中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う国家資格です。
「中小企業診断士に合格するのは難しい?」「勉強時間はどのくらい必要なの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、中小企業診断士の合格率と難易度、勉強時間をほかの資格や大学偏差値と比較して解説します。
また中小企業診断士の独学におすすめの勉強方法も紹介するので、通信講座やスクールに通うか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
中小企業診断士を通信講座で学習することを考えている方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→中小企業診断士 通信はこちら
中小企業診断士ってなんのための資格?役立たないって本当?
- 中小企業診断士は何ができるのか
- 中小企業診断士はきつい?将来性はあるのか
中小企業診断士は、企業が成長するための戦略を助言する資格です。
資格の維持がきついといわれる資格ですが、資格手当が付くだけではなく専門分野を作ることで転職に役立ちます。
またビジネスパーソンに人気の「中小企業診断士の資格を持っている」というステータスが人気の理由です。
転職すると日本の平均以上の年収を得られるだけでなく、単純作業ではないことからAIの代替が難しい職業のため将来性があります。
中小企業診断士は何ができるのか
中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格で、2016年に「取得したいビジネス関連資格1位」を獲得しました。
中小企業診断士は、企業が成長するための戦略を助言する資格です。
中小企業診断士の業務は、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。
「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
(引用元:中小企業診断協会)
中小企業診断協会には、主な業務は「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」と記載されています。
職業情報提供サイトjobtagによると、半数以上の中小企業診断士は「経営上の問題点を判断」「企業に出向いて現場を調査」「希望に沿って診断方針を作る」を行っています。
また、マニュアルを作成したり手順の研修を行ったりして従業員と直接関わるため、コミュニケーション能力が求められる職業です。
中小企業診断士はきつい?将来性はあるのか
中小企業診断士がきついのは、資格の認知度の低さと、会社に勤めながらだと5年ごとの更新要件を満たすことが難しいためです。
ビジネス関連の資格の税理士や社労士と比べて、知名度の低さからコンサルティング先を見つけるのに苦労します。
またコンサルティングは、5年ごとの資格の更新要件にも含まれているためクリアしづらい条件です。
更新登録にあたっては、登録の有効期間の開始日から、今回の申請日までの間に、以下の(1)専門知識補充要件と、(2)実務要件の両方を満たす必要があります。
(1) 専門知識補充要件
以下のいずれかを合計して5回以上の実績を有すること。
1) 理論政策更新(理論政策)研修を修了したこと。
2) 論文審査に合格したこと。
3) 理論政策更新(理論政策)研修講師を務め指導したこと。(2) 実務要件
以下のいずれかを合計して30日以上行ったこと。
1) 診断助言業務等に従事したこと。
2) 実務補習を受講したこと。
3) 実習、実務補習を指導したこと。なお、登録の有効期間内に更新登録の要件を満たせない者は経営診断業務休止の申請をご検討ください。
(引用元:中小企業庁)
資格更新には、専門知識補充要件と実務要件があります。
専門知識補充要件は、理論政策更新研修を修了したり論文審査に合格したりという実績が5回以上必要です。
理論政策更新研修とは、1回につき4時間の研修で受講料は6,300円(税込)かかります。
要件を満たすために5回参加すると31,500円(税込)です。
また、実務要件の診断助言業務はコンサルタント先がないと行えません。
そのため独立していない中小企業診断士は、要件をクリアすることが難しくなります。
実務要件を満たすために実務補習を受講するには、中小企業診断協会の実務補習15日コースで178,600円(税込)です。
実務要件は30日以上なので、コンサルタント先がないと資格更新のたびに15日コースの2倍の価格である約35万円かかります。
専門知識補充要件の31,500円と合計して約38万円を5年に1度支払うので、中小企業診断士として独立していない場合に資格を所持し続けるのはきついです。
しかし中小企業診断士の資格は、キャリアアップや転職活動に活かせます。
資格手当相場は1万~3万円程度です。
会社に勤務しながら働く場合も、中小企業診断士の資格手当は月あたり1~3万円ほどが相場と言われています。
(引用元:アガルートアカデミー公式HP)
月に3万手当が増えると年間で36万増えることになるので、手取りが25万の方は資格を取ることで、年間でひと月分以上の収入が増えることになります。
また、中小企業診断士の資格取得後に転職するなら専門分野を作ることで資格を活かせます。
求人情報は歓迎要件に中小企業診断士と、以下のような必須要件がありました。
- 株式会社ブリヂストンでは「経営工学に関する知識」
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・データでは「財務計画の策定に関わった経験」
- 古河電気工業株式会社では「販売マーケティングの経験」
中小企業診断士は、資格手当を得られるだけでなく、専門分野を作ることで収入を増やせる職業です。
また単純作業ではないことからAIによる代替が難しいため、人が担い続ける将来性のある資格といえます。
中小企業診断士の合格率・難易度は?
- 中小企業診断士の難易度は?他の資格試験や大学偏差値との比較
- 中小企業診断士と同じ偏差値レベルの文系国公立大学は?
- 中小企業診断士の合格率
- 中小企業診断士と他の資格の合格率比較
資格取得の難易度や合格率を、大学偏差値や他の資格と比較していきます。
中小企業診断士の偏差値は60~64で、合格率は3~7%で、MARCHや文系の国公立大学の東京芸術大学、筑波大、埼玉大、横浜国立大学と同じくらいの偏差値です。
また社労士の合格率は6~7%、司法書士の合格率は3~5%のため、中小企業診断士の合格率と同程度でした。
中小企業診断士の難易度を他の資格試験・大学偏差値と比較
大学 | 偏差値 | 試験名 |
東大、京大 | 68~ | 司法試験・予備試験 |
早慶上智 | 65~67 | 不動産鑑定士・司法書士・弁理士 |
MARCH | 60~64 | 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士・技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネージャー |
日東駒専 | 55~56 | 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター |
(引用元:アガルートアカデミー公式HP)
中小企業診断士の偏差値は60~64です。
大学偏差値と比較すると、早慶上智よりも難易度は低く、MARCHと呼ばれる明治大学、青山大学、立教大学、中央大学、法政大学と同じくらいの偏差値レベルです。
共通テストでMARCHに合格しようと思うと、合格のボーダーは85%~93%程度です。
(引用元:難関私大専門塾マナビズム)
MARCHは共通テストで80%程度の得点を求められる学力のため、中小企業診断士は決して簡単に合格できる資格ではありません。
中小企業診断士と同じ偏差値レベルの文系国公立大学は?
偏差値 | 学校名(学部名) |
60~64 | 中小企業診断士 |
64 |
|
63 |
|
62 |
|
61 |
|
60 |
|
(引用元:ベネッセコーポレーション マナビジョン)
中小企業診断士は偏差値60~64で、文系の国公立大学と比較すると、東京芸術大学、筑波大、埼玉大、横浜国立大学と同じくらいの偏差値です。
偏差値64の横浜国立大都市科学部都市社会共生学科は、2022年度前期日程で倍率2.8倍、後期日程が6.5倍でした。
そのため国公立大学と同じくらいの難易度の中小企業診断士は、非常に難易度が高い資格ということがわかります。
中小企業診断士の合格率
中小企業診断士の毎年の合格率は3~7%です。
1次試験の合格率は30〜40%、2次試験は過去4年間は18%、口述試験はほぼ全員合格しています。
中小企業診断士は、10代~70代までの幅広い年代が合格できる資格です。
試験別の合格率
【1次試験】
年度 | 申込者数 | 受験者数 1科目以上受験 |
受験者数 欠席した科目がない (A) |
合格者数 (B) |
合格率 (B)÷(A) |
2019年 | 21,163人 | 17,386人 | 14,691人 | 4,444人 | 30.2% |
2020年 | 20,169人 | 13,622人 | 11,785人 | 5,005人 | 42.5% |
2021年 | 24,495人 | 18,662人 | 16,057人 | 5,839人 | 36.4% |
2022年 | 24,778人 | 20,212人 | 17,345人 | 5,019人 | 28.9% |
2023年 | 25,986人 | 21,713人 | 18,621人 | 5,521人 | 29.6% |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
【2次試験】
年度 | 申込者数 | 筆記試験受験者数 1科目以上受験 |
筆記試験受験者数 欠席した科目がない (A) |
口述試験の 受験資格取得者 |
合格者 (B) |
合格率 (B)÷(A) |
2019年 | 6,161人 | 5,966人 | 5,954人 | 1,091人 | 1,088人 | 18.3% |
2020年 | 7,082人 | 6,400人 | 6,388人 | 1,175人 | 1,174人 | 18.4% |
2021年 | 9,190人 | 8,786人 | 8,757人 | 1,605人 | 1,600人 | 18.3% |
2022年 | 9,110人 | 8,745人 | 8,712人 | 1,632人 | 1,625人 | 18.7% |
2023年 | 8,601人 | 8,266人 | 8,241人 | 1,557人 | 1,555人 | 18.9% |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
【1次試験と2次試験の合格率】
年度 | 1次合格率(A) | 2次合格率(B) | 試験合格率 (A)×(B) |
2016年 | 17.7% | 19.2% | 3.3% |
2017年 | 21.7% | 19.4% | 4.2% |
2018年 | 23.5% | 18.8% | 4.4% |
2019年 | 30.2% | 18.3% | 5.5% |
2020年 | 42.5% | 18.4% | 7.8% |
2021年 | 36.4% | 18.3% | 6.6% |
2022年 | 28.9% | 18.7% | 5.4% |
2023年 | 29.6% | 18.9% | 5.6% |
(引用元:スタディング公式HP)
中小企業診断士の毎年の合格率は3~7%です。
1次試験の合格率は30〜40%、2次試験は過去4年間は18%、口述試験はほぼ全員合格しています。
受験者年代別の合格率
受験年度 | |||
受験者の年齢 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
20歳未満 | 0人 | 1人 | 2人 |
20~29歳 | 137人 | 218人 | 283人 |
30~39歳 | 406人 | 501人 | 687人 |
40~49歳 | 354人 | 296人 | 416人 |
50~59歳 | 161人 | 143人 | 193人 |
60~69歳 | 28人 | 13人 | 19人 |
70歳以上 | 2人 | 2人 | 0人 |
総数 | 1,088人 | 1,174人 | 1,600人 |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会より一部抜粋)
中小企業診断士の合格者の最年少は2019年が20歳、2020年が16歳、2021年が19歳でした。
最年長の合格者は、2019年が74歳、2020年が71歳、2021年が66歳です。
中小企業診断士は、10代~70代までの幅広い年代が合格できる資格だということがわかります。
中小企業診断士と他の資格の合格率比較
中小企業診断士を他の資格試験の合格率と比べてみましょう。
資格名 | 合格率 |
中小企業診断士 | 3~7% |
宅建 | 15~17% |
行政書士 | 11~15% |
公認会計士 | 10% |
社労士 | 6~7% |
司法書士 | 3~5% |
(引用:アガルートアカデミー)
中小企業診断士は、合格率が3~7%です。
社労士の合格率は6~7%、司法書士の合格率が3~5%のため同じくらいの難易度といえます。
宅建や行政書士、公認会計士の合格率は10%を超えており、中小企業診断士2倍近くの合格率の資格です。
中小企業診断士の勉強時間を他の資格と比較
- 中小企業診断士の勉強時間
- 中小企業診断士と社労士の比較
- 中小企業診断士と司法書士の比較
- 中小企業診断士と公認会計士の比較
- 中小企業診断士と行政書士の比較
- 中小企業診断士と宅建の比較
- 中小企業診断士と他の資格の勉強時間・合格率まとめ
中小企業診断士と、その他のビジネス関連の資格の勉強時間を比較していきます。
中小企業診断士は1,000時間の勉強が必要といわれており、同じ1,000時間程度の勉強で合格を目指せるのは、社労士や行政書士です。
中小企業診断士・司法書士・公認会計士・行政書士・宅建は誰でも受験できますが、社労士は大学卒や専門学校卒の学歴が必要です。
中小企業診断士の勉強時間
アガルートアカデミーや資格の学校TACによると、中小企業診断士は約1,000時間の勉強で目指せる資格です。
科目 | 必要な勉強時間 |
財務・会計 | 150時間 |
企業経営理論 | 130時間 |
運営管理 | 120時間 |
経済学・経済政策 | 120時間 |
経営情報システム | 110時間 |
経営法務 | 110時間 |
中小企業経営・政策 | 60時間 |
(引用元:資格の学校TAC)
科目 | 必要な勉強時間 |
事例1~事例3 | 100時間 |
事例4 | 100時間 |
(引用元:資格の学校TAC公式HP)
資格の学校TACの調べによると、1次試験の7科目は1科目につき60~150時間の勉強時間がかかります。
また最短では200時間で合格した方がいました。
ブログで勉強法を紹介している方ですが、完全独学ではなく通信講座を活用しながら勉強した方です。
1,000時間を1年かけて勉強すると1週間に20時間の勉強することになるので、1日当たり3時間弱の勉強が必要になります。
独学は通信講座やスクールに比べて、自分に合う学習方法を探したり、学び方の工夫が必要だったりするため、より多くの時間がかかるでしょう。
次は、他のビジネス関連の資格の勉強時間と比較します。
中小企業診断士と社労士の比較
まず、中小企業診断士と同じくらいの合格率の社労士と比較します。
社労士は社会保険労務士法に基づいた国家資格です。
申請書や帳簿書類の作成、申請書などの提出代行や事務代理などを行います。
社労士の受験資格には、大学卒や専門学校卒の学歴が必要ですが、中小企業診断士には受験資格がありません。
中小企業診断士は、誰でも受験可能です。
社労士は、中小企業診断士と合格率が近いばかりでなく、勉強時間も同じ1,000時間が必要とされています。
そのため、中小企業診断士と社労士は同じくらいの難易度といえます。
(引用元:アガルートアカデミー公式HP)
社労士の勉強時間は、アガルートアカデミーでは1,000時間、資格の学校TACでは800~1,000時間が必要とされています。
中小企業診断士と社労士は、難易度も勉強時間も同じくらいの資格です。
あわせて以下の記事もご覧ください。
→社労士 勉強時間はこちら
中小企業診断士と司法書士の比較
次も、中小企業診断士と同じくらいの合格率の司法書士と比較します。
司法書士は登記などの手続きの代理をしたり、法務局や裁判所などに提出する書類の作成をしたりする国家資格です。
試験以外に、裁判所や検察の事務官として10年以上勤め、法務大臣の認定を受けることでも資格を取得できます。
しかし認定を受けることは難しく、試験を受ける方が一般的です。
司法書士は、中小企業診断士と同じく受験資格がありません。
司法書士の勉強時間は、アガルートアカデミーや資格の学校TACによると3,000時間必要です。
試験範囲とその出題難易度という点では、司法書士試験の方がより広い範囲の知識が問われます。しかもほぼ法知識を問われるということもあり、法律に関する勉強を一から行う必要があり、試験内容としては中小企業診断士よりもかなり難易度が高いといわざるを得ません。
(引用元:フォーサイト公式HP)
中小企業診断士と司法書士の合格率は同じくらいですが、司法書士は中小企業診断士の3倍近くの勉強時間が必要です。
中小企業診断士と公認会計士の比較
公認会計士は監査・会計の専門家で、国家資格です。
「監査証明」がメインの業務内容で「会計」「税務」「コンサルティング」を行います。
公認会計士も中小企業診断士と同じく受験資格がありません。
勉強時間は、アガルートアカデミーでは3,500時間、資格の学校TACでは3,700時間かかるといわれれています。
ストレート合格となると、合格率は約4%まで落ちこみます。1次試験は企業経営に関する7科目から出題されるマークシート方式の筆記試験、2次試験は経営コンサルタントしての実務能力を問う内容が筆記試験および口述試験にて出題されます。
公認会計士試験は国家資格試験の中でも難易度は最上級といわれるほどで、平均合格率は約11%です。1年で合格する人もいますが、複数年かけて学習に取り組み、合格を勝ち取るパターンがほとんどです。
(引用元:スタディング公式HP)
公認会計士の合格率は10%のため、少し中小企業診断士よりも合格率が高い資格です。
しかし公認会計士は数年かけて資格合格を目指すため中小企業診断士よりも3~4倍近くの勉強時間がかかります。
→公認会計士 勉強時間はこちら
中小企業診断士と行政書士の比較
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格です。
官公署に提出する許認可などの申請書の作成や提出手続代理、遺言書などの権利義務、事実証明及び誓約書の作成などを行います。
行政書士も中小企業診断士と同じで受験資格は不要です。
勉強時間は、アガルートアカデミーでは600〜1,000時間、資格の学校TACによると独学だと600〜1,000時間、予備校だと800時間かかります。
行政書士試験の合格率は10%~15%程度で推移しています。
また、試験は40字程度の記述問題が3問と他はマークシート式で、全部で6科目あります。
試験は1次試験の1日のみで、2次試験はありません。
これに対し中小企業診断士の試験は1次試験と2次試験に分けて行われ、合格率は1次試験が15%~30%、2次試験が20%で全体として4%程度とかなり低いです。
さらに、1次試験は7科目のマークシート式で2日間にわたって行われ、2次試験は4科目の筆記試験とそれを元にした口述式試験を行います。
このように、合格率、出題形式、試験日程、科目数を比較すると、明らかに中小企業診断士の方がハードルが高いです。
(引用元:アガルートアカデミー公式HP)
行政書士は、合格率11~15%のため中小企業診断士よりも少し合格率が高く、行政書士は中小企業診断士よりも少ない勉強時間で取得できる可能性があります。
→行政書士 勉強時間はこちら
中小企業診断士と宅建の比較
最後に宅建と比較します。
宅建とは宅地建物取引士のことで、不動産取引の専門家です。
宅建業法第35条に定める重要事項の説明、重要事項説明書への記名と37条に定める書面への記名を行える国家資格です。
中小企業診断士と同じく宅建に受験資格はありません。
宅建の勉強時間はアガルートアカデミーでは300時間、資格の学校TACによると独学は500〜600時間、予備校では300〜400時間必要です。
合格率の高かった宅建士は勉強時間の面でも中小企業診断士より勉強時間が短く、中小企業診断士の方が難しいといえるでしょう。
(引用元:アガルートアカデミー公式HP)
宅建の合格率は15~17%なので、中小企業診断士よりも2倍以上の合格率です。
また、宅建は中小企業診断士の半分ほどの勉強時間で資格を取得できます。
中小企業診断士と他の資格の勉強時間・合格率まとめ
資格名 | 合格率 | 受験資格 | 平均勉強時間 |
中小企業診断士 | 3~7% | なし | 1,000時間 |
社労士 | 6~7% | 大学卒や専門学校卒 | 1,000時間 |
司法書士 | 3~5% | なし | 3,000時間 |
公認会計士 | 10% | なし | 3,500~3,700時間 |
行政書士 | 11~15% | なし | 600~1,000時間 |
宅建 | 15~17% | なし | 300~600時間 |
(引用元:アガルートアカデミー、資格の学校TAC公式HP)
中小企業診断士と同じ、ビジネス関連資格の合格率と勉強時間を比較しました。
社労士は受験資格が必要ですが、中小企業診断士・司法書士・公認会計士・行政書士・宅建は受験資格がありません。
中小企業診断士と同じ1,000時間の勉強で合格できるのは、社労士や行政書士です。
司法書士は、中小企業診断士と同じくらいの合格率ですが、3倍近くの勉強時間で目指せます。
中小企業診断士を独学するメリット・デメリット
- 中小企業診断士を独学するメリット
- 中小企業診断士を独学するデメリット
- 中小企業診断士を独学するメリット・デメリットまとめ
- 中小企業診断士の独学が向いている人
- 中小企業診断士の独学・通信講座・スクール比較まとめ
中小企業診断士合格に必要な勉強時間がわかったところで、独学で勉強するメリット、デメリットについて3つずつ解説していきます。
費用を抑えたい、自分のペースで勉強したい場合は独学がおすすめですが、一人で学習を進める自信がない場合は通信講座などを利用するとよいでしょう。
→中小企業診断士 通信の詳細はこちら
中小企業診断士を独学するメリット
- 費用が安い
- 自分のペースで学習できる
- 好きな勉強方法で学べる
中小企業診断士を独学すれば、費用を抑えながら、自分のペースで学習でき、好きな勉強方法で学ぶことができます。
通信講座や予備校の価格と受講期間は以下の通りです。
会社名 | 価格 | 受講期間 |
スタディング | 中小企業診断士1次2次合格コース[2024年度試験対応]
パーフェクト89,100円(税込) スタンダード59,400円(税込) ミニマム53,900円(税込) |
2024年度版:2024年10月31日まで |
資格の学校TAC | 1・2次ストレート本科生315,000円(税込) |
9月10月11月12月開講翌年9月まで |
診断士ゼミナール | 1次2次試験プレミアムフルコース:59,780円(税込) |
3年間の受講延長無料制度 |
KEC | 1次・2次ストレート合格コース272,880円(税込)
マスターコース327,800円(税込) パーフェクトコース404,800円(税込) プレミアムコース492,800円(税込) |
ストレート合格コース2023年2月~2024年7月
マスターコース・パーフェクトコース・プレミアムコース2023年2月~2024年10月 |
それぞれの費用、学習ペース、学習方法に違いがあります。
費用を抑えてオンラインで学習をしたい場合はスタディングの講座がいいでしょう。
→スタディング 中小企業診断士 評判はこちら
中小企業診断士を独学するメリット1:費用が安い
中小企業診断士を独学すると費用を抑えられます。
中小企業診断士の通信講座は5万円~30万円程度、スクールに通うと15万円~50万円程度です。
独学の参考書の価格は1冊3,000円~5,000円のため、10冊以下の購入ならば通信講座やスクールよりも安く済ませられます。
中小企業診断士を独学するメリット2:自分のペースで学習できる
中小企業診断士を独学する2つ目のメリットは、自分のペースで学習できることです。
通信講座やスクールは受講期間に制限があります。
調べたところ、通信講座やスクールの受講期間は1年程度です。
受講延長ができる講座もありますが制限はあります。
そのため、時間に縛られずに学びたい方は独学向きです。
中小企業診断士を独学するメリット3:好きな勉強方法で学べる
中小企業診断士を独学すると好きな勉強方法で学べます。
テキストや動画、アプリなどを使って得意・不得意な科目によって学び方を変えられるためです。
テキストや動画を使って知識を理解し一問一答のアプリを使ってゲーム感覚で理解度をチェックしましょう。
「中小企業診断士過去問試験徹底対策」アプリは暗記カードがあるので本を持ち歩かなくても、単語を覚えられ、様々な学習方法を取り入れることで、スキマ時間を有効活用できます。
テキストでの学習に飽きてきたら動画を見る、などの気分転換も図りやすいでしょう。
中小企業診断士を独学するデメリット
- 疑問が解決しづらい
- モチベーションが維持しづらい
- 勉強時間が確保しづらい
中小企業診断士の独学にはデメリットも3つあります。
自分一人で学習をすることになるので、疑問が解決やモチベーションの維持がしづらいでしょう。
また、自分のペースで勉強を進めるので、意識をして勉強時間を作る必要があります。
中小企業診断士を独学するデメリット1:疑問が解決しづらい
まず1つ目のデメリットが、疑問が解決しづらいということです。
中小企業診断士の1次試験は、7科目勉強しなければいけません。
一通りの学習を終えるには、わからないところを後で確認することもあります。
しかし科目数が多いため、後から手を付ける時間がなかったり、自分の理解が不十分なことに気づかなかったりすることも。
通信講座やスクールは、悩んだら質問ができます。
質問回数無制限の通信講座が気になったら、診断士ゼミナールをチェックしてみてください。
中小企業診断士を独学するデメリット2:モチベーションが維持しづらい
中小企業診断士を独学するデメリット2つ目は、モチベーションを維持しづらいことです。
中小企業診断士は、1年近く1人で勉強を続けなくてはいけません。
スクールは同じ目標の仲間がいるので、周囲のやる気や模試の結果などに刺激を受けます。
独学は、資格を取得した後にどのように役立てるのかを決めておきましょう。
キャリアアップや転職など、目標を立てておくと勉強を続けられます。
また、同じように資格の勉強している人を探したり、ご褒美を用意したりするとモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
中小企業診断士を独学するデメリット3:勉強時間が確保しづらい
中小企業診断士を独学する3つ目のデメリットは、勉強時間を確保しづらいことです。
独学は、決められた勉強時間がありません。
そのため、仕事の忙しさや疲れを理由にしてしまい学習が進みづらいことがあります。
学習を継続するには、毎日決まった時間の学習予定を立て、時間を確保できないときはスケジュールを見直すことが必要です。
予定を立てることが苦手な人は、受講日時が決まっているスクールなら、仕事や用事の調整がしやすいでしょう。
中小企業診断士 予備校や通信講座も多数あります。
→中小企業診断士 通信講座の詳細はこちらから。
中小企業診断士を独学するメリット・デメリットまとめ
独学のメリット | 独学のデメリット |
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中小企業診断士を独学するメリットとデメリットを紹介しました。
独学は費用が安く、自分のペースや好きな勉強方法で学べるというメリットがあります。
デメリットは、疑問が解決しづらかったり、モチベーションが維持しづらい点です。
そのため、勉強を後回しにして学習時間を確保できないこともあります。
中小企業診断士の独学はすごい?向いている人
中小企業診断士の独学に向いている方のポイントは3つあります。
- 費用を抑えたい人
- 1,000時間、1人で勉強が続けられる忍耐力のある人
- わからないことを自力で調べて解決できる人
まず、費用を抑えたい方は独学に向いています。
参考書や動画、アプリなどを使えば、通信講座やスクールより学習にかかる費用を抑えられるためです。
次に、1,000時間の学習期間中に1人でもモチベーションを維持できる人。
目的が明確な方は、意欲を保ちやすいです。
「いつまでに何のために中小企業診断士の資格合格をしたいのか」があいまいな方はモチベーションの維持が難しく独学に向いていません。
最後に、わからないことを自力で解決できる人です。
独学は質問相手がいないため、疑問の解決を後回しにしてしまうことがあります。
そのため、周りに中小企業診断士の資格を持っていたり、質問できたりする環境があるときは独学を進めやすいです。
3つのポイントを確認して独学がいいのか、通信講座や予備校がいいのかを考えてみてくださいね。
中小企業診断士の勉強法と難易度を下げる方法
- 中小企業診断士に合格するための勉強法
- 中小企業診断士合格の難易度を下げる方法
中小企業診断士に合格するにはどのような勉強法が必要なのか、合格の難易度を下げる方法はあるのか解説していきます。
勉強方法のポイントは5点です。
- 基本的な内容を勉強する
- 過去問の出題頻度が高い内容に取り組む
- 反復学習をする
- 知識を関連付けて学習する
- アウトプットする
また、中小企業診断士合格の難易度を下げるには「科目合格」という1次試験で合格した科目を、申請すれば翌年と翌々年に試験免除できる制度を利用しましょう。
科目合格を使うことで、3年かけて合格を目指すことで難易度を下げられます。
中小企業診断士に合格するための勉強法
中小企業診断士に合格するための勉強法は5つあります。
- 基本的な内容を勉強する
- 過去問の出題頻度が高い内容に取り組む
- 反復学習をする
- 知識を関連付けて学習する
- アウトプットする
スタディング、アガルートアガルートアカデミー、資格の学校TACの公式HPで紹介されている勉強法を順番に説明していきます。
基本的な内容を勉強する
まずは参考書に書いてある基本的な内容を学習しましょう。
基本を理解していないと、応用問題を解くのは難しいためです。
2次試験は、紙の上でコンサルティングをしなければいけません。
1次試験のマークシートとは違い、記述で回答するため基本の内容を理解していることが求められます。
最初に基礎を固めておきましょう。
過去問の出題頻度が高い内容に取り組む
過去問の出題回数が多い内容に取り組みましょう。
過去問に出題されているということは、中小企業診断士として働く上で求められる能力です。
そのため今後も出題する可能性が高いので、過去問の出題回数が多い問題は取り組んでください。
反復学習をする
勉強は反復学習をしてください。
1次試験は7科目あるので1度学習しただけでは、覚えられません。
スキマ時間などを利用して、繰り返し学習を行うことで知識を定着させましょう。
知識を関連付けて学習する
知識は関連付けながら学習してください。
2次試験はコンサルティングする試験のため、必要な情報を素早く取り出せる力が必要です。
そのため、覚えた内容を頭の中で整理しておいてください。
関連のある内容を視覚的にまとめておくことで、知識を取り出しやすくなります。
アウトプットする
覚えた知識はアウトプットしましょう。
2次試験には口述試験があり、言葉で説明する力が試されるためです。
またアウトプットすることで、自分がどこまで理解できているのか把握できます。
説明ができないのは、理解が不十分だからです。
そのため、覚えた内容を人に説明し、さらにわかりづらい点を質問してもらうと自分が理解できているか把握しやすいでしょう。
知識はアウトプットして理解度を確認してください。
中小企業診断士合格の難易度を下げる方法
中小企業診断士の難易度を下げる方法として、科目合格があります。
科目合格とは、1次試験で合格した科目を、申請すれば翌年と翌々年に試験免除できる制度です。
そのため、3年かけて合格を目指すことで難易度を下げられます。
例えば1年目は1次試験のうち3科目合格、2年目に残り4科目合格、3年目に2次試験合格を目指す方法です。
最初の1年目は、3科目のみの学習に集中すればよいので、合格の難易度を下げられます。
中小企業診断士の独学におすすめのテキスト・参考書
- ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書
- 中小企業診断士1次試験一発合格まとめシート
- みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書
『「ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書』は、10時間で読み切れる見開き構成なので繰り返し読み返して反復学習を行いやすい本です。
文章ばかりでは学習が進みづらい方はイラストが多い『中小企業診断士1次試験一発合格まとめシート』は、手に取りやすいでしょう。
『みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書』は、過去問の出題番号が載っているので、説明を読んだあとに過去問を解いて理解度をチェックできます。
ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書
金城 順之介 (著), LEC東京リーガルマインド (監修)
1,650円(税込)
- レビュー件数315件、評価4.0
- 著者は、講師歴13年で2次試験対策の添削枚数1万枚超えのLEC人気講師
- 10時間で読み切れる見開き構成
LECの人気講師である金城順之介さんが執筆した本です。
10時間で読み切れるため、繰り返し読むことで中小企業診断士の基礎を学習できる内容になっています。
「物凄くわかりやすい!事例も適切で、頭にどんどん入ってくる。
中小企業診断士は最終的には、もっと難しい練習問題を繰り返し解かなければならないのだが、その前段階でこの本を読んでおくと理解の度合いが違ってくる。感服しました。」
「本書を一冊学べば合格できるというものではないものの、本書を理解せずには次にも進むことはできない。そして、取り上げている項目の多くは実務においても非常に役立っていたり、知識の紐づけとして重要ものばかりが、著者自身のわかりやすく説明するメソッドがしっかり形として現れ、再学習においても知識の体系的な棚卸が出来た。」
(引用元:Amazon)
基礎を理解するのに役立つため初めの1冊として読んでおくと、学習が進めやすいという口コミが多いです。
中小企業診断士1次試験一発合格まとめシート
野網 美帆子 (著)
前編、後編各3,300円(税込)
- 過去に販売された2021年度版はレビュー130件、評価4.3
- 重要ポイントを1枚に凝縮した「まとめシート」
- 語呂合わせや図解が満載
- シートカラー版PDFのダウンロード可能
まとめシートシリーズは、毎年販売されています。
イラストが描かれているので、文章が多い本が苦手な人でも手に取りやすい1冊です。
また、シート1枚で内容がまとまっているため視覚的に記憶できます。
「わかりにくい論点が1枚のシートでわかりやすく解説してあるので、導入時だけでなく、復習にも頻繁に使いました。またPDFダウンロード版が別売りの音声版と合わせて、電車内での勉強に役に立ちました。」
「膨大な中小企業診断士の参考書の冊数と過去の合格率を見て、何年も中小企業診断士の受験を断念してきた。そんな中、youtubeで著者の動画を見て、軽い気持ちでこの本を購入。上・下巻の2冊で第1次試験の科目を網羅するというすごさと図解とコンパクトな説明、関連する過去問等はQRコードからダウンロードするというお手軽でかつ親身な形式。ギリギリ持ち運びにも対応したサイズと厚さ。なにより勉強ができる子のノートを借りて勉強するような感覚で、「勉強=苦痛」からしばし開放してくれる。」
(引用元:Amazon)
図解の説明が理解しやすく、PDFをダウンロードできるので移動中の学習に役立てられる本です。
みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書
TAC中小企業診断士講座(著)
上巻4,180円(税込)、下巻4,400円(税込)
- 2021年度版はレビュー63件、評価4.2
- フルカラー、ミニテストつき、持ち運びしやすい科目別3分冊
- 5年間の過去問ナンバーが載っているので、重要事項が一目瞭然
みんなが欲しかった!シリーズは毎年発売されています。
勉強する内容だけを持ち運びできる分冊タイプです。
過去問の出題番号が載っているので、説明を読んだあとに過去問を解けば、内容の理解度をチェックできます。
「図や表も多く、オールカラー刷りですから見やすさにも配慮されていました。」
「講師が黒板に書き殴った様な解説文を再現する為に、書面を黒板に見立てた上で、手描き調フォントまで用い、所謂『板書式』と称される作風に整えられています。その為、講義を受けている様な感覚で、順を追って実践的に学べる利点があり、それを補足する客観的解説も別途教科書体で添えられ、独学者でも解り易いです。」
(引用元:Amazon)
オールカラーという見やすさと、講義を受けているような流れに沿った作りが理解力をアップさせてくれます。
中小企業診断士の独学・通信講座・スクールの比較とおすすめ講座
中小企業診断士の独学におすすめのテキスト・参考書を紹介しました。
合格率や勉強時間を知って、なかには「独学は向いていないかも」と思われた方もいるのではないでしょうか。
そこで中小企業診断士の独学、通信講座、スクールのメリットとデメリットを比較していきます。
独学は、費用が抑えられたり自分のペースで学習できたりしますが、疑問が解決しづらかったりモチベーションの維持が難しいです。
通信講座は独学よりも費用はかかりますが、わからないことを質問できるというメリットがあります。
スクールは時間に合わせて通わなくてはいけませんが、同じ目標の仲間がいるのでモチベーションを維持しやすいです。
また、価格、保証制度、合格者数、少人数編成の4タイプのおすすめの通信講座とスクールの紹介もします。
中小企業診断士の独学・通信講座・スクールの比較
勉強方法 | メリット | デメリット |
独学 |
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通信講座 |
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スクール |
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独学は、費用が抑えられたり自分のペースで学習できたりしますが、疑問が解決しづらかったりモチベーションの維持が難しいです。
通信講座は独学よりも費用はかかりますが、わからないことを質問できるというメリットがあります。
スクールは時間に合わせて通わなくてはいけませんが、同じ目標の仲間がいるのでモチベーションを維持しやすいです。
独学で中小企業診断士の資格に合格することが難しいと感じたら、通信講座やスクールも検討してみましょう。
おすすめの通信講座とスクールをご紹介します。
タイプ別の中小企業診断士おすすめ通信講座とスクール
中小企業診断士のおすすめ通信講座とスクールを、タイプ別に4種類紹介します。
- 価格
- 保証制度
- 合格者数
- 少人数・個別カウンセリング
価格で選ぶなら53,900円(税込)から受講できるスタディング、保証で選ぶなら3年間受講延長無料制度、最大で30,000円の合格お祝い金制度と20,000円の不合格者返金制度のある診断士ゼミナール。
合格者数で選ぶなら2022年度の合格者数169名の資格の学校TAC、30名以下の少人数編成で学べ質問しやすいKECと各講座特徴が分かれています。
また、中小企業診断士はハローワークから最大10万円の給付金を受け取れる教育訓練給付金制度を使えるので、詳細は各講座の説明をご覧ください。
価格で選ぶならスタディング
価格を抑えて学べる「スタディング中小企業診断士1次2次合格コース」はミニマム、スタンダード、コンプリートの3種類です。
ミニマムは、3コースの中で一番低価格の53,900円(税込)で、1次試験対策の基礎講座と実践フォローアップ講座だけでなく、2次試験対策の講座も受講できます。
コンプリートコースは、合格模試や直前対策講座がセットです。
また、コンプリートコースは教育訓練給付金制度を使えます。
教育給付金制度とは、厚生労働大臣が指定する講座を受講・修了し、修了までに支払った学費の20%、最大10万円がハローワークから給付される制度です。
離職者以外にも、在職中の方も受けられます。
在職者は、通算3年以上の雇用保険の被保険者期間があることが条件です。
雇用保険を初回利用の方は、被保険者期間が1年以上あれば受給できます。
また、退職者は、退職後1年以内に講座を受講し始めて、3年以上の雇用保険の被保険者期間がある方が対象です。
さらに、過去に教育訓練給付金を受け取った方でも、前回の教育訓練講座の受講が開始されてから3年以上被保険者期間があれば利用できます。
さらに、AIが学習をサポートしてくれるのはスタディングだけです。
解いた問題の成績に合わせて、復習するべき問題を自動で出題したり、個別に学習計画を作成してくれたりします。
→スタディング 中小企業診断士の評判はこちら
→スタディング 評判はこちら
保証制度で選ぶなら診断士ゼミナール
保証制度が充実している「診断士ゼミナール1次2次試験プレミアムフルコース」は59,780円(税込)です。
入学金はありません。
スマートフォンやパソコンでダウンロードしての受講です。
スマートフォンやパソコンがなかったり、プリンターを持っていなかったりするときは追加23,980円(税込)で印刷テキストを申し込みできます。
映像講義DVDの申し込みは、追加24,900円(税込)です。
フルカラーのテキストは、図やグラフが多く、過去問題集は7年分用意されています。
また、24時間365日メールにて無制限で質問できるフォロー体制です。
3年間受講延長無料制度もあり、2年目3年目も最新の教材を使用して受講できるので、科目合格を考えている方はチェックしてください。
また、最大で30,000円の合格お祝い金制度と20,000円の不合格者返金制度もあります。
合格者数で選ぶなら資格の学校TAC
合格者数が多い資格の学校TACの「中小企業診断士1・2次ストレート本科生」は、295,000円(税込)から学べます。
2022年度の合格者数は169名でした。
TACの「中小企業診断士1・2次ストレート本科生」は通信、通学が選べます。
講座名 | 講座料金 |
Web通信講座 | 295,000円(税込) |
DVD通信講座 | 325,000円(税込) |
教室講座 | 295,000円(税込) |
ビデオブース講座 | 295,000円(税込) |
※別途入会金10,000円
DVD通信講座は325,000円(税込)、Web通信講座と通学の教室講座とビデオブース講座は295,000円(税込)で受講できます。
受講修了後に費用の20%をハローワークから受け取れる教育訓練給付金制度を利用可能です。
また、1次試験、2次試験それぞれの公開模試や直前演習があります。
公開模試は2021年度は2,653名が受験した全国最大級の模試です。
自分の実力が把握できる「個人成績表」と、試験内容の「統計資料」を受け取れるので、模試後の学習に役立ち、試験当日の雰囲気に慣れる練習にもなります。
さらに受講生が使える「中小企業診断士トレーニングアプリ」は、スキマ時間を有効活用できる一問一答形式です。
少人数・個別カウンセリングならKEC
少人数で学べるKEC「中小企業診断士講座1次・2次ストレート合格コース」は、272,880円(税込)から学べるスクールです。
1次・2次試験ストレート合格コース以外に、マスターコース、パーフェクトコース、プレミアムコースの4種類があります。
講座名 | 受講時間 | 金額 |
1次・2次試験ストレート合格コース | 238.5時間 | 272,880円(税込) |
1次・2次試験ストレート合格
マスターコース |
308.5時間 | 327,800円(税込) |
1次・2次試験ストレート合格
パーフェクトコース |
418.5時間 | 404,800円(税込) |
1次・2次試験ストレート合格
プレミアムコース |
604.5時間 | 492,800円(税込) |
※別途入学金16,500円(税込)
1次・2次ストレート合格コースに演習が追加されたのがマスターコース、2次試験対策の過去問演習、ディスカッション、計算演習トレーニングが追加されたのがパーフェクトコースです。
またオプション講座約200時間の全講座受け放題のプレミアムコースもあります。
パーフェクトコースとプレミアムコースは、教育給付金制度を利用して受講修了後ハローワークから20%分の費用を受け取れる講座です。
講義は30名以下の少人数編成なので、質問がしやすく、毎回出る宿題で理解度の確認ができます。
また、講義を録画したWEB補講もあるので欠席したときも安心です。
KEC中小企業診断士講座に特徴的なのは、学習計画や進捗状況の支援をする個別カウンセリングです。
年間計画からライフスタイルに合わせた週間単位のスケジュールを作成してくれます。
公式サイトには、過去の受講生の週間学習実績表が掲載されていました。
個別に対応してくれるスクールが気になったら、こちらをご覧ください。
中小企業診断士はやめとけ?求人情報や年収1億の人はいる?
- 中小企業診断士の年収
- 中小企業診断士の求人情報
中小企業診断士は、稼げない資格なのでしょうか。
年収や求人情報をご紹介していきます。
中小企業診断士のコンサルタント業務の年間売上、または年収1,001万円〜1,500万円以内が18.8%、3,001万円以上が4.3%、年収の中央値は、801万円〜1,500万円です。
求人は、ブリヂストンや古河電気工業など上場企業で募集があり、予定年収は、最低450万以上、最高では1,200万円でした。
このことから、中小企業診断士は稼げる資格といえるでしょう。
中小企業診断士の年収
年間売上・年収 | 回答数 | 構成比 |
300万円以内 | 49 | 8.9% |
301~400万円以内 | 46 | 8.3% |
401~500万円以内 | 55 | 10.0% |
501~800万円以内 | 110 | 19.9% |
801~1,000万円以内 | 82 | 14.9% |
1,001~1500万円以内 | 104 | 18.8% |
1,501~2,000万円以内 | 50 | 9.1% |
2,001~2,500万円以内 | 20 | 3.6% |
2,501~3,000万円以内 | 12 | 2.2% |
3,001万円以上 | 24 | 4.3% |
合計 | 552 | 100.0% |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
中小企業診断協会のアンケートによると、中小企業診断士のコンサルタント業務の年間売上、または年収が1,001万円〜1,500万円以内が18.8%、3,001万円以上が4.3%います。
中小企業診断士の年収の中央値は、801万円〜1,500万円です。
dodaが2022年に発表した全世代の平均年収は、男性449万円、女性347万円でした。
中小企業診断士の年収は、平均年収の2~3倍近い金額です。
そのため、中小企業診断士として活躍して年収1,000万円や3,000万円になれば「人生が逆転した」「人生が変わる」方もいるでしょう。
調査したところ、副業に力を入れて定年後もフルタイムで働けば、生涯年収1億円に増えそうだとブログで書いていた方がいました。
しかし、身体を壊すだろうと話していたため、相当な無理をしなければ年収1億円は難しいようです。
中小企業診断士の求人情報
中小企業診断士の求人情報を調査してみました。
企業名 | 予定年収 |
株式会社ブリヂストン | 450万円~900万円 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | 600万円~900万円 |
古河電気工業株式会社 | 500万円~900万円 |
株式会社タナベコンサルティング | 600万円~1,000万円 |
株式会社千葉銀行 | 500万円~1,200万円 |
(引用元:doda 2023年1月5日現在)
中小企業診断士は、ブリヂストンや古河電気工業など上場企業の求人がありました。
予定年収は、最低450万以上、最高では1,200万円です。
日本人の平均年収は男性449万、女性は347万円のため、中小企業診断士は平均よりも年収が高いことが多いようです。
中小企業診断士の難易度に関するよくある質問
中小企業診断士の難易度に関するよくある質問 |
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中小企業診断士のよくある質問をまとめました。
中小企業診断士の受験資格は?試験内容や合格基準・結果発表
中小企業診断士に受験資格はありません。
誰でも受験することができます。
中小企業診断士の試験内容、合格基準は以下の通りです。
中小企業診断士の試験日と受験料
試験区分 | 項目 | 日程 | 受験料 |
1次試験 | 試験実施 | 令和5年8月5日(土)・6日(日) | 14,500円(税込) |
2次試験 | 筆記試験実施 口述試験実施 |
令和5年10月29日(日) 令和6年1月21日(日) |
17,800円(税込) |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
中小企業診断士の試験は、年に1回開催されます。
1次試験の受験料は14,500円(税込)、2次試験は税込17,800円(税込)です。
中小企業協会のサイトでは、1次試験は8月上旬の土日、2次試験は筆記試験が10月下旬の日曜日、口述試験が1月下旬の日曜日とアナウンスされています。
2023年は3月15日に日程が発表されました。
3月に告知のあった日程から変更なく開催されています。
2024年も3月に実施予定が発表され、4月に本決定となる見込みです。
中小企業診断士の試験内容
【1次試験】
月日 | 試験時間 | 試験科目 |
1日目 | 9:50~10:50 11:30~12:30 13:30~15:00 15:40~17:10 |
経済学・経済政策 財務・会計 企業経営理論 運営管理(オペレーション・マネジメント) |
2日目 | 9:50~10:50 11:30~12:30 13:30~15:00 |
経営法務 経営情報システム 中小企業経営・中小企業政策 |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
【2次試験:筆記試験】
試験時間 | 試験科目 |
9:40~11:00 11:40~13:00 14:00~15:20 16:00~17:20 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
【2次試験:口述試験】
試験時間 | 試験科目 |
約10分 | 中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに個人ごとに面接 |
(引用元:一般社団法人 中小企業診断協会)
中小企業診断士の1次試験は、マークシート方式で2日間にわけて7科目実施します。
2次試験の筆記は各設問15〜200文字程度の記述です。
1次試験、2次試験の筆記試験は配点100点。
口述試験は10分程度の面接を個別で実施します。
中小企業診断士試験の合格基準と科目合格
試験名 | 合格基準 |
1次試験 | 総点数の60%以上で、1科目でも満点の40%未満がない |
2次試験:筆記 | 総点数の60%以上で、1科目でも満点の40%未満がない |
2次試験:口述試験 | 評定が60%以上 |
中小企業診断士の1次試験と2次試験の筆記の合格基準は、総点数の60%以上で1科目でも満点の40%未満がないことです。
翌年度と翌々年度の1次試験が申請により免除される科目合格になるには、満点の60%が基準とされています。
2次試験の口述試験の評定は60%以上です。
中小企業診断士の試験の難易度は下がる?
中小企業診断士の試験難易度を引き下げる制度改正が、進められる可能性があります。
2020年の東洋経済オンラインによると、経済財政諮問会議で新浪剛史議員の発言や、金融庁が中小企業診断士の増加を求める声がありました。
「中小企業診断士は1次試験では7科目すべてに合格しないと試験に通過できないなど、たいへん難易度が高い。税理士のように、何科目か合格したら資格を与えるようにしてはどうか」
(引用元:東洋経済オンライン)
発言を受けて、今後試験の難易度を引き下げる制度改正が、進められることになりそうだと報告されています。
中小企業診断士に独学で一発合格した人の勉強法やノートを紹介しているブログはある?
一発合格した人のブログは、「中小企業診断士 一発合格道場」があります。
合格体験談や再現答案、学習ノウハウが書かれているサイトです。
合格体験談のブログでは、合格者ごとに学習開始時の知識や保有資格、学習方法のメリットやデメリット、学習時間の作り方、学習方法が書いてありました。
他の受験者の勉強アイデアを見ることで、勉強に行き詰ったときのマンネリを解消できます。
無料で使えたり中古販売されたりしている中小企業診断士のテキストはある?
無料で使える「過去問.com」では過去問を紹介しています。
また、アマゾンや楽天市場でテキストの中古販売がされていました。
中小企業診断士の独学におすすめのサイトはある?
独学には、AASの「2次試験過去問ダウンロード」がおすすめです。
AASでは、受験者の再現回答が載っているので、記述するときのポイントを押さえる学習できるためです。
中小企業診断士の2次試験は、マークシート方式で回答する1次試験とは違います。
2次試験は記述式で、企業をコンサルタントするため、暗記だけでは合格できません。
再現回答を使うことで、出題者が求める回答を理解できます。
中小企業診断士はなくなる?廃止の可能性はある?
中小企業診断士がなくなる予定はありません。
中小企業庁や中小企業診断協会でアナウンスされていないためです。
また中小企業診断士の登録を行っている経済産業省を確認しても、資格廃止の告知はありません。
中小企業診断士は、実際にどのくらいの使い道がありますか? また、今後なくなる資格もあると聞いたことがありますが、 (ネット上では○○書士など(あくまでネット上の噂です)) その中に入ってくると思われますか?
(引用元:Yahoo!知恵袋)
中小企業診断士がなくなるという噂は、中小企業診断士に独占業務がなく、資格だけでは収入を得られないためです。
しかし求人情報を調べると、専門分野がある中小企業診断士は、平均以上の年収で上場企業からも求められています。
中小企業診断士になって人生が逆転したり、人生が変わったりする人はいる?
「人生逆転」「人生が変わった」方はいます。
中小企業診断士として独立したことで「人生が変わった」とブログを書いている方がいました。
中小企業診断士を取って独立したことで人生が変わりました。なぜなら、会社員時代にどうしても嫌だった以下のようなことから逃れられたからです。
- 早朝、深夜に無理して働く
- 満員電車に乗って会社に行く
- 上司のパワハラに耐える
- 意味のない飲み会に顔を出す
- ゴルフで貴重な休日を潰す
(引用元:200時間で中小企業診断士!)
中小企業診断士の花月諒さんは「満員電車に乗らなくてすむ」「ゴルフで貴重な休日を潰す」「上司のパワハラに耐えなくてすむ」ことがなくなって、人生が変わったそうです。
また中卒で中小企業診断士に合格し「人生逆転」を叶えた方もいました。
僕は最終学歴中卒で潜水士(港湾工事)の仕事をしていましたが、現在は中小企業診断士という国家資格を取得して経営コンサルタントとして独立開業しています。
僕は30代前半でこれからの人生に危機感を覚えて、勉強を開始して30代後半に資格を取得して現在に至ります。
勉強を始めた時は、「割り算の筆算ができない」「方程式の解き方が分からない」「小学校2年生以降に習う漢字が全く書けない」という状態からのスタートでした。
そんな僕でも、現在このように国家資格を取得して公的な仕事などにたずさわれているのですから、低学歴で悩んでいる皆さんも努力と工夫次第で逆転は可能だと思っています。
(引用元:中卒経営コンサルタント 逆転コンサル)
中小企業診断士のキタさんは、中卒で中小企業診断士に合格し、3年目には8桁以上の収入が確定していると話しています。
まとめ:中小企業診断士は難易度が高いのか?
中小企業診断士の難易度、合格率について解説してきました。
中小企業診断士の合格率は例年3~7%で推移しており、合格に必要な目安勉強時間は1,000時間程度です。
難易度が高いですが、資格手当がついたり転職に活かせたりする資格です。
紹介した勉強法やテキスト、科目合格という制度を活用して自分に合った勉強方法で学習を進めてみましょう。
独学では難しいと感じたら、通信講座やスクールも検討してみてください。
中小企業診断士 通信は以下の記事をご覧ください。
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