とても難しいといわざるを得ないのが現実です。
テキストだけでの合格が難しい理由としてTACは、独学で合格を目指す方は「自分で適切な教材を選択」する必要性があり、それが難しい点であると述べています。
初めて公認会計士試験に挑もうとしている方が、科目や学習論点の優先順位を踏まえたうえで、自分の判断で教材を選ぶのが難しいのは容易に想像がつくでしょう。
付け加えると、仮に適切なテキストを入手できたとして、数年程度の学習期間を通じての学習計画を立て、法改正の最新情報を自分で調べなくてはなりません。
さらに独学では自身で適切な教材を選択し、学習計画を立てることが必要です。はじめて試験を受験する人が、科目や学習論点の優先順位の判断を独自で行うことは簡単ではありません。また、適切な学習計画を立てることも難しいでしょう。会計制度や税制などの法改正についても、自身で調べてキャッチアップしなければ、最新の試験に対応することができません。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
つまり、テキストだけで合格を目指す場合には、そのテキストを用いてどう学習を進め、情報を得るかも踏まえなければ片手落ちになるリスクがある、ということです。
いくら適切なテキストが入手できたとしても、適切な学習計画や適切な最新情報を得られなければ、公認会計士試験の合格は難しいというのが現状です。
確かにテキストだけで合格できれば、予備校に通うよりも予算で抑えられますが、もし合格できなければ数年単位で時間が無駄になってしまいます。
さらに最初から数年単位で学習に臨むつもりでいても、テキストもずっと同じものを使い続けるわけにもいかず、最新のテキストに買い替える必要も出てくるでしょう。
よって、テキストだけで合格を目指すのは絶対に不可能とはいい切れないにしても、時間はもちろん費用面で考えても、少なくとも効率的であるかは疑問だといわざるを得ないのが現実です。
テキストだけで公認会計士試験の合格を目指すのが不安な場合は、通信講座や予備校を利用するのが良いでしょう。
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公認会計士試験を独学で合格する方法
公認会計士試験の合格を独学で目指すのは非常に困難ですが、一方で公認会計士試験を独学で合格した方がまったくいない訳ではありません。
TACは、始めて学習する方が独学で公認会計士試験に合格するのは、「かなり稀」だと述べていますが、それを踏まえたうえで以下のような学習方法を独学の方に提案していました。
- 学習スケジュールを作成する
- 科目別のアプローチ
- 模試を受験する
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
公認会計士試験の学習計画は、学習内容が多岐に渡る、必須科目5科目・選択科目1科目の計6科目に対しそれぞれ効率的なアプローチしつつ、試験範囲全体をカバーするように立てる必要があります。
学習計画を立てるにあたっての手順として、TACは以下のように提案していました。
- 試験日までの期間と1日あたりの勉強時間を確認する
- 各教材を確認し、週単位で具体的に何を進めるかを計画する
- 定期的に学習計画を見直し、調整する
(参考:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
学習計画は守るに越したことはありませんが、一方でTACは急用や体調不良などの事態に備えて、「予備の時間を確保しておくことも重要」だとも述べています。
まずはTACも推奨する財務会計論・管理会計論から学習を始めつつ、適切な学習方法をもってそれぞれの科目に対して効果的な対策を模索しながら学習を進めるようにしましょう。
また、ただテキストや問題集を用いて学習するだけではなく、模擬試験の受験も独学で公認会計士試験の合格を目指すにあたって重要な役割を果たします。
模擬試験(模試)は公認会計士試験において重要な役割を果たします。模試では試験時間内に問題を解く練習ができるため、問題を解く順番や取捨選択といった受験テクニックを養うことができます。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
TACは模擬試験を通じて、自分の理解度や学習状況の進捗、苦手な問題・分野を把握することで、自分がなにに集中して学習すればいいのかが把握できると述べています。
公認会計士試験の合否は相対評価で決まるため、特に独学で合格を目指す方にとっては、全国の受験生の中で自分がどの位置にいるかという情報の把握は非常に重要でしょう。
膨大な範囲を誇る各科目のアプローチ方法を模索したうえで、ある程度の余裕を持って学習計画を練り、学習の成果を模擬試験で確認し、集中して学習すべき箇所や自分の学力も把握する。
以上のように、独学で合格を目指す方に必要な方法は、公認会計士試験という非常に難易度の高い国家試験に対する総合的なアプローチだといえるでしょう。
公認会計士の独学に関するブログでの体験談
インターネット上で検索すると、公認会計士試験を独学で合格した方たちの体験談などが掲載されたブログがいくつも出てきます。
TACは「独学で勉強した場合の合格率は1%以下」と発表していますが、独学で実際に公認会計士試験に合格した方の体験談は、厳しい状況の中で学習を進める独学の方の励みとなりえるでしょう。
ここでは、独学で合格した方の体験談を掲載しているブログの内容の紹介を通じて、独学で合格を目指すうえで使える経験則などを紹介します。
2022年から独学合格は不可能になってしまった
独学合格が不可能になった理由、それは独学では公認会計士試験用の教材が手に入らなくなったからです。
この記事を読んでいただければわかりますが、私は独学で勉強していたころ、CPA会計学院という予備校の教材を多く使用していました。理由はこの予備校が唯一教材を外部(予備校受講生以外)に販売していたからです。
しかしCPA会計学院は、外部への教材の販売を2022年6月に終了いたしました。これにより公認会計士試験向けの一部の教材は独学では入手不可能になりました。
(引用元:Study & Go|独学合格者の公認会計士テキスト完全まとめ【全て公開してます】)
最初に紹介するのは、人材紹介会社で働きながら独学で公認会計士試験の学習を独学で行い、2年間の学習期間を経て合格したロイドさんの事例です。
ロイドさんは2019年に独学で公認会計士試験に合格していますが、その張本人であるロイドさん自ら、2022年から独学で公認会計士試験の合格を目指すのは不可能になってしまったと述べていました。
その理由としてロイドさんは、ロイドさんが独学で合格した際に使用したテキストである、CPA会計学院の教材の外部への販売を終了してしまったからと述べています。
代替で市販のテキストを使えばいいのではないかという指摘についても、ロイドさんは「公認会計士試験の市販の教材はとても少ないのが現状」として難色を示しています。
実際にロイドさん自身も述べているように、短答式試験の教材は市販でも揃えられるものの、論文式試験の教材は数に乏しく、ロイドさんの体験談を裏付けてしまっているといえるでしょう。
しかし逆にいえば、短答式試験までなら市販のテキストであっても独学で合格を狙える、と言い換えることも不可能ではありません。
また、短答式試験については、一度合格してしまえば合格発表の日から起算して2年を経過する日まで、短答式試験が免除される科目免除制度も採用されています。
仮に独学では公認会計士試験の論文式試験を含めた合格は難しくとも、短答式試験の合格は独学で目指すなどの方針を取る余地は十分にあるといえるでしょう。
独学は自分で計画を立てて行動できるかで向き不向きが分かれる
――「独学に向いているかどうか」を見極めるポイントはありますか?
ドッポさん 一番は「自分で計画を立てて行動できるか」です。
予備校に通うと、教材や講義が充実しているだけではなく、定期的に答練や模試があるので、それを目標に勉強できるのが強みだと思います。
独学だと、そのレールが敷かれていないので、誰も管理してくれません。そのため、「○月までにこれをして、次はこれ」と目標を決め、それに向けて勉強できるかどうかが大切になってくると思います。
(引用元:会計人コースWeb|独学&監査論1位で公認会計士試験に一発合格! その勉強法を聞いてみた)
ドッポさんは地方国立大学の経済学部に通いながら、独学で公認会計士試験に一発で合格したばかりか、論文式試験における監査論の科目で1位を獲得した方です。
ドッポさんは会計人コースWebのインタビューの中で、独学に向いている方の特徴として、「自分で計画を立てて行動できるか」どうかを挙げていました。
実際にTACも、始めて公認会計士試験の学習を独学で進める方の困難な点として、「科目や学習論点の優先順位の判断を独自で行った」うえで、「適切な学習計画を立てること」だと述べています。
ドッポさん自身も述べているように、教材や講義、答練や模試が充実している予備校と比べて、すべてを用意し、学習計画まで建てなければならない点に独学の困難さがあるといえるでしょう。
しかし一方で、独学で公認会計士試験の合格を目指すメリットには学習費を安く抑えられる点が挙げられ、現にドッポさんが独学で合格を目指した理由にも「予備校の受講料が高かったこと」を挙げていました。
独学の場合はともに合格を目指す仲間を作りづらく、モチベーション維持の困難さもありますが、一方でドッポさんは「SNSを見ると独学している受験生は意外といます」とも述べていました。
公認会計士試験の学習は数年にも及ぶ可能性もあるほどに難易度が高いですが、しっかり計画を立てて自分のペースで学習を続ければ、独学での合格は不可能ではないと感じられる事例だといえるでしょう。
挫折してしまう方がいるのも現実
4月から私用で半年間仕事を休む予定です。
用事があって休むのですが、家にいる時間は増えるので少しでも勉強する時間が増えると嬉しいです。というか、12月短答試験合格のためにはこの半年が勝負なので、なんとか効率よく時間を作りたいと思ってます。
(引用元:公務員が独学で公認会計士を目指すブログ|No.10 4月から半年間仕事を休む予定です)
今週も全く勉強してません。
先週に続き、今週も全く勉強していません。もうこの意識の低さだとブログ更新もやる必要ないレベルですが、自分への意識の変化も後で見直せるように記録を残します。
(引用元:公務員が独学で公認会計士を目指すブログ|No.11 意識改革が必要)
今週も勉強していないので他のことを書きます。
(引用元:公務員が独学で公認会計士を目指すブログ|No.12 公務員は副業禁止なのか)
公認会計士試験の平均合格率は10.7%であるという、CPA会計学院の発表を裏付けるかのように、公認会計士試験に独学で挑む方のブログのすべてが「成功体験談」を語るわけではありません。
厳しい現実を生々しく突きつける一例として、独学で公認会計士試験に挑もうとしたものの、途中で挫折してしまった30代の地方公務員の方のケースを紹介します。
上記の引用からも分かる通り、この方のブログのエントリーには、「今週も勉強していない」という一文が並んでおり、残念ながら更新が止まってしまっています。
長期休暇を足がかりに学習を進めようとしたり、勉強できていない自分の意識を変えようとしますが、最後にはまったく関係ない話題の記事を書き、そこから更新しなくなってしまいました。
もちろん更新が止まってしまった事実が必ずしも公認会計士試験の挫折を意味はしませんが、試験の合否の報告すら書かれていないことから、厳しい結果を想像せざるを得ません。
独学で試験に挑むメリットとして、予備校に通うよりも費用がかからない、自分のペースで学習ができる、などが挙げられますが、それ故にしっかりと計画を立てなければ挫折の可能性が高まります。
合格までに数年単位かかる難関試験に独学で挑む際には、しっかりと計画性を持ってコツコツと学習を進め、「勉強していない日」が連続し過ぎないようにモチベーションを高める努力が必要だと分かる事例でしょう。
学習計画をしっかり立て厳しい場合は予備校の利用も検討する
以上の体験談から分かることは、合格までの学習計画をしっかりと立てるのは大前提として、それでも非常に難易度が高く、挫折のリスクも付きまとう、という現実でしょう。
さらに、とりわけ論文式試験のテキストはなかなか種類がないという事実もあり、独学で合格した方の中にも「不可能」と言い切る方もいるくらいです。
しかし一方で、しっかりした計画性を持って学習を進め、完全独学で公認会計士試験を合格するばかりか、論文式試験の1科目で1位を獲得した方がいるというのもまた事実です。
完全独学で合格を目指すのは、「不可能」と言い切る方がいるくらいに難易度は高いですが、実現できれば費用を抑えられるメリットもあります。
「無理だと思ったら予備校の利用も考える」という選択肢も念頭においたうえで、独学で挑む際には入念に学習計画を練るようにしましょう。
公認会計士試験に独学で挑むメリット
公認会計士試験に独学で挑むメリット |
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公認会計士試験に独学で挑むメリットとしては、概ね「費用が抑えられる」「自分の裁量で決められる点が多い」の二点が挙げられるでしょう。
予備校で合格を目指す場合と比較して学習の自由度が高く、費用を安く済ませられるのは魅力的であり、費用に余裕がない方や自分のペースで学習しやすい方には向いているといえます。
一方でモチベーションを維持する努力は求められるうえ、あまりコロコロと学習方法を変えてしまうと、継続の中で身につく能力が身に着けられない点には注意しましょう。
予備校などに通うよりも費用が安く済む
予備校 | 学習期間 | 費用(税込) |
---|---|---|
CPA会計学院 | 2年 | 810,000円(通学・通信併用) |
TAC | 約2年2ヶ月 | 770,000円(通学・通信併用) |
資格の大原 | 2年 | 800,000円(通学・通信・Web) |
LEC | 約1年 | 298,000円(通学。短答式試験のみ) |
クレアール | 2.5年 | 650,000円(Web) |
(参考:各社公式HP)
大手予備校に通って短答式試験・論文式試験の合格を目指そうとすると、おおよそ60~80万円という決して安くはない費用がかかってしまいます。
しかし独学で公認会計士試験の合格を目指した場合、市販されているテキスト代だけで済むため、予備校に通うよりは費用を安く抑えられるというメリットがあります。
実際に公認会計士試験の講座を開講している大手予備校であるTACも、独学で公認会計士資格の合格を目指すメリットとして、学習費用を教材費だけで済ませられる点を述べていました。
資格取得までの費用を抑えられる
予備校や資格対策スクールに比べ、独学は教材や参考書のみで学習が可能なため、経済的な負担が軽減されます。通信講座の費用は安くても約30万円、通学講座だと70〜80万円ほど必要になります。しかし、独学の場合は教材費だけで済むため、学習費用を抑えることができます。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
独学で使用する教材については、最新のものを揃えるという意味では新刊で購入するのが望ましいですが、さらに費用を安く抑えたい方は、メルカリやオークションなどを利用する手もあるでしょう。
ただし、メルカリやオークションでテキストを入手する場合は、テキストが最新の試験の情報が反映されているものであるかを確認するようにしてください。
独学で公認会計士試験に合格できれば費用を抑えられるのは事実なので、もし費用に余裕がない方は検討してもいいでしょう。
自分の都合のいいペースで学習できる
独学で公認会計士試験を学習する場合、学習のペースはもちろん、場所や時間にも縛られず、自分の思い描く形で学習を進められる点がメリットとして挙げられます。
予備校はより多くの方に合致する効率的なカリキュラムを組んでいますが、そのカリキュラムは一人ひとりの受講生に合わせて組まれているとは限りません。
一方で独学の場合、学習の理解度や自分の得意・不得意科目、そして生活スタイルを考慮したカリキュラムを組むことができます。
実際にTACは、学業や仕事のスキマ時間や休日などの時間を柔軟に使いつつ、それぞれの理解度に合わせたペースで学習できる点にメリットを見出しており、自分を律して学習できる方には向いているでしょう。
自分のペースで勉強を進められる
独学の利点は、時間を柔軟に使いながら、自分の理解度に合わせたペースで学習できることです。学業や仕事で忙しいという方でも、長い期間をかけてスキマ時間や休日を利用することで、無理なく勉強を続けられるでしょう。また、自己管理の難しさはありますが、自分に合った計画を立てられるのは独学のメリットです。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
一方でこのメリットは良くも悪くも受講者の裁量が大きいという側面もあり、たとえば「今日は気分が乗らないからやらない」などと理由をつけてサボりやすい、ということも意味しています。
このメリットはあくまで、公認会計士試験の学習に対して明確なビジョンがあり、モチベーション維持の方法も確立している方に有効に働くものであることは理解しておきましょう。
学習スタイルの修正ができる
公認会計士試験の学習を進めていく中で、どうしても現状のやり方が合わないと感じた時に、比較的容易に学習スタイルを変えられる点もまた独学のメリットです。
今の学習方法にどうしても手応えを感じられない時、教材や学習方法、あるいは学習する場所や時間を自分の裁量で変えやすい点は、予備校で学習する方にはない利点でしょう。
仮に予備校で学習していて方法が合わないと感じた時に取れる選択肢は少なく、最悪、高額な費用をかけたにもかかわらず予備校を辞める、という事態にもなりかねません。
ただし、たとえ独学の方であっても、少し自分に合わないと感じたからといってすぐに学習方法を変えるのもおすすめできません。
ただでさえ公認会計士試験は予備校に通う方であっても数年かかるのは珍しくない中、目に見える成果が見えないからといって学習を積み重ねもせず、学習方法をコロコロ変えるのは危険です。
どうしても合わない場合は変更も考えるべきですが、あくまで学習の成果は積み重ねの中で生まれるものだという点は踏まえたうえで、まずは学習を続ける姿勢が大事だともいえるでしょう。
公認会計士試験に独学で挑むデメリット
公認会計士試験に独学で挑むデメリット |
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公認会計士試験に独学で臨むにあたって障害となりうるデメリットは、総じて「一人で合格を目指す」が故に立ちはだかる弊害にあるといえるでしょう。
予備校に通う方と比べて教材面や情報面で差が生じるうえ、通常数年単位に及ぶ学習期間の中でモチベーションを維持するのが難しい点は決して無視できません。
以上のデメリットは、メルカリなどのサービスや、SNSなどを活用することである程度緩和できますが、どうしてもデメリットの厳しさが上回ってしまった場合は、無理することなく予備校の利用を検討してみてもいいでしょう。
テキストが限られ学習の効率性が悪い
独学で学習する場合、市販されている教材を利用することになりますが、市販の公認会計士試験のテキストは絶対数が少なく、良質な内容のものを見つけにくいのが現状です。
つまり独学で公認会計士試験の合格を目指そうとしている方は、テキスト選びの段階ですでにデメリットを抱えてしまうことになりかねません。
実際に独学で公認会計士試験に合格した方の中にも、当時使用していたテキストが市販されなくなったことを理由に、独学での合格は不可能になったと述べる方もいるくらいです。
独学合格が不可能になった理由、それは独学では公認会計士試験用の教材が手に入らなくなったからです。
この記事を読んでいただければわかりますが、私は独学で勉強していたころ、CPA会計学院という予備校の教材を多く使用していました。理由はこの予備校が唯一教材を外部(予備校受講生以外)に販売していたからです。
しかしCPA会計学院は、外部への教材の販売を2022年6月に終了いたしました。これにより公認会計士試験向けの一部の教材は独学では入手不可能になりました。
(引用元:Study & Go|独学合格者の公認会計士テキスト完全まとめ【全て公開してます】)
このデメリットを克服する方法としては、オークションやメルカリを利用して、予備校で使用されているテキスト等を入手するというものも考えられます。
しかし必ずしもオークションやメルカリに入手したい教材が出回っているとは限らないうえに、教材の情報も最新の試験に対応しているものとは限りません。
合格に必要な教材が手に入れば問題はありませんが、どうしても厳しいと感じる場合は、予備校の利用も検討してみる必要もあるでしょう。
公認会計士の試験対策であれば、CPA会計学院や資格の大原の講座がおすすめです。
詳細は、以下の記事でも解説をしております。
質問もできず情報不足に陥りがち
予備校で学習を進める方に対し、独学の方は最新の情報を得るための機会や手段に乏しく、分からない箇所を質問できる相手にも困る可能性がある点がデメリットです。
公認会計士試験そのものの最新情報はもちろんのこと、公認会計士試験の内容にも関連する法令は頻繁に変更されるため、独学の方には情報の収集や理解の面で不利に働くでしょう。
仮に最新情報を入手できる環境にあったとしても、学習を進めていく中で不明点が生じたとしても、独学の方は予備校で学習する方のように質問できる相手がいない可能性が高いです。
このデメリットを克服するためには公認会計士試験に関する情報源が必要で、SNSで積極的に情報を発信している方とコンタクトを取るのも有効な手段となり得るでしょう。
また、予備校が実施する答練や公開模試への参加も積極的に行うことで、最新の公認会計士試験に関する情報を得られるうえ、周囲と比べて自分が現在どの程度の学力があるのかも計れます。
予備校で学習する方と比べるとどうしても格差が生まれてしまうのが情報ですが、それでも積極的に収集を試みる姿勢が独学の方には必要になってくるでしょう。
モチベーションの維持が困難
独学は予備校で学習を進める方に対して、テキストや学習カリキュラムなど自分で決められる点も多いですが、逆にモチベーションの維持が困難というデメリットにも転化し得ます。
公認会計士試験の学習を進める方法を自分で決めるという独学の性質上、高い自己管理能力が求められるうえ、自分で決めた方法が本当に正しいのかという葛藤とも戦わなくてはなりません。
さらに公認会計士試験は通常数年単位の学習期間を必要とするため、よっぽど意志が強固な方でもない限りは中だるみを避けることは困難だといわざるを得ないでしょう。
モチベーションを維持するうえで効果的な方法としては、学習仲間を見つけることや予備校が実施する模試の受験などが挙げられます。
身近に学習仲間が見つけられればそれが一番ですが、SNSなどを通じて交流を図るのも有効で、さらに模試を受験すれば自分の現在の習熟度も可視化され、モチベーション維持に役立ちます。
数年単位の学習を一人で続けるのは決して簡単なことではないですが、共に合格を目指す仲間の存在がいれば、お互いが学習を継続するうえでの心強い支えになるでしょう。
公認会計士試験の合格を独学で目指す勉強方法
公認会計士試験の合格を独学で目指す勉強方法 |
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公認会計士試験の合格を独学で目指すにあたり、公認会計士試験の講座を開講するTACは、勉強方法を決めるにあたっては以下の要素が重要だと述べています。
- 学習スケジュールを作成する
- 科目別のアプローチ
- 模試を受験する
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
公認会計士試験の合格に必要な学習時間について、大手予備校が共通して3,000~5,000時間程度だと発表している通り、合格までの学習期間は数年単位に及びます。
よって、数年にも及ぶ学習期間の中で、いかに効率的に学習できる学習スケジュールを立てるかが重要になってくるといえるでしょう。
その方法論としてTACは、試験日までの期間と1日あたりの勉強時間、そして各教材を確認したうえで、週単位で具体的な計画を立てることを推奨しています。
長期に渡る学習期間中に訪れるであろう、急用や体調不良に備えて予備の時間を確保しつつ、定期的な学習スケジュールの見直しや調整も必要になってくるでしょう。
学習スケジュールを組む際には、必須科目5科目と選択科目1科目という多岐にわたる内容を理解し、適切な学習方法を選択し、効果的な対策を実施するように心がけてください。
また、TACはただ学習を重ねるだけでなく本番と同じレベルの模擬試験を受験することで、問題を解く順番や取捨選択などの実践的な手法を学ぶことの重要性も説いていました。
さらに模擬試験を受験することで公認会計士試験の進捗状況を確認できるうえ、全国の受験生と比較してどの位置にいるのかも把握できます。
特に公認会計士試験は相対評価で合否が決まるため、自分がどの分野が得意かを把握し、逆に苦手な分野を集中的に学習するのも重要だといえるでしょう。
公認会計士試験の学習は長期に渡るため、具体的な計画を立てたうえで、科目毎にしっかりと対策を取り、模擬試験を積極に受ける中で本番の試験の環境に慣れる努力も必要です。
独学で公認会計士試験の合格を目指すのは決して楽ではありませんが、計画的にスケジュールを立てたうえで、試験に対する対策を入念に行うようにしましょう。
公認会計士試験の独学は何から始めるべきか
TACは独学で公認会計士試験の学習を始めようとしている方について、まずは財務会計論や管理会計論からの学習をおすすめしていました。
(TACでは財務会計論・管理会計論からの学習をオススメしています)
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
特に財務会計論の内容にはいわゆる「簿記」が含まれており、同じく財務会計論に含まれる「財務諸表論」についても、いわば簿記で学習する会計処理の理論(「企業会計原則」等の会計基準)に該当します。
TACは財務会計論の知識さえあれば、税理士試験の必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」の合格を十分に狙うことができる、と述べていました。
これはつまり、税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」に科目合格できる知識さえあれば、財務会計論は十分カバーできると言い換えることが可能だということでしょう。
税理士試験の必須科目である会計科目の「簿記論」と「財務諸表論」は、公認会計士試験において学習している財務会計論(計算/理論)の知識により十分に合格を狙うことができます。ここでは、公認会計士学習者が税理士試験を目指せる理由と簿記論・財務諸表論それぞれの試験対策についてお伝えします。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士の学習知識で、税理士試験2科目合格を狙おう!)
税理士試験についても、令和5年度の合格率が21.7%であるうえ、簿記論と財務諸表論に科目合格するまでに必要な時間はおよそ900時間かかるとされているなど、十分難関資格ではあります。
しかし別の試験の知識からの転用が効きやすい科目という意味では、財務会計論は最初に学習する際の取っ掛かりにしやすい科目だといえるでしょう。
公認会計士試験の最短勉強ルート
公認会計士などの転職・求人情報の掲載しているレックスアドバイザーズは、合格までの最短勉強ルートについて1年以内と定義して考察していました。
学生と社会人どちらでもなく公認会計士試験の勉強に専念する場合は、1年〜2年程度で合格できる可能性が高まります。
平日・休日による区別が必要なく、毎日8〜10時間程度の勉強が一般的です。
以上の内容を踏まえると、最短合格といえるのは勉強期間が1年以内のケースと考えられます。
(引用元:レックスアドバイザーズ公式HP|公認会計士合格の最短ルートは?早期合格のためのコツなど解説!)
合格までに必要な学習時間を3,000時間として定めるとして、この定義に則ると、1年以内で合格するためには毎日8時間以上学習する必要があるということになります。
しかしレックスアドバイザーズは、1年以内の合格の是非について「理論上不可能ではありません」と述べると同時に「困難」とも述べており、最短にこだわりすぎるのは危険であると結論づけています。
そもそも1日8時間以上の学習時間というのが1日の学習時間としては膨大であり、1年以内に合格するためにはこれを毎日、何があっても欠かさずにこなさなくてはなりません。
急用や体調不良など、学習をスキップせざるを得ない事情が発生した際のリスケも困難で、ただでさえ1日8時間以上がノルマの中、休みの日に埋め合わせるのも非常に厳しいでしょう。
このような毎日をこなさなくてはならないプレッシャーは、これそのものが学習効率を落とす要因になりえるほどに甚大なものがあり、現実的に考えて非常に厳しいのは容易に想像がつきます。
レックスアドバイザーズは、「公認会計士試験の勉強に専念できる場合」は実現可能性が少し高まると述べているものの、勉強時間やリスケ用の時間の確保を万全にする必要があるとも述べています。
1年以内の合格は、理論上は不可能ではない最短合格を狙う勉強ルートではありますが、決してこだわりすぎることなく、「目標」くらいに留めておくのがちょうどいいといえるでしょう。
公認会計士試験の合格を独学で目指すスケジュール
公認会計士試験の合格を独学で目指すスケジュール |
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独学で公認会計士試験の合格を目指すためには、学習スケジュールの作成は避けて通れませんが、当然受験者が大学生か社会人かで作り方にも差異が生じます。
ただし、学習スケジュールを組むにあたり、大学生の方にも社会人の方にも共通していえるポイントは、合格までに必要な学習時間が数千時間にもおよぶという点です。
一方で、TACは学習時間について、合格までに必要な時間が人によってバラツキがある点を指摘しており、現に2,000時間から5,000時間程度と、無視が難しい差異が生じているのは事実でしょう。
巷では2,000時間とか3,000時間、はたまた5,000時間が目安と言われているね。
しかし幅がありすぎて、一体どれが実態を表しているか疑問に思わないかな?
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
学習時間の問題についてTACは公認会計士試験の一発合格者を対象に調査を実施し、その結果、一発合格者の平均トータル学習時間は3,776時間であると発表しました。
よって、学習スケジュールを作成する際には、大学生の方も社会人の方も、公認会計士試験当日までに3,776時間程度の学習が完了するように組むようにすると一発合格の可能性が高まります。
公認会計士試験に1回で合格した「一発合格者」の勉強時間は、平均3,776時間という結果が出ました。
半年や1年間でこの時間を確保すると考えると、とても実現し難い数値ではありますが時間軸を長く設定すると、より現実的に見えてきます。
トータルの学習時間数だけに捕らわれずに、「どれくらいの期間をかけて合格するか?」という時間軸も合わせて検討していくと良いでしょう。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
この学習時間は1日10時間程度の学習を休まず1年間継続するのにほぼ近いものですが、現実的に考えて実現不可能に近いのは容易に想像がつくことでしょう。
よって学習スケジュールを作成する際には、年数を調整することで無理なく3,776時間程度の学習が完了できるように心がけるといいでしょう。
公認会計士試験の合格を独学で目指す大学生のスケジュール
大学生の方の場合、社会人の方と比べて比較的時間が取れるため、一日の学習時間を多く取れる点が強みだといえます。
その点を踏まえたうえでTACは、大学生の方の学習期間について、1.5年~2年程度かけて公認会計士試験の合格を目指す学習スケジュールの作成を提案していました。
合格までの学習期間の目安としては、受験専念の方は1年~1.5年、大学生の方は1.5年~2年、社会人の方は2年~3年で受験プランを設定するのが一般的です。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
さらにTACは、学習時間にゆとりがある大学生の場合、公認会計士受験を最優先にするのであれば、短期での合格も狙えるとも述べています。
実際に、TACは公認会計士試験の一発合格者のトータル学習時間は平均3,776時間だと述べていますが、短い方だと2,500時間前後で合格した方もいます。
よって1.5年、あるいは1日7時間程度勉強に費やせるのであれば、時間にゆとりのある大学生の方であれば1年での合格も十分可能だといえるでしょう。
しかし以上の学習スケジュールはあくまで、大学生活の最優先事項を公認会計士受験とする方の場合であり、大学生活やサークル活動なども楽しみたい方もいるはずです。
さらに経済的な問題でアルバイトをしながら大学生活を送る方もいることを踏まえると、自分の生活スタイルに合わせて無理なく合格を狙える学習スケジュールを組むことを心がけるといいでしょう。
公認会計士試験の合格を独学で目指す社会人のスケジュール
社会人の方の場合、大学生の方と違って普段の業務等があるため、なかなか学習のためのまとまった時間の確保が難しい場合が多いでしょう。
その点を踏まえてTACは、社会人の方の学習期間について、2~3年程度かけて公認会計士試験の合格を目指す学習スケジュールの作成を提案していました。
合格までの学習期間の目安としては、受験専念の方は1年~1.5年、大学生の方は1.5年~2年、社会人の方は2年~3年で受験プランを設定するのが一般的です。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
TACの調査によれば、公認会計士試験に一発合格した方の平均トータル学習時間は3,776時間とのことですが、仮にこの基準に従うとすれば、2年合格目標の場合でも1日5時間以上の学習時間が必要です。
しかし普段の業務で忙しい社会人の方にとってすれば、1日5時間の学習時間であっても時間の捻出に苦労してしまうことも十分に考えられるでしょう。
このような事情を踏まえたうえでTACは、じっくり時間をかけて合格を目指す「長期プラン」を組むことをおすすめしています。
確かに大学生の方と比べてどうしても時間をかけなければならない環境にあることが多いですが、目標はあくまで公認会計士試験の合格であり、短期間で学習を終えたからといって偉いわけでもありません。
TACとしても、最初のうちは一週間のうち1~2日の休みを設けつつ、1日2~3時間程度から学習を始めることを推奨している点からも、忙しい社会人の方は無理せず、自分のペースで学習を進めるといいでしょう。
独学以外で合格を目指す方法
独学以外で合格を目指す方法 |
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独学で公認会計士試験の合格を目指すことに限界を感じた場合、それ以外の学習方法を検討するのも一つの選択肢としてありえます。
事実、公認会計士試験の講義を開講しているTACの調査によると、独学による合格者は10%以下であり、試験全体の合格率でみると1%以下であると述べていました。
過去の試験結果や資格対策スクールの実績から推測すると、独学で合格した人の割合は合格者の10%以下だと考えられます。そして公認会計士試験全体の合格率は10%前後であるため、独学で勉強した場合の合格率は1%以下だと言えます。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
独学による合格が絶対に不可能とまでは決していえませんが、現実的に考えて、独学で限界を感じた際には、通信講座や予備校を活用するという選択肢は念頭に入れておいた方がいいでしょう。
TACは公認会計士試験の合格を通信講座・予備校での学習で目指すメリットとして、以下の通りに述べていました。
- 効率的に学習できるカリキュラム
- モチベーション維持
- 試験のプロによる試験分析
- 法改正への対策
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
しかし一方で、公認会計士試験の通信講座・予備校の受講料はお世辞にも安価とはいえず、大手公認会計士試験の通信講座・予備校を活用しようとすると概ね80万円程度の予算は必要です。
しかし公認会計士試験の通信講座・予備校の中には、クレアールのように650,000円(税込)と比較的低予算で受講できるものもあるので、自分にあったところを探してみるといいでしょう。
公認会計士試験の通信講座・予備校を活用する
公認会計士試験の合格を独学で目指すのに限界を感じた方については、公認会計士試験の通信講座・予備校の活用も選択肢に入れてもいいでしょう。
公認会計士試験の講座を開講しているTACは、通信講座・予備校を活用するメリットについて、以下の通りに述べていました。
- 効率的に学習できるカリキュラム
- モチベーション維持
- 試験のプロによる試験分析
- 法改正への対策
(引用元:TAC公式HP|公認会計士は独学で合格できるの?)
独学と比べた時の通信講座・予備校のメリットは、なんといっても「公認会計士試験の合格に必要な要素」が用意されている点だといえるでしょう。
独学の場合、合格に必要なテキストやスケジュールを自分で用意しなくてはなりませんが、通信講座や予備校を活用すれば、テキストやスケジュールもすべてひっくるめたカリキュラムが用意されます。
さらに通学による講義の場合、同じクラスで学習する受講生との交流を通じてモチベーションを上げやすくなるうえ、勉強仲間や情報交換、悩み相談の相手もできやすくなります。
そして当然講師もプロであるため、独学ではカバーしづらい法改正も踏まえたうえで、最新の試験分析のもとで効率的な学習や試験対策が可能です。
独学での公認会計士試験の合格は決して不可能ではありませんが、TACの分析によると、独学による合格者は10%以下と出ており、厳しい現実があることは踏まえなければなりません。
特にカリキュラムの作成やモチベーションの維持、情報収集などで限界を感じた方は、通信講座や予備校の活用も選択肢に入れる価値は十分にあるといえるでしょう。
公認会計士試験の安い通信講座・予備校
予備校 | 学習期間 | 費用(税込) |
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CPA会計学院 | 2年 | 810,000円(通学・通信併用) |
TAC | 約2年2ヶ月 | 770,000円(通学・通信併用) |
資格の大原 | 2年 | 800,000円(通学・通信・Web) |
LEC | 約1年 | 298,000円(通学。短答式試験のみ) |
クレアール | 2.5年 | 650,000円(Web) |
(参考:各社公式HP)
今回調査した限りでは、公認会計士試験の大手通信講座や予備校を活用する場合、受講費は80万円程度かかるなど、お世辞にも安価と呼べない費用が必要になってきます。
より詳細な費用や内容を知りたい方は、公認会計士の通信講座・予備校の記事もあわせてご確認ください。
一見、受講費が298,000円(税込)しかかからないLECが安く感じられますが、追加しない限りは短答式試験の内容しか講義が実施されない点には注意しなければなりません。
少しでも費用を抑えたうえで公認会計士試験の学習を行いたいのであれば、受講料が650,000円(税込)で済むクレアールのような、比較的リーズナブルなところを選ぶといいでしょう。
クレアールはただ費用が安いだけではなく、試験問題を研究したうえで敢えてすべての学習範囲は網羅せず、出題傾向を見極めて学習を行う「非常識合格法」を採用しており、効率のいい学習を実現しています。
さらにクレアールは完全通信制を採用しているために場所を選ばずに学習が可能であり、質問体制も整っているために学習中の不明点があってもしっかりとしたサポートが受けられます。
定価でも十分にリーズナブルなクレアールの公認会計士講座ではありますが、定期的に割引キャンペーンも実施しているので、興味のある方は公式HPにアクセスして最新情報をチェックしてみましょう。
公認会計士試験の独学におすすめのテキスト
独学以外で合格を目指す方法 |
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公認会計士試験の合格を独学で目指す方におすすめのテキストについて、以下の通りにまとめました。
なお、2024年時点で一般販売されていないCPA会計学院のテキストではなく、可能な限りで一般販売されているテキストに絞っておすすめのテキストをまとめています。
科目 | テキスト名 | 価格(税込) |
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財務会計論 | スタンダードテキスト財務会計論(Ⅰ・Ⅱ) | 5,500円 |
管理会計論 | スタンダードテキスト管理会計論 | 5,500円 |
監査論 | スタンダードテキスト監査論 | 5,280円 |
企業法 | はじめての会社法 | 2,090円 |
租税法 | テキスト租税法 | (一般販売なし) |
経営学 | テキスト経営学 | (一般販売なし) |
統計学 | 統計学入門 | 3,080円 |
まず前提として押さえておきたいのは、もし揃えられるのであればCPA会計学院のテキストを揃えるのが一番である、という点は揺るぎないということです。
実際に独学で公認会計士試験の合格を達成した方の中にも、CPA会計学院のテキストの一般販売が終了したのを理由に、独学での合格が不可能になったと述べる方もいる程です。
独学合格が不可能になった理由、それは独学では公認会計士試験用の教材が手に入らなくなったからです。
(中略)
「いやいや、予備校が外部に教材を売っていなくたって、市販の教材があるでしょ?」
こう思う方もいらっしゃるかもしれません。でも公認会計士試験の市販の教材はとても少ないのが現状です。
公認会計士短答式試験(1次試験)の教材ならどうにか市販でも揃えられます。ただ論文式試験(2次試験)の教材は市販ではほぼ売っていないです(購入対象者があまりに限定的なので、売っても儲からないのでしょう)。
信じられない方はamazonで「公認会計士 論文式試験」とかで検索してみてください。おそらく監査論の問題集と過去問くらいしか出てこないと思います。
教材が無かったらどんなに優秀な方でも合格は無理です。
(引用元:Study & Go|独学合格者の公認会計士テキスト完全まとめ【全て公開してます】)
しかし現実問題として、前述の通りCPA会計学院のテキストの一般販売は終了しており、正規ルートで購入する方法はありません。
そこでここでは、可能な限りでCPA会計学院のテキスト以外のもの、一般販売されているテキストに絞っておすすめをまとめています。
ただし残念ながら、一般販売されているテキストそのものがない、あるいは乏しい科目のものもあるのは事実です。
その場合、オークションやメルカリなどで出品されているCPA会計学院のテキストを入手する、などの手段を取る必要も出てくるでしょう。
また、論文式試験における選択科目に関しては、公認会計士試験の講義を開講しているTACは、「学習ボリュームが最も少ない」点を理由に、「経営学」の選択を推奨しています。
基本的には学習ボリュームの最も少ない「経営学」を選択するのが無難だ。
特にこだわりがない場合には、経営学を選択しておこう。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
ただし、大学や大学院の選考次第では他の選択科目でも勉強量を抑えられる可能性があり、たとえば統計学であれば「高校文系数学」のレベルで対応できる出題が続いているとTACは述べています。
独学で公認会計士試験の合格を目指そうとすると、CPA会計学院のような予備校と比べて、どうしてもテキストの面で苦労する面は否定できません。
しかしそれでも、市販のテキストでもカバーできる点はあるので、まずは市販のテキストで理解を深めつつ、必要に応じてCPA会計学院のテキストを入手するといいでしょう。
財務会計論
財務会計論を独学で学ぶうえでおすすめのテキストは、中央経済社より出版されている『スタンダードテキスト財務会計論』です。
スタンダードテキストは財務会計論以外にも、管理会計論と監査論も出版されており、市販のテキストが少ない中では貴重なシリーズだといえるでしょう。
財務会計論のテキストは2冊に分かれており、Ⅰは基礎概念や個別財務諸表の各論点を詳述しており、応用論点編にあたるⅡは金融商品やデリバティブなどの各論が詳述されています。
価格はⅠ・Ⅱともに5,500円(税込)であり、2冊合わせたとしても、予備校に通うことを考えれば非常にリーズナブルだといえます。
「現在最も詳しいテキスト」と称するだけあって、法案の改正等も加味したうえで詳細な解説がなされたテキストだといえるでしょう。
管理会計論
管理会計論を独学で学ぶうえでおすすめのテキストは、中央経済社より出版されている『スタンダードテキスト管理会計論』です。
公認会計士試験は市販されているテキストが潤沢とはいえませんが、スタンダードテキストは財務会計論や監査論のものも販売されており、独学で合格を目指す方には強い味方になりうるでしょう。
現行の第2版は、公認会計士試験の出題区分表の大幅改定を受けて、全体の章構成や内容を見直して、さらに充実した内容へとブラッシュアップされたものです。
価格に関しても、財務会計論のスタンダードテキストと同じく5,500円(税込)であり、予備校の受講と比べて費用を節約できる価格帯だといえます。
『スタンダードテキスト管理会計論』は、公認会計士という会計のプロフェッショナルに必要な基礎知識と思考力が習得できるテキストとして、有力な市販のテキストだといえるでしょう。
監査論
財務会計論と管理会計論のテキストも出版されている中央経済社の『スタンダードテキスト』ですが、監査論もまた『スタンダードテキスト監査論』として販売されています。
市販されているテキストが限られている中、独学で公認会計士試験に合格しただけでなく、監査論で1位を獲得したドッポさんも、『スタンダードテキスト』を利用していました。
ドッポさん まず簿記1級から勉強を始めようと思い、市販のテキストを買い、その後は財務会計論・管理会計論・監査論で『スタンダードテキスト』(中央経済社)を買いました。
(引用元:会計人コースWeb|独学&監査論1位で公認会計士試験に一発合格! その勉強法を聞いてみた)
一方でその後は、「予備校のテキスト」をフリマアプリで集めたとも述べていますが、同時に「先に『スタンダードテキスト』を読んだことも無駄にはなりませんでした」とも述べていました。
ドッポさんは『スタンダードテキスト』で事前に学習した経験が活きて、予備校のテキストを活用した際に「あのときに言っていたことはこういうことだったんだ」と理解できる土台が作れたと述べています。
市販のテキストは予備校のものと比べて種類そのものが少ないのが難点ですが、公認会計士合格を目標とした学習に十分耐えうる内容のものもある点は事実だといえるでしょう。
企業法
独学で企業法を学ぶ際におすすめのテキストは、TAC出版より販売されている『はじめての会社法』が挙げられます。
『はじめての会社法』は、文字通りはじめて企業法の学習に取り組む方であっても理解しやすいように、難解な専門用語を使わず、日常用語で説明がされている点が特徴です。
文章による説明だけではなく、豊富に図表を使用しているため、初学者の方であっても法律制度や概念がイメージしやすい作りになっているといえるでしょう。
価格も2,090円(税込)と公認会計士試験のテキストとしては非常にリーズナブルであり、まさに「一番最初に触れるテキスト」として適切だといえるものです。
良くも悪くも「はじめて学習する方」向けのテキストではありますが、内容面でさらに深く学習する必要が出た際に予備校のテキストを入手するのを前提としつつ、最初に入手するテキストとしてはおすすめだといえるでしょう。
租税法
租税法に関しては、残念ながら市販で入手できるテキストの中では有力なものが少なく、CPA会計学院のテキストである『テキスト租税法』を入手するのが有力だと結論せざるを得ない状況です。
しかしCPA会計学院のテキストは一般向けに販売されておらず、入手するにはオークションやメルカリなどを利用する必要がある点には留意するべきでしょう。
一方で、CPA会計学院のテキストは「重要性と理解を重視」していると述べているように、ランク付けによって重要度を明確にしたうえで、受講者が理解しやすいように作られた良書です。
「重要性と理解を重視した」教材
CPA会計学院の教材は、本試験の出題傾向を徹底的に分析しています。
すべての論点に対して、試験に出題される可能性が高いと思われる順に、A・B・Cのランク付けをしているので、効率的な学習が可能です。
また、理解を重視したつくりなので、必要最小限の暗記で、答えを導き出せる力を身につけられます。
(引用元:CPA学院公式HP)
2023年度の公認会計士試験の合格占有率が50%を超えているCPA会計学院のテキストらしく、本試験の出題傾向を徹底的に分析したうえで作られた内容にまとまっています。
CPA会計学院のテキストは、正規の方法による入手が不可能なのが最大のネックですが、公認会計士試験の合格を目指す独学の方にとっても、ぜひ入手したいテキストだといえるでしょう。
経営学
選択科目である経営学を独学で学習するテキストには、市販で入手できるテキストに有力なものがなく、CPA会計学院のテキストである『テキスト経営学』を入手した方がいいでしょう。
公認会計士試験の講義を開講しているTACは、選択科目については「経営学」を選択することを推奨しており、さらにCPA会計学院も選択科目の講義は基本的に経営学で実施しています。
合格者の9割以上の方は「経営学」を選択しています。ボリュームの少なさが大きな理由です。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
一方で、公認会計士試験における経営学に関しては、市販のテキストで有力なものがないのがネックで、特に独学で学習しようとしている方は苦労してしまうポイントになりうるでしょう。
ただしTACの分析によると経営学の出題傾向は「基本的な論点を広く浅く」であるため、試験の難易度そのものは比較的軽いものであるという見方も可能です。
しかしもちろん、確実に合格を目指すのであればしっかりとしたテキストで学習するのがベストであるのは当然なので、可能ならメルカリなどで『テキスト経営学』を入手してもいいでしょう。
統計学
公認会計士試験の選択科目で統計学を選ぶ方におすすめの独学のテキストは、東京大学出版会から出版されている『統計学入門』です。
TACの分析によると「合格者の9割以上の方は「経営学」を選択」している一方で、統計学についても「「高校文系数学」のレベルで対応できる出題」が続いているとも述べています。
また、CPA会計学院は選択科目の講義は「経営学」で実施していますが、「統計学」の講義も選択可能なため、選択肢に入れる価値はあるといえるでしょう。
『統計学入門』は統計学の体系的知識を基礎から優しく解説しており、初学者の方で視覚的に分かりやすいように、実際例や図表を豊富に取り入れて作成しています。
TACの分析によると「合格者の9割以上の方は「経営学」を選択」している選択科目ですが、経営学は市販のテキストで有力なものが少ないのも含め、抵抗がない方は統計学の選択を検討してもいいでしょう。
CAP学院のテキストは一般向けは販売終了している
CAP学院のテキストは一般向けは販売終了している |
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CPA学院は2023年度の公認会計士試験の合格占有率が50%を超えているように、公認会計士試験の実績面で特に名高い予備校であり、そのテキストもかつては一般販売されていました。
しかしCPA学院は、2022年5月28日をもってしてテキストや問題集等の一般向け教材の販売をすべて終了してしまい、これをもって外部の方は入手不可能になってしまいました。
いつもCPA会計学院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、誠に勝手ながら、下記日程をもちまして、下記単科商品を販売終了とさせていただくこととなりました。2022年5月28日販売終了
- 各科目テキスト(冊子及びWebテキスト)
- 各科目個別問題集(冊子及びWebテキスト)
- 各科目短答対策問題集(冊子及びWebテキスト)
- 各科目論文対策問題集(冊子及びWebテキスト)
- 各科目別短答対策直前答練
(引用元:CPA会計学院公式HP)
CPA会計学院が一般向けの教材の販売を終了したのを受けて、独学で公認会計士試験を合格した方の中には、この発表を受けて「独学合格が不可能」になったと述べている方もいました。
独学合格が不可能になった理由、それは独学では公認会計士試験用の教材が手に入らなくなったからです。
(中略)
「いやいや、予備校が外部に教材を売っていなくたって、市販の教材があるでしょ?」
こう思う方もいらっしゃるかもしれません。でも公認会計士試験の市販の教材はとても少ないのが現状です。
(中略)
信じられない方はamazonで「公認会計士 論文式試験」とかで検索してみてください。おそらく監査論の問題集と過去問くらいしか出てこないと思います。
教材が無かったらどんなに優秀な方でも合格は無理です。
(引用元:Study & Go|独学合格者の公認会計士テキスト完全まとめ【全て公開してます】)
実際に市販の教材がとても少ない現状は、2024年時点でも事情は変わっておらず、必須科目でさえ有力な教材がないものもあるのが現実です。
さらに残念ながら、2024年においても、CPA学院製の公認会計士試験のテキストが再販されるという情報は入っておらず、正規での入手は不可能なことに変わりありません。
しかし市販の教材では絶対に合格は目指せないというわけではなく、実際に独学でありながら、監査論で1位を獲得したうえで公認会計士試験に合格した方も、市販のテキストを使用していました。
ドッポさん まず簿記1級から勉強を始めようと思い、市販のテキストを買い、その後は財務会計論・管理会計論・監査論で『スタンダードテキスト』(中央経済社)を買いました。監査論に関しては、問題集の『理論科目集中トレーニング』(同)も使っていました。
(引用元:会計人コースWeb|独学&監査論1位で公認会計士試験に一発合格! その勉強法を聞いてみた)
それでも科目によってはどうしても有力な市販のテキストに乏しい現実はあり、CPA会計学院のテキストを入手した方が効率よく独学での合格が目指せる可能性があるのは否定できません。
どうしてもCPA会計学院のテキストが必要な場合は、オークションやメルカリでの入手も不可能ではありませんので、必要に迫られた場合は利用を検討してみてもいいでしょう。
CAP学院のテキストは再販されないのか
CPA会計学院のテキストの再販については、残念ながら2024年時点においても実施されていませんでした。
よってCPA会計学院のテキストは正規ルートで入手する方法はなく、独学の方は原則、市販の教材で公認会計士試験の合格を目指すしかありません。
しかし科目によっては、市販のテキストでは有力なテキストが見つからない可能性が高いのも否定できず、どうしてもCPA会計学院のテキストが必要になる可能性もあります。
その場合は、ネットオークションやメルカリなどに出品されているCPA会計学院のテキストの購入を検討する必要が出てくるでしょう。
ただしネットオークションやメルカリの場合、必ずしも目当てのテキストが出品されている保証はないうえ、テキストも最新の試験に対応していない可能性も否定できません。
以上の現状を踏まえ、独学で公認会計士試験の合格を目指す方は、可能な限り市販のテキストで学習を進めつつ、どうしても行き詰まった場合にメルカリなどでテキストの入手を検討するのがいいでしょう。
公認会計士試験の予備校のテキストは購入できる?
予備校 | 短答式試験(テキスト・問題集) | 論文式試験(テキスト・問題集) |
---|---|---|
CPA会計学院 | ✕(2022年5月28日販売終了) | ✕(2022年5月28日販売終了) |
TAC | ◯(問題集) | ◯(問題集) |
資格の大原 | ◯(問題集) | ✕ |
LEC | ✕ | ✕ |
クレアール | ✕ | ✕ |
(参考:各社公式HP)
かつて、公認会計士試験の講座を開講している予備校のテキストの中で、市販されているものとしてはCPA会計学院のものが筆頭として挙げられる状況でした。
2023年度の公認会計士試験の合格占有率が50%を超えるなど、予備校の中でも群を抜く実績を持つCPA会計学院ですが、テキストはもちろん、短答式試験・論文式試験の問題集も市販されていました。
しかし残念ながら、CPA会計学院は2022年5月28日をもってして、公認会計士試験に関する教材の販売をすべて終了してしまい、外部の方が入手する方法はなくなってしまいました。
2024年時点でも、CPA会計学院以外のテキストや問題集では、すべての科目を網羅するのは厳しい状況で、科目によっては有力なテキストを見つけることすら厳しいものもあるのが現状です。
そしてCPA会計学院以外の大手予備校も、今回調査した限りでは一般向けのテキストは販売していませんでしたが、その中ではTACが短答式試験・論文式試験の両方の問題集を一般販売していました。
科目 | 短答式試験(価格・税込) | 論文式試験(価格・税込) |
---|---|---|
財務会計論 | 2冊(1,540円+1,540円) | 7冊(2,090円+1,980円+2,420円+2,640円+3,300円+3,190円+2,640円) |
管理会計論 | 1冊(1,980円) | 4冊(2,640円+2,640円+2,200円+2,200円) |
監査論 | 1冊(1,430円) | ✕ |
企業法 | 1冊(1,980円) | ✕ |
租税法 | ✕ | ✕ |
選択科目 | ✕ | ✕ |
(参考:TAC公式HP)
残念ながらTACであっても、必須科目である租税法については販売がなく、論文式試験についても財務会計論と会計管理論の取り扱いがあるだけです。
しかし逆にいえば、財務会計論と会計管理論の問題集に関しては、独学の方であっても十分な内容のものを揃えられる余地があるということはできるでしょう。
そして財務会計論と会計管理論に関しては、大手予備校によるテキストの一般販売こそありませんが、『スタンダードテキスト』シリーズを始めとした比較的有力な市販テキストが存在しています。
『スタンダードテキスト』には財務会計論や会計管理論だけではなく、監査論のものもあり、監査論で1位を獲得したうえで公認会計士試験に合格したドッポさんも使用しています。
ドッポさん まず簿記1級から勉強を始めようと思い、市販のテキストを買い、その後は財務会計論・管理会計論・監査論で『スタンダードテキスト』(中央経済社)を買いました。
(引用元:会計人コースWeb|独学&監査論1位で公認会計士試験に一発合格! その勉強法を聞いてみた)
確かに選択科目も含めてすべての科目を網羅しているCPA会計学院の教材が入手できるのであれば、教材の質を考慮してもそれが最善である可能性は高いです。
しかしCPA会計学院の教材を使わなくても合格を狙える科目はあるため、「CPA会計学院の教材をすべて揃えなくては絶対に合格できない」とまでは考える必要はないといえるでしょう。
公認会計士試験のおすすめの通信講座・予備校
予備校 | 特徴 | |
---|---|---|
CPA会計学院 |
|
|
TAC |
|
|
資格の大原 |
|
|
LEC |
|
|
クレアール |
|
(参考:各社公式HP)
公認会計士試験の合格を独学で目指すのは不可能と言い切ることもできませんが、一方で「独学で勉強した場合の合格率は1%以下」というTACの分析にも表れているように、現実として非常に難易度が高いのも事実です。
独学での合格が厳しいと判断した方の中には、通信講座や予備校の受講を検討される方もいるでしょうが、通信講座や予備校の中で特におすすめといえるのがCPA会計学院です。
教材・講師・サポート体制のいずれも充実
CPA会計学院の教材は「重要度」と「理解」を重視して制作されており、最新の試験傾向を徹底的に分析したうえで、全論点に重要度を明示し、問題に対する考え方を丁寧に分かりやすく解説しています。
さらに経験豊富な講師陣の中から受講生にあった講師や講義を選べるうえ、学習カリキュラムも受講者の生活スタイルに合わせてオーダーメイドで作られるため、学業や仕事との両立もしやすいでしょう。
受講生のサポート体制も徹底しており、面談や質問対応はもちろんのこと、受講生同士でコミュニケーションが取れるイベントや、合格後のキャリアサポートなど、安心して学習に励める環境が整っています。
他の追随を許さない圧倒的実績
そしてCPA会計学院を特におすすめする最大の理由としては、2023年度の公認会計士試験の合格者のうち、実に半数以上がCPA会計学院出身者であるという、他の追随を許さない圧倒的な実績です。
CPA会計学院は合格者数の更新速度も目覚ましく、2020年度の359名合格から毎年100人増加ペースで合格者数を更新し続け、2023年度には合格者数占有率が50%を超えたのは特筆できます。
決して、他の予備校では公認会計士試験に合格できないわけではありませんが、このペースで合格者が増加している予備校はCPA以外にはなく、実績面でみるならCPA会計学院がおすすめだといえるでしょう。
CPA会計学院以外の通信講座・予備校も選択肢に
CPA会計学院以外にも、合格力を養成できる戦略的なカリキュラムが売りのTACや、過去10年間(2023年度~2013年年度)のうち全国総合成績1位を6年間排出している資格の大原なども、選択肢としては入り得ます。
さらに、短答式試験の1年合格に特化するのであればLECという選択肢もあり得るうえに、他校と比べて比較的リーズナブルな受講料のクレアールも、受講生によっては有力な選択肢でしょう。
CPA会計学院の発表によると平均合格率が10.7%である難関資格の公認会計士試験ですが、独学で行き詰まった方は、通信講座や予備校の利用を検討してみるといいでしょう。
その際には、CPA会計学院などの公認会計士試験の講義を開講している通信講座や予備校の公式HPにアクセスし、事前に情報を収拾したうえで受講する通信講座・予備校を選ぶことをおすすめします。
公認会計士の独学に関するよくある質問
公認会計士の独学に関するよくある質問 |
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ここでは、公認会計士試験の独学によくある質問についてまとめました。
公認会計士は独学で合格できますか?
決して不可能といいきることもできませんが、現実的に考えると非常に難しいというのが現状です。
厳しい現実を裏付ける分析として、公認会計士講座を開講しているCPA会計学院は、2022年の公認会計士試験の合格者の9割以上がCPA会計学院を含めた大手予備校出身者であると発表しています。
事実、各予備校が発表している合格者数を元に計算すると、2022年公認会計士試験における全体合格者数1,456名の内、大手予備校だけで9割以上(CPA会計学院606名、A校410名、B校334名)の合格者を輩出しています。
つまり、合格者のほとんどを予備校出身者が占め、独学での合格者は非常に少ないということです。
(引用元:CPA会計学院公式HP|独学で公認会計士試験に合格するのは無理と言われる理由)
同じく公認会計士の講座を開講しているTACも、「独学で勉強した場合の合格率は1%以下」と発表しており、独学で公認会計士試験の合格を目指す方は相応の覚悟が必要だといえるでしょう。
ただし独学で公認会計士に合格した方が0%であるという分析がされたわけでもないため、絶対に不可能だと言い切って諦める必要もないでしょう。
公認会計士のテキストは市販されていますか?
科目 | テキスト名 | 価格(税込) |
---|---|---|
財務会計論 | スタンダードテキスト財務会計論(Ⅰ・Ⅱ) | 5,500円 |
管理会計論 | スタンダードテキスト管理会計論 | 5,500円 |
監査論 | スタンダードテキスト監査論 | 5,280円 |
企業法 | はじめての会社法 | 2,090円 |
租税法 | テキスト租税法 | (一般販売なし) |
経営学 | テキスト経営学 | (一般販売なし) |
統計学 | 統計学入門 | 3,080円 |
決して種類が潤沢だとはいえませんが、市販されている公認会計士のテキスト自体は存在します。
ただし、市販されているテキストは種類が限られており、租税法のように必須科目であるにもかかわらず有力な市販のテキストが非常に少ないものもある点は無視できません。
以前はCPA会計学院の教材が市販されており、選択科目も含め合格に必要な教材がすべて揃えられましたが、2022年5月28日をもって一般向けの教材の販売をすべて終了してしまいました。
よって、独学の方は原則として市販のテキストで合格を目指す必要がありますが、どうしてもCPA会計学院の教材が必要な場合は、オークションやメルカリなどを利用して入手する必要があるでしょう。
公認会計士の予備校はどのくらいの費用が必要ですか?
予備校 | 学習期間 | 費用(税込) |
---|---|---|
CPA会計学院 | 2年 | 810,000円(通学・通信併用) |
TAC | 約2年2ヶ月 | 770,000円(通学・通信併用) |
資格の大原 | 2年 | 800,000円(通学・通信・Web) |
LEC | 約1年 | 298,000円(通学。短答式試験のみ) |
クレアール | 2.5年 | 650,000円(Web) |
(参考:各社公式HP)
今回調査した限りでは、大手予備校に通い公認会計士試験の合格を目指そうとすると、80万円程度の費用が必要とされます。
一見するとLECが割安に見えますが、1年間程度で短答式試験の合格を目指すのに特化した内容であり、追加料金を支払わないと論文式試験の講義を受講できない点には注意が必要でしょう。
費用面で見ると、650,000円(税込)で受講可能なクレアールの公認会計士講座が比較的リーズナブルであり、割安で予備校に通いたい方にはおすすめです。
TACの公認会計士のテキストは何冊あるか一覧はありますか?
ジャンル | シリーズ | 対応科目 |
---|---|---|
入門書 | はじめての会社法 | 企業法 |
短答式試験問題集 | ベーシック問題集 | 財務会計論・管理会計論・監査論・企業法 |
短答式試験問題集 | アドバンスト問題集 | 財務会計論・監査論・企業法 |
短答式試験問題集 | 逐条問題集 | 財務会計論 |
論文式試験問題集 | 新トレーニングシリーズ | 財務会計論・管理会計論 |
(参考:TAC公式HP)
TACの公認会計士試験講座で使用するテキストは未公開でしたが、TACが一般向けに販売している公認会計士試験のテキストを上の通りにまとめました。
他の予備校では一般向けのテキストそのものを販売していないところも珍しくありませんが、TACは、財務会計論と管理会計論に限られこそするものの、論文式試験の問題集も販売している貴重な予備校です。
ただし、選択科目についてはテキストの販売がないうえに、必須科目である租税法のテキストも販売されていない点には注意しましょう。
ユーキャンには公認会計士の通信講座はありますか?
残念ながらユーキャンは、公認会計士の通信講座は開講していません。
ただし、公認会計士に関連する資格である、簿記3級や2級の通信講座は開講されています。
特に公認会計士試験の必須科目である財務会計論は、学習内容が簿記と重なる点も多いため、まず簿記の取得を目指してみるのはおすすめできるでしょう。
公認会計士試験を1年で合格できるスケジュールはありますか?
TACの分析によると、公認会計士試験の一発合格者を達成した方のトータル勉強時間は平均3,776時間であり、これを1年間で達成するためには1日10時間以上の学習を必要とします。
ズバリ、一回の試験で合格した「一発合格者」のトータル勉強時間は平均3,776時間だ。
さんぜんッ…、ちょっと途方もなくてイメージができないわ…
極めてシンプルに考えると、1日10時間の勉強を1年間続ければ、近い数字になるかな。
実際に成し遂げられるか、は別としてね。一般的に、どれくらいの期間をかけて勉強するものなの?
1.5~2年間の受験プランが一般的だ。
例えば2年間で考えると、1日あたり平均5時間となるね。これなら、だいぶ現実的になってくるのではないかな?一般的に、どれくらいの期間をかけて勉強するものなの?
1.5~2年間の受験プランが一般的だ。
例えば2年間で考えると、1日あたり平均5時間となるね。これなら、だいぶ現実的になってくるのではないかな?
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
1日10時間の学習を一年間休まずに続けるのは現実的とはいえず、実際にTACとしても1.5~2年間で合格するように受験プランを組むように推奨しています。
どうしても1年間での公認会計士試験の合格を必要とする事情がある方は、1年間公認会計士試験の学習に専念できる環境はまず必要だといえるでしょう。
大学生で公認会計士を目指すと遊べないですか?
公認会計士合格を目指す大学生の方が、どのような学習プランで合格を目指すか次第です。
大学生活も楽しみたいし、アルバイトやサークルもやってみたい!
やりたい事がたくさんあってどうしよう…。自分の中で優先順位をつけながら受験プランを立てることが大切だ。
会計士受験が1番なら、受験中心の生活サイクルと受験プランを。色々やりたいことがあるなら、並行して無理なく勉強できるプランを立てると良いよ。
(引用元:TAC公式HP|公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?)
公認会計士試験の合格を最優先するのであれば、集中して学習することを考えた時に、「遊べない」というよりは「遊んでいる場合ではない」という考え方になると思われます。
しかし、例えば大学生活を楽しみたいと考える方や、アルバイトやサークルもやってみたいと考える方は、無理して短期集中で学習するよりも、大学生活と並行して学習を進めるプランが考えられます。
TACは公認会計士試験の学習プランは「1.5~2年間(1日5時間程度の学習)」で組むのが一般的だとも述べており、そう考えると「まったく遊べない」という事態になることはあまりないといえるでしょう。
まとめ:公認会計士は独学で合格できる?
公認会計士試験はCPA会計学院の発表によると平均合格率は10.7%であるなど、非常に難易度の高い国家資格です。
さらにCPA会計学院は、2022年の公認会計士試験の合格者の9割以上が大手予備校出身者であるというデータも出しており、独学で合格を目指す方には非常に厳しい現実が待ち受けているといえるでしょう。
ただし独学で合格できるのであれば、予備校に通うよりも費用を割安で抑えられるうえに、自分のペースで学習が進められるという小さくないメリットも存在します。
それでも独学で合格を目指す際の壁は決して小さくなく、テキストそのものが限られるうえに、情報も限られ、数年に及ぶ学習期間の中でのモチベーションの維持も難しいでしょう。
しかしどのような学習方法で公認会計士試験の合格を目指すにせよ、短期間での合格は望めるものではなく、焦らずに数年単位で合格を目指せば、絶対に不可能というわけではありません。
自分の生活スタイルにあわせて、決して無理せずに学習を進められる学習プランを組んだうえで、教材や情報源も確保できれば独学での合格も十分に見えてきます。
情報源はSNSなどで対応できる部分もあり、決して潤沢ではないテキストもいざとなればCPA会計学院のテキストをメルカリなどで入手するという方法もないわけではありません。
あくまで無理をせず、限界を感じたら通信講座や予備校の利用は検討するということは念頭においたうえでなら、独学で公認会計士試験の合格を目指すのは決して不可能ではない、といえるでしょう。
→公認会計士のおすすめ通信講座・予備校の記事も併せてご覧ください。
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